JP2890174B2 - 高圧ガス圧縮機用ピストン - Google Patents
高圧ガス圧縮機用ピストンInfo
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Description
縮する無給油往復動圧縮機のピストンに関する。
に、圧縮ガス中に潤滑油が混入するのを避けるため、無
給油往復動圧縮機が用いられている。しかし無給油で圧
縮機を運転するために、複数本のピストンリング溝にそ
れぞれふっそ樹脂製等の摩擦係数の小さい素材よりなる
ピストンリングを嵌合して用いている。しかしふっ素樹
脂のリングを用いても、無給油で圧縮機を運転するとリ
ングの摩耗が大きく、ピストンリングの寿命が短く、ピ
ストンリングの摩耗が進むと、ピストンリングの切欠部
の間隔が開き漏洩面積が増大し、ガスの漏洩量が増して
圧縮機の効率が低下する。
ン先端の圧縮室に近いトップ側のピストンリングは、ピ
ストンリングの内側の背面に流入した圧縮ガスの圧力に
より、ピストンリングのシリンダ内面に対する押圧力が
増大し、その摩耗が特に促進される。特公平3−573
212号公報には、複数本のピストンリング溝の溝底を
貫通孔によって互いに連通することにより、トップ側ピ
ストンリングの背面に流入した圧縮ガスを2番目以降の
ピストンリングの背面に分散させて、各ピストンリング
の背面の圧を均等に減少させて、トップ側ピストンリン
グの摩耗を少なくする方法を開示する。
動圧縮機のピストンリングの摩耗を防止するためにに各
ピストンリング溝を連通しただけでは、連通したピスト
ンリング溝に嵌合するピストンリング背面圧が均等にな
るが、ピストンとシリンダの間隙を通り、圧縮室側から
漏洩してくるガスの圧力は各ピストンリングを通過する
ごとに順次低下して各ピストンリングの外側から作用す
るガス圧は一定でないから、ピストンリングの背面から
作用するガス圧を貫通孔により均等にしても、ピストン
リングのシリンダ内面に対する押圧力は決して一定には
ならない。
するピストンの各ピストンリングのシリンダ内面に対す
る押圧力をできるだけ弱い均等の押圧力に調節して、ピ
ストンリングの摩耗を少なくして、ピストンリングの寿
命を延ばし、ガスの漏洩を少なくすることができる無給
油往復動圧縮機のピストンを提供することを目的とす
る。
機のピストンのトップ側及びボトム側ライダリングの摩
耗を少なくするピストンの構造を提供することを目的と
する。
発明者らが鋭意研究を重ねた結果、圧縮室に近いトップ
側の複数本のピストンリング溝からトップ側の圧縮室に
通ずる連通孔をそれぞれ設け、各連通孔の太さ及び/又
は長さを変えて各連通孔のガスの流通抵抗をピストンの
先端から遠いピストンリング溝に通ずる連通孔ほど大き
くなるように構成することにより、ピストンリングのシ
リンダ内面への押圧力を均等で且つ低く保つことができ
ることを見出し、本発明を完成するに到った。
る円筒状ピストンの外周に複数本の環状のピストンリン
グ溝を備え有し、各ピストンリング溝にそれぞれピスト
ンリングを嵌合した高圧ガス圧縮機用ピストンにおい
て、該ピストンリング溝のうちピストンの先端部に近い
複数本のピストンリング溝からそれぞれ該ピストンの先
端部から圧縮室に連通する連通孔を設けると共に、ピス
トン先端のトップ側から遠いピストンリング溝に通ずる
連通孔ほど該連通孔のガス流通抵抗が大きくなるように
形成したことを特徴とする高圧ガス圧縮機用ピストンを
要旨とする。
例について、図面により詳細に説明する。図1は本発明
の高圧ガス圧縮機用ピストンの一例の要部断面図であ
る。
りその内面に沿ってピストン2が往復駆動される。シリ
ンダ1のピストン2先端側は圧縮室3を構成し、ピスト
ン2の外周には、ピストン先端のトップ側から、トップ
側ライダリング溝4、複数本のピストンリング溝5、ボ
トム側ライダリング溝6がそれぞれ環状に順次刻設さ
れ、それぞれトップ側ライダリング7、複数のピストン
リング8、ボトム側ライダリング9が嵌合されている。
ピストン2の先端よりピストン2の軸線方向に沿ってト
ップ側縦孔10が穿設され、圧縮室3に連通し、ピスト
ン2の基端よりピストン2の軸線方向に沿ってボトム側
縦孔11を穿設し、ピストン2の背面に連通する。ピス
トン2のトップ側に近い複数本のピストンリング溝5か
らそれぞれトップ側縦孔10に連通するトップ側連通孔
12が設けられ、又ピストン2のボトム側に近い複数本
のピストンリング溝5からそれぞれボトム側縦孔11に
連通するボトム側連通孔13を設ける。更にボトム側ラ
イダリング溝6からボトム側縦孔11に通ずるライダリ
ング連通孔14を設ける。
ら遠い連通孔ほど、その内径を細くして、ガスの流通抵
抗を高める。最もトップ側のピストンリング溝5からト
ップ側縦孔10に通ずるトップ側連通孔12は、その孔
径をピストン2外周部からのガス流入量より多いガス流
入量を外方に流し得る孔径とする。他方、ボトム側連通
孔13はピストン2の基端部から遠い連通孔ほど、その
内径を細くして、ガスの流通抵抗を高める。ライダリン
グ連通孔14はガス流通抵抗が充分小さくなるようにそ
の内径を定める。
及びボトム側ライダリング溝6に対して1本宛設けても
よいし2本以上設けてもよい。特に最もトップ側のピス
トンリング溝5及びボトム側ライダリング溝6に通ずる
トップ側連通孔12及びライダリング連通孔14は等間
隔に複数本宛設けるのが好ましい。これにより、リング
全周にわたり押圧力を均一に保つことができる。図1に
示すようにボトム側ライダリング9の更にボトム側にピ
ストンリング8を設けるのが望ましいが、この最もボト
ム側のピストンリング溝5からは連通孔12は設けな
い。
リンダ1とピストン2の間隙を小さくする必要があり、
その間隙を小さくしても摺動抵抗を低く保つため、ピス
トン2外周の円筒面に耐摩耗性で且つ潤滑性に優れた固
体潤滑膜15を被覆するのが望ましい。固体潤滑膜15
は例えばポリイミド系合成樹脂又はポリテトラフルオロ
エチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂その
他のふっ素系合成樹脂等が好ましく用いられる。又上記
の潤滑性合成樹脂等の均一な膜を形成してピストン2の
表面を被覆する代わりに、潤滑剤粉末を懸濁したメッキ
液中で金属メッキを施すことにより、潤滑剤粉末を埋蔵
したメッキ層を形成して固体潤滑膜15とすることもで
きる。これらの固体潤滑膜15の厚みは全体が均一でな
くともよく、むしろ摩耗速度の大きい部分の膜厚を厚く
するのが好ましい。
圧縮室3からピストン2先端部のシリンダ1とピストン
2の間隙を通ってピストン2のボトム方向に漏れ出した
高圧ガスはトップ側ライダリング7とシリンダ1内面の
間を通って漏れ、最もトップ側のピストンリング8の外
周に達するが、一方最もトップ側のトップ側連通孔12
を通って圧縮室3からそれよりも多い量の圧縮ガスがピ
ストンリング8の背面に流れ、そのピストンリング8の
背面のガス圧はピストンリング8外面のガス圧より僅か
に大きくなるため、そのピストンリング8は弱い押圧力
でシリンダ1内面に押圧される。
ング8では、上記第1番目のピストンリング8を越えて
ピストンリング8外周を通って漏れ出してくるガス圧は
第1番目のピストンリング8へのガス圧より低下してい
るが、第2番目のピストンリング8に通ずるトップ側連
通孔12は上記第1番目のピストンリング溝5に通ずる
トップ側連通孔12よりも細い連通孔12を通って圧力
の低下したガス圧がピストンリング8の背面に作用し、
上記2番目のピストンリング8の外面に作用するガス圧
より僅かに大きくなり、そのピストンリング8は弱く調
節された押圧力でシリンダ1の内面に押圧される。
て、流通抵抗の大きなトップ側連通孔12を通って流通
量が少なく圧力の低下したガス圧がピストンリング8の
背面に作用するため、ピストンリング8の押圧力を略一
定の弱い押圧力に調節することが可能となり、ピストン
リング8の摩耗速度を低下させ、ピストンリング8の寿
命を延ばし、ガスの漏洩量を少なくし、圧縮室3の効率
を高めることができる。
ム側連通孔13を経て、ボトム側縦孔11を通りピスト
ン2背面側に連通する流路により、ボトム側ライダリン
グ9の背面からガス圧を放出するため、ボトム側のピス
トンリング8の背面の圧を低くして、ボトム側のピスト
ンリング8のシリンダ1内面への押圧力を低く保ち、そ
のピストンリング8の摩耗を低減することができる。ボ
トム側に近いピストンリング8程その外側に作用するガ
ス圧は小さくなるので、そのピストンリング8溝に通ず
るボトム側連通孔13の内径を大きくしてガスの流通抵
抗を下げ、ピストンリング8の背面のガス圧を下げて、
ピストンリング8の押圧力を小さくすることにより、各
ピストンリング8の押圧力を略均一で且つ小さく保つこ
とができる。
リング連通孔14を経てピストンリング8背面に通ずる
流路を設けたため、ボトム側ライダリング背面のガス圧
を下げ、ボトム側ライダリング9の寿命を延ばすことが
できる。
れば、無給油の高圧ガス圧縮機のピストン2の各ピスト
ンリング8のシリンダ1内面への押圧力を低い略均一な
押圧力に調節することができ、ピストンリング8の摩耗
速度を下げ、ピストンリング8の寿命を延ばすととも
に、ガスの漏洩量を少なくし、圧縮機の効率を高めるこ
とができる。
5を設けることにより、ピストン2とシリンダ1の間隙
を小さくしても、その摺動抵抗を小さく保つことができ
るから、その間隙を小さくすることができ、ピストンリ
ング8の合口部の漏洩面積を小さくすることができ、ガ
ス漏洩量を少なくし、圧縮効率を高めることができる。
略を示す要部断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】シリンダ内面を往復摺動する円筒状ピスト
ンの外周に複数本の環状のピストンリング溝を備え有
し、各ピストンリング溝にそれぞれピストンリングを嵌
合した高圧ガス圧縮機用ピストンにおいて、該ピストン
リング溝のうちピストンの先端部に近い複数本のピスト
ンリング溝からそれぞれ該ピストンの先端部から圧縮室
に連通する連通孔を設けると共に、ピストン先端のトッ
プ側から遠いピストンリング溝に通ずる連通孔ほど該連
通孔のガス流通抵抗が大きくなるように形成したことを
特徴とする高圧ガス圧縮機用ピストン。 - 【請求項2】該ピストンの複数本の該ピストンリング溝
のうちピストンの基端部に近い複数本のピストンリング
溝からそれぞれ該ピストンの基端のピストン背面に連通
する連通孔を設けると共に、ピストン基端のボトム側か
ら遠いピストンリング溝に通ずる連通孔ほど該連通孔の
ガス流通抵抗が大きくなるように形成した請求項1記載
の高圧ガス圧縮機用ピストン。 - 【請求項3】該ピストンの最もボトム側のピストンリン
グ溝よりも更にボトム側のピストン周面にライダリング
を嵌合したボトム側ライダリング溝を設け、該ボトム側
ライダリング溝からボトム側のピストン背面に通ずるラ
イダリング連通孔を設けた請求項2記載の高圧ガス圧縮
機用ピストン。 - 【請求項4】該ピストンの円筒状外周面に耐摩耗性で且
つ潤滑性の皮膜を被覆した請求項1乃至3記載の高圧ガ
ス圧縮機用ピストン。 - 【請求項5】該耐摩耗性で且つ潤滑性の皮膜がポリイミ
ド系、ふっ素系合成樹脂等の合成樹脂皮膜又は潤滑性粉
末を埋蔵した金属メッキ層である請求項1乃至4記載の
高圧ガス圧縮機のピストン。
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1995
- 1995-03-31 JP JP10039695A patent/JP2890174B2/ja not_active Expired - Fee Related
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