JP2888868B2

JP2888868B2 - 消臭剤

Info

Publication number: JP2888868B2
Application number: JP1172055A
Authority: JP
Inventors: 圭子木内; 三郎内空閑
Original assignee: Sogo Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Sogo Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1989-07-05
Filing date: 1989-07-05
Publication date: 1999-05-10
Anticipated expiration: 2014-05-10
Also published as: JPH0337289A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は消臭剤に関するものであり、更に詳細には、
各種の悪臭物質の除去に広範に利用することのできる家
庭用もしくは産業用の汎用消臭剤に関するものである。

（従来の技術）家庭、工場、商店その他各種の環境から、多種多様な
悪臭が発生しているが、これら家庭および産業上から発
生する悪臭成分の内、特に悪臭度が強烈でしかも除去し
にくい成分としては、例えば、硫化水素、メルカプタン
類等の硫黄系悪臭物質、アンモニアやトリメチルアミン
等の塩基性悪臭物質、アルデヒド類などが主としてあげ
られる。

そして、これらの悪臭物質を除去する方法としては、
従来より、活性炭やシリカゲルなどの多孔質物質により
吸着法、酸やアルカリによる中和法、酸化剤や還元剤に
よる酸化還元法、微生物や酵素製剤による生化学的方
法、その他燃焼法、マスキング法などの方法が知られて
いる。

本発明は、酸化消臭剤とイオン交換樹脂とを併用する
ことにより、多種の悪臭物質を一挙に除去するものであ
るが、このような有用な技術思想は従来全く知られてお
らず新規である。

（発明が解決しようとする問題点）上記したような従来既知の脱臭方法においては、異な
った種類の悪臭成分を一挙に除去する方法は知られてい
ないし、いくつかの方法を併用しようにも、物理的に不
可能な場合や化学的に消臭成分同志が反応して効力を失
ってしまう等の場合が生じて、実用化には至っていな
い。

（問題点を解決するための手段）本発明は、上記した技術の現状に鑑みてなされたもの
であって、先ず、特に悪臭成分の内でも強烈であるばか
りでなく、その除去が困難な硫黄系悪臭物質やアルデヒ
ド類を消臭しうる物質のスクリーニングに着手した。そ
の結果、酸化消臭剤に着目した。

酸化消臭剤は、前記悪臭物質を酸化して無臭物質にす
る能力を有する消臭剤をいい、自らの持つ酸化機能によ
り、硫黄系悪臭物質である硫化水素やメルカプタン類、
アルデヒド等に消臭力を発揮する物質である。しかしな
がら、酸化消臭剤は上記した悪臭物質以外の悪臭物質を
も広範に消臭しうるものではなく、特に硫黄系悪臭物質
とならんで強烈な悪臭を発生するアンモニアやアミン類
といった塩基性悪臭物質に対してはほとんどないしは全
く効果が無い。

本発明者らは、酸化消臭剤の欠点を克服するべく鋭意
研究した結果、イオン交換樹脂が酸化消臭剤では除去し
にくいアンモニアやアミン類等を空気中でも効果的に除
去し得るのみでなく酸化消臭剤と併用しても酸化消臭剤
の効力をいささかも損なうことがなく、両者が両立する
ことができ、その結果、両者の併用によってほとんどす
べての悪臭物質の消臭が可能となるという新規にして有
用な知見を得、本発明を完成した。

すなわち本発明は、酸化消臭剤とイオン交換樹脂を併
用してなることを重要なポイントとする汎用の消臭剤に
関するものである。

本発明に用いられるイオン交換樹脂としては従来公知
のものが広く用いられ、陽イオン交換基としては例え
ば、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基等
が、陰イオン交換基としては例えば、４級アンモニウ
ム、アミノ基等があげられる。また、本発明のイオン交
換樹脂には両性イオン交換樹脂も含まれ、アミノホスホ
ン酸基、イミノ酢酸基等を有するいわゆるキレート樹脂
や、４級アンモニウムとカルボキシル基を有するスネー
クケージ樹脂などを含む。また、陰イオン交換基はその
ままではアンモニアやアミン類等に対して有効ではない
ので、酸処理をほどこして使用する。

本発明でいう酸化消臭剤としては、オゾン、二酸化塩
素、過酸化水素水およびその塩、過マンガン酸カリ、次
亜塩素酸ソーダ、鉄−フタロシアニン錯体、金属−ポリ
アミン錯体、金属−合成繊維化合物などがあげられる。
これら酸化消臭剤のなかには水分の存在によりその能力
に低下をみるものもあるが、前記イオン交換樹脂にはシ
リカゲルと同等またはそれ以上の脱水力があることも確
認され、このような酸化剤消臭剤の脱水剤、能力賦活剤
としても有効であって、消臭剤の寿命延長にも大きな効
果が発揮される。

本発明の消臭剤は、酸化消臭剤とイオン交換樹脂を合
わせることにより成るが、合わせ方および両有効成分の
比率は用途、悪臭成分の組成、使用環境等により任意に
決めることができ、使用場所、使用法、形態等になんら
制限を受けるものではない。例えば、これら２種の有効
成分をそれぞれ別個に併置してもよいし、これらを１つ
のセットにしてもよい。また本発明に係る消臭剤は、温
度によって効力が変動することもなく、その大きさも自
由に選択し得るので、小は戸棚、冷蔵庫、トイレ、自動
車、ペット小屋から、大は部屋、病室、工場、畜舎等に
も設置することもできる。

以下に実施例を示す。

実施例１スチレン・ジビニルベンゼン共重合物のジエチレント
リアミノメチル化物のCo錯体から成る酸化消臭剤1ml
と、乾燥したアミノホスホン酸基を交換基とするイオン
交換樹脂1mlを３容のテドラーバックに一緒に入れ、
これに濃度5,000ppmのアンモニア３をミニポンプを用
いて封入した（１/min）。

所定時間毎に北川式ガス検知管を用いてアンモニアの
濃度を測定し、消臭率を求めた。比較のために酸化消臭
剤のみの試験を同様に行った。

結果を第１図に示す。第１図からも明らかなように、
酸化消臭剤とイオン交換樹脂から成る本発明の消臭剤
は、強力な消臭力を発揮した。

実施例２鉄−フタロシアニン系の酸化消臭剤0.5gと、乾燥した
スルホン酸基を交換基とするイオン交換樹脂1mlを３
容のテトラーバックに一緒に入れ、これに濃度5,000ppm
のアンモニア３をミニポンプを用いて封入した（１
/min）。

結果を第２図に示す。第２図からも明らかなように、
酸化消臭剤とイオン交換樹脂から成る本発明の消臭剤
は、強力な消臭力を発揮した。

実施例３実施例１の酸化消臭剤1mlを水で飽和させたものと、
乾燥したスルホン酸基を交換基とするイオン交換樹脂1m
lを３容のテドラーバックに一緒に入れ、これに濃度
1,500ppmの硫化水素３をミニポンプを用いて封入した
（１/min）。

所定時間毎に北川式ガスの検知管を用いて硫化水素の
濃度を測定し、消臭率を求めた。比較のために水で飽和
させた酸化消臭剤のみの試験を同様に行った。

結果を第３図に示す。第３図からも明らかなように、
酸化消臭剤とイオン交換樹脂から成る本発明の消臭剤
は、強力な消臭力を発揮した。

実施例４オゾン発生〜分解触媒の冷蔵庫用消臭装置では庫内の
高湿度（60〜85％）のため、オゾン発生量の減少、オゾ
ン発生器の短寿命化、分解触媒の機能低下を来たす。

オゾン発生〜分解触媒の消臭装置に乾燥スルホン酸型イ
オン交換樹脂（遊離型）100mlを併置すると、アンモニ
アを第４図のように効率よく除去するばかりか、装置自
体がよく機能し、冷蔵庫内の消臭が良好となった。

（発明の効果）本発明に係る消臭剤は、各種のしかも強烈な悪臭成分
を一挙に消臭できるという著効を奏するものである。こ
のように本発明の消臭剤は強力は消臭作用を有するの
で、悪臭が大量に発生する畜舎や汚物処理場等において
も消臭効果を発揮することができる。

そのうえ、本発明に係る消臭剤は、湿気の多い場所や
高温ないし低温条件下でも充分にその効果を発揮するこ
とができるので、冷蔵庫、台所、自動車、トイレ、風呂
場等の消臭にも有利に利用することができる。また、剤
型も自由に選択できるので、設置場所を選ぶことなくど
こにでも設置してその場所の消臭に使用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は、実施例１〜４の消臭剤の消臭力をそれぞ
れ図示したグラフである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A61L 9/01

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】鉄−フタロシアニン錯体及び金属−ポリア
ミン錯体から選ばれる少なくともひとつの酸化消臭剤と
イオン交換樹脂とからなることを特徴とする消臭剤。