JP2888843B2

JP2888843B2 - 流体タンクおよびその製造方法

Info

Publication number: JP2888843B2
Application number: JP63316602A
Authority: JP
Inventors: クロード・レオン・エムベル
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1988-05-24
Filing date: 1988-12-16
Publication date: 1999-05-10
Anticipated expiration: 2014-05-10
Also published as: FR2632051B1; JPH01299400A; FR2632051A1

Description

【発明の詳細な説明】本発明の目的は10ないし500バール（10ないし500×10
⁵Pa）程度の圧力のガス、または可燃性揮発性液体もし
くは他の液圧流体のような流体用タンクに関する。

このタンクは２つの同心シエル、すなわち流体をシー
ルするための内側シエルおよび機械的強度を与える外側
シエルを有する型のタンクに関する。

この機械的強度は２つのシエルの間に配置されたキヤ
ツプによつて容器の開口端部において増強され、それに
よつて頚部が形成され管、減圧弁、コツク等に接続する
装置を取付けられた第２の部片と連結される。

この種のタンクはフランス特許第2,301,746号に明記
されている。このタンクにおいて、キヤツプおよび頚部
は補完的に外向きに拡大し、タンクの開放端部を掴むこ
とを可能にしている。

この種の解決法は、キヤツプを内側シエルの開放端部
に確実に設置するため、このシエルの開放端部をまず変
形し、キヤツプの取付け後この端部を再成形し、キヤツ
プの拡大部分に形状を一致させる点において満足すべき
ものでない。

さらに、この拡大はシール特性を悪くする。

また２つの同心シエルを備えその中に金属材料から作
られた内側シエルがあるタンクが知られている。これら
のタンクは、比較的重くその上本当の爆弾、飛散する金
属裂片のようになるため、爆発の場合はきわめて危険で
あるという欠点がある。

本出願人のフランス国特許出願第86−09126号に記載
されたタンクは、頚部およびタンクの開放端の側に設け
られたキヤツプが単一片から作られ、また内側シエルが
熱可塑性材料から作られている。このタンクのシールは
環状継手によつて得られる。これらは欠点ともなり、ま
た比較的不便で取付けの際損傷する。しかしてシールの
問題は長い間続いていた。

本発明は、製造が簡単で、継手のようなシール要素に
頼ることなくタンク内部の優れたシールを達成するこの
型のタンクを得ることにある。

このため流体タンクの全体的型式はシールを達成する
熱可塑性材料から作られた内側シエル、および機械的強
度を得るためフイラメント巻線によつて作られた外側シ
エルを含み、２つのシエルの間に底部側に第１キヤツプ
を、また連結頚部を備えた単一片で作られ、タンクの開
放端に側に設けられた第２キヤツプを備えたタンクにお
いて、タンク開放端の側に設けられた内側シエルの少く
とも一部が、キヤツプおよび、これらの２要素間の全接
触面上の頚部を形成する金属片に固定され、そこでキヤ
ツプの外面および頚部外面の一部が外側シエルによつて
カバーされる。

組立て後、これらの２つの部片、すなわち一方のキヤ
ツプおよび頚部他方の内側シエルは互いに完全に一体と
なり、そこでこのようにして囲まれた容積は、継手にま
たは容器に、高圧ガスを貯蔵する場合に起るような、き
わめて高い圧力をうけるとき、内側シエルと補強挿入片
の間の分離による漏洩の危険を生ずることがない。これ
らの組立要素はタンクに対して優れたシール性および機
械的強度を与える。

頚部の内側面は、内側シエルによつてカバーされた区
域に、ほゞシエルの厚さに対応する厚さの凹所を備える
のが便利である。

このように、取付位置における組立ての際、内側シエ
ルは頚部に埋設され、さらにこれら２つの要素間の結合
およびシール状態を改善する。

内側シエルを構成するのに使用しうるすべての熱可塑
性材料に適用しうる好ましい実施例によれば、少くとも
シエルと接触する金属片の面に対し少くともこれら２要
素の組立ての前に、シエルは内側シエルが前記要素間を
固定することを可能にする熱可塑性材料の層によつてカ
バーされる。

好ましくは、エラストマ材料から作られた環状バンド
が外側シエルと少くとも１つのキヤツプとの間にその傾
斜面において、これら２要素間の機械的結合を増強する
ようにまたキヤツプに対する外側シエルの半径方向変位
のある程度の可能性を許すように、介装されている。

一変型によれば、タンクは金属片と内側シエルとの全
接触面に、フエノールエポキシおよび内側シエルが作ら
れた熱可塑性材料の混合物より成る２成分接着要素を有
する。

内側シエルがポリアミド型熱可塑性材料から作られる
場合、タンクは金属片と内側シエルとの間の全接触面上
にフエノールエポキシおよびポリアミドの混合物より成
る２成分接着要素を有する。

これら２要素のこのように作られた組立体は、150kgf
/cm²以上の引張抵抗応力を有する。

爆発の場合タンクが一体のまゝであることを要する安
全規定を満足するため、また機械的強度を改善するた
め、外側シエルのフイラメント巻線は円筒形タンクの２
つの対角線方向に巻かれたフイラメントおよび円周方向
に巻かれたフイラメントを含む交差巻きが有利であり、
円筒形タンク端部のフイラメント密度はその壁における
密度より大きい。

好ましくは、タンクはそれぞれ内側および外側の少く
とも２層より成る耐火および耐熱被覆によつてカバーさ
れ、セラミツク繊維紙のシートによつて形成された内層
はタンク外側シエルにその面の１つによつて取付けら
れ、外層は火炎と接触しうる耐火保護装置を形成する。
外層は複合ガラス布／ガラスマツトより成り、ガラス布
は機械的にガラスマツトに結合され、ガラスマツト自体
は内層に固定され、この複合物は化学的触媒効果を増強
する生成物で被覆または含浸されている。

カバーは30分以上の間火炎に耐えることができる。

本発明はまたタンクの製法に関する。

本発明は下記の添付図面を参照する記載から一層よく
理解されかつ他の特徴も明らかになるであろう。

図面に示すように、全体的に符号２で示された全体的
に円筒形のタンクは、たとえばポリアミド、ポリプロピ
レンまたはポリエチレンから作られた内側シエル３、お
よびたとえばエポキシレジンから作られ、ガラス繊維に
よつて補強されフイラメント巻線を施された外側シエル
４を備えている。

このタンクは公知のようにその開放端に、内側シエル
３と外側シエル４との間に設けられ、黄銅、機械的不銹
鋼、アルミニウム合金または不銹鋼のような剛性材料か
ら作られた底部キヤツプ５を嵌合されている。

タンク開放端には、好ましくは金属から作られ、同時
に頚部およびキヤツプとして作用する、片６を備えてい
る。このため、この片６は頚部を形成し中央通路８を有
する管状部分７を備えている。外側に設けられた中央通
路８の端部は、管または減圧弁またはコツクの連結を可
能にするねじ面９を形成されている。容器内側に設けら
れる管状要素７の端部は、延長してキヤツプの形式の部
分10となり、内側シエルの側において外部から内部に向
つてかつタンク開放端からその閉鎖端に向つて傾斜する
面12により、また、外側シエル４の円板において内部か
ら外部に向つてかつタンク開放端からその閉鎖端に向つ
て傾斜する面13によつて、画定されている。

キヤツプ10の形状は単に例示として示され、実際、画
12はタンク２の軸線にほゞ垂直である。事実上、すべて
は片６の材料の性質およびタンク内に保持される流体に
よつて加えられる圧力に依存する。

この実施例においてまた図面から明らかなように、底
部キヤツプ５は金属片６と同じ全体的形状を有する。こ
のことは、金属片６および５の経済的な標準化を可能と
し、孔およびタツプに対してキヤツプ５がねじ９で画定
された中央通路８を備えた金属片６を得ることで十分で
ある。

内側シエル３は頚部14の長さの一部に亘つて延び凹所
15に埋設する円筒形頚部14を備えるような形状を有し、
凹所は組立て後シエル３の内面と頚部８の内面との間に
完全な連続性が存在するようになつている。

凹所15の面および面12は金属片16と内側シエル３との
間の接触面16を構成し、それらはこの全接触面16に亘つ
て互いに一体である。

実施例によれば、シエル３を片６に取付ける前に、内
側シエルが作られた熱可塑性材料の層をうけ入れ、これ
ら２要素の結合を可能にしている。

シエルがボリアミドから作られた変型実施例の場合、
この結合は全接触面16をカバーするフエノールエポキシ
レジンおよびポリアミドの混合物から成つている。これ
はたとえば“RILPRIM 204"および“RIMSAN NATURAL ES
4"の名称で市販されている。

この実施例では、“RILPRIM 204"はまず金属片６に塗
布され、ついで“RIMSAN NATURAL ES4"の噴射および合
成材料から作られたシエルの一体化の前に全体が例えば
型の内側で加熱される。

このようにして作られた金属合成材料の結合は、厳し
い機械的応力に耐えることができ、また優れたシールが
達成される。

底部キヤツプ５を片６と同様に前記特性を有する接着
剤によつて固定することができる。

外側シエル４はキヤツプ10の傾斜した外面13ならび頚
部７の外面の一部をカバーする。この外側シエル４に形
成されたフイラメント巻線は、実際上、円筒形タンク２
の２つの対角線平面にかつその円周に沿つて作られた交
差巻線であり、円筒形タンク２の端部の位置における繊
維密度はその円筒形壁における密度より大きい。

この配置はタンクの機械的強度を改善し、過大な内部
圧力による爆発の場合、多数の片に分解することを防止
する。実際、この場合表面の限定された長さのおよび低
抵抗の円周壁の局部的の破壊しか起らない。

キヤツプ10および５と外側シエル４との完全な結合を
確実にするとともに、外側シエルがタンクの充填、排出
の際の過大な内部圧力または低下した圧力が生ずる場合
前記キヤツプ10および５に対して半径方向に移動するこ
とができるようにするため、エラストマ材料から作られ
た環状バンド22が内側シエル４と各キヤツプ10、５との
間にその傾斜面13に介装されている。

この装置は、タンク２の両端の位置における応力を減
少する。

本発明による流体タンク２はまた図面に一部だけ示さ
れた耐火性かつ耐熱性カバー17を有し、カバー17は２つ
の層すなわち内層18および外層19を備えている。内層18
はセラミツク繊維から作られたシートである。このシー
ト18の厚さはは0.5ないし5mmの間に選択され、またきわ
めて低い熱伝導度を有する。シート18はまた1400℃程度
の温度までの耐熱性を有する。この内層18の一面は外側
シエル４に接着され他面はカバー17の外層19に接着して
組立てられる。カバー17は、それ自体公知の手段とくに
点接着によつて機械的に組立てられたガラス布20/ガラ
スマツト21を含む耐火性複合体より成つている。複合体
19のガラスマツト21は製造中内層18に積層され、一方ガ
ラス布20は火炎に露出しうるカバー17の面を形成する。

複合体19は0.9と2mmの間の厚さを有する。それは、既
に、チオシアネート型触媒の存在においてアクリロニト
リル／アクリルブタジエン型の試薬方式を備えた尿素／
エステル化フオルマリンレジンによつて被覆されてい
る。

このレジンは化学的触媒効果の補強生成物であり、そ
れは複合物19の不燃性を増強することができる。

内層18を外層19に組立てるのに、また被覆17を外側シ
エル４に取付けるのに使用される接着剤は、不燃性合成
接着剤、たとえば溶剤なしの、熱硬化性かつ800℃以上
の温度に耐える単一成分エポキシレジンである。

カバー17は５ないし6mmの厚さを有し、かつその柔軟
性のためいかなる形にも適合することができる。

例示のため下記に記載する実施例のタンクを製造する
方法は、まずアセトンのような有機溶剤によつて金属片
６を清掃しかつ脱脂し、ついで完全にグリースおよび溶
剤を除去するため、炉において約300℃に加熱して脱気
する。

前記シエル３が作られた熱可塑性材料の層が、内側シ
エルと接触のるため、少くとも金属片６の面に塗布され
る。この塗布は熱可塑性材料を噴射することによりまた
は片６を前記材料の高温流体化槽に浸漬することにより
実施される。

タンク２の底部に設けられた金属片６およびキヤツプ
５は、ついで、それ自体公知の、回転式成形装置の一部
をなす内側シエル３の型の端部に配置され、型は一方で
はそれ自体の軸線の周りに他方では前記型に対して直角
をなす軸線の周りに回転される。

型はついで加熱され、一方すでに型に導入された熱可
塑性材料は、型作りによつて内側シエル３を製造するた
め、融解される。

型を加熱する手段がその両端に集中しこれらの端部の
加熱温度は前記端部を連結する中心部分の温度より高
い。

このことは金属片６およびキヤツプ５の高い熱慣性を
補償し、このようにして型を通るほゞ均一な温度を得る
ことができる。

それを冷却するのに必要なある時間の後、円筒形内側
シエル３は型から取出され、フイラメント巻線が、外側
シエル４を製造するため２つの対角線平面に沿つてまた
その円周に沿つて、その周りに実施される。

本発明は、例示として記載されたタンクの実施例のみ
にまたその製造方法のみに限定されるものでなく、反対
にすべての変型実施例および応用を含むものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明タンクの縦断面図である。２……タンク、３……内側シェル、４……外側シェル、
５……第１キャップ、６……金属片、７……頚部、８…
…中央通路、９……ねじ、10……第２キャップ、12……
傾斜面、13……傾斜面、14……頚部、15……凹所、16…
…接触面、17……耐火性、耐熱性カバー、18……内層、
19……外層、20……ガラス繊維布、21……ガラス繊維マ
ット

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】全体的に円筒形の流体タンクであって、熱
可塑性材料から作られシールとして作用する内側シェル
（３）及びフィラメント巻線から作られ、機械的強度を
加える外側シェル（４）を備え、２つシェルの間にタン
クの底に設けられた第１キャップ（５）およびタンクの
開放端に設けられ、連結頚部（７）を備えた単一金属片
（６）から作られた第２キャップ（10）を有する前記流
体タンクにおいて、タンク（２）の開放端の側に設けられた内側シェル
（３）が、少なくとも頚部（７）及びキャップ（10）を
形成する金属片（６）に、２つの要素（３、６）間の全
接触面（16）亘って固定され、また、キャップ（10）の
外側（13）と頚部（７）の外面の一部が外側シェル
（４）によってカバーされ、また、前記流体タンクが、少なくとも内層（18）および
外層（19）の２層より成る耐火および耐熱保護カバーに
よってカバーされ、内層（18）がセラミック繊維から作
られた紙のシートによって構成され、その面の１つによ
ってタンク（２）の外側シェル（４）に固定されまた熱
障壁を形成し、外層（19）が火炎と接触しうる耐火保護
層を形成するガラス繊維布（20）／ガラス繊維マット
（21）より成り、前記ガラス繊維布（２）が化学的に前
記ガラス繊維マットに接着され、前記ガラス繊維マット
（21）が内層（18）に固定され、この複合体である外層
（19）が化学的触媒効果を有することを特徴とする流体
タンク。
【請求項２】機械的に高強度であり、第１端部及び第２
端部を有する通常のフィラメント巻き強化材料製の円筒
外側シェル（４）と；前記第１端部に前記外側シェルの範囲内で部分的に固定
され、前記第１端部を閉じ内部壁を有する第１金属キャ
ップ（５）と；第２金属キャップ（６）が環状孔を有し、それを通じて
内端部と外端部を備え、前記第２端部で前記外側シェル
の範囲内に部分的に固定し、内壁を備える第２金属キャ
ップと；流体の漏れを防ぐ前記タンクをシールして、150kgf/cm²
より大きい引っ張り応力に抵抗し得、前記外側シェルの範囲内あるいは近接する熱可塑性材料
の内部シェル（３）を構成し、また、前記内側壁全体に
亘り前記第１及び第２金属キャップにまたがって延び接
着され、前記内部シェル（３）が、離間し前記流体タンクの外側
に到達せず、前記内部シェルが、前記第２キャップの前
記孔の中に、部分的に延び、前記外端部に達する頚部分
を備え、前記内側シェルが前記第１及び第２金属キャップに対し
てモールドされ、接着されるために、前記内側シェルが
モールドで形成され、前記第１及び第２金属キャップを
事前にモールドに挿入するシール手段とを備え、 10〜500バールの範囲の上昇圧力下の流体を入れるタン
ク。
【請求項３】前記内壁が、内側シェルによって覆われた
区域内に、実質的にシェル（３）の厚さに対応する凹所
（15）を有することを特徴とする請求項２に記載のタン
ク。
【請求項４】エストラマ材料から作られた環状バンド
が、外側シェル（４）と少くとも１つのキャップ（10,
5）との間にそのキャップの傾斜面（13）上に介装さ
れ、これら２要素間の機械的結合を増強しかつ外側シェ
ル（４）のキャップに対する半径方向変位をある程度可
能にすることを特徴とする、請求項２に記載のタンク。
【請求項５】フィラメント巻線が、円筒タンク（２）の
２つの対角面に巻かれたファイバと、そのタンクの外周
上に巻かれたファイバとが交差して巻かれることを特徴
とする請求項２に記載のタンク。
【請求項６】前記キャップの各々と前記外側シェルとの
間にエストラマ層を介装することを特徴とする請求項２
に記載のタンク。
【請求項７】前記外側シェルが、巻いたファイバの強化
エポキシ樹脂から構成され、熱可塑性の前記内部シェル
が、ポリアミドとポリエチレンとポリプロピレンとから
構成する群から選択されることを特徴とする請求項２に
記載のタンク。
【請求項８】接着層が、前記内側シェルと第１、第２金
属キャップとの間に配置されたことを特徴とする請求項
２に記載のタンク。
【請求項９】前記接着層が、同じ熱可塑性材料を構成
し、前記内側シェルが前記熱可塑性材料から作られるこ
とを特徴とする請求項８に記載のタンク。
【請求項１０】前記接着層が、フェノールエポキシ樹脂
と熱可塑性材料との２成分混合接着剤から成り、前記内
側シェルがその２成分混合接着剤から作られることを特
徴とする請求項８に記載のタンク。
【請求項１１】前記内側シェル（３）がポリミドと、前
記フェノールエポキシ樹脂と熱可塑性材料を混合した前
記２成分混合接着剤とから作られることを特徴とする請
求項10に記載のタンク。