JP2886934B2 - ジヒドロフラン系化合物の製造方法 - Google Patents

ジヒドロフラン系化合物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2,3−ジヒドロフラン系化合物を工業的に有
利に製造する方法に関する。
本発明により製造される2,3−ジヒドロフラン系化合
物は、そのもの自身、医薬、農薬等の原料化合物として
有用であるだけでなく、水素化反応により溶剤、高分子
化合物の原料等として有用なテトラヒドロフラン系化合
物を与え、またカチオン重合により各種の工業用途に利
用可能であるテトラヒドロフラン骨格を有する高分子化
合物を与える。
〔従来の技術〕
2,3−ジヒドロフラン系化合物の製造方法としては、
対応するα,δ−ジヒドロキシル化合物の脱水素、脱水
による方法が知られている。例えば、2,3−ジヒドロフ
ランはシリカゲルに担持した銅触媒または銅クロム触媒
を用いて1,4−ブタンジオールより製造される方法が提
案されている(米国特許第3766179号明細書および西ド
イツ特許公開第2346943号公報参照)。また、アリルア
ルコールをロジウム錯化合物触媒の存在下、ヒドロホル
ミル化反応に付することにより得られる4−ヒドロキシ
ブチルアルデヒドの分子内アセタール化物である2−ヒ
ドロキシテトラヒドロフランを、適当な触媒の存在下に
脱水反応に付することにより製造される方法も提案され
ている(米国特許第4129579号明細書参照)。さらに、
フラン類のトリフルオロ酢酸存在下での水素添加および
熱分解による方法も提案されている(特開昭59−51274
号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来提案されている上記の2,3−ジヒドロフラン系化
合物の製造方法には解決すべき幾つかの問題点がある。
すなわち、1,4−ブタンジオールを出発原料とする方法
は、収率が必ずしも良好ではなく、また幾つかの工程を
経て製造されたそれ自体有用な化合物である1,4−ブタ
ンジオールを再び脱水素、脱水反応に付することは工業
的に有利な方法とは言えない。2−ヒドロキシテトラヒ
ドロフランの脱水による方法は合理的ではあるが、2−
ヒドロキシテトラヒドロフランを工業的に有利に製造す
る方法が確立していない。前述した米国特許第4129579
号明細書に記載されているロジウム錯化合物触媒を用い
るアリルアルコールのヒドロホルミル化反応による2−
ヒドロキシテトラヒドロフランの製造方法を工業的に実
施するのは極めて困難である。すなわち、2−ヒドロキ
シテトラヒドロフランをヒドロホルミル化反応後、反応
混合液から蒸留分離する方法については、アリルアルコ
ールのヒドロホルミル化反応混合液を触媒共存下で加熱
操作を行う場合には、生成物が分解し易いことから、ア
リルアルコールのヒドロホルミル化反応混合液から直接
蒸留操作により2−ヒドロキシテトラヒドロフランを単
離しようとした場合には単離収率が大幅に低下する(特
開昭51−29412号公報参照)。また、本発明者の検討に
よれば、蒸留操作に付されたのちには、ロジウム触媒の
活性が著しく低下し、触媒が循環再使用することが不可
能であることが判明した。このことはロジウム触媒が極
めて高価であることから上記の2−ヒドロキシテトラヒ
ドロフランの製造方法は工業的でないことを意味する。
そのためアリルアルコールのヒドロホルミル化反応生成
物を反応混合液より水性媒体により抽出分離する方法が
提案されている(特開昭54−106407号公報参照)。しか
しながら、2−ヒドロキシテトラヒドロフランおよび副
生成物である3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンア
ルデヒドは熱的に不安定なことから、これらの化合物を
水素化反応に付し、それぞれ対応するジヒドロキシル化
合物である1,4−ブタンジオールおよび2−メチル−1,3
−プロパンジオールに変換したのちに蒸留分離されてお
り、2−ヒドロキシテトラヒドロフランを抽出液から直
接蒸留分離することはできないとされている。
フラン類の水素添加および熱分解による方法には、原
料のフラン類の入手が困難であるばかりでなく、反応の
選択率が低いという問題点が存在する。
このように、現在までに提案されている2,3−ジヒド
ロフランの製造方法はいずれも工業的に実施することは
困難である。
しかして、本発明の目的は、2,3−ジヒドロフラン系
化合物を工業的に有利に製造する方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、有機溶媒中でロジウ
ム錯化合物および三置換ホスフィンの存在下、下記一般
式(I) CH2=CRCR2OH (I) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す) で示されるアリルアルコール系化合物を水素と一酸化炭
素によるヒドロホルミル化反応に付し、ヒドロホルミル
化反応混合液より水性媒体にて反応生成物および未反応
原料を抽出分離し、触媒成分を含む抽残液をヒドロホル
ミル化反応工程に循環供給し、反応生成物および未反応
原料を含む抽出液より下記一般式(II) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す) で示される2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物
を減圧下、60℃以下の温度での蒸留操作により分離し、
該2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物を酸触媒
の存在下または不存在下に脱水反応に付することを特徴
とする下記一般式(III) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す) で示される2,3−ジヒドロフラン系化合物の製造方法を
提供することにより達成される。
本発明の方法において用いられるロジウム錯化合物と
しては、ヒドロホルミル化触媒能を有し、かつ水に対し
て不溶または難溶であるロジウム錯化合物が好ましい。
かかるロジウム錯化合物は多数知られているが、一般式
HRh(CO)(PA)3(式中、Aはアルキル基またはアリール基
を表す)で示されるロジウム錯化合物が触媒活性、触媒
の溶解性および取り扱いの容易さ等の観点から特に好ま
しい。代表的なロジウム錯化合物としては、HRh(CO)〔P
(C6H5)33、HRh(CO)〔P(C6H4CH3)33などを挙げるこ
とができる。ロジウム錯化合物は通常ヒドロホルミル化
反応液1あたり0.1〜10ミリモルの濃度で用いられ
る。本発明の方法では、2−ヒドロキシテトラヒドロフ
ラン系化合物への選択性、抽出水中へのロジウム錯化合
物の溶出ロスの極小化、触媒活性の安定化などの観点か
らロジウム錯化合物に対して過剰量の三置換ホスフイン
を反応系に共存させることが好ましい。通常、三置換ホ
スフインはロジウム錯化合物1モルに対して10〜300ミ
リモルの範囲内の割合となるように添加されることが好
ましい。三置換ホスフインとしては一般的PBB′B″
(式中、B、B′およびB″はいずれも炭化水素基を表
す)で表される三置換ホスフインが好ましく、トリフエ
ニルホスフイン、トリナフチルホスフインおよびトリト
リルホスフインが2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系
化合物への選択性、入手のし易さ、水への低溶解性、触
媒活性等の観点からより好ましい。
本発明の方法においては、上記の三置換ホスフインに
加えて、下記一般式(IV) (式中、R1およびR2はそれぞれアリール基を表し、Q1
よびQ2はそれぞれアリール基または炭素数4以上の飽和
炭化水素基を表し、Zはメチル基で置換されていてもよ
い直鎖部分の炭素数が2〜5であるアルキレン基を表
す) で示されるジホスフイノアルカンをロジウム錯化合物1
モルあたり0.2〜2.0モルの範囲の割合、好ましくは0.25
〜1.5モルの範囲の割合で存在させておくことがロジウ
ム錯化合物の触媒活性寿命が著しく延長されることから
好ましい。好ましいジホスフイノアルカンとしては以下
の化合物を例示することができる。
ヒドロホルミル化反応に使用する有機溶媒としてはロ
ジウム錯化合物および三置換ホスフインを溶解し、かつ
水と混和しにくい有機溶媒を用いることが好ましく、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素および
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素が好適である。
本発明におけるヒドロホルミル化反応は、ロジウム錯
化合物、三置換ホスフインの存在下、好ましくはジホス
フイノアルカンの共存下に一般式(I)で示されるアリ
ルアルコール系化合物を含む有機溶媒中に一酸化炭素お
よび水素ガスを供給することにより行われる。反応温度
は室温〜120℃の範囲内、特に40〜80℃の範囲内が好ま
しい。水素と一酸化炭素の分圧比は反応器への入りガス
比で1対2〜5対1の範囲内が好ましい。反応圧力とし
ては0.5〜20気圧の範囲が好適である。反応系中に窒
素、ヘリウム、アルゴン、メタン等のヒドロホルミル化
反応に対して不活性なガスが共存していても差し支えな
い。
ヒドロホルミル化反応は工業的には攪拌式反応槽中、
または塔式反応槽中で連続法にて行われることが好まし
い。この際反応混合液中の生成物の濃度が0.5〜5モル/
lの範囲となるように一般式(I)で表されるアリルア
ルコール系化合物の供給速度および滞留時間を設定する
ことが好ましい。
ヒドロホルミル化反応後、反応混合液から反応生成物
を水性媒体、好ましくは水で抽出分離し、触媒成分を含
む抽残層(有機層)をヒドロホルミル化工程に循環供給
する。ここで、水性媒体とは水または水と有機溶媒、例
えばメタノール、エタノール、ブタンジオール等との均
一混合物を意味する。抽出操作に用いる水性媒体の量は
ヒドロホルミル化反応混合液に対する容量比で0.5〜2.0
の範囲内が好ましい。
反応生成物を含む抽出水層より蒸留操作により2−ヒ
ドロキシテトラヒドロフラン系化合物が分離される。蒸
留操作は、60℃以下、好ましくは55℃以下の温度で2−
ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物が留出するよう
に減圧度を調節することにより行われる。60℃より高い
温度では2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物の
一部が分解するようになる。60℃以下の温度では、かか
る分解は生起せず、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン
系化合物を効率良く単離することができる。前述したよ
うに、アリルアルコール系化合物のヒドロホルミル化生
成物は熱的に不安定であり、ヒドロホルミル化反応混合
液より収率よく2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化
合物を蒸留分離することはできないが、水性媒体による
抽出液を特定の範囲内の温度での蒸留操作に付すること
により2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物を高
収率で蒸留分離することが可能である。なお、2−ヒド
ロキシテトラヒドロフラン系化合物は水と完全に分離し
なくとも、水が含まれている状態でも次の脱水工程に付
することが可能である。
水性媒体による抽出液を蒸留操作に付する前に抽出液
を水と混和しない有機溶媒による抽出操作に付し、2−
ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物を有機溶媒にて
抽出分離し、得られた抽出液を蒸留操作に付することに
より2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物を分離
することも可能である。この場合にも、60℃以下、好ま
しくは55℃以下の温度で2−ヒドロキシテトラヒドロフ
ラン系化合物が留出するように減圧度を調節することに
より行われる。使用される有機溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸
イソプロピルなどのエステル、メチルエチルケトン、メ
チルイソプロピルケトン等のケトン、ジブチルエーテ
ル、ジオクチルエーテル等のエーテル、クロロフオルム
等の含塩素化合物などを例示することができる。抽出水
層と有機溶媒は容量比で1対5〜5対1の範囲内の量で
使用される。なお、この場合には2−ヒドロキシテトラ
ヒドロフラン系化合物と沸点差がある有機溶媒を選択す
べきことは言うまでもない。抽出水層から直接2−ヒド
ロキシテトラヒドロフラン系化合物を直接蒸留分離する
のではなく、一旦有機溶媒に抽出し、その抽出液を蒸留
に付する方法は、蒸発潜熱の大きい水を蒸発させること
がないのでエネルギー的に有利となる場合がある。
このようにして単離された一般式(II)で示される2
−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物を酸触媒の存
在下または不存在下、好ましくは存在下に脱水反応に付
することにより一般式(III)で示される2,3−ジヒドロ
フラン系化合物が製造される。反応は攪拌槽式、塔式等
任意の形式の反応槽において実施される。
2,3−ジヒドロフラン系化合物は高温下、特に酸触媒
の存在下に開環重合し易いことから、脱水反応において
は生成した2,3−ジヒドロフラン系化合物をできるだけ
短時間に反応系外に取り出すことが望ましい。2,3−ジ
ヒドロフラン系化合物は2−ヒドロキシテトラヒドロフ
ラン系化合物に較べて沸点が低いことから、攪拌槽式反
応槽で反応を実施する場合には反応蒸留形式で脱水反応
を行い、連続的に2,3−ジヒドロフラン系化合物を反応
系外に取り出す方法が望ましい。すなわち、一定量の2
−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物または高沸点
化合物を好ましくは酸触媒と共に任意の反応槽に仕込
み、昇温し、連続的または断続的に2−ヒドロキシテト
ラヒドロフラン系化合物を該反応槽に供給し、連続的に
2,3−ジヒドロフラン系化合物および水を系外に取り出
す。その場合には、酸触媒としては不揮発性の酸を使用
することが望ましい。触媒の使用量としては反応槽中の
液に対して、0.01〜10重量%の範囲内である。好ましい
不揮発性の酸の具体例としては、硫酸、リン酸、硝酸な
どの無機酸;塩化銅、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩
化アンモニウム、硫酸マンガン、硫酸ニツケル、硫酸
銅、硫酸コバルト、硫酸アンモニウム、ピロ硫酸ナトリ
ウム、ピロ硫酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、硝酸
アンモニウムなどの無機酸の塩;酸化リン、酸化亜鉛、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化バ
ナジウム、酸化アンチモン、酸化モリブデン、酸化タン
グステンなどの金属酸化物;シユウ酸、ステアリン酸、
パラトルエンスルホン酸などの有機酸;シリカアルミ
ナ、シリカマグネシア、シリカボリヤなどのシリカ;酸
性白土、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイト、
フロリジンなどの天然酸性鉱物;シリカゲルまたはアル
ミナに硫酸、リン酸、マロン酸などを付着させたもの;
石英砂を担体としたリン酸、ケイソウ土とリン酸の焼成
物などの固形化酸;陽イオン交換樹脂などが挙げられ
る。これらの酸触媒は1種のみで用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
本発明における脱水反応は適当な触媒を充填した固定
床または流動床式の反応槽に2−ヒドロキシテトラヒド
ロフラン系化合物を供給して行うこともできる。その場
合には、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物は
液空塔速度(LHSV)として0.1〜50/時で反応槽に供給さ
れる。
本発明における2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系
化合物の脱水反応の温度としては、50℃〜400℃の範囲
内、好ましくは60℃〜300℃の範囲内から選ばれる。反
応温度が50℃よりも低い場合には、2,3−ジヒドロフラ
ン系化合物への転化率が低下して好ましくない。反応温
度が400℃よりも高い場合には、生成した2,3−ジヒドロ
フラン系化合物が重合または分解により消費され、2,3
−ジヒドロフラン系化合物の収率が低下して好ましくな
い。
脱水反応は大気圧下、減圧下または加圧下のいずれに
おいても実施可能である。また、反応は空気中で行うこ
ともできるが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性
ガス中で行うのが好ましい。
本発明の方法により得られた2,3−ジヒドロフラン系
化合物は水素化することにより溶剤等として有用なテト
ラヒドロフラン系化合物を与えるほか、カチオン重合に
よつて各種の成形材料として利用可能なテトラヒドロフ
ラン骨格を有する高分子化合物を与える。
〔実施例〕
以下、実施例によつて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例によつて何ら限定されるもので
はない。
実施例1 第1図に示すフローに従つてアリルアルコールのヒド
ロホルミル化反応を連続的に行つた。反応器(1)は内
容積3.5lの電磁攪拌式反応器であり、反応器(2)は内
容積7.5lの電磁攪拌式反応器であり、抽出塔(3)は内
容積2.2lの攪拌式抽出塔である。
RhH(CO)(P(C6H5)3)31ミリモル/l、P(C6H5)3150ミリ
モル/lおよび(C6H5)2P(CH2)4P(C6H5)20.5ミリモル/lを
トルエンに溶解して得られた溶液13lを触媒液貯槽(1
3)より反応器(1)に仕込んだ。反応器(1)にライ
ン(4)を通してアリルアルコールを200ml/時の速度で
供給し、反応器(1)における反応混合液の液量が3.5l
に保たれるようにライン(7)より反応混合液を1.7l/
時で反応器(2)に送つた。反応器(1)の内温を60℃
に、かつ内圧を2.1絶対気圧に保ち、570rpmの速度で攪
拌した。ライン(5)を通して反応器(2)に水素ガス
を240Nl/時の速度で、かつ一酸化炭素を80Nl/時で供給
した。反応器(2)からの出ガスをライン(6)を通し
て反応器(1)に供給した。反応器(1)からの出ガス
はライン(8)を通して系外に放出した。反応器(2)
の反応混合液の液量を7.5lに保ち、ライン(9)を通し
て反応混合液の液量を1.7l/時の速度で抽出塔(3)に
送つた。反応器(2)の内温を60℃に、かつ内圧を2.0
絶対気圧に保ち、800rpmの速度で攪拌した。ライン(1
0)を通して抽出塔(3)に1.5l/時の速度で水を供給
し、水素雰囲気下30℃で抽出操作を行つた。抽出後の触
媒成分を含む抽残層をライン(11)および触媒液貯槽
(13)を経て反応器(1)に循環供給した。抽出水層は
ライン(12)を通して系外に取り出した。
定常状態に達したのち、抽出水層中アリルアルコール
の濃度をガスクロマトグラフイーで分析することによ
り、アリルアルコールの変換率は98%であることが判つ
た。また、抽出水層の一部についてラネーニツケルを触
媒として100気圧、60℃の条件下で水素添加反応を行
い、2−ヒドロキシテトラヒドロフランを1,4−ブタン
ジオールに変換したのち、ガスクロマトグラフイーで分
析することにより、該抽出水層1中には1.37モルの2
−ヒドロキシテトラヒドロフランが存在することが確か
められた。
このようにして得られた2−ヒドロキシテトラヒドロ
フランを含む抽出水層50lをセラミツク製のスルーザー
・ケラパツクBX(Sulzer Brothers Ltd製)を充填した
内径100mm、塔長2080mmのガラス製蒸留塔を備えた蒸留
装置にて減圧蒸留を行い、塔頂の減圧度4.0〜4.5mmHg、
温度42〜47℃の留分として5.71kgの透明な液体を得た。
このものの1H−NMRスペクトルを測定した結果、該液体
は2−ヒドロキシテトラヒドロフランであることが確認
された。
このようにして得られた2−ヒドロキシテトラヒドロ
フラン100gを流動パラフイン50gおよびリン酸の0.1モル
/l水溶液15mlと共に攪拌装置および蒸留装置を備えた内
容500mlのガラス製フラスコに仕込み、系内を窒素ガス
で置換したのち、窒素ガスを3l/時の速度で流通させな
がら、150℃に昇温した。次いで、2−ヒドロキシテト
ラヒドロフランを定量ポンプにより150g/時の速度で連
続的に供給した。10時間後、留出液の有機層を分液し、
炭酸カリウムで乾燥したのち、蒸留により沸点55℃/760
mmHgの留分として透明な液体約1kgを得た。このものの1
H−NMRスペクトルを測定した結果、この液体は2,3−ジ
ヒドロフランであることが確認された。
実施例2 実施例1において脱水触媒としてリン酸水溶液に代え
てピロ硫酸カリウム0.5gを用いた以外は実施例1におけ
ると同様にして2−ヒドロキシテトラヒドロフランの脱
水反応を行つたところ、安定に2,3−ジヒドロフランが
得られた。
実施例3 実施例1で得られた抽出水層を第1図に示す抽出塔
(3)にライン(10)を通して0.85l/時の速度で供給
し、反応器(2)を液貯層としてライン(9)を通して
ベンゼンを1.5l/時の速度で供給し、30℃で抽出水層中
のアリルアルコールおよび反応生成物をベンゼン層に逆
抽出した。定常状態に達したのちのベンゼン層50lを実
施例1におけると同じ蒸留塔により減圧蒸留を行い、塔
頂の減圧度3.5〜4.0mmHg、温度38〜42℃の留分として2.
80kgの2−ヒドロキシテトラヒドロフランを得た。
このようにして得られた2−ヒドロキシテトラヒドロ
フランを実施例1において脱水触媒としてリン酸水溶液
に代えて硫酸銅1gを用いた以外は実施例1と同様にして
2−ヒドロキシテトラヒドロフランの脱水反応を行つた
ところ、安定に2,3−ジヒドロフランが得られた。
実施例4 実施例1においてアリルアルコールに代えて2−メチ
ル−3−ブテン−2−オールを用いた以外は実施例1に
おけると同様にしてヒドロホルミル化反応、水による抽
出分離および減圧蒸留を行い、塔頂の減圧度2.0〜2.5mm
Hg、温度43〜46℃の留分を得た。この留分は1H−NMRに
よる分析の結果、2,2−ジメチル−5−ヒドロキシテト
ラヒドロフランであることが確認された。
このようにして得られた2,2−ジメチル−5−ヒドロ
キシテトラヒドロフランを実施例1において、脱水触媒
としてリン酸水溶液に代えて硝酸アンモニウム1gを用
い、かつ反応温度として150℃に代えて180℃とした以外
は実施例1におけると同様にして脱水反応を行い、留出
液を蒸留することにより沸点79℃/760mmHgの留分を得
た。この留分は1H−NMRによる分析の結果、2,3−ジヒド
ロ−2,2−ジメチルフランであることが確認された。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、工業的に有利に2,3−ジヒド
ロフラン系化合物が製造される。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1におけるヒドロホルミル化反応に使用
したフローを示す図である。 1、2……反応器、3……抽出塔、4〜12……ライン、
13……触媒液貯層、14……ポンプ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒中でロジウム錯化合物および三置
    換ホスフィンの存在下、下記一般式(I) CH2=CRCR2OH (I) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す) で示されるアリルアルコール系化合物を水素と一酸化炭
    素によるヒドロホルミル化反応に付し、ヒドロホルミル
    化反応混合液より水性媒体にて反応生成物および未反応
    原料を抽出分離し、触媒成分を含む抽残液をヒドロホル
    ミル化反応工程に循環供給し、反応生成物および未反応
    原料を含む抽出液より下記一般式(II) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す) で示される2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物
    を減圧下、60℃以下の温度での蒸留操作により分離し、
    該2−ヒドロキシテトラヒドロフラン系化合物を酸触媒
    の存在下または不存在下に脱水反応に付することを特徴
    とする下記一般式(III) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す) で示される2,3−ジヒドロフラン系化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(I)におけるRがすべて水素原子
    である請求項1記載の2,3−ジヒドロフラン系化合物の
    製造方法。
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