JP2885936B2 - 内燃機関用の空気供給システム - Google Patents

内燃機関用の空気供給システム

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JP2885936B2 JP2503571A JP50357190A JP2885936B2 JP 2885936 B2 JP2885936 B2 JP 2885936B2 JP 2503571 A JP2503571 A JP 2503571A JP 50357190 A JP50357190 A JP 50357190A JP 2885936 B2 JP2885936 B2 JP 2885936B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エンジンのシリンダ内における空燃比を正
しく確立して、燃料の燃焼を効率よくしかも制御された
状態で行うための内燃機関への空気供給システムに関す
る。
現在、内燃機関の制御、特にそうした機関における燃
焼行程の制御に利用可能な種々の装置が知られている
が、今日では一般にドライブ−バイ−ワイヤシステムと
呼ばれる制御システムを用いる傾向にある。このシステ
ムでは、運転者はエンジンへの燃料供給或いは空気供給
のいずれに対しても直接機械的な制御を行うことはな
く、両者は電子制御ユニット(ECU)内に組み込まれた
適当なプログラムにより制御される。
そうしたシステムでは、運転者により操作されるアク
セルペダル即ち絞り弁が、運転者が必要とするエンジン
出力を示すECUへの電気的な入力信号を生成する。この
入力信号と共に温度、回転速度等の他のエンジンパラメ
ータを表す入力信号に基づいて、ECUはエンジンの燃料
及び空気の要求量を決定し、これを満足させるように適
切に装置を作動させる。
このようなシステムにおいては、電気モータを用いて
エンジンの吸気通路内に位置する絞り弁の開度を変える
ことにより、空気供給量を調節している。この電気モー
タはECUからの信号により作動し、絞り弁の開度を適切
に設定して必要とされるエンジンへの空気供給量を得て
いる。したがって、電気モータは空気供給の要求の変化
に迅速に対応できることが必要とされ、また、絞り弁の
開度を正確に設定しなければならない。
エンジンへの全空気供給を行う導管内で作動する絞り
弁についても、絞り弁の開度設定における迅速な応答及
び精度が必要となる。したがって、絞り弁を動かすため
に必要なエネルギーに匹敵する相当な動力を有すること
が求められる。
その結果、そうした電気モータはエンジン管理システ
ム全体において相当なコストを占め、多くの場合、この
コストを正当化することができない。
また、単一の空気調節装置としての電気モータ駆動絞
り弁或いは他の空気調節装置を備えたエンジンに対する
関心が低い理由は、電気モータが故障するとエンジンが
作動不能に陥ることである。これは、車両又はモータボ
ートに設置されるエンジンにおいては、車両又はボート
が動かなくなって運転者が危険に晒されるなど、極めて
不都合な事態が生じるため重大な問題である。
したがって、そのように使用されるエンジンにおいて
は、少なくともエンジンを作動状態に維持するととも
に、一般に「遅進帰着機能」(Limp home capacity:の
ろのろと走ってでも帰着できる機能)と呼ばれる機能を
提供する。他の形態の空気制御を常に必要とする。
電気モータ駆動による空気調節装置の代わりに、運転
者作動の絞り弁若しくはアクセル作動装置と吸気システ
ムの空気調節装置との間に機械的カプリングを設けると
ともに、吸気システム内にセンサを設けてエンジンへの
空気供給量を検出し、かつそのセンサからの信号をエン
ジンへの必要な燃料供給量の決定のためにECUに送るシ
ステムが用いられる。
このシステムは、ドライブ−バイ−ワイヤシステムに
おいて必要とされる高コストの電気モータの使用を避け
ることができるとともに、絞り弁と絞り弁若しくはアク
セル作動位置との間の機械的カプリングを随時修理する
ことが通常可能であるので、上述した「遅進帰着機能」
を提供することができる。
しかしながら、機械的に連結された絞り弁を使用する
と、エンジンへの空気流量の調節において得られる精度
のレベルが低下してしまう。
また、低乃至中負荷状態では、燃料供給の変化を比較
的大きくするために、エンジンへの空気供給量を比較的
一定に、或いは少なくとも小さな変動範囲に維持するこ
とが求められる。この要求は、運転者が必要とするエン
ジン出力を、エンジン吸気システム内の空気流量の変化
から決定する現在のエンジンにおいては達成することが
困難である。
そこで、本発明の目的は、現在のシステムが有する上
記課題を克服又は実質的に低減すると共に、システムの
コストが商業的に採算の採れるエンジン制御装置を提供
することにある。
この目的に鑑み、本発明の内燃機関用の空気供給シス
テムは、空気をエンジンまで導く第1の吸気通路と、前
記第1の吸気通路を流れる空気の流量を変化させる第1
の調節手段と、前記エンジンの出力を制御するために運
転者が操作する運転者操作機構と、前記運転者操作機構
と前記第1の調節手段とを断接自在に接続する接続機構
と、空気をエンジンまで導く第2の吸気通路と、前記第
2の通路を流れる空気の流量を変化させる第2の調節手
段と、前記運転者操作機構の作動位置を検出する第1の
検出手段と、前記第1および第2の吸気通路を介して前
記エンジンが吸入している空気の総量を検出する第2の
検出手段と、前記第2の調節手段を作動させて前記第2
の吸気通路を流れる空気の流量を制御する電子制御装置
とを備える。
そして、前記第1の調節手段は、前記接続機構を介し
て前記運転者操作機構に接続されない間は前記第1の吸
気通路を閉じるように構成される。
前記第1および第2の調節手段は、前記エンジンに導
く空気が前記第1および第2の吸気通路の一方だけを通
過することもできるしその両方を同時に通過することも
できるように、それぞれ独立して作動可能に構成され
る。
前記接続機構は、前記運転者操作機構の作動位置が前
記エンジンのアイドル回転状態から前記エンジンの最大
負荷に達しない途中の負荷状態までに対応する位置にあ
るときには、前記運転者操作機構と前記第1の調節手段
との接続を遮断して運転者による前記第1の調節手段の
作動を不能とするが、前記運転者操作機構の作動位置が
それ以外の位置にあるときには、前記運転者操作機構と
前記第1の調節手段とを接続して運転者による前記第1
の調節手段の作動を可能とするように構成される。
前記電子制御装置は、前記第1の検出手段から得られ
た信号に基づいて前記エンジンに導く空気の必要量を決
定するとともに、前記第2の検出手段から得られた信号
に基づいて前記エンジンが実際に吸入している空気の総
量を決定し、両者を比較して修正が必要な場合には前記
第2の調節手段を作動させて前記エンジンが実際に吸入
する空気の総量を修正するように構成される。
これにより、運転者操作機構が運転者によって操作さ
れてその作動位置が変位しても、その作動位置がエンジ
ンのアイドル回転状態からエンジンの最大負荷に達しな
い途中の負荷状態、例えば低乃至中負荷状態までに対応
する位置にあるときには、運転者操作機構と第1の調節
手段とを接続機構が接続しないので、第1の調節手段に
は対応した動作が生じず、第1の調節手段は第1の吸気
通路を閉じた状態に保つ。
この間、エンジンに必要な空気は実質的に第2の吸気
通路を通してのみ供給される。第2の吸気通路を通って
供給される空気量は、ECUにより決定される。ECUは運転
者が運転者操作機構を操作することにより得られる負荷
要求量を含め、種々のエンジン作動状態を示すセンサか
らの信号に応じエンジンの空気要求量を決定する。
ECUは、エンジンの燃料要求量、及びそれを基にエン
ジンの空気要求量を決定することができる。ECUへの入
力信号は、エンジンの負荷要求に関連いたアクセルペダ
ル即ち手動絞り弁制御等の運転者操作機構の動作の範囲
を示す信号を含む。
運転者操作機構の作動位置が、エンジンのアイドル回
転状態からエンジンの最大負荷に達しない途中の負荷状
態を超えてさらに変位すると、接続機構が運転者操作機
構と第1の調節手段とを接続する。すると、第1の調節
手段は運転者操作機構によって作動させられるので、第
1の調節手段は第1の吸気通路を通ってエンジンに至る
空気の流量を徐々に増加させる。
しかしながら、第1の調節手段が運転者操作機構によ
り操作されて作動し始めた後でも、第2の吸気通路を介
して空気を供給し続けることは可能である。これによ
り、第2の調節手段が作動し、調整された補充的な量の
空気を第1の通路を介して供給される空気に加えて供給
することが可能となる。かくして、エンジンに供給する
全空気量について「トリミング(微調整)」を行うこと
が可能となる。
第1の調節手段は、第1の吸気通路に作動可能に設け
られた絞り弁であることが好ましい。絞り弁は接続機構
を介して運転者により操作される運転者操作機構に接続
される。
運転者操作機構は、エンジンを制御するECUに、運転
者が必要とするエンジン出力を表す信号を出力する第1
の検出手段と共働する。第1の検出手段からの信号は、
運転者操作機構を介して運転者により要求されるエンジ
ン負荷を表している。
他のエンジン状態に関する入力信号と共にECUに送ら
れる第1の検出手段からの信号は、エンジン燃料要求量
及びエンジン空気要求量を計算するために用いられる。
好ましくは第2の検出手段が、第1および第2の吸気通
路を通ってエンジンに供給される空気の総量を決定する
ために設けられる。第2の検出手段からの信号がECUに
供給されると、実際の空気供給量と計算されら空気供給
量とが比較され、空気供給量に修正が必要な場合には、
ECUは第2の調節手段の作動を制御し、その結果空気供
給量は燃料供給量に対して修正され、必要な空燃比を得
る。
第1の吸気通路及び運転者によって作動可能な第1の
調節手段を設けることにより、柔軟な「遅進帰着機能」
(Limp home capacity)が形成される。
また、エンジンへの総空気供給量の制御を行うために
コストの高い電気モータを設ける必要がなくなる。しか
しながら、付加的な第2の吸気通路を、ECUからの直接
制御の下で電気モータにより駆動されるそれ自体独立し
た第2の調節手段と共に設けることにより、あらゆる作
動条件の下で空気供給の調節を高次の正確さをもって行
うことができる。
しかしながら、低負荷及び中負荷条件の下で必要とさ
れる空気の量及び変化のレベルが小さいことにより、第
2の吸気通路の制御を行う電気モータは比較的小型で、
簡単な構造を有している。したがって、空気供給システ
ムに従来用いられたモータより低コストになる。
ECUにより管理される独立した第2の調節手段を備え
た第2の吸気通路は、エンジンの他の作動を調整する機
能を形成する。
すなわち、エンジンの作動中に、エンジンに接続され
た負荷が突然減少したり取除かれたりして生じる、エン
ジンのオーバーランの問題がある。これはギアチェンジ
の間に自動車に発生するものであり、4行程サイクル機
関と比較して、エンジン固有の制御負荷が比較的低い2
行程サイクル機関がよく経験するものである。
オーバーラン状態の間のエンジンの制動負荷を増加さ
せるために、第2の調節手段はECUにより作動されて、
エンジンへの第2の吸気通路を通る空気の流量を最大に
する。これはエンジンにより行われるポンプ作用を増大
させ、制動負荷を高めると共にエンジンのオーバーラン
のレベルを低下させる。中及び高範囲のエンジンの回転
速度において、このポンプ作用は制動負荷を増加させる
ために重要である。しかしながら、低回転速度の範囲に
おいては、第1及び第2の吸気通路を閉鎖して高レベル
の真空をその中に形成することにより、多くの効果が得
られる。
第2の調節手段の作動を制御するECUは、エンジンの
オーバーランを誘発するレベルのエンジン負荷の急激な
低下を検出するようにプログラムされる。エンジン回転
速度が例えば約2000乃至2500RPM以上の中及び高範囲に
ある場合には、ECUは第2の調節手段を作動させて、第
2の吸気通路を通る空気流量を最大にする。ECUは又、
第2の検出手段によって検出されるような空気流量にお
ける、結果としての増加に対応しないようにプログラム
され、エンジンがオーバーラン状態にあるときの空燃比
を修正する。
本発明は、添付の図面に示された空気供給システムの
一実施例に関する以下の説明から一層容易に理解され
る。
添付図面において、 図1は吸気系統及びその制御装置の線図、 図2は第2の空気制御装置の側面図、 図3は図2の線3−3に沿った断面立面図、 図4は燃料供給量に対するエンジン回転速度毎の総空
気供給量を示すグラフ図、 図5は燃料供給量に対する空燃比のグラフ図である。
ここで図1を参照すると、3気筒エンジン8は吸気マ
ニホルド7及び排気マニホルド10を有している。空気マ
ニホルド7は従来の吸気フィルタボックス9を通った空
気を受容する第1の吸気通路11と連通している。第1の
吸気通路11には絞り弁12が取り付けられており、この絞
り弁12は第1の吸気通路11を横切る軸線を中心に回動可
能に支持されると共に、作動アーム4に連結されてい
る。
第2の吸気通路13は、絞り弁12の上流と下流で第1の
吸気通路11と連通し、これにより絞り弁12が閉鎖位置に
あるときでもエンジンに空気が送られるようにバイパス
を提供している。第2の吸気通路13には電気モータ5に
より作動される流量調節弁(第2の調節手段)18が組み
込まれている。
第2の吸気通路が絞り弁12の上流側で第1の通路と連
通する位置の上流の第1の吸気通路11内には、空気流量
センサ(第2の検出手段)6が設けられている。したが
って、空気流量センサ6は、第1および第2の両方の吸
気通路11,13を通ってエンジンに供給される空気の総量
を検出する。
絞り弁12に接続された作動アーム4は、接続機構3を
介して、エンジン8の出力制御のために運転者により操
作されるアクセルペダルのリンク装置14のアーム15に断
接自在に接続される。このアーム15は軸16により回動可
能に軸支されると共に、リンク装置14の作動位置を表す
信号をECU17に入力するポテンショメータ(第1の検出
手段)2のワイパブレード19を支持している。
運転時に、運転者がリンク装置14を操作してエンジン
のアイドル回転状態に対応する位置から動かすと、ポテ
ンショメータ2は、運転者が必要とするエンジンの負荷
要求量を示す信号をECU17に付与する。これを基に、ECU
17はエンジンが必要とする燃料の量、及びエンジンの燃
料室内の所望の空燃比を達成するために必要なエンジン
内に導く空気の流量を決定する。それから、ECUは適当
な信号を発してモータ5を作動させ、必要とされる空気
量が第2の吸気通路13を通って吸気マニホルド7に流入
するように流量調節弁18を位置づける。
エンジンが作動している間、ECU17はまた、エンジン
への実際の空気流入総量を示す入力信号を空気流量セン
サ6から受容して流量調節弁18の位置に適当な調節を加
える。これにより、正しい割合の空気供給を行ってエン
ジンの燃料室内で必要な空燃比を達成することができ
る。
接続機構3を採用しているため、リンク装置14の最初
の動作に第1の吸気通路11の絞り弁12の動作が直ちに対
応することはない。その結果、エンジンにより必要とさ
れる空気は全て第2の吸気通路13を介して供給される。
当然、絞り弁12を通過する空気の漏れが若干生じるが、
この空気の漏れは空気流量センサ6により検出される総
空気量に含まれているものであり、流量調節弁18の必要
な位置を決定する際にECUにより考慮されている。
運転者によるエンジンの出力要求量が増大すると、リ
ンク装置14は、接続機構3によって絞り弁12に接続され
る。
これにより、運転者によって操作されるリンク装置14
のさらなる移動によって絞り弁12に対応する動作が生
じ、一定量の空気が第1の吸気通路11を通ってエンジン
へ流入できるようになる。空気流量センサ6はエンジン
への実際の空気流入総量を示す信号をECU17に付与し続
けるので、空気供給の割合を適切に維持するために必要
とされる微調整は流量調節弁18の操作により行うことが
できる。
上述した空気調節装置は、低乃至中負荷運転時には第
2の吸気通路13及び流量調節弁18を介してエンジンへ供
給される空気量を正確に制御することができ、一方、高
負荷運転時には空気流量は主として絞り弁12により調整
されるが、ある程度は流量調節弁18の操作により調整可
能である。
上記空気調節装置は、燃料室内で燃焼する混合気の空
燃比を極めて正確に制御し得るので、エンジンの排気ガ
スレベルの制御に特に有効であることが分かっている。
この制御の正確さは絞り弁12とは独立に空気供給量を調
整できる第2の吸気通路13及びECU17によって制御され
る流量調節弁18を設けたことに起因し、さらにエンジン
への空気供給に関しては閉ループフィードバックシステ
ムの利用による所が大きい。
この特徴は、負荷が低及び中負荷範囲において増加す
るとき、空気供給を制限することにより混合気を濃縮し
燃焼温度をその分低下させて2行程サイクル機関におけ
る窒素酸化物量を調整することに用いられている。
いかなるエンジン回転速度においても、負荷範囲の少
なくとも1/4、場合によっては半分までも流量調節弁18
の制御の下で第2の吸気通路を介して全空気供給がなさ
れることが分かっている。絞り弁12は主として開口度の
大きい範囲で用いられる。
ここで図2及び図3を参照すると、第2の吸気通路13
に設けられる流量調節弁18の一実施例が示されている。
流量調節弁18は、2つの軸方向に離隔した出口21及び
1つの入口22を有する長尺の本体20を備えている。2つ
の出口21は、入口22が位置する平面に略垂直な平面内に
位置している。出口21は本体20の略平坦な表面23内に位
置しているので、適当な充気室を出口21のそれぞれと連
通するように本体上に設けることができる。充気室は、
出口21を通って運ばれた空気を図1のエンジン吸気マニ
ホルド7に搬送する導管を接続するための手段を有す
る。充気室(図示せず)は本体20の平坦な表面23内に設
けた穴24を貫通するボルトにより本体に取り付けてもよ
い。
入口22は周面に一連の溝を備えた突出するスリーブ25
を有している。便宜上軟質構造の適当な導管が、スリー
ブ25の周囲に取り付けられて挟持されており、後述する
ように本体20の内部に空気を供給するエンジンのエアボ
ックス(図示せず)に接続される。
本体20の一方の軸方向端部には、取り付けフランジ27
を有するリニアモータ26を備えている。フランジ27は本
体20にフランジ27を固定するための取り付けボルト28を
有する。このリニアモータ26は端子29をを介して電力を
受容する。
ここで、図3の断面図を参照すると、本体20は概して
中央に位置して入口22と直接連通する中央室30と、出口
21にそれぞれ連通する端部室31及び31aとを有してい
る。リニアモータ26の軸35と同軸に配設された同軸の搬
送口32及び33は、中央室30と端部室31及び中央室30と端
部室31aをそれぞれ連通させている。スプール弁36は、
それぞれ搬送口32及び33内に位置する離隔した同軸の弁
がさ37及び38を有する。
スプール弁36と一体的に形成された軸40はリニアモー
タ26のモータ軸に連結されている。スプール弁36の反対
側端部には、さらに軸42がそれと一体形成されており、
キャップ44と一体形成されたスリーブ43内で軸方向に摺
動可能に支持されている。軸42は軸方向通路45と連通す
る搬送通路46を備えているので、流体はスリーブ43内の
穴47の下端部に留め置かれることはなく、又それにより
スプール弁36の遊動を妨げている。
圧縮コイルばね48は、キャップ44の内面に形成された
肩部49上に位置しており、その反対側端部では弁がさ38
に設けられた浅いボス50の周囲に取り付けられている。
キャップ44は本体の端部内の位置51において螺合してい
るので、スプール弁36上のばね48により付与される予圧
は調整可能である。
上記の説明から、スプール弁36がリニアモータ26の作
用により本体20内で軸方向に移動可能であり、それによ
り搬送口32及び33の開度を変化させて、中央室30からそ
れぞれの端部室31及び31aへの、したがって出口21から
外部への空気の流量を調節することは理解されよう。ス
プール弁36の両頭構造と共働する2つの端部室31,31aに
よりスプール弁36上に略平衡化された圧力が働くので、
スプール弁33を作動させるために必要なリニアモータ26
の動力は実質的に低減され、基本的にはばね48によりス
プール弁36に付与される負荷に打ち勝つ動力だけが必要
とされる。
これは、リニアモータ26の設置コストの低減に寄与す
ると共に、弁機構の作動によりエンジンの電気系統にお
いてエネルギーの流出を低減する。
図2及び図3に示したような電気モータ駆動弁の上記
構造は、第2の吸気通路におおける空気流量の調節に用
いるのに適した弁の一例に過ぎない。種々の他の構造が
使用可能である。
本明細書で言及したECUについては、周知の構造を有
して特定の要求性能に適合するようにプログラムされた
ものであればよい。一般に、燃料供給量と内燃機関への
空気供給量を調節するためにそうしたECUを使用するこ
とはよく知られているので、ここでは詳述しない。既に
示したように、図2及び図3を参照して説明した流量調
節弁18は、エンジンのオーバーランの調節にも使用する
ことができる。弁をこの目的で使用するためには、構造
的な変更は行う必要はなく、ECUのプログラムを適応さ
せるだけでよい。この点について、ECU17は運転者作動
の又は絞り弁12の調節のためのリンク装置14が絞り弁閉
鎖位置に復帰すると同時に、所定の水準を超えるエンジ
ン回転速度の増加率を検出するようにプログラムされて
いる。このようにエンジンのパラメータを組み合わせる
ことにより、エンジンのオーバーランに帰結する諸条件
を示すことができる。ECU17はそうした条件が存在する
と、リニアモータ26を励起してスプール弁36の位置を最
大開口位置にし、それにより第2の吸気通路13を通る空
気供給量を最大とするようにプログラムされている。
ECU17は又、エンジンパラメータの上記組み合わせが
検出されエンジン回転速度が例えば2500RPM等の所定の
値を超えるときだけスプール弁36を最大開口位置に移動
するように、さらに、内部的に所定の時間の間或いはエ
ンジン回転速度が所定の値以下に降下するまでスプール
弁36を開状態に維持するように、プログラムされてい
る。
さらにECU17は、エンジンがオーバーランしていると
きにエンジン回転速度が所定の値以下に降下すると、ス
プール弁36を十分に閉じてエンジン吸気システム内の真
空度を最大限にするようにプログラムされていることが
望ましい。
最後に、ECU17はそれがオーバーラン速度調節シーケ
ンスにある間エンジンに対して燃料供給を行わないよう
にプログラムされる。
上述した空気供給システムの利点は、図4及び図5を
構成するグラフに示されたデータを検討することにより
理解されよう。各グラフはエンジンの1シリンダ1サイ
クル基準で測定された燃料供給量に対する総空気供給量
及び総空燃比をそれぞれ示している。データは直接燃料
噴射及び火花点火の1200cc3気筒2行程サイクルエンジ
ンに対するテストから得られた。適当な車両のそうした
エンジンに関して、米国排出物質規則における走行サイ
クルの上限は、エンジン定格出力の約40%である1シリ
ンダ1サイクル当たり9mg(9mg/cyl/cyc)の燃料供給量
にほぼ対応する。道路上で車両を普通に使用した場合、
エンジンの燃料供給量は定格出力の60%である約15mg/c
yl/cycまで達する。図5において特に留意すべきこと
は、空燃比が1シリンダ1サイクル当たりに供給される
燃料の総量を基準にしたものであるので空燃比が比較的
低いことである。しかしながら、点火プラグにおける空
燃比は噴射及び点火タイミング及び燃料の層状化等の他
の燃焼方式調整により相当高くなる。
ここで、図4及び図5に示したグラフを参照すると、
定格出力の40%までに相当する2乃至9mg/cyl/cycの燃
料供給量を要する負荷範囲において、エンジンへの空気
供給量は実質的に一定のままであるので、図5に示すよ
うに燃料供給量が増加するとき空燃比は相当に低下す
る。これは、第2の吸気通路をエンジンへの唯一の吸気
通路として用いることにより、さらに、運転者による絞
り弁12の直接調整によらずに、ECU17により空気流量を
調節して略一定の空気供給量を得ることにより達成され
る。
図4から、低減の範囲において空気供給量は、絞り弁
12が作動状態に入った後でも、負荷範囲のかなりの部分
に亘って略一定であることが分かる。これは、第2の吸
気通路13を通る空気流量を調節して第1の吸気通路11を
通る空気の増加を補償することにより達成される。
図5は定格出力の20%乃至35%に相当する、約5乃至
8mg/cyl/cycのエンジン負荷範囲において供給される空
燃比は幾分燃料の割合が高いことを示し、これは、運転
者が絞り弁12に接続された状態のリンク装置14を操作し
て空気流量を増加した場合でも、ECU17の制御下の第2
の吸気通路13を使用して空気流量を低減することにより
達成される。
窒素酸化物の制御は点火プラグの局所的な空燃比より
むしろエンジン負荷全体の空燃比に係わるので、エンジ
ン作動のこの領域における空燃比の低下により窒素酸化
物の排出は抑制される。
排出物質を規制した種々の規則に対して自動車が満足
すべき条件は、規定された走行サイクルと関連して決定
されるものであるが、図4及び図5のデータを得たエン
ジンを搭載した自動車について言えば、一般にエンジン
定格出力の約40%までに相当する2乃至9又は10mg/cyl
/cycの燃料供給量の範囲にある。したがって、この作動
範囲内で窒素酸化物を調節することが必要であり、独立
してエンジンへの空気供給量の調整を行う第2の吸気通
路を、従来の絞り弁で調節する第1の吸気通路と組み合
わせて使用することにより、空燃比の調節を通して窒素
酸化物の調節を適切に行うことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デービス,ロバート、マックス オーストラリア連邦ウェスターンオース トラリア州、メイランズ、クロウフォー ド、ロード、137 (56)参考文献 特開 平1−190941(JP,A) 特開 昭62−129531(JP,A) 実開 昭57−203126(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気をエンジンまで導く第1の吸気通路
    と; 前記第1の吸気通路を流れる空気の流量を変化させる第
    1の調節手段と; 前記エンジンの出力を制御するために運転者が操作する
    運転者操作機構と; 前記運転者操作機構と前記第1の調節手段とを断接自在
    に接続する接続機構と; 空気をエンジンまで導く第2の吸気通路と; 前記第2の通路を流れる空気の流量を変化させる第2の
    調節手段と; 前記運転者操作機構の作動位置を検出する第1の検出手
    段と; 前記第1および第2の吸気通路を介して前記エンジンが
    吸入している空気の総量を検出する第2の検出手段と; 前記第2の調節手段を作動させて前記第2の吸気通路を
    流れる空気の流量を制御する電子制御装置と; を備えるとともに、 前記第1の調節手段は、前記接続機構を介して前記運転
    者操作機構に接続されない間は前記第1の吸気通路を閉
    じるように構成され、 前記第1および第2の調節手段は、前記エンジンに導く
    空気が前記第1および第2の吸気通路の一方だけを通過
    することもできるしその両方を同時に通過することもで
    きるように、それぞれ独立して作動可能に構成され、 前記接続機構は、前記運転者操作機構の作動位置が前記
    エンジンのアイドル回転状態から前記エンジンの最大負
    荷に達しない途中の負荷状態までに対応する位置にある
    ときには、前記運転者操作機構と前記第1の調節手段と
    の接続を遮断して運転者による前記第1の調節手段の作
    動を不能とするが、前記運転者操作機構の作動位置がそ
    れ以外の位置にあるときには、前記運転者操作機構と前
    記第1の調節手段とを接続して運転者による前記第1の
    調節手段の作動を可能とするように構成され、 前記電子制御装置は、前記第1の検出手段から得られた
    信号に基づいて前記エンジンに導く空気の必要量を決定
    するとともに、前記第2の検出手段から得られた信号に
    基づいて前記エンジンが実際に吸入している空気の総量
    を決定し、両者を比較して修正が必要な場合には前記第
    2の調節手段を作動させて前記エンジンが実際に吸入す
    る空気の総量を修正するように構成される、 ことを特徴とする内燃機関用の空気供給システム。
  2. 【請求項2】前記接続機構は、前記運転者操作機構の作
    動位置が前記エンジンのアイドル回転状態から前記エン
    ジンの最大負荷の1/4の負荷状態までに対応する位置に
    あるときに、前記運転者操作機構と前記第1の調節手段
    との接続を遮断して運転者による前記第1の調節手段の
    作動を不能とすることを特徴とする請求の範囲第1項記
    載の内燃機関用の空気供給システム。
  3. 【請求項3】前記接続機構は、前記運転者操作機構の作
    動位置が前記エンジンのアイドル回転状態から前記エン
    ジンの最大負荷の1/2の負荷状態までに対応する位置に
    あるときに、前記運転者操作機構と前記第1の調節手段
    との接続を遮断して運転者による前記第1の調節手段の
    作動を不能とすることを特徴とする請求の範囲第1項記
    載の内燃機関用の空気供給システム。
  4. 【請求項4】エンジン回転速度を検出する第3の検出手
    段をさらに備えるとともに、 前記電子制御装置は、前記第3の検出手段から得られた
    信号に基づいて前記エンジンがエンジン回転速度のオー
    バーランに帰結する作動状態にあると判定すると、 1)前記エンジンへの燃料の供給を停止し、 2)前記第2の調節手段を作動させて前記第2の吸気通
    路を通る空気流量を最大にし、 3)エンジン回転速度が所定値以下になるまで前記1)
    及び前記2)の動作を維持する、 ように構成されることを特徴とする請求の範囲第1項乃
    至第3項のいずれかに記載の内燃機関用の空気供給シス
    テム。
  5. 【請求項5】前記電子制御装置は、エンジン回転速度が
    前記所定値以下に減少すると、前記第2の調節手段を作
    動させて前記第2の吸気通路を閉じ、前記第2の吸気通
    路を介して空気が流れることを妨げるように構成される
    ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれ
    かに記載の内燃機関用の空気供給システム。
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