JP2885124B2 - エアバッグ装置用パッド - Google Patents
エアバッグ装置用パッドInfo
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Description
ホイールや、助手席前方のインストルメントパネルに装
着されるエアバッグ装置の上面を覆うパッドに関し、特
に、生産性良好に製造可能な熱可塑性エラストマー(以
下「TPE」と略す。)の単層成形体であるエアバッグ
装置用パッドに関する。
略号の一覧を示す。
ロック共重合体 SEPS…スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン
ブロック共重合体
常、下記のようにして製造していた。
成形(RIM)用ポリウレタン材料を使用し、ネットイ
ンサートを埋設して射出成形して製造をする。このネッ
トインサートは、エアバッグ作動時、パッド上壁部を補
強するためである。
インサートを使用するため、そのセット作業が必要で、
生産工数が嵩む、RIM成形に使用するポリウレンタ
ン材料は、熱硬化性であるため、材料のリサイクルがで
きない、等の問題点が発生した。
8・5−38996号公報等で、樹脂/エラストマーブ
レンド材料で単層成形されたエアバッグ装置用パッドが
提案されている。ここで、樹脂としてはオレフィン系樹
脂や、エラストマーがあげられている。
ッドの場合、低温時(通常、−40℃)での材料脆化を
考慮して、軟質仕様となっている。
生し易いとともに、耐擦傷性及び耐候性が十分でなく、
実車装着するには、塗装を施す必要があった。
面に塗装を施さなくても実車装着することができるエア
バッグ装置用パッドを提供することにある。
装置用パッドは、上記課題を、下記構成により解決する
ものである。
て、パッド本体が樹脂/エラストマーブレンド材料で単
層成形されているとともに、エアバッグ膨出時に破断し
て上壁部を展開可能とする構成のエアバッグ装置用パッ
ドにおいて、樹脂/エラストマーブレンド材料が、PP
/エラストマー(重量比)=60/40〜40/60の
ブレンド比であり、前記エラストマーが、EPM/TP
S(重量比)=80/20〜20/80のブレンド系で
あり、また、EPMの重合仕様が、プロピレン含有率=
21〜40mol%、3mol%≦P−P≦12mol%、38mol%
≦E−P≦50mol%を満足するものである(ただし、P
−P:プロピレン−プロピレン結合、E−P:エチレン
−プロピレン結合のダイアッド連鎖分布(13C−NM
R)を意味する。)ことを特徴とする。
づいて説明をする。また、比較例の各データは表2に示
してある。
ッドであって、パッド本体13が、樹脂/エラストマー
ブレンド材料で単層成形されているとともに、エアバッ
グ15の膨出時に破断して上壁部17を展開可能とする
展開用溝部19を連続的に備えている構成である。ここ
で、展開用溝部19の全体連続形状は、特に限定されな
いが、通常、図2に示すごとくH字形状とされている。
構成を具備する。
マーブレンド材料が、ポリプロピレン(PP)/エラス
トマー(重量比)=60/40〜40/60(好ましく
は55/45〜45/55)のブレンド比である。
ホモポリマー、プロピレンとα−オレフィンとの共重合
体、例えばプロピレン−エチレンブロツク共重合体及び
これらの混合物が挙げられる。前記各種のPPのうち、
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体が好まし
い。
にソフト感(軟質感)を付与し難いとともに、耐寒性
(低温耐衝撃性)が得難くなる(比較例1・6参照)。
また、エラストマーが過多となると、パッド本体の耐擦
傷性が十分でなく、べたつきが発生し易くなり(比較例
7参照)、さらには、形態保持能が十分でなくなるとと
もに、流動性が低くなり、パッド本体の射出成形による
単層成形が困難となる。
ーが、エチレンプロピレンランダム共重合体(EPM)
/TPS(重量比)=80/20〜20/80(望まし
くは30/70〜70/30)のブレンド系であること
にある。
ラストマーの場合と同様、パッド本体の耐擦傷性が十分
でなく、べたつきが発生し易くなる(比較例2参照)。
また、TPSが過多になると、耐寒性(低温耐衝撃性)
が得難くなる(比較例3参照)。
メントが、ポリブタジエンであるSBS系、イソプレン
であるSIS系のものでもよいが、それらを水添したS
EBS系、SEPS系、さらには、水添SBR等の、分
子間に二重結合を有しないものが、耐候性、耐摩耗性、
耐熱性等において優れており、望ましい。
様が、プロピレン含有率=21〜40mol%(望ましく
は、23〜35mol%)、3mol%≦P−P≦12mol%(望
ましくは、6mol%≦P−P≦10mol%)、35mol%≦E
−P≦50mol%(望ましくは、38mol%≦E−P≦45
mol%)の要件を満足するものであることにある(但し、
P−P:プロピレン−プロピレン結合、E−P:エチレ
ン−プロピレン結合のダイアッド連鎖分布(13C−NM
R)を意味する。)。
ウンド材料が高硬度にもかかわらず、低温物性が著しく
向上し、−40℃のインフレーション試験でも問題がな
い。
低温衝撃性)を得難い(比較例4・5参照)。また、P
P含有率が40mol%を超えると、ペレット化が困難とな
る。
れないが、例えば、次の様にして行なう。
レンド材料(PP/TPS/EPMコンパウンド)を成
形材料とし射出成形して製造する。なお、上記におい
て、パッド表面には耐候性塗料等を塗布して仕上げる必
要がなく、そのまま製品とすることができる。
ールのボス(図示せず)の上方に配設されたエアバッグ
15が組みつけられたインフレータ25に、リテーナ2
7を介してリベット29止め等により固着して組み付け
る。
展開溝部を有しないエアバッグ装置Mにも適用可能であ
る。
アバッグ1を収納するケース2と、エアバッグ1を膨張
させるためにケース2内に図示しないガス吐出口を配置
させてケース2に保持されるインフレータ6と、ケース
2に取り付け固定されてエアバッグ1を覆う蓋材7とを
備えて構成されている。このエアバッグ装置Mは、蓋材
7をインストルメントパネルPの開口部Oに位置させる
ように、ケース2を車両の本体に連結固定させている。
ケース2は、板金から形成され、上部に略長方形形状で
開口する開口部2aを備え、外周面には水平方向に複数
のボルト4を固着させたブラケット3が溶接されてい
る。なお、図例中、Wはフロントガラスである。
は、上記のように、樹脂/エラストマーブレンド材料と
して、樹脂としてPPを使用し、エラストマーとして、
TPS/EPMのブレンド系とするとともに、EPMと
して特定重合仕様のものを使用して単層成形することに
より、下記のような作用・効果を奏する。
形品であるエアバッグ装置用パッドは、仕上げ塗装を施
さなくても、耐擦傷性が十分で、意匠面のベタツキ性が
なく、しかも、その低温時におけるパッド膨出時の展開
性能等に問題が発生しない十分な耐寒性を有する。
は、意匠面に塗装を施さなくても実車装着することがで
きる、単層成形品であることも相まって、生産性が大幅
に増大する。
た試験例について説明をする。
用して、各実施例・比較例のパッドを成形した。各EP
Mの仕様は、表3に示す通りであり、また、各TPSの
仕様は、下記の通りである。
粘度(25℃における20%トルエン溶液中)500 c
PsのSEBS TPS2…スチレン含有量13wt%、MFR(200℃
×5kg)8g/10分のSEBS TPS3…スチレン含有量10wt%、MFR(230℃
×2.16kg)3.5g/10分の水添SBR TPS4…スチレン含有量30wt%、MFR(230℃
×2.16kg)5.3g/10分の水添SBR TPS5…スチレン含有量30wt%、MFR(230℃
×2.16kg)0.7g/10分のSEPS (2) パッドの仕様は、下記の通りである。
厚:0.8mm、 (3) そして、各パッドについて、下記項目の試験を行っ
た。なお、耐擦傷性及びベタツキ性は、被験者5人(成
人男性)による、官能検査とした。
掻試験機(「HEIDON」新東科学社製)により製品
表面を引っ掻き、傷の表面状態を下記基準により目視判
定した。
た。
するのと同様のエアバッグ装置に装備して、低温(−4
0℃雰囲気)でインフレーション試験を行ない、パッド
の展開状態を、下記基準により目視判定した。
…△、パッドが飛散…Χ、 (4) その結果を、表示するが、各実施例の製品性能は、
耐擦傷性・ベタツキ性・インフレーション試験のいずれ
においても、問題がなかったのに対し、各比較例は、い
ずれかの項目において問題があることが分かる。
性データを参考のために記してある。各物性データは、
試験片を調製して実測したものである。
度(JIS A )、引張強度(TB )、引張伸び(EB )、
低温引張強度(−35℃)、高温引張強度(+85℃)
はいずれもJIS K 6301 に準じて、tanδピーク温
度は、レオロジー社「DVE−V4」を用いて、静歪1
00g,動歪100g(定荷重)、周波数20Hzの条
件下で測定された粘弾性特性(E' ,E" )の温度依存
性から求めたものである。
の装着態様半縦断面図、
置の一例を示す装着態様縦断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 エアバッグ装置の上面を覆うパッドであ
って、パッド本体が樹脂/エラストマーブレンド材料で
単層成形されているとともに、エアバッグ膨出時に上壁
部が展開可能な構成のエアバッグ装置用パッドにおい
て、 前記樹脂/エラストマーブレンド材料が、ポリプロピレ
ン/エラストマー(重量比)=60/40〜40/60
のブレンド比であり、 前記エラストマーが、エチレンプロピレンランダム共重
合体(EPM)/スチレン系熱可塑性エラストマー(T
PS)(重量比)=80/20〜20/80のブレンド
系であり、 また、前記EPMの重合仕様が、プロピレン含有率=2
1〜40mol%、3mol%≦P−P≦12mol%、35mol%≦
E−P≦50mol%を満足するものである(ただし、P−
P:プロピレン−プロピレン結合、E−P:エチレン−
プロピレン結合のダイアッド連鎖分布(13C−NMR)
を意味する。)ことを特徴とするエアバッグ装置用パッ
ド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記上壁部が展開用
溝部を備えていることを特徴とするエアバッグ装置用パ
ッド。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記TPS
が水素添加TPSであることを特徴とするエアバッグ装
置用パッド。
Priority Applications (4)
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Applications Claiming Priority (3)
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JP6-78395 | 1994-04-18 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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-
1995
- 1995-03-28 JP JP7070150A patent/JP2885124B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1995-10-23 TW TW084111267A patent/TW320646B/zh active
Also Published As
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