JP2883808B2 - 発色性化合物 - Google Patents

発色性化合物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発色性化合物に関し、
特に、糖類分子に存在するような水酸基と結合して色調
変化を起こす発色性化合物に関する。さらに、本発明は
そのような化合物を利用する糖類の検出法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】よく知られているように、糖
類は天然のあらゆるところに存在し、情報伝達、エネル
ギ−代謝、構造体形成等において重要な役割を演じてい
る。しかしながら、糖類を検出(分析)する手段の開発
は、糖類の複雑さの故に遅れている。
【0003】現在実用に供されている糖の検出手段(糖
センサ−)としては、酵素を用いるグルコ−スセンサ−
がよく知られている。これは、酵素(グルコ−スオキシ
ダ−ゼ)を用いて糖(グルコ−ス)を分解し、この際生
じる過酸化水素を適当な手段(例えば、電極を用いる)
で測定することによりグルコ−スの濃度を求めるもので
ある。この方法においては用いる酵素は生体由来である
ので、経時的に変質する。また、酵素を用いる糖センサ
−は、特定の糖に対してのみ適用可能であり、他の糖に
は使用できない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、安定な合成化
合物を用いて糖の検出を可能にした。すなわち、本発明
は、次の一般式で表わされ、その分子中に含まれるボロ
ン酸基を介して水酸基と結合したときに色調変化を起こ
すことを特徴とする発色性化合物を提供する。
【0005】
【化7】
【0006】式〔化1〕においてボロン酸基が結合して
いるフェニル基(ベンゼン環)は適当な置換基で置換さ
れていてもよい。R1は、脂肪族または芳香族の官能基
であり、一般的には、炭素数1〜4のアルキル基または
フェニル基である。R1の特に好ましい例は、メチル基
またはエチル基である。
【0007】また、上式〔化1〕中、R2は発色性原子
団を表わす。R2の好ましい例は、次式〔化2〕で表わ
されるアゾ基含有原子団である。
【0008】
【化8】
【0009】〔化2〕におけるフェニル基(ベンゼン
環)は適当な置換基で置換されていてもよい。特にスル
ホン酸基(SOH)で置換されているのは水溶性の点
から好ましい。したがって、本発明の発性化合物の好
ましい具体例として次式〔化3〕のアゾボロン酸誘導体
が挙げられる。
【0010】
【化9】
【0011】その他に、本発明の化合物〔化1〕におけ
る発色性原子団(R2)の例としては、次の〔化4〕、
〔化5〕、〔化6〕で示されるものが挙げられる。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】一般に、ある物質(分子)が他の物質(分
子)を識別するに際しては、それらの分子間の水素結合
が中心的な役割を果たすことが多い。しかしながら、生
体中の糖は水中に存在するので、この水素結合を糖の識
別(検出)に利用することは困難である。一方、ホウ酸
(ボロン酸)B(OH)2が糖のOH基(水酸基)と共
有結合することは従来よりよく知られている。そこで、
この現象に基づき水中で糖と結合する化合物を用いて、
糖を識別する研究が行なわれるようになってきた。しか
しながら、従来の多くのボロン酸化合物においては、糖
とボロン酸の結合は、専ら、pHの高い領域でのみしか
実現されなかった。さらに、糖類のセンサーに利用でき
るように糖/ボロン酸の結合を読み出せる簡単で実効の
ある方法は未だ開発されていなかった。
【0016】本発明の化合物は、中性pHの水溶液中に
おいても糖と結合して、可視の色調変化を引き起こす。
【0017】本発明の化合物がこのような機能を発揮す
るのは、ボロン酸基B(OH)2に近接し、アニリン性
窒素を介して発色性原子団が配置された特徴的な構造に
由来するものと考えられる。すなわち、高い電子密度を
有する窒素原子が近在することにより、ボロン酸の酸性
度が高くなり、pHが低くても糖のOH(水酸基)と結
合することができる。かくして、ボロン酸が糖のOHと
結合したときに生じる電子密度変化は、窒素原子を介し
て発色性原子団に伝送され、スペクトル変化(色調変
化)として読み出せるものと解される。
【0018】本発明の化合物は、糖類、特に単糖類と結
合して色調変化を起こすので、そのような糖の検出に用
いられるのが好適である。例えば、前述の〔化3〕の化
合物は、D(−)フラクトースの存在下に色調変化を起
こす。
【0019】本発明の化合物は、〔化3〕の化合物につ
いて〔図1〕に例示するような方法で合成することがで
きる。すなわち、本発明の発色性化合物は、一般に、フ
ェニルボロン酸の前駆体YをZで示されるような発色性
原子団前駆体と反応させることによって合成され、この
とき、フェニルボロン酸前区駆体Yは、対応する臭化物
Xをリチオ化することによって得られる。
【0020】以上の説明から明らかなように、本発明に
従えば、安定な合成化合物を用いて糖の検出を行なうの
で、従来の酵素法のように酵素の不安定性に起因する問
題は解消される。また、本発明の合成化合物を用いる糖
の検出においては、サンプルをそのままの状態で(in
tact)測定を行ない、酵素法のように分解すること
はないので、該サンプルを別の測定に供することも可能
となる。本発明の化合物は、中性pH付近においても糖
と結合して色調変化を起こすので、上述した特徴を有し
ながら、実際の生体液における糖の検出を可能にした。
【0021】将来の展望として、本発明は、糖類を分解
することなく測定するものであるから、生体の特定部位
(例えば、特定の細胞表面)における糖をその組織を破
壊することなく測定するような技術に展開することも可
能である。その際、オプティカルファイバーのような手
段と結合させれば(例えば、該ファイバーの先端に本発
明の化合物を被覆しておく)、体内の糖に関する情報を
連続的のモニターして臨床学的に有用なデータを取得す
ることもできるであろう。また、合成化合物を用いる本
発明の糖の検出方法は、該化合物を適宜変更することに
より、各種の糖に応じて適用可能なように設計変更する
途を開いたと言える。
【0022】以下、本発明の特徴を一層明らかにするた
め実施例に沿って本発明を説明する。なお、本明細書中
の構造式においては、当該分野で慣用されているよう
に、炭素原子や水素原子を省略して示していることもあ
る。
【0023】
【実施例】実施例1:発色性化合物の調製 本発明に従う発性化合物として前述の式〔化3〕の化
合物を合成した。合成ルートの概略は〔図1〕に示すと
おりである。
【0024】N−メチル(2−ブロモベンジル)アニリ
ンの調製 o−ブロモベンジルブロミド(25.0g、100mm
ol)、N−メチルアニリン(10.5g、100.4
mmol)、炭酸カリウム(5g)およびアセトニトリ
ル(250ml)を窒素雰囲気下で18時間還流した。
固形分を濾過して取り除いてろ液を濃縮した。これを液
体クロマトグラフ(シリカゲル、塩化メチレン:ヘキサ
ン=1:1)にかけて所望の生成物であるN−メチル
(2−ブロモベンジル)アニリン〔図中のX〕を100
%の純度で得た。
【0025】ボロン酸化合物の調製 N−メチル(2−ブロモベンジル)アニリン(27.0
g、920mmol)をn−ブチルリチウム(1.6M
のヘキサン溶液73ml)を用い、−78℃においてT
HF(200ml)中でリチオ化した。反応混合物を−
78℃において1時間撹拌した後、−78℃においてト
リメチルボロン酸のTHF溶液(60mlをTHF10
0mlに溶かしたもの)に30分間かけて滴下した。得
られた反応混合物を−78℃で2時間保持した後、室温
下で一晩撹拌した。水(200ml)を添加しTHFを
蒸発させた。硫酸マグネシウムで乾燥したジエチルエー
テルを用いて水相を抽出した。ゆっくりと回転蒸発する
と、所望のボロン酸化合物〔図中Y〕が白色結晶として
得られた(10.8g、50%)。
【0026】アゾボロン酸誘導体の調製 上述のようにして得られたボロン酸化合物(300m
g、1.2mmol)を酢酸(100ml)に溶かし、
スルホン酸ジアゾニウムテトラフルオロボレート(23
7mg、1.32mmol)を室温下で3時間撹拌し
た。酢酸を蒸発除去後の粗製物をカチオン交換カラム
(DOWEX、100−200メッシュ)にかけ、スル
ホン酸ナトリウム塩として所望の発性化合物〔化3〕
を単離した(250ml、45%)。
【0027】実施例2:発色試験 実施例1で得られた化合物〔化3〕の発試験を行な
い、糖類検出への適用性を調べた。
【0028】0.05Mの塩化ナトリウム(イオン強度
安定剤)水溶液に化合物〔化3〕を溶かして得た溶液
(光学密度〜0.5)に、単糖類(グルコース、フラク
トース)を添加して、pH変化に対する吸収スペクトル
(波長468nmおよび455nm)を測定した。対照
のジオール化合物としてエチレングリコールについても
同様の測定を行なった。
【0029】〔図2〕に468nmにおける吸光度変化
を示す。本発明に従う化合物〔化3〕は、中性付近を含
む広いpH領域において、単糖、特に、D−フラクトー
スの存在下に大きな光吸収を示す。すなわち、化合物
〔化3〕は、糖類と結合すると明黄色から暗黄色に変化
する(吸収最大ピークは468nmから455nmに移
行)ことにより、糖類の存在を検出する。検出限界はフ
ラクトースについては0.01M、グルコースについて
は0.1Mであった。対照ジオール化合物の場合は、糖
が存在しない場合とほぼ同様の変化しか認められなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従う発性化合物の合成ルートを示
す。
【図2】 本発明に従う発性化合物が糖と結合した場合
の吸光度変化を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式〔化1〕で表されることを特
    徴とする発色性化合物。 【化1】 式〔化1〕中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または
    フェニル基であり、Rは次式〔化2〕で表されるアゾ
    基含有原子団から成る発色性原子団である。 【化2】
  2. 【請求項2】 次式〔化3〕で表される請求項1に記載
    の発色性化合物。 【化3】
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