JP2883050B2 - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ

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JP2883050B2
JP2883050B2 JP8323816A JP32381696A JP2883050B2 JP 2883050 B2 JP2883050 B2 JP 2883050B2 JP 8323816 A JP8323816 A JP 8323816A JP 32381696 A JP32381696 A JP 32381696A JP 2883050 B2 JP2883050 B2 JP 2883050B2
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厚 染田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/081Torsion springs

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、運輸車
両、一般産業機器等のベルト伝動装置においてベルトに
所定の張力を付与しかつその張力変動に応じて張力調整
動作に対するダンピング力を自動的に変化させるように
したオートテンショナに関し、特に組立直後から安定し
たダンピング特性を得るための筒状樹脂部材(インサー
トベアリング)の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のオートテンショナは、例えば特
公昭62−2182号公報に記載されているように、駆
動プーリと複数の従動プーリとの間に巻き掛けられたベ
ルトのプーリ間スパンを押圧して、駆動プーリの回転力
を全ての従動プーリに安定して伝達させるために用いら
れる。
【0003】具体的には、図2及び図3に例示するよう
に、先端側(図3の上端側)に向かって漸次小径となる
断面テーパ状の軸部3を有していて、自動車エンジン等
の固定体に固定される固定部材1と、上記軸部3にその
先端側から回動可能に外嵌合されかつ内周面が軸部先端
側に向かって漸次小径となる断面テーパ状のボス部13
を有するとともに、ベルト押圧用のプーリ15を有する
回動部材11と、上記ボス部13の外周側に同心状に配
置されていて、捩りトルクにより上記固定部材1に対し
回動部材11を上記プーリ15が該プーリ15に巻き掛
けられたベルトtを押圧する方向(図2の反時計回り方
向)に回動させるように付勢する捩りコイルばね21と
を備えている。そして、上記固定部材1の軸部3と回動
部材11のボス部13との間には筒状樹脂部材としての
インサートベアリング31が、またボス部13と捩りコ
イルばね21との間にはフランジ付の筒状樹脂部材であ
るスプリングサポート41が、それぞれ回動部材11の
上記押圧方向とは逆の方向(図2の時計回り方向)の回
動をダンピングしてベルトtのばたつきを抑える主要な
ダンピング部材として配置されている。
【0004】上記インサートベアリング31について具
体的に説明すると、このインサートベアリング31は、
両端が開口された円筒形状をなしていて、固定部材1の
軸部3にその先端側から該軸部3に対し回動不能に外嵌
合されるようになっており、その内周面は、軸部3の外
周面と同様に軸部先端側が漸次小径となるテーパ状とさ
れている。また、インサートベアリング31の外周面
は、回動部材11のボス部13の内周面に摺接可能とさ
れていて、共に軸部先端側が漸次小径となる断面テーパ
状とされている。そして、回動部材11がベルト張力の
増加時に押圧方向とは逆の方向に回動されたとき、つま
りコイルばね21にその捩りトルクの方向とは逆の方向
のトルクが加わったときに、その反力により捩りコイル
ばね21がボス部13の一部をインサートベアリング3
1の外周面に押し付けて両者間に大きな摺動摩擦力を発
生させ、この摩擦力によりベルト張力増加時の回動部材
11の回動をダンピングするようになっている。
【0005】ところで、上述のオートテンショナにおい
て、固定部材への回動部材の組付けは、固定部材1の軸
部3に外嵌合された状態のインサートベアリング31の
外周に回動部材11のボス部13を押し込むことで行な
われる。その際に、回動部材11のボス部13の内周面
が断面テーパ状であることから、それら軸部3及びボス
部13間にインサートベアリング31を噛み込む虞れが
ある。そこで、そのような噛込みが生じないようにする
ために、図7に示すように、インサートベアリングaの
外周の周方向の一部、具体的には180°以下の範囲
(同図の左側の範囲)のみが上記ボス部bの内周面に接
触可能な接触部cとされ、一方、その外周の周方向の残
部である180°を超える範囲(同図の右側の範囲)
は、ボス部bの内周面との間に隙間を形成するように断
面円弧状に切除された状態の非接触部dとされていて、
上記ボス部bの内周面が接触し難くなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のオートテンショナでは、インサートベアリングaの
外周に回動部材のボス部bが押し込まれてきたときに、
そのボス部bの内周面により、図7に矢印で示すよう
に、上記インサートベアリングaにおける接触部cの周
方向両端部に大きな圧縮力が加わることから、上記両端
部において摺動抵抗の上昇が起こり、このことで、オー
トテンショナの組立直後にはダンピング値が定常状態よ
りも高くなるという問題がある。
【0007】その理由としては、インサートベアリング
aの外周にボス部bが押し込まれたときに、接触部cの
両端部に大きな圧縮力により圧縮歪みが発生し、その圧
縮歪みが残ったままの状態でボス部bの摺動を受けるよ
うになるために面圧が上昇するということが考えられ
る。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、ベルト張力の増大時に捩りコイル
ばねの反力により回動部材のボス部の内周面を筒状樹脂
部材の接触部に圧接させてその摺動摩擦力で回動部材の
回動をダンピングするようにしたオートテンショナにお
いて、上記接触部の周方向両端部における圧縮歪みを緩
和できるようにすることで、該接触部の両端部における
面圧の上昇を回避してオートテンショナの組立直後から
安定したダンピング値が得られるようにすることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、筒状樹脂部材における接触部の両端
部に圧縮力が加わったときに、その圧縮力の加わった各
端部を半径方向内方に変形させることで、該圧縮力によ
る圧縮歪みを緩和して高い面圧を発生させないように
し、もって、オートテンショナの組立直後から定常状態
のダンピング値が得られるようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、軸部を
有していて、固定体に固定される固定部材と、上記軸部
にその先端側から回動可能に外嵌合されかつ内周面が軸
部先端側に向かって漸次小径となる断面テーパ状のボス
部を有するとともに、プーリを有する回動部材と、上記
軸部と上記ボス部との間に該軸部に対し回動不能に外嵌
合された状態で介装されていて、外周の周方向の一部に
上記ボス部内周面に対し摺接可能な接触部を有する一
方、上記外周の周方向の残部に上記ボス部内周面との間
に隙間を形成するように切除された状態の非接触部を有
する筒状樹脂部材と、上記ボス部の外周側に同心状に配
置されていて、上記固定部材に対し回動部材を上記プー
リが該プーリに巻き掛けられたベルトを押圧する方向に
回動させるように付勢する一方、回動部材が上記押圧方
向と逆の方向に回動したときに反力により上記ボス部の
一部を半径方向内方に押圧して該ボス部の内周面を上記
筒状樹脂部材の接触部表面に圧接させる捩りコイルばね
とを備えたオートテンショナが前提である。
【0011】そして、上記筒状樹脂部材の接触部の周方
向両端部において、該両端部の半径方向内方への各変形
を許容する空所が設けられているものとする。
【0012】上記の構成において、オートテンショナの
組立時に、固定部材の軸部に外嵌合された筒状樹脂部材
の外周に回動部材のボス部が押し込まれるとき、上記ボ
ス部の内周面は軸部先端側に向かって小径となる断面テ
ーパ状をなしているので、このボス部の内周面から上記
筒状樹脂部材の接触部に加わる圧縮力は、該ボス部が押
し込まれるのに伴って徐々に大きくなる。特に、筒状樹
脂部材の外周における上記接触部以外の残部が、ボス部
の内周面との間に隙間を形成するように切除された状態
の非接触部であることから、上記接触部の周方向両端部
には大きな圧縮力が加わる。したがって、もしも、その
ような大きな圧縮力が加わった状態のままであると、そ
の圧縮力は内部歪みとして両端部に蓄積されることにな
り、その内部歪みの蓄積の反力によってボス部内周面か
ら高い面圧を受けるようになる結果、ダンピング値は定
常状態のときよりも高くなる。
【0013】このとき、上記接触部の両端部の半径方向
内方への各変形は、各々の空所により許容される。これ
により、上記各端部における圧縮歪みが曲げの変形(外
周側における周方向の引張歪みと内周側における周方向
の圧縮歪みとからなる)となって上述のような面圧の上
昇は生じないので、オートテンショナの組立直後から定
常状態に近いダンピング値が得られるようになる。
【0014】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、各空所は、固定部材の軸部外周側を切り欠い
た状態に形成されているものとする。つまり、固定部材
の軸部外周側を切り欠き、その空所により形成される空
間を筒状樹脂部材の変形のために使うようにした。
【0015】上記の構成において、筒状樹脂部材の接触
部の周方向両端部に大きな圧縮力が加わったときに、上
記接触部の両端部の半径方向内方への各変形は、固定部
材の軸部外周側に形成された空所により許容されるの
で、上記圧縮力による各端部の圧縮歪みは曲げの変形と
なる。よって、接触部の周方向両端部における面圧の上
昇は回避され、上記請求項1の発明での作用は具体的に
営まれる。
【0016】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
において、各空所は、筒状樹脂部材の内周側に形成され
ているものとする。つまり、筒状樹脂部材の内周側を肉
抜き形状の空所とし、その空所により筒状樹脂部材及び
軸部間に形成される空間を筒状樹脂部材自身の変形のた
めに使うようにした。
【0017】上記の構成において、接触部の両端部の各
変形は、軸部外周側に形成された空所により許容され
る。よって、この発明でも、上記請求項2の発明の場合
と同じ作用が営まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (実施形態1)図2及び図3は、本発明の実施形態1に
係るオートテンショナの全体構成を示しており、このオ
ートテンショナは、自動車エンジンのクランク軸の回転
力によりエンジン用補機を駆動するベルト駆動装置に用
いられる。
【0019】上記オートテンショナは、基本構成とし
て、固定体としての自動車エンジンに固定される固定部
材1と、この固定部材1に回動軸心Pの回りに回動可能
に支持されている回動部材11と、これら固定部材1及
び回動部材11間に軸方向(図3の上下方向)に圧縮さ
れた状態で介装されていて、固定部材1に対し回動部材
11を図2の反時計回り方向に回動させるように付勢す
る捩りコイルばね21とを備えている。
【0020】上記固定部材1は、フロント側(図3の上
側)が開口された有底円筒状のリヤカップ部2と、この
リヤカップ部2の底壁中央から回動軸心Pに沿ってフロ
ント側に延びるように設けられていて、先端に向かって
漸次小径となる断面テーパ状の軸部3とを有してなり、
リヤカップ部2の外周に半径方向外方に向かって突出す
るように設けられた取付部4において固定体に固定され
るようになっている。上記リヤカップ部2の周壁には、
この周壁を半径方向に貫通する図外のリヤ側係止孔が形
成されている。また、上記軸部3の外周には、図4に示
すように、軸方向に延びるキー溝3aが設けられてい
る。
【0021】上記回動部材11は、リヤ側(図3の下
側)が開口されかつその開口部が上記リヤカップ部2の
開口部と対向するように配置されたフロントカップ部1
2と、このフロントカップ部12の底壁中央から回動軸
心Pに沿ってリヤ側に延びるように設けられたボス部1
3と、上記フロントカップ部12の外周に半径方向外方
に向かって突出するように設けられたアーム部14とを
有する。上記フロントカップ部12の周壁には、この周
壁を半径方向に貫通する図外のフロント側係止孔が形成
されている。上記ボス部13の外周面はリヤ側に向かっ
て漸次小径となる断面テーパ状に、また内周面はリヤ側
に向かって漸次大径となる断面テーパ状にそれぞれ形成
されている。このボス部13は、その内周面のテーパ断
面が上記軸部3のテーパ断面と略同じテーパ角度になっ
ていて、該軸部3にその先端側(図3の上端側)から回
動可能に外嵌合されている。上記アーム部14の先端に
は、ボス部13の回動軸心Pと平行な軸心Qの回りに回
転可能なプーリ15が回動軸心Pの回りに回動一体に設
けられている。このプーリ15には、Vベルト等のよう
な所定の張力を付与すべきベルトtが、図2に仮想線で
示すように巻き掛けられる。
【0022】上記捩りコイルばね21は、本体が円筒状
をなしていて、コイルは左巻きとされている。また、リ
ヤ側のコイル端及びフロント側のコイル端の何れもが本
体から半径方向外方に向かって突出する形状とされてい
る。そして、本体が縮径した状態で、上記リヤ側のコイ
ル端を固定部材1のリヤカップ部2のリヤ側係止孔に、
またフロント側のコイル端を回動部材11のフロントカ
ップ部12のフロント側係止孔にそれぞれ半径方向に貫
通して係止させており、本体が拡径する方向に弾性変形
しようとする捩りトルクにより、固定部材1に対し回動
部材11をプーリ15が該プーリ15に巻き掛けられた
ベルトtを押圧する方向(図2に矢印で示す反時計回り
方向)に回動させるように付勢している。
【0023】上記軸部3とボス部13との間には、主要
なダンピング部材の1つであって両端開口の略円筒状を
なす筒状樹脂部材としてのインサートベアリング31が
介装されており、このことで、上記回動部材11はボス
部13において固定部材1に回動可能に支持されてい
る。さらに、上記ボス部13の外周側には、もう1つの
主要なダンピング部材であるスプリングサポート41が
配置されている。このスプリングサポート41は、ボス
部13と捩りコイルばね21の本体との間に配置されて
いて、ベルト張力の増大時の捩りコイルばね21の反力
により該捩りコイルばね21に半径方向内方に押圧され
てボス部13の外周面に圧接する円筒部41aと、この
円筒部41aのリヤ側開口縁に周設されていて、捩りコ
イルばね21と固定部材1との間に挟圧保持された外向
きフランジ41bとからなっている。また、上記軸部3
の先端には、回動部材11の抜止めのためのフロントプ
レート42が取り付けられており、このフロントプレー
ト42とボス部13のフロント側端面との間には、合成
樹脂製のスラストワッシャ43が介装されている。
【0024】上記インサートベアリング31について詳
しく説明すると、その内外周面は、図5に拡大して示す
ように、共に軸部先端側(同図の上端側)に向かって漸
次小径となる断面テーパ状に形成されている。つまり、
内周面のテーパ断面は軸部3のテーパ断面と、また外周
面のテーパ断面はボス部13内周面のテーパ断面とそれ
ぞれ同じテーパ角度になっている。このインサートベア
リング31においてボス部13が押し付けられる側(同
図の左側)の内周には、軸部3のキー溝3aに係入して
該インサートベアリング31を固定部材1の側に回り止
めするキー部31aが回動軸心Pに沿って延びるように
設けられている。また、上記と同じ側の外周面は、図1
に示すように、周方向の180°未満の範囲(同図の左
側の範囲)に亘ってボス部13の内周面に対し摺接可能
な接触部31bとされている。一方、それと反対の側
(同図の右側)であるボス部13の押し付けられない側
では、周方向の180°を超える範囲に亘って外周側が
断面円弧状に切り欠かれた状態の薄肉の非接触部31c
とされている。つまり、この非接触部31cとボス部1
3の内周面との間に断面円弧状の隙間が形成されるよう
になっている。
【0025】そして、本実施形態では、図1に示すよう
に、上記固定部材1の軸部3の外周側に、上記インサー
トベアリング31の接触部31bの周方向両端部におい
て、該両端部の半径方向内方への各変形を許容する各々
の空所32が切り欠いた状態に形成されている。具体的
には、上記空所32,32は、図4にも示すように、接
触部31bの両端部に対応する両側部(図1の上下両側
部)を回動軸心Pと略平行な平面で切断した状態に形成
されている。つまり、上記空所32,32が設けられて
いることで、上記インサートベアリング31の内周面と
軸部3の外周面との間には、断面蒲鉾状の2つの空間が
それぞれ略軸方向に延びるように形成されている。尚、
切り欠いた状態に形成するとは、文字どうり切り欠くこ
とにより形成することを含め、結果的に切り欠いた状態
に形成されていることの意味である。
【0026】次に、上記のように構成されたオートテン
ショナにおいて、固定部材1に回動部材2を組み付ける
際の上記空所32の作用について説明する。先ず、固定
部材1の軸部3に、インサートベアリング31を回動不
能に外嵌合させる。つまり、軸部3のキー溝3aにキー
部31aが嵌まり込む状態で該軸部3にその先端側から
インサートベアリング31を被せる。そして、上記イン
サートベアリング31の外周に、図5に実線で示す状態
から仮想線で示すように回動部材2のボス部13を押し
込んでいく。このとき、インサートベアリング31の非
接触部31cはボス部13の内周面に殆ど接触せず、よ
って、上記ボス部13がインサートベアリング31を介
して軸部3に外嵌合される際に、それらボス部13と軸
部3との間に上記インサートベアリング31が噛み込ま
れることは回避される。
【0027】一方、上記ボス部13の押込みに応じて、
図1に仮想線で示すように、該ボス部13の内径はイン
サートベアリング31に対し相対的に狭まっていく。こ
れに伴い、上記インサートベアリング31の接触部31
bの周方向両端部は、同図に矢印で示すように、上記ボ
ス部13の内周面による圧縮力を受けて半径方向内方に
向かって徐々に強く圧縮されるようになる。したがっ
て、そのままであると、上記接触部31bの両端部にお
ける面圧が該接触部31bのその他の部分における面圧
よりも上昇することになるために、その面圧の高い部分
が摩耗してボス部13及び接触部31b間の接触が均一
化するまでの間のオートテンショナの組立直後の段階で
は、オートテンショナのダンピング値が定常状態の場合
よりも異常に高くなる虞れがある。
【0028】これに対し、上記軸部3の外周側に空所3
2が設けられているので、この空所32により、上記両
端部は上記ボス部13による圧縮力に応じて半径方向内
方に変位する状態への変形が許容されるので、該両端部
に上記圧縮力による圧縮歪みが発生して面圧が上昇する
ことは回避され、よって、回動部材11のボス部13と
インサートベアリング31との間において組立直後から
定常状態の摺動摩擦力が得られるようになる。
【0029】したがって、本実施形態によれば、ベルト
張力の増大時に捩りコイルばね21の反力により回動部
材11のボス部13の内周面をインサートベアリング3
1の接触部31bに圧接させてその摺動摩擦力で上記回
動部材11の回動をダンピングするようにしたオートテ
ンショナにおいて、固定部材1の軸部3の外周側に、上
記インサートベアリング31の接触部31bの周方向両
端部における半径方向内方への各変形を許容する各々の
空所32を形成するようにしたので、固定部材1の軸部
3に外嵌合されたインサートベアリング31の外周に回
動部材11のボス部13を押し込む際に、上記インサー
トベアリング31の接触部31bにおける周方向両端部
の面圧が上昇してボス部13及び接触部31b間の摺動
抵抗が増大するのを回避することができ、オートテンシ
ョナの組立直後から安定したダンピング値を得ることが
できるようになる。
【0030】尚、上記実施形態1では、軸部3の外周側
に断面蒲鉾状の空所32を形成するようにしているが、
上記空所の断面形状は任意であって適宜設計することが
できるのは勿論である。
【0031】(実施形態2)図6は、本発明の実施形態
2に係るオートテンショナの要部を示しており、以下の
説明では、上記実施形態1の場合と同じ部分には同じ符
号を付している。
【0032】本実施形態では、各空所32は、インサー
トベアリング31の内周側に形成されている。つまり、
インサートベアリング31の内周側を肉抜き形状の空所
32とし、その各空所32によりインサートベアリング
31及び軸部3間に形成される空間をインサートベアリ
ング31の接触部31bの周方向両端部の半径方向内方
への変形のために使うようにした。
【0033】具体的には、上記インサートベアリング3
1の接触部31bにおける周方向両端部と非接触部31
cとは、傾斜面を有する傾斜部により滑らかに接続され
ている。そして、その傾斜部を経由して非接触部31c
から接触部31bの各端部に亘る部分が略同じ肉厚とな
るように、インサートベアリング31の内周側が断面U
字状に切り欠かれた状態となっており、その断面U字状
の部分が上記空所32とされている。つまり、接触部3
1b及び非接触部31c間の接続部を上記のようにする
ことで、接触部31bの両端部が、図6に矢印で示すよ
うな圧縮力を受けたときに、半径方向内方に変形し易く
なっている。尚、その他の部分については実施形態1の
場合と同じであるので説明は省略する。
【0034】したがって、本実施形態によっても、オー
トテンショナの組立時に、インサートベアリング31の
接触部31bにおける周方向両端部にボス部13の内周
面により加わる圧縮力が、各端部での圧縮歪みではな
く、各端部での変形に変わるので、上記実施形態1の場
合と同じ効果を奏することができる。
【0035】尚、上記実施形態2では、インサートベア
リング31の内周側に断面U字状に空所32を形成する
ようにしているが、実施形態1の場合と同じく、上記空
所の断面形状は任意であって適宜設計することができ
る。
【0036】また、上記実施形態2では、空所32をイ
ンサートベアリング31の内周側に形成するようにして
いるが、ボス部13の圧縮力が加えられる各端部の変形
を許容できる部位であればその形成部位は特に限定され
るものではない。
【0037】さらに、上記実施形態2では、インサート
ベアリング31の側にのみ空所32を形成するようにし
ているが、軸部3の側にも形成し、それら2つの空所に
より区画形成される空間によって接触部31bの各々の
端部の変形を許容できるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、固定部材の軸部に回動不能に外嵌合された筒状
樹脂部材の接触部に、ベルト張力の増大時に捩りコイル
ばねの反力により回動部材のボス部の内周面を圧接させ
てその摺動摩擦力で上記回動部材の回動をダンピングす
るようにしたオートテンショナに対し、上記筒状樹脂部
材の接触部の周方向両端部において、該両端部の半径方
向内方への各変形を許容する空所をそれぞれ設けるよう
にしたので、上記圧縮力による各端部の圧縮歪みを曲げ
の変形により緩和して面圧の上昇を回避でき、よって、
オートテンショナの組立直後から定常状態に近いダンピ
ング値を得ることができる。
【0039】請求項2の発明によれば、上記空所を、固
定部材の軸部外周側を切り欠いた状態に形成するように
したので、上記請求項1の発明による効果を具体的に得
ることができる。
【0040】請求項3の発明によれば、上記空所を、筒
状樹脂部材の内周側に形成するようにしたので、この発
明によっても、上記請求項1の発明による効果を具体的
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図5のI−I線断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るオートテンショナの
全体構成を示す平面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】固定部材を示す斜視図である。
【図5】インサートベアリングの外周に回動部材のボス
部が押し込まれる状態を拡大して示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るオートテンショナの
要部を示す図1相当図である。
【図7】従来のオートテンショナの要部を示す図1相当
図である。
【符号の説明】
1 固定部材 3 軸部 11 回動部材 13 ボス部 15 プーリ 21 捩りコイルばね 31 インサートベアリング(筒状樹脂部材) 31b 接触部 31c 非接触部 32 空所 t ベルト

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部を有し、固定体に固定される固定部
    材と、 上記軸部にその先端側から回動可能に外嵌合されかつ内
    周面が軸部先端側に向かって漸次小径となる断面テーパ
    状のボス部を有するとともに、プーリを有する回動部材
    と、 上記軸部と上記ボス部との間に該軸部に対し回動不能に
    外嵌合された状態で介装され、外周の周方向の一部に上
    記ボス部内周面に対し摺接可能な接触部を有する一方、
    上記外周の周方向の残部に上記ボス部内周面との間に隙
    間を形成するように切除された状態の非接触部を有する
    筒状樹脂部材と、 上記ボス部の外周側に同心状に配置され、上記固定部材
    に対し上記回動部材を上記プーリが該プーリに巻き掛け
    られたベルトを押圧する方向に回動させるように付勢す
    る一方、回動部材が上記押圧方向と逆の方向に回動した
    ときに反力により上記ボス部の一部を半径方向内方に押
    圧して該ボス部の内周面を上記筒状樹脂部材の接触部の
    表面に圧接させる捩りコイルばねとを備えたオートテン
    ショナであって、 上記筒状樹脂部材の接触部の周方向両端部において、該
    両端部の半径方向内方への各変形を許容する空所が設け
    られていることを特徴とするオートテンショナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオートテンショナにおい
    て、 各空所は、固定部材の軸部外周側を切り欠いた状態に形
    成されていることを特徴とするオートテンショナ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のオートテンショナにおい
    て、 各空所は、筒状樹脂部材の内周側に形成されていること
    を特徴とするオートテンショナ。
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