JP2882691B2 - ニードルパンチング加工性に優れたメルトブローン不織布およびその製造法 - Google Patents

ニードルパンチング加工性に優れたメルトブローン不織布およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメルトブローン不織布、
とりわけニードルパンチング加工性に優れたメルトブロ
ーン不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メルトブローン不織布は超極細繊維から
なるため、カバーファクターが大きく良好な空気遮断性
をもつと同時に極めて柔軟性に富んでいるところから、
そのひとつの重要な用途として防寒衣料用中入れ綿があ
る。
【0003】その具体的な提案例としては特公平1−2
0629号や特開昭60−185582号、特開昭59
−36757号等がある。すなわち、3〜6drの通常
繊度繊維からなる比較的嵩高な不織布と0.01〜0.
5drの極細繊度のメルトブローン不織布との積層体か
らなる中入れ綿が提案されている。
【0004】この場合、通常繊度繊維からなる嵩高繊維
不織布が豊かな空気層を充分に保有し、極細繊度のメル
トブローン不織布が、嵩高不織層の空気を外部へ漏すこ
とがないため、嵩高にして保温機能が高く、しかも柔軟
な風合を有する中入れ綿となるというものである。
【0005】ここで、通常繊度繊維不織布(本発明で通
常繊度とは1〜10dr)とメルトブローン不織布層
は、縫製加工や使用着用時に分離、剥離を生じないよう
に一体化していなければならないが、その方法としては
嵩高さ、柔軟性を損なわない点からニードルパンチング
加工が採用されている。
【0006】しかし実際にはメルトブローン不織布を構
成する繊維は超極細であるため繊維強力が弱く、また繊
維表面積が大きくしかもその本数が多いため摩擦力は大
きい。そのため一般にメルトブローン不織布をニードル
パンチング加工した場合、ニードルのバーブへひっかか
った繊維はバーブから外れにくく、短時間のうちにバー
ブ部に繊維のからんだ固りを形成してしまう。それが、
メルトブローン不織布を突きぬける場合、メルトブロー
ン不織布には大きな穴が明いてしまうといったトラブル
が発生して非常に能率の悪いものであった。
【0007】この様に、一般的にメルトブローン不織布
のニードルパンチング加工性は他の通常繊度繊維不織布
に比らべるとかなり劣っている。これに対してニードル
パンチング加工前にメルトブローン不織布に対してその
平滑性を向上させるような処理剤を付与する事によって
これを改良する工夫がされている。具体的方法として含
浸法、スプレー法等が以前から提案されている。
【0008】含浸法は処理剤の適当量を確実に付与でき
る点では優れた方法であるが、形態安定性の乏しい低目
付のメルトブローン不織布の場合、これを安定に処理剤
浴中を通過させる事が困難であり、又、一旦漏れた不織
布を乾燥する工程が必要となり、このためのエネルギー
を考えると経済的な手段ではない。
【0009】スプレー法は、スプレーによる処理剤付与
が少ないと充分な処理効果が発現しないのは当然であ
り、充分な処理効果が出るまで付与すると不織布は完全
に濡れてしまって含浸法と同様、乾燥する工程が必要に
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様に
一般にニードルパンチング加工性が不良なメルトブロー
ン不織布に対して、後処理加工をしなくても、良好なニ
ードルパンチング加工性を有するようなメルトブローン
不織布を簡便かつ経済的なものとして提供しようとする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の構成により解決
できることを見い出し本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明は (1) 繊維形成性重合体に炭素数12以上の長鎖の高
級脂肪酸と多価アルコールとのジエステル型界面活性剤
を0.1〜3.0重量%配合したニードルパンチング加
工性に優れたメルトブローン不織布。
【0013】(2) 繊維形成性重合体をメルトブロー
してメルトブローン不織布を製造する方法において該繊
維形成性重合体に炭素数12以上の長鎖の高級脂肪酸と
多価アルコールとのジエステル型界面活性剤を0.1〜
3.0重量%混練してメルトブローする事を特徴とする
メルトブローン不織布の製造法。である。
【0014】本発明における繊維形成性重合体とは、例
えば、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、
エチレン・ブチレン共重合体、エチレン・オクテン共重
合体などのエチレン系重合体、ポリプロピレンあるいは
プロピレン共重合体、ポリブチレンなどのポリオレフィ
ン、6−ナイロン、66−ナイロン、6・66−共重合
ポリアミド、610−ナイロン、11−ナイロン、12
−ナイロンなどのポリアミドあるいは共重合ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレ
ート共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリ
エステル、脂肪族系ポリカーボネート、ポリウレタンエ
ラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエ
ラストマー、ポリ塩化ビニルあるいは塩化ビニル共重合
体、全芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイ
ドなどから選ばれた少なくとも1種の重合体である。
【0015】次に本発明において重要な点は、炭素数1
2以上の長鎖の高級脂肪酸と多価アルコールとのジエス
テル型界面活性剤を前記繊維形成性重合体に対して0.
1〜3重量%配合する事である。このジエステル型界面
活性剤のもつ平滑化効果によって、繊維形成性重合体か
ら形成されたメルトブローン不織布を構成する繊維に平
滑性が与えられる事により本発明メルトブローン不織布
は良好なニードルパンチング加工性を発現する訳である
から、その配合量が0.1重量%に満たない場合は平滑
性がほとんど付与されず、良好なニードルパンチング加
工性は得られない。
【0016】一方、ジエステル型界面活性剤の配合量が
3.0重量%を超えて多くなるとメルトブローン中にポ
リマーの吐出するノズルオリフィスの周囲が経時的に汚
れて、これによってショットと呼ばれる直系0.1〜1
mm程度のポリマー玉が発生してメルトブローン不織布の
品位を著じるしく低下させる。この様になった時点でノ
ズルオリフィス周囲を掃除をする事(ノズル掃除)によ
って再び正常なメルトブローン状態への復帰もある程度
可能であるが、“ノズル掃除”のためにメルトブローン
が中断されてロスが生じ生産性を低下させる。
【0017】このノズルオリフィス周囲に汚れとして付
着したものを分析すると、その主成分は繊維形成性重合
体中に配合したジエステル型界面活性剤であった。これ
がノズルオリフィス部でブリードアウトするものと推定
される。
【0018】したがって、繊維形成性重合体中へのジエ
ステル型界面活性剤の配合量は0.1〜3.0重量%で
なければならない。又、界面活性剤がモノエステル型で
ある場合には、その平滑化効果が充分でない。
【0019】さらに耐熱性もモノエステル型は劣ってい
るため熱分解を生じてブローン中にその配合量が大きく
低下してしまう事がある。
【0020】それに対してジエステル型界面活性剤は平
滑化効果、耐熱性で優れており、本発明で用いる界面活
性剤はジエステル型界面活性剤でなければならない。
【0021】さらに本発明で肝要な点としては、ジエス
テル型界面活性剤の酸成分である長鎖の高級脂肪酸の炭
素数を12以上とする事がある。高級脂肪酸の炭素数が
12未満の場合、ジエステル型界面活性剤の分子量が小
さくなりすぎるためメルトブローン中に繊維形成性重合
体からブリードアウトしてノズルオリフィス周りを汚し
てしまい、メルトブローン工程性を低下せしめてしま
う。したがって、ジエステル型界面活性剤の長鎖の高級
脂肪酸の炭素数は12以上でなれけばならない。
【0022】本発明において繊維形成性重合体はポリア
ミドである事が好ましい。繊維形成性ポリアミドが好ま
しい理由は、ポリアミドは繊維形成性、とりわけメルト
ブローン成形性に優れていて容易に充分に極細化した繊
維からなるメルトブローン不織布をつくる事ができる。
就中、ショットと呼ばれるポリマー玉の混入を少なくメ
ルトブローン不織布を作製する事ができる。
【0023】又、ポリアミドはメルトブローンした際に
ある程度配合結晶化するため、メルトブローン不織布の
強力が高く熱収縮が小さいといった優れた性質を有する
ものである。
【0024】さらに各種の有機溶剤への耐性も良好でド
ライクリーニングが可能といった実用上重要な性質も有
している。従って、本発明で用いる繊維形成性重合体と
してはポリアミドが好ましい。
【0025】本発明にいうポリアミドとは、たとえばナ
イロン6、ナイロン6,6、ナイロン7、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6,10、ポリヘキサメチ
レンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタル
アミド、ポリパラキシレンドデカンアミドあるいは、こ
れらの共重合体等繊維形成性のある任意のポリアミドで
ある。
【0026】本発明のニードルパンチング加工性に優れ
たメルトブローン不織布の、上記繊維形成性重合体に長
鎖の高級脂肪酸と多価アルコールとのジエステル型界面
活性剤を配合する方法は、一般的な組成物の製造に適し
たと同じ方法が用いられる。
【0027】すなわち、上記繊維形成性重合体に所定量
の当該ジエステル型界面活性剤を通常の混合装置例えば
ヘンシルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダ
ー、バンバリーミキサーなどを用いて混合し、通常の単
軸押出機、2軸押出機、プラベンダーまたはロールなど
で溶融混練した後メルトブローンとする方法である。あ
るいは、一旦、予め前記方法で繊維形成性重合体に所定
量の当該ジエステル型界面活性剤を配合した繊維形成性
重合体ペレット又はマスターバッチペレットを得これを
用いる事ができる。
【0028】本発明のニードルパンチング加工性に優れ
たメルトブローン不織布は、前記繊維形成性重合体に該
ジエステル型界面活性剤を配合した組成物を用いて通常
メルトブローンと称される直接不織布成形法、すなわ
ち、熱可塑性繊維形成性重合体を溶融紡出し、これを高
温高圧高速で噴射する気体によって細化、極細繊維流と
し、ついでこれをシート状に捕集して不織布を製造する
方法、例えば、特開昭49−10258号公報、特開昭
49−48921号公報、特開昭50−121570号
公報等で種々提案される方法において製造する事ができ
る。
【0029】本発明のメルトブローン不織布を用いる
と、従来非常に能率の悪かった通常のメルトブローン不
織布のニードルパンチング加工性を向上させる事ができ
る。すなわち、例えば従来のメルトブローン不織布と通
常繊度繊維不織布とを用い、これをニードルパンチング
加工によって一体化して衣料用中入れ綿を製造する様な
場合、ニードルパンチング処理中にメルトブローン不織
布を構成する超極細繊維がニードルバーブにひっかか
り、スムーズに離脱しないためそれが固りとなって大き
く成長してこれがメルトブローン不織布を突き抜ける際
に大きな穴を発生して事実上製造不可であった。しかし
本発明のメルトブローン不織布を用いると、繊維形成性
重合体中へ配合したジエステル型界面活性剤が繊維表面
に存在することによる平滑化効果によって、ニードルパ
ンチング用のニードルとメルトブローン繊維の摩擦が減
少するため、ニードルバーブから繊維の離脱がスムーズ
に行なわれるようになり、前記の様な繊維固りを発生す
ることがないため全く問題なくニードルパンチング加工
ができるようになる。したがって、通常繊度繊維不織布
との一体化加工品の製造が可能になる。
【0030】
【実施例】本発明をより具体的に説明するために以下に
本発明の実施例を示すが、本発明の内容はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0031】本実施例においてナイロン6の相対粘度は
98%H2SO4を溶媒にナイロン6を1g/100cc溶解
した溶液について、毛細管粘度計を用いて温度25℃で
測定した溶媒及び溶媒の流下時間より次式で求めた。 相対粘度=t/t0 ただしtは溶液の流下時間(秒) t0は溶媒の流下時間(秒)
【0032】又、ポリブチレンテレフタレートの極限粘
度[η]はフェノールとテトラクロルエタンの等量混合
溶媒を用いて30℃で測定したものである。
【0033】又、本発明で言う不織布の厚さ1cm当りの
保温力(CLO/cm)はASTM、D−1518−57
Tに記されている方法に基づいて測定した熱貫流抵抗値
(℃・m2・hr/kcal)を求め、これを1CLO=0.
18℃・m2・hr/kcalで除して、さらにこれを試料の
厚さ(cm)で除して求めたものである。
【0034】実施例1 相対粘度2.01のナイロン6を95部、同ナイロン6
に対して長鎖の高級脂肪酸と多価アルコールとのジエス
テル型界面活性剤エマロックスSA−3[吉村油化学
(株)製、高級脂肪酸の炭素数28〜32]を20重量
%練り込んだマスターバッチを5部をペレット状で混合
した後、押出機によって溶融押出し、直径0.25mmの
吐出孔を0.75mm間隔で一列に配列した紡糸口金部と
その両側に巾0.25mmの気体噴出用スリットを備えた
メルトブローン用ダイを設置したメルトブローン装置で
紡糸温度を300℃、紡糸口金部における溶融粘度15
0ポイズ、噴射用気体(空気)温度300℃、空気圧力
2.5kg/cm2、単孔当りのポリマー吐出量0.25g
/分の条件で紡出した極細繊維流をダイ下25cmの位置
で捕集して、平均目付30g/m2のジエステル型界面活
性剤を1重量%配合されたナイロン6メルトブローン極
細繊維不織布を得た。(平均繊維径は約2.1ミクロン
であった。)
【0035】このメルトブローン不織布の製造工程調
子、すなわちメルトブローン調子は良好で、界面活性剤
を添加しない場合に比らべ劣るなどの添加によるデメリ
ットは認められなかった。
【0036】このメルトブローン不織布で、目付60g
/m2の1デニール×38mm長/6デニール×51mm長=
50/50(重量比)のポリエステル短繊維ウエブの両
面を挟み込むように3層積層し、#40針(バーブ3
コ)、針深さ13mmで35回/cm2、速度1m/分のニ
ードルパンチング条件で表裏2回ニードルパンチング加
工を行なった。
【0037】メルトブローン不織布は、ニードルパンチ
ング処理時には何の処理(例えばスプレーによる油剤付
与など)もしなかったが、ニードルパンチング加工は全
く問題なく実施でき、3層の一体化した不織布(中入れ
綿)が得られた。
【0038】この3層積層不織布(中入れ綿)の物性値
は、表−1に示す様に保温性とドレープ性のある中綿と
なり、防寒衣料用として優れた性能を示すものとなっ
た。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 実施例1において、メルトブローン不織布用の原料ポリ
マーとして[η]=0.80のポリブチレンテレフタレ
ートとこのポリブチレンテレフタレートをベースポリマ
ーに実施例1と全く同じジエステル型界面活性剤を配合
したマスターバッチを用いる以外全く同一の方法で、ジ
エステル型界面活性剤を1重量%配合されたポリブチレ
ンテレフタレートメルトブローン不織布を得た。得られ
たメルトブローン不織布の平均繊維径は2.2ミクロン
であった。
【0041】これを実施例1と同じ方法・条件で、同じ
ポリエステル短繊維ウエブとニードルパンチング加工に
よって3層積層化した。この場合もニードルパンチング
加工上の問題はなかった。得られた3層積層不織布の物
性値は表−1に示す様に、保温性とドレープ性のある中
入れ綿となり、防寒衣料用として優れた性能を示すもの
となった。
【0042】比較例1 実施例1においてナイロン6に対してジエステル型界面
活性剤を全く配合しない以外は全く同一の装置、方法、
条件でメルトブローンを行ない、ナイロン6メルトブロ
ーン極細繊維不織布を得た。これを用いて実施例1と同
様の3層積層不織布を得ようとやはり同一の装置、方
法、条件でニードルパンチング加工を行なった。
【0043】ところが、この場合、ニードルパンチング
を始めて10分程度でニードルのバーブへ極細繊維がひ
っかかったまま離脱せず大きく成長して、メルトブロー
ン不織布を突きぬける際に大きな穴をつくってしまい、
所望の3層積層不織布を得る事ができなかった。
【0044】比較例2 実施例1において、ジエステル型界面活性剤を5重量%
配合する以外は全く同一の装置、方法、条件でメルトブ
ローを行なったところ、ブローン開始1時間目ごろか
ら、ノズルオリフィス周囲が汚れ出し、さらに時間を経
過し2〜3時間目には、この汚れが増加して、ブローン
用の熱風の流れを乱してブローンが不調となってしま
う。この時製造されたメルトブローン不織布にはショッ
トと呼ばれる直径0.1〜1.0mm程度のポリマー玉が
多数混入して不織布を商品価値のないものとしてしまっ
た。
【0045】比較例3 実施例1においてナイロン6に配合する界面活性剤をジ
エステル型に代えてモノエステル型を配合する以外は全
く同一の装置、方法、条件で界面活性剤を1%配合した
メルトブローン不織布を得た。
【0046】これを用いて、実施例1と同様の3層積層
の不織布を得るため、同一装置方法、条件でニードルパ
ンチング加工を試みたが、この場合も長時間加工を行な
っていると、ニードル部に形成した繊維固りによって、
メルトブローン不織布に穴があいてしまうという問題が
生じてしまった。
【0047】比較例4 実施例1において、ナイロン6に配合するジエステル型
界面活性剤の酸成分として炭素数8〜10の脂肪酸を用
いる以外は全くの同一の装置、方法、条件で界面活性剤
を1重量%配合したメルトブローン不織布を得ようとし
た。
【0048】ところがこの場合には、ブローン開始2時
間目ごろからノズルオリフィス周囲に汚れが発生し始
め、さらに時間経過とともにこれが増大して、ブローン
用の熱風の流れを乱してブローン調子が低下してしま
う。この時製造されたメルトブローン不織布にはショッ
トと呼ばれる直径0.1〜1.0mm程度のポリマー玉が
多数混入して、不織布を商品価値のないものとしてしま
った。
【0049】比較例5 実施例1においてメルトブローン不織布用の原料ポリマ
ーとしてMFR(メルトフローレート、温度230℃、
荷重2160gで測定)=200のポリプロピレンとこ
のポリプロピレンをベースポリマーとして実施例1と全
く同じ、ジエステル型界面活性剤を配合したマスターバ
ッチを用いる以外全く同一の方法でジエステル型界面活
性剤1重量%配合したポリプロピレンメルトブローン不
織布を得た。得られたメルトブローン不織布の平均繊維
径は2.0ミクロンであった。
【0050】これを又実施例と同じ方法・条件でポリエ
ステル短繊維ウエブとニードルパンチング加工により3
層積層化した。このようにして得られた不織布は良好な
保温度とドレープ性のある中入れ綿となったが、これは
ドライクリーニングを行なった場合一部のメルトブロー
ン不織布が膨潤溶解してクリーニング後不織布中の繊維
が膠着して風合の粗硬なものになってしまった。
【0051】
【発明の効果】本発明のメルトブローン不織布は、非常
に平滑性に優れているため金属との摩擦が小さく、後処
理で油剤などを全く付与しなくてもニードルパンチング
加工可能なものである。そのため、通常繊度繊維からな
る嵩高で空気層を充分に保有した不織布とニードルパン
チング加工によって積層一体化できる。得られた積層不
織布はメルトブローン不織布層が、内層嵩高不織布の空
気層の空気を外部へ漏らす事がないため保温性が高く、
しかも柔軟でドレープ性に優れた衣料用中綿として理想
的なものとなる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性重合体に炭素数12以上の長
    鎖の高級脂肪酸と多価アルコールとのジエステル型界面
    活性剤を0.1〜3.0重量%配合した事を特徴とする
    ニードルパンチング加工性に優れたメルトブローン不織
    布。
  2. 【請求項2】 繊維形成性重合体をメルトブローしてメ
    ルトブローン不織布を製造する方法において該繊維形成
    性重合体に炭素数12以上の長鎖の高級脂肪酸と多価ア
    ルコールとのジエステル型界面活性剤を0.1〜3.0
    重量%混練してメルトブローする事を特徴とするメルト
    ブローン不織布の製造法。
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