JP4018784B2 - 長繊維不織布よりなる人工皮革 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は人工皮革に関し、更に詳しくは、長繊維不織布をその基材とする人工皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工皮革は多種多様の用途に用いられているが、該人工皮革には市場要求の一つとして、該人工皮革の軽量化が求められている。
【0003】
人工皮革の製造においては、非弾性のポリエステル、ポリアミド短繊維からなる不織布にバインダーとして弾性ポリマー、主にポリウレタンエラストマーを含浸する方法が採用されてきた(特公昭42―18599号公報、特開平7―145569号公報、特公昭62―29548号公報等)。短繊維からなる不織布にポリウレタンエラストマーを含浸して製造した人工皮革は、風合い面、耐久性面において優れているが、短繊維間に樹脂が詰まった密な構造となっているため通気性が悪く、軽量化が難しい。
【0004】
また、特開平6−2267号公報においては、溶解性の良好なポリマーを海成分とし、繊維形成能を有するポリマーを島成分とする、ポリマーブレンドA層とポリマーブレンドB層とが貼り合わせ型に接合したフィブリル可能な複合短繊維を不織布化する方法が提案されている。
【0005】
しかしながらこれらの方法では、原綿供給部から開繊装置、カード機、クロスレイ機、ニードルパンチ装置等の一連の大型設備が必要であり、また、極めて生産速度が遅く、生産速度を上げようとしたり、より細いデニールの混合紡糸短繊維をカード機に掛けたりすると、カードシリンダーへの巻き付きが発生したり、生産性が低下したり、ウェッブにネップや斑が発生し、得られた不織布の品位を著しく低下させるという問題がある。また、より薄物の人工皮革を得ようとするときには、人工皮革の強度を向上させる必要があるが、上述の方法では、カード機を通過させる必要があるので、短繊維の交絡による人工皮革の強度向上は、その繊維長から困難であった。
【0006】
一方、特開平3−213555号公報においては、分割型2成分系の複合中空長繊維を不織布化することが提案されている。該公報によればこの不織布は、衣料用、バッグ用等に用いることが出来ると記載されている。しかしながら、該公報に提案されている不織布を基材とする人工皮革は、該繊維が分割型2成分系であるために、分割後の繊維は、ブレンドしたポリマーを溶融紡糸した繊維に比べてその繊維径が太く、緻密さに劣り、人工皮革としての柔軟性、表面のタッチに劣るものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量で、且つ柔軟性に優れた人工皮革を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、特に、人工皮革用基材として用いる不織布につき鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の目的は、
下記(A)〜(E)の各要件を同時に具備する長繊維不織布に、(A)島成分としての繊維形成能を有する熱可塑性重合体と、海成分としてのポリオレフィン系ポリマーとが配された混合紡糸長繊維によって構成されていること;
(B)長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、0.1〜10deの繊維繊度を有する長繊維であること;
(C)長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、混合紡糸することにより得られた長繊維を高速牽引し、補集ネット上に噴射し補集するものであり、噴射後に分散板を一定の周期にて揺動させて捕集ネット上に捕集されるものであること;
(D)長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、該混合紡糸長繊維同士で相互に交絡していること;
(E)目付が150〜1200g/mであること;
【0010】
弾性重合体を主たる成分とする処理剤を含浸・凝固させた後、該混合紡糸長繊維中のポリオレフィン系ポリマーを除去してなる、長繊維不織布よりなる人工皮革により達成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、人工皮革の基材としての長繊維不織布は、混合紡糸長繊維から構成されている必要がある。混合紡糸長繊維から得られる長繊維不織布は、短繊維と比べて捲縮が少なく、またニードルパンチによる交絡時に繊維同士が良好な状態で絡まり、繊維密度が高くなって組織が緻密となるので、得られる人工皮革は、柔軟で且つ伸び止め感のある風合いを有する。
【0012】
本発明の混合紡糸長繊維には、島成分としての熱可塑性重合体と、海成分としてのポリオレフィン系ポリマーとが配されている必要がある。
【0013】
該ポリオレフィン系ポリマーは長繊維不織布内にてバインダーとして働き、熱可塑性重合体からなる長繊維同士を固定して不織布としての強度を向上させる。該混合紡糸長繊維は、繊度0.1〜10deの長繊維であって、該混合紡糸長繊維同士が相互に交絡していることが必要である。該繊度が0.1de未満であると、得られる不織布が人工皮革用基材としては強度が不足する。一方、10deを越えると、本発明が目的とする人工皮革用基材に適した不織布を得る事ができない。また、該混合紡糸長繊維同士が相互に交絡していることによって、十分な不織布強度を得る事が出来るが、この交絡状態は長繊維の一部分のみが引きつらず、層間剥離や形態の崩れが起こらない程度であればよい。
【0014】
また、該不織布の目付が150〜1200g/ である必要がある。該目付が150g/ 未満であると、目的とする用途によっては強度が低くなり、一方、1200g/ を越えると、それ以上強度向上の効果は現れずに、生産性が劣るものとなる。
【0015】
該混合紡糸長繊維は、更に、島成分としての繊維形成能を有する熱可塑性重合体(A)(以下、単に熱可塑性重合体(A)と称することもある。)と、海成分としてのポリオレフィン(B)とからなるポリマーブレンド(I)と、島成分としての熱可塑性重合体(A’)(以下、単に熱可塑性重合体(A’)と称することもある。)と海成分としてのポリオレフィン(B’)とからなるポリマーブレンド(II)とが、多層接合型に貼り合わせた混合複合紡糸長繊維であることが、好ましい。ここで、ポリマーブレンド(I)とポリマーブレンド(II)とが異なっていれば、熱可塑性重合体(A)と(A’)とは同一のポリマーであっても、異なっていてもどちらでもよく、ポリオレフィン(B)とポリオレフィン(B’)とが同一のポリマーであっても異なっていてもどちらでもよい。
【0016】
混合複合紡糸長繊維において、その多層接合型の繊維横断面形状を採用した際には、更に、交絡時の繊維密度がより高くなり、人工皮革としたときの伸び止め感がより一層大きくなるので好ましい。
【0017】
本発明の熱可塑性重合体は、繊維形成能を有するポリマーであって、ポリオレフィン系ポリマーが溶解する条件では溶解しないものであれば何等限定はないが、得られる長繊維の物性、製造の容易さなどから、該熱可塑性重合体としてはポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む共重合ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−12、ポリプロピレン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等を挙げる事ができ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよい。また、本発明の目的を奏する範囲内であれば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、炭酸カルシウム、マイカ、金属微細粉、有機顔料、無機顔料等を添加してもよく、これらの添加剤には熱可塑性重合体への着色効果とともに、該重合体の溶融粘度を高く又は低くする効果もあり、混合紡糸長繊維の繊維横断面を調節する際に有効である。
【0018】
本発明において、ポリオレフィン系ポリマーは長繊維不織布中において、バインダーとしての働きを有し、且つ、人工皮革を製造する際に、ポリウレタンポリマーなどの弾性を有する樹脂を含浸させた後、引き続きポリオレフィン系ポリマーを除去する必要があるため、熱可塑性重合体および弾性重合体を溶解・変質させることの無い、熱トルエンに可溶性のポリオレフィン系ポリマーを用いることが好ましい。
【0019】
このような熱トルエン可溶性のポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等を挙げる事ができ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもどちらでもよい。
【0020】
本発明の混合紡糸長繊維を製造するに際しては、前述の熱可塑性重合体とポリオレフィン系ポリマーとを同一溶融系にて溶融して混合紡糸を行う必要があるが、熱可塑性重合体とポリオレフィン系ポリマーとの供給割合は両者が混合されていれば特に限定はないものの、得られる混合紡糸長繊維の物性、人工皮革製造時にポリオレフィン系ポリマーを除去すること、等から該混合紡糸長繊維の繊維横断面の面積比率で、(70:30)〜(30:70)となるように、エクストルーダーに夫々供給し、溶融混練した後、紡糸口金から吐出して長繊維とするのが好ましい。
【0021】
本発明において、長繊維不織布を形成するには、公知の方法をいずれも採用することができるが、特に、混合紡糸することにより得られた長繊維を高速牽引し、補集ネット上に噴射・補集した後、該長繊維同士を三次元的に交絡させることが好ましい。ここで、高速牽引の手段としてはエアーサッカー等を挙げることができ、速度としては3000〜8000m/min程度であればよく、紡糸口金から吐出した該長繊維を、錘毎にエジェクター等により上述の速度にて高速牽引すればよい。
【0022】
更に、本発明においては、該長繊維を高速牽引して得た細化物を補集ネット上に噴射・補集することが好ましい。この細化物を、補集ネット上に奇麗に補集し、且つ不織布の縦横強度比を1に近づけるために、各々のエジェクターの直下に、長繊維が衝突して方向転換をすると同時に均一開繊するように、分散板を設け、該分散板を一定の周期にて揺動させて補集ネット上に補集される長繊維の方向をランダム化することが好ましい。ここで、分散板としては、平面状または凹面状で且つ金属製であることが耐摩耗性の観点から好ましい。また、このように補集された細化物の吹き上がり、めくれ等を防止するためには、補集ネット下に排気ダクトを設けて多量の空気を吸引すればよい。また、該補集ネットを移動させる速度は1〜50m/minの範囲にあればよい。
【0023】
次いで、得られた不織布内の細化物同士を三次元交絡させるが、この三次元交絡させる方法としては、流体交絡または機械交絡のいずれも採用することができ、不織布の上下方向に上下に層状に剥離しない程度に該繊維間を絡み合わせればよい。
【0024】
また、本発明において、混合紡糸長繊維として混合複合紡糸長繊維を使用する場合には、例えば、2種類のポリマー成分をブレンドしたブレンドポリマー(I)及び上記ポリマー成分とは異なる別の2種類のポリマー成分をブレンドしたブレンドポリマー(II)を各々別々にエクストルーダーで溶融混練し、貼り合わせ多層型の口金に夫々を供給して通常の溶融複合紡糸と同様に複合紡糸する方法を採用すればよい。
【0025】
本発明においては、上述の操作により得られた長繊維不織布を基材として人工皮革とするが、公知の人工皮革の製造方法を採用すればよい。すなわち、該長繊維不織布に弾性重合体を主体とする処理剤を含浸させたのち該弾性重合体成分を凝固させ、次いで、混合紡糸長繊維中の不織布中のポリオレフィン系ポリマーを溶解除去すればよい。。
【0026】
【発明の効果】
本発明の人工皮革は、薄物の人工皮革製品にできるだけでなく、柔軟性、引き裂き強力、などの特性に優れ、さらには、立毛触感が柔らかいといった特徴を有するものである。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受ける物ではない。
尚、実施例中の各評価は、以下の方法に基づいて行った。
【0028】
カード通過性:
カード工程による、短繊維のつまり具合、スカムの発生等を目視により、下記基準によって判断した。
○ ・・・ まったく異常がないもの。
△ ・・・ 短繊維の引っかかり、スカムの発生などがあるが、工程の通過はするもの。
× ・・・ 短繊維の引っかかり、スカムの発生などがあり、工程を通過しないもの。
【0029】
ニードルパンチ特性:
ニードルパンチ工程による、異音、針折れなどを、下記基準によって判断した。
◎ ・・・ まったく異常がないもの。
○ ・・・ 針折れは発生しないが、微かに異音がするもの。
△ ・・・ 針折れが発生し、異音もするもの。
× ・・・ 針折れが頻繁に発生し、異音もするもの。
【0030】
引き裂き強力:
人工皮革を長さ8cm、幅2.5cmの長方形状の試料片となした後、向かいあう二辺のうち短辺をチャックでそれぞれつかんでチャック間の距離を5cmとし、伸長速度200%/分にてチャック間隔を大きくしていき、試料片が破断した時の強度を求めた。
【0031】
目視判定:
無差別に5名の熟練者を選びだし、製造した人工皮革に対して官能検査を行って、目視よる相対的な比較を行い、下記判定基準に従って評価を行った。
◎ ・・・ 非常に平滑で緻密な表面状態を有するもの
〇 ・・・ 平滑で緻密な表面状態を有するもの
× ・・・ 繊維同士の間隔が広く表面に細かな凹凸がみられるもの
【0032】
風合い:
無差別に5名の熟練者を選びだし、製造した不織布に対して官能検査を行って、触感による相対的な比較を行い、下記判定基準に従って評価を行った。
◎ ・・・ 伸び止め感があり非常に柔らかく、表面のタッチも滑らかなもの
〇 ・・・ 伸び止め感があり、柔らかいもの
△ ・・・ 伸び止め感がなく、曲げたときに少し反発性のあるもの
× ・・・ 伸び止め感がなく、硬い感じのもの
【0033】
[実施例1]
260℃下で測定したメルトフローレートが50g/10minのポリエチレンチップ50部と、260℃下で測定したメルトフローレートが3.8g/10minのナイロン−6チップ50部とを混合してエクストルーダーに供給し、溶解部、スクリュー先端部温度、紡糸筒温度を285℃、紡糸口金温度を260℃に設定し、口金口径を0.3mm、孔数200ホールの口金を20個×2列配置した紡糸口金より、1口金当たり300g/minにて吐出し、長繊維をエジェクター圧力6kg/cmにて高速牽引した後、空気流とともに分散板に衝突させ、フィラメントを開繊し、シート目付が300g/m、シート幅200cmとなるように調整した補集ネットコンベアーで補集して不織布とした。
【0034】
該補集ネットコンベアー下部には、サクションボックスをシート長さ方向に4ゾーンに分割して配置し、吸引エアー量が4ゾーンの合計で4000Nm3/minとなるように補集ネットコンベアーを介して吸引した。
【0035】
分散板は一分間に180回揺動させ、細化物がネットに補集される際により均一化して、フィラメントの方向がランダム化するようにした。該細化物の繊度は1.5deであった。
【0036】
次いで、得られた不織布に対してニードルパンチを掛けて目付が350g/m2の長繊維絡合不織布を得た。該不織布の見掛け密度は0.15g/cm3であった。
【0037】
得られた長繊維絡合不織布を140℃の熱風にて熱処理して長繊維中のポリエチレンを軟化させて、不織布を構成する長繊維を部分的に融着させた後、プレスにて該不織布の見掛け密度を0.25g/cm3になるように調整した。
【0038】
次いで、該不織布をポリエーテル系ポリウレタンの15%ジメチルホルムアミド溶液中に含浸し、水浴中にて凝固させた後乾燥し、更に、不織布中のポリエチレンを抽出除去して、極細長繊維により構成された絡合不織布内にポリウレタンが含浸された人工皮革を得た。該皮革の目付は325g/ 、不織布を構成する長繊維対ポリウレタンの組成比(wt%)、(55.3):(44.7)であった。該皮革の物性を表1に示す。
【0039】
[比較例1]
実施例1において長繊維絡合不織布から代えて、260℃下で測定したメルトフローレートが50g/10minのポリエチレンチップ50部と、260℃下で測定したメルトフローレートが3.8g/10minのナイロン−6チップ50部とを混合してエクストルーダーに供給した後、通常の溶融紡糸方法によって紡糸した後、得られた長繊維を延伸し、機械捲縮を付与し、切断した5deの繊度を有する混合紡糸短繊維を不織布と成した短繊維絡不織布を用いること以外は、実施例2と同様の操作を行って人工皮革を得た。得られた人工皮革の物性を表1に示す。
表1に示す通り、実施例1の操作により得られた人工皮革は、比較例1の操作により得られた人工皮革と比べて引き裂き強力が高く、柔軟な風合いで外観も滑らかなものであった。
【0040】
[実施例2]
260℃下で測定したメルトフローレートが50g/10minのポリエチレンチップ50部と、260℃下で測定したメルトフローレートが3.8g/10minのナイロン−6チップ50部とを混合してエクストルーダーに供給し、溶解部、スクリュー先端部温度、紡糸筒温度を285℃とし、他方、260℃下で測定したメルトフローレートが50g/10minのポリエチレンチップ50部と、260℃下で測定したメルトフローレートが4.7g/10minのナイロン−6チップ50部とを混合してエクストルーダーに供給し、溶解部、スクリュー先端部温度、紡糸筒温度を295℃とし紡糸口金温度を260℃に設定し、貼り合わせ型複合紡糸口金の孔径を0.3mm、孔数200ホールの口金を20個×2列配置した紡糸口金より、1口金当たり300g/minにて吐出し、連続フィラメントをエジェクター圧力6kg/cmにて高速牽引した後、空気流とともに分散板に衝突させ、フィラメントを開繊し、シート目付が300g/m、シート幅200cmとなるように調整した補集ネットコンベアー上に補集した後、100℃の熱風を吹き付けて潜在捲縮が顕在化した状態の不織布とした。
【0041】
該補集ネットコンベアー下部には、サクションボックスをシート長さ方向に4ゾーンに分割して配置し、吸引エアー量が4ゾーンの合計で4000Nm3/minとなるように補集ネットコンベアーを介して吸引した。
【0042】
分散板は一分間に180回揺動させ、細化物がネットに補集される際により均一化して、フィラメントの方向がランダム化するようにした。該細化物の繊度は1.5deであった。
【0043】
次いで、得られた長繊維絡合不織布に対してニードルパンチを掛けて目付が350g/m2の絡合不織布を得た。該不織布の見掛け密度は0.25g/cm3であった。
【0044】
得られた絡合不織布を140℃の熱風にて熱処理して繊維中のポリエチレンを軟化させて、不織布を構成する繊維を部分的に融着させた後、プレスにて該不織布の見掛け密度を0.3g/cm3になるように調整した。
【0045】
次いで、該不織布をポリエーテル系ポリウレタンの15%ジメチルホルムアミド溶液中に含浸し、水浴中にて凝固させた後乾燥し、更に、不織布中のポリエチレンを抽出除去して、極細繊維により構成され絡合不織布内にポリウレタンが含浸された人工皮革を得た。該皮革の目付は325g/ 、不織布を構成する繊維対ポリウレタンの組成比(wt%)、(55.3):(44.7)であった。該皮革の物性を表1に示す。
【0046】
[比較例2]
実施例2において、長繊維絡合不織布から代えて、260℃下で測定したメルトフローレートが50g/10minのポリエチレンチップ50部と、260℃下で測定したメルトフローレートが3.8g/10minのナイロン−6チップ50部とを混合してエクストルーダーに供給した後、通常の溶融紡糸方法によって紡糸した後、得られた繊維を延伸し、機械捲縮を付与し、切断して5deの繊度を有する混合紡糸短繊維を不織布と成した短繊維絡合不織布を用いること以外は、同様の操作を行って人工皮革を得た。得られた人工皮革の物性を表1に示す。
表1に示す通り、実施例2の操作により得られた人工皮革は、比較例1の操作により得られた人工皮革と比べて引き裂き強力が高く、柔軟な風合いで外観も滑らかなものであった。
【0047】
【表1】
Figure 0004018784

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(E)の各要件を同時に具備する長繊維不織布に、
    (A)島成分としての繊維形成能を有する熱可塑性重合体と、海成分としてのポリオレフィン系ポリマーとが配された混合紡糸長繊維によって構成されていること;
    (B)長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、0.1〜10deの繊維繊度を有する長繊維であること;
    (C)長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、混合紡糸することにより得られた長繊維を高速牽引し、補集ネット上に噴射し補集するものであり、噴射後に分散板を一定の周期にて揺動させて捕集ネット上に捕集されるものであること;
    (D)長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、該混合紡糸長繊維同士で相互に交絡していること;
    (E)目付が150〜1200g/mであること;
    弾性重合体を主たる成分とする処理剤を含浸・凝固させた後、該混合紡糸長繊維中のポリオレフィン系ポリマーを除去してなる、長繊維不織布よりなる人工皮革。
  2. 長繊維不織布を構成する混合紡糸長繊維が、下記ポリマーブレンド(I)とポリマーブレンド(II)とを多層接合型に貼り合わせた混合複合紡糸長繊維である、請求項1記載の人工皮革。
    ポリマーブレンド(I):
    島成分としての繊維形成能を有する熱可塑性重合体(A)と海成分としてのポリオレフィン系ポリマー(B)とのポリマーブレンド。
    ポリマーブレンド(II):
    島成分としての繊維形成能を有する熱可塑性重合体(A’)と海成分としてのポリオレフィン系ポリマー(B’)とからなるポリマーブレンド。
  3. 繊維形成能を有する熱可塑性重合体が、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む共重合ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−12、ポリプロピレン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーからなる群から選ばれる、少なくとも1種類のポリマーである、請求項1記載の人工皮革。
  4. 長繊維不織布が、繊維形成能を有する熱可塑性重合体とポリオレフィン系ポリマーとを溶融して混合紡糸して得られる、島成分としての繊維形成能を有する熱可塑性重合体と、海成分としてのポリオレフィン系ポリマーとが配された混合紡糸長繊維を高速牽引し、得られる細化物を補集ネット上に噴射・補集し、次いで、該細化物同士を三次元交絡させて得られたものである、請求項1または記載の人工皮革。
  5. 長繊維不織布における(C)要件の分散板が、平面状または凹面状で且つ金属製である請求項1記載の人工皮革。
  6. 長繊維不織布における(E)要件の目付けが、300〜1200g/m である請求項1記載の人工皮革。
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