JP2882620B2 - 心臓電位の記録装置 - Google Patents

心臓電位の記録装置

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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は心臓電位の記録装置に関
し、特に心臓の電気的活動(電位)を心臓図に色別また
は色の濃淡により表示することにより、心臓の機能を直
観的、視覚的に容易に理解することを可能にした心臓電
位の記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、心臓の機能は心電計を使用して心
電図の測定を行うことにより記録され、その得られた結
果の解析により判定が行われていた。
【0003】心電図は心臓の機能を把握するうえで、有
用な記録であることは広く知られている。心電図は心臓
の興奮や、興奮のさめかたを電気的に計測したものであ
り、P波、QRS群、T波といわれる波形で表わされて
いる。このあとに心房、心室の機械的な興奮、つまり収
縮、拡張が起こる。したがって心電図に表示された波形
は心臓の運動を起こさせるのに必要な心臓の興奮過程
や、その興奮のさめていく過程を電気的にみたものであ
る。
【0004】従来、心電図は、心電計により罫線を引い
た長い記録紙(目盛の入ったグラフ、目盛の最小単位は
長さ1mm、高さ1mmの小さな四角形で、太い線の間
には小さな四角形が5個平方で入っている)の上に通常
1秒間に2.5cmの幅で画かれている。画かれた波形
を1拍毎にP・QRS・ST・Tの各波の幅(ミリセコ
ンド)および高さ(振幅mV)を計測し、心拍数、調
律、軸偏位、肥大、心筋障害、硬塞等を把握している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、心電図
を読み取るには記録された心電図の毎頁が読まれなけれ
ばならないが、多数の波形の全てを読むには時間がかか
るために、波形の全体的特徴を代表する部分を読み取り
全体を把握しているが、正確な読み取りには熟練を要
し、また個人差が生ずるために定量的な判定を行うこと
が難しい欠点があった。また、心電図の分析は専門家に
おいても大変難しく、ましては一般の人に心電図を見せ
て波形を説明しても中々理解することが困難である。
【0006】本発明はこの様な従来の問題を鑑みて研究
を行なった結果完成されたものであり、従来の様な心電
計を使用することなく、電極を検者の胸部の各測定部位
に装着し、その電極より得られた信号をインターフェー
ス装置により解析しパーソナルコンピュータのCRTに
表示することにより、心臓の機能を視覚的、直観的に把
握することができると共に一般の人にも説明し易く、理
解しやすい心臓電位の記録装置を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(A)
胸部の各誘導部位に装着し、心臓電位のアナログ信号を
誘導する電極と、(B)アナログ信号中のノイズを除く
手段と、(C)電極を装着した数のチャンネルの入力を
1つのチャンネル毎の入力に切り換えて電極からアナロ
グ信号を取り込む12CHマルチプレクサと、12CH
マルチプレクサで取り込んだ信号を増幅するプリアンプ
と、プリアンプから得たアナログ信号をデジタル信号に
変換するADコンバータと、12CHマルチプレクサを
コントロールしてチャンネルを切り換えてADコンバー
タを作動させ、電極を装着した数のチャンネル分のデー
タを取り込み ユニットをコントロールしてパーソナル
コンピュータへデータを送り込むデータ収集コントロー
ル装置とを有するインターフェース装置と、(D)該取
り込まれたデジタル信号のデータを高速フーリェ変換法
により演算を行い各誘導部位の1拍の計測波形を求めて
画面に表示し、該計測波形の計測値とミネソタコードの
基準値を各誘導部位において比較し、その偏差の大きさ
を心臓の前壁、側壁、後壁および下壁からなる心臓図の
各壁に色別または色の濃淡により表示するパーソナルコ
ンピュータとからなることを特徴とする心臓電位の記録
装置である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
心臓電位の記録装置は電極より入力された12の生体信
号をインターフェース装置を介してパーソナルコンピュ
ータに送り込んで解析を行い、その結果から心臓電位の
波形の記録を自動的に行うものである。
【0009】図1は本発明の心臓電位の記録装置の1例
を示すブロック図である。同図1において、電極は各測
定部位の生体電位を誘導し、誘導された信号はアナログ
信号としてインターフェース装置に取り込まれる。
【0010】電極は標準の12誘導で6つの肢誘導と6
つの胸部誘導により取り付ける。また、電極は一般に市
販されているものを用いることができ、例えば心電図測
定用電極を使用することができる。次に、胸部の測定部
位に電極を装着し、図1のインターフェース装置を介し
て、パーソナルコンピュータに接続する。
【0011】また、電極から誘導される信号中にノイズ
が混入されている場合には、電極とインターフェース装
置間にノイズを除去する装置、例えば前置増幅器(プリ
アンプ)等を設けることができる。
【0012】本発明において、インターフェース装置は
電極により表示されたアナログ信号をデジタル信号に変
換し、パーソナルコンピュータに送り込む機能を行な
う。インターフェース装置は12CHマルチプレクサ,
プリアンプ,12bitADコンバータ,インテリジェ
ントコントロールユニット,RS232Cユニット等よ
りなる。
【0013】12CHマルチプレクサは12チャンネル
の入力を1つのチャンネル毎の入力に切り換えて電極か
らアナログ信号を取り込む装置である。切り換え時間は
50μSECである。
【0014】プリアンプ(前置増幅器)は12CHマル
チプレクサで取り込んだ信号を増幅する。12bit
ADコンバータ(AD変換機)はプリアンプから得たア
ナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0015】インテリジェント・コントロール・ユニッ
ト(データ収集コントロール装置)は12CHマルチプ
レクサをコントロールしてチャンネルを切り換えてAD
コンバータを作動させ、12チャンネル分のデータを取
り込み、 RS232Cユニットをコントロールしてパー
ソナルコンピュータ(パナファコムC−7000D)へ
データを送り込む。
【0016】RS232CユニットはRS232C規格
に準拠したインターフェースであり、インターフェース
装置とパーソナルコンピュータを接続する接続器であ
る。
【0017】次に、本発明に用いられるインターフェー
ス装置の仕様の1例を示すと、 入力チャンネル 12チャンネル 入力インピーダンス 100KΩ A/D変換時間 200μ/sec A/D変換精度 12bit である。
【0018】図2にインターフェース装置の回路図を示
す。また、図3にアナログ・デジタル変換器の制御ユニ
ットの1例を表わす構成図を示す。その仕様を示すと、 CPU : 8086−2,8MHz(16bit) ROM : 96 KByte RAM : 640KByte(Main memor
y) FDD : 5 INCH 6.4MB×2 ADC : 12bit 入力±250mV である。
【0019】本発明において、パーソナルコンピュータ
はインターフェース装置と接続され、インターフェース
装置より送り込まれた測定データの演算を行い、計測値
と基準値との偏差を心臓図に解析表示する。心臓図に解
析表示する方法としては、例えば色別、色の濃淡、〇,
×,点その他の符合の密集度の差等により表示すること
ができる。それ等の中で、特に色別に表示する方法が好
ましい。
【0020】パーソナルコンピュータはコンピュータ本
体部、カラーディスプレイ、キーボード、10MB固定
ディスク装置及びプリンター等よりなる。本発明に用い
られるパーソナルコンピュータの具体例を示すと、OA
パーソナルコンピュータC−7000D,メモリ256
KB〜384KBが挙げられる。
【0021】次に、本発明に用いられる該パーソナルコ
ンピュータの仕様を示すと下記のとおりである。 〇コンピュータ本体部 メモリ容量 :ROM 8Kバイト :RAM 384Kバイト カラーCRT出力 :640×480ドット パレット
機能 同時8色表示 プリンター出力 :24×24ドット 120CPS カレンダークロック:内臓 電 源 :AC100V±10% 消費電力 :0.9KVA 重 量 :23Kg 大 き さ :480(W)×445(D)×1
65(H)mm
【0022】〇カラーディスプレイ部 ブラウン管 :12インチ 表 示 色 :三原色、8色、中間色を含め83
色 画面構成 :グラフィック画面×9+文字画面 電 源 :AC100V±10% 消費電力 :90VA以下 重 量 :12Kg 大 き さ :320(H)×415(D)×3
47(W) :チルト台付 表示文字数 :80字×24行×9画面
【0023】〇キーボード キー配列 :標準JIS(テンキー付) 出力データ :JIS 8ビットコード (パラレ
ル) 重 量 :2.3Kg 〇10MB固定ディスク装置 記憶容量 :10メガバイト データ容量 :1000人
【0024】〇プリンター 印字速度 :80字/秒 印字方式 :ドット マトリクスインパクト両
方向印字 印 字 数 :80字/行,66行/ページ 電 源 :AC100V±10% 消費電力 :120VA 重 量 :16Kg 大 き さ :570(W)×455(D)×1
75(H) 上記の図1に示す記録装置により心臓電位の記録は行わ
れる。
【0025】次に、本発明の心臓電位の記録装置を用い
て心臓電位を記録する方法について説明する。図4は心
臓電位の記録方法を示すフローチャートである。同図4
において、先ず心臓電位用電極より入力された12チャ
ンネの生体信号をインターフェース装置を介してパーソ
ナルコンピュータに取り込む。
【0026】測定条件は、1回の取込み時間5秒間固定
(4.88msec×1024)、取込回数範囲1回〜
6回に設定する。次に、取込回数を設定し、電極からイ
ンターフェース装置を介してパーソナルコンピュータC
−7000Dの主メモリーに測定データをリアルタイム
に格納する。この時に、演算が同時に行なわれる。
【0027】演算は、主メモリーに格納された上記の測
定データ(時系列データ)を高速フ―リェ変換法(FF
T法)により複素フ―リェ級数に変換することにより行
ない、演算値を得る。(後記する表4、表5参照) チャンネル数 :12チャンネル サンプリングクロック :4.8ms サンプリング数 :1024ポイント/チャン
ネル
【0028】演算の結果得られた演算値より、各誘導
(12誘導)の計測波形(1拍)を選択する作業を設定
回数分行う。計測波形の選択条件は取り込んだ波形の最
初から3拍目(3番目)の1拍を計測波形とするが、設
定回数分中に3拍目よりも異なった波形があれば、それ
を計測波形とする。
【0029】次に計測波形の選択が終了すると12誘導
の1拍の計測波形が表示され計測される。この計測値は
測定値マスターファイルに書き込まれ、この測定値マス
ターファイルを読み込んでメニュー画面よりNo.を指
定することによりCRT画面に表示し、プリンターにハ
ードコピーして印字する処理を行なう。
【0030】検者の取り込んだ測定値はミネソタ・コー
ドの基準値と比較し、心拍数、調律、軸偏位、肥大、心
筋障害、硬塞等の診断名及びコメントが表示され、又そ
の偏差を心電図にカラー表示する。これにより心臓の部
位的機能が視覚的、直観的に判断し診断、治療に応用す
ることができる。
【0031】
【実施例】次に、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。
【0032】実施例1 市販の心電計用電極の端子を前記のインターフェース装
置に接続し、該インターフェース装置をパーソナルコン
ピュータ(ナショナル、パナファコムC−7000D)
に接続した装置を用いて、表1および表2に示す処理手
順により心臓電位の記録を行った。
【0033】尚、表3にメニューNo.の概要を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】[処理手順] 〇検者の登録 メニューNo.1を指定して、検者のNUMBER・N
AME・BIRTHDAY・F・Mを入力し、フロッピ
ーディスクに登録する。他のメニューでは検者のNUM
BERを入力すると、NAME・AGE・F・Mが自動
的に表示される。
【0038】〇検者データ表示・取り込み開始 メニューNo.2を指定し、DATA INPUT O
K Y/N Yの入力で取り込みを開始する。取り込み
時間は任意のCOUNT数を指定する。1 COUNT
(5秒)取り込み中、中止の場合STOP KEYを押
し、再度Yを入力し再開する。
【0039】〇12誘導の原波形表示 メニューNo.3を指定すると波形の画面が表示され
る。任意の設定COUNT数の取り込みが終了すると自
動的に12誘導の1 COUNT目(5秒間)の原波形
が表示される。設定COUNT数分の表示はCOUNT
6−1を2に変更すると6〜10秒間が表示される。
COUNT数は1〜6 COUNT(30秒)までの範
囲である。
【0040】演算波形の設定は最初の表示波形から各誘
導(I〜V6 )の3拍目を検者の基準波とし解析する
が、設定COUNT中に基準波より異常波があれば、そ
の異常波を表示し解析する。メニューNo.3のlim
b (肢誘導) 及びchest (胸部誘導)は選択し表示
することができる。
【0041】〇演算波形表示 メニューNo.4を指定すると演算波形(1拍)の12
誘導が同時に表示される。DATA OK (Y/N)
Yで演算が開始される。演算終了後、肢(LIMD)
・ 胸部(CHEST)を選択し拡大表示することができ
る。メニューNo.4のchest (胸部誘導)及びl
imb (肢誘導) を選択し表示することができる。
【0042】〇演算結果表示 メニューNo.5を指定すると計測値とミネソタコード
の基準値と比較した結果が表示される。 〇軸偏位表示 メニューNo.6を指定すると軸偏位が表示される。
【0043】〇各壁表示 メニューNo.7を指定すると前壁、側壁、後壁、下壁
の各壁が同時に表示される。コメントにより各壁に色別
に次ぎの5段階の表示がされる。 1=黄・正常 2=緑・要注意 3=
青・軽度の異常 4=桃・中等度の異常 5=赤・高度の異常 各壁を選択し拡大表示することができる。メニューN
o.7の前壁、側壁、後壁、下壁は選択して表示するこ
とができる。
【0044】〇演算値表示 メニューNo.8を指定すると検者の演算された各誘導
の各波の値(平均値)が表示される。その具体例として
25才の男子の測定を行なって得られた演算値を表4及び
表5に示す。表4は心拍を示し、表5は心臓電位の高さ
(振幅)を示すものである。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】〇検者登録削除 メニューNo.9を指定し、検者のデータを削除する。 〇ミネソタコード一覧表 メニューNo.10を指定すると、検者のミネソタコー
ド一覧表が表示される。
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の心臓電位の
記録装置は、従来の心電計を使用することなく、心臓の
機能を視覚的、直観的に把握することができると共に一
般の人にも説明し易く、理解しやすい優れた効果があ
る。
【0049】また、本発明の心臓電位の記録装置は心臓
電位を心臓図に色別または色の濃淡により表示して記録
することができるために下記の様な優れた効果がある。 (1)心臓電位の定量的、客観的表示が可能になること
により波形の解析結果を視覚的、直観的に理解できると
共に心臓機能を観察することができる。
【0050】(2)本発明の臨床応用として検者の心臓
電位の解析を行ない、心臓機能を測定し、ミネソタコー
ドの基準値と比較した診断治療経過を観察することがで
きる。また、これに基づき心臓科領域の臨床検査を行な
い、被測定者の心臓電位が正常人の波形パターンから、
どの位ずれているかを比較し、病的な人の治療は勿論の
こと、一般人の心臓の機能の働きの検査及びその他の領
域に応用することができる。
【0051】(3)心臓電位の記録が色別に表示されて
いるので、波形の測定を正確に視覚的に行なうことがで
き、従来の様な測定者により測定誤差を生ずることがな
い。 (4)心臓電位の記録をプログラムにより自動的に行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の心臓電位の記録装置の1例を示すブロ
ック図である。
【図2】インターフェース装置の回路図である。
【図3】アナログ・デジタル変換器の制御ユニットの1
例を示す構成図である。
【図4】心臓電位の記録方法を示すフローチャートであ
る。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.(A)胸部の各誘導部位に装着し、心臓電位のアナ
    ログ信号を誘導する電極と、(B)アナログ信号中のノ
    イズを除く手段と、(C)電極を装着した数のチャンネ
    ルの入力を1つのチャンネル毎の入力に切り換えて電極
    からアナログ信号を取り込む12CHマルチプレクサ
    と、12CHマルチプレクサで取り込んだ信号を増幅す
    るプリアンプと、プリアンプから得たアナログ信号をデ
    ジタル信号に変換するADコンバータと、12CHマル
    チプレクサをコントロールしてチャンネルを切り換えて
    ADコンバータを作動させ、電極を装着した数のチャン
    ネル分のデータを取り込み ユニットをコントロールし
    てパーソナルコンピュータへデータを送り込むデータ収
    集コントロール装置とを有するインターフェース装置
    と、(D)該取り込まれたデジタル信号のデータを高速
    フーリェ変換法により演算を行い各誘導部位の1拍の計
    測波形を求めて画面に表示し、該計測波形の計測値とミ
    ネソタコードの基準値を各誘導部位において比較し、そ
    の偏差の大きさを心臓の前壁、側壁、後壁および下壁か
    らなる心臓図の各壁に色別または色の濃淡により表示す
    るパーソナルコンピュータとからなることを特徴とする
    心臓電位の記録装置。
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