JP2882153B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフロッピーディスクドラ
イブ、さらに詳しくいえば、媒体に対しデータを読み書
きする磁気ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の磁気ヘッドは上側の磁気コアを具
備したスライダ部を支持するアーム部を板バネによりア
ーム部取付部に取り付けている。図３はこの従来の磁気
ヘッドの取り付け部の構成を示す図で、（ａ）は平面
図，（ｂ）は側面図をそれぞれ示している。従来の磁気
ヘッドはアーム部１３を板バネ１４を通じてアーム部取
付部１５に接続することにより、フロッピーディスクの
出し入れの時の上側のスライダを上下に可動することを
可能にしている。これにより、フロッピーディスクのス
ムーズな出し入れを可能にしている。また、板バネ１４
によりフロッピーディスクドライブの動作時にはスライ
ダを安定した状態で媒体に近づけ、媒体との安定したデ
ータの交換ができるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】フロッピーディスクド
ライブにあらゆる方向から衝撃や振動が加わったときに
は、アーム部の重心がアーム部のほぼ中心にあるため、
慣性モーメントにより振動時にその重心が所定の位置か
ら移動し、フロッピーディスクドライブ全体の動きに対
して、上側ヘッドがうまく追従しなくなってしまう。特
に外来の衝撃や振動の方向が媒体面に対して垂直方向の
時にはヘッドが媒体から大きく離れてしまったり、ま
た、媒体にぶっつかったりしていた。このようなときに
は、磁気ヘッドが媒体に対しデータの交換を正確に行え
ないという問題があった。本発明の目的は上記問題を解
決するもので、上側のスライダ部が振動に対して正確な
位置を保ち、媒体とのデータの交換が安定に、かつ正確
に行えるようにした磁気ヘッドを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明による磁気ヘッドは磁気コアを具備したスライ
ダと、前記スライダを支持するアーム部と、前記アーム
部を上下に可動可能にした板バネとを具備した磁気ヘッ
ドにおいて、前記アーム部の重心を板バネの中心になる
ように前記アーム部の後方に重り部を設けて構成してあ
る。

【０００５】

【実施例】以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく
説明する。図１は本発明による磁気ヘッドが媒体に対面
した状態を示すブロック図である。本図によりアーム部
１の重心を、アーム部１とアーム部取付部１２を接続し
ている板バネ９の中心に持って行く方法を説明する。ａ
は従来のアーム部１の中心に重心があるときの重心から
板バネ９の中心部までの長さを、ｂは板バネ９の中心か
ら重り部１１までの長さをそれぞれ示している。また、
Ｍは重り部１１の重さを、Ｎは上側スライダ部５にそれ
を支持するアーム部１の重さを加えた重量をそれぞれ示
している。このときの重心を板バネ９の中心にもってい
く時の重り部１１の重さは Ｍ＝（ａ／ｂ）Ｎ…（１） で表される。重り部１１の材質は安価で比重が高いとい
うことから、ステンレス製が良い。

【０００６】つぎに本発明の特徴となる点線で囲まれた
部分を従来例（図３）と比較しながら説明する。図２は
本発明による磁気ヘッドの実施例を示す図で、（ａ）は
平面図，（ｂ）は側面図をそれぞれ示している。従来の
磁気ヘッドのアーム部１３はアーム部取付部１５よりも
後方に突出していない構造であるのに対し、本発明によ
る磁気ヘッドのアーム部１はアーム部取付部１２よりも
後方に突出させて、その部分に重り部１１を取り付けた
構造になっている。この重り部１１によりアーム部１の
重心を従来のアーム部１３の中心から板バネ９の中心に
移動することが可能となる。これにより、あらゆる方向
からの衝撃や振動、特に媒体６に対して垂直方向の衝
撃、振動に対して慣性モーメントの影響を受けなくな
る。その結果、フロッピーディスクドライブは衝撃、振
動に対して一層強くなる。

【０００７】近年、フロッピーディスクドライブはノー
ト形パーソナルコンピュータへ搭載される等、外部から
の衝撃や振動に対して強いものが要求されてきている。
このような点を考慮すると、本発明によるヘッドは耐衝
撃、耐振動に優れ、フロッピーディスクドライブの発展
に大きな効果を有する。

【０００８】

【発明の効果】以上，説明したように本発明は磁気コア
を具備したスライダを支持するアーム部を、アーム部を
支持するアーム部取付部の後方までのばし、その延長部
に重り部を設けることにより、従来アーム部のほぼ中心
にあったアーム部の重心をアーム部とアーム部取付部を
接続している板バネの中心になるよに構成されている。
したがって、上側スライダ部が振動に対して正確な位置
を保ち、媒体とのデータの交換が安定、かつ正確になる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による磁気ヘッドが媒体に対面している
状態を示す正面図である。

【図２】本発明による磁気ヘッドの実施例を示す図で、
（ａ）は平面図を、（ｂ）は側面図をそれぞれ示してい
る。

【図３】従来の磁気ヘッドの一例を示す図で、（ａ）は
平面図を、（ｂ）は側面図をそれぞれ示している。

【符号の説明】

１，１３…アーム部 ２…上側コア ３…下側コア ４…下側スライダ部 ５…上側スライダ部 ６…媒体 ７，８，９，１４…板バネ １０…キャリッジ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気コアを具備したスライダと、前記ス
   ライダを支持するアーム部と、前記アーム部を上下に可
   動可能にした板バネとを具備した磁気ヘッドにおいて、 前記アーム部の重心を板バネの中心になるように前記ア
   ーム部の後方に重り部を設けたことを特徴とする磁気ヘ
   ッド。