JP2882046B2 - エンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射量制御装置

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JP2882046B2
JP2882046B2 JP33259890A JP33259890A JP2882046B2 JP 2882046 B2 JP2882046 B2 JP 2882046B2 JP 33259890 A JP33259890 A JP 33259890A JP 33259890 A JP33259890 A JP 33259890A JP 2882046 B2 JP2882046 B2 JP 2882046B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はエンゾンの燃料噴射量制御装置、特に運転
状態に応じてバルブリフト特性を変えうる装置を備える
ものに関する。
(従来の技術) いわゆるMPI方式の電子制御燃料噴射システムがある
(たとえば(株)大河出版発行「カーエレクトロニク
ス」林田洋一著第47頁ないし第56頁参照)。
各種センサからの入力信号によりマイクロコンピュー
タはそのメモリに記憶されたプログラムにしたがって最
適な燃料噴射量を求め、この噴射量に対応してインジェ
クタのソレノイドコイルへの通電時間を決定することに
より、最適噴射量を吸気ポートに向けて噴射する。この
場合、通常の噴射タイミングは、エンジンの1回転に1
回であり、クランク角センサからの基準位置信号(6気
筒エンジンでは120°信号)に基づいて行なわれる。つ
まり、6気筒エンジンでは120°信号の3回ごとの入力
に対し1回の等間隔でインジェクタに駆動パルスを出力
する。
燃料噴射量の構成は“基本噴射量+各種増量補正量”
である。この場合に、インジェクタに作用する燃料圧力
を一定に保持させると、噴射量がインジェクタの開弁パ
ルス幅に対応するので、通常時の噴射パルス幅Tiは次式
による。
Ti=Tp×Co×α+Ts 同式において、基本噴射パルス幅Tpはエアフローメー
タ(スロットルバルブ上流の吸気通路に設けられる)に
より検出される吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとから
決定される値(基本噴射量相当)、Coはエアフローメー
タ以外のセンサから入力される各種の運転条件に応じて
基本噴射パルス幅Tpを増量補正するための補正係数、α
は空燃比のフィードバック補正係数、Tsはバッテリ電圧
に基づく無効パルス幅である。
(発明が解決しようとする課題) ところで、異なるバルブ作動特性を有する、いわゆる
可変動弁装置を備えるエンジンにあっては、カムに伴う
バルブ作動態様の切換わりと同時にシリンダに流入する
空気の充填効率が大きく変化するのであるが、このシリ
ンダ流入空気量の変化がスロットルバルブ上流のエアフ
ローメータに伝わり、これがコントロールユニットに入
力されるまでにはかなりな時間がかかる。
そのため、このエアフローメータの出力値を用いて基
本噴射量を演算したのでは、バルブ作動態様切換時の過
渡状態で、シリンダ流入空気量の変化に間に合わず、混
合気の空燃比がリーンあるいはリッチ側に大きく外れ
て、エンジンの燃焼に悪い影響を及ぼす。
そこでこの発明は、バルブ作動態様切換時にシリンダ
流入空気量に生ずる1次遅れの波形に対応して、バルブ
作動態様切換時の過渡状態に対する基本噴射量を、あら
かじめ記憶させているデータを用いて演算することによ
り、バルブ作動態様切換時の燃料量の過不足を最小にし
て、空燃比のフラット化をはかる装置を提供することを
目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、第1図で示すように、アクセルペダルの
操作量と関係なくスロットル開度を変えうるスロットル
開閉装置61と、バルブ作動特性を異ならせる少なくとも
2つのバルブ作動態様を切換えうる可変動弁装置62と、
前記アクセルペダル操作量αを検出するセンサ63と、こ
のセンサ検出値に基づいて定まる運転条件に応じて、次
に使用するバルブ作動態様を選択する手段64と、現在使
用中のバルブ作動態様を検出するセンサ65と、この現在
使用中のバルブ作動態様と前記次に使用するバルブ作動
態様との比較によりバルブ作動態様の切換時であるかど
うかを判定する手段66と、バルブ作動態様切換時になる
と次に使用するバルブ作動態様に切換えられるように前
記可変動弁装置62に切換信号を出力する手段67と、実ス
ロットル開度STVOを検出するセンサ68と、現在使用中の
バルブ作動態様により前記バルブ作動態様切換時の実ス
ロットル開度STVOで出力されている実エンジントルクT
NOWを演算する手段69と、次に使用するバルブ作動態様
に切換えた後にこの実エンジントルクTNOWと同じトルク
を出力させるために要求される目標スロットル開度S
MTVOを演算する手段70と、この目標スロットル開度S
MTVOと前記スロットル開度検出値との差ΔTVO(=SMTVO
−STVO)をスロットル操作量として計算する手段71と、
前記切換信号の出力と同時にこのスロットル操作量ΔTV
Oだけスロットルバルブが開閉されるように駆動信号を
前記スロットル開閉装置61に出力する手段72と、スロッ
トルバルブ上流の吸入空気量Qaを検出するセンサ73と、
エンジンの回転数Neを検出するセンサ74と、 これらの検出値に基づいてバルブ作動態様切換時以外
の運転時に対する1気筒当たりの基本噴射量TPCを計算
する手段75と、バルブ作動態様切換時の過渡状態でシリ
ンダ流入空気量に生じる1次遅れの変化波形を三角波で
近似し、その三角波の高さTPNと傾きαPをエンジン回転
数の関数としてあらかじめ記憶する手段76と、前記バル
ブ作動態様切換時のエンジン回転数の検出値に応じて前
記記憶手段76に記憶されている三角波の高さTPNと傾き
αPを読み出す手段77と、これらに基づいてバルブ作動
態様切換時の過渡状態に対する1気筒当たりの基本噴射
量TPFを演算する手段78と、前記バルブ作動態様切換時
の過渡状態でこの基本噴射量TPFを燃料噴射装置80に出
力する手段79と、前記バルブ作動態様切換時の過渡運転
状態に対する基本噴射量TPFと前記バルブ作動態様切換
時以外の運転時に対する基本噴射量TPCとの比較により
バルブ作動態様切換時の過渡状態が終了したかどうかを
判定する手段81と、過渡状態が終了したとき前記過渡状
態に対する基本噴射量TPFの出力を停止する手段82とを
設けた。
(作用) たとえば可変動弁装置62に燃費重視のバルブ作動態様
と動力重視のバルブ作動態様との2つのバルブ作動態様
が備えられ、加速により動力重視のバルブ作動態様から
燃費重視のバルブ作動態様へと切換えられる場合でみる
と、演算手段69,70では、燃費重視のバルブ作動態様に
よれば、そのときの実スロットル開度STVOにより出力さ
れる実エンジントルクTNOWが演算され、このトルクTNOW
からは、動力重視のバルブ作動態様に切換えた後にこの
実エンジントルクTNOWと同じトルクを出力させるために
要求される目標スロットル開度SMTVOが演算される。
したがって、燃費重視のバルブ作動態様から動力重視
のバルブ作動態様への切換時にSMTVOとSTVOとの差ΔTVO
だけスロットル開度を小さくすると、バルブ作動態様切
換時のトルク増がほぼ抑えられるのであるが、バルブ作
動態様の切換と同時にスロットルバルブを閉じても、コ
レクタ容積の存在によりシリンダ流入空気量Qcylがすぐ
には小さくならず、1次遅れで小さくなる。
この場合に、1次遅れの波形は、バルブ作動態様切換
点で垂直に立ち上がる直線と傾斜した直線とからなる簡
単な三角波で近似され、垂直に立ち上がる直線の高さT
PNと傾斜した直線の傾きαPとが、あらかじめデータと
して記憶手段76に記憶されている。
このため、バルブ作動態様切換時に記憶手段76よりこ
れらのデータが読み出され、これらのデータに応じて演
算されるバルブ作動態様切換時の過渡状態に対する基本
噴射パルス幅TPFが、バルブ作動態様切換時の過渡状態
で与えられると、シリンダ流入空気量と燃料量の比がバ
ルブ作動態様切換前とほぼ同じに保たれ、バルブ作動態
様切換時の空燃比がフラットな特性となるのである。
(実施例) 第2図と第3図で示した可変動弁装置はいわゆるエン
ドピボット式のもので、その構成自体はすでに提案され
ている。
21は燃費重視の第1カム、22と23は動力重視の第2,第
3カム、24は吸気バルブ(または排気バルブ)、25はカ
ムフォロア部をローラ26とし、このローラ26が第1カム
21と接する、いわゆるローラロッカーアーム(後述する
サブロッカーアームに対してはメインロッカーアームと
なる)、27はロッカーアャフトである。
メインロッカーアーム25には、シャフト30を介して2
つのサブロッカーアーム28,29が揺動自在に支持され、
一方のサブロッカーアーム28には第2カム22が、他方の
サブロッカーアーム29には第3カム23がそれぞれ摺接さ
れる。ただし、サブロッカーアーム29(28についても)
はバルブ24と接する部位を持たず、第3図のように、ロ
ストモーションスプリング31の弾性力によりカムから離
れないようにされている。
一方のサブロッカーアーム28の揺動部位には円柱状の
ピン32が、またメインロッカーアーム25にもピン32と軸
心を同じくかつ同径のピン34がそれぞれロッカーシャフ
ト方向に摺動自在に設けられ、リターンスプリング36に
より常時は第2図において下方に付勢され、図示状態に
ある。この状態では、一体に形成されたカム21〜23が回
転すると、第1カム21にしたがってメインロッカーアー
ム25が揺動し、吸気バルブ24が開閉される。
この状態からピン34の収まる油圧室38に油通路40を介
して作動油が導かれると、カムのベースサークル域でリ
ターンスプリング36に抗し2つのピン34,32がともに第
2図において押し上げられ、サブロッカーアーム28がメ
インロッカーアーム25に対してくし刺し状態となる。こ
のくし刺し状態では、メインとサブの両ロッカーアーム
28,25が一体的に動作するので、バルブリフト特性は第
2カム22にしたがう。つまり、バルブリフト特性が動力
重視に切換えられ、発生するトルクが増やされる。第5
図に各カム21〜23の全開性能を示す。
他方のサブロッカーアーム29についてもその構成は一
方のサブロッカーアーム28と同様である。
なお、カム21〜23はそれぞれ部分負荷時、低速高負荷
時、高速高負荷時においてそれぞれ要求されるバルブリ
フト特性を満足するように異なるプロフィールを持ち
(第4図参照)、共通のカムシャフトに一体に形成され
ている。
上記油圧室38,39への油圧の切換は、第6図に示した
2つのソレノイドバルブ45,46により行なわれる。各ソ
レノイドバルブ45,46はいずれも常閉のタイプで、コン
トロールユニット51からのON信号により図示のように一
方のソレノイドバルブ45が開かれると、第2カム22を働
かせるための油圧室38へとオイルポンプからの作動油が
導かれ、また一方のバルブ45を閉じ他方のバルブ46を開
くことにより、今度は第3カム23を働かせるための油圧
室39に作動油が導かれる。
第6図において、マイクロコンピュータからなるコン
トロールユニット51には、エンジン回転数Neを検出する
センサ(たとえばクランク角センサ)52、アクセルペダ
ル操作量αを検出するセンサ53、実スロットル開度STVO
を検出するセンサ54、カムポジションセンサ58からの信
号が入力され、コントロールユニット51では、2つのソ
レノイドバルブ45,46にON,OFF信号を出力することによ
りカム21〜23の切換を行うとともに、カムの切換に応じ
て目標スロットル開度を求め、これをサーボ駆動回路55
に目標タイミングで出力してスロットル制御を行う。
前記サーボ駆動回路55は、スロットル開度センサ54に
より検出された実際のスロットル開度がCPUから出力さ
れる目標スロットル開度と一致するように両開度の偏差
に応じてスロットルバルブ57に連結されたサーボモータ
56を正逆転駆動する。
また、スロットルバルブ57よりも上流位置に設けたエ
アフローメータ59からの空気量信号もコントロールユニ
ット51に入力され、コントロールユニット51では、カム
切換時になるとその過渡状態に対して最適となる1気筒
当たりの基本噴射パルス幅(基本噴射量相当)を求め、
これに応じた駆動パルスを、各気筒の吸気ポートに設け
たインジェクタ60に対して、気筒別に所定の噴射タイミ
ングで出力する。
さて、加速によりカムを第1カムから第2カムに切換
える場合で考えると、カム切換によりバルブのタイミン
グとリフト量が変化し、吸入空気の質量流量が大きくな
って、その分トルクが増加するので、カム切換直後の運
転性を確保するため、カム切換点でスロットル開度を、
第15図のように所定量ΔTVOだけ小さくして吸入空気量
を減らすことで、カム切換の前後で出力トルクを一定に
保たせることができる。しかしながら、カムの切換と同
時にスロットルバルブを閉じても、コレクタ容積の存在
によりシリンダ流入空気Qcylがすくには小さくならず、
図示のように応答遅れをもって小さくなる。
このシリンダ流入空気量Qcylの変化が吸気圧力変化と
なってエアフローメータ59にいたり、その出力値の変化
として現れるまでにはかなりの遅れがあるため、その出
力値に基づいて演算される従来の基本噴射量によれば、
混合比の空燃比が大きくリーン側に外れ、運転性に大き
な影響を及ぼす。
そこで、カム切換時の過渡状態に対しても、カム切換
前と同じ空燃比を保たせるためには、シリンダ流入空気
量Qcylの1次遅れを定める時定数と同じ時定数を用いて
シリンダ近傍位置に供給する基本噴射量を演算すること
も考えられるが、1次遅れの波形は、簡単には第15図の
ように、カム切換点で垂直に立ち上がる直線と傾斜した
直線とからなる三角波が近似することができる。
この場合、垂直に立ち上がる直線の高さTPNと傾斜し
た直線の傾きαPとは、マッチングによりあらかじめデ
ータとして用意しておくことができるので、これらのデ
ータをカム切換時に読み出し、これらの積TPN・αPをカ
ム切換時の過渡状態に対する基本噴射パルス幅TPFとし
て与えると、カム切換前後での混合比の空燃比をほぼ一
定値に保つことができる。
こうした制御を行わせるため、第7図と第8図のフロ
ーチャート(第7図はカム切換とスロットル操作を行う
ための、第8図はカム切換に伴う燃料噴射量制御のため
のルーチンで、所定の時間ごとに実行される。)が作ら
れている。
これらのフローチャートを用いて、この例の作用を説
明すると、そのときの運転条件により、3つあるカムの
うちいずれのカムを使うのかはマップにしてあらかじめ
定めてあり、このマップを第9図に示す。
このマップを参照するため、アクセルペダル操作量α
とエンジン回転数Neを読みこみ(ステップ1)、これら
から定まる運転条件に対する最適なカムポジション(次
に使用するカムポジション)PCNEXTを、第9図のマップ
より求める(ステップ2)。
ステップ3では、現在使用中のカムポジション(カム
ポジションセンサにて検出される)PCNOWと次に使用す
るカムポジションPCNEXTとの比較により、同じでなけれ
ばカムの切換時であると判断する。
ただし、この判定と同時にカム切換信号を出力して
も、すぐにカムが切換えられるわけでなく、実際には油
圧経路の応答等で決まるカムの切換に要する時間tCAM
あるので、これを考慮しなければならない。また、多気
筒エンジンでは、どの気筒から切換えるのかを考慮しな
ければならず、現時点よりtCAM後のタイミングに一致し
あるいは一番近い気筒を最初のカム切換気筒として選択
する(ステップ4)。
いまかりに、第1カムから第2カムへの切換であった
とすると、第1カム(現在使用中のカム)によりそのと
きの運転条件で出力されている実エンジントルクTNOW
演算し(ステップ5)、続いて、第2カムに切換えた後
にこの実エンジントルクTNOWと同じトルクを出力させる
ために要求される目標スロットル開度SMTVOを演算する
(ステップ6)。
たとえば第10図に示した第1カム用のマップにしたが
い、現時点のスロットル開度STVOと回転数Neから実エン
ジントルクTNOWを、また第11図の第2カム用のマップに
したがい、トルクTNOWと回転数Neから目標スロットル開
度SMTVOを求めるのである。なお、TNOWについてはトル
クを直接検出しうる装置(たとえばトルクセンサ)を用
いても求めることもできる。
したがって、目標スロットル開度SMTVOと実際のスロ
ットル開度STVOとの差ΔTVO(=SMTVO−STVO)だけスロ
ットルバルブを閉じなければならない(ステップ7)。
そこで、カム切換気筒として選択した最初の気筒から
順次第2カムへと切換えられるように、カム切換信号を
出力するとともに(ステップ8)、その出力タイミング
に合わせて、所定量ΔTVOだけスロットルバルブが閉じ
られるように、サーボモータを駆動する(ステップ
9)。
一方、第15図で示したように、カム切換点より1次の
応答遅れをもってシリンダ流入空気量Qcylが減少するの
で、この1次遅れで減少するシリンダ流入空気量Qcyl
と、この空気量に合わせて供給する基本噴射量の各変化
波形が対応するように、1次遅れの波形に近似させた三
角波となる基本噴射パルス幅TPFを演算する。
この1気筒当たりの基本噴射パルス幅TPFの演算につ
いては、第8図のように、まずステップ11でカム切換気
筒を読み込む。ここではカム切換気筒が1番気筒であっ
たとする。
ステップ12でエアフローメータにて検出される吸入空
気量Qaとエンジン回転数Neとから1気筒当たりの基本噴
射パルス幅TPC(=K・Qa/Ne、ただしKは定数)を演算
する。このTPCは、カム切換時以外の運転時に空燃比を
一定に保つための値であるが、ここでは後述するステッ
プ21で第8図のルーチンを終了させるために使われてい
る。
ステップ13では1番気筒について燃料噴射パルス幅Ti
の演算タイミングにあるかどうかをみて、そうであれば
次に進む。1番気筒について、カム切換前後での吸気バ
ルブの開閉タイミングと噴射タイミングの関係を第14図
に示すと、カム切換直後であっても、吸気バルブが開く
前に噴射を終了していなければならないので、噴射開始
タイミングは燃料噴射パルス幅Tiだけ前となり、したが
ってこのTiを演算するタイミングはそれよりもさらに前
にくる。
このTiの演算タイミングになると、1次遅れ波形に近
似させた三角波の立ち上がり高さTPNと傾きαPをマップ
参照により求め(ステップ14,15)、これらの積をカム
切換時の過渡状態に対する1気筒当たりの基本噴射パル
ス幅TPF(=TPN×αP)とする(ステップ16)。
三角波の立ち上がり高さTPNは、第15図において、カ
ム切換点でのシリンダ流入空気量Qcylの立ち上がり高さ
に比例させており、Qcylの立ち上がり高さはエンジン回
転数Neが高くなるほど高くなるので、この特性に合わせ
てTPNの値を第12図のように定めている。なお、同図に
は減速により第2カムから第1カムに切換えられる場合
のTPNの値をも示しており、この場合には、カム切換点
でシリンダ流入空気量Qcylが立ち下がるので、これに対
応してTPNに負の値を与えている。
同様にして、Qcylの1次遅れの減少カーブは回転数Ne
が増すほど緩やかとなるので、その特性に合わせて、三
角波の傾きαPについては、第13図に示した特性とす
る。なお、減速に伴ってカムが切換えられるほうがシリ
ンダ流入空気量Qcylの応答が早いので、減速の場合の傾
きαP1を加速の場合の傾きαP2よりも大きくしている。
次に、この基本噴射パルス幅TPFを、他の運転条件に
応じて補正するため冷却水温TWなどを読みこんだ後、次
式 Ti=TPF×(1+Co)+Ts により燃料噴射パルス幅Tiを決定する(ステップ18)。
ただし、同式において、Coは水温増量補正係数などの
各種補正係数の総和、Tsはバッテリ電圧補正分であり、
これらはいわゆるLジェトロニック方式の計算式に出て
くる公知の値である。
そして、1番気筒について噴射開始タイミングになる
と、第14図で示したように1番気筒用のインジェクタを
開いてTiの期間、燃料を噴射し(ステップ19,20)、TPF
≦TPCになれば本制御を終了する(ステップ21)。つま
り、TPFの演算はカム切換時の過渡状態のあいだだけで
あり、その後は従来のエアフローメータ出力値に基づく
燃料噴射量の演算制御に戻る(たとえば、ステップ12で
演算したTPCより燃料噴射パルス幅を求めて出力す
る)。
このように、シリンダ流入空気量Qcylについてカム切
換時に生じる1次遅れの応答波形を簡単な三角波で近似
して、カム切換時の過渡状態に対する基本噴射パルス幅
TPFを演算すると、カム切換時にも混合比の空燃比をほ
ぼ一定に保つことができ、空燃比のリーン化に伴い失火
などを防ぐことができる。
また、カム切換時の過渡状態に対する基本噴射パルス
幅TPFを演算するため、あらかじめ記憶しておくデータ
は、第12図と第13図で示したマップの特性のみであるか
ら、この発明をマイクロコンピュータを用いてLジェト
ロニック方式の燃料噴射制御を行う従来装置に適用する
には、マップデータを追加するだけでよく、したがっ
て、制御システムを大幅に変更することは必要でない。
実施例では、加速によりカムが第1カムから第2カム
と切換えられる場合で説明したが、第2カムから第3カ
ムへと切換えられる場合も、また減速によりカムが切換
えられる場合も同様である。
なお、第1図との関係では、第7図のステップ2が次
バルブ作動態様選択手段64、ステップ3がバルブ作動態
様切換判定手段66、ステップ5が出力トルク演算手段6
9、ステップ6が目標スロットル開度演算手段70、ステ
ップ7がスロットル操作量計算手段71、ステップ8が切
換信号出力手段67、第8図のステップ12が基本噴射量演
算手段75、ステップ14,15が高さ,傾き読出手段77、ス
テップ16がカム切換時基本噴射量演算手段78、ステップ
20が出力手段79、ステップ21が過渡状態終了判定手段81
の機能を果たしている。
(発明の効果) この発明では、バルブ作動態様切換時にバルブ作動特
性の相違に基づくトルク段差を生じないようにスロット
ル操作を行うとともに、バルブ作動態様切換時の過渡状
態でシリンダ流入空気量に生ずる1次遅れの波形を簡単
な三角波で近似して、その過渡状態に対する基本噴射量
をあらかじめ記憶させておき、バルブ作動態様切換時に
なると、このあらかじめ記憶している基本噴射量を用い
て燃料噴射を行うようにしたため、バルブ作動態様切換
時のトルク変動を抑制することができるほか、バルブ作
動態様切換時の空燃比を一定に保つことができるととも
に、記憶容量も小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のクレーム対応図、第2図は一実施例
の可変動弁装置の平面図、第3図は第2図のX−X線断
面図、第4図と第5図はこの装置のバルブリフトと全開
トルクの各特性図、第6図は前記実施例の制御システム
図、第7図と第8図はこの実施例の制御動作を説明する
ための流れ図、第9図ないし第13図はそれぞれカムポジ
ション、出力トルク、三角波の立ち上がり高さ、三角波
の傾きの各マップ特性図、第14図と第15図は同じく加速
に伴うカム切換時の作用を説明するための波形図であ
る。 21……第1カム、22……第2カム、23……第3カム、25
……メインロッカーアーム、28,29……サブロッカーア
ーム、32〜35……ピン、38,39……油圧室、45,46……ソ
レノイドバルブ、51……コントロールユニット、52……
クランク角センサ(エンジン回転数センサ)、53……ア
クセルペダル操作量センサ、54……スロットル開度セン
サ、55……サーボ駆動回路、56……サーボモータ、57…
…スロットル弁、58……カムポジションセンサ、59……
エアフローメータ(吸入空気量センサ)、60……インジ
ェクタ(燃料噴射装置)、61……スロットル開閉装置、
62……可変動弁装置、63……エンジン負荷センサ、64…
…次バルブ作動態様選択手段、65……バブル作動態様検
出センサ、66……バブル作動態様切換時判定手段、67…
…切換信号出力手段、68……スロットル開度センサ、69
……出力トルク演算手段、70……目標スロットル開度演
算手段、71……スロットル操作量計算手段、72……駆動
信号出力手段、73……吸入空気量センサ、74……エンジ
ン回転数センサ、75……基本噴射量演算手段、76……高
さ,傾き記憶手段、77……高さ,傾き読出手段、78……
バルブ作動態様切換時基本噴射量演算手段、79……出力
手段、80……燃料噴射装置、81……過渡状態終了判定手
段、82……出力停止手段。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301K (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 13/02 F02D 41/00 - 45/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクセルペダルの操作量と関係なくスロッ
    トル開度を変えうるスロットル開閉装置と、 バルブ作動特性を異ならせる少なくとも2つのバルブ作
    動態様を切換えうる可変動弁装置と、 前記アクセルペダル操作量を検出するセンサと、 このセンサ検出値に基づいて定まる運転条件に応じて、
    次に使用するバルブ作動態様を選択する手段と、 現在使用中のバルブ作動態様を検出するセンサと、 この現在使用中のバルブ作動態様と前記次に使用するバ
    ルブ作動態様との比較によりバルブ作動態様の切換時で
    あるかどうかを判定する手段と、 バルブ作動態様切換時になると次に使用するバルブ作動
    態様に切換えられるように前記可変動弁装置に切換信号
    を出力する手段と、 実スロットル開度を検出するセンサと、 現在使用中のバルブ作動態様により前記バルブ作動態様
    切換時の実スロットル開度で出力されている実エンジン
    トルクを演算する手段と、 次に使用するバルブ作動態様に切換えた後にこの実エン
    ジントルクと同じトルクを出力させるために要求される
    目標スロットル開度を演算する手段と、 この目標スロットル開度と前記スロットル開度検出値と
    の差をスロットル操作量として計算する手段と、 前記切換信号の出力と同時にこのスロットル操作量だけ
    スロットルバルブが開閉されるように駆動信号を前記ス
    ロットル開閉装置に出力する手段と、 スロットルバルブ上流の吸入空気量を検出するセンサ
    と、 エンジンの回転数を検出するセンサと、 これらの検出値に基づいてバルブ作動態様切換時以外の
    運転時に対する1気筒当たりの基本噴射量を計算する手
    段と、 バルブ作動態様切換時の過渡状態でシリンダ流入空気量
    に生じる1次遅れの変化波形を三角波で近似し、その三
    角波の高さと傾きをエンジン回転数の関数としてあらか
    じめ記憶する手段と、 前記バルブ作動態様切換時のエンジン回転数の検出値に
    応じて前記記憶手段に記憶されている三角波の高さと傾
    きを読み出す手段と、 これらに基づいてバルブ作動態様切換時の過渡状態に対
    する1気筒当たりの基本噴射量を演算する手段と、 前記バルブ作動態様切換時の過渡状態でこの基本噴射量
    を燃料噴射装置に出力する手段と、 前記バルブ作動態様切換時の過渡運転状態に対する基本
    噴射量と前記バルブ作動態様切換時以外の運転時に対す
    る基本噴射量との比較によりバルブ作動態様切換時の過
    渡状態が終了したかどうかを判定する手段と、 過渡状態が終了したとき前記過渡状態に対する基本噴射
    量の出力を停止する手段と を設けたことを特徴とするエンジンの燃料噴射量制御装
    置。
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