JP2881519B2 - 艶消し立体模様箔糸原反の製造法 - Google Patents
艶消し立体模様箔糸原反の製造法Info
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Description
【産業上の利用分野】本発明は艷消し立体模様箔糸原反
の製造法、特に、立体模様現出部分が内層部に存在され
て、外面に立体模様が発現される立体模様付与様式のも
ので、且つその立体模様が物理的な立体とは別に浮出し
た視感の風合いの箔糸原反であって、更にシルエット様
の外感風合いの立体模様現出能を有する、また浮出した
ような感じとシルエット様外観が複合した幽玄な風合い
を織物表面にかもし出す箔糸が得られる箔糸原反の製造
法に関する。前記様式の立体模様付与型の箔糸原反の立
体模様は、内層部に存在する立体模様現出部分による箔
糸原反の膨らみで外面に発現されたものであるため、縁
が丸味を帯びた態様をしている。従って、かかる箔糸原
反から得られた箔糸は、経箔或いは引箔として、織物に
織り込む際、シャトル或いはその他の細かい糸道等に引
っ掛かることがなく、有用性が高い。
の製造法、特に、立体模様現出部分が内層部に存在され
て、外面に立体模様が発現される立体模様付与様式のも
ので、且つその立体模様が物理的な立体とは別に浮出し
た視感の風合いの箔糸原反であって、更にシルエット様
の外感風合いの立体模様現出能を有する、また浮出した
ような感じとシルエット様外観が複合した幽玄な風合い
を織物表面にかもし出す箔糸が得られる箔糸原反の製造
法に関する。前記様式の立体模様付与型の箔糸原反の立
体模様は、内層部に存在する立体模様現出部分による箔
糸原反の膨らみで外面に発現されたものであるため、縁
が丸味を帯びた態様をしている。従って、かかる箔糸原
反から得られた箔糸は、経箔或いは引箔として、織物に
織り込む際、シャトル或いはその他の細かい糸道等に引
っ掛かることがなく、有用性が高い。
【従来の技術】従来、前記したタイプの立体模様箔糸原
反で、内層部に立体模様現出部分を存在させるには、立
体模様現出部分としての盛上り部を樹脂塗着等で直接、
シート面に施した基材シートと、同様な盛上り部付き或
いはそのような盛上り部のない基材シートとを、盛上り
部の側を内側にして、貼合せる方法をとっている。これ
によれば、箔糸原反を必要とする細幅(通常、0.33
mm)にスリットして箔糸にすると、その細幅化による
剥離強度の低下で、箔糸の立体模様部の個所が、層間剥
離される傾向が強いという問題をはらむ。特に、前記盛
上り部に発泡樹脂を充てた場合、剥離強度がより弱く
て、一層不都合である。
反で、内層部に立体模様現出部分を存在させるには、立
体模様現出部分としての盛上り部を樹脂塗着等で直接、
シート面に施した基材シートと、同様な盛上り部付き或
いはそのような盛上り部のない基材シートとを、盛上り
部の側を内側にして、貼合せる方法をとっている。これ
によれば、箔糸原反を必要とする細幅(通常、0.33
mm)にスリットして箔糸にすると、その細幅化による
剥離強度の低下で、箔糸の立体模様部の個所が、層間剥
離される傾向が強いという問題をはらむ。特に、前記盛
上り部に発泡樹脂を充てた場合、剥離強度がより弱く
て、一層不都合である。
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
点は、上記従来技術による前示問題点である。即ち本発
明の目的は、立体模様現出部分が発泡樹脂による場合で
も、立体模様の個所で層間剥離の傾向のない、立体模様
現出部分内層存在型の立体模様箔糸原反であって、艶消
し立体模様箔糸原反の製造法を開発するにある。立体模
様現出部分が発泡樹脂による場合は、その発泡により箔
糸原反基材シートの該部分の盛上がり効果を向上でき、
外面発現立体模様を大きくできる。更に本発明は、かか
るタイプで且つ艶消し立体模様箔糸原反を、艶消し立体
模様が物理的な立体とは別に浮出した視感の風合いのも
のとして、またシルエット様の外観風合いの立体模様現
出能を有する、及び浮出したような感じとシルエット様
外観が複合した特異な風合いを織物表面にかもし出す箔
糸が得られるものとして、製造する方法の開発を課題と
している。
点は、上記従来技術による前示問題点である。即ち本発
明の目的は、立体模様現出部分が発泡樹脂による場合で
も、立体模様の個所で層間剥離の傾向のない、立体模様
現出部分内層存在型の立体模様箔糸原反であって、艶消
し立体模様箔糸原反の製造法を開発するにある。立体模
様現出部分が発泡樹脂による場合は、その発泡により箔
糸原反基材シートの該部分の盛上がり効果を向上でき、
外面発現立体模様を大きくできる。更に本発明は、かか
るタイプで且つ艶消し立体模様箔糸原反を、艶消し立体
模様が物理的な立体とは別に浮出した視感の風合いのも
のとして、またシルエット様の外観風合いの立体模様現
出能を有する、及び浮出したような感じとシルエット様
外観が複合した特異な風合いを織物表面にかもし出す箔
糸が得られるものとして、製造する方法の開発を課題と
している。
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本
発明の艶消し立体模様箔糸原反の製造法は、立体模様現
出部分が内層部に存在されて、外面に立体模様が発現さ
れる立体模様付与様式の箔糸原反の製造法において、裏
面に熱融着性接着剤層が形成され、該接着剤層の面に前
記立体模様を現出させるための模様状の盛上り部が施さ
れ、且つ表面が金属光沢のある箔糸原反基材シートと、
裏面に熱融着性接着剤層が形成された箔糸原反基材シー
トとを、或いはそれぞれが前者構成の箔糸原反基材シー
トと箔糸原反基材シートとを、それ等の熱融着性接着剤
層を内側にして、加熱下、前記盛上り部付き箔糸原反基
材シート側に相当する側のニップ面が粗面である、或い
は少なくとも片方のニップ面が粗面であるピンチロール
或いは挾圧プレートにより挾圧することを特徴としてい
る。
発明の艶消し立体模様箔糸原反の製造法は、立体模様現
出部分が内層部に存在されて、外面に立体模様が発現さ
れる立体模様付与様式の箔糸原反の製造法において、裏
面に熱融着性接着剤層が形成され、該接着剤層の面に前
記立体模様を現出させるための模様状の盛上り部が施さ
れ、且つ表面が金属光沢のある箔糸原反基材シートと、
裏面に熱融着性接着剤層が形成された箔糸原反基材シー
トとを、或いはそれぞれが前者構成の箔糸原反基材シー
トと箔糸原反基材シートとを、それ等の熱融着性接着剤
層を内側にして、加熱下、前記盛上り部付き箔糸原反基
材シート側に相当する側のニップ面が粗面である、或い
は少なくとも片方のニップ面が粗面であるピンチロール
或いは挾圧プレートにより挾圧することを特徴としてい
る。
【作用】上記の如く本発明においては、箔糸原反の内層
部に立体模様現出部分を存在させるのに、それぞれが片
面に熱融着性接着剤層付きで、双方或いは一方がその熱
融着性接着剤層の面に模様状に盛上り部が施された基材
シートと基材シートとを、それ等の前記接着剤層を内側
にして、加熱下、ピンチロール或いは挾圧プレートによ
り挾圧する方法をとっている。この方法によると、立体
模様現出部分である模様状盛上り部は、全周囲から前記
接着剤層により包まれた形で、前記基材シートと基材シ
ートが熱溶着して形成された積層体に内蔵され、しかも
基材シートの模様状盛上り部に相当する部位は前記接着
剤層と接合された状態にある。こうして本発明によれ
ば、立体模様現出部分が発泡樹脂による場合でも、立体
模様の個所で層間剥離の傾向のない、立体模様現出部分
内層存在型の立体模様箔糸原反の製造法を開発すること
が達成される。本発明では上記基材シートを貼るのに、
基材シート面上の熱融着性接着剤層でこれを行うので、
箔糸原反基材シートの貼り合わせはテンション下になさ
れるのが一般であるところから、基材シートの模様状盛
上がり部が盛上がりの大きい場合、その盛上がり部の下
に当該層がない基材シートでは、基材シートにおける長
さ方向の該部の前後両側に空洞部を生じるが、これに前
記層の接着剤が熱溶融で入り込んで、これを埋める。従
って、前記盛上がり部の盛上がりを大きくして、立体模
様を的確に発現できる。前記空洞部が埋らないと、箔糸
原反を箔糸幅に切断すると、空洞部から層間剥離し、所
期の箔糸が得られない。本発明において、加熱下、前記
した構成の基材シートと基材シートを挾圧するピンチロ
ール或いは挾圧プレートに、所定側のニップ面が粗面で
あるものを適用しているのは、これ等基材シートの熱融
着性接着剤層の熱融着で得られる立体模様箔糸原反の表
面の金属光沢を艶消しにすることをもたらす。そして、
この艶消しは、箔糸原反表面の立体模様の輪郭の外側に
近接する領域では、ピンチロール或いは挾圧プレートの
ニップ面に対する圧接が立体模様部分より弱くて、艶消
しの度合いも弱くなる。このため本発明に係る艶消しの
立体模様は物理的な立体とは別に浮出した視感の風合い
を呈する。本発明により得られる艶消し立体模様箔糸原
反は上記のような視感の風合いであるため、これより得
られる艶消し立体模様箔糸を用いて織物に織り出される
模様も、当該原反の視感の風合いに従う好ましいもので
ある。本発明において、基材シートの模様状盛上り部
を、高さの異なる盛上がり部の連なりになる或いは近接
したものとしておく時は、それ等高さの異なる盛り上が
り部の連なりまたは近接する継ぎ目乃至は境目に相当す
る部位の、箔糸原反表面の立体模様の艶消しが他と異な
るトーンを呈する。また模様状盛上り部として、突出度
に差のあるものを分散せしめた場合も、表面立体模様の
艶消しのトーンが、その盛上り部の高、低で異なる。本
発明による箔糸原反から得られた箔糸を経箔或いは引箔
として織り込んで、艶消し立体模様を織物に織り出す
と、織物表面の艶消し立体模様は見る方向によってシル
エット様の外観を呈する。その理由は必ずしも定かでは
ないが、織物に織り込まれている箔糸の立体模様部分と
そうでない部分との間の地合いのテクスチュアが異なる
ことに基づき光の干渉によって、前示外観の風合いを呈
することによるようである。本発明の箔糸原反より得ら
れた箔糸を織り込んで織物に現出された艶消し立体模様
が、シルエット様の外観を呈する場合、それは前述した
ような浮上った感じの風合いと複合した形で現れるとい
う特異なものである。
部に立体模様現出部分を存在させるのに、それぞれが片
面に熱融着性接着剤層付きで、双方或いは一方がその熱
融着性接着剤層の面に模様状に盛上り部が施された基材
シートと基材シートとを、それ等の前記接着剤層を内側
にして、加熱下、ピンチロール或いは挾圧プレートによ
り挾圧する方法をとっている。この方法によると、立体
模様現出部分である模様状盛上り部は、全周囲から前記
接着剤層により包まれた形で、前記基材シートと基材シ
ートが熱溶着して形成された積層体に内蔵され、しかも
基材シートの模様状盛上り部に相当する部位は前記接着
剤層と接合された状態にある。こうして本発明によれ
ば、立体模様現出部分が発泡樹脂による場合でも、立体
模様の個所で層間剥離の傾向のない、立体模様現出部分
内層存在型の立体模様箔糸原反の製造法を開発すること
が達成される。本発明では上記基材シートを貼るのに、
基材シート面上の熱融着性接着剤層でこれを行うので、
箔糸原反基材シートの貼り合わせはテンション下になさ
れるのが一般であるところから、基材シートの模様状盛
上がり部が盛上がりの大きい場合、その盛上がり部の下
に当該層がない基材シートでは、基材シートにおける長
さ方向の該部の前後両側に空洞部を生じるが、これに前
記層の接着剤が熱溶融で入り込んで、これを埋める。従
って、前記盛上がり部の盛上がりを大きくして、立体模
様を的確に発現できる。前記空洞部が埋らないと、箔糸
原反を箔糸幅に切断すると、空洞部から層間剥離し、所
期の箔糸が得られない。本発明において、加熱下、前記
した構成の基材シートと基材シートを挾圧するピンチロ
ール或いは挾圧プレートに、所定側のニップ面が粗面で
あるものを適用しているのは、これ等基材シートの熱融
着性接着剤層の熱融着で得られる立体模様箔糸原反の表
面の金属光沢を艶消しにすることをもたらす。そして、
この艶消しは、箔糸原反表面の立体模様の輪郭の外側に
近接する領域では、ピンチロール或いは挾圧プレートの
ニップ面に対する圧接が立体模様部分より弱くて、艶消
しの度合いも弱くなる。このため本発明に係る艶消しの
立体模様は物理的な立体とは別に浮出した視感の風合い
を呈する。本発明により得られる艶消し立体模様箔糸原
反は上記のような視感の風合いであるため、これより得
られる艶消し立体模様箔糸を用いて織物に織り出される
模様も、当該原反の視感の風合いに従う好ましいもので
ある。本発明において、基材シートの模様状盛上り部
を、高さの異なる盛上がり部の連なりになる或いは近接
したものとしておく時は、それ等高さの異なる盛り上が
り部の連なりまたは近接する継ぎ目乃至は境目に相当す
る部位の、箔糸原反表面の立体模様の艶消しが他と異な
るトーンを呈する。また模様状盛上り部として、突出度
に差のあるものを分散せしめた場合も、表面立体模様の
艶消しのトーンが、その盛上り部の高、低で異なる。本
発明による箔糸原反から得られた箔糸を経箔或いは引箔
として織り込んで、艶消し立体模様を織物に織り出す
と、織物表面の艶消し立体模様は見る方向によってシル
エット様の外観を呈する。その理由は必ずしも定かでは
ないが、織物に織り込まれている箔糸の立体模様部分と
そうでない部分との間の地合いのテクスチュアが異なる
ことに基づき光の干渉によって、前示外観の風合いを呈
することによるようである。本発明の箔糸原反より得ら
れた箔糸を織り込んで織物に現出された艶消し立体模様
が、シルエット様の外観を呈する場合、それは前述した
ような浮上った感じの風合いと複合した形で現れるとい
う特異なものである。
【実施例】次に、本発明の実施態様を示す添付図面を参
照して、本発明を説明する。図1(A)は本発明に係る
基材シートの一適用例を、それの熱溶着途次の状態下に
示す縦断面図、図1(B)は本発明に係る基材シートの
異なる適用例を同様な状態下に示す縦断面図である。図
2は本発明に係る基材シートの熱溶着仕様の一例を示す
側面図である。図において、1が箔糸原反の基材シート
であり、基材シート1は和紙、プラスチックフィルム、
布(例えば、レーヨン等の人造繊維布、ナイロン、テト
ロン等の合成繊維布、混合繊維布)に樹脂、好ましくは
柔軟性に富む樹脂をコーティング或いは全体または少な
くとも表層部に含浸させたもの、布と和紙を貼合せたも
の等を有利に適用できる。基材シート1の片面に熱融着
性接着剤層2が形成され、更に該接着剤層2の面に樹脂
塗材の塗工による盛上り部3が模様状に形成されたもの
と、基材シート1の片面に熱融着性接着剤層2が形成さ
れたものとを組として〔図1(A)〕、或いはそれぞれ
が前者構成と同じ構成の基材シート1と基材シート1と
を組として〔図1(B)〕、それ等の熱融着性接着剤層
2の側を内側にし、加熱下、前記模様状盛上り部3付き
基材シート側に相当する側のニップ面が粗面、例えばサ
ンドペーパ状である、ピンチロール4のニップを通過さ
せる〔基材シートの組が図1(A)の場合〕、或いは双
方または少なくとも片方のニップ面が同様な粗面である
ピンチロール4のニップを通過させる〔基材シートの組
が図1(B)のとき〕ことにより、或いは該ピンチロー
ルと同様に所定側のニップ面が前記と同様な粗面である
挾圧プレート(図示せず)により挾圧して、接着剤層2
の熱溶融で両基材シート1と1を熱溶着せしめる。前記
熱融着性接着剤層2は、図1(A)、(B)に示すよう
な厚み即ち基材シート1とほぼ同程度の厚みを好ましい
例として挙げることができる。図1(A)において、基
材シート1と1との組は、左端部が熱溶着され、残る部
分が未熱溶着にある状態で示されている。それぞれが模
様状盛上り部3を有する基材シート1と1との組を熱溶
着させる場合、それ等基材シート1の模様状盛上り部3
を相互に異なる関係位置にして、基材シートの組をピン
チロールのニップ中を通過させる、或いは挾圧プレート
で挾圧するのがよい。こうすると、模様状盛上り部3の
突出度が大きくとも、基材シート1の盛上り部3による
外面側への凸状膨出が、基材シート1と1との組の全体
として、バランスよくなされる。上記層2を熱溶融させ
るための加熱手段は、ピンチロール4或いは挾圧プレー
トに、それ等における少なくとも片方のロールまたはプ
レートがヒータ内蔵型のものを充てる、或いは所要個所
に配置された赤外線ヒータ5を充てることを有利に適用
できる。こうして、内層部に存在された立体模様現出部
分である模様状盛上り部3′により外面に立体模様30
が発現された立体模様箔糸原反Aが得られる。得られた
艷消し立体模様箔糸原反Aにおいて、それに前記溶着で
内蔵された模様状盛上り部3′は、層2により全周囲を
包まれた態様となる。基材シート1の該盛上り部3′に
相当する部位は、層2と接合された状態を保持してい
る。これ等のため、基材シート1の模様状盛上り部3が
発泡樹脂による場合でも、箔糸原反Aを細幅にスリット
して得られた箔糸は、立体模様の個所で層間剥離するこ
とがない。基材シート1と1との熱溶着一体化による積
層体は、基材シートの挾圧がピンチロール4で行われる
場合、必要に応じ、ピンチロール4を出た直後に、冷却
ロール6を周回経由させて冷却する。得られた艶消し立
体模様箔糸原反Aにおいて、立体模様30はピンチロー
ル或いは挾圧プレートの粗面になったニップ面に従う艶
消しのものであり、その艶消し立体模様の輪郭の外側に
近接する領域部の原反A表面が当該立体模様部より艶消
しが弱く、それにより立体模様30が物理的な立体とは
別に浮出した視感の風合いを呈する。
照して、本発明を説明する。図1(A)は本発明に係る
基材シートの一適用例を、それの熱溶着途次の状態下に
示す縦断面図、図1(B)は本発明に係る基材シートの
異なる適用例を同様な状態下に示す縦断面図である。図
2は本発明に係る基材シートの熱溶着仕様の一例を示す
側面図である。図において、1が箔糸原反の基材シート
であり、基材シート1は和紙、プラスチックフィルム、
布(例えば、レーヨン等の人造繊維布、ナイロン、テト
ロン等の合成繊維布、混合繊維布)に樹脂、好ましくは
柔軟性に富む樹脂をコーティング或いは全体または少な
くとも表層部に含浸させたもの、布と和紙を貼合せたも
の等を有利に適用できる。基材シート1の片面に熱融着
性接着剤層2が形成され、更に該接着剤層2の面に樹脂
塗材の塗工による盛上り部3が模様状に形成されたもの
と、基材シート1の片面に熱融着性接着剤層2が形成さ
れたものとを組として〔図1(A)〕、或いはそれぞれ
が前者構成と同じ構成の基材シート1と基材シート1と
を組として〔図1(B)〕、それ等の熱融着性接着剤層
2の側を内側にし、加熱下、前記模様状盛上り部3付き
基材シート側に相当する側のニップ面が粗面、例えばサ
ンドペーパ状である、ピンチロール4のニップを通過さ
せる〔基材シートの組が図1(A)の場合〕、或いは双
方または少なくとも片方のニップ面が同様な粗面である
ピンチロール4のニップを通過させる〔基材シートの組
が図1(B)のとき〕ことにより、或いは該ピンチロー
ルと同様に所定側のニップ面が前記と同様な粗面である
挾圧プレート(図示せず)により挾圧して、接着剤層2
の熱溶融で両基材シート1と1を熱溶着せしめる。前記
熱融着性接着剤層2は、図1(A)、(B)に示すよう
な厚み即ち基材シート1とほぼ同程度の厚みを好ましい
例として挙げることができる。図1(A)において、基
材シート1と1との組は、左端部が熱溶着され、残る部
分が未熱溶着にある状態で示されている。それぞれが模
様状盛上り部3を有する基材シート1と1との組を熱溶
着させる場合、それ等基材シート1の模様状盛上り部3
を相互に異なる関係位置にして、基材シートの組をピン
チロールのニップ中を通過させる、或いは挾圧プレート
で挾圧するのがよい。こうすると、模様状盛上り部3の
突出度が大きくとも、基材シート1の盛上り部3による
外面側への凸状膨出が、基材シート1と1との組の全体
として、バランスよくなされる。上記層2を熱溶融させ
るための加熱手段は、ピンチロール4或いは挾圧プレー
トに、それ等における少なくとも片方のロールまたはプ
レートがヒータ内蔵型のものを充てる、或いは所要個所
に配置された赤外線ヒータ5を充てることを有利に適用
できる。こうして、内層部に存在された立体模様現出部
分である模様状盛上り部3′により外面に立体模様30
が発現された立体模様箔糸原反Aが得られる。得られた
艷消し立体模様箔糸原反Aにおいて、それに前記溶着で
内蔵された模様状盛上り部3′は、層2により全周囲を
包まれた態様となる。基材シート1の該盛上り部3′に
相当する部位は、層2と接合された状態を保持してい
る。これ等のため、基材シート1の模様状盛上り部3が
発泡樹脂による場合でも、箔糸原反Aを細幅にスリット
して得られた箔糸は、立体模様の個所で層間剥離するこ
とがない。基材シート1と1との熱溶着一体化による積
層体は、基材シートの挾圧がピンチロール4で行われる
場合、必要に応じ、ピンチロール4を出た直後に、冷却
ロール6を周回経由させて冷却する。得られた艶消し立
体模様箔糸原反Aにおいて、立体模様30はピンチロー
ル或いは挾圧プレートの粗面になったニップ面に従う艶
消しのものであり、その艶消し立体模様の輪郭の外側に
近接する領域部の原反A表面が当該立体模様部より艶消
しが弱く、それにより立体模様30が物理的な立体とは
別に浮出した視感の風合いを呈する。
【発明の効果】以上説明したように、本発明は立体模様
現出部分が発泡樹脂による場合でも、立体模様の個所で
層間剥離の傾向のない、立体模様現出部分内層存在型の
立体模様箔糸原反であって、艶消しの箔糸原反の製造法
を開発することが達成され、更にかかるタイプの艶消し
立体模様箔糸原反を、艶消し立体模様が物理的な立体と
は別に浮出した視感の風合いのものとして、またシルエ
ット様の外観風合いの立体模様現出能を有する箔糸が得
られるものとして、製造する方法を開発することが達成
される。しかも、箔糸原反基材シートの模様状盛上がり
部の盛上がりを大きくして、的確に立体模様を発現でき
る。更に本発明は、本発明の箔糸原反から得られた箔糸
を織り込んで織物表面に発現される艶消し立体模様をし
て、浮出したような感じとシルエット様の外観とが複合
した特異な風合いならしめる。
現出部分が発泡樹脂による場合でも、立体模様の個所で
層間剥離の傾向のない、立体模様現出部分内層存在型の
立体模様箔糸原反であって、艶消しの箔糸原反の製造法
を開発することが達成され、更にかかるタイプの艶消し
立体模様箔糸原反を、艶消し立体模様が物理的な立体と
は別に浮出した視感の風合いのものとして、またシルエ
ット様の外観風合いの立体模様現出能を有する箔糸が得
られるものとして、製造する方法を開発することが達成
される。しかも、箔糸原反基材シートの模様状盛上がり
部の盛上がりを大きくして、的確に立体模様を発現でき
る。更に本発明は、本発明の箔糸原反から得られた箔糸
を織り込んで織物表面に発現される艶消し立体模様をし
て、浮出したような感じとシルエット様の外観とが複合
した特異な風合いならしめる。
【図1】図1(A)は本発明に係る基材シートの一適用
例を、それの熱溶着途次の状態下に示す縦断面図であ
る。図1(B)は同様な状態下で本発明に係る基材シー
トの別の適用例の縦断面図を示す。
例を、それの熱溶着途次の状態下に示す縦断面図であ
る。図1(B)は同様な状態下で本発明に係る基材シー
トの別の適用例の縦断面図を示す。
【図2】本発明に係る基材シートの熱溶着仕様の一例を
示す側面図である。
示す側面図である。
1 基材シート 2 熱融着性接着剤層 3 模様状の盛上り部 3′ 立体模様現出部としての盛上り部 4 ピンチロール 30 立体模様 A 立体模様箔糸原反
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−175940(JP,A) 特開 平2−158342(JP,A) 特公 昭45−5752(JP,B2)
Claims (5)
- 【請求項1】 立体模様現出部分が内層部に存在され
て、外面に立体模様が発現される立体模様付与様式の箔
糸原反の製造法において、裏面に熱融着性接着剤層が形
成され、該接着剤層の面に前記立体模様を現出させるた
めの模様状の盛上り部が施され、且つ表面が金属光沢の
ある箔糸原反基材シートと、裏面に熱融着性接着剤層が
形成された箔糸原反基材シートとを、前記接着剤層を内
側にして、加熱下、前記盛上り部付き箔糸原反基材シー
ト側に相当する側のニップ面が粗面であるピンチロール
或いは挾圧プレートにより挾圧することを特徴とする艷
消し立体模様箔糸原反の製造法。 - 【請求項2】 立体模様現出部分が内層部に存在され
て、外面に立体模様が発現される立体模様付与様式の箔
糸原反の製造法において、それぞれ、裏面に熱融着性接
着剤層が形成され、該接着剤層の面に前記立体模様を現
出させるための模様状の盛上り部が施され、且つ表面が
金属光沢のある箔糸原反基材シートと箔糸原反基材シー
トとを、前記接着剤層を内側にして、加熱下、少なくと
も片方のニップ面が粗面であるピンチロール或いは挾圧
プレートにより挾圧することを特徴とする艷消し立体模
様箔糸原反の製造法。 - 【請求項3】 立体模様を現出させるための模様状の盛
上り部を有する箔糸原反基材シートに、異なる突出度の
盛上り部の連なり或いは近接下の集まりで以て、前記盛
上り部が形成されたものを充てることを特徴とする請求
項1或いは2記載の艶消し立体模様箔糸原反の製造法。 - 【請求項4】 立体模様を現出させるための模様状の盛
上り部を有する箔糸原反基材シートに、異なる突出度の
盛上り部が分散して形成されたものを充てることを特徴
とする請求項1或いは2記載の艶消し模様箔糸原反の製
造法。 - 【請求項5】 請求項2記載の艷消し立体模様箔糸原反
の製造法において、箔糸原反基材シートのそれぞれを、
それ等の模様状盛上り部を相互に異なる関係位置にし
て、所要の挾圧を行うことを特徴とする艶消し立体模様
箔糸原反の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3168050A JP2881519B2 (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 艶消し立体模様箔糸原反の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3168050A JP2881519B2 (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 艶消し立体模様箔糸原反の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059828A JPH059828A (ja) | 1993-01-19 |
JP2881519B2 true JP2881519B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=15860904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3168050A Expired - Lifetime JP2881519B2 (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 艶消し立体模様箔糸原反の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2881519B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EA006402B1 (ru) | 1999-12-23 | 2005-12-29 | Пфайзер Продактс Инк. | Комбинация лекарства и целлюлозного полимера, повышающего концентрацию; способ введения лекарства и водный раствор (варианты) |
JP7311359B2 (ja) * | 2019-08-27 | 2023-07-19 | 小松マテーレ株式会社 | 布帛、衣服および布帛の製造方法 |
-
1991
- 1991-07-09 JP JP3168050A patent/JP2881519B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH059828A (ja) | 1993-01-19 |
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Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19950808 |