JP2881291B2 - 射出成形機の制御方法及び装置 - Google Patents

射出成形機の制御方法及び装置

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JP2881291B2 JP18838695A JP18838695A JP2881291B2 JP 2881291 B2 JP2881291 B2 JP 2881291B2 JP 18838695 A JP18838695 A JP 18838695A JP 18838695 A JP18838695 A JP 18838695A JP 2881291 B2 JP2881291 B2 JP 2881291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクリュの射出速度に対
する速度指令値と速度検出値の速度偏差を求め、この速
度偏差が零になるように射出速度に対してフィードバッ
ク制御を行う射出成形機の制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スクリュの射出速度に対してフィ
ードバック制御を行う射出成形機の制御装置は、例え
ば、特開平6−170909号公報等で知られている。
【0003】この種の制御装置は、スクリュの射出速度
に対して、予め設定した速度目標値に基づく速度指令値
と、実際の射出速度を検出して得た速度検出値から、両
者の速度偏差を求め、この速度偏差により生成した制御
信号を、スクリュを前進させるサーボモータに付与する
ことにより、速度検出値を速度指令値に一致させるフィ
ードバック制御を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形機
における射出工程は、通常、スクリュを射出速度で前進
させて樹脂を金型内に充填させる速度制御領域と、充填
後、スクリュ(充填樹脂)に保圧力を一定時間にわたっ
て付与する圧力制御領域からなり、速度制御領域の終了
により圧力制御領域に移行する。
【0005】しかし、上述した従来の制御装置(方法)
は、予め設定部により一定のパターンによる速度目標値
及び圧力目標値を設定し、この速度目標値に基づく速度
指令値を利用して射出速度に対するフィードバック制御
を行なうとともに、スクリュが前進して保圧切換位置に
達したら、圧力目標値に基づく圧力指令値を利用して保
圧力に対するフィードバック制御を行うもので、保圧切
換位置では速度制御ループから圧力制御ループに選択ス
イッチ等により切換えていた。
【0006】このため、速度制御から圧力制御への切換
時に、切換ショックにより圧力のアンダーシュートやオ
ーバーシュートが発生し、連続性のある安定した制御が
できない問題があった。
【0007】本発明はこのような従来の技術に存在する
課題を解決したものであり、速度制御から圧力制御への
切換時における圧力のアンダーシュートやオーバーシュ
ートの発生を防止し、連続性のある安定した制御を行う
ことができる射出成形機の制御方法及び装置の提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る射出成形機
の制御方法は、スクリュ2の射出速度に対する速度指令
値Vcと速度検出値Vdの速度偏差Veを求め、この速
度偏差Veが零になるように射出速度に対するフィード
バック制御を行うに際し、射出圧力を検出して得た圧力
検出値Pdと予め設定した圧力目標値Psの圧力偏差P
eを求めるとともに、スクリュ2の位置を検出して得た
位置検出値Sdの一定時間における位置変化量ΔSを、
圧力検出値Pdの一定時間における圧力変化量ΔPで除
して、単位圧力変化量当たりのスクリュ移動量ds=Δ
S/ΔPを求め、さらに、このスクリュ移動量dsを圧
力偏差Peに乗じて予測移動量Pe×dsを求めるとと
もに、この予測移動量Pe×dsに基づいて基礎指令値
Vcpを生成し、この基礎指令値Vcpを、予め上限値
を速度目標値Vsに設定した速度リミッタ3を通して速
度指令値Vcを得るようにしたことを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る射出成形機の制御装置
1は、射出圧力を検出して得た圧力検出値Pdと予め設
定した圧力目標値Psの圧力偏差Peを求める圧力偏差
演算部4と、スクリュ2の位置を検出して得た位置検出
値Sdの一定時間における位置変化量ΔSを求める位置
変化量検出部5と、圧力検出値Pdの一定時間における
圧力変化量ΔPを求める圧力変化量検出部6と、位置変
化量ΔSを圧力変化量ΔPで除して単位圧力変化量当た
りのスクリュ移動量ds=ΔS/ΔPを求めるスクリュ
移動量演算部7と、このスクリュ移動量dsを圧力偏差
Peに乗じて予測移動量Pe×dsを求める予測移動量
演算部8と、この予測移動量Pe×dsに基づいて基礎
指令値Vcpを求める基礎指令値演算部9と、上限値に
速度目標値Vsを設定し、かつ基礎指令値Vcpを付与
することにより速度指令値Vcを得る速度リミッタ3を
具備してなることを特徴とする。
【0010】この場合、最適な実施形態により、位置変
化量検出部5は、検出して得た位置検出値Sd[n]を
一定時間遅延させる遅延機能部11と、検出して得た位
置検出値Sd[n]と当該遅延機能部11から得る位置
検出値Sd[n−1]の偏差を得る偏差演算部12を備
えるとともに、圧力変化量検出部6は、検出して得た圧
力検出値Pd[n]を一定時間遅延させる遅延機能部1
3と、検出して得た圧力検出値Pd[n]と当該遅延機
能部13から得る圧力検出値Pd[n−1]の偏差を得
る偏差演算部14を備える。なお、圧力変化量検出部6
から得る圧力変化量ΔPが負のときに、スクリュ移動量
演算部7から出力するスクリュ移動量dsの大きさを直
前のスクリュ移動量dsに維持する負区間処理部15を
設けることが望ましい。また、基礎指令値演算部9は、
予測移動量Pe×dsに対する比例係数の乗算機能及び
(又は)積分機能を備える。
【0011】
【作用】本発明に係る射出成形機の制御方法及び装置1
によれば、まず、予め、圧力目標値Psを設定するとと
もに、速度リミッタ3に速度目標値Vsを上限値として
設定する。
【0012】一方、射出工程では、射出圧力を検出して
得た圧力検出値Pdと圧力目標値Psが、圧力偏差演算
部4に付与され、当該圧力検出値Pdと圧力目標値Ps
の圧力偏差Peが得られる。また、スクリュ2の位置を
検出して得た位置検出値Sdは、位置変化量検出部5に
付与され、当該位置検出値Sdの一定時間における位置
変化量ΔSが求められる。具体的には、遅延機能部11
により、位置検出値Sd[n]が一定時間遅延せしめら
れ、偏差演算部12により、遅延しない位置検出値Sd
[n]と遅延した位置検出値Sd[n−1]の偏差が求
められる。他方、圧力検出値Pdは圧力変化量検出部6
に付与され、当該圧力検出値Pdの一定時間における圧
力変化量ΔPが求められる。具体的には、遅延機能部1
3により、圧力検出値Pd[n]が一定時間遅延せしめ
られ、偏差演算部14により、遅延しない圧力検出値P
d[n]と遅延した圧力検出値Pd[n−1]の偏差が
求められる。
【0013】また、得られた位置変化量ΔSと圧力変化
量ΔPは、スクリュ移動量演算部7に付与され、位置変
化量ΔSを圧力変化量ΔPで除した単位圧力変化量当た
りのスクリュ移動量ds=ΔS/ΔPが求められる。な
お、この場合、圧力変化量検出部6から得る圧力変化量
ΔPが負のときは、負区間処理部15により、スクリュ
移動量演算部7から出力するスクリュ移動量dsの大き
さが直前のスクリュ移動量dsに維持される。
【0014】さらにまた、得られたスクリュ移動量ds
と圧力偏差Peは、予測移動量演算部8に付与され、ス
クリュ移動量dsと圧力偏差Peを乗じた予測移動量P
e×dsが求められる。そして、得られた予測移動量P
e×dsは、基礎指令値演算部9に付与され、例えば、
予測移動量Pe×dsに対して比例係数が乗算され或い
は積分が施されることにより、基礎指令値Vcpが求め
られる。一方、この基礎指令値Vcpは速度リミッタ3
に付与され、速度リミッタ3からは速度指令値Vcが得
られる。
【0015】よって、スクリュ2が前進し、任意の位置
に達した時点において、速度検出値Pdと圧力目標値P
sの圧力偏差Peから、圧力目標値Psに達するまで
に、スクリュ2をどの程度移動させればよいかを算出
(予測)しつつ、スクリュ2を前進させることになる。
したがって、射出開始初期は、圧力偏差Peが比較的大
きく、かつスクリュ移動量ds=ΔS/ΔPも比較的大
きいため、基礎指令値Vcpも大きくなる。この結果、
基礎指令値Vcpは速度リミッタ3の速度目標値Vsに
制限されることになり、速度リミッタ3から出力する速
度指令値Vcは速度目標値Vsに一致し、射出開始から
所定期間は速度目標値Vsによる定速制御が行われる。
一方、スクリュ2が前進すれば、負荷圧力(圧力検出値
Pd)は次第に上昇するため、基礎指令値Vcpは次第
に小さくなる。そして、基礎指令値Vcpが速度目標値
Vsよりも小さくなった時点から、速度指令値Vcは速
度リミッタ3に制限されない基礎指令値Vcpに一致す
る大きさとなる。この後は、基礎指令値Vcp(速度指
令値Vc)は急速に小さくなるとともに、これに対応し
て圧力検出値Pdの上昇カーブは緩やかになり、圧力検
出値Pdが圧力目標値Psに達すれば、スクリュ2は停
止してそのまま圧力制御領域に移行する。よって、速度
制御から圧力制御への切換時における圧力のアンダーシ
ュートやオーバーシュートの発生が防止され、連続性の
ある安定した制御が行われる。
【0016】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0017】まず、射出成形機Mの概略構成を含む本発
明に係る制御装置1の構成について、図1を参照して説
明する。
【0018】図中、Mは射出成形機であり、射出装置3
0と不図示の型締装置を備える。射出装置30は前端に
射出ノズル31を有する加熱筒32を備え、加熱筒32
の後部にはホッパー33を付設するとともに、加熱筒3
2の内部にはスクリュ2を挿入する。一方、スクリュ2
の後端はスクリュ駆動装置34に支持される。スクリュ
駆動装置34は水平ガイドレール35…にスライド自在
に支持されるスライダ36を備え、このスライダ36の
前端にスクリュ2の後端が回動自在に支持される。ま
た、スライダ36には、スクリュ2の後端に当接するこ
とにより、スクリュ2に付加される圧力(射出圧力,背
圧)を検出するロードセル等を用いた圧力検出器37を
備える。
【0019】そして、スクリュ2は、スライダ36に取
付けた計量用サーボモータ38及び伝達歯車機構39に
より回転せしめられる。また、スクリュ2は、機体40
に取付けた射出用サーボモータ41及びこの射出用サー
ボモータ41の回転シャフトとスライダ36間に設けた
ボールネジ機構42により、前後方向に移動せしめられ
る。この場合、射出用サーボモータ41には、ロータリ
エンコーダ等を利用することによりスクリュ2の位置検
出を行うスクリュ位置検出部43を備える。
【0020】一方、射出装置30には制御装置1を備え
る。4は圧力偏差演算部であり、非反転入力ポートには
圧力目標値Psが付与されるとともに、反転入力ポート
には圧力検出器37により検出して得た圧力検出値Pd
が付与される。圧力偏差演算部4は、圧力検出値Pdと
圧力目標値Psの圧力偏差Peを求める機能を有する。
また、圧力検出器37には圧力変化量検出部6を接続す
る。圧力変化量検出部6は、圧力検出器37から得る圧
力検出値Pd[n]を一定時間遅延させる遅延機能部1
3と、圧力検出器37からの遅延しない圧力検出値Pd
[n]と当該遅延機能部13からの遅延した圧力検出値
Pd[n−1]の偏差を得る偏差演算部14を備え、圧
力検出値Pdの一定時間における圧力変化量ΔPを求め
る機能を有する。さらに、偏差演算部14の出力ポート
は負区間処理部15を介してスクリュ移動量演算部7に
接続する。この場合、負区間処理部15は、圧力変化量
検出部6から得る圧力変化量ΔPが負となったときに、
スクリュ移動量演算部7から出力するスクリュ移動量d
sの大きさを直前のスクリュ移動量dsに維持する機能
を有する。
【0021】他方、スクリュ位置検出部43には位置変
化量検出部5を接続する。位置変化量検出部5は、スク
リュ位置検出部43から得る位置検出値Sd[n]を一
定時間遅延させる遅延機能部11と、スクリュ位置検出
部43からの遅延しない位置検出値Sd[n]と当該遅
延機能部11からの遅延した位置検出値Sd[n−1]
の偏差を得る偏差演算部12を備え、位置検出値Sdの
一定時間における位置変化量ΔSを求める機能を有す
る。さらに、偏差演算部12の出力ポートはスクリュ移
動量演算部7に接続する。スクリュ移動量演算部7は、
位置変化量検出部5から付与される位置変化量ΔSを、
負区間処理部15から付与される圧力変化量ΔPで除す
ることにより、単位圧力変化量当たりのスクリュ移動量
ds=ΔS/ΔPを求める機能を有する。
【0022】また、スクリュ移動量演算部7の出力部及
び圧力偏差演算部4の出力ポートは、予測移動量演算部
8に接続する。この予測移動量演算部8は、スクリュ移
動量演算部7から付与されるスクリュ移動量dsを、圧
力偏差演算部4から付与される圧力偏差Peに乗ずるこ
とにより、予測移動量Pe×dsを求める機能を有す
る。さらに、予測移動量演算部8の出力部は基礎指令値
演算部9に接続する。基礎指令値演算部9は、予測移動
量演算部8から付与される予測移動量Pe×dsに基づ
いて基礎指令値Vcpを求める機能を有する。具体的に
は、予測移動量Pe×dsに対する比例係数の乗算機能
及び(又は)積分機能を備える。また、基礎指令値演算
部9の出力部は速度リミッタ3に接続する。速度リミッ
タ3には、上限値として速度目標値Vsを設定する。そ
して、速度リミッタ3の出力部は速度偏差演算部21の
非反転入力ポートに接続する。
【0023】一方、スクリュ位置検出部43から付与さ
れる位置検出値Sdは速度変換部22により速度検出値
Vdに変換され、この速度検出値Vdは速度偏差演算部
21の反転入力ポートに付与される。速度偏差演算部2
1の出力ポートは速度制御部23に接続するとともに、
速度制御部23の出力部は電流偏差演算部24の非反転
入力ポートに接続する。また、電流偏差演算部24の出
力ポートは電流制御部25に接続するとともに、電流制
御部25の出力部はサーボモータ41に接続する。そし
て、サーボモータ41に供給される駆動電流の大きさを
検出する電流検出器26は電流偏差演算部24の反転入
力ポートに接続する。
【0024】次に、射出工程における制御装置1の動作
を含む本発明に係る制御方法について、図1〜図3を参
照して説明する。
【0025】まず、予め、圧力目標値Psを設定する。
この圧力目標値Psは射出工程における速度制御領域か
ら圧力制御領域への切換点を決定する。即ち、速度制御
領域では樹脂の射出充填に伴って負荷圧力(圧力検出値
Pd)が上昇するため、圧力検出値Pdが圧力目標値P
sに達すれば、スクリュ2は停止して圧力制御領域に切
換えられる。また、速度リミッタ3には速度制御領域に
おける速度目標値Vsを上限値として設定する。なお、
実施例の速度目標値Vsは一速であるが、複数の異なる
速度目標値により多段設定しても勿論よい。
【0026】一方、射出工程では、圧力偏差演算部4
に、圧力目標値Psが付与されるとともに、圧力検出器
37から圧力検出値Pdが付与され、圧力検出値Pdと
圧力目標値Psの圧力偏差Peが求められる。
【0027】また、スクリュ2の位置はスクリュ位置検
出器43により検出され、検出された位置検出値Sd
は、位置変化量検出部5に付与される。位置変化量検出
部5では、遅延機能部11により、スクリュ位置検出器
43からの位置検出値Sd[n]が一定時間遅延させら
れた位置検出値Sd[n−1]を得るとともに、偏差演
算部12により、スクリュ位置検出器43からの遅延し
ない位置検出値Sd[n]と遅延機能部11からの遅延
した位置検出値Sd[n−1]の偏差を得、位置検出値
Sdの一定時間における位置変化量ΔS=Sd[n−
1]−Sd[n]が求められる。この場合、スクリュ位
置検出器43から得る位置検出値Sdは、一定時間周期
でサンプリングされた値であるため、遅延機能部11は
一周期前の位置検出値Sdをラッチする機能を持てばよ
い。
【0028】他方、圧力検出器37から得る圧力検出値
Pdは圧力変化量検出部6に付与される。圧力変化量検
出部6では、遅延機能部13により、圧力検出器37か
らの圧力検出値Pd[n]が一定時間遅延させられた圧
力検出値Pd[n−1]を得るとともに、偏差演算部1
4により、圧力検出器37からの遅延しない圧力検出値
Pd[n]と遅延機能部13からの遅延した圧力検出値
Pd[n−1]の偏差を得、圧力検出値Pdの一定時間
における圧力変化量ΔP=Pd[n−1]−Pd[n]
が求められる。この場合、圧力検出器37から得る圧力
検出値Pdは一定時間周期でサンプリングされた値であ
るため、遅延機能部13は一周期前の圧力検出値Pdを
ラッチする機能を持てばよい。
【0029】そして、圧力変化量ΔPと位置変化量ΔS
はスクリュ移動量演算部7に付与される。スクリュ移動
量演算部7では、位置変化量ΔSを圧力変化量ΔPで除
して単位圧力変化量当たりのスクリュ移動量ds=ΔS
/ΔPを求める。なお、この場合、圧力変化量検出部6
から得る圧力変化量ΔPが負のときは、負区間処理部1
5により、スクリュ移動量演算部7から出力するスクリ
ュ移動量dsの大きさは直前のスクリュ移動量dsに維
持される。即ち、金型のキャビティ形状や速度リミッタ
3における速度目標値の多段設定に基づく変速点等によ
り、樹脂の充填途中において、図2に示すように、圧力
検出値Pdが減少する現象を生ずる。この減少区間Zn
では、圧力変化量ΔPは負となり、スクリュ2を後退さ
せる指令が生成されてしまう。このため、減少区間Zn
では、負区間処理部15からスクリュ移動量演算部7に
対して処理指令を付与し、スクリュ移動量演算部7から
出力するスクリュ移動量dsの大きさを直前のスクリュ
移動量dsに維持する。
【0030】また、予測移動量演算部8には、当該スク
リュ移動量dsが付与されるとともに、圧力偏差演算部
4から圧力偏差Peが付与され、スクリュ移動量dsと
圧力偏差Peを乗じた予測移動量Pe×dsが求められ
る。この予測移動量Pe×dsとは、現在の圧力検出値
Pdから圧力目標値Vsに達するまでに必要なスクリュ
2の予測的な移動量を意味する。
【0031】そして、予測移動量Pe×dsは基礎指令
値演算部9に付与され、この予測移動量Pe×dsに基
づいて基礎指令値Vcpが求められる。即ち、予測移動
量Pe×dsに対して比例係数が乗算され或いは積分処
理が施こされることにより、基礎指令値Vcpが求めら
れる。
【0032】一方、この基礎指令値Vcpは速度リミッ
タ3に付与され、速度リミッタ3からは速度指令値Vc
を得る。また、速度リミッタ3から得る速度指令値Vc
は、速度偏差演算部21の非反転入力ポートに付与され
るとともに、スクリュ位置検出部43から付与される位
置検出値Sdは、速度変換部22により速度検出値Vd
に変換された後、速度偏差演算部21の反転入力ポート
に付与されるため、速度偏差演算部21からは速度偏差
Veが得られる。この速度偏差Veは速度制御部23に
より電流指令値Icに変換され、電流偏差演算部24の
非反転入力ポートに付与されるとともに、さらに、電流
偏差演算部24の反転入力ポートには、電流検出器26
からの電流検出値Idが付与される。この結果、電流偏
差演算部24により、電流指令値Icと電流検出値Id
の電流偏差Ieが得られ、この電流偏差Ieは電流制御
部25に付与されるとともに、電流制御部25からサー
ボモータ41に駆動電流が供給される。
【0033】制御装置1はこのように動作するため、図
3に示すように、射出開始初期においては、圧力偏差P
eが比較的大きく、かつスクリュ移動量ds=ΔS/Δ
Pも比較的大きいため、基礎指令値Vcpも大きくな
る。射出開始初期は圧力偏差Peが比較的大きく、かつ
スクリュ移動量ds=ΔS/ΔPも比較的大きいため、
基礎指令値Vcpも大きくなる。この結果、基礎指令値
Vcpは速度リミッタ3の速度目標値Vsに制限される
ことになり、速度リミッタ3から出力する速度指令値V
cは速度目標値Vsに一致し、射出開始から所定期間は
速度目標値Vsによる定速制御が行われる。
【0034】この場合、スクリュ2が前進し、任意の位
置に達した時点において、速度検出値Pdと圧力目標値
Psの圧力偏差Peから、圧力目標値Psに達するまで
に、スクリュ2をどの程度移動させればよいかを算出
(予測)しつつ、スクリュ2を前進させることになる。
【0035】一方、スクリュ2が前進すれば、負荷圧力
(圧力検出値Pd)は次第に上昇するため、基礎指令値
Vcpは次第に小さくなる。そして、基礎指令値Vcp
が速度目標値Vsよりも小さくなった時点(図3中Xc
点)から、速度指令値Vcは速度リミッタ3に制限され
ない基礎指令値Vcpに一致する大きさとなる。この後
は、基礎指令値Vcp(速度指令値Vc)は急速に小さ
くなるとともに、これに対応して圧力検出値Pdの上昇
カーブは緩やかになり、圧力検出値Pdが圧力目標値P
sに達すれば、スクリュ2は停止してそのまま圧力制御
領域に移行する。即ち、速度制御領域から圧力制御領域
に移行する。なお、圧力制御領域に移行した後は、必要
な保圧力Phによる保圧工程が行われる。よって、本発
明方法によれば、速度制御から圧力制御への切換時にお
ける圧力のアンダーシュートやオーバーシュートの発生
が防止され、連続性のある安定した制御が行われる。
【0036】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではない。
例えば、制御装置における信号処理系はアナログ信号処
理系又はディジタル信号処理系のいずれで構成してもよ
い。また、射出成形機はサーボモータを用いた電動式を
例示したが、射出シリンダを用いた油圧式の射出成形機
にも同様に適用できる。その他、細部の構成,手法等に
おいて、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更で
きる。
【0037】
【発明の効果】このように、本発明に係る射出成形機の
制御方法(装置)は、射出圧力を検出して得た圧力検出
値と予め設定した圧力目標値の圧力偏差を求めるととも
に、スクリュの位置を検出して得た位置検出値の一定時
間における位置変化量を、圧力検出値の一定時間におけ
る圧力変化量で除して、単位圧力変化量当たりのスクリ
ュ移動量を求め、さらに、このスクリュ移動量を圧力偏
差に乗じて予測移動量を求めるとともに、この予測移動
量に基づいて基礎指令値を生成し、この基礎指令値を、
予め上限値を速度目標値に設定した速度リミッタを通し
て速度指令値を得るようにしたため、速度制御から圧力
制御への切換時における圧力のアンダーシュートやオー
バーシュートの発生を防止し、連続性のある安定した制
御を行うことができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置の主要部を抽出して示す
ブロック回路図、
【図2】本発明に係る制御方法を用いて制御した際のス
クリュ位置に対する圧力検出値とスクリュ移動量演算部
から得るスクリュ移動量の特性図、
【図3】同制御方法を用いて制御した際のスクリュ位置
に対する各値の特性図、
【符号の説明】
1 制御装置 2 スクリュ 3 速度リミッタ 4 圧力偏差演算部 5 位置変化量検出部 6 圧力変化量検出部 7 スクリュ移動量演算部 8 予測移動量演算部 9 基礎指令値演算部 11 遅延機能部 12 偏差演算部 13 遅延機能部 14 偏差演算部 15 負区間処理部 Vc 速度指令値 Vd 速度検出値 Ve 速度偏差 Pd 圧力検出値 Ps 圧力目標値 Pe 圧力偏差 Sd 位置検出値 ΔS 位置変化量 ΔP 圧力変化量 ds スクリュ移動量 Vs 速度目標値 Vcp 基礎指令値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−55594(JP,A) 特開 昭62−161518(JP,A) 特開 昭62−85922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/76 - 45/77 B29C 45/46 - 45/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリュの射出速度に対する速度指令値
    と速度検出値の速度偏差を求め、この速度偏差が零にな
    るように射出速度に対してフィードバック制御を行う射
    出成形機の制御方法において、射出圧力を検出して得た
    圧力検出値と予め設定した圧力目標値の圧力偏差を求め
    るとともに、スクリュの位置を検出して得た位置検出値
    の一定時間における位置変化量を、前記圧力検出値の一
    定時間における圧力変化量で除して、単位圧力変化量当
    たりのスクリュ移動量を求め、さらに、このスクリュ移
    動量を前記圧力偏差に乗じて予測移動量を求めるととも
    に、この予測移動量に基づいて基礎指令値を生成し、こ
    の基礎指令値を、予め上限値を速度目標値に設定した速
    度リミッタを通して前記速度指令値を得ることを特徴と
    する射出成形機の制御方法。
  2. 【請求項2】 スクリュの射出速度に対する速度指令値
    と速度検出値の速度偏差を求め、この速度偏差が零とな
    るように射出速度に対してフィードバック制御を行う射
    出成形機の制御装置において、射出圧力を検出して得た
    圧力検出値と予め設定した圧力目標値の圧力偏差を求め
    る圧力偏差演算部と、スクリュの位置を検出して得た位
    置検出値の一定時間における位置変化量を求める位置変
    化量検出部と、前記圧力検出値の一定時間における圧力
    変化量を求める圧力変化量検出部と、前記位置変化量を
    前記圧力変化量で除して単位圧力変化量当たりのスクリ
    ュ移動量を求めるスクリュ移動量演算部と、前記スクリ
    ュ移動量を前記圧力偏差に乗じて予測移動量を求める予
    測移動量演算部と、前記予測移動量に基づいて基礎指令
    値を生成する基礎指令値演算部と、上限値に速度目標値
    を設定し、かつ前記基礎指令値を付与することにより前
    記速度指令値を得る速度リミッタを具備してなることを
    特徴とする射出成形機の制御装置。
  3. 【請求項3】 位置変化量検出部は、検出して得た位置
    検出値を一定時間遅延させる遅延機能部と、検出して得
    た位置検出値と当該遅延機能部から得る位置検出値の偏
    差を得る偏差演算部を備えることを特徴とする請求項2
    記載の射出成形機の制御装置。
  4. 【請求項4】 圧力変化量検出部は、検出して得た圧力
    検出値を一定時間遅延させる遅延機能部と、検出して得
    た圧力検出値と当該遅延機能部から得る圧力検出値の偏
    差を得る偏差演算部を備えることを特徴とする請求項2
    記載の射出成形機の制御装置。
  5. 【請求項5】 圧力変化量検出部から得る圧力変化量が
    負のときに、スクリュ移動量演算部から出力するスクリ
    ュ移動量の大きさを直前のスクリュ移動量に維持する負
    区間処理部を備えることを特徴とする請求項2又は4記
    載の射出成形機の制御装置。
  6. 【請求項6】 基礎指令値演算部は、予測移動量に対す
    る比例係数の乗算機能及び(又は)積分機能を備えるこ
    とを特徴とする請求項2記載の射出成形機の制御装置。
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