JP2881289B2 - アルミニウムのろう付け法 - Google Patents

アルミニウムのろう付け法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム及びアルミ
ニウム合金部材のろう付け法に係わるもので、ろう材を
別途に供給することなく、フッ化ケイ素化合物から反応
によってSiを析出させ、その析出Siと部材アルミニ
ウムとの拡散反応によって得られるAl−Si共晶合金
の低融点の液相を用いて行なうろう付け法に関する。
【0002】
【従来の技術】ろう付けにおけるフラックスとろう材は
密接な関係があり、真空ろう付けなど一部のろう付け法
を除いて、フラックス無しでろう付けを行なうことは不
可能である。これはアルミニウム部材の酸化皮膜をフラ
ックスによって除去しないとろう材が”濡れ”ないこと
からで、フラックスの良否がろう付け性を左右すると言
って過言でない。今までこのフラックスにはろう付け後
の残渣に強い腐蝕性があるためその除去に繁雑な洗浄工
程を必要としていた。そこで腐蝕性のないフッ化アルミ
ニウム(AlF)とフッ化カリウム(KF)を主体と
するフッ化物系非腐蝕性フラックスが開発され、実用化
に入った。その一例として自動車部品の冷却や空調シス
テムの熱交換器のアセンブリーには、このろう付け法が
主流となっている。現在熱交換器のろう付けの中で押し
出し扁平管とフィンを組み合せたパラレルフローコンデ
ンサータイプではろう材をクラッドしたブレージングシ
ートがフィン材として用いられ、構造物を組立て後、前
述のフッ化物フラックスを塗布して、600℃前後の非
酸化性雰囲気中で加熱され、ろう付けが行なわれてい
る。
【0003】しかし最近になってブレージングシートを
用いる方法では、ろう材をクラッドしたフィン材の成形
加工などにおいてSi粒子の影響で刃物の損耗が大き
く、コストアップにつながることや、さらに材料コスト
の削減の観点から、ブレージングシートを用いない方法
の開発が望まれている。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明はブレージングシ
ートを用いることなく、混合物中に含まれるフッ化ケイ
素化合物から、Siを析出させ、その析出Siとアルミ
ニウムとの拡散反応によって低融点のAl−Siろう材
を晶出させることによって問題を解決した。
【0005】
【作用】本発明におけるケイ素含有化合物からのSi析
出に関しては、つぎの反応式 3KSiF+4Al=3Si+2KAlF+2K
AlF により推察されるごとく、Siが置換析出し、後にアル
ミニウムと拡散し、低融点のAl−11.7%Siの共
晶組成が液相となり、ろう材の役目を果たす。
【0006】 [実施例] 本発明は含ケイ素フッ化物を加熱してSiを析出させる
ことから、Si含有のフッ化ケイ素化合物が主要成分と
なる。一方、これらの化合物は比較的融点が高いため、
600℃前後のろう付け温度では溶けにくい。そのた
め、融点をさらに降下させることが求められ、各種のフ
ッ化物が添加される。以下、本発明を実施例により説明
する。本発明の基本組成としてのフッ化ケイ素化合物は
SiF 40〜80重量%,融点降下のためのフッ
化物AlF 20〜60重量%で、KSiF40
重量%より少ないとSiの析出量が不足し、十分なろう
付け性が得られず、80重量%を越えると融点が上昇し
溶けにくくなる。一方、AlF20重量%未満では
融点降下が少なく60重量%を越えると再び融点を上昇
させ適当でない。この中で、上記組成範囲が好ましい
が、KSiFの代りにその一部をNaSiF
たはZnSiFの他のフッ化ケイ素化合物で置き換え
ることも可能で、その添加量はKSiFの50重量
%以下である。また融点降下させるフッ化物のうちAl
が最も好ましいが、AlFの一部を他のフッ化物
に置き換えることも可能である。その他のフッ化物とし
ては、ZnF,CaF,CsF,LiF,NaF,
KF及びZrFがあり、AlFと一種以上の同時添
加も有効で、その添加量は総量の50重量%以下であ
る。混合物からのSiの析出に関しては、つぎの反応式
が知られており 3KSiF+4Al=3Si+2KAlF+2KAlF この反応式より推察されるごとくSiが置換析出し、後
にアルミニウムと拡散し、低融点のAl・11.7%S
iの共晶組成となり、これがろう材の役目を果たすもの
と考えられる。 したがってフィレット形成能力がろう
付け性に大きく影響する。
【0007】そのろう付けの評価方法には、図1に示す
1.アルミ3003材を逆T型に組み合わせた試験片を
用い、一定量のフラックスを全面に塗布した後、605
℃の窒素ガス雰囲気中で加熱した後の断面の接合部フィ
レットの形状から評価した。図2は断面の接合部フィレ
ット2.による分類で、◎は良好なフィレットが形成さ
れている。○はフィレットは小さいがろう付けされてい
る。△は比較例としてフィレットが小さく、一部しかつ
いていない、の三通りの分類で評価した。
【表1】 本発明混合物を用いて行なったろう付け性の結果を表1
に示す。KSiFに対するAlFの添加は20重
量%以上になると良好なろう付け性を示すようになり、
60重量%以上になるとフィレットが小さくなり、十分
なろう付け性が得られなくなる。一方、KSiF
外の他のフッ化ケイ素化合物では10重量%以内ならば
ろう付け性にあまり変化を与えない。
【0008】
【表2】 つぎにKSiFに対するAlFと他のフッ化物添
加による影響を表2に示す。KSiFに対するAl
以外のフッ化物の単独添加は、融点降下が少ないた
めにろう付け性を改善しないが、AlFとの同時添加
は効果がある。
【0009】つぎに本発明ろう付け法によって接合部強
度を測定した。その試験片の形状寸法を図3に示す。
1.アルミ3003材(t=3.0mm)3.接合部、
ろう付け条件は600℃の窒素ガス雰囲気中で加熱ろう
付けを行なった。以下、実施例によって説明する。
【表3】 表3に接合強度の測定結果を示す。比較例のKSiF
95重量%、AlF5重量%の混合物では、フィレ
ットの形成が少なく強度が低いが、AlFが20重量
%では6.6kgf/mmの強度が得られるようにな
る。しかしAlFが多くなると接合強度は著しく減少
する。またフッ化ケイ素化合物のKSiFの一部を
NaSiFに置き換えてもほとんど変わらない値を
示した。
【0010】また本発明はろう材を供給することなくフ
ィレットを形成しろう付けが得られるが、別途にアルミ
ニウム粉末をさらに混合する場合がある。これは前述の
ごとく混合物の加熱によってSiが析出し、同時にAl
粉末と拡散反応を呈しろう材量が増加するためで、ろう
付け性と同時に接合部の強度の改善に効果がある。以下
実施例によって説明する。本発明のKSiF80重
量%,AlF20重量%からなるフッ化ケイ素含有混
合物80重量%とAl粉末20重量%とを混合したもの
と、同様にフッ化ケイ素含有混合物50重量%とAl粉
末50重量%とを混合したものを用いて、ろう付け強度
試験を行なった。ろう付け法は上記実施例と同様で、そ
の結果を表4.に示す。
【表4】 接合強度は著しく向上し、母材切断(強度10Kgf/
mm以上)するほど高い値を示した。Al粉末の添加
は強度の改善に効果があるが、50重量%以上は融点を
上昇させるため適当でない。
【0011】
【効果】本発明混合物は以上述べたように構成され、ブ
レージングシートを用いないでろう付けが可能となり、
熱交換器のろう付けなどにおいては材料費を低減した低
コストの製品製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ろう付け性評価に用いた試験片
【図2】 接合部断面のフィレットからのろう付け性の
評価分類
【図3】 接合部強度試験に用いた試験片
【符号の説明】
1. 3003材 2. 断面の接合部フィレット 3. 接合部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01B 33/10 C01B 33/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部表面に SiF 40〜80重量
    %,AlF 20〜60重量%よりなるフッ化物の混合
    を塗布した後、600℃前後の非酸化性雰囲気で加熱
    し、該混合物中からSiを析出させた後、アルミニウム
    母材表面と拡散反応させて、Al−Si合金の液相を生
    成させて、これにより接合することを特徴とする反応型
    アルミニウムろう付け法。
  2. 【請求項2】上記混合物中にアルミニウムまたはアルミ
    ニウム合金粉末を混合させた請求項1に記載のろう付け
    方法。
  3. 【請求項3】上記KSiFの一部をNaSiF
    またはZnSiFに代替した請求項1に記載の該混合
    物を用いたろう付け方法。
  4. 【請求項4】 上記AlFの一部をZnF,Ca
    ,CsF,LiF,NaF,KF及びZrFのフ
    ッ化物の少なくとも一つと代替した該混合物を用いた請
    求項1に記載のろう付け法。
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