JP2880238B2 - 給紙装置における重送防止用ゴム部材 - Google Patents

給紙装置における重送防止用ゴム部材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、普通紙複写機(以下「PPC」と略す),
フアクシミリ等の給紙装置に用いられる重送防止用ゴム
部材に関するものである。
〔従来の技術〕
PPCやフアクシミリ等の給紙装置では、従来から、紙
が2枚以上重なつて送り込まれないよう、重送防止手段
が講じられている。例えば、第1図に示すように、給紙
ローラ1に対して重送防止用のゴム板2を対設し、給紙
ローラ1に沿つて紙3が2枚以上送り込まれた場合に
は、上記ゴム板2によつて、2枚目以下の紙3の進行を
妨げるようにしている(捌きパツド方式)。あるいは、
第2図に示すように、給紙ローラ1と引つ張りローラ対
4,4aの間に設けられる正転ローラ5に、重送防止用のゴ
ムローラ6を対設し、このゴムローラ6によつて余分に
送られたきた紙3の進行を妨げるようにしている(逆転
ローラ捌き方式)。
このような重送防止用のゴム板2やゴムローラ6に用
いられるゴム部材としては、一般に、天然ゴム,スチレ
ン−ブタジエンゴム,ブチルゴム,ハイパロン(クロロ
スルホン化ポリエチレン),エチレン−プロピレンゴム
等の合成ゴム材料や、ポリウレタン等のウレタン材料等
が使用されており、ゴム状弾性体特有の摩擦特性(粘着
によるもの80%と変性に伴うヒステリシス損失20%とを
併せたものが摩擦力となつている)によつて、余分な紙
3の進行を妨げる。しかし、このような摩擦特性のゴム
からなるゴム部材では、ゴムと紙とが密着して離れる際
に、静摩擦力と動摩擦力とが交互に発生し、両摩擦力の
差が大きいためステイツクスリツプ現象が生じる。そし
て、その振動によつていわゆる「鳴き」(不快なきしみ
音)が発生し、問題となつている。
そこで、この「鳴き」の防止策として、ゴム中にコル
ク粒子を混入させて紙とゴムとの密着性を弱め、静−動
摩擦力の差を少なくしてステイツクスリツプ現象の発生
を防止することが提案され一部で実用化されている(特
公昭62-56061号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記コルク粒子の混入によつてステイ
ツクスリツプ現象はある程度解消するものの、使用の継
続によりコルク粒子よりも軟質なゴムの表面が摩耗し
て、第3図に示すように、ゴム部分8からコルク粒子7
が突出するようになる。このため、この突出部分に紙が
引つ掛かつて紙詰まり等のトラブルが生じやすくなる。
このように、コルク粒子7の混入によつても、給紙に伴
うトラブルを完全に解消することができず、その解決が
望まれていた。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、
紙とゴムの密着による「鳴き」の発生を防止し、かつ長
期にわたつてトラブルのない円滑な給紙を維持すること
のできる重送防止用ゴム部材の提供をその目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の給紙装置にお
ける重送防止用ゴム部材は、全体が、シリコン−エチレ
ンプロピレン混合ゴムを主成分とするゴム組成物によつ
て構成され、かつその表面が粗面化されて紙との摩擦係
数が0.7〜2.5に設定されているという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この発明の給紙装置における重送防止用ゴ
ム部材は、コルク粒子のような異物を混入して紙とゴム
との密着を阻止するのではなく、ゴム自体の改良を図つ
たもので、紙との密着性に乏しいような特殊なゴム、す
なわちシリコン−エチレンプロピレン混合ゴムを選定し
て用い、しかもその表面を粗面化することにより「鳴
き」を防止するようにしたものである。
つぎに、この発明を詳細に説明する。
この発明の給紙装置における重送防止用ゴム部材は、
全体がシリコン−エチレンプロピレン混合ゴム(SEP)
を主成分とするゴム組成物によつて構成されている。こ
のゴムは、静−動摩擦係数の差が小さいのが特徴であ
り、従来から重送防止用ゴム部材に用いられているゴム
に比べ紙への密着力が弱く、滑らかなものである。
なお、上記ゴム組成物には、上記SEPの他、必要に応
じて架橋剤(加硫剤),加硫促進剤,補強剤,可塑剤,
帯電防止剤等の添加剤が適宜配合される。
この発明のゴム部材は、上記ゴム組成物材料を用い、
例えばつぎのようにして製造することができる。すなわ
ち、上記ゴム組成物材料を所定割合で配合し、均一に混
練する。そして、パーオキサイド架橋等によつてゴム部
分を三次元的に架橋して目的とするゴム部材を得ること
ができる。このゴム部材は、板状に成形して第1図に示
すような重送防止用ゴム板2として用いるようにしても
よいし、あるいは金型によりロール芯金表面に架橋した
ゴム層を形成させることにより、第2図に示すような重
送防止用ゴムロール6として用いるようにしてもよい。
ただし、この発明では、このようにして得られたゴム部
材の紙と接する表面を、バフ掛けや研磨等の仕上げ加工
によつて粗面化することが必要である。すなわち、紙と
接する表面を粗面化することにより、一層紙への密着性
を低下させてステイツクスリツプ現象を防止し、「鳴
き」を解消することができる。
このようにして得られた重送防止用ゴム板あるいは重
送防止用ゴムローラを組み込んだ給紙装置は、紙送り込
み時に「鳴き」が生じず、また、紙詰まり等のトラブル
も生じない。そして、この効果は、長期の使用によつて
も薄れることがない。
つぎに、実施例を比較例と併せて説明する。
〔実施例、比較例1,2〕 下記の表に示す材料を用い、前記方法に従つて重送防
止用ゴムロール(第2図参照)を作製した。そして、こ
のゴムロールの未使用時の摩擦係数を測定するととも
に、実際にPPCに組み込んで10万枚の複写に使用した時
点で再度摩擦係数を測定した。また、この10万枚の複写
を行う間に何回「鳴き」が発生するかをカウントし、
「鳴き」発生率を算出した。これらの結果を下記の表に
示す。
上記の結果から、実施例品は、「鳴き」が効果的に防
止されていることがわかる。また、摩擦係数について
も、未使用時、10万回複写後ともに好ましい値であるこ
とがわかる。これに対し、比較例品は、ともに「鳴き」
が頻繁に発生している。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の給紙装置における重送防止
用ゴム部材は、全体がSEPによつて構成され、しかもこ
のゴム表面が仕上げ加工によつて粗面化されているた
め、給紙装置に組み込んだ場合に、ゴム部材と紙との密
着力が弱く、「鳴き」が生じないという優れた効果を奏
する。そして、この効果は、長期の使用によつても薄れ
ることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの発明が対象とする重送防止用
ゴム部材の使用態様を示す説明図、第3図は従来のゴム
部材の問題点の説明図である。 2……重送防止用ゴム板、6……重送防止用ゴムローラ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体が、シリコン−エチレンプロピレン混
    合ゴムを主成分とするゴム組成物によつて構成され、か
    つその表面が粗面化されて紙との摩擦係数が0.7〜2.5に
    設定されていることを特徴とする給紙装置における重送
    防止用ゴム部材。
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JPH10181912A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Minolta Co Ltd 給紙装置
US5932313A (en) * 1997-04-17 1999-08-03 Lexmark International, Inc. Rubber-based paper feed rollers
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