JP2879388B2 - 積層金属蒸着プラスチックフィルム - Google Patents

積層金属蒸着プラスチックフィルム

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JP2879388B2
JP2879388B2 JP35048291A JP35048291A JP2879388B2 JP 2879388 B2 JP2879388 B2 JP 2879388B2 JP 35048291 A JP35048291 A JP 35048291A JP 35048291 A JP35048291 A JP 35048291A JP 2879388 B2 JP2879388 B2 JP 2879388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は三層共押出法によって得
られる複合フィルムに関し、詳しくは積層金属蒸着プラ
スチックフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系無延伸の金属蒸着フィ
ルムは、表面光沢度と低温ヒートシール適性も有すると
いう特徴を活用し、スナック菓子包装用を主体に、二軸
延伸ポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムと
貼り合わされたラミネートフィルムとして食品包装用に
広く使用されている。
【0003】しかしながら、単層の無延伸蒸着フィルム
は、製袋加工でヒートシールした部分が、白化して蒸着
面の再結晶により蒸着膜のクラック現象が発生し、蒸着
膜の接着強度の低下とガスバリヤー性の低下が生じる問
題がある。この改善として本研究者等が特願昭61−1209
13号において提案したような蒸着面の樹脂膜とヒートシ
ール面に使用される樹脂膜との間に融点の格差を付ける
方法で、蒸着膜の製袋加工時のヒートシール部の白化現
象によるガスバリヤー性の低下は改善されている。
【0004】最近の蒸着フィルムは採算性の向上と生産
効率の改善から、広幅化と長尺巻が必要となり、蒸着用
に使用されるフィルムに長尺巻に耐え得るブロッキング
防止性と剛性の改善が必要となっている。更に、ラミネ
ートフィルムを製袋加工する工程で、高速製袋加工と小
袋製袋加工での折角の鋭角化等による包装形態の変化
で、包装材料にかかる機器応力が強くなり、応力の高化
により蒸着膜に微細なクラックが発生し、ガスバリヤー
性が低下する問題がクローズアップされ、従来の単層蒸
着プロピレンフィルムや本発明者等が提案した積層金属
蒸着フィルムにおいては、これらの改善が図れない等の
問題がある。
【0005】また、自動充填包装機の製袋速度の高速化
が可能になり、短いヒートシール時間での接着とヒート
シール直後にかかる内封物の荷重に耐え得るヒートシー
ル強度の保持(ホットタック性)が可能な金属蒸着フィ
ルムの開発要求が強くなり、機械応力の高化によるガス
バリヤー性の低下が無く、高速製袋が可能な低温ヒート
シール性とホットタック性を有するフィルムの開発が急
がれる現状となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決するため、特定の組成物からなる(A)
層での蒸着強度の改善と、芯層である(B)層に立体規
則性(P)が0.970 以上の高結晶性プロピレン重合体か
らなる層を全体の厚みに対し20%以上の割合で用いる事
により、長尺巻に対応できる寸法安定性と製袋後のガス
バリヤー性に優れた共押出積層金属蒸着プラスチックフ
ィルムを提供することを可能とし、低い結晶融点からな
るプロピレン共重合体に特定のエチレン−ブテン共重合
体と直鎖状低密度エチレン系重合体及び特定のカルシウ
ム・ソディウム・アルミノ・シリケートを配合してなる
(C)層を有する事で高速充填包装に使用可能な共押出
積層金属蒸着プラスチックフィルムを提供する事を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、三層共押出法
によって、(B)層の両面に(A)、(C)層が積層さ
れた複合フィルムにおいて、(A)層は、結晶性プロピ
レン系重合体100 重量部に、密度0.930g/cm3 以下の直
鎖状低密度エチレン系重合体1〜30重量部と密度0.950g
/cm3 以上の高密度エチレン系重合体1〜10重量部を配
合してなる組成物からなる層、(B)層は、結晶性プロ
ピレン系重合体であり、立体規則性(P)が0.970 以上
である組成物からなる層、(C)層は、結晶融点(T
m)が140℃以下で結晶性プロピレン系共重合体100 重
量部に、ブテン濃度が10〜40モル%であるエチレン−ブ
テン共重合体1〜15重量部および密度0.930 以下の直鎖
状低密度エチレン重合体1〜20重量部を配合してなる組
成物からなる層である。
【0008】本発明の共押出積層金属蒸着プラスチック
フィルムは、表層が金属蒸着強度の優れたプラスチック
樹脂の層であり、シーラント層が特定の組成物からなる
ホットタック性に優れ高速充填が可能な層を有する共押
出積層フィルムである。本発明における結晶性プロピレ
ン系重合体とは、例えばチーグラー・ナッタ型の触媒の
存在下でプロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα
−オレフィン(エチレン、ブテン、4−メチルペンテ
ン、オクテンなど)、不飽和カルボン酸もしくはその誘
導体(アクリル酸、無水マレイン酸など)とのブロック
共重合体、またはそれらの混合物である。
【0009】ここで、プロピレン系重合体の立体規則性
(P)は、結晶性プロピレン系重合体の沸騰n−ヘプタ
ン不溶分のアイソタクチックペンダット分率を示す(エ
イ・ザンベルら、Macromolecules, 6, 925(1973))。即
ち、13C−NMR(核磁気共鳴分光器)を使用して測定
される結晶性プロピレン系重合体分子鎖中のペンダッド
単位でのアイソタクチック分率である。
【0010】(B)層の芯層に使用する結晶性プロピレ
ン系重合体の立体規則性(P)は、0.970 以上であり、
沸騰n−ヘプタンの不溶分が95%以上の高結晶プロピレ
ン重合体が特に望ましく、立体規則性(P)が0.970 よ
り低い場合は、長尺巻の巻芯部のフィルムがブロッキン
グしたり、二軸延伸ポリプロピレンフィルムやポリエス
テルフィルムとのラミネートフィルムを製袋する工程や
縦ピロー型の自動充填包装工程で生産した袋のガスバリ
ヤーが著しく低下し、好ましくない。沸騰n−ヘプタン
の不溶分が95%より低い場合も同様な問題を生じる。
【0011】更に積層フィルムの全体の厚みに対し
(B)層の厚みが20%以上であることが好ましい。20%
より低くなると、立体規則性(P)が0.970 より低い場
合と同様に、長尺巻フィルムの巻芯部に皺が発生すると
共に、8,000 〜12,000m程度の巻長で製品を作成して
も、ラミネート後の製袋加工前後でのガスバリヤー性の
変動が大きく、実質、蒸着フィルムのガスバリヤー性の
低下となる。
【0012】尚、本発明に使用する結晶性プロピレン系
重合体のメルトフローレート(MFR)(JIS K 7210-19
76に基づく、試験条件14 (230 ℃、2.16kgf)で測定) は
共押出積層法のTダイ・チルロール法にて厚みが均一な
積層フィルムを呈することができれば特に限定されない
が、好ましくは1〜30g/10min の範囲であり、特に好
ましくは、3〜20g/10min の範囲である。
【0013】本発明の積層金属蒸着プラスチックフィル
ムは、(A)/(B)/(C)の順に積層され、好まし
くは、(A)層の表面に金属が蒸着されたフィルムであ
り、(A)層は、結晶性プロピレン系重合体100 重量部
に密度0.930g/cm3 以下の直鎖状低密度エチレン系重合
体1〜30重量部、及び密度0.950g/cm3 以上の高密度エ
チレン系重合体1〜10重量部を配合してなる組成物から
なる層であるが、密度0.930g/cm3 より大きい直鎖状低
密度エチレン系重合体を用いた場合は、蒸着強度の向上
効果が無く、製袋品で包装機の応力によるガスバリヤー
性の低下が生じ好ましくない。また密度0.930g/cm3
下の直鎖状低密度エチレン系重合体を1〜30重量部配合
した場合、蒸着強度自体は向上するが、剛性の低下によ
り製袋品のガスバリヤー性は低下し、密度0.950g/cm3
以上の高密度エチレン系重合体を1〜10重量部配合する
ことにより、製袋後のガスバリヤー性も良好な蒸着フィ
ルムとなる。密度0.950g/cm3 より小さい高密度エチレ
ン系重合体では、製袋品のガスバリヤー性の低下を防止
する効果は無く、また、密度0.950g/cm3 以上の高密度
エチレン系重合体を10重量部より多く配合すると美麗な
光沢を示す金属蒸着フィルムとならず、好ましくない。
【0014】更に、ラミネート用のフィルムに使用され
る場合、(A)層面に金属蒸着を施し、(C)層をシー
ラントの層に使用して製袋加工する。この場合、(A)
層と(B)層だけの2層積層フィルムでは、製袋加工で
きるヒートシールの温度域では金属蒸着膜の白化とクラ
ックによるガスバリヤー性の低下が生じ、本発明の高速
製袋加工後の製袋品のガスバリヤー製を保持する目的に
合わず好ましくない。(C)層に使用する結晶性プロピ
レン系重合体は、結晶融点(Tm)が140 ℃以下のプロ
ピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブ
テン共重合体およびプロピレンとα−オレフィンとの共
重合体が好ましく、140 ℃より高い結晶融点を示す結晶
性プロピレン共重合体では、(A)/(B)の2層積層
品と同様に、ガスバリヤー性の低下を防止した製袋品を
得ることをができず、好ましくない。
【0015】本発明における(C)層は結晶融点(T
m)が 140℃以下で結晶性プロピレン系共重合体100 重
量部に、ブテン濃度が10〜40モル%であるエチレン−ブ
テン共重合体1〜15重量部および密度0.930 以下の直鎖
状低密度エチレン系重合体1〜20重量部を配合してなる
組成物からなる層であり、ブテン濃度が10モル%より低
い場合は、低温ヒートシール性の改善効果が無く、ブテ
ン濃度が40モル%より大きい場合は結晶性を示さず、積
層金属蒸着フィルムでヒートシール層が金属蒸着面とブ
ロッキングし,金属蒸着膜の部分的な剥がれが生じ安定
したガスバリヤー性を呈する金属蒸着フィルムとならず
好ましくない。エチレン−ブテン共重合体を15重量部よ
り多く配合しても金属蒸着膜の部分的剥がれによるガス
バリヤー性の低下を生じる。またエチレン−ブテン共重
合体を1〜15重量部配合した組成物をシーラント層であ
る(C)層に使用した積層フィルムは、良好な低温ヒー
トシール性を示すが、ヒートシール直後の内容部の保持
力であるホットタック性が劣り好ましくない。本発明が
目的とする充分なシーラント層とは、ホットタック性を
保持した低温ヒートシール性の確保であり、鋭意検討の
結果、更に密度0.930g/cm3 以下の直鎖状低密度エチレ
ン重合体を1〜20重量部配合することでホットタック性
を持ち合わせたシーラント層となることが判明した。直
鎖状低密度エチレン重合体の密度0.930g/cm3 より大き
い場合は、ホットタック性の改善効果が無く、直鎖状低
密度エチレン重合体を20重量部より多く配合した場合
は、シーラント層内で剥離現象が生じヒートシール強度
の低下が発生して好ましくない。
【0016】低温ヒートシール性とホットタック性を保
持した本発明の(C)層を形成する組成物を単独使用し
て、無延伸プラスチックフィルムを作成し金属蒸着する
ことも可能であるが、該フィルムはホットタック性を保
持し、低温ヒートシール性も示す良好な蒸着フィルムと
なるものの、ラミネートフィルムを製袋加工した後のガ
スバリヤー性の低下が生じる。
【0017】(C)層に使用する組成物に配合されるカ
ルシウム・ソディウム・アルミノ・シリケート微粉末
は、天然または合成のゼオライトを2価金属でイオン交
換処理し、次いで加熱処理することにより非晶質化して
得られる。非晶質化された微粉末はゼオライトとは異な
り、X線回折法では完全に無定形で、結晶構造を示さな
いが、構成1次粒子は、ほぼサイズが揃った立方体から
球状を維持するものであり、二酸化ケイ素(SiO2)と酸
化アルミニウム(Al2O3)を主成分とするもので、酸化ナ
トリウム(Na2O)及び酸化カルシウム(CaO )などを含
有している。
【0018】本発明におけるカルシウム・ソディウム・
アルミノ・シリケート微粉末は、化学組成で、以下の組
成範囲にある物が好ましい。 SiO2 : 53 〜56重量% Al2O3 : 25 〜28重量% CaO : 8〜11重量% Na2O : 4〜8重量% 強熱減量: 4重量%以下 尚、本発明における化学組成の分析のうち、強熱減量
(Ig-LOSS)、二酸化ケイ素(SiO2) 、酸化アルミニウム
(Al2O3)および酸化ナトリウム(Na2O)については、JI
S M 8852に準拠して測定した。CaO については原子吸光
法を用いた。
【0019】また、平均粒径は、コールカウンター法に
よる累積分布図から平均粒径を求めた。本発明に使用す
るカルシウム・ソディウム・アルミノ・シリケート微粉
末の平均粒径は、1.0 〜6.0 μの範囲が好ましく、1.0
μより小さい場合はブロッキングの防止効果が無く、金
属蒸着する工程でフィルムを巻き返す場合に破れが生じ
る。平均粒径が6.0 μより大きい場合は、ブロッキング
は発生しないが、微粉末に起因した大粒の凝集物が発生
したときにはフィルムに穴あきが発生して好ましくな
い。
【0020】本発明で使用するカルシウム・ソディウム
・アルミノ・シリケートを、0.01〜1.00重量部添加して
なる組成物を表面に使用するが、1.00重量部を越すと、
分散不良に大粒の凝集物が発生するとともに、ロール状
に巻いた蒸着フィルムのシーラント層の面と蒸着面がす
りあわされて蒸着面に傷が付きやすくなり、しいては蒸
着膜の剥がれとガスバリヤー性低下が生じて好ましくな
い。
【0021】カルシウム・ソディウム・アルミノ・シリ
ケートは真球度(Fx)で0.85以上の範囲にあるものが
好ましい。ここで、真球度(Fx)とは以下の式で表さ
れる係数を示し、真球の場合は係数Fxが1.0 となる。 (Fx)2=R1 ×R2 /(R1)2 (ここで、Fxは微粉末の真球度の係数であり、R1
2 は微粉末を電子顕微鏡で拡大撮影し、単一粒子の粒
子写真輪郭の外接半径(R1)と内接半径(R2)を示
す。)真球度の係数Fxが1.0 の真球物、例えば熱硬化
性真球状シリコーン樹脂は、フィルムの滑り性は改善さ
れ動摩擦係数は低くなるが、フィルム間のブロッキング
及び蒸着フィルムのブロッキングの防止効果は無く、蒸
着フィルムの巻芯部の皺の発生を防止できないが、本発
明に使用されるカルシウム・ソディウム・アルミノ・シ
リケートは、Fxが1.0 の場合にも良好なブロッキング
防止の効果を示す。真球度の係数Fxが0.85より低い場
合は、ブロッキングの防止効果が無く好ましくない。
【0022】本発明の共押出積層金属蒸着プラスチック
フィルムは(A)/(B)/(C)の順に積層され、
(A)層の表面に金属蒸着されたフィルムであるが、
(A)層と(C)層を形成する組成物は、それぞれの結
晶性プロピレン系重合体の立体規則性(P)と
(P)が式(1)と式(2)を満足する立体規則性を
有する結晶性プロピレン系重合体が好ましい。 (P)≧(P)>(P) (1) b・(P)+a・(P)+c・(P)>0.87 (2) ここで、a,b,cは、順に(A)層、(B)層、
(C)層それぞれのフィルム全体の厚みに対する厚み比
を示す(但し、a、b、cは0でない)。
【0023】(P)が(P)以下の場合は、ヒート
シールした部分の蒸着面が白化して蒸着膜のクラック現
象によるガスバリヤー性の低下が生じる。各層の厚み比
と立体規則性の積の和が0.87以下であると、自動充
填包装した後の包装袋でガスバリヤー性が低下する。
た本発明の積層金属蒸着プラスチックフィルムを使用
し、金属蒸着膜を洗浄後(アルミニウムの場合はアルカ
リ水溶液で洗浄)、フィルム自体の立体規則性を測定す
る事で本発明の式(2)を満足するフィルムである事が
わかる。
【0024】本発明の共押出積層金属蒸着フィルムに用
いる組成物にあっては、通常プロピレン重合体に添加さ
れる酸化防止剤(リン系酸化防止剤、フェノール系酸化
防止剤など)及び中和剤(ゼオライト、ハイドロタルサ
イトなど)、アンチブロッキング剤(シリカ、真球状熱
硬化性樹脂、ケイ酸アルミニウムなど)等を本発明の目
的を損なわない範囲で使用することができる。
【0025】本発明の共押出積層金属蒸着フィルムは、
(A)/(B)/(C)の順に積層され、(A)層面に
金属蒸着された金属蒸着プラスチックフィルムであり、
各層の組成物は、特定の配合物を所定の配合割合で通常
の攪拌混合機、例えばヘンシェルミキサー(商品名)、
スーパーミキサーもしくはリボンブレンダーを用いて攪
拌混合することによって得られ、また、該混合物を通常
の単軸押出機、二軸押出機、ロールなどで溶融混練して
ペレット化することによってペレットとして得ることも
できる。更にカルシウム・ソディウム・アルミノ・シリ
ケートを単独に結晶性プロピレン系重合体に配合してペ
レット化したもの、および各重合体の単独ペレットを結
晶性プロピレン系重合体のペレットと所定の配合割合に
なるようにブレンダーを用いてペレットブレンドするこ
とによっても得ることができる。本発明の(A)、
(B)、(C)層を含有する共押出積層フィルムの積層
の方法は、3台以上の押出機を用いて溶融押出し、共押
出多層ダイス法、フィードブロック法等の公知の方法で
溶融状態で積層した後、冷却ロールで70℃以下に急冷す
るTダイ・チルロール法が厚みの均一による長尺巻フィ
ルムを作成する上で好ましい。
【0026】このようにして得られた共押出積層フィル
ムの(A)層面に、金属を蒸着するが、(A)層面には
蒸着膜の接着性を向上されるために表面処理を施すこと
が望ましい。この表面処理の方法はコロナ、放電処理、
火炎処理および酸処理等、いずれでもよいが、積層フィ
ルムを連続的に処理でき、かつ、製膜時に巻き取る前に
容易に実施でき、処理の度合も任意に調整できるコロナ
放電処理が最も望ましい。尚、表面処理に関しては加熱
下または不活性ガスの雰囲気下でコロナ放電もしくはプ
ラズマ放電等の効果促進手法を用いても良い。
【0027】次に、この共押出積層フィルムの(A)層
面に金属を蒸着する方法は、真空蒸着法、すなわち真空
蒸着装置内で装置内の気圧を10-3〜10-6Torr程度に減圧
し、アルミニウム、ニッケル、金、銀等の目的とする金
属塊状物を超音波等の誘導加熱方式にて溶解蒸発させ、
蒸発分子をフィルムの表面に連続的に蒸着させて巻き取
る方法が一般的であるが、その他に、公知のスパッタリ
ング蒸着やイオンプレーディング法等によっても可能で
ある。尚、蒸着させる金属としてはアルミニウム、金、
銀、銅、ニッケル、クロム、ゲルマニウム、シリカ等が
挙げられるが、食品包装に志向されているアルミニウム
が特に好ましく、本発明の積層金属蒸着プラスチックフ
ィルムは、このアルミニウムを蒸着したフィルムで特に
優れた効果を発揮する。
【0028】金属蒸着の厚さは、通常百から数百オング
ストローム程度が接着性及び耐久性と経済性の面で望ま
しい。このようにして得られた本発明の共押出積層金属
蒸着フィルムは、それ自体でも蒸着強度が強くガスバリ
ヤー性に優れた金属蒸着フィルムであり、有用な発明と
なり、蒸着面にアンカーコートした後、延伸ポリプロピ
レンフィルム、ポリエステル(PET)、ナイロン及び
エバール等の多種フィルム等とラミネートし、ポテトチ
ップ等の油性スナック菓子の包装袋及び自動充填包装袋
に使用される。特に本発明の積層金属蒸着フィルムは、
製袋及び自動充填包装の工程で高速製袋が可能となり、
優れたホットタック性を有し、酸素、窒素等のガスバリ
ヤー性が製袋品となった後も変化せず、包装食品の長期
保存に優れる包装袋を呈することができ、本発明の目的
を達成するに至った。
【0029】本発明における特性の測定及び評価は、以
下の方法及び基準で行った。 (1) メルトフローレート(MFR):JIS K 7210-1976
試験条件14 (230 ℃−2.16kgf)に基づき測定した。(単
位:g/10 min)。 (2) 真球度(Fx): (Fx)2=R1 ×R2 /(R1)2 走査型 (ここで、Fxは微粉末の真球度の係数であり、R1
2 は微粉末を電子顕微鏡で拡大撮影し、単一粒子の粒
子写真輪郭の外接半径(R1)と内接半径(R2)を示
す)。
【0030】(3) 蒸着フィルムの蒸着強度:蒸着フィル
ムの蒸着膜側とサーリンフィルム(タマポリ社製アイオ
ノマー)をシール温度120 ℃、シール圧力 2.0kg/cm
2 、シール時間 1.0秒の条件で幅10mm×15mmのシールを
行い、90℃の剥離強度を引張速度300m/分で東洋精機
(株)製の引張試験機により測定した。(単位:g/15
mm)。
【0031】(4) 結晶融点(Tm):走査型差動熱量計
(略称;DSC)を用いて、10mgの試料をセットし、昇
温速度20℃/min にて室温より昇温し、結晶の融解に伴
う吸熱カーブを測定し、融解に伴う吸熱カーブのピーク
温度をTm(単位:℃)とする。
【0032】(5) 立体規則性(P):結晶性プロピレン
系重合体の沸騰n−ヘプタン不溶分をFT−NMR(フ
ーリエ変換核磁気共鳴分光器)の270 MHzの装置を用
い、27,000回の積算測定により、シグナル検出限界をア
イソタクチックペンダント分率で0.001 までに向上させ
て行った。結晶性プロピレン系重合体の沸騰n−ヘプタ
ン不溶分は、5gの結晶性プロピレン系重合体を 500ml
の沸騰キシレン中に全溶解し、これを5リットルのメタ
ノールに投入析出させたものを回収乾燥後、沸騰n−ヘ
プタンで6時間ソックスレー抽出した抽出残を使用し
た。
【0033】(6) ガスバリヤー性:300 オングストロー
ムのアルミニウムを蒸着した無延伸フィルムを使用し、
二軸延伸ポリプロピレンの厚み25μフィルムにウレタン
系接着剤を用い、ドライラミネートを実施したのち乾燥
してラミネートフィルムを作成した。作成したラミネー
トフィルムを高速ピロー自動充填機(FA−350 E:ト
タニ技研工業(株)製)にて1分間に 120袋の高速製袋
を行い、製袋前のラミネートフィルムの酸素透過率と製
袋後の酸素透過率を東洋精機(株) 製気体透過率測定機
"M−C3”にて測定した。
【0034】各ラミネートフィルムの製袋前後の酸素透
過率の変化率を以下の式で示し、変化率が小さいものが
ガスバリヤー性は良好である。 △GTR=GTR2 /GTR1 △GTRは酸素透過率の変化率、GTR1 は製袋前の酸
素透過率、GTR2 は製袋後の酸素透過率。
【0035】(7) ヒートシール性: シール強度500g/15mmの得られるシール温度(℃) シール条件:東洋精機製熱傾斜式シール温度測定器、シ
ール圧力1kg/cm2・G 1秒間 引張試験:試料片幅15mm 引張速度 300m/min 。
【0036】(8) ホットタック性: シール温度が130 ℃及び140 ℃での剥離長(mm) シール条件:東洋精機製シールバー式シール温度測定
機、シール圧力2kg/cm2 1秒間、90g荷重 測定方法:幅10mm、長さ 300mmのシールバーの長手方向
とフィルムの流れ方向が平行になるように、幅30mm、長
さ1mのラミネートフィルムのシーラント面を合わせた
2枚の試料をセットし、所定のヒートシール条件でヒー
トシールした直後に、シールバーの長手方向に平行に各
々の試料片に45g(計90g)の荷重を架ける(自然落
下)。この時、2枚の試料片の間に位置を固定した邪魔
板を挿入してあり、2枚の試料片のシール部がシール直
後各々45gの荷重で剥離される。この剥離長(最大 300
mm)を測定し、ホットタック性の尺度とする。ホットタ
ック性はこの剥離長が短い程良好である。
【0037】
【発明の効果】本発明の積層金属蒸着プラスチックフィ
ルムは優れたガスバリヤー性を有し、延伸ポリプロピレ
ンフィルムやポリエステルフィルムとのドライラミネー
トフィルムで製袋加工後も、そのガスバリヤー性が安定
した性能を有し、食品包装において長期保存が可能な包
装袋を作成することができる。
【0038】更に、高速充填速度の充填包装において、
市場の要求する製袋高速度の高速化と、破袋や底抜けの
ない自動充填包装が可能となり、充填包装の効率が大幅
に改善され、包装形態の作業効率と生産効率が向上した
蒸着フィルムを作成することができるものであり、広い
用途に応用できる。
【0039】
【実施例】以下、実施例、比較例を用いて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定され
るものではない。 実施例1〜16、比較例1〜16 表1〜表5に示した各社特性の組成物を使用し、3種3
層の共押出積層プラスチックフィルムを作成し、次に巻
取り型真空蒸着装置を用いて1×10-5Torrの真空下でプ
ラスチックフィルムにアルミニウム蒸着を施して巻取
り、蒸着膜の厚みが約 300オングストロームの片面蒸着
フィルムを得た。更に得られた片面蒸着フィルムの蒸着
面と25μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処
理面をウレタン系接着剤でドライラミネートし、得られ
たラミネートフィルムを180 袋/1分の製袋速度で製袋
した。
【0040】各工程で得られた蒸着フィルム及びラミネ
ートフィルムと製袋品の特性値を表6に記した。表6か
ら明らかなように本発明の構成からなる実施例1〜16は
いずれの特性も優れており、特に(B)層用として結晶
性プロピレン系重合体の立体規則性(P)が 0.920の重
合体を用いた比較例1の蒸着フィルムに比して、製袋前
後の酸素透過率の変化であるガスバリヤー性が非常に小
さく良好で、かつ、蒸着フィルム及びラミネートフィル
ムが低温ヒートシール性とホットタック性の両特性に優
れた性能を有したフィルムである事がわかる。一方、表
7に示した比較例1〜16の蒸着フィルム及びラミネート
フィルムは、いずれかの特性が実施例の各例に比して劣
り、好ましくない。
【0041】実施例17、18 実施例11において、(C)層の組成物 100重量部に、結
晶性プロピレン単独重合体 100重量部に対し平均粒径3
μと6μのカルシウム・ソディウム・アルミノ・シリケ
ートをそれぞれ2重量部配合してペレット化した組成物
を10重量部配合して、実施例11と同様に3種3層の積層
プラスチックフィルムを作成し、金属蒸着した後、OP
Pフィルムとラミネートした後、製袋装置にて袋を作成
した。
【0042】得られた金属蒸着プラスチックフィルムは
本発明の目的とした全ての特性に優れ、特にシーラント
層と金属蒸着面のブロッキングが無く、得られた蒸着フ
ィルムのガスバリヤー性が更に向上した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三層共押出法によって(B)層の両面に
    (A)、(C)層が積層された複合フィルムにおいて、 (A)層は、結晶性プロピレン系重合体 100重量部に、
    密度0.930g/cm3 以下の直鎖状低密度エチレン系重合体
    1〜30重量部と密度0.950g/cm3 以上の高密度エチレン
    系重合体1〜10重量部を配合してなる組成物からなる
    層、 (B)層は、結晶性プロピレン系重合体であり、立体規
    則性(P)が 0.970以上である組成物からなる層、 (C)層は、結晶融点(Tm)が140 ℃以下で結晶性プ
    ロピレン系共重合体100重量部に、ブテン濃度が10〜40
    モル%であるエチレン−ブテン共重合体1〜15重量部お
    よび密度 0.930以下の直鎖状低密度エチレン重合体1〜
    20重量部を配合してなる組成物からなる層、 であることを特徴とする共押出積層金属蒸着プラスチッ
    クフィルム。
  2. 【請求項2】 (A)/(B)/(C)の順に積層さ
    れ、(B)層の厚みがフィルム全体の厚みの20%以上を
    有し、(A)層面に金属を蒸着する請求項1記載の共押
    出積層金属蒸着プラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】 (A)層に使用する結晶性プロピレン重
    合体の立体規則性(P)と(C)層に使用する結晶性
    プロピレン共重合体の立体規則性(P)が(B)層に
    使用するプロピレン重合体の立体規則性(P)式と次式
    の関係にある事を特徴とする請求項1記載の共押出積層
    金属蒸着プラスチックフィルム。 (P)≧(P)>(P) (1) b・(P)+a・(P)+c・(P)>0.87 (2) ここで、a,b,cは、順に(A)層、(B)層、
    (C)層それぞれのフィルム全体の厚みに対する厚み比
    を示す(但しa、b、cは0ではない。)
  4. 【請求項4】 (C)層の組成物100 重量部に、真球度
    0.85以上、平均粒径1〜6μのカルシウム・ソディウム
    ・アルミノ・シリケートを0.01〜1.00重量部を配合する
    請求項1記載の積層金属蒸着フィルム。
  5. 【請求項5】 Tダイ・チルロール冷却法で製造してな
    る請求項1記載の共押出積層金属蒸着プラスチックフィ
    ルム。
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