JP2879063B2 - ポリペプチド類においてノルロイシン含有量を制御するための発酵培地および方法 - Google Patents

ポリペプチド類においてノルロイシン含有量を制御するための発酵培地および方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は生化学エンジニアリングの分野に属する。さ
らに詳しくは、本発明はポリペプチド類を生産するため
の発酵方法およびそれにより生産されたポリペプチド類
に関する。
発明の背景 微生物類を培養するための合成培地されかつ化学的に
はっきりとした培地はよく知られている。細菌を培養す
るための通常の栄養培地は異種ポリペプチド類を生産で
きる組換体細菌を増殖させるのに使用されてきた。酵母
エキスのごときアミノ酸源およびカザミノ酸源は、通
常、発酵期間を通じて発酵培地に高濃度で含まれる。か
かるアミノ酸は高価である。従って、同時に良質の望ま
しいポリペプチド類の発現を高レベルに維持しつつ、発
酵培地において補足アミノ酸の量を減少させることは有
用であろう。
情報の開示 ノルロイシンは微生物代謝におけるメチオニンの類似
体として作用することは公知である。外因性ノルロイシ
ンを供給することによるメチオニン利用の競合的抑制に
よってイー・コリ(E.coli)増殖が妨げられたことが報
告されている(ジェイ・ハリスおよびエイチ・アイ・コ
ーン(J.S.Harris and H.I.Kohn)、ジャーナル・オブ
・ファルマコロジー(J.Pharmacol.),73,383〜400頁
(1941))。ノルロイシン補足が最適下濃度のメチオニ
ンを含有する培地におけるイー・コリのメチオニン要求
株の増殖を増大させたことも観察されている(ジェイ・
オー・ランペンおよびエム・ジェイ・ジョーンズ(J.O.
Lampen,and M.J.Jones)、アーカイブズ・オブ・バイオ
ケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch.Bio
chem.Biophys.),13,47〜53頁(1947))。しかしなが
ら、ノルロイシンの生物学的役割を調べる研究は外因性
アミノ酸源として供給されたノルロイシンを使用してき
たに過ぎない。
アール・ムニエおよびジイ・エヌ・コーヘン[R.Muni
er and G.N.Cohen)、ビオシミカ・エ・ビオフィジカ・
アクタ(Biochim.Biophys.Acta.),31,378−90頁(195
9)]は、外因的に供給したノルロイシンはメチオニン
の代わりに細菌蛋白にin vivoにて取り込まれ得ること
を示した。イー・コリ蛋白合成におけるメチオニンの代
わりとしてのノルロイシンの運命についての詳細な研究
は、ノルロイシンがイー・コリ蛋白類に取り込まれる能
力を支持する(デイ・ジイ・バーカーおよびシイ・ジェ
イ・ブルトン(D.G.Barker and C.J.Bruton)、ジャー
ナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Bio
l.),133,217〜31頁(1979))。ノルロイシンはin vit
roおよびin vivo双方においてtRNAMetおよびtRNAfMet
チャージ(charge)し得ることが示されている。ノルロ
イシンはアミノアシル−アデニレート・コンプレックス
を形成し、メチオニル−tRNAシンテターゼの存在下でPP
iを放出する(ATP−PP1交換反応)ことが示されている
(ビイ・ニスマンおよびエム・エル・ヒルシュ(B.Nism
an and M.L.Hirsch、アヌ・インスト・パスツール(An
n.Inst.Pasteur),95,615〜34頁(1958);ジェイ・エ
ム・オールドおよびデイ・エス・ジョーンズ(J.M.Old
and D.S.Jones)、バイオケミカル・ジャーナル(Bioch
em.J.),165,367〜73頁(1977))。また、ノルロイシ
ンはイー・コリtRNAMetのアシル化においてメチオニン
と置き換わるとも示されている(ジェイ・トルピンら
(J.Trupin et al)、バイオケカル・アンド・バイフィ
ジカル・リサーチ・コミューニケーションズ(Biochem.
Biophys.Res.Commun.),24,50〜55頁(1966);エイ・
アール・フェルシュトおよびシイ・ディングウォール
(A.R.Fersht and C.Dingwall),バイオケミストリー
(Biochem.),18,1250〜56頁(1966))。加えて、ノル
ロイシル−tRNAfMetはホルミノルロイシル−tRNAfMet
容易にホルミル化され、蛋白合成を開始するのにホルミ
ルメチオニル−tRNAfMetに置き換わることができる(エ
ス・エス・ケルバーおよびエイチ・ワイスバック(S.S.
Kerwar and H.Weissbach)、アーカイブズ・オブ・バイ
オケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch.B
iochem.Biophys.),141,525−32頁(1970))。また、
メチオニンが枯渇してノルロイシンが供給された場合
に、(ほとんど絶対的にノルロイシンで)チャージされ
たtRNAMet合計パーセンテージは、合計tRNAMetの<50%
であることも示されている(バーカーおよびブルトン
(Barker and Bruton)、前掲)。ノルロイシンによる
増殖の抑制が報告されている(アール・ムニエおよびジ
イ・エヌ・コーヘン(R.Munier and G.N.Cohen)、前
掲;エス・エス・ケルバーおよびエイチ・ワイスバック
(S.S.Kerwar and H.Weissbach)、前掲;バーカーおよ
びブルトン、前掲)。
従って、外因的に供給されたノルロイシンに関するin
vivoおよびin vitro実験を通じて、ノルロイシンはメ
チオニン類似体として作用することが長い間知られてい
る一方、本発明者らは、イー・コリ培養によるノルロイ
シンの合成に関するいずれの報告も知らない。初期の報
告はノルロイシンおよび構造的に類縁の化合物ノルバリ
ンの天然の存在を引用していた。ノルロイシンは動物神
経組織中(イー・アブデルハルデンおよびケイ・ヘイン
ズ(E.Abderhalden and K.Heyns)、ツビシュル・フィ
ジオル・ケム(Zwischr.Physiol.Chem.),214,262〜66
頁(1933))で、およびトウゴマ(Ricinus communis)
種子類の成分(アール・ヌッコリニ(R.Nuccorini)、
アヌ・シム・アプル(Ann.Chim.Appl.),24,25−32頁
(1934))として見い出されており、一方、ノルバリン
はバチラス・スブチリス(Bacillus subtilis)によっ
て合成された抗菌類蛋白の成分であると報告されている
(ピイ・ナンディおよびジイ・ピイ・セン(P.Nandi an
d G.P.Sen),ネイチャー(Natuer),171,871〜72頁(1
953))。
セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)の
コンプレックス調節突然変異体によるノルロイシンの形
成が報告されている(エム・キスミら(M.Kisumi et a
l)、ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(J.Bioch
em.),80,333〜39頁(1976);エム・キスミら(M.Kisu
mi et al),アプライド・アンド・バイアロンメンタル
・マイクロバイオロジー(Appl.Environ.Microbiol.),
34,135〜38頁(1977))。ロイシン生合成酵素について
抑制解除されたエス・マルセセンス(S.marcescens)が
選択され、スレオニンデヒドラターゼを欠くイソロイシ
ン−依存性突然変異体をさらに選択するのに用いられ
た。この二重突然変異体から、フィードバック−耐性α
−イソプロピルマレートシンターゼを含有するイソロイ
シン−非依存性(スレオニン−デヒドラターゼ欠損)突
然変異体が選択された。この最終複合突然変異体はノル
ロイシンを蓄積した。
発明の要約 本発明は、一般に、発酵培地において、メチオニン濃
度を増加させるか、またはノルロイシンの量を減少させ
るか、あるいは双方を行うことを特徴とする低濃度のア
ミノよりなる発酵培地上で増殖させた微生物によって発
現されるポリペプチド類へのノルロイシンの取り込みを
減少させる方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、メチオニン源、システイ
ン源、またはロイシン源、あるいはその組み合わせの源
を培地に補足することを特徴とする低濃度のアミノ酸を
有するはっきりとした発酵培地上で増殖させた微生物に
よって発現されるポリペプチドへ類のノルロイシン取り
込みを減少させる方法に関する。ノルロイシン取り込み
はメチオニンまたはロイシン補足によって妨げることが
できる。
さらに詳しくは、該微生物は組換体微生物であり、か
く発現されるポリペプチドは異種ポリペプチドである。
また、本発明は、低濃度のアミノ酸を有し、かつメチ
オニン源、システイン源、またはロイシン源、あるいは
その組み合わせ源を補足した発酵培地に関する。
また、本発明は、メチオニンを過剰産生できる突然変
異体微生物を利用することを特徴とする微生物によって
発現されるポリペプチド類へのノルロイシン取り込みを
阻止する方法に関する。
また、本発明は、低濃度のアミノ酸を有し、かつ蛋白
の過剰発現が可能であるはっきりとした発酵培地上で微
生物を増殖させることを特徴とする該微生物によって発
現されたポリペプチド類ヘノルロイシンを取り込む方法
に関する。
また、本発明は、低濃度のアミノ酸を有し、かつノル
ロイシンを補足したはっきりとした発酵培地上で微生物
を増殖させることを特徴とする該微生物によって発現さ
れたポリペプチドヘノルロイシンを取り込む方法に関す
る。
また、低濃度のアミノ酸を有する発酵培地上でエシェ
リヒア・コリ(E.coli)を増殖させ、次いで、かく生産
されたノルロイシンを単離することを特徴とするノルロ
イシンの生産方法を提供する。
また、アミノ酸残基5、124、149および179に位置す
るメチオニンが特にロイシン、バリンまたはイソロイシ
ンよりなる群から選択される異なるアミノ酸残基で置き
換えられたことを特徴とするbSt様化合物類を提供す
る。
また、本発明は、ポリペプチドをコード付けする組換
体DNA分子中のメチオニンをコード付けするコドンを異
なるアミノ酸、例えばイソロイシンをコード付けするも
のに変化させることを特徴とする、該ポリペプチドをコ
ード付けする該DNA分子で形質転換し、かつ低濃度のア
ミノ酸上で増殖させた微生物類によって発現された異種
ポリペプチド類、例えばウシ・ソマトトロピンへのノル
ロイシンの取り込みを阻止する方法に関する。
発明の詳細な記載 本明細書中で用いるごとく、「異種ポリペプチド
(類)」とは、注目する形質転換宿主微生物によって天
然には合成されないポリペプチド類をいう。例えば、イ
ー・コリはウシおよびヒト・ソマトトロピン・インシュ
リン、インターフェロン等を生産することができる。か
く生産されたポリペプチド類は「異種ポリペプチド類」
と呼ばれる。本発明において特に注目すべきは、メチオ
ニンよりなる異種ポリペプチド類である。
ソマトトロピン類の分子不均質性のため、種々のソマ
トトロピン類のアミノ酸残基類の位置番号は異なり得
る。「天然哺乳動物ソマトトロピン」なる語は天然に生
じる種を包含する。チャート1は、本発明により修飾さ
れた位置5、124、149、および179残基に対応するbStの
特異的アミノ酸残基を示す。他のソマトトロピン類につ
いての番号付けは、他の種または類似体類に関する場合
は異なり得る。当業者ならば、チャート1に記載したbS
tのメチオニン5、124、149または179を用い、別の動物
ソマトトロピン類、例えば哺乳動物ソマトトロピン類に
おける対応するアミノ酸類、例えばブタ・ソマトトロピ
ンまたはその類似体のメチオニン5を容易に位置決めし
て、ノルロイシン取り込みの所望の回避を達成したり、
本発明の均一性を生じさせたりできる。
本明細書中で用いるごとく、「低濃度のアミノ酸類」
は、その上で培養される微生物によって、アミノ酸生合
成酵素類(例えば、ロイシン生合成酵素類)の生合成を
抑制したり、または当該酵素類の活性を効果的にフィー
ドバック抑制するには余りにも低過ぎる外因性アミノ酸
濃度と定義される「最小濃度のアミノ酸」まで低下され
得るのに十分低い濃度を意味する。特に定義がない限
り、「低濃度のアミノ酸類」は、その上で培養される微
生物によって、メチオニル−tRNAの正常なチャージング
につき、メチオニンについてのKmより十分低く、かくし
てノルロイシンでのメチオニル−tRNAの不正確なチャー
ジングが可能となる「最小濃度のアミノ酸類」まで減少
され得る濃度を意味する。「低濃度のアミノ酸類」の
「最小濃度のアミノ酸類」へのかかる減少は、所望の蛋
白のメチオニンの代わりにノルロイシンの検出可能な取
り込みを含むようなときに起こる。
本明細書中で用いるごとく、「高濃度のアミノ酸類」
は、「低濃度のアミノ酸類」が過剰状態にあって、所望
の蛋白の発現の誘導に先立ち、誘導の時に、または誘導
後まもなく「最小濃度のアミノ酸類」まで減少され得な
い濃度のアミノ酸類である。例えば、特別の実施例のイ
ー・コリ宿主類およびrbStポリペプチドに関しては、
「低濃度のアミノ酸類」は各々約0.50mM未満であり、0.
1%酵母エキス補足から得られる。「低濃度のアミノ酸
類」は、各々約0.05mM満である「最小濃度のアミノ酸
類」まで低下される。かかるアミノ酸濃度は、特別の実
施例のごとき方法に従う定量的なアミノ酸分析によっ
て、与えられたいずれの宿主、与えられたいずれのポリ
ペプチドについてのいずれの発酵に関しても容易に決定
される。
本発明で用いる組換体宿主微生物類は、当業者によく
知られ、例えば、ここに参照のために挙げる、分子クロ
ーニング(Molecular Cloning)、テイ・マニアティス
ら(T.Maniatis,et al)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laborator
y)(1982)およびビイ・ペルバル(B.Perbal)、分子
クローニングへの実用的ガイド(A Practical Guide to
Molecular Cloning)、ジョン・ウィリー・アンド・サ
ンズ(John Wiley & Sons)(1984)に記載されたDN
A組換え技術によって作製される。有用な宿主微生物類
は異種遺伝子類をクローニングしそれを発現するのに適
するよく知られたいずれの宿主類も包含し、例えば、バ
チラス(Bacillus)、サッカロミセス(Saccharomyce
s)およびストレプトミセス(Streptomyces)株を包含
する。
異種ポリペプチドを生産する組換体微生物類は液体栄
養培地中で培養する。該培地は微生物の細胞増殖要件を
満足し、それにより、微生物が増殖し所定の細胞密度ま
で増加できる、過剰の通常の栄養物質よりなる。この物
質は炭素源、窒素源および硫黄、リン、マグネシウム、
カリウム、銅、亜鉛、マンガンおよび鉄のごときミネラ
ル類を包含する。アミノ酸類は、カゼイン、大豆ミー
ル、ラクトアルブミン、動物組織、酵母細胞およびゼラ
チンのごとき天然に生じる蛋白様物質を酸または酵素消
化に付すことによって通常製造される蛋白加水分解物の
形態で添加することができる。純粋なアミノ酸類の混合
物類も添加することができる。本発明者らは、ノルロイ
シンの生合成および発現されたポリペプチドヘ類の取り
込みが、低濃度のアミノ酸類を補足せずまたは補足した
いずれかの最小培地(例えば、はっきりとした無機塩お
よび炭素源、例えばグルコースまたはグリセロール)よ
りなり、かつその中で蛋白の過剰発現が起こる発酵培地
中で起こることを見い出した。また、酸素も該培地に供
給する。最大細胞密度を達成するには、培養は、通常、
酸素/液体の界面領域を増すように行う。
培養に影響する重要な環境因子はpHおよび温度を含
む。温度は最小および最大増殖温度の間の範囲とする。
ほとんどの細菌はかなり狭い温度範囲にわたり最大増殖
を示す。イー・コリのごとき中温菌については、最適温
度範囲は約25℃ないし約42℃、好ましくは約37℃であ
る。ほとんどの生物類はpH数単位にわたる範囲の水素イ
オン濃度に耐える。イー・コリのごとき細菌について
は、許容pHは約6ないし8の範囲にあり、約6.8が好ま
しい。
異種ポリペプチドをコード付けする遺伝子の発現が抑
制可能な発現制御配列の制御下にある場合、適当なリプ
レッサーを培地に添加することによる(例えば、発現が
トリプトファンプロモーターおよびオペレーターの制御
下にある場合はトリプトファン)によって、その遺伝子
の発現を所定レベルの増殖が細胞培養により達成される
まで抑制することができる。
収穫の後、細胞類を加工して異種ポリペプチドを回収
する。これは、通常、細胞の破壊、1またはそれ以上の
抽出工程による粗製異種ポリペプチドの細菌蛋白類から
の分離、(その疎水性度に依存する)当該ポリペプチド
の可溶化、適当な場合には、適当なジスルフィド結合を
生成させるためのスルフヒドリルの酸化、およびさらに
ゲル濾過、高速液体クロマトグラフィーまたは他の蛋白
精製手法によるポリペプチドの精製を含む。
本発明者らは、微生物類におけるポリペプチド類、特
に組換体宿主類における適当なアミノ酸配列を有する
(例えば、メチオニンに代えて置き換えたノルロイシン
無し)異種ポリペプチド類の過剰発現を効果的に支持す
る低濃度のアミノ酸よりなる発酵培地をかなり低減化し
た価格で作製した。これは重要である。というのは、生
産物の精製において付随した節約を伴う同種生産物類の
生産が可能になるからである。また、シアノーゲンブロ
マイドによって切断できるメチオニン残基により結合し
た異種ポリペプチド類の発現が容易となる。
他方、メチオニンの代わりに置き換えたノルロイシン
を有するポリペプチド類を生産するのも望ましいであろ
う。メチオニン残基のノルロイシンでの意図した置換に
より、(メチオニンスルホンまたはスルホキシドへの)
酸化に対する大きな耐性およびメチオニン特異的プロテ
アーゼ類または修飾剤類に対する耐性を具備した蛋白の
合成が可能となる。
本発明者らは、組換体微生物類によって異種ポリペプ
チド類を生産するために、例えばエシェリヒア・コリK
−12株において組換えにより生産されるウシ・ソマトト
ロピン(rbSt)を生産するために発酵を行ってきた。こ
れらの発酵は、比較的高濃度の酵母エキス(例えば、5
重量/容量%までの酵母エキス)を補足したはっきりと
した培地でまず開始した。比較的高濃度の酵母エキスを
使用した結果、これらの最初の発酵は「高酵母エキス」
発酵と名付けた。しかしながら、特に生産規模における
高価格の酵母エキス補足は、これらの発酵を経済的に不
可能なものとした。従って、本発明者らは、≦0.5%酵
母エキスで補足することによって「低酵母エキス」発行
培地およびプロセスを開発した。
低酵母エキス発酵培地を用いた場合、(合計rbStの30
%までの量の)主要異常rbSt種が、単離したrbStロット
の逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)分析に
際して見い出された。かかる異常rbSt種は高酵母エキス
発酵の間に生産されたロットでは検出されなかった。よ
って、新しく遭遇したrbSt種の生産は価格的に有効な低
酵母エキス発酵の使用に直接帰すべきものであった。
該異常rbSt種はRP−HPLCクロマトグラムでは正常なrb
Stよりも遅く溶出することが判明し、遅延溶出rbSt(LE
−rbSt)と呼ぶ。LE−rbStを単離し、広範な構造分析を
行った。構造データにより、LE−rbStはrbSt分子中のア
ミノ酸番号124におけるメチオニンに代えるノルロイシ
ンの置換の結果として低酵母エキス発酵の間に産生され
ることが確立された。さらに、他の内部のメチオニン位
置、5、149および179位におけるノルロイシン置換も検
出されたが、RP−HPLCに際してのrbStのクロマトグラフ
ィー挙動の変化の直接原因ではないようである。
低酵母エキス発酵の間のノルロイシンのrbStへの取り
込みは予期せぬことであって、ノルロイシンの源は分か
らなかった。さらに、低酵母エキス発酵プロトコルの結
果、何故ノルロイシンの取り込みが起こるか分からなか
った。本発明に先立っては、ノルロイシンのrbStへの取
り込みを排除する公知手段はなかった。この問題を解決
するために、本発明者らは、発酵培地にL−メチオニン
を補足し、それにより、ノルロイシンの取り込みを完全
に排除した。外因性L−ロイシンによるα−イソプロピ
ルマレートシンターゼ(LeuA+)のフィードバック抑制
もまたノルロイシンの生合成および蓄積、かくしてノル
ロイシンのrbStへの取り込みを完全に排除した。与えら
れた宿主および所望のポリペプチドについてのノルロイ
シン取り込みを排除するために添加されるべきメチオニ
ンおよびロイシンの量は実施例に記載した方法によって
容易に決定できる。また、システインでの補足もノルロ
イシンのrbStへの取り込み量を減少させた。
天然のrbStは第5位にメチオニン残基を有する。他の
メチオニン残基に関し、第5位メチオニンもノルロイシ
ン残基によって置き換えられ得る。理論に拘束されるつ
もりはないが、通常メチオニン残基によって占められる
位置におけるノルロイシンの取り込みは、ノルロイシン
でのメチオニル−tRNAのチャージング(charging)およ
び引き続いてのチャージされたtRNA分子とメチオニンコ
ドンとの相互作用の直接の結果のようである。従って、
メチオニン以外のアミノ酸についてのコドンでのメチオ
ニンコドンの置き換えは、rbStまたはかかるメチオニン
残基を有する他の異種ポリペプチド類へのノルロイシン
の取り込みを妨げるであろう。
細菌の培養:イー・コリ株BST−1を用いた。この株
は、ラムダプロファージおよびFプラスミドの除去なら
びにropH112対立遺伝子の導入によってイー・コリK−1
2(ATCCe23716)の野生型株から得られた。次いで、プ
ラスミドpURA4、プラスミドpBEU−17およびpBR322に由
来し、かつrbStの生産をコード付けする遺伝子を含有す
る温度感受性ランナウェイ複製プラスミドでこの株を形
質転換した(1987年2月19日出願の米国特許出願S.N.01
6294号およびPCT特許出願、PCT/US88/00328をここに参
照のために挙げる)。
培養培地:はっきりとした培地はエイチ・ジェイ・ボ
ーゲルおよびデイ・エム・ボネル(H.J.Vogel and D.M.
Bonner)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー(J.Biol.Chem.),218,97〜106頁(1955)の培地
Eに基づくものであった。初代種および発酵培地を調製
するための組成およびプロトコルは以下の通りである。
初代種培地成分 1当たりの量 Na(NH4)HPO4・H2O 10.90g K2HPO4 2.61g クエン酸・H2O 2.10g MgSO4・7H2O 0.99g (NH42SO4 0.66g 酵母エキス 10.40g グリセロール 5.00g 逆浸透水 初代種培養については、前記成分を水(逆浸透グレー
ド、R.O.)で水和し適量にて1000mlとし、滅菌に先立っ
て300ml容量に分割した。種培地を121℃で20分間滅菌し
た。滅菌に続き、該種培地を冷却し、0.5ml滅菌アンピ
シリン(NaOHでpH8.0に滴定し、濾過滅菌(0.45μm)
した逆浸透水中25g/l)を添加した。
発酵培地成分 1当たりの量 Na(NH4)HPO4・H2O 10.90g K2HPO4 2.61g クエン酸(無水物) 1.92g MgSO4・7H2O 0.25g (NH42SO4 0.66g 酵母エキス 1.00g SAG4130 0.75ml 逆浸透水 発酵培地は、前記量の成分を200倍とし、それらを250
リットルのファーメンターにて逆浸透水165リットル中
で水和させることによって調製した。次いで、発酵培地
を121℃で20分間滅菌した(滅菌の間、水蒸気凝縮のた
め、20リットルの培地容量の水増しを採用した)。滅菌
に続き、培地のpHをチェックして6.6ないし6.9であるこ
とを確認した。冷却に際し、2種の無菌添加を行い、発
酵培地を完成させた。第1の添加は、予め濾過(0.45μ
m)によって滅菌した微量養分200ml分(終濃度:(N
H46(MO724・4H2O、12μM;H3BO3、1.6mM;CoCl2・6H
2O、120μM;CuSO4、39.9μM;MnCl2・4H2O、319μM;ZnSO
4・7H2O、40.1μM)よりなるものであった。第2の添
加は、セレロース(cerelose)15リットル(8.24kgセレ
ロースを逆浸透水適量にて14リットルとし、H2SO4でpH
4.0に調製)よりなるものであった。発酵培地は接種に
先立って25%NaOHでpH7.2に調整した。
低酵母エキス発酵培地はBST−1培養用の0.1%酵母エ
キスを含有していた。いつくかの実験において、カザミ
ノ酸類、L−メチオニン、L−ロイシン、D,L−ノルロ
イシン、食料−または飼料グレードのD,L−メチオニン
またはL−システイン源を発酵培地に添加した。
プラスミドコピー数アッセイ:発酵の間に周期的に得
られた培養試料について粗製プラスミドコピー数アッセ
イを行った。かかる試料からの約2x1010細菌を含有する
ペレットを再懸濁緩衝液(90mMトリス、90mMホウ酸塩、
60mM EDTA、25%スクロース)150μlに再懸濁した。リ
ゾチウムを添加し(10mg/mlの30μl)、懸濁液を37℃
で10分間インキュベートし、しかる後、リボヌクレアー
ゼA(20mg/ml、80℃で10分間予熱)30μlを添加し
た。37℃での10分後、プロテイナーゼK(1mg/ml)30μ
lを添加し、さらに20分間インキュベーションを継続し
た。次いで、混合物を15分間で65℃にシフトした。溶解
混合物(90mMトリス、90mMホウ酸塩、60mM EDTA、1.25
%(v/v)トリトンX−100)210μlを添加し、それら
を氷上で10ないし20分間インキュベートすることによっ
て細胞を溶解した。溶解物をミクロ遠心機中、4℃で40
分間遠心した。清澄化した溶解物を透明な1.5mlミクロ
遠心機遠心管に注ぎ、−20℃で保存した。90mMトリス、
90mMホウ酸塩、2.5mM EDTA緩衝液中で調製した0.8%ア
ガロースゲルにて、1ないし5ボルト/cmでの電気泳動
によって含プラスミド溶解物を典型的な分析に付した。
実施例1 低酵母エキス発酵培地の使用によるノルロイ
シン置換rbStの生産 発酵プロトコル:各初代種培養を1の培養アンプル
(約1ml)の内容物で接種し、28℃でインキュベートし
て0.7ないし0.8A550の培養密度とした。インキュベーシ
ョンに続き、ファーメンターの接種に使用するに先立っ
て、各初代種培養を氷上に乗せた。すべての初代種培養
をアンピシリンで補足して実質的にすべてのプラスミド
担持細菌を含有する培養を得た。600ml接種物での接種
によってBST−1発酵を開始した。ファーメンターのpH
を無水アンモニアで制御してpHを7.2ないし7.4に維持し
た。ファーメンターの攪拌およびエアレーション速度
を、10psiの逆圧にて、320rpmおよび300slmに設定し
た。27℃の許容温度で培養増殖を行った。プラスミドラ
ンナウェイ複製およびrbSt合成は自然に誘導されるの
で、BST−1発酵を開始27℃に維持した。
分析手法:培養の一部を種々の時点に初代種およびフ
ァーメンターから取り出し、一連の分析手法に付して培
養密度(550nmにおける吸光度)、合計細菌乾燥重量、
合計rbSt濃度、グルコース濃度、遊離アンモニア濃度、
アセテート濃度を定量し、および鏡検同定および封入体
の定量を行った。
RP−HPLC用試料調製:rbSt分析調製物を用いて蛋白のR
P−HPLC単離用に試料を調製した。発酵培養の10A550・m
l部を遠心によって収穫し、上澄みを除去した。次い
で、細胞ペレットを、15mg/mlヂチオスレイトールを含
有する6Mグアニジン塩酸塩650μlに再懸濁し、5分間
沸騰した。試料を冷却した後、イソプロパノール350μ
lを添加した。
rbStのRP−HPLC単離:Varian Vista5500液体クロマト
グラフにて、4.6x100mmのBekerbond−Widepore C−8カ
ラムでRP−HPLCを行った。グラジエント移動相は各々が
0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有する水−イソプロ
パノールであった。液速は1ml/分であった。グラジエン
トは11分内で35ないし54%Bとした。検出は215nmにお
けるUVによった。試料の一部500μlをインジェクト
し、rbSt画分をスクリューキャップのミクロ遠心機遠心
管中に収集した。これらの試料を凍結乾燥し、4℃で保
存した。これらの試料は1ないし3ナノモルの蛋白を含
有していた。
ポリペプチドの配列決定:N−末端アミノ酸配列決定分
析はオンラインABI 120A PTHアナライザーを装備したア
プライド・バイオシステム(Applied Biosystems)(AB
I)470Aシーケンサーで行った。まず、カートリッジフ
ィルターを1.5mgポリブレン(polybrene)で調製し、AB
Iプログラム03PREを用いてプレサイクルさせた。試料を
0.1%TFA60μlに溶解し、30μl分にて該フィルターに
負荷した。該フィルターを適用と適用の間にカートリッ
ジオーブン中で乾燥した。各試料につき、該ABIプログ
ラム03PTHを少なくとも5サイクル用いた。ノルロイシ
ン+メチオニンの合計ピコモル数で除することによっ
て、第5サイクルにおけるノルロイシンパーセントをノ
ルロイシンのピコモル数として計算した。最初の収量は
3.9ナノモルから73ピコモルまで変動した。キャリア無
しの操作で平均収率91.2%、キャリアを用いた場合は9
2.7%であった。
アミノ酸分析:低酵母エキス発酵中に起こるアミノ酸
フラックスを調べるために、培地試料を発酵間に周期的
に得、アミノ酸分析に付した。アミノ酸分析は、実質的
にビイ・エイ・ビドリングメイヤーら(B.A.Bidligmeye
r,er al),ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー
(J.Chromatogr.),336,93−104頁(1984)に記載され
ているごときPTC法(アール・エル・ヘインリクソンお
よびエス・シイ・メリデス(R.L.Heinrikson and S.C.M
eredith)、アナリティカル・バイオケミストリー(Ana
l.Biochem.),136,65−74頁(1984))によって行っ
た。
発酵培地試料は各BST−1でのrbSt発酵から得、アミ
ノ酸分析に付した。株BST−1での低酵母エキス発酵は
0.1%酵母エキスを含有していた。第1表に示すデータ
は、株BST−1での典型的な低酵母エキス発酵につい
て、アミノ酸は0.04mM(ヒスチジン)ないし0.38mM(ロ
イシン)の範囲の初期濃度で存在し、実質的にすべての
アミノ酸がrbSt合成の自然誘導に先立って(接種後約15
時間)消費されたことを示す。事実、ほとんどのアミノ
酸は接種後約16時間までに消費された。アラニンおよび
グルタミン酸は0.04mM(接種後15時間)および0.03mM
(接種後17時間後)に達し、各々、0.88mMおよび1.65mM
の終濃度まで増加した。従って、これらのデータは、ほ
とんどのアミノ酸がrbSt合成の自然誘導のほぼ9時間先
立って培地から枯渇したことを示す。さらに、それら
は、培養増殖およびrbSt合成に要するアミノ酸はde nov
o合成されるべきだったことを示す。
第2表のデータは、培地中のノルロイシン蓄積とrbSt
におけるノルロイシンの取り込みとの間の関係を示す。
接種後19時間まで(誘導後約4時間)、ノルロイシンは
培地中に検出されず、一方、N−末端アミノ酸配列決定
により、rbSt5位にすでに2.6モル%のノルロイシンが存
在することが明らかとされた(第2表)。接種後25およ
び33.5時間(誘導後約10および18.5時間)に得た発酵試
料は、培地中でのノルロイシンの濃度の増加およびrbSt
のN−末端および5位に取り込まれたノルロイシン画分
(モル%)の対応しての増加を示した(第2表)。これ
らの結果は、異なるイー・コリ宿主培養で確認された。
実施例2 株BST−1での低酵母エキスの発酵間のノル
ロイシンの合成および分泌 ノルロイシンがイー・コリ培養によって合成されたこ
とを証明するために、低酵母エキス発酵(実施例1)間
に発酵培地試料を得、アミノ酸分析に付した。特に、株
BST−1での低酵母エキス発酵から得られた試料を用い
た。これらの発酵からのスペント(spent)培地試料
は、ノルロイシンの一時的合成および蓄積を示した。接
種20時間後に得た培地試料は検出可能なノルロイシンを
ほとんど含有しておらず(9.02分溶出時間)、一方、発
酵中6時間後に調査した試料はアミノ酸クロマトグラフ
でノルロイシンのピーク(0.15mM)を明らかに示した。
該ノルロイシンのピークは接種後30および32時間後に得
られた試料で増加し続け、0.47mMの終濃度に達した。
収集したデータは、株BST−1での低酵母エキス発酵
間のノルロイシンの生産についての時間経過を示す。ノ
ルロイシンの合成および分泌は接種後10ないし15時間に
開始し、発酵の最後まで継続し、0.60mMの終濃度に到達
した。株BST−1で行い、長時間行った1のrbSt発酵の
間に、ノルロイシンの濃度は接種66.2時間後までに2.47
mMに達した。従って、本発明者らは、低酵母エキス発酵
の間に、イー・コリ培養によってノルロイシンがde nov
o合成されたことを証明した。これらの結果は、第2の
コー・コリ株でも確認された。
株BST−1での低酵母エキス発酵間のこれらの2種の
アミノ酸間の関係を理解するために、入手可能なメチオ
ニンおよびノルロイシンの濃度を調べた。データは、酵
母エキス補足によって供給されたメチオニンの濃度は典
型的には<0.1mMであり、メチオニンは接種後15時間ま
でに発酵培地から枯渇したことを示した。発酵における
かかる見地より、培養代謝および増殖、ならびにrbSt合
成に要するすべてのメチオニンは培養によって合成され
た。メチオニンの枯渇に付随して、発酵培地における過
剰ノルロイシンの合成および蓄積が観察された。これら
のデータは、BST−1培養によるノルロイシンのde novo
合成速度はノルロイシン利用(例えば、蛋白合成)の速
度よりもかなり大きかったことを示す。
実施例3 低酵母エキス発酵間の外因性アミノ酸での補
足 本実施例では、本発明者らは、細胞質アミノ酸プール
におけるノルロイシンおよび他のアミノ酸類の濃度を変
更し、ノルロイシンのrbStへの取り込みについての得ら
れた効果を観察した。
rbStの公知アミノ酸組成、イー・コリ増殖(ジェイ・
エル・イングラハムら(J.L.Ingraham et al)、細菌細
胞の増殖(Growth of the Bacterial Cell)、108−10
および122−25頁(1983))についてのアミノ酸要求
(乾燥重量当たりのグラム)の見積り、およびディフコ
(Difco)カザミノ酸の実験的に決定したアミノ酸組成
より、本発明者らは、細胞増殖およびrbSt合成に要する
すべてのアミノ酸を供給するには、3%カザミノ酸およ
び6mMグリシンを低酵母エキス発酵(実施例1)に添加
すべきことを見積もった。メチオニンに関しては、この
付加補足は、細胞増殖およびrbSt合成についてのアミノ
酸要求の見積もりの125%と計算された。さらに3%カ
ザミノ酸および6mMグリシンを補足した低酵母エキス発
酵を行った場合、N−末端アミノ酸配列決定法による
と、rbStのN−末端にノルロイシンは検出されず、痕跡
量(0.3モル%)のノルロイシンが5位に検出されたに
過ぎなかった。対照的に、非補足(カザミノ酸無し)低
酵母エキス対照発酵間に生産されたrbStはN−末端に2.
8モル%ノルロイシンおよび5位に15.3モル%ノルロイ
シンを含有していた。付加カザミノ酸補足におけるアミ
ノ酸はノルロイシンのrbStへの取り込みを妨げる。これ
らのデータは、含ノルロイシンrbSt(LE−rbSt)は高濃
度酵母エキス(例えば、5%酵母エキス)を含有する発
酵では生産されなかったという観察に一致する。
実施例4 低酵母エキス発酵間の外因性L−メチオニン
での補足 次に、本発明者らは、低酵母エキス発酵の5mM L−メ
チオニンでの補足を調べた。非補足低酵母エキス発酵間
に株BST−1によって生産されたrbStのN−末端アミノ
酸配列決定は、各々N−末端および5位において2.1お
よび22.1モル%ノルロイシンを示した(第3表)。低酵
母エキス発酵培地の8mM D,L−ノルロイシンでの補足
は、さらに、N−末端および5位で検出されるノルロイ
シンのレベルを増加させた(第3表)。ノルロイシン補
足はrbStにおけるノルロイシン含有量を増強させる効果
的手段を示した。
5mM L−メチオニンでの補足は、rbSt5位におけるノル
ロイシンの取り込みを完全に排除し、一方、痕跡量の
(0.2モル%)ノルロイシンがN−末端で検出されたに
過ぎない。rbStのN−末端における痕跡量のノルロイシ
ンの検出は、発酵の後期段階での、メチオニン制限のた
め、ホルミル−メチオニンの利用可能性が減少したこと
に起因するであろう。メチオニン濃度≧5mMで行った他
の発酵はrbStのN−末端および5位いずれでもノルロイ
シンを示さなかった。さらに、1.25mMと低い濃度のL−
メチオニンを用いるタイトレーション実験は、rbStへの
ノルロイシンの取り込みは5位において<1モル%ノル
ロイシンまで減少されることを示した。
実施例5 低酵母エキス発酵間のメチオニンの他の源で
の補足 本実施例は、低酵母エキス発酵(実施例1)が行い得
ること、およびノルロイシンのrbStへの取り込みがL−
メチオニンよりも安価なメチオニン源での補足によって
妨げられることを示す。
5mM D,L−メチオニンを使用する最初の発酵(シンテ
ックス・アグリ・ビジネス・インコーポレイテッド(Sy
ntex Agri Business,Inc.)、スプリングフィールド(S
pringfield)、ミズリー州)を行い、N−末端または5
位いずれでもノルロイシンが検出されないごとく、ノル
ロイシンのrbStへの取り込みを防止するのに効果的であ
ることが判明した。従って、食品−または飼料グレード
のD,L−メチオニン(デグサ・コーポレーション(Degus
sa Corp.)、テオドレ(Theodore)、アラバマ州)を濃
度5mMで用いて株BST−1での低酵母エキス発酵を補足し
た。第4表のデータは、これらの2種グレードのD,L−
メチオニンがノルロイシンのrbStへの取り込みを妨げた
ことを示す。食品グレードのD,L−メチオニンはノルロ
イシンの取り込みを完全に妨げ、一方、飼料グレードの
D,L−メチオニンで補足して発酵間に生産されたrbStの
5位においてはわずかな痕跡量のノルロイシン(0.1モ
ル%)が見いだされたに過ぎず、これは恐らく後者にお
いては2.5mM L−メチオニン成分の消費によるものであ
ろう(第4表)。引き続いての実験において、≧5mM飼
料グレードのD,L−メチオニンでの補足はノルロイシン
のrbStへの取り込みを完全に妨げた。高レベルの酵母エ
キス、カザミノ酸類、D,L−メチオニンまたはL−メチ
オニンいずかを介するメチオニン補足はノルロイシンの
rbStへの取り込みを排除した。
実施例6 株BST−1によるメチオニンおよびノルロイ
シン生合成への影響 メチオニン補足がノルロイシン生合成に与える影響を
調べるために、メチオニンを補足してまたは補足せずに
行った発酵の間の株BST−1によるノルロイシンの合成
および分泌をモニターした。データは、メチオニン補足
はノルロイシンの合成を妨げなかったことを示す。むし
ろ、メチオニン補足は調べた各例についてノルロイシン
生合成の特異的活性を減少させた(ミリモル・ノルロイ
シン/l・時・A550)。事実、ノルロイシンは、メチオニ
ン補足なくして行った低酵母エキス発酵の最後までに終
濃度0.60mMまで、およびメチオニン補足での同時発酵の
最後までに0.57mMまで蓄積した。平均酸素摂取量(OU
R)および二酸化炭素発生(CER)速度がメチオニン補足
なくして観察されたものよりも53%および58%高いごと
く、メチオニン補足は細胞の代謝を変化させ、培養増殖
を促進した。培養乾燥細胞重量収率および最終濁度もメ
チオニン補足では高かった(各々、24%および38%)。
実施例7 rbSt合成とノルロイシンの生合成および分泌
との間の関係 株BST−1での低酵母エキス発酵の間に培養の一部を
得、アミノ酸を分析し、合計rbStを定量した。データ
は、接種15時間後までに、培地中のメチオニン濃度は0.
05から0.00mMに減少したことを示す。接種15時間後まも
なく、ノルロイシン生合成が開始し、接種後40時間まで
に終濃度0.86mMに達した。rbSt合成の自然誘導はノルロ
イシンの生合成および分泌が開始したのと同時点で起こ
った。これらのデータは、イー・コリ培養によるrbStの
合成および蓄積はノルロイシンの生合成を媒介する原因
かも知れないことを示唆し、そこで、本発明者らはこれ
をテストした。
BST−1培養によるrbStの生産はプラスミドランナウ
ェイ複製の自然誘導に従う。従って、本発明者らは、ラ
ンナウェイプラスミド複製およびrbSt合成(BST−1)
双方が可能な培養、rbSt合成なくしてプラスミドランナ
ウェイ複製が可能な培養(pURA4(米国特許出願016294
号)に由来するものであってランナウェイ複製が可能で
あるが、rbSt遺伝子のほとんどのの850bp EcoRI/HindII
I欠失のためrbStを合成できないプラスミドpURA4 Δbgh
E/Hを含有するBST−1C)、およびランナウェイプラスミ
ド複製もrbSt合成も有しない培養(株BST−1C、ランナ
ウェイプラスミド複製およびrbSt合成から独立して増殖
する株BST−1の同系プラスミドフリー誘導体)によっ
てノルロイシン生合成を調べた。第5表のデータは、株
BST−1CおよびBST−1C(pURA4 ΔbghE/H)はBST−1よ
りも2.2ないし2.5倍大きな密度(乾燥重量)まで増殖し
たことを示す。また、これらのデータは、株BST−1Cお
よびBST−1C(pURA4 ΔbghE/H)はそれらの低酵母エキ
ス発酵の間に実質的に等量のノルロイシン(約0.01ミリ
モルノルロイシン/g乾燥細胞重量)を合成したことを示
す。しかしながら、株BST−1は調べた他の株いずれよ
りもかなり多いノルロイシン(約14倍高い)を合成し、
平均濃度0.14ミリモルノルロイシン/g乾燥細胞重量に達
した(第5表)。本発明者らは、両プラスミド担持株が
ランナウェイプラスミド複製を有することも確認した。
まとめると、これらのデータは、イー・コリによるノ
ルロイシン生合成は低酵母エキス発酵間にrbSt合成に関
与したことを示す。プラスミドランナウェイ複製の現象
とは無関係に、感知されるノルロイシンの蓄積はrbSt合
成無くしては観察されなかった。幾分不十分ではある
が、ノルロイシンは異種ポリペプチド類を発現していな
かった低酵母エキス発酵の間にイー・コリ株によってノ
ルロイシンが生産された。
実施例8 蛋白合成間のノルロイシン取り込みを排除す
るためのロイシン補足 本実施例では、本発明者らは、低酵母エキス補足およ
び生合成における外因性ロイシンおよび他のアミノ酸と
ノルロイシンのrbStへの取り込みとの間の関係を調べ
た。
発酵培地試料のアミノ酸分析により、実質的にすべて
の外因性ロイシンが、ノルロイシンの生合成および分泌
が開始する時点にほぼ対応する発酵間での時点である接
種後14時間までに枯渇した(最初0.17mMが0.03mMまで減
少)ことが明らかとされた。
さらに発酵を行って、ロイシン補足がノルロイシンの
生合成および分泌、ならびにノルロイシンのrbStへの取
り込みに与える影響を直接に調べた。データは、低酵母
エキス発酵のロイシン補足がなければ、ノルロイシンの
生合成および分泌は接種後約15時間に開始し、接種後40
時間までに終濃度0.86mMに達したことを示した。第2発
酵の15mM L−ロイシンでの補足の結果、ノルロイシンの
生合成および分泌の完全な抑制が生じた。外因性ロイシ
ンによるα−イソプロピルマレートシンターゼのフィー
ドバック抑制は、ノルロイシン生合成に至る経路におけ
る最初の反応を阻止することによってノルロイシン生合
成を妨げた。データは、ロイシン補足培養の増殖は接種
後最初の19時間は非補足培養のものと区別できないこと
を示した。その時点の後、ロイシン補足培養の増殖が停
止し始め、非補足培養についての24.4A550と比較して1
1.4A550の終密度に達した。ロイシン補足および非補足
培養によるrbStの生産についてのデータを比較すると、
ロイシン補足培養によるrbSt生産は接種後20時間に減衰
し始めた。ロイシン補足および非補足培養についてのrb
St合成の初期速度は非常によく似ており(各々、K=0.
66および0.78/時間)、ロイシン補足による初期の乱れ
を示さない。これらの発酵から得た発酵培地の飼料のア
ミノ酸分析により、ロイシン補足培養によってノルロイ
シンは合成されず、一方、ノルロイシン終濃度は非補足
培養では0.60mMに達したことが確認された。
非補足および15mM L−ロイシン−補足発酵から得たrb
St試料のN−末端アミノ酸配列決定により、非補足発酵
からのrbStのN−末端および5位における1.3および22.
0モル%ノルロイシンが示され、一方、L−ロイシン−
補足発酵から得たrbStについてはいずれの位置にもノル
ロイシンは検出されなかった(第6表)。
実施例9 ノルロイシンのrbStへの取り込みに与えるL
−システイン補足の影響 5または15mM L−システインで補足したまたは補足し
ない発酵を行った。当該補足がノルロイシンの生合成を
低減させ、およびrbStへのその取り込みを減少させ得る
かを否かを決定するために、ノルロイシンの生合成およ
び分泌ならびにノルロイシンのrbStへの取り込みをモニ
ターした。第7表のデータは、外因性システインを補足
した場合でも、株BST−1によってノルロイシンがいく
らか合成されたことを示す。15mM L−システインで補足
した発酵の間に細胞外培地で検出されたノルロイシン濃
度のわずかな減少は高システインレベルでの増殖の乱れ
のためであるようだった。15mM L−システイン補足培養
についての平均最終培養吸光度(A550)、合計乾燥重
量、およびrbSt収率は、非補足発酵からの培養から得た
各レベルの51%、48%、および45%であった。5mM L−
システインでの補足は、非補足発酵と比較して、培養の
増殖を変更することは感知されず、ノルロイシン量の減
少は検出されなかった(第7表)。しかしながら、5mM
L−システインでの補足は、rbstのN−末端および5位
で検出されたノルロイシン量を、各々、1.7および21.8
モル%から1.6および18.9モル%に減少させた(第7
表)。さらに、15mM L−システインでの補足はN−末端
および5位におけるノルロイシンの濃度を、各々、1.1
モル%および13.8モル%まで減少させた。
また、株BST−1C(pURA4C−S)で発酵を行った。プ
ラスミドpURA4C−Sは、rbStの各4個の内部システイン
残基をセリン残基で置き換え、部位定方向化(site−di
rected)突然変異誘発によってpURA4から得た。この株
によるrbStの合成は、rbSt合成についてのde novo合成
されたシステインに対しいずれの要求もなくして進行し
た。株BST−1(pURA4C−S)での非補足低酵母エキス
発酵の最後までに、ノルロイシンは0.43mMの細胞外濃度
まで蓄積した。さらに、N−末端アミノ酸配列決定によ
り、rbStのN−末端および5位において、各々、0.9お
よび17.7モル%であることが明らかとされた。
システイン補足およびシステインを欠くrbStの合成い
ずれもノルロイシンの合成に大きく影響することはなか
ったが、それらはメチオニンのレベルをわずかに上昇さ
せた。メチオニンの利用可能性の増大の結果、tRNAMet
およびtRNAfMetの正しいチャージングについてのノルロ
イシンとのより効果的な競合が生じた。さらに、メチオ
ニン生合成の増大の結果はノルロイシンのrbStへの取り
込みの量依存性減少であった。
実施例10 それにより発現された異種ポリペプチド類へ
のノルロイシンの取り込みを排除するためのメチオニン
を過剰生産する突然変異体微生物の使用 ポリペプチド類を発現する宿主としてメチオニンを過
剰生産する微生物を用いることによって、ノルロイシン
の異種ポリペプチド類への取り込みを排除することもで
きる。かかる突然変異体はフィードバック−非感受性ホ
モセリントランススクシニラーゼ(metA)突然変異体
類、またはメチオニンについて抑制された突然変異体類
(metJまたはもmetK突然変異体)、あるいは双方を包含
する(アール・ジェイ・ロウベリ(R.J.Rowbury):ア
ミノ酸生合成および遺伝子調節(Amino Acids Biosynth
esis and Genetic Regulation)、ケイ・エム・ハーマ
ンおよびアール・エル・ソメルビル(K.M.Herrman and
R.L.Somerville)編、191−211頁(1983))。メチオニ
ン−原栄養生物を75−90%殺傷の結果となるに十分な用
量にて紫外線照射または化学突然変異誘発物質(例え
ば、メチルメタンスルホネートのまたは1−メチル−3
−ニトロ−1−ニトロソグアニジン)に暴露し、α−メ
チルメチオニン、オチオニン、またはノルロイシンで補
足したはっきりとした培地の平板に希釈物を接種する。
ミクロシン15、93または136に対する耐性についての選
択を使用する別法アプローチを用いてメチオニン過剰生
産者を得ることもできる(エフ・バケロら(F.Baquero,
et al)、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bac
teriol.),135,342−347頁(1978))。metA、metJ、お
よびmetK突然変異体を得るさらなる別法は、標準的な形
質導入アプローチ(ジェイ・エイチ・ミラー(J.H.Mill
er)、分子遺伝学における実験(Experiments in Molec
ular Genetics),201−205頁,コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリーズ(Cold Spring Harbor Labor
atories)(1971))による、公知突然変異体メチオニ
ン対立遺伝子(例えば、metA::Tn10等、イー・コリ遺伝
子ストックセンター、エール大学、c/oビイ・ジェイ・
バックマン(B.J.Bachmann)より入手可能)の導入を包
含する。いずれかのプロトコルから、指標生物として非
逆転メチオニン要求菌で接種した頂部寒天を、メチオニ
ンフリーのはっきりとした培地の平板上で予め増殖させ
た推定クローン類のコロニーに重ねることによって、交
差育種(crossfeeding)実験においてメチオニン過剰生
産(および分泌)について当該クローンをテストする。
インキュベーションに続き、メチオニン要求株の増殖
を、メチオニンを過剰生産しそれを分泌するコロニー上
または周囲で観察する。前記実施例に記載したごとき定
量的アミノ酸分析の方法によって、(乾燥重量1g当たり
の)全細胞メチオニン含量および細胞外環境(細胞フリ
ーのスペント(spent)培地)中のメチオニン含量の定
量をはっきりとした液体培地中での増殖により達成す
る。公知技術による異種遺伝子で形質転換したメチオニ
ン過剰生産株で行った(メチオニン補足なしの)低酵母
エキス発酵の結果、ノルロイシンの異種ポリペプチド類
への取り込みが阻止される。
実施例11 メチオニンに代えて置き換えたノルロイシン
を含有するrbStの酸化安定性の増加 蛋白を3%H2O2に暴露し、続いて逆相HPLC(RP−HPL
C)で分析することにより、メチオニンがノルロイシン
によって置き換えられているrbStの対酸化安定性の増加
を測定した。H2O2への暴露に際し、天然rbSt(ノルロイ
シン−フリー)は、RP−HPLCによると2つのより初期の
溶出位置にシフトした。第1の位置シフトは非常に急速
に起こり(半減期約1.2分)、分子のサイトAにおける
修飾のため、修飾rbSt分子をして、既にH2O2に暴露され
たrbStよりわずかに速く溶出せしめた。第2の位置シフ
トはよりゆっくりと起こり(半減期約14.3分)、その結
果、分子のサイトBにおける修飾のため、より大きいRP
−HPLCシフトとなった(サイトAおよびBは、天然rbSt
分子に存在する4個のメチオニン残基を表すために任意
に名付けたものである)。
各々メチオニン−およびノルロイシン補足発酵から得
られた天然rbSt(メチオニン−フリー)およびノルロイ
シン−置換(rbSt位5、124、149および179において約3
6%ノルロイシン)rbStを、室温で、2mg rbSt/mlにて、
5mM(NH42CO3、pH10.0中の3%H2O2に暴露した。暴露
に続き、該H2O2を同緩衝液中で平衡化したファルマシア
(Pharmacia)PD−10 G−25カラム上のゲル濾過によっ
て除去した。次いで、試料をRP−HPLCによって分析し
た。40分の暴露の後、天然rbStは、各々、サイトAおよ
びBの100%および85.6%修飾を呈し、一方、ノルロイ
シン−置換rbStはこれらのサイトの47.6%および51.4%
修飾を含有するに過ぎなかった。従って、ノルロイシン
によるメチオニンの置換は、RP−HPLC挙動によって決定
されたごとく、rbSt分子に対する酸化安定性の増大に寄
与した。
実施例12 ノルロイシンの取り込みを阻止するためのrb
St遺伝子におけるメチオニン・コドンの置換 天然rbSt遺伝子についてのメッセンジャーRNA転写体
の翻訳の結果、5位におけるメッセンジャー残基の取り
込みが起こる。rbStにおけるメッセンジャー残基によっ
て通常占められる他の位置に関しては、位置5をノルロ
イシン残基によって置き換えることができる。従って、
メチオニン・コドンのメチオニン以外のアミノ酸につい
てのコドンでの置換はrbStへのノルロイシン取り込みを
阻止するであろう。
当業者によく知られた技術(1989年1月19日出願のU.
S.S.N.07/299,107)に従う合成オリゴヌクレオチドの組
み込みによって、rbStをコード付けする遺伝子における
5位のメチオニン・コドンATGをイソロイシンをコード
付けるATCに変化させ、その結果、rbstmOと命名した構
築体を得た。250リットル規模での低酵母エキス培地中
での攪拌タンク発酵の間、この遺伝子を有するベクター
を持つベクターを担持するイー・コリ宿主の増殖および
それによるtbSt合成をモニターした。発酵培地試料を発
酵の間に得て、アミノ酸分析に付した。加えて、rbStを
単離し、N−末端アミノ酸配列決定に付して5位に見い
出されるアミノ酸残基を定量した。発酵の間にノルロイ
シンが生産され、発酵の最後までに細胞外に0.36mMの終
濃度まで蓄積された。mO遺伝子によってコード付けされ
るrbStのN−末端アミノ酸配列決定により、イソロイシ
ンのみが5位に存在し、ノルロイシンまたはメチオニン
は存在しないことが明らかとされた。
同様に、rbSt分子における他の位置のメチオニン・コ
ドンの置換はノルロイシンのrbStへの取り込みを阻止す
るであろう。X線結晶分析は、メチオニン残基5位がは
っきりとした2次構造をほとんど持たないrbStの部分に
存在し、残基124および179はアルファ・ヘリックスに存
在し、149は、β巻とほとんど同様に、鎖逆転の領域に
存在することを示す(エス・エス・アブデル−メギドら
(S.S.Abdel−Meguid,et al)、プロシーディングズ・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA,84,6434−37頁(198
7))。チョウおよびファスマン(Chou and Fasman)の
予測パラメーターは残基5、124および179周囲の2次構
造を正しく予測するが、残基179はβ−プリーツシート
の領域に存在すると誤って示唆する(ピイ・ワイ・チョ
ウおよびジイ・デイ・ファスマン(P.Y.Chou and G.D.F
asman)、アヌ・レブ・バイオケム(Ann.Rev.Bioche
m.),47,251−76(1978);シイ・ジェイ・エイチ・シ
ェンおよびエム・ソネンブルグ(C.J.H.Chen and M.Son
enburg)、バイオケミストリー(Biochem.),16,2110−
18頁(1977))。
ウシ(エル・グラフおよびシイ・エイチ・リィ(L.Gr
af and C.H.Li)、バイオケミカル・バイオフィジカル
・リサーチ・コミューニケーションズ(Biochem.Biophy
s.Res.Comm.),56,168−76頁(1974))、ブタ(ピイ・
エイチ・シーベルグら(P.H.Seeberg,et al)、デイ・
エヌ・エイ(DNA),2,37−45頁(1983))、ヒツジ(シ
イ・エイチ・リィら(C.H.Li,et al)、イント・ジェイ
・ペプ・プロ・レス(Int.J.Pep.Pro.Res.),4,151−53
頁(1972))、ウマ(エム・エム・ザキンら(Zakin,et
al)、イント・ジェイ・ペプ・プロ・レス(Int.J.Pe
p.Pro.Res.),8,435−44頁(1976))、ラット(ジイ・
エス・ペイジら(G.S.Page,et al)、ヌクレイック・ア
シッズ・リサーチ(Nucl.Acids Res.),9,2087−2104頁
(1981))、ヒト(エフ・エム・デノトら(F.M.DeNot
o,et al)、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl.
Acids Res.),9,3719−30頁(198))、サル(シイ・エ
イチ・リィら(C.H.Li,et al)、アーカイブズ・オブ・
バイオケミストリー・アンド・バイフィジックス(Arc
h.Biochem.Biophys.),245,287−91頁(1986))、およ
びニワトリ(エル・エム・スーザら(L.M.Souza,et a
l)、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・ズーロ
ジー(J.Exp.Zool.),232,465−73頁(1983))ソマト
トロピン類のアミノ酸配列の分析は、bSt、pSt,oSt、eS
t、ラットStおよびニワトリStにおける5位のメチオニ
ンはヒトおよびサル・ソマトトロピンにおけるイソロイ
シンであることを示す。ニジマス(エル・ビイ・アゲロ
ンおよびティ・ティ・ヘン(L.B.Agellon and T.T.Che
n)、デイ・エヌ・エイ(DNA),5,463−71頁(1986))
およびサケ(エス・セキンら(S.Sekine,et al)、欧州
特許出願85107987.1号)のアミノ酸配列は哺乳動物およ
びニワトリStからかなり発散しており、これらの配列の
配置はこの領域では困難である。
124位におけるメチオニンは7種の哺乳動物およびニ
ワトリ・ソマトトロピン類で不変である。
ウシ、ヒツジ、およびラットStにおける149位のメチ
オニンはブタ、ウマ、およびニワトリStにおけるロイシ
ンおよびヒトおよびサルStにおけるセリンである。ニジ
マスおよびサケStにおける対応アミノ酸はほとんどロイ
シンのようである。ヒトおよびサルStの残基147〜149に
ついてのスレオニン−アスパラギン−セリンのアミノ酸
配列は、イソアスパラギン酸の形成および鎖切断がそこ
で起こるbStおよびpStの98〜100と同一であるので、メ
チオニン149をセリンに変化させると同一タイプの切断
に至り得る。
bSt、pSt、oSt、ラットStおよびニワトリStにおける1
79位のメチオニンはヒトおよびサルStにおけるバリン、
およびニジマスおよびサケStにおけるアラニンである。
哺乳動物およびニワトリ・ソマトトロピンのアミノ酸
配列において、bStにおいてメチオニン以外のアミノ酸
が生じ、メチオニンがもう1つの種からのStで見い出さ
れるさらに4つの位置がある。bSt、pSt、oSt、eSt、ラ
ットStおよびニワトリStにおける15位のバリンはヒトお
よびサル・ソマトトロピンにおけるメチオニンである。
bSt、oSt、hSt、およびサルStにおける73位のロイシン
はpStにおけるバリンおよびウマ、ラット、およびニワ
トリStにおけるメチオニンである。bSt、pSt、oSt、S
t、hSt、サルおよびニワトリStにおける102位のバリン
はラットStにおけるメチオニンである。最後に、bSt、p
St、oSt、eSt、ラットおよびニワトリStにおける169位
のロイシンはヒトおよびサルStにおけるメチオニンであ
る。
哺乳動物およびニトリ・ソマトトロピンにおける非メ
チオニン/メチオニン置換の中では、16例(例=位置数
+その位置におけるバリンを持つ種の数)において、バ
リンが4位におけるメチオニンを置き換え、ロイシンお
よびメチオニンは3位および13例で相互交換可能であ
り、イソロイシンは1位および2例でメチオニンを置き
換える。
前記のことを考慮すると、bStにおける4個の含メチ
オニン部位が独立と考えられると、5位についての好ま
しい変化は前記したごとくイソロイシンへのものであ
り、124位における不変メチオニンについてもやはりそ
うである。バリンもまた好ましい。149位についてはロ
イシンが好ましい。179位についてはバリンが好まし
い。
bStにおけるすべての4個のメチオニン残基が単一の
同一アミノ酸に変化する場合、選択は1)ロイシン、
2)バリン、または3)イソロイシンである。
同様の分析により、他の異種ポリペプチド類における
メチオニンに代えての他の適当なアミノ酸置換も当業者
ならば選択できる。
実施例13 ロイシン、イソロイシン、およびバリンでの
補足が組換体ウシ・ソマトトロピンを生産するための発
酵に与える影響 L−ロイシンでの低酵母エキス発酵の補足は株BST−
1によるノルロイシンの合成を完全に抑制した。加え
て、かかる発酵により、N−末端アミノ酸配列決定に付
した場合に、rbSt分子の5位にノルロイシンを含有しな
いrbStを生じた。しかしながら、低酵母エキス発酵のL
−ロイシンでの補足は、単独で、培養増殖を乱し、rbSt
生産量を低下させた。
L−ロイシン補足により媒介される可能性のある培養
増殖がイソロイシンおよび/またはバリンのde novo合
成に与えるいずれの抑制をも解消するために、L−ロイ
シン、L−イソロイシン、およびL−バリンでの補足を
用いて発酵を行った。各3種のアミノ酸での補足は、L
−ロイシンのみで補足した平行発酵と比較して大いに培
養増殖を促進させた(各々、44.9および12.9A550の培養
密度)。加えて、ロイシン、イソロイシン、およびバリ
ンでの補足の結果、ロイシン−補足発酵からの単に0.43
グラムrbSt/リットルと比較して、1.97グラムrbSt/リッ
トルの最終rbSt力価となった。N−末端アミノ酸配列決
定データにより、いずれの低酵母エキス発酵から得たrb
Stについても5位にノルロイシンが存在しないことを明
らかとされた。さらに、定量的アミノ酸分析により、い
ずれの発酵についての発酵培地試料にもノルロイシンは
検出されなかった。まとめると、これらのデータは、rb
Stの生産についての低酵母エキス発酵のL−ロイシン補
足はノルロイシンのde novo合成およびrbSt分子へのそ
の取り込みを抑制するという観察を支持する。
チャート1.ウシ・ソマトトロピンのアミノ酸配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/21 C12N 1/21 (C12P 13/06 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 キルシュナー,リチャード・ジェイ アメリカ合衆国ミシガン州49001、カラ マズー、サウス・パーク・ストリート 2334番 (72)発明者 ピナー,ジェイムズ・エフ アメリカ合衆国ミシガン州49002、ポー テイジ、セント・アンソニー3170番 (72)発明者 ガーリック,ロバート・エル アメリカ合衆国ミシガン州49012、オー ガスタ、ノース・フォーティーサード・ ストリート10050番 (56)参考文献 Jaurnal of Molecu lar Biclogy,Vol.133, p.217−231(1979) 相田浩著「応用微生物学」(昭42−3 −31)東京同文書院、第56−58頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/18,1/19,1/21 C07K 14/61 C12P 13/06,21/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発酵培地において、メチオニンの濃度を増
    加させるか、またはノルロイシンの量を減少させるか、
    あるいは双方を行うことを特徴とする、低濃度のアミノ
    酸類よりなる発酵培地上で増殖させた組換体宿主微生物
    によって発現される異種ポリペプチドへのノルロイシン
    取り込みを減少させる方法。
  2. 【請求項2】メチオニン生合成酵素類について抑制さ
    れ、かつメチオニンを過剰生産する突然変異体微生物を
    利用することを特徴とする低濃度のアミノ酸類上で増殖
    させた組換体宿主微生物によって発現される異種ポリペ
    プチドへのノルロイシン取り込みを阻止する方法。
  3. 【請求項3】低濃度のアミノ酸類を有する発酵培地上で
    組換体宿主微生物を増殖させつつ当該ポリペプチドを過
    剰発現させることを特徴とする該微生物によって発現さ
    れる異種ポリペプチドへのノルロイシン取り込みを引き
    起こす方法。
  4. 【請求項4】異種ポリペプチドをコード付けする組換体
    DNA分子におけるメチオニンをコード付けするコドン類
    をそれらが異なるアミノ酸をコード付けするように変化
    させることを特徴とする、該ポリペプチドをコード付け
    する該DNA分子で形質転換され、かつ低濃度のアミノ酸
    類上で増殖させた該微生物によって発現される該ポリペ
    プチドへのノルロイシン取り込みを阻止する方法。
  5. 【請求項5】該培地をメチオニンまたはロイシンあるい
    はその双方で補足することよりなる請求の範囲第1項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】該培地をシステインで補足することよりな
    る請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】該異なるアミノ酸の少なくとも1つがイソ
    ロイシン、ロイシンおよびバリンから選択される請求の
    範囲第4項記載の方法。
  8. 【請求項8】該異なるアミノ酸の少なくとも1つがイソ
    ロイシンである請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】該組換体宿主微生物がバチラス(Bacillu
    s)、サッカロミセス(Saccharomyces)、ストレプトミ
    セス(Streptomyces)、およびエシェリヒア・コリ(E.
    coli.)株から選択される請求の範囲前記いずれか1項
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】該組換体微生物がエシェリヒア・コリで
    ある請求の範囲第9項記載の方法。
  11. 【請求項11】該異種ポリペプチドがソマトトロピンで
    ある請求の範囲前記いずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】該ソマトトロピンがウシ・ソマトトロピ
    ンである請求の範囲第11項記載の方法。
  13. 【請求項13】低濃度のアミノ酸類を有する発酵培地上
    でエシェリヒア・コリを増殖させ、次いで、該エシェリ
    ヒア・コリによって生産されたノルロイシンを単離する
    ことを特徴とするノルロイシンの生産方法。
  14. 【請求項14】少なくとも1つのメチオニン残基が少な
    くとも1つの異なるアミノ酸によって置き換えられたウ
    シ・ソマトトロピン。
  15. 【請求項15】該少なくとも1つの異なるアミノ酸がイ
    ソロイシン、ロイシンおよびバリンから選択される請求
    の範囲第14項記載のウシ・ソマトトロピン。
  16. 【請求項16】該少なくとも1つの異なるアミノ酸がイ
    ソロイシンである請求の範囲第14項記載のウシ・ソマト
    トロピン。
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