JP2878530B2 - 原子炉用燃料集合体 - Google Patents

原子炉用燃料集合体

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JP2878530B2 JP4225775A JP22577592A JP2878530B2 JP 2878530 B2 JP2878530 B2 JP 2878530B2 JP 4225775 A JP4225775 A JP 4225775A JP 22577592 A JP22577592 A JP 22577592A JP 2878530 B2 JP2878530 B2 JP 2878530B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉に用いら
れる原子炉用燃料集合体に係わり、特に、通常燃料棒と
通常燃料棒より燃料有効長が短い短尺燃料棒とを用いた
原子炉用燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉(BWR)に用いられる
原子炉用燃料集合体は、細長い円筒状燃料棒が多数本結
束されたバンドルにより構成されている。このバンドル
は、スペーサによって燃料棒間を等間隔に保持されてお
り、またバンドル内には燃料棒の他にウオータロッドが
組み込まれている。このバンドルの外周はチャンネルボ
ックスに取り囲まれており、このチャンネルボックスは
上部が上部タイプレートに、下部が下部タイプレートに
接合されている。従来の燃料集合体では、燃料棒とウオ
ータロッドは8行×8列の格子状に規則正しく並べられ
ている。
【0003】近年、このような燃料集合体において燃料
経済性の向上が重要な課題となっている。この燃料経済
性の向上は、燃料集合体における燃料の燃焼度を大きく
することによって実現できる。燃料の燃焼度を大きくす
るには、燃料棒に充填される燃料ペレットに含まれるウ
ラン−235の濃縮度を上げればよい。しかし、減速材
対燃料比を大きくしないで濃縮度を上げたのでは、中性
子のエネルギスペクトルが硬化してしまい、燃料集合体
の無限増倍率はその濃縮度における無限増倍率の最大値
とはならず、またボイド反応度係数の絶対値が大きくな
り過ぎて過渡時の炉心の応答が厳しくなる。同じ濃縮度
でできるだけ大きい無限増倍率を得ると共にボイド反応
度係数の絶対値を適正に維持するためには、濃縮度に応
じた最適の減速材対燃料比を実現する必要がある。即
ち、燃料経済性を向上させるために濃縮度を上げると、
最適の減速材対燃料比が大きくなるので、ウォータロッ
ドの水領域を増やす必要がある。
【0004】ウォータロッドの水領域を高燃焼度化に伴
い増加させていくと、8×8格子のままでは燃料棒本数
が減少し、熱的余裕が小さくなる。また、高燃焼度化に
伴う濃縮度の増加は、炉心特性において燃料集合体間の
出力ミスマッチの増加を引き起こし、熱的余裕低減の要
因となる。このため、燃料棒配列を9行×9列の格子と
することにより、ウォータロッド配置の自由度を増すと
共に、燃料棒の平均線出力密度を低減させることによっ
て熱的余裕を確保することができる。
【0005】一方、9×9格子は、燃料棒のぬれぶち長
さが大きくなるので、炉心の圧力損失が増加する。この
ための対策として、例えば特開昭63−235889号
公報に示されているように、多数の燃料棒の内の何本か
を短尺(部分長)燃料棒とすることが提案されており、
これによりボイド率の高い炉心上部で燃料棒が無くなり
冷却材の流路面積が広くなり、圧力損失の増大を抑制す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−2358
89号公報に記載の従来技術のように短尺燃料棒を配置
した燃料集合体では、短尺燃料棒の上方は燃料ペレット
が無く、燃料による熱中性子の吸収が無いため熱中性子
の量が多い。このため、短尺燃料棒中のペレットの出力
分布は、短尺燃料棒の上端部で高くなる。このことを以
下で出力スパイクと呼ぶ。従来技術では、この出力スパ
イクの効果によって、短尺燃料棒上端部の線出力密度が
高くなり、またこの出力スパイクが隣接燃料棒に影響し
その部分での出力上昇を招く。このため、短尺燃料棒中
のペレットの濃縮度を低下させることや、出力スパイク
部近傍での隣接燃料棒の出力が低くなるように炉心設計
を配慮する必要があり、燃料集合体の核設計に対する自
由度が低下するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、短尺燃料棒の出力スパイ
クを小さくし、核設計に対する自由度を増大した原子炉
用燃料集合体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、燃料ペレットの上方に配置され燃料ペレ
ットを押さえるスプリング及びばね受け部材を有する第
1の燃料棒と、燃料ペレットの上方に配置され燃料ペレ
ットを押さえるスプリング及びばね受け部材を有し、燃
料ペレットの充填長さが前記第1の燃料棒の燃料ペレッ
トの充填長さより短い第2の燃料棒とを有する原子炉用
燃料集合体において、前記第2の燃料棒のばね受け部材
を前記第1の燃料棒のばね受け部材よりも厚くしたこと
を特徴とする。
【0009】ここで、好ましくは、前記第2の燃料棒の
ばね受け部材は前記第1の燃料棒のばね受け部材と同じ
材質である。
【0010】また、好ましくは、前記第1及び2の燃料
棒のばね受け部材はステンレス製である。
【0011】更に、好ましくは、前記第1の燃料棒のば
ね受け部材は約1mmの厚さを有し、前記第2の燃料棒
のばね受け部材は約2mm〜13mmの厚さを有し、一
例として第2の燃料棒のばね受け部材は約10mmの厚
さを有している。
【0012】また、好ましくは、前記第1及び第2の燃
料棒のばね受け部材は円盤形状でかつ前記燃料ペレット
に接して位置している。
【0013】また、好ましくは、前記第1及び第2の燃
料棒は9行×9列の格子状に配列されている。
【0014】更に、好ましくは、前記第2の燃料棒の燃
料ペレットにおける核燃料物質の濃縮度は軸方向に一様
であり、また好ましくは、燃料集合体内で最高の濃縮度
である。
【0015】
【作用】第2の燃料棒のばね受け部材を第1の燃料棒の
ばね受け部材よりも厚くすることにより、第2の燃料棒
のばね受け部材の体積が増加し熱中性子吸収効果が増大
する。この熱中性子吸収効果の増大により、第2の燃料
棒の出力スパイクが低減し、第2の燃料棒上端での線出
力密度の上昇が抑制される。また、第2の燃料棒の出力
スパイクが低減するので、第2の燃料棒の出力スパイク
部に隣接する燃料棒の出力も低くなる。このため、第2
の燃料棒の核燃料物質の濃縮度を軸方向に一様とするこ
とができ、またその濃縮度を燃料集合体内で最高の濃縮
度とすることができ、核設計の自由度を増大することが
できる。
【0016】第2の燃料棒のばね受け部材を第1の燃料
棒のばね受け部材と同じ材質とすることにより、ばね受
け部材の厚さを変えるだけで上記の出力スパイクの低減
効果が得られる。
【0017】ステンレスの熱中性子束に対する吸収断面
積は燃料(UO2 )に比べ小さいが、燃料ペレットの充
填長さの短い第2の燃料棒の上方は冷却材で満たされ、
ばね受け部材は中性子束のエネルギースペクトルの軟か
い領域に置かれているため、ばね受け部材をステンレス
製としその厚みを増すことでばね受け部材による中性子
吸収効果が相対的に大きく作用し、熱中性子束レベルを
低減することができる。したがって、第1及び第2の燃
料棒のばね受け部材を同じステンレス製とすることによ
り、従来と同じ材質を使用し厚さを変えるだけで上記出
力スパイクの低減効果が得られる。また、中性子の強吸
収体も使用していないため、コストの増加もない。
【0018】また、第2の燃料棒のばね受け部材をステ
ンレス製とした場合、その厚さを2mm〜13mmとす
れば、第2の燃料棒の出力スパイク及びこの出力スパイ
クの影響による隣接燃料棒の出力上昇の両方を低減する
効果が大きく、かつ第2の燃料棒及び隣接燃料棒共に出
力が低下し過ぎることがなく、出力分布が歪むこともな
い。第2の燃料棒のばね受け部材の厚さを10mmとす
ることにより、出力分布の平坦化を保ちながら第2の燃
料棒の出力スパイク及び隣接燃料棒への出力上昇の影響
が大幅に低減する。
【0019】以上の作用を有する第1及び第2の燃料棒
を9行×9列の格子状に配列して燃料集合体を構成する
ことにより、熱的余裕を確保しかつ圧力損失の増大を抑
制しながら燃料の燃焼度を大きくして燃料経済性を向上
し、合わせて出力スパイクの低減により核設計に対する
自由度の大きな燃料集合体が得られる。
【0020】第2の燃料棒の核燃料物質の濃縮度は軸方
向に一様とし、またその濃縮度を燃料集合体内で最高の
濃縮度とすることにより、燃料装荷量を増大し、一層の
高燃焼度化が図れる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜7により説
明する。図1において、本実施例の燃料集合体は沸騰水
型原子炉(BWR)用の9行×9列型の燃料集合体1と
して構成されている。燃料集合体1は細長い円筒状の燃
料棒2が多数本結束されたバンドル3により構成され、
このバンドル3は、スペーサ4によって燃料棒2間を等
間隔に保持されている。またバンドル3内には燃料棒2
の他に2本の太径ウォータロッド5が組み込まれてい
る。バンドル3の外周はチャンネルボックス6に取り囲
まれており、このチャンネルボックス6は上部が上部タ
イプレート7に、下部が下部タイプレート8に接合され
ている。
【0022】図2は燃料集合体1の断面図であり、燃料
棒2は9行×9列の格子状に規則正しく並べられ、2本
のウォータロッド5は燃料集合体中央の燃料棒が7本配
置可能な領域に対角線状に配置されている。燃料棒2
は、上下端が上部タイプレート7及び下部タイプレート
8に支持される通常の燃料棒10と、燃料充填部の長さ
が通常の第1の燃料棒10より短い短尺燃料棒11とか
らなり、短尺燃料棒11は9行×9列格子配列の外側か
ら2層目のコーナ部及び各辺の中央部に合計8本、対称
性を持たせて配置されている。
【0023】図1に戻り、ウォータロッド5は下部に冷
却水入口孔40が設けられ、上部には冷却水出口孔41
が設けられ、このウォータロッド5内を冷却水が下方か
ら上方へ流れる構成となっている。なお、図2におい
て、43は原子炉の核反応を抑制するための制御棒であ
る。
【0024】図3に通常の燃料棒10及び短尺燃料棒1
1の構成を示す。通常の燃料棒10は、被覆管20と、
被覆管20内に充填された円柱状の多数のUO2 燃料ペ
レット21と、被覆管20の上下両端を密封する上部端
栓22及び下部端栓23とを有し、上部端栓22には上
部タイプレート7中の支持空所に挿入される延長部24
が設けられ、下部端栓23には下部タイプレート8中の
支持空所に嵌合する嵌合部25が形成されている。被覆
管20の中で燃料ペレット21の充填部の上方は、核分
裂に伴って発生する気体状の核分裂性生物を貯めるガス
プレナム部26となっており、ガスプレナム部26には
燃料ペレット21を固定するためのコイルスプリング2
7及びばね受け部材28が配置されている。
【0025】短尺燃料棒11も、被覆管30と、被覆管
30内に充填された円柱状の多数のUO2 燃料ペレット
31と、被覆管30の上下両端を密封する上部端栓32
及び下部端栓33とを有しているが、上部端栓32は図
1に示すように自由端となるため、上部端栓32には燃
料棒10の上部端栓22のような延長部は設けられてお
らず、下部端栓33には下部タイプレート8中の支持空
所に嵌合する嵌合部35が形成されている。被覆管30
の中で燃料ペレット31の充填部の上方は、核分裂に伴
って発生する気体状の核分裂性生物を貯めるガスプレナ
ム部36となっており、ガスプレナム部36には燃料ペ
レット31を固定するためのコイルスプリング37及び
ばね受け部材38が配置されている。
【0026】短尺燃料棒11の燃料有効長である燃料ペ
レット31の充填部の長さL1は通常の燃料棒10の燃
料有効長である燃料ペレット21の充填部の長さL2よ
りも短く、本実施例では、燃料棒10の燃料充填部の下
端からその充填部の長さL2の15/24である。ま
た、短尺燃料棒11の軸方向長さもこれに対応して通常
の燃料棒10の軸方向長さより短く、具体的には短尺燃
料棒11の被覆管30の長さが通常の燃料棒10の被覆
管20の長さよりも短くなっている。
【0027】ばね受け部材28,38は、それぞれ、コ
イルスプリング27,37と燃料ペレット21,31と
の間でこれらに接して位置している。コイルスプリング
27,37及びばね受け部材28,38の材質は共に同
じステンレス(SUS)である。通常燃料棒10のばね
受け部材28は機械的に燃料ペレット21を押さえる機
能を有していればよく、円盤状のステンレスで構成し、
その厚さは約1mmである。短尺燃料棒11のばね受け
部材38は、燃料ペレット31を押さえておく機能に加
え、中性子を吸収して出力スパイクを抑制する機能を有
し、円柱状または円盤上のステンレスで構成し、その厚
さはばね受け部材28より厚い約10mmとなってい
る。
【0028】次に、本実施例の作用を説明する。前述し
たように、短尺燃料棒を配置した燃料集合体では、短尺
燃料棒の上方は燃料ペレットが無く、燃料による熱中性
子の吸収が無いため熱中性子の量が多い。このため、短
尺燃料棒中のペレットの出力分布は、短尺燃料棒の上端
部で高くなる出力スパイクが生じる。この出力スパイク
の効果によって、短尺燃料棒上端部の線出力密度が高く
なり、またこの出力スパイクが隣接燃料棒に影響しその
部分での出力上昇を招く。このため、短尺燃料棒中のペ
レットの濃縮度を低下させることや、出力スパイク部近
傍での隣接燃料棒の出力が低くなるように炉心設計を配
慮する必要があり、燃料集合体の核設計に対する自由度
が低下する。
【0029】本実施例では、短尺燃料棒11中のばね受
け部材38の厚さを約10mmと長尺燃料棒10のばね
受け部材28に比べ厚くしたので、ばね受け部材38に
燃料ペレット31を機械的に押さえておく機能に加え、
中性子を吸収し出力スパイクを抑制することができる。
【0030】短尺燃料棒11のばね受け部材38を厚く
した効果を図4〜図6に示す。図4は短尺燃料棒11を
使用した本実施例の燃料集合体1における短尺燃料棒1
1の軸方向の出力分布を示し、図5は短尺燃料棒11に
隣接する通常燃料棒10の軸方向の出力分布を示す。ま
た、両図において、aは短尺燃料棒11内のばね受け部
材38の厚さを約10mmとした本実施例の場合であ
り、bは比較のため約1mmとした場合である。この図
から、短尺燃料棒11内のばね受け部材38を厚くする
ことにより、短尺燃料棒11だけでなくそれに隣接する
燃料棒10についても軸方向出力分布が平坦となること
が分かる。
【0031】ステンレスの熱中性子束に対する吸収断面
積は燃料(UO2 )に比べ小さいが、短尺燃料棒11の
上方は冷却材で満たされ、ばね受け部材38は中性子束
のエネルギースペクトルの軟かい領域に置かれているた
め、ステンレス製のばね受け部材による中性子吸収効果
が相対的に大きく作用し、熱中性子束レベルを低減する
ことができる。この作用により、中性子の強吸収体を用
いること無く、短尺燃料棒上端部の出力スパイクが抑制
される。
【0032】図6は、短尺燃料棒11内のばね受け部材
38の厚さと短尺燃料棒11の燃料ペレット上端での出
力スパイク量及びその出力スパイクの影響による隣接燃
料棒の出力上昇の関係について示すものである。実線は
短尺燃料棒11の出力スパイク量を示し、一点鎖線は短
尺燃料棒11に隣接する通常燃料棒10の出力上昇への
影響を示す。短尺燃料棒11の出力スパイク量及び隣接
燃料棒10の出力上昇への影響は共にばね受け部材38
の厚さの増加にともない減少していき、特に約2mm付
近でその減少割合が大きくなっている。短尺燃料棒11
の出力スパイク量は約13mmでなくなり、隣接燃料棒
10の出力上昇への影響は約15mmでなくなる。ばね
受け部材38を13mm以上厚くすると出力スパイク量
はマイナスとなり、15mm以上厚くすると隣接燃料棒
10の出力上昇への影響はマイナスになる。即ち、短尺
燃料棒11では、ばね受け部材38の厚さを13mm以
上に厚くすると燃料棒先端に行くほど出力が下がり、隣
接燃料棒10では、ばね受け部材38の厚さを15mm
以上に厚くするとばね受け部材38の近傍で出力が下が
ることとなり、出力分布は余り平坦ではなくなってしま
う。
【0033】以上より、ばね受け部材38の厚さを2m
〜13mmとすれば、短尺燃料棒11の出力スパイク
量及び隣接燃料棒10の出力上昇への影響を共に低減す
る効果が大きく、かつ短尺燃料棒及び通常燃料棒の両方
で出力分布が歪むのを防止できることが分かり、特にば
ね受け部材38の厚さを10mmとした本実施例では、
出力分布の平坦化を保ちながら短尺燃料棒11及び隣接
燃料棒10共に出力スパイク量及び出力上昇を大幅に低
減することが分かる。
【0034】なお、短尺燃料棒11内のばね受け部材3
8を13mmより厚くした場合には、ばね受け部材38
の密度を低減することにより、出力分布を平坦にするこ
とが可能である。ばね受部材38の密度の低減は、円柱
状又は円盤状のステンレスに多数の小さな穴を開けるこ
とにより実現できる。この穴は円周方向でも軸方向でも
構わない。
【0035】図7に、本発明に基づいて燃料集合体内の
濃縮度分布を設計した例を示す。図中、図2に示す部材
と同じ部材には同じ符号を付している。ウラン濃縮度は
ABCDEFの順で低くなる。本発明では、短尺燃料棒
11内のばね受け部材を厚くしたことにより出力スパイ
クを抑制できるため、短尺燃料棒11内の濃縮度分布は
一様でかつ燃料集合体内で最高の濃縮度となっている。
これにより燃料装荷量を増大し、一層の高燃焼度化を図
り燃料経済性を向上できる。
【0036】したがって本実施例によれば、通常の燃料
棒10及び短尺燃料棒11を用いて9行×9列型の燃料
集合体を構成することにより、熱的余裕を確保しかつ圧
力損失の増大を抑制しながら燃料の燃焼度を大きくして
燃料経済性を向上することができると共に、短尺燃料棒
11の出力スパイクを低減したので短尺燃料棒11の核
燃料物質の濃縮度を軸方向に一様でかつ燃料集合体内で
最高とすることができ、核設計に対する自由度を増大す
ることができる。
【0037】また、短尺燃料棒11の出力スパイクの低
減効果は従来あるばね受け部材の厚さを変えるだけで得
られるので設計が簡単であり、また特別な中性子の強吸
収体も使用しないためコストの増加もない。
【0038】なお、以上の実施例では本発明を9行×9
列型の燃料集合体に適用した場合について説明したが、
それ以上の格子数の燃料集合体例えば10行×10列の
燃料集合体に本発明を適用してもよく、これによっても
同様の効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、第2の燃料棒のばね受
部材の熱中性子吸収効果の増大により第2の燃料棒の出
力スパイクが低減し、第2の燃料棒上端での線出力密度
の上昇を抑制することができる。また、第2の燃料棒の
出力スパイクが低減するので、第2の燃料棒の出力スパ
イク部に隣接する燃料棒の出力上昇も抑制できる。これ
により、本発明を9行×9列型またはそれ以上の格子数
の燃料集合体に適用し、熱的余裕を確保しかつ圧力損失
の増大を抑制しながら燃料経済性を向上することができ
ると共に、第2の燃料棒の出力スパイクが低減するので
第2の燃料棒の核燃料物質の濃縮度を軸方向に一様とす
ることができ、またその濃縮度を燃料集合体内で最高の
濃縮度とすることができ、核設計に対する自由度が増大
する。
【0040】また、第2の燃料棒のばね受部材の厚さを
変えるだけで、燃料ペレットを押さえておく本来の機能
に加え、熱中性子吸収効果の増大による出力スパイク抑
制機能が付加されるので、設計が極めて簡単である。
【0041】また、第1及び第2の燃料棒のばね受け部
材を従来と同じステンレス製としたので、従来部品の厚
さを変えるだけで上記出力スパイクの低減効果が得ら
れ、中性子の強吸収体も使用しないためコストの増加も
ない。
【0042】また、9行×9列型の燃料集合体を構成し
たので、熱的余裕を確保しかつ圧力損失の増大を抑制し
ながら燃料の燃焼度を大きくして燃料経済性を向上し、
合わせて出力スパイクの低減により核設計に対する自由
度を増大できる。
【0043】更に、第2の燃料棒の核燃料物質の濃縮度
は軸方向に一様とし、またその濃縮度を燃料集合体内で
最高の濃縮度としたので、燃料装荷量を増大し、一層の
高燃焼度化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による原子炉用燃料集合体の
縦断面図である。
【図2】図1に示す燃料集合体の横断面図である。
【図3】通常の燃料棒及び短尺燃料棒の構造を示す部分
断面図である。
【図4】短尺燃料棒内の軸方向出力分布を示す図であ
る。
【図5】短尺燃料棒に隣接する燃料棒内の軸方向出力分
布を示す図である。
【図6】短尺燃料棒内のばね受け部材の厚さと出力スパ
イク量との関係を示す図である。
【図7】本発明の一実施例による原子炉用燃料集合体の
濃縮度分布の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 原子炉用燃料集合体 2 燃料棒 10 通常の燃料棒(第1の燃料棒) 11 短尺燃料棒(第2の燃料棒) 27,37 スプリング 28,38 ばね受け部材
フロントページの続き (72)発明者 藤田 聡志 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 関根 信雄 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立 エンジニアリング株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 3/326 GDB G21C 3/18 GDB

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ペレットの上方に配置され燃料ペレ
    ットを押さえるスプリング及びばね受け部材を有する第
    1の燃料棒と、燃料ペレットの上方に配置され燃料ペレ
    ットを押さえるスプリング及びばね受け部材を有し、燃
    料ペレットの充填長さが前記第1の燃料棒の燃料ペレッ
    トの充填長さより短い第2の燃料棒とを有する原子炉用
    燃料集合体において、 前記第2の燃料棒のばね受け部材を前記第1の燃料棒の
    ばね受け部材よりも厚くしたことを特徴とする原子炉用
    燃料集合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第2の燃料棒のばね受け部材は前記第1の燃
    料棒のばね受け部材と同じ材質であることを特徴とする
    原子炉用燃料集合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第1及び2の燃料棒のばね受け部材はステン
    レス製であることを特徴とする原子炉用燃料集合体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第1の燃料棒のばね受け部材は約1mmの厚
    さを有し、前記第2の燃料棒のばね受け部材は約2mm
    〜13mmの厚さを有することを特徴とする原子炉用燃
    料集合体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第1の燃料棒のばね受け部材は約1mmの厚
    さを有し、前記第2の燃料棒のばね受け部材は約10m
    mの厚さを有することを特徴とする原子炉用燃料集合
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第1及び第2の燃料棒のばね受け部材は円盤
    形状でかつ前記燃料ペレットに接して位置することを特
    徴とする原子炉用燃料集合体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第1及び第2の燃料棒は9行×9列の格子状
    に配列されていることを特徴とする原子炉用燃料集合
    体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第2の燃料棒の燃料ペレットにおける核燃料
    物質の濃縮度は軸方向に一様であることを特徴とする原
    子炉用燃料集合体。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の原子炉用燃料集合体にお
    いて、前記第2の燃料棒の燃料ペレットにおける核燃料
    物質の濃縮度は燃料集合体内で最高の濃縮度であること
    を特徴とする原子炉用燃料集合体。
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