JP2877776B2 - 金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量計測方法及び装置 - Google Patents
金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量計測方法及び装置Info
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- JP2877776B2 JP2877776B2 JP8330180A JP33018096A JP2877776B2 JP 2877776 B2 JP2877776 B2 JP 2877776B2 JP 8330180 A JP8330180 A JP 8330180A JP 33018096 A JP33018096 A JP 33018096A JP 2877776 B2 JP2877776 B2 JP 2877776B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、金属部材の両面突合
せ溶接部等の放射線透過画像を画像撮影装置を介して計
算機に取り込み、取り込み画像の計算処理によりオフシ
ーム量(表裏両面の溶接ビード中心線間のずれ量)を算
出する金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量及び
欠陥計測の技術分野に属する。
せ溶接部等の放射線透過画像を画像撮影装置を介して計
算機に取り込み、取り込み画像の計算処理によりオフシ
ーム量(表裏両面の溶接ビード中心線間のずれ量)を算
出する金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量及び
欠陥計測の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼板や鋼管等の金属材料溶接部の
品質の評価には放射線透過試験が行われ、X線やγ線等
の放射線透過試験により得られた写真フィルムをシャー
カステン(ドイツ語、Schaukasten)と呼ば
れるフィルム観察器で検査員が目視を介して観察し、放
射線透過写真に現れる濃淡像から欠陥の判別を行うに、
欠陥の有無、種類、寸法、位置等を調べている。
品質の評価には放射線透過試験が行われ、X線やγ線等
の放射線透過試験により得られた写真フィルムをシャー
カステン(ドイツ語、Schaukasten)と呼ば
れるフィルム観察器で検査員が目視を介して観察し、放
射線透過写真に現れる濃淡像から欠陥の判別を行うに、
欠陥の有無、種類、寸法、位置等を調べている。
【0003】ところが、このような検査員による目視を
介しての検査は通常暗室内で行われるためと、明るさの
明るい該シャーカステンのフィルム観察器で濃度の高い
フィルムを観察するためにより、繰り返し作業に伴い検
査員の眼が疲れ、作業中に視力が低下する。又、欠陥の
大きさや間隔は0.1mm単位で測定する必要が有るの
に対して、検査員の目視を介しての測定では測定精度が
良くない欠点がある。
介しての検査は通常暗室内で行われるためと、明るさの
明るい該シャーカステンのフィルム観察器で濃度の高い
フィルムを観察するためにより、繰り返し作業に伴い検
査員の眼が疲れ、作業中に視力が低下する。又、欠陥の
大きさや間隔は0.1mm単位で測定する必要が有るの
に対して、検査員の目視を介しての測定では測定精度が
良くない欠点がある。
【0004】更に、該目視を介しての判定作業は検査員
が交代しながら行われるが、濃淡像から欠陥を判別する
には検査員の経験と勘とを必要とするため、当該検査員
によって判定結果が微妙に異なり、検査に対する信頼性
が低くなるという難点があった。
が交代しながら行われるが、濃淡像から欠陥を判別する
には検査員の経験と勘とを必要とするため、当該検査員
によって判定結果が微妙に異なり、検査に対する信頼性
が低くなるという難点があった。
【0005】そこで、上記の欠点等を解消するため放射
線透過写真から欠陥の有無、種類、寸法、位置等を自動
的に判別する方法が特開昭60−250236号公報発
明に見られるように提案されてはいる。
線透過写真から欠陥の有無、種類、寸法、位置等を自動
的に判別する方法が特開昭60−250236号公報発
明に見られるように提案されてはいる。
【0006】該種方法技術は、放射線透過写真を透過し
た透過光を画像入力用テレビカメラで撮影し、該テレビ
カメラより得られる画像信号を画像処理装置に入力して
欠陥の判別を行うものである。
た透過光を画像入力用テレビカメラで撮影し、該テレビ
カメラより得られる画像信号を画像処理装置に入力して
欠陥の判別を行うものである。
【0007】又、上記の自動判別方法の更なる確実性や
安定性、信頼性等の向上、改良を目的とした要素技術と
して、特開平3−209583号公報(特公平7−11
9713号)に開示される溶接欠陥像の自動抽出処理方
法や特開平3−209582号公報に開示される溶接欠
陥の種類推定方法や特開平3−210412号公報に開
示される放射線透過試験の欠陥判別方法等が既に開発さ
れてはいる。
安定性、信頼性等の向上、改良を目的とした要素技術と
して、特開平3−209583号公報(特公平7−11
9713号)に開示される溶接欠陥像の自動抽出処理方
法や特開平3−209582号公報に開示される溶接欠
陥の種類推定方法や特開平3−210412号公報に開
示される放射線透過試験の欠陥判別方法等が既に開発さ
れてはいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金属部材の
両面突合せ溶接部の品質評価方法の一つとして、その表
裏両面の溶接ビード中心線間のずれ、即ち、オフシーム
量を検出して該オフシーム量を予め決められた許容値と
比較して溶接部の品質の良否を判定する方法がある。
両面突合せ溶接部の品質評価方法の一つとして、その表
裏両面の溶接ビード中心線間のずれ、即ち、オフシーム
量を検出して該オフシーム量を予め決められた許容値と
比較して溶接部の品質の良否を判定する方法がある。
【0009】即ち、図7,図8に示す様に、左右の母材
1,1´ の両面突合せ溶接部の間にX型開先部2を形
成し、該開先部2の表裏両面側からシーム溶接を行う
に、溶接ビード3,3´ を形成する場合に、一般には
手溶接、自動溶接を問わず、該表裏両面の溶接ビード
3,3´ が当該図7に示す様に相対して表裏対称にな
るように正確に形成されるとは限らない。
1,1´ の両面突合せ溶接部の間にX型開先部2を形
成し、該開先部2の表裏両面側からシーム溶接を行う
に、溶接ビード3,3´ を形成する場合に、一般には
手溶接、自動溶接を問わず、該表裏両面の溶接ビード
3,3´ が当該図7に示す様に相対して表裏対称にな
るように正確に形成されるとは限らない。
【0010】例えば、図8に示す様に、表面(上側)側
の溶接ビード3の止端線6,6´と裏面(下面)側の溶
接ビード3´ の止端線7,7´ との間には開先、或い
は、溶接ビード3,3´ に直交する方向に、各々ずれ
a,bが生ずる場合があり、この場合のオフシーム(溶
接ビード3,3´ 間のずれ)量Xは、下記数1で示さ
れる。
の溶接ビード3の止端線6,6´と裏面(下面)側の溶
接ビード3´ の止端線7,7´ との間には開先、或い
は、溶接ビード3,3´ に直交する方向に、各々ずれ
a,bが生ずる場合があり、この場合のオフシーム(溶
接ビード3,3´ 間のずれ)量Xは、下記数1で示さ
れる。
【0011】
【数1】X=(a+b)/2 上記のような表裏両面の溶接ビード3,3´ の中心線
間のずれ、即ち、オフシーム量Xがある限度を超えて大
きくなると、該溶接ビード3,3´ 部に融合不良やス
ラグ巻き込みや溶込み不良等の溶接欠陥が発生し易くな
るばかりでなく、当該図8に示す態様の様に、表面(上
面)側の溶接ビード3の止端線6´ と裏面(下面)側
の溶接ビード3´ の止端線7´ が各々開先部2の肩部
稜線に近くなり、この部分に応力集中が生じ易いため継
手強度が著しく低くなるという不都合さがある。
間のずれ、即ち、オフシーム量Xがある限度を超えて大
きくなると、該溶接ビード3,3´ 部に融合不良やス
ラグ巻き込みや溶込み不良等の溶接欠陥が発生し易くな
るばかりでなく、当該図8に示す態様の様に、表面(上
面)側の溶接ビード3の止端線6´ と裏面(下面)側
の溶接ビード3´ の止端線7´ が各々開先部2の肩部
稜線に近くなり、この部分に応力集中が生じ易いため継
手強度が著しく低くなるという不都合さがある。
【0012】そこで、図9に示す様に、UOE鋼管等の
溶接管1p のX型開先部2の内部に形成された内外両面
の溶接ビード3,3´ を挟んで、該管1p の内部にX
線源4を、管外部に写真フィルム5をそれぞれ配置し、
管端を含む所定の領域のX線透過写真を得たうえで、図
10に示す様なX線透過写真画像から、表側の溶接ビー
ド3の止端線6,6´ と裏側の溶接ビード3´ の止端
線7,7´ との間に溶接ビードに直交する方向へのず
れa,bがあることを認識すると共に、そのオフシーム
量Xを前記数1から算出し、該オフシーム量Xを予め設
定されたオフシーム許容量より大きいか、小さいかによ
って溶接部の品質の良否を判定している。
溶接管1p のX型開先部2の内部に形成された内外両面
の溶接ビード3,3´ を挟んで、該管1p の内部にX
線源4を、管外部に写真フィルム5をそれぞれ配置し、
管端を含む所定の領域のX線透過写真を得たうえで、図
10に示す様なX線透過写真画像から、表側の溶接ビー
ド3の止端線6,6´ と裏側の溶接ビード3´ の止端
線7,7´ との間に溶接ビードに直交する方向へのず
れa,bがあることを認識すると共に、そのオフシーム
量Xを前記数1から算出し、該オフシーム量Xを予め設
定されたオフシーム許容量より大きいか、小さいかによ
って溶接部の品質の良否を判定している。
【0013】しかしながら、上記のようなオフシーム量
Xの自動計測とこれに併せて該オフシーム量Xの自動計
測に基づく溶接部の品質の良否判定を自動的に行う技術
は確立されておらず、未だに検査員による目視を介して
の計測と判定が行われているため、前述のような検査員
による目視検査の欠点にもかかわらず、例えば、前述特
開昭60−250236号公報において提案されている
ような放射線透過写真の自動判別方式は、これまで実用
化されていなかったのが実状である。
Xの自動計測とこれに併せて該オフシーム量Xの自動計
測に基づく溶接部の品質の良否判定を自動的に行う技術
は確立されておらず、未だに検査員による目視を介して
の計測と判定が行われているため、前述のような検査員
による目視検査の欠点にもかかわらず、例えば、前述特
開昭60−250236号公報において提案されている
ような放射線透過写真の自動判別方式は、これまで実用
化されていなかったのが実状である。
【0014】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく、オフシーム量の自動計測及び溶接部の品質の良
否判定の問題点を解決すべき技術的課題とし、計測精度
や確実性の高い、又、自動化の可能な金属部材の両面突
合せ溶接部のオフシーム量の自動計測と品質判定が行え
るようにして溶接構造物製造産業に於ける溶接技術利用
分野に益する優れたオフシーム量計測方法を提供せんと
するものである。
基づく、オフシーム量の自動計測及び溶接部の品質の良
否判定の問題点を解決すべき技術的課題とし、計測精度
や確実性の高い、又、自動化の可能な金属部材の両面突
合せ溶接部のオフシーム量の自動計測と品質判定が行え
るようにして溶接構造物製造産業に於ける溶接技術利用
分野に益する優れたオフシーム量計測方法を提供せんと
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述目的に沿い先述特許
請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述
課題を解決するために、金属部材の両面突合せ溶接部の
放射線透過画像を画像撮影装置と画像処理装置とを介し
て計算機に取り込み、取り込み画像の計算処理により表
裏両面の溶接ビード中心間のずれ量(以降、オフシーム
量と称する)を算出するに際し、該表裏両面の溶接ビー
ドの中のいずれか一方の溶接ビードの余盛を、放射線透
過試験前に予め前記金属部材の溶接ビード方向の端部か
ら所定の長さを研削、除去しておき、該余盛の研削部を
含む放射線透過画像から所定の画像処理、計算処理によ
って表裏両面の溶接ビードの止端線を自動抽出し、該表
裏両面の溶接ビードの止端線の位置関係からオフシーム
量を算出することを基幹とし、又、表裏両面の溶接ビー
ドの止端線のうち、前記余盛研削部に現出している両側
のビード止端線を一方の溶接ビードの止端線と認識し、
該止端線の延長部に平行して現出する止端線をもう一方
の側のビード止端線と認識するようにした技術的手段を
講じたものである。
請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述
課題を解決するために、金属部材の両面突合せ溶接部の
放射線透過画像を画像撮影装置と画像処理装置とを介し
て計算機に取り込み、取り込み画像の計算処理により表
裏両面の溶接ビード中心間のずれ量(以降、オフシーム
量と称する)を算出するに際し、該表裏両面の溶接ビー
ドの中のいずれか一方の溶接ビードの余盛を、放射線透
過試験前に予め前記金属部材の溶接ビード方向の端部か
ら所定の長さを研削、除去しておき、該余盛の研削部を
含む放射線透過画像から所定の画像処理、計算処理によ
って表裏両面の溶接ビードの止端線を自動抽出し、該表
裏両面の溶接ビードの止端線の位置関係からオフシーム
量を算出することを基幹とし、又、表裏両面の溶接ビー
ドの止端線のうち、前記余盛研削部に現出している両側
のビード止端線を一方の溶接ビードの止端線と認識し、
該止端線の延長部に平行して現出する止端線をもう一方
の側のビード止端線と認識するようにした技術的手段を
講じたものである。
【0016】
【作用】上述のように表裏両面の溶接ビードの中のいず
れか一方の溶接ビードの余盛を、放射線透過試験前に、
予め前記金属部材の溶接ビード方向の端部から所定の長
さ研削、除去しておくことにより、余盛研削部を含む放
射線透過画像に於ては、該余盛研削部相当位置には非研
削側の溶接ビードの止端線のみが現れ、したがって、余
盛研削部相当位置に明確に現出している側のビード止端
線を一方の側(非研削側)の溶接ビードの止端線と認識
し、該止端線の延長部に平行して現出する止端線をもう
一方の側(余盛研削側)のビード止端線と認識すること
が出来、したがって、前述のような余盛研削部を含む放
射線透過画像から、所定の画像処理、計算処理によっ
て、前記表裏両面のそれぞれの溶接ビードの止端線を自
動抽出し、上述のように溶接ビード止端線を認識・識別
すれば、これら止端線の位置情報からオフシーム量を算
出することが出来るようにしたものである。
れか一方の溶接ビードの余盛を、放射線透過試験前に、
予め前記金属部材の溶接ビード方向の端部から所定の長
さ研削、除去しておくことにより、余盛研削部を含む放
射線透過画像に於ては、該余盛研削部相当位置には非研
削側の溶接ビードの止端線のみが現れ、したがって、余
盛研削部相当位置に明確に現出している側のビード止端
線を一方の側(非研削側)の溶接ビードの止端線と認識
し、該止端線の延長部に平行して現出する止端線をもう
一方の側(余盛研削側)のビード止端線と認識すること
が出来、したがって、前述のような余盛研削部を含む放
射線透過画像から、所定の画像処理、計算処理によっ
て、前記表裏両面のそれぞれの溶接ビードの止端線を自
動抽出し、上述のように溶接ビード止端線を認識・識別
すれば、これら止端線の位置情報からオフシーム量を算
出することが出来るようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、この出願の発明の実施しよ
うとする形態を溶接管1p に対する実施例の態様として
図面を参照して説明すれば、以下の通りである。
うとする形態を溶接管1p に対する実施例の態様として
図面を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0018】尚、該溶接管1p にあってはその気密性や
水密性が極めて重要であって厳密に求められていること
から、管端1pe部に気密試験装置や水圧試験装置のプラ
グを挿入するために、図1の(b)に示す様に、管内の
裏面側のビード3´ の余盛を管端1peから所定の長さ
Lだけ研削削除し、余盛研削部8を形成するのが一般的
であり、したがって、このような管端1pe部の管内の裏
面のビード3´ の余盛研削後に、該余盛研削部8を含
む管端被検査部に対して前記図9で示したように放射線
透過試験行う。
水密性が極めて重要であって厳密に求められていること
から、管端1pe部に気密試験装置や水圧試験装置のプラ
グを挿入するために、図1の(b)に示す様に、管内の
裏面側のビード3´ の余盛を管端1peから所定の長さ
Lだけ研削削除し、余盛研削部8を形成するのが一般的
であり、したがって、このような管端1pe部の管内の裏
面のビード3´ の余盛研削後に、該余盛研削部8を含
む管端被検査部に対して前記図9で示したように放射線
透過試験行う。
【0019】図2は上記のような溶接管1p の管端1pe
部の被検査部9を含む放射線透過画像の一例を模式的に
示した平面図であるが、裏面の溶接ビード3´ の余盛
研削部8の相当位置には、表面側のビード3の止端線
6,6´ は明確に現出して、検出・認識され易いが、
裏面側のビード3´ の止端線7,7´ は余盛研削部8
の相当位置には当然現出することはなく、前記のように
裏面のビード3´ 余盛研削部8相当位置に現出した表
面側のビード3の止端線6,6´ の余盛非研削部8´
の相当位置に延長部と平行して現れる。
部の被検査部9を含む放射線透過画像の一例を模式的に
示した平面図であるが、裏面の溶接ビード3´ の余盛
研削部8の相当位置には、表面側のビード3の止端線
6,6´ は明確に現出して、検出・認識され易いが、
裏面側のビード3´ の止端線7,7´ は余盛研削部8
の相当位置には当然現出することはなく、前記のように
裏面のビード3´ 余盛研削部8相当位置に現出した表
面側のビード3の止端線6,6´ の余盛非研削部8´
の相当位置に延長部と平行して現れる。
【0020】図3はこの出願の発明の方法に用いる装置
の態様の例を示し、一点鎖線で囲まれた上側のA部を含
むものは直視方式の、二点鎖線で囲まれた下側のA´
部を含むものは間接方式の態様である。
の態様の例を示し、一点鎖線で囲まれた上側のA部を含
むものは直視方式の、二点鎖線で囲まれた下側のA´
部を含むものは間接方式の態様である。
【0021】即ち、当該上側の直視方式Aにおいては、
溶接管1p の管端1pe部の表裏面の溶接ビード3,3´
を含む被検査部9に対して、当該、図3に示す様に、
管内部のX線源4からX線を所定に放射し、前記被検査
部9を透過した該X線で形成される透過画像を撮影する
X線テレビカメラ10と、該X線テレビカメラ10の撮
影画像に所定の画像処理を行う画像処理装置11と、処
理された画像信号を2値化するアナログデジタル変換器
14と、該アナログデジタル変換器14で取り込んだ2
値化画像データに所定の数学的計算処理を行い、前記表
裏両面の溶接ビード3,3´ の止端線6,6´ ,7,
7´ を自動抽出し、該表裏両面の溶接ビード3,3´
の止端線6,6´ ,7,7´ の位置情報からオフシー
ム量Xを算出する画像処理計算機15と、該画像処理計
算機15の出力装置としてのディスプレイ装置16、或
いは、記録装置16´ とから構成されている。
溶接管1p の管端1pe部の表裏面の溶接ビード3,3´
を含む被検査部9に対して、当該、図3に示す様に、
管内部のX線源4からX線を所定に放射し、前記被検査
部9を透過した該X線で形成される透過画像を撮影する
X線テレビカメラ10と、該X線テレビカメラ10の撮
影画像に所定の画像処理を行う画像処理装置11と、処
理された画像信号を2値化するアナログデジタル変換器
14と、該アナログデジタル変換器14で取り込んだ2
値化画像データに所定の数学的計算処理を行い、前記表
裏両面の溶接ビード3,3´ の止端線6,6´ ,7,
7´ を自動抽出し、該表裏両面の溶接ビード3,3´
の止端線6,6´ ,7,7´ の位置情報からオフシー
ム量Xを算出する画像処理計算機15と、該画像処理計
算機15の出力装置としてのディスプレイ装置16、或
いは、記録装置16´ とから構成されている。
【0022】又、図3の下側に示す間接方式A´ にお
いては、溶接管1p の管端1pe部の内外の溶接ビード
3,3´ を含む被検査部9のX線透過画像を撮影した
フィルム5に対して照明源12の蛍光灯の照明光を照射
し、該フィルム5からの透過光で形成される透過画像を
撮影するITVカメラ13と、該ITVカメラ13の撮
影画像に所定の画像処理を行う画像処理装置11´
と、上記同様の処理された画像信号を2値化するアナロ
グデジタル変換器14と、該アナログデジタル変換器1
4で取り込んだ2値化画像データに所定の数学的計算処
理を行い、前記表裏両面の溶接ビード3,3´ の止端
線6,6´ ,7,7´ を自動抽出し、該表裏両面の溶
接ビード3,3´ の止端線6,6´ ,7,7´ の位
置情報からオフシーム量Xを算出する画像処理計算機1
5と、該画像処理計算機15の出力装置としてのディス
プレイ装置16、或いは、記録装置16´ とから構成
されている。
いては、溶接管1p の管端1pe部の内外の溶接ビード
3,3´ を含む被検査部9のX線透過画像を撮影した
フィルム5に対して照明源12の蛍光灯の照明光を照射
し、該フィルム5からの透過光で形成される透過画像を
撮影するITVカメラ13と、該ITVカメラ13の撮
影画像に所定の画像処理を行う画像処理装置11´
と、上記同様の処理された画像信号を2値化するアナロ
グデジタル変換器14と、該アナログデジタル変換器1
4で取り込んだ2値化画像データに所定の数学的計算処
理を行い、前記表裏両面の溶接ビード3,3´ の止端
線6,6´ ,7,7´ を自動抽出し、該表裏両面の溶
接ビード3,3´ の止端線6,6´ ,7,7´ の位
置情報からオフシーム量Xを算出する画像処理計算機1
5と、該画像処理計算機15の出力装置としてのディス
プレイ装置16、或いは、記録装置16´ とから構成
されている。
【0023】次に、この出願の発明の方法発明について
溶接管1p の管端1pe部の表裏両面の突合せ溶接部のオ
フシーム量Xの計測に適用した場合の実施の態様の例
を、前記図1〜図3、及び、図4〜図6に従って以下に
説明する。尚、図4はこの出願の発明の方法発明の実施
の形態の手順を示すフローチャート図である。
溶接管1p の管端1pe部の表裏両面の突合せ溶接部のオ
フシーム量Xの計測に適用した場合の実施の態様の例
を、前記図1〜図3、及び、図4〜図6に従って以下に
説明する。尚、図4はこの出願の発明の方法発明の実施
の形態の手順を示すフローチャート図である。
【0024】まず、放射線透過試験に先立って、溶接管
1p の裏面のビード3´ の余盛を管端1peから所定の
長さLだけ研削、削除しておく(図1参照)。
1p の裏面のビード3´ の余盛を管端1peから所定の
長さLだけ研削、削除しておく(図1参照)。
【0025】そして、順に次の各ステップを行う。
【0026】1)溶接部放射線透過画像を計算機15へ
取り込む(図4のステップ101)。
取り込む(図4のステップ101)。
【0027】而して、図3に実施の形態を例示したよう
なA側表示の装置を用いて、表裏面の溶接ビード3,3
´ を含む溶接管1p の管端1peの該被検査部9に対す
るX線等の放射線による透過試験を行い、得られた被検
査部9の透過画像を直接、X線テレビカメラ10、画像
処理装置11、及び、アナログデジタル変換器14を介
してデジタル画像として画像処理計算機15に取り込
む。
なA側表示の装置を用いて、表裏面の溶接ビード3,3
´ を含む溶接管1p の管端1peの該被検査部9に対す
るX線等の放射線による透過試験を行い、得られた被検
査部9の透過画像を直接、X線テレビカメラ10、画像
処理装置11、及び、アナログデジタル変換器14を介
してデジタル画像として画像処理計算機15に取り込
む。
【0028】或いは、A側表示のような被検査部9に対
して放射線透過試験を行って、フィルム5上に透過画像
を撮影し、該フィルム5を間接的な画像媒体としてIT
Vテレビカメラ13、画像処理装置11´ 、及び、ア
ナログデジタル変換器14を介してデジタル画像として
画像処理計算機15に取り込む。(尚、該画像処理計算
機15に取り込まれたデジタル画像を以下原画像と呼
ぶ。) 2)該原画像を読み出し、次述の明るさ(輝度)の正規
化、雑音の除去を行う(ステップ102)。
して放射線透過試験を行って、フィルム5上に透過画像
を撮影し、該フィルム5を間接的な画像媒体としてIT
Vテレビカメラ13、画像処理装置11´ 、及び、ア
ナログデジタル変換器14を介してデジタル画像として
画像処理計算機15に取り込む。(尚、該画像処理計算
機15に取り込まれたデジタル画像を以下原画像と呼
ぶ。) 2)該原画像を読み出し、次述の明るさ(輝度)の正規
化、雑音の除去を行う(ステップ102)。
【0029】この場合、明るさの正規化とは、取り込み
画像の各画素がもつ明るさの程度を示す値(以下、輝度
値と呼ぶ)の最大値、最小値を計算機で扱う画像の輝度
範囲で(例えば、階調が265段階の場合、最大値を2
65に、最小値を0として)線形変換するものである。
画像の各画素がもつ明るさの程度を示す値(以下、輝度
値と呼ぶ)の最大値、最小値を計算機で扱う画像の輝度
範囲で(例えば、階調が265段階の場合、最大値を2
65に、最小値を0として)線形変換するものである。
【0030】又、雑音除去については、周公知である
「中間値フィルター」を用いる方法によるが、該方法
は、画像の各画素について、その周りに「窓」の小領域
を設け、前記画素の輝度値を該窓内の輝度の中間値で置
き換える方法である。
「中間値フィルター」を用いる方法によるが、該方法
は、画像の各画素について、その周りに「窓」の小領域
を設け、前記画素の輝度値を該窓内の輝度の中間値で置
き換える方法である。
【0031】該方法により雑音除去に伴う画像のボケを
防ぎ、周辺の重要な情報を損うことなく、雑音等の細か
な輝度の揺らぎや孤立したインパルス性の雑音を画像か
ら除去することが可能となるものであって、このような
手法は特開平3−209583号(特公平7−1197
13号)公報にも開示してあるものである。 3)画像の2値化処理を行う(ステップ103)。
防ぎ、周辺の重要な情報を損うことなく、雑音等の細か
な輝度の揺らぎや孤立したインパルス性の雑音を画像か
ら除去することが可能となるものであって、このような
手法は特開平3−209583号(特公平7−1197
13号)公報にも開示してあるものである。 3)画像の2値化処理を行う(ステップ103)。
【0032】上記の補正画像を溶接線方向に適当な幅で
分割し、図5に示す様に、溶接線に直交する方向の輝度
分布を求め、分割幅毎に最小2乗規準に基づいて自動的
に2値化閾値17を求めて2値化する。 4)溶接線の中心線を求める(ステップ104)。
分割し、図5に示す様に、溶接線に直交する方向の輝度
分布を求め、分割幅毎に最小2乗規準に基づいて自動的
に2値化閾値17を求めて2値化する。 4)溶接線の中心線を求める(ステップ104)。
【0033】2値化画像の各列の中心点の座標を求め、
最小2乗法により図5に示す溶接線領域18の中心線1
9を求める。 5)表外面側のビード3の止端線6,6´ を求める
(ステップ105)。
最小2乗法により図5に示す溶接線領域18の中心線1
9を求める。 5)表外面側のビード3の止端線6,6´ を求める
(ステップ105)。
【0034】上記の溶接線中心線19より溶接線に直交
する方向に開先幅の1/2以上ずれ、離れた画像範囲を
母材1,1´ とする(図5参照)。次に、溶接線中心
線19の両面側の領域で溶接線に直交する方向の画素の
列に対して、まず、母材1,1´ の輝度平均値を計算
し、次いで、画素列を該母材1,1´ から溶接線中心
線19に向かうように走査し、母材1,1´ 部の輝度
平均値とその画素の輝度値の差が予め設定した閾値以上
になった画素の位置を表側溶接ビード3の止端線6,6
´ とする。 6)溶接線に直交する方向の輝度変化強調画像を抽出す
る(ステップ106)。
する方向に開先幅の1/2以上ずれ、離れた画像範囲を
母材1,1´ とする(図5参照)。次に、溶接線中心
線19の両面側の領域で溶接線に直交する方向の画素の
列に対して、まず、母材1,1´ の輝度平均値を計算
し、次いで、画素列を該母材1,1´ から溶接線中心
線19に向かうように走査し、母材1,1´ 部の輝度
平均値とその画素の輝度値の差が予め設定した閾値以上
になった画素の位置を表側溶接ビード3の止端線6,6
´ とする。 6)溶接線に直交する方向の輝度変化強調画像を抽出す
る(ステップ106)。
【0035】前記2)の(ステップ102)で雑音除去
された画像に対して、溶接線方向に細長い2次微分フィ
ルターを用いて溶接線に直交する方向の輝度変化を強調
した画像を得る。
された画像に対して、溶接線方向に細長い2次微分フィ
ルターを用いて溶接線に直交する方向の輝度変化を強調
した画像を得る。
【0036】該2次微分フィルターの例を表1に示す。
【0037】
【表1】上記表1において、下部の横欄は注目画素であ
り、該注目画素の周りの画素の輝度値と該画素に該当す
る位置のフィルター値を掛け合わせた後に足し込み、こ
の値を注目画素の輝度値と置き換えた画像を強調画像と
呼ぶ。 7)裏面側の溶接ビード3´ の止端線7,7´ の候補
点を求める(ステップ107)。
り、該注目画素の周りの画素の輝度値と該画素に該当す
る位置のフィルター値を掛け合わせた後に足し込み、こ
の値を注目画素の輝度値と置き換えた画像を強調画像と
呼ぶ。 7)裏面側の溶接ビード3´ の止端線7,7´ の候補
点を求める(ステップ107)。
【0038】上述6)(ステップ106)で得た強調画
像から、表面側のビード3の止端線6,6´ の溶接線
中心線19との間で画素の輝度値が最大の点を裏面側の
ビード3´ の止端線7,7´ の候補点とし、溶接線中
心線19を挟む両側で、溶接線に直交する方向のライン
に沿って各々1点ずつ求める。 8)裏面側の溶接ビード3´ の止端線7,7´ を抽出
する(ステップ108)。
像から、表面側のビード3の止端線6,6´ の溶接線
中心線19との間で画素の輝度値が最大の点を裏面側の
ビード3´ の止端線7,7´ の候補点とし、溶接線中
心線19を挟む両側で、溶接線に直交する方向のライン
に沿って各々1点ずつ求める。 8)裏面側の溶接ビード3´ の止端線7,7´ を抽出
する(ステップ108)。
【0039】溶接線中心線19の両側で各々抽出された
止端線の候補点間を補間して、これらの溶接線方向の列
を溶接線中心線19の両側で各々求めて、裏面側のビー
ド3´ の止端線7,7´ とする。
止端線の候補点間を補間して、これらの溶接線方向の列
を溶接線中心線19の両側で各々求めて、裏面側のビー
ド3´ の止端線7,7´ とする。
【0040】上記補間の具体的な処理手順を以下に説明
するが、この処理は溶接線中心線19の両側で同じよう
に適用される。
するが、この処理は溶接線中心線19の両側で同じよう
に適用される。
【0041】(a)該溶接線中心線19から表裏両面の
ビード3,3´ の止端線6,6´,7,7 ´ の候補
点の各々までの距離のヒストグラムをとる。
ビード3,3´ の止端線6,6´,7,7 ´ の候補
点の各々までの距離のヒストグラムをとる。
【0042】(b)該ヒストグラムの中からある距離
(例えば、5画素分の距離、又は、1mm等)の範囲の
画素分布数の合計が最大となる部分を裏面側のビート3
´ の止端線7, 7´ の「確からしい範囲」と見做
す。
(例えば、5画素分の距離、又は、1mm等)の範囲の
画素分布数の合計が最大となる部分を裏面側のビート3
´ の止端線7, 7´ の「確からしい範囲」と見做
す。
【0043】(c)該「確からしい範囲」内に存在する
候補点の多い画像中の端の部分から裏面側のビート3´
の止端線7,7´ に相当する画素を以下の手順によっ
て選択する。
候補点の多い画像中の端の部分から裏面側のビート3´
の止端線7,7´ に相当する画素を以下の手順によっ
て選択する。
【0044】走査している候補点に溶接線方向で隣接
している次の候補点の溶接線に直交する方向のずれ量を
調べる。
している次の候補点の溶接線に直交する方向のずれ量を
調べる。
【0045】例えば、4画素以上ずれている場合は、
途切れたものと見做して走査を続行し、次に3画素以内
のずれに収まるまでの間を途切れた区間とする。
途切れたものと見做して走査を続行し、次に3画素以内
のずれに収まるまでの間を途切れた区間とする。
【0046】途切れた区間が短い場合は、途切れた両
側の点を直線で補間し、その直線上の画素を選択する
が、途切れた区間が長い(例えば30画素以上の)場合
は、隣接する点とのずれが2画素の範囲内で強調度が最
大の点を順に裏面側の止端線7,7´ 上の画素として
選択していく。
側の点を直線で補間し、その直線上の画素を選択する
が、途切れた区間が長い(例えば30画素以上の)場合
は、隣接する点とのずれが2画素の範囲内で強調度が最
大の点を順に裏面側の止端線7,7´ 上の画素として
選択していく。
【0047】尚、上記の処理手順は裏面側のビード3´
余盛研削部8(図1参照)の存否により該裏面側のビ
ード3´ が有る無しにかかわらず、表面側ビード3の
止端線6,6´ 、裏面側のビード3´ の止端線7,7
´ について行い得るものである。 9) 裏面側の止端線7,7´ が画像上に撮影されてい
るか否か判定する(ステップ109)。
余盛研削部8(図1参照)の存否により該裏面側のビ
ード3´ が有る無しにかかわらず、表面側ビード3の
止端線6,6´ 、裏面側のビード3´ の止端線7,7
´ について行い得るものである。 9) 裏面側の止端線7,7´ が画像上に撮影されてい
るか否か判定する(ステップ109)。
【0048】前記8)(ステップ108)の段階での途
切れの状態(途切れた線の個数,短い途切れ線の個数及
び「確からしい範囲」から外れた画素数が、ある判定基
準値よりも大か小かの判定によって、裏面側のビート3
´ の止端線7,7´ の像が画像として写し込まれてお
り、正しく抽出されているかどうかを判定する。
切れの状態(途切れた線の個数,短い途切れ線の個数及
び「確からしい範囲」から外れた画素数が、ある判定基
準値よりも大か小かの判定によって、裏面側のビート3
´ の止端線7,7´ の像が画像として写し込まれてお
り、正しく抽出されているかどうかを判定する。
【0049】正しく抽出されていないと判断された場合
は、裏面側のビート3´ の止端線7,7´ と表面側の
ビート3´ の止端線6,6´ とが重なっているものと
する。 10)画像中での余盛研削部8と非研削部8´ との境
界部8b (図2)の存在の有無を調べる(ステップ11
0)。
は、裏面側のビート3´ の止端線7,7´ と表面側の
ビート3´ の止端線6,6´ とが重なっているものと
する。 10)画像中での余盛研削部8と非研削部8´ との境
界部8b (図2)の存在の有無を調べる(ステップ11
0)。
【0050】溶接線中心線19に沿って、あるサイズ
(例えば4〜5mm)の方形の領域の明るさの平均値を
溶接線方向に一定の距離だけ離れた場所で求め、その明
るさの差がある値以上である時には、その間に余盛研削
部8と非研削部8´ との境界部8b が存在するものと
する。 11)該研削境界部8b が存在する場合、研削されてい
ない溶接線の中心線19を抽出する(ステップ11
1)。
(例えば4〜5mm)の方形の領域の明るさの平均値を
溶接線方向に一定の距離だけ離れた場所で求め、その明
るさの差がある値以上である時には、その間に余盛研削
部8と非研削部8´ との境界部8b が存在するものと
する。 11)該研削境界部8b が存在する場合、研削されてい
ない溶接線の中心線19を抽出する(ステップ11
1)。
【0051】画像中に研削境界部8b が存在する場合、
裏面側の余盛が研削されている側(研削境界部8b を挟
んで輝度値の小さい側)の溶接線内で溶接線に直交する
方向での余盛の輝度変化を求め、輝度値が最大となる画
素位置を求める。最高輝度点の画素位置を直線近似し、
これを研削していない余盛の中心線19とする。 12)止端線7,7´ の位置関係を決定する(ステッ
プ112)。
裏面側の余盛が研削されている側(研削境界部8b を挟
んで輝度値の小さい側)の溶接線内で溶接線に直交する
方向での余盛の輝度変化を求め、輝度値が最大となる画
素位置を求める。最高輝度点の画素位置を直線近似し、
これを研削していない余盛の中心線19とする。 12)止端線7,7´ の位置関係を決定する(ステッ
プ112)。
【0052】前記4)〜9)(ステップ104〜10
9)の手順によって抽出した4本の止端線6,6´ ,
7,7´ (重なっていると判断された場合も各々1本
と数える)と、前記11)(ステップ111)で求めた
研削していない溶接線の余盛の中心線19との位置関係
を調べる。
9)の手順によって抽出した4本の止端線6,6´ ,
7,7´ (重なっていると判断された場合も各々1本
と数える)と、前記11)(ステップ111)で求めた
研削していない溶接線の余盛の中心線19との位置関係
を調べる。
【0053】即ち、該4本の止端線6,6´ ,7,7
´ から任意の2本を選び、この2本の止端線の溶接線
に直交する方向の位置の中点位置を該前記11)(ステ
ップ111)で求めた中心線19の位置に最も近い組み
合わせを研削部8側に存在する余盛研削されていない表
面の溶接ビード3の止端線の組と見做し、残りの2本の
止端線7,7´ を余盛が研削された側の裏面のビード
3´ の止端線7,7´の組とする。13)オフシーム
量Xを計測する(ステップ113)。
´ から任意の2本を選び、この2本の止端線の溶接線
に直交する方向の位置の中点位置を該前記11)(ステ
ップ111)で求めた中心線19の位置に最も近い組み
合わせを研削部8側に存在する余盛研削されていない表
面の溶接ビード3の止端線の組と見做し、残りの2本の
止端線7,7´ を余盛が研削された側の裏面のビード
3´ の止端線7,7´の組とする。13)オフシーム
量Xを計測する(ステップ113)。
【0054】溶接線方向のある垂直断面でのオフシーム
量Xは次の定義により算定する。
量Xは次の定義により算定する。
【0055】即ち、前記12)(ステップ112)の処
理により、4本の止端線6,6´,7,7´ を溶接部
の表面,裏面の2つのグループに分ける。この表面側の
止端線6,6´ と裏面側の止端線7,7´ の位置パタ
ーンは図6に示すケース〜の5つのパターンがあ
り、その各々の場合について止端線6,6´ ,7,7
´ 間の距離によってオフシーム量を当該図6の右欄に
記載の通り定義する。
理により、4本の止端線6,6´,7,7´ を溶接部
の表面,裏面の2つのグループに分ける。この表面側の
止端線6,6´ と裏面側の止端線7,7´ の位置パタ
ーンは図6に示すケース〜の5つのパターンがあ
り、その各々の場合について止端線6,6´ ,7,7
´ 間の距離によってオフシーム量を当該図6の右欄に
記載の通り定義する。
【0056】溶接線方向のある垂直断面でのオフシーム
量Xは、上述のようにして求まるが、溶接品質の良否に
判定を用いるオフシーム量X´ は止端線6,6´ ,
7,7´ の抽出誤差の影響を軽減するため、それらを
統計処理した値を用いることが出来る。
量Xは、上述のようにして求まるが、溶接品質の良否に
判定を用いるオフシーム量X´ は止端線6,6´ ,
7,7´ の抽出誤差の影響を軽減するため、それらを
統計処理した値を用いることが出来る。
【0057】例えば、溶接品質良否の判定対象となる溶
接線方向の範囲内で、デジタル画像の溶接線方向の各断
面で得られるオフシーム量Xの平均値と最大値、最小値
を求め、その中から通常の統計処理手法の最大側から1
0%と最少側から20%を除いた残り70%のオフシー
ム量Xの中央値の平均を溶接品質判定のためのオフシー
ム量X´ として定義する。 14)該オフシーム量X´ により溶接品質の良否を判
定する(ステップ114)。
接線方向の範囲内で、デジタル画像の溶接線方向の各断
面で得られるオフシーム量Xの平均値と最大値、最小値
を求め、その中から通常の統計処理手法の最大側から1
0%と最少側から20%を除いた残り70%のオフシー
ム量Xの中央値の平均を溶接品質判定のためのオフシー
ム量X´ として定義する。 14)該オフシーム量X´ により溶接品質の良否を判
定する(ステップ114)。
【0058】予め、板厚、溶接法、材質、用途等に応じ
て基準オフシーム量X0 を与えておき、この値と上記1
3)(ステップ113)で得られたオフシーム量X´
を比較することによって溶接品質の良否を判定する。
て基準オフシーム量X0 を与えておき、この値と上記1
3)(ステップ113)で得られたオフシーム量X´
を比較することによって溶接品質の良否を判定する。
【0059】以上の実施例は、UOE鋼管等の溶接管1
p にこの出願の発明を適用した態様について説明したも
のであるが、この出願の発明の実施例の態様はこれに限
るものではなく、溶接品質が問題となる金属部材の両面
突合せ溶接部のオフシーム量Xの測定に広く適用が可能
であり、この出願の発明の要旨を逸脱しない範囲内で他
の実施態様をも含むことは言うまでもない。
p にこの出願の発明を適用した態様について説明したも
のであるが、この出願の発明の実施例の態様はこれに限
るものではなく、溶接品質が問題となる金属部材の両面
突合せ溶接部のオフシーム量Xの測定に広く適用が可能
であり、この出願の発明の要旨を逸脱しない範囲内で他
の実施態様をも含むことは言うまでもない。
【0060】例えば、UOE溶接鋼管1p の両面突合せ
溶接部のX線透過写真フィルムを対象として、前述図3
のA´ に示す様な装置を用い、先述のような手順によ
ってオフシーム量Xの計測を行い、同じフィルムを対象
として検査員が該オフシーム量Xの測定、計算を行った
結果と比較した。
溶接部のX線透過写真フィルムを対象として、前述図3
のA´ に示す様な装置を用い、先述のような手順によ
ってオフシーム量Xの計測を行い、同じフィルムを対象
として検査員が該オフシーム量Xの測定、計算を行った
結果と比較した。
【0061】対象としたフィルムは、板厚が7.92〜
25mmのUOE溶接鋼管1p の管端1peの溶接部のX
線透過写真フィルム26枚である。このフィルムから検
査員がオフシーム量を測定、計算した部分の周辺を画像
に取り込み、この出願の発明の方法によりオフシーム量
Xを計測した結果を比較して次の表2に示す。
25mmのUOE溶接鋼管1p の管端1peの溶接部のX
線透過写真フィルム26枚である。このフィルムから検
査員がオフシーム量を測定、計算した部分の周辺を画像
に取り込み、この出願の発明の方法によりオフシーム量
Xを計測した結果を比較して次の表2に示す。
【0062】
【表2】当該表2に示す様に、検査員の計測結果とこの
出願の発明による計測結果との差は、対象フィルム26
枚のうち21枚が1.0mm未満、26枚のうち24枚
が1.0mm以下となり、この出願の発明の方法による
計測結果は検査員による計測結果と良く一致する結果と
して得られ、両面突合せ溶接部のオフシーム量Xの計測
の自動化と溶接品質判定の自動化が可能であることが分
った。
出願の発明による計測結果との差は、対象フィルム26
枚のうち21枚が1.0mm未満、26枚のうち24枚
が1.0mm以下となり、この出願の発明の方法による
計測結果は検査員による計測結果と良く一致する結果と
して得られ、両面突合せ溶接部のオフシーム量Xの計測
の自動化と溶接品質判定の自動化が可能であることが分
った。
【0063】
【発明の効果】従来、検査員の眼が疲れ易く、測定精度
が良好でなく、又、検査員間の測定・判定のバラツキも
あって検査の信頼性に問題があった検査員の目視を介し
ての測定による金属部材の表裏両面の突合せ溶接部のオ
フシーム量の計測と、該オフシーム量による溶接品質の
判定を、この出願の発明によれば精度良く、且つ、容易
に自動化することが出来、上述のような検査員の目視を
介しての測定による問題点が解消される。
が良好でなく、又、検査員間の測定・判定のバラツキも
あって検査の信頼性に問題があった検査員の目視を介し
ての測定による金属部材の表裏両面の突合せ溶接部のオ
フシーム量の計測と、該オフシーム量による溶接品質の
判定を、この出願の発明によれば精度良く、且つ、容易
に自動化することが出来、上述のような検査員の目視を
介しての測定による問題点が解消される。
【図1】両面突合せ溶接管の管端部内面ビード余盛の研
削状況を示す態様図であり、(a)はその部分斜視図で
あり、(b)はその側断面図である。
削状況を示す態様図であり、(a)はその部分斜視図で
あり、(b)はその側断面図である。
【図2】管端部内面ビード余盛の研削部を含むX線透過
写真フィルム画像の一例を示す模式平面図である。
写真フィルム画像の一例を示す模式平面図である。
【図3】この出願の発明に使用する装置の実施の態様構
成を示す模式図である。
成を示す模式図である。
【図4】この出願の発明の方法の実施の形態の一例の手
順を示すフローチャートである。
順を示すフローチャートである。
【図5】溶接線に直交する方向の画像輝度分布を示す模
式グラフ図である。
式グラフ図である。
【図6】表面側の溶接ビード止端線と裏面側の溶接ビー
ド止端線の位置関係のパターンと各パターンでのオフシ
ーム量の定義を示す図である。
ド止端線の位置関係のパターンと各パターンでのオフシ
ーム量の定義を示す図である。
【図7】両面突合せ溶接部の断面図の一例である。
【図8】両面突合せの溶接部のオフシーム量の定義の例
を示す別の断面図である。
を示す別の断面図である。
【図9】溶接管端部のX線透過写真撮影状況を示す斜視
図である。
図である。
【図10】両面突合せ溶接部のX線透過写真フィルム画
像の一例を示す模式平面図である。
像の一例を示す模式平面図である。
1,1´ 金属部材 1p 溶接鋼管 1pe 管端 2 開先部 3 表(外、上)面側ビード 3´ 裏(内、下)面側ビード 4 放射線(X線)源 5 放射線(X線)写真フィルム 6,6´ 表(外、上)面側ビード止端線 7,7´ 裏(内、下)面側ビード止端線 8 余盛研削部 8´ 余盛非研削部 8b 研削境界部 9 被検査部 10 放射線(X線)テレビカメラ 11,11´ 画像処理装置 12 照明光源(蛍光灯) 13 ITVカメラ 17 2値化閾値 18 溶接線領域 19 溶接線中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 幸治 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 井内 貞夫 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 守井 隆史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 楠 光裕 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭60−135705(JP,A) 特開 昭52−6357(JP,A) 実開 昭56−99401(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 31/00 G01N 23/00
Claims (2)
- 【請求項1】金属部材の両面突合せ溶接部の放射線透過
画像を画像撮影装置と画像処理装置とを介して計算機に
取り込み、取り込み画像の計算処理により表裏両面の溶
接ビート中心間のずれ量(以降、オフシーム量と称す
る)を算出するに際し、上 記表裏両面の溶接ビードの中のいずれか一方の溶接ビ
ードの余盛を、放射線透過試験前に予め前記金属部材の
溶接ビード方向をその端部から所定の長さを研削、除去
しておき、余盛研削部を含む放射線透過画像から、所定
の画像処理、計算処理によって、前記表裏両面のそれぞ
れの溶接ビードの止端線を自動抽出し、該止端線の位置
情報からオフシーム量を算出するようにすることを特徴
とする金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量計測
方法。 - 【請求項2】前記表裏両面の溶接ビードの止端線のう
ち、前記余盛研削部に現出している側のビード止端線を
一方の溶接ビードの止端線と認識し、該止端線の延長部
に平行して現出する止端線をもう一方の側のビードの止
端線と認識してオフシーム量を算出するようにすること
を特徴とする請求項1記載の金属部材の両面突合せ溶接
部のオフシーム量計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8330180A JP2877776B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量計測方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8330180A JP2877776B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 金属部材の両面突合せ溶接部のオフシーム量計測方法及び装置 |
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-
1996
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