JP2876996B2 - 波形整形回路 - Google Patents

波形整形回路

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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
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    • H03K5/01Shaping pulses
    • H03K5/08Shaping pulses by limiting; by thresholding; by slicing, i.e. combined limiting and thresholding
    • H03K5/082Shaping pulses by limiting; by thresholding; by slicing, i.e. combined limiting and thresholding with an adaptive threshold
    • H03K5/086Shaping pulses by limiting; by thresholding; by slicing, i.e. combined limiting and thresholding with an adaptive threshold generated by feedback
    • H03K5/088Shaping pulses by limiting; by thresholding; by slicing, i.e. combined limiting and thresholding with an adaptive threshold generated by feedback modified by switching, e.g. by a periodic signal or by a signal in synchronism with the transitions of the output signal

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入力されるアナログ
信号を任意に波形整形して出力する波形整形回路に関
し、特に自動車等に搭載されたエンジンの電子制御シス
テムにあって、エンジン回転数を監視すべく電磁ピック
アップを介して抽出されるクランク角度信号等、交番ア
ナログ信号として取り出される信号をその交番周期に正
確に対応した2値化信号として波形整形する回路の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】図12に、例えば4気筒エンジンを想定
したエンジンの電子制御システムについてその概略を示
す。
【0003】この図12において、符号1は、4気筒エ
ンジンのカム軸と同期して回転するシグナルロータを示
す。そして同図12に示されるように、シグナルロータ
1の外周面には、この例では4つのクランク角検出用の
突起2a、2b、2c及び2dが90度毎に等間隔に設
けられている。これら突起2a、2b、2c及び2d
は、適宜の磁性体からなる錐状突起として形成されてい
る。
【0004】また、シグナルロータ1の近傍には電磁ピ
ックアップ3が配設され、該ピックアップ3を通じて、
シグナルロータ1の回転に伴う上記突起2a、2b、2
c及び2dの通過が検出される。この電磁ピックアップ
3は、適宜の磁性体材料からなるコア(図示せず)にコ
イル(図示せず)が巻装されて構成されている。
【0005】また波形整形回路4は、上記突起2a、2
b、2c及び2dを有するシグナルロータ1の回転に伴
ってこの電磁ピックアップ3に誘起される交番アナログ
信号をその交番周期に対応した2値化信号として波形整
形する回路である。こうした波形整形は通常、上記交番
アナログ信号と比較基準信号とをコンパレータにより比
較することによって行われる。こうして2値化信号とし
て波形整形された信号はマイクロコンピュータ(CP
U)5に取り込まれる。
【0006】他方、A/Dコンバータ6は、エンジン各
部に配設されている他の図示しないセンサを通じて入力
される「エンジン水温」や「バッテリ電圧」にそれぞれ
対応したアナログ信号をA/D変換する回路である。こ
れら信号についてのA/D変換は、その変換チャンネル
の指定(取り込むべきアナログ信号の指定)に併せてマ
イクロコンピュータ(CPU)5から発せられるA/D
変換指令に基づいて実行され、そのA/D変換結果が同
マイクロコンピュータ(CPU)5に取り込まれる。
【0007】また、入力バッファ7は、例えば「電気負
荷信号」、「アイドル信号」、「スタータ信号」等々の
いわゆるオン/オフ信号を入力して、これら信号をマイ
クロコンピュータ(CPU)5が処理するのに適正なレ
ベルに調整する回路である。これらレベル調整された信
号もマイクロコンピュータ(CPU)5に随時取り込ま
れる。
【0008】マイクロコンピュータ(CPU)5は、上
記波形整形回路4を通じて波形整形された信号の2値化
周期に基づいてシグナルロータ1の回転数、ひいてはエ
ンジンの回転数を算出するとともに、上記A/Dコンバ
ータ6や入力バッファ7を通じて取り込む上記各種信号
を所要に処理する。そして、その都度のエンジン状態に
見合った好適なエンジン制御が実現されるよう、燃料噴
射装置(図示せず)に対する噴射信号、並びに点火装置
(図示せず)に対する点火信号を出力する。
【0009】ところで、このようなエンジンの電子制御
システムにあって、その都度の制御量、制御タイミング
を適正に決定するためには、少なくとも上記エンジンの
回転数についてこれをマイクロコンピュータ(CPU)
5自身が正確に把握している必要がある。そしてそのた
めには、上記電磁ピックアップ3に誘起される交番アナ
ログ信号をその交番周期に正確に対応した2値化信号と
して波形整形することも必須となる。
【0010】しかし通常は、点火ノイズ等の車両ノイズ
が上記誘起される交番アナログ信号に重畳されることが
多く、またこれら重畳されるノイズ成分が波形整形回路
4における上記コンパレータの2値化出力を狂わせるな
ど、必ずしも上記アナログ信号の交番周期に対応した正
確な波形整形が行われるとは限らない。このように正確
な波形整形を行うことができなかった場合には、上記マ
イクロコンピュータ(CPU)5を通じて求められるエ
ンジン回転数も自ずと誤った値となり、ひいては該電子
制御システムとしての信頼性も大きく損なわれることと
なる。
【0011】そこで従来は、上記波形整形回路4として
例えば図13に示されるような回路を用いることによっ
て、こうした不都合に対処していた。すなわちこの図1
3に示す波形整形回路において、入力端子41は、上記
電磁ピックアップ3に誘起された交番アナログ信号が受
入される端子である。該入力端子41に入力された交番
アナログ信号は、信号Sinとしてコンパレータ42の
反転入力(−端子)に加えられる。コンパレータ42の
非反転入力(+端子)には比較基準信号Vthが加えら
れる。
【0012】一方同波形整形回路4において、出力端子
43は、上記マイクロコンピュータ(CPU)5に対し
上記コンパレータ42を通じて波形整形された信号So
utを出力する端子である。
【0013】また、同波形整形回路4において、F/V
変換回路44、ダイナミックヒステリシス生成回路4
5、第1スレッショルド生成回路46、及び第2スレッ
ショルド生成回路47は、コンパレータ42の非反転入
力(+端子)に加えられる上記比較基準信号Vthを生
成する回路である。
【0014】このうち、F/V変換回路44は、コンパ
レータ42から出力される波形整形信号Soutを取り
込んでその周波数、すなわちエンジン回転数に対応した
電圧変換信号Vfvを出力する回路である。この出力さ
れる電圧変換信号Vfvは、ダイナミックヒステリシス
生成回路45及び第1スレッショルド生成回路46に対
してそれぞれ加えられる。
【0015】また、ダイナミックヒステリシス生成回路
45は、所定の波高値を有し、上記F/V変換回路44
から出力される電圧変換信号Vfvの電圧値に比例した
速度にてそのレベルが減衰するダイナミックヒステリシ
ス電流Imを生成する回路である。同回路45の一例を
図14に示す。
【0016】この図14に示すダイナミックヒステリシ
ス生成回路45において、トランジスタQ11は、コンパ
レータ42から出力される波形整形信号Soutが論理
L(ロー)レベルとなるときオンとなるトランジスタで
あり、トランジスタQ12は、同波形整形信号Soutが
論理H(ハイ)レベルとなるときオンとなるトランジス
タである。そして、トランジスタQ11がオンとなること
によって静電容量Cmからなるコンデンサ451への充
電が開始され、トランジスタQ12がオンとなることによ
ってこの充電された電荷の放電が開始される。
【0017】放電時、その放電電流Inmは、上記トラ
ンジスタQ12を介して放電制御回路452に流れ込み、
そこで上記F/V変換回路44から出力される電圧変換
信号Vfvに基づきその放電量が制御される。
【0018】放電制御回路452は、例えば図15に示
されるように、定電流源4521、抵抗4522、加算
用ダイオード4523及び4524、非反転増幅器45
25、トランジスタ4526、負荷抵抗4527、及び
帰還用ダイオード4528を具えて構成される回路であ
る。
【0019】この放電制御回路452では、例えば図1
6に示すように、上記電圧変換信号Vfvがエンジン回
転数150rpmに対応した電圧となるまでは、上記定
電流源4521と抵抗4522とにより定まる定電圧I
c・Rcが負荷抵抗4527に加わることとなる。すな
わちこの場合、上記放電電流Inmは、 Inm=Ic・Rc/Rt といった一定電流となる。しかし、同電圧変換信号Vf
vが例えば上記エンジン回転数150rpmに対応した
電圧を超えると、上記負荷抵抗4527に加わる電圧も
この電圧変換信号Vfvの電圧値が支配的となり、以後
は放電電流Inmも、同図16に示されるように、 Inm=Vfv/Rt といった態様で、電圧変換信号Vfvの電圧値に比例し
てその流量が増大する。すなわち、電圧変換信号Vfv
の電圧値に比例して放電速度が高められるようになる。
【0020】一方、図14に示す同ダイナミックヒステ
リシス生成回路45において、トランジスタQ13は、上
記コンデンサ451の両端電圧Vnmを増幅するトラン
ジスタであり、トランジスタQ14、Q15、及びQ16は、
ベース電流補正型の電流ミラー回路を構成するトランジ
スタである。
【0021】したがって、トランジスタQ13による上記
電圧Vnmの増幅に伴い、同トランジスタQ13のコレク
タにはIref1といった電流が流れるものとすると、
上記トランジスタQ16のコレクタからも、この電流Ir
ef1と同様の電流Imが流れるようになる。そして、
これら電流Iref1及びImは、図17に示されるよ
うに、上記波形整形出力Soutが論理Hレベルにある
とき、ある一定の波高値から上記電流Inmの放電に伴
って徐々にレベル減衰するようになる。また、このレベ
ル減衰に伴うマスク時間Tmは、同放電電流Inmの放
電速度に比例して、すなわちエンジン回転数に比例して
短くなる。なお、波形整形出力Soutが論理Lレベル
となるときには、インバータ453を通じてトランジス
タQ17がオンとなり、上記電流Imの流出は禁止され
る。
【0022】図18に、この電流(ダイナミックヒステ
リシス電流)Imと抵抗値R2なる抵抗51(図13、
図14)とにより形成されるダイナミックヒステリシス
電圧Vmの電圧波形を示す。このダイナミックヒステリ
シス電圧Vmも、同図18に示されるように、 (イ)波高値は、エンジン回転数が変化しても一定値に
保持される。 (ロ)マスク時間Tmは、エンジン回転数が高回転とな
るほど短くなる。 といった特性を有するようになる。なお、同図18にお
いて、電圧Vfは、以下に説明する第1スレッショルド
生成回路46を通じて生成されるスレッショルド電圧で
ある。これらダイナミックヒステリシス電圧Vmとスレ
ッショルド電圧Vfとの加算電圧が上記比較基準信号V
thとなる。
【0023】因みに、上記ダイナミックヒステリシス電
圧Vmとは、図19に示されるような点火ノイズによっ
て、入力信号(電磁ピックアップ3の出力)Sinに図
20(a)に示される態様でノイズN1が重畳される場
合にこれをマスクする電圧である。
【0024】すなわち、比較基準信号Vthに対してダ
イナミックヒステリシス電圧Vmの成分が存在しなかっ
た場合には、同図20(a)及び(b)に示されるよう
に、前記マイクロコンピュータ5の誤動作を招くかたち
で波形整形信号Soutが出力されるのに対し、同電圧
Vmの成分が存在する場合には、同図20(a)及び
(c)に示されるように、上記ノイズN1が好適にマス
クされ、正確な波形整形信号Soutが得られるように
なる。
【0025】また、図13に示した波形整形回路4にお
いて、第1スレッショルド生成回路46は、上記F/V
変換回路44から出力される電圧変換信号Vfvの電圧
値に比例してそのレベルが増減するスレッショルド電流
Ifを生成する回路である。同回路46の一例を図21
に示す。
【0026】この図21に示す第1スレッショルド生成
回路46において、トランジスタQ21は、上記F/V変
換回路44から出力される電圧変換信号Vfvを増幅す
るトランジスタであり、またトランジスタQ22、Q23、
及びQ24は、ベース電流補正型の電流ミラー回路を構成
するトランジスタである。
【0027】したがってここでは、トランジスタQ21に
よる上記信号Vfvの増幅に伴い、同トランジスタQ21
のコレクタにIref2といった電流が流れるものとす
ると、上記トランジスタQ24のコレクタからも、この電
流Iref2と同様の電流Ifが流れるようになる。た
だし、この電流Ifがある電流値以下の場合、すなわち
上記信号Vfvが小さいあるエンジン回転数以下の場合
には、定電流源461によってこの電流If分が吸い取
られ(If=0)、同電流Ifを通じて生成されるスレ
ッショルド電圧Vfは、上記抵抗50及び51からなる
分圧回路の分圧値(最小値)にて一定となる。
【0028】他方、トランジスタQ26は、上記電圧変換
信号Vfvが抵抗462及び463からなる分圧回路の
分圧値以上となるときオンとなるトランジスタである。
したがって、電圧変換信号Vfvがこの分圧値以上とな
るときには、すなわちエンジン回転数がある回転数以上
となるときには、上記電流Ifは、同抵抗462及び4
63からなる分圧回路の分圧値により決まる電流値(最
大値)にて一定となり、上記スレッショルド電圧Vf
も、該電流Ifの最大値に対応した値にて一定となる。
【0029】結局、同第1スレッショルド生成回路46
から出力されるスレッショルド電流Ifは、上記波形整
形出力Soutが論理Hレベルにあるとき、これら最小
値と最大値との間を、上記電圧変換信号Vfvの大き
さ、すなわちエンジン回転数に比例して、図22に示さ
れる態様でそのレベルが増減するようになる。また、波
形整形出力Soutが論理Lレベルとなるときには、イ
ンバータ464を通じてトランジスタQ25がオンとな
り、同電流Ifの流出は禁止される。
【0030】図23に、該スレッショルド電流Ifに基
づき生成されるスレッショルド電圧Vfとエンジン回転
数(電圧変換信号Vfvの大きさ)との関係についてそ
の一例を示す。
【0031】同図23に示されるように、このスレッシ
ョルド電圧Vfは、例えばエンジン回転数50rpm以
下で最小値A1となり、エンジン回転数2000rpm
以上で最大値A3となる。その間の値A2は、エンジン
回転数に比例して増減する。そして通常、同スレッショ
ルド電圧Vfの下限値A1は、例えば図24に示される
態様で複数の電磁ピックアップ3、3’…が近接して配
設される場合などに、例えば図25に示される態様で重
畳される干渉ノイズN2を検出しないレベルに設定され
る。図23においては、この干渉ノイズN2等をマスク
できない領域を領域Bとして図示している。他方、同ス
レッショルド電圧Vfの上限値A3は、電磁ピックアッ
プ3の最小出力電圧をも検出することのできるレベルに
設定される。図23においては、この電磁ピックアップ
3の最小出力電圧を検出することのできない領域を領域
Cとして図示している。
【0032】また、図13に示した波形整形回路4にお
いて、第2スレッショルド生成回路47は、波形整形信
号Soutが論理Lレベルにあるときの比較基準信号V
thを生成する回路である。
【0033】すなわち同図13に示されるように、この
第2スレッショルド生成回路47にあっては、上記波形
整形信号Soutが論理Lレベルにあるとき、インバー
タ471を通じてトランジスタ472がオンとなる。そ
して該トランジスタ472がオンとなることにより、抵
抗50及び51に加え、抵抗473からなる分圧回路が
形成され、該分圧回路の分圧値によって上記比較基準信
号Vthが固定的に定まるようになる。この比較基準信
号Vthは、前記交番する入力信号Sinが正側にある
ときの2値化閾値電圧として利用される。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記波形
整形回路によれば、前記入力信号Sinに点火ノイズが
重畳される場合であれ、或いはピックアップ間の干渉ノ
イズが重畳される場合であれ、それらノイズ成分が良好
にマスクされた状態で、同信号Sinの波形整形(2値
化)が行われるようになる。
【0035】ただし、同従来の波形整形回路では、波形
整形信号Soutの論理Hレベル時に、上述したダイナ
ミックヒステリシス電圧Vmとスレッショルド電圧Vf
とをダイオード48及び49を通じて単純に加算して比
較基準信号Vthを形成するようにしているため、次の
ような不都合を併せ生じることともなっている。
【0036】すなわち図26に示されるように、エンジ
ン回転数が比較的低い場合には、上記ダイナミックヒス
テリシス電圧Vmとスレッショルド電圧Vfとが加算さ
れても、比較基準信号Vthとしてのレベルはほぼ適正
なレベルに維持される。しかし、エンジン回転数が高い
場合には、比較基準信号Vthのレベルが過剰に高めら
れ、例えば電磁ピックアップ3の最小出力電圧を検出す
ることができないなど(図23に破線A3’として付
記)、必ずしも精度の高い波形整形が維持されるとは限
らなくなる。
【0037】因みに、上記電磁ピックアップ3の最小出
力電圧であれ、これを正常に検出することができなかっ
た場合には、マイクロコンピュータ(CPU)5を通じ
て求められるエンジン回転数も自ずと誤った値となり、
ひいては該電子制御システムとしての信頼性も大きく損
なわれるようになることは前述した通りである。
【0038】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、上記比較基準信号を常に適正なレベルに
設定して、如何なる場合も精度の高い2値化処理を実現
することのできる波形整形回路を提供することを目的と
する。
【0039】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、請求項1記載の発明では、エンジン回転に同期し
た交番アナログ信号として入力される入力信号と比較基
準信号とを比較して同入力信号の交番周期に対応した2
値化信号を出力するコンパレータと、この出力される2
値化信号を取り込んでその周波数に対応した電圧変換信
号を出力するF/V(周波数/電圧)変換手段と、該F
/V変換手段から出力される電圧変換信号に基づいて前
記入力信号に重畳される各種ノイズ成分をマスクする少
なくとも2つのマスク信号を生成するマスク信号生成手
段と、これら生成されるマスク信号に基づき、その合成
信号として前記コンパレータの比較基準信号を動的に生
成する比較基準信号生成手段と、該マスク信号の合成信
号として生成される比較基準信号がある所定のレベルを
超えることのないよう同信号レベルを制限する比較基準
レベル制限手段とを具えて波形整形回路を構成する。
【0040】また、請求項2記載の発明では、こうした
波形整形回路において、前記マスク信号生成手段を、所
定の波高値を有し、前記F/V変換手段から出力される
電圧変換信号の電圧値に比例した速度にてその信号レベ
ルが減衰するダイナミックヒステリシス電圧を生成する
ダイナミックヒステリシス電圧生成手段と、前記F/V
変換手段から出力される電圧変換信号の電圧値に比例し
てその信号レベルが増減するスレッショルド電圧を生成
するスレッショルド電圧生成手段とを具えるものとして
構成する。
【0041】また、請求項3記載の発明では、該請求項
2記載の発明の構成において、前記比較基準レベル制限
手段を、前記ダイナミックヒステリシス電圧と前記スレ
ッショルド電圧との何れかレベルの高い電圧を前記比較
基準信号として選択的に出力するものとして構成する。
【0042】また、請求項4記載の発明では、同じく請
求項2記載の発明の構成において、前記比較基準レベル
制限手段を、前記ダイナミックヒステリシス電圧と前記
スレッショルド電圧との加算値が前記所定レベルを超え
ることのない一定値となるよう、これらダイナミックヒ
ステリシス電圧及びスレッショルド電圧の少なくとも一
方をレベル制御するものとして構成する。
【0043】また、請求項5記載の発明では、該請求項
4記載の発明の構成において、前記比較基準レベル制限
手段を、前記F/V変換手段から出力される電圧変換信
号の電圧値に比例して前記ダイナミックヒステリシス電
圧の波高値を減衰せしめるものとして構成する。
【0044】そして、請求項6記載の発明では、上記請
求項2記載の発明の構成において、前記比較基準レベル
制限手段を、前記ダイナミックヒステリシス電圧と前記
スレッショルド電圧との加算値を前記所定レベルを超え
ることのない一定のレベルにてカットするものとして構
成する。
【0045】
【作用】上記マスク信号生成手段を通じて生成されたマ
スク信号を加算して上記コンパレータの比較基準信号を
動的に生成する手法は周知である。
【0046】また、こうした手法によって比較基準信号
を生成するようにした場合、特に、エンジン高回転時に
そのレベルが過剰となって、例えば電磁ピックアップの
最小出力電圧を検出することができなくなるなど、必ず
しも精度の高い波形整形を維持することができなくなる
ことも前述した通りである。
【0047】そこで上記請求項1記載の発明によるよう
に、比較基準信号生成手段はそれらマスク信号の合成信
号として比較基準信号を動的に生成はするものの、 ・比較基準レベル制限手段を別途具え、この生成される
比較基準信号がある所定のレベルを超えることのないよ
う、同手段を通じて比較基準信号レベルを制限する。と
いった構成を採用するようにすれば、このような過剰レ
ベルの比較基準信号がコンパレータに対して加えられる
ことはなくなる。そしてこのため、たとえエンジン高回
転時であれ、また、たとえ電磁ピックアップを用いて上
記エンジン回転に同期した交番アナログ信号を抽出する
場合であれ、 (1)入力信号に重畳される各種ノイズのマスク (2)入力信号最小レベルの確実な検出 といった条件を共に満たすことができるようになる。
【0048】また、請求項2記載の発明によるように、
前記マスク信号生成手段を、 ・所定の波高値を有し、前記F/V変換手段から出力さ
れる電圧変換信号の電圧値に比例した速度にてその信号
レベルが減衰するダイナミックヒステリシス電圧を生成
するダイナミックヒステリシス生成手段。 ・前記F/V変換手段から出力される電圧変換信号の電
圧値に比例してその信号レベルが増減するスレッショル
ド電圧を生成するスレッショルド生成手段。 をそれぞれ具える構成とすれば、上記各種ノイズとして
前述したエンジンの点火ノイズやピックアップ間の干渉
ノイズが入力信号に重畳される場合であっても、それら
ノイズを的確にマスクして且つ、同入力信号の最小レベ
ルをも確実に検出することができるようになる。
【0049】また、マスク信号生成手段が上記ダイナミ
ックヒステリシス生成手段及びスレッショルド生成手段
を具える場合において、上記請求項3記載の発明による
ように、前記比較基準レベル制限手段を特に、 ・前記ダイナミックヒステリシス電圧と前記スレッショ
ルド電圧との何れかレベルの高い電圧を前記比較基準信
号として選択的に出力するもの。として構成すれば、マ
スク電圧としての上記ダイナミックヒステリシス電圧及
びスレッショルド電圧の各特性を有効に活かしつつ、上
述の作用効果を得ることができるようになる。
【0050】因みに、比較基準信号としてダイナミック
ヒステリシス電圧が選択的に出力される同信号の生成初
期においては、前記点火ノイズが入力信号に重畳される
ノイズ成分として支配的である。また、同比較基準信号
としてスレッショルド電圧が選択的に出力されるそれ以
降の時期には、前記干渉ノイズが入力信号に重畳される
ノイズ成分として支配的となる。
【0051】また、マスク信号生成手段の同構成におい
て、上記請求項4記載の発明によるように、前記比較基
準レベル制限手段については他に、 ・前記ダイナミックヒステリシス電圧と前記スレッショ
ルド電圧との加算値が前記所定レベルを超えることのな
い一定値となるよう、これらダイナミックヒステリシス
電圧及びスレッショルド電圧の少なくとも一方をレベル
制御するもの。として構成することもできる。そして、
この場合には特に、上記請求項5記載の発明によるよう
に、同比較基準レベル制限手段を、 ・前記F/V変換手段から出力される電圧変換信号の電
圧値に比例して前記ダイナミックヒステリシス電圧の波
高値を減衰せしめるもの。として構成することが有効と
なる。
【0052】すなわち、エンジン高回転時には自ずとス
レッショルド電圧が高レベルになることから、エンジン
回転数に比例してダイナミックヒステリシス電圧の波高
値を減衰せしめても、これら電圧の合成信号である上記
比較基準信号によって、上記点火ノイズのマスク作用は
十分に果たされるようになる。しかも、エンジンの高回
転時にダイナミックヒステリシス電圧の波高値が減衰さ
れることにより、入力信号レベルが極小となる場合であ
れ、そのレベルを確実に検出することができるようにな
る。
【0053】なお、上記請求項4記載の発明による構成
としては他に、ダイナミックヒステリシス電圧の波高値
をそのままに、エンジン回転数に比例したスレッショル
ド電圧のレベル変化を上記態様で制限する構成とするこ
ともできる。
【0054】また、マスク信号生成手段の同様の構成に
おいて、上記請求項6記載の発明によるように、前記比
較基準レベル制限手段については更に他に、 ・前記ダイナミックヒステリシス電圧と前記スレッショ
ルド電圧との加算値を前記所定レベルを超えることのな
い一定のレベルにてカットするもの。として構成するこ
ともできる。同比較基準レベル制限手段のこのような構
成によれば、エンジン高回転時、比較基準信号としての
理想波形は得られないものの、入力信号に重畳される点
火ノイズや干渉ノイズのマスキング、並びに入力信号の
極小レベル検出といった機能は、上記各構成に準じた態
様で共に満たされるようになる。
【0055】
【実施例】
(第1実施例)図1に、この発明にかかる波形整形回路
の第1の実施例を示す。
【0056】この第1の実施例の波形整形回路は、前述
したダイナミックヒステリシス電圧とスレッショルド電
圧とのうち何れか大きい方の電圧をその都度の比較基準
信号として動的に設定する回路として構成されている。
【0057】なお、エンジンの電子制御システムとして
の波形整形回路周辺の構成は、先の図12に示される通
りであり、それら構成要素についてのここでの重複する
説明は割愛する。
【0058】また、図1に示すこの第1の実施例の波形
整形回路においても、先の図13に例示した従来の波形
整形回路と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を
付して示しており、それら要素についてもここでの重複
する説明は割愛する。
【0059】さて、同第1の実施例の波形整形回路にお
いて、ダイナミックヒステリシス生成回路45から出力
されるダイナミックヒステリシス電流Im、及びスレッ
ショルド生成回路46から出力されるスレッショルド電
流Ifは共に、高レベル選択回路100に入力される。
【0060】ここで、ダイナミックヒステリシス電流I
mは、先の図17に示したように、波形整形出力Sou
tが論理Hレベルにあるとき、ある一定の波高値から、
エンジン回転数(F/V変換回路44の電圧変換出力V
fv)に比例した速度にて、徐々にレベル減衰する電流
である。また、スレッショルド電流Ifは、これも先の
図22に示したように、波形整形出力Soutが論理H
レベルにあるとき、予め設定された最小値と最大値との
間を、エンジン回転数に比例したレベルにて増減する電
流である。
【0061】高レベル選択回路100は、これら電流I
m及びIfを入力してそれぞれ対応するダイナミックヒ
ステリシス電圧Vm及びスレッショルド電圧Vfを生成
するとともに、それら電圧のうち何れかレベルの高い電
圧をコンパレータ42の比較基準信号Vthとして選択
的に出力する回路である。
【0062】すなわちこの高レベル選択回路100にお
いて、抵抗113は、その抵抗値Rと上記ダイナミック
ヒステリシス電流Imとによってダイナミックヒステリ
シス電圧Vmを生成し、この生成した電圧Vmを非反転
増幅器を構成する演算増幅器111に対して印加する。
該演算増幅器111の出力はダイオード112を介して
その反転入力(−端子)にフィードバックされる。
【0063】一方、同高レベル選択回路100におい
て、抵抗123及び124は、それら抵抗値R1及びR
2の分圧値と上記スレッショルド電流Ifとによってス
レッショルド電圧Vfを生成し、この生成した電圧Vf
を同じく非反転増幅器を構成する演算増幅器121に対
して印加する。この演算増幅器121の出力も、ダイオ
ード122を介してその反転入力(−端子)にフィード
バックされる。
【0064】上記ダイオード112及び122の出力端
は、コンパレータ42の非反転入力端子(+端子)に共
通接続されている。このため同高レベル選択回路100
においては、上記ダイオード112を介して出力される
ダイナミックヒステリシス電圧Vmと上記ダイオード1
22を介して出力されるスレッショルド電圧Vfとのう
ち、何れか大きい方の電圧によって他方の演算増幅器の
出力が抑制され、該大きい方の電圧のみが、比較基準信
号Vthとしてコンパレータ42の非反転入力(+端
子)に印加されるようになる。この様子を図2に示す。
【0065】すなわち同第1の実施例の波形整形回路に
あっては、エンジン回転が低回転のときには、スレッシ
ョルド電圧Vfのレベルが小さく設定されることから、
図2(a)に示されるように、上記比較基準信号Vth
としてはダイナミックヒステリシス電圧Vmが支配的と
なる。すなわち、該電圧Vmがある一定の波高値から徐
々にレベル減衰するとはいえ、上記高レベル選択回路1
00からはこれが減衰しきるまでの殆どの領域で同電圧
Vmが選択的に出力されることとなる。
【0066】他方、エンジン回転が高回転のときには、
スレッショルド電圧Vfのレベルが高めに設定されるこ
とから、図2(b)に示されるように、比較基準信号V
thとしては、はじめダイナミックヒステリシス電圧V
mが支配的であるものの、同電圧Vmの減衰に伴い、そ
の後すぐにスレッショルド電圧Vfのレベルがこれを抜
き、以後は該電圧Vfが支配的となる。
【0067】したがって、上記スレッショルド電圧Vf
が先の図23に示される態様で設定される場合であって
も、ダイナミックヒステリシス生成回路45或いは高レ
ベル選択回路100の抵抗113を通じて設定される上
記ダイナミックヒステリシス電圧Vmの最大波高値が、 (1)前述した点火ノイズをマスクし得る電圧値 (2)入力信号Sinの最小レベルをも検出し得る電圧
値 といった条件のもとに設定されるものとすれば、たとえ
エンジン高回転時であっても、上記比較基準信号Vth
として過剰なレベルの信号がコンパレータ42に加えら
れることはなくなる。
【0068】このように、この第1の実施例の波形整形
回路によれば、前述したエンジンの点火ノイズやピック
アップ間の干渉ノイズが入力信号Sinに重畳される場
合であってもそれらノイズを的確にマスクして且つ、同
入力信号Sinの最小レベルをも確実に検出することが
できるようになる。
【0069】なお一般に、入力信号Sinに重畳される
ノイズ成分としては、比較基準信号Vthとしてダイナ
ミックヒステリシス電圧Vmが選択的に出力される同信
号Vthの生成初期においては点火ノイズが支配的であ
り、それ以降のスレッショルド電圧Vfが選択的に出力
される時期においては干渉ノイズが支配的となる。
【0070】したがって、同第1の実施例の波形整形回
路の上記構成によれば、ノイズ成分マスク電圧としての
上記ダイナミックヒステリシス電圧Vm及びスレッショ
ルド電圧Vfの各特性も極めて有効に活かされるように
なる。
【0071】(第2実施例)図3に、この発明にかかる
波形整形回路の第2の実施例を示す。この第2の実施例
の波形整形回路は、前記ダイナミックヒステリシス電圧
及びスレッショルド電圧を加算合成して比較基準信号を
生成するものの、ダイナミックヒステリシス電圧につい
てはエンジン回転数に比例してその波高値を減衰せしめ
る回路として構成されている。
【0072】なお、この第2の実施例においても、エン
ジンの電子制御システムとしての波形整形回路周辺の構
成は、先の図12に示される通りであり、それら構成要
素についてのここでの重複する説明は割愛する。
【0073】また、図3に示すこの第2の実施例の波形
整形回路においても、先の図13或いは図14に例示し
た従来の波形整形回路と同一の要素についてはそれぞれ
同一の符号を付して示しており、それら要素についても
ここでの重複する説明は割愛する。
【0074】さて、この第2の実施例の波形整形回路に
おいて、波高値可変型ダイナミックヒステリシス生成回
路450は、前記生成されるダイナミックヒステリシス
電流Imをエンジン回転数、すなわちその電圧変換信号
Vfvに比例してスピルせしめる電流スピル回路454
を有して構成されている。図4に、該電流スピル回路4
54の具体例を示す。
【0075】同図4に示されるように、電流スピル回路
454は、定電流源4541、抵抗4542、加算用ダ
イオード4543及び4544、非反転増幅器454
5、トランジスタ4546、負荷抵抗4547、及び帰
還用ダイオード4548を具えて構成される回路であ
る。
【0076】この電流スピル回路454では、例えば図
5に示すように、上記電圧変換信号Vfvがエンジン回
転数150rpmに対応した電圧となるまでは、上記定
電流源4541と抵抗4542とにより定まる定電圧I
c・Rcが負荷抵抗4547に加わるようになる。すな
わちこの場合、スピル電流Imhは、 Imh=Ic・Rc/Rt といった一定電流となる。しかし、同電圧変換信号Vf
vが例えば上記エンジン回転数150rpmに対応した
電圧を超えると、上記負荷抵抗4547に加わる電圧も
この電圧変換信号Vfvの電圧値が支配的となり、以後
は上記スピル電流Imhも、同図5に示されるように、 Imh=Vfv/Rt といった態様で、電圧変換信号Vfvの電圧値に比例し
てその流量が増大する。すなわち、エンジン回転数に比
例してスピル量が増量されるようになる。
【0077】前記ダイナミックヒステリシス電流Im
が、該電流スピル回路454を通じてこうしてスピルさ
れることにより、波高値可変型ダイナミックヒステリシ
ス生成回路450からダイオード48を介して出力され
る電流Im’は、図6に示されるように、エンジン回転
数に比例してその波高値が減衰されるようになる。
【0078】そして、こうしてダイナミックヒステリシ
ス電流Imの波高値がエンジン回転数に比例して減衰さ
れることにより、その残存電流Im’と前記スレッショ
ルド電流Ifとの加算電流に基づき生成される比較基準
信号Vthも、図7に示される態様にて生成されるよう
になる。
【0079】すなわち、エンジン回転が低回転のときに
は、ダイナミックヒステリシス電圧Vmの波高値の減衰
量が少ないため、図7(a)に示されるように、ほぼ従
来の波形整形回路と同等の態様で比較基準信号Vthが
生成されるようになる(図26(a)参照)。
【0080】他方、エンジン回転が高回転のときには、
スレッショルド電圧Vfのレベルが増大するものの、ダ
イナミックヒステリシス電圧Vmの波高値は大きく減衰
され、その加算合成信号である比較基準信号Vthのレ
ベルは、図7(b)に示される態様で好適に制限される
ようになる。なおここで、図7(b)に示される比較基
準信号Vthの最大値は、上記電流スピル回路454の
回路定数を通じて、 (1)前述した点火ノイズをマスクし得る電圧値 (2)入力信号Sinの最小レベルをも検出し得る電圧
値 といった条件が満足される値に設定されるものとする。
【0081】このため、この第2の実施例の波形整形回
路によっても、たとえエンジン高回転時であれ、上記比
較基準信号Vthとして過剰なレベルの信号がコンパレ
ータ42に加えられることはなくなる。そして、前記エ
ンジンの点火ノイズやピックアップ間の干渉ノイズが入
力信号Sinに重畳される場合であってもそれらノイズ
を的確にマスクして且つ、同入力信号Sinの最小レベ
ルをも確実に検出することができるようになる。
【0082】なお、同第2の実施例の波形整形回路の図
3に示した構成によれば、上記電流Imの減衰速度が放
電制御回路452を通じて制御されることにより、その
マスク時間Tmも、エンジン回転数に比例して短くな
る。したがって、上記電流Im’も実際には、図8に示
されるように、エンジン低回転時に比べて、エンジン高
回転時にはその波高値もマスク時間も短縮されることと
なる。これでも特に不都合はないものの、例えば上記放
電制御回路452の放電特性を変更することで、これを
図8(b)に破線にて示される態様で補正することはで
きる。
【0083】また、同第2の実施例の波形整形回路で
は、ダイナミックヒステリシス電圧Vmの波高値をエン
ジン回転数に比例して減衰せしめる構成としたが、他に
例えば、スレッショルド電圧Vfの方をエンジン回転数
に応じて制限する構成とすることもできる。
【0084】(第3実施例)図9に、この発明にかかる
波形整形回路の第3の実施例を示す。この第3の実施例
の波形整形回路は、前記ダイナミックヒステリシス電圧
及びスレッショルド電圧を加算合成して比較基準信号を
生成し、その加算値を一定のレベルにてカットする回路
として構成されている。
【0085】なお、この第3の実施例においても、エン
ジンの電子制御システムとしての波形整形回路周辺の構
成は、先の図12に示される通りであり、それら構成要
素についてのここでの重複する説明は割愛する。
【0086】また、図9に示すこの第3の実施例の波形
整形回路においても、先の図13に例示した従来の波形
整形回路と同一の要素についてはそれぞれ同一の符号を
付して示しており、それら要素についてもここでの重複
する説明は割愛する。
【0087】さて同図9に示されるように、この第3の
実施例の波形整形回路は、図13に示される構成に加
え、加算値リミット回路200を新たに具えて構成され
る。この加算値リミット回路200は、コンパレータ4
2の非反転入力(+端子)に加えられる比較基準信号V
thのレベルが抵抗202及び203からなる分圧回路
の分圧値を超えるとき、トランジスタ201がオンとな
って、上記比較基準信号Vthのレベルを該分圧値にリ
ミット(カット)する回路である。
【0088】このため同第3の実施例の波形整形回路に
よれば、エンジン回転数に比例してスレッショルド電流
Ifが増減するものの、図10に示されるように、該電
流Ifとダイナミックヒステリシス電流Imとの加算値
に相当する電圧が上記分圧値を超えることがあれば、該
超えた分はカットされるようになる。
【0089】そして、こうしたカットが行われることに
より、これらスレッショルド電流Ifとダイナミックヒ
ステリシス電流Imとの加算値に基づき生成される比較
基準信号Vthも、図11に示される態様にて生成され
るようになる。
【0090】すなわち、エンジン回転が低回転のときに
は、そもそもスレッショルド電圧Vfもレベルの低い電
圧として生成されることから、比較基準信号Vthのレ
ベルが上記分圧値を超えることはなく、図11(a)に
示されるように、ほぼ従来の波形整形回路と同等の態様
で比較基準信号Vthが生成されるようになる(図26
(a)参照)。
【0091】他方、エンジン回転が高回転のときには、
スレッショルド電圧Vfのレベルが増大し、したがって
比較基準信号Vthのレベルもこれに応じて増大しよう
とするものの、同レベルが上記分圧値を超えたところで
加算値リミット回路200が働き、結局、図7(b)に
示される態様で、同分圧値を超える電圧はカットされ
る。なお、上記抵抗202及び203からなる分圧回路
の該分圧値も、それら抵抗の抵抗値R6及びR7を通じ
て、 (1)前述した点火ノイズをマスクし得る電圧値 (2)入力信号Sinの最小レベルをも検出し得る電圧
値 といった条件が満足される値に設定されるものとする。
【0092】このため、この第3の実施例の波形整形回
路によっても、たとえエンジン高回転時であれ、上記比
較基準信号Vthとして過剰なレベルの信号がコンパレ
ータ42に加えられることはなくなる。そして、前記エ
ンジンの点火ノイズやピックアップ間の干渉ノイズが入
力信号Sinに重畳される場合であってもそれらノイズ
を的確にマスクして且つ、同入力信号Sinの最小レベ
ルをも確実に検出することができるようになる。
【0093】なお、同第3の実施例の波形整形回路の上
記構成によれば、エンジンの高回転時、図10(b)に
一点鎖線にて付記するような理想波形は得られないもの
の、特に点火ノイズについて、監視期間の長い確実なマ
スクを実現することができるようになる。
【0094】ところで、上記第1〜第3の実施例におい
ては何れも、入力信号Sinに重畳されるノイズとして
前述した点火ノイズと干渉ノイズを対象とし、また、そ
れらノイズをマスクする電圧として、前記ダイナミック
ヒステリシス電圧Vmとスレッショルド電圧Vfをそれ
ぞれ生成するようにした。
【0095】しかし、これら対象とするノイズは任意で
あり、また生成するマスク電圧も、これらダイナミック
ヒステリシス電圧Vmやスレッショルド電圧Vfには限
られない。すなわち、他にも重畳される可能性のあるノ
イズがあれば、それらノイズを対象としたマスク電圧を
別途生成するようにしてもよく、比較基準信号Vthは
それら3つ以上のマスク電圧の合成信号として生成され
ることもあり得る。
【0096】したがって、この発明にかかる波形整形回
路としても要は、前記コンパレータやF/V変換回路に
加え、 ・該F/V変換回路から出力される電圧変換信号に基づ
いて前記入力信号に重畳される各種ノイズ成分をマスク
する少なくとも2つのマスク信号を生成するマスク信号
生成手段。 ・これら生成されるマスク信号に基づき、その合成信号
として前記コンパレータの比較基準信号を動的に生成す
る比較基準信号生成手段。 ・該マスク信号の合成信号として生成される比較基準信
号がある所定のレベルを超えることのないよう同信号レ
ベルを制限する比較基準レベル制限手段。 を基本的に具えるものであればよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
波形整形回路によれば、エンジン回転に同期した交番ア
ナログ信号として入力される入力信号を2値化するため
の比較基準信号を、エンジンの回転数によることなく常
に適正なレベルに設定することができるようになる。そ
してこのため、如何なる場合も精度の高い2値化処理を
実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる波形整形回路の第1の実施例
についてその構成を示すブロック図である。
【図2】同第1の実施例の波形整形回路による比較基準
信号の生成態様を示すタイムチャートである。
【図3】この発明にかかる波形整形回路の第2の実施例
についてその構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示される電流スピル回路の一例を示す回
路図である。
【図5】同電流スピル回路による電流のスピル特性を示
すグラフである。
【図6】同第2の実施例の波形整形回路によるダイナミ
ックヒステリシス電流の生成態様を示すタイムチャート
である。
【図7】同第2の実施例の波形整形回路による比較基準
信号の生成態様を示すタイムチャートである。
【図8】同第2の実施例の波形整形回路によって生成さ
れるダイナミックヒステリシス電流の実態並びにその補
正態様を示すタイムチャートである。
【図9】この発明にかかる波形整形回路の第3の実施例
についてその構成を示すブロック図である。
【図10】同第3の実施例の波形整形回路によるダイナ
ミックヒステリシス電流及びスレッショルド電流の加算
態様を示すタイムチャートである。
【図11】同第3の実施例の波形整形回路による比較基
準信号の生成態様を示すタイムチャートである。
【図12】例えば4気筒エンジンを想定した一般的なエ
ンジンの電子制御システムについてその概略構成を示す
ブロック図である。
【図13】同電子制御システムに採用されている従来の
波形整形回路についてその構成例を示すブロック図であ
る。
【図14】図13に示されるダイナミックヒステリシス
生成回路の具体例を示す回路図並びにブロック図であ
る。
【図15】図14に示される放電制御回路の一例を示す
回路図である。
【図16】同放電制御回路による電流放電特性を示すグ
ラフである。
【図17】図14に示されるダイナミックヒステリシス
生成回路によるダイナミックヒステリシス電流の生成態
様を示すタイムチャートである。
【図18】同従来の波形整形回路による主にダイナミッ
クヒステリシス電圧の生成態様を示すタイムチャートで
ある。
【図19】電磁ピックアップに対する点火ノイズの混入
態様を模式的に示す略図である。
【図20】入力信号に混入重畳される点火ノイズの主に
上記ダイナミックヒステリシス電圧によるマスク態様を
示すタイムチャートである。
【図21】図13に示される第1スレッショルド生成回
路の具体例を示す回路図並びにブロック図である。
【図22】図21に示される第1スレッショルド生成回
路によるスレッショルド電流の生成態様を示すタイムチ
ャートである。
【図23】波形整形回路におけるスレッショルド電圧の
設定基準、並びに設定態様を示すグラフである。
【図24】電磁ピックアップ間の干渉ノイズ混入態様を
模式的に示す略図である。
【図25】入力信号に混入重畳される干渉ノイズの上記
スレッショルド電圧によるマスク態様を示すタイムチャ
ートである。
【図26】上記従来の波形整形回路による比較基準信号
の生成態様を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…シグナルロータ、2…突起、3…電磁ピックアッ
プ、4…波形整形回路、5…マイクロコンピュータ(C
PU)、6…A/Dコンバータ、7…入力バッファ、4
1…入力端子、42…コンパレータ、43…出力端子、
44…F/V変換回路、45…ダイナミックヒステリシ
ス生成回路、46…第1スレッショルド生成回路、47
…第2スレッショルド生成回路、48、49…ダイオー
ド(加算回路)、50、51…抵抗(分圧回路)、10
0…高レベル選択回路、111、121…演算増幅器
(非反転増幅器)、112、122…ダイオード、11
3、123、124…抵抗、200…加算値リミット回
路、201…トランジスタ、202、203…抵抗、4
50…波高値可変型ダイナミックヒステリシス生成回
路、451…コンデンサ、452…放電制御回路、45
3…インバータ、454…電流スピル回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03K 5/1252 H03K 5/01 G (56)参考文献 特開 昭63−167223(JP,A) 特開 平7−15295(JP,A) 特開 昭60−243370(JP,A) 特開 平5−291898(JP,A) 特開 平6−164333(JP,A) 特開 平3−3945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01P 3/481 G01D 5/245 102 G01R 1/28 G01R 19/165 H03K 5/08 H03K 5/1252

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン回転に同期した交番アナログ信号
    として入力される入力信号と比較基準信号とを比較して
    同入力信号の交番周期に対応した2値化信号を出力する
    コンパレータと、 この出力される2値化信号を取り込んでその周波数に対
    応した電圧変換信号を出力する周波数/電圧変換手段
    と、 該周波数/電圧変換手段から出力される電圧変換信号に
    基づいて前記入力信号に重畳される各種ノイズ成分をマ
    スクする少なくとも2つのマスク信号を生成するマスク
    信号生成手段と、 これら生成されるマスク信号に基づき、その合成信号と
    して前記コンパレータの比較基準信号を動的に生成する
    比較基準信号生成手段と、 該マスク信号の合成信号として生成される比較基準信号
    がある所定のレベルを超えることのないよう同信号レベ
    ルを制限する比較基準レベル制限手段と、 を具えることを特徴とする波形整形回路。
  2. 【請求項2】前記マスク信号生成手段は、 所定の波高値を有し、前記周波数/電圧変換手段から出
    力される電圧変換信号の電圧値に比例した速度にてその
    信号レベルが減衰するダイナミックヒステリシス電圧を
    生成するダイナミックヒステリシス電圧生成手段と、 前記周波数/電圧変換手段から出力される電圧変換信号
    の電圧値に比例してその信号レベルが増減するスレッシ
    ョルド電圧を生成するスレッショルド電圧生成手段と、 を具えて構成される請求項1記載の波形整形回路。
  3. 【請求項3】前記比較基準レベル制限手段は、前記ダイ
    ナミックヒステリシス電圧と前記スレッショルド電圧と
    の何れかレベルの高い電圧を前記比較基準信号として選
    択的に出力するものである請求項2記載の波形整形回
    路。
  4. 【請求項4】前記比較基準レベル制限手段は、前記ダイ
    ナミックヒステリシス電圧と前記スレッショルド電圧と
    の加算値が前記所定レベルを超えることのない一定値と
    なるよう、これらダイナミックヒステリシス電圧及びス
    レッショルド電圧の少なくとも一方をレベル制御するも
    のである請求項2記載の波形整形回路。
  5. 【請求項5】前記比較基準レベル制限手段は、前記周波
    数/電圧変換手段から出力される電圧変換信号の電圧値
    に比例して前記ダイナミックヒステリシス電圧の波高値
    を減衰せしめるものである請求項4記載の波形整形回
    路。
  6. 【請求項6】前記比較基準レベル制限手段は、前記ダイ
    ナミックヒステリシス電圧と前記スレッショルド電圧と
    の加算値を前記所定レベルを超えることのない一定のレ
    ベルにてカットするものである請求項2記載の波形整形
    回路。
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