JP2876438B2 - 耐熱反射鏡 - Google Patents

耐熱反射鏡

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JP2876438B2
JP2876438B2 JP4201744A JP20174492A JP2876438B2 JP 2876438 B2 JP2876438 B2 JP 2876438B2 JP 4201744 A JP4201744 A JP 4201744A JP 20174492 A JP20174492 A JP 20174492A JP 2876438 B2 JP2876438 B2 JP 2876438B2
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なお子 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば投光器や殺菌
灯、現像装置等に設けた反射鏡により、放射される紫外
線、可視光線等の熱線を吸収できるようにした耐熱反射
鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種反射鏡における反射鏡基材
本体が金属類、例えば高純度のアルミニウム材の場合、
電解研磨法では反射鏡基材本体を所望の形状にした後、
バフ研磨をして表面を平滑にし、かつアルカリ液により
脱脂処理を施し、電解研磨により表面に光沢をつくり、
更に封孔処理のために電極酸化皮膜を施すようにしてい
る。また反射鏡基材本体がアルミニウム材以外の金属の
場合は、この金属の表面に例えばポリイミド系の耐熱塗
料を焼き付けで施し、かつこの耐熱塗料に高純度のアル
ミニウム膜を施し光沢面にした後、この上に例えば二酸
化珪素系無機物質を膜薄0.1ミクロン乃至0.5ミク
ロン程度のガラス状の保護膜を真空蒸着させている。ま
た反射鏡基材本体が熱線透過素材として、例えばガラス
の場合にはガラスの内壁面に、可視反射熱線透過材をド
ライコーティングとして施してある。更に反射鏡基材本
体が樹脂材の場合は、前記のように樹脂材の表面に耐熱
塗料を施し、かつこの耐熱塗料に高純度のアルミニウム
膜を施した後、前記のようなガラス状の保護膜を真空蒸
着している。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】反射鏡基材本体の反射
率を向上させるために、緻密な精度が要求されているの
で、これを実現するには反射鏡基材本体が金属類であれ
ば内壁面を機械研磨した後、バフ研磨を丁寧にして内壁
面を平滑に加工する必要があり、またガラスや樹脂で形
成した反射鏡基材本体であったとしても、内壁面を平滑
に加工するためにバフ研磨をしなければならず、これを
克服しなければ乱反射や指向性や光輝度性の低下等を生
じるという欠点があった。
【0004】また前記反射鏡は紫外線の熱線を吸収する
機能が弱いために、この反射鏡から反射する紫外線の熱
線が、例えば被対象物である絵画や衣類、木製家具類等
の商品に当たると変色や変形し、また野菜、果物、魚介
類等の生鮮食品や植物等が熱線に当たると鮮度が著しく
低下し腐敗するなど、紫外線や可視光線による熱線の熱
から商品を守ることができないという欠点があった。
【0004】本発明の目的は斯かる欠点を除去するため
に、反射鏡基材本体に所望する形状に成形した内壁面に
微小な粗面があったとしても、内壁面を機械研磨やバフ
研磨の作業工程時間の短縮化が図れるように、内壁面に
残る微小粗面を鍍金手段において平滑にすると共に防食
性を可能にし、かつ黒色熱吸収層により鍍金層のヒビ割
れや剥離、焼け焦げ等の防止及び被対象物の商品を紫外
線や可視光線の熱線から守ると共に、照明効果を向上さ
せることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は斯かる目的を達
成するために、光を放射する光源部と、この光源部の位
置に対し配置される反射鏡基材本体と、この反射鏡基材
本体の内壁面の微小な粗面を平滑にし、かつ指向性を良
くするニッケル鍍金層と、このニッケル鍍金層を被覆し
防食する光沢鍍金層と、この光沢鍍金層を被覆し、かつ
熱線の熱を吸収する熱線吸収層と、この熱線吸収層を被
覆し、かつ熱線を透過させる反射用熱線透過層とを内壁
面に対し順次重積形成すると共に、熱線吸収層が熱線を
吸収し、熱線による被対象物の劣化を防止することにあ
る。
【0008】
【作用】本発明は、反射鏡基材本体の内壁面の微小粗面
にニッケル鍍金層を施し、このニッケル鍍金層を光沢鍍
金層で被覆し、かつこの光沢鍍金層を熱線の熱を吸収す
る熱線吸収層で被覆すると共に、この熱線吸収層に熱線
を透過する反射用熱線透過層で被覆するように重積して
いるので、照明の拡大と指向性を向上させ、しかも紫外
線領域及び可視光線領域による熱線を、熱線吸収層によ
り吸収し遮断できるようにしている。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例である耐熱反射鏡に
ついて図面と供に、その詳細を説明すると、図は、本発
明における耐熱反射鏡の表面処理の一実施例を図示した
説明図であって、図1は本発明における耐熱反射鏡の表
面処理の一実施例を図示した要部の拡大断面図、図2は
本発明における反射鏡基材本体の一実施例を図示した斜
視図である。
【0010】本発明は、光を放射する光源部Rと、この
光源部Rの位置に対し配置される反射鏡基材本体Aと、
この反射鏡基材本体Aの内壁面aの微小な粗面bを被覆
し平滑にし、かつ指向性を良くするニッケル鍍金層Ni
と、このニッケル鍍金層Niを被覆し防食する光沢鍍金
層Crと、この光沢鍍金層Crを被覆し、かつ熱線の熱
を吸収する熱線吸収層Bhと、この熱線吸収層Bhを被
覆し、かつ熱線を透過させる反射熱線透過層Gとを内壁
面bに対し順次重積形成すると共に、熱線吸収層Bhが
熱線を遮りニッケル鍍金層Niと、光沢鍍金層Crと被
対象物(不図示)の劣化を防止するように構成してい
る。
【0011】前記反射鏡基材本体Aの材質は金属材、ま
たはガラス材や樹脂材、あるいはこれら異種材料を組合
わせた材料を素材にすることができるが。このような材
質の選定においては、反射鏡の使用目的によりそれぞれ
材質の耐熱性、耐紫外性、耐色性、耐変形性、耐腐食
性、硬質性、軟質性、耐摩耗性、加工性、、重量性等に
より条件を必要としている。例えば金属材では真鍮やア
ルミニウム材、またはアルミニウム合金材等は反射鏡の
基材として使用され。特に切削加工が容易で軽量であ
り、しかも廉価であることからアルミニウム材が選定さ
れ易い。
【00012】更に本発明を詳述すると、反射鏡基材本
体Aがアルミニウム材であれば、重量が軽量で切削加工
や絞り加工が容易であるが、このような材質を反射鏡の
基材にしても、機械研磨やバフ研磨に十分な時間をかけ
て研磨しなければ、鏡面となる内壁面aに微小な粗面b
が残っている。そこでこの内壁面aにニッケル鍍金層N
iを厚く施すと共に、このようなニッケル鍍金層Niを
下地として、この上に例えばクロムや金、銀等の光沢鍍
金Crを施し被覆する。このようにすることにより、例
えば光沢鍍金Crがクロムの場合であれば、ピンホール
やクラックの防止となり、また反射鏡基材本体Aの内壁
面aに微小な粗面bが残っていても、ニッケル鍍金層N
i自体が平滑化作用を有し優れている(拡散層の理諭)
ので、面倒なバフ研磨作業を省略することもあり著しく
研磨工程を簡略化ができる。
【00013】また紫外線や可視光線等の熱線を吸収す
る熱線吸収層Bhが、前記光沢鍍金層に蒸着され被覆さ
れている。この熱線吸収層Bhは黒色熱線吸収層にする
ことが望ましい。このように熱線吸収層Bhを被覆する
ことにより、この熱線吸収層Bhが熱線を遮りニッケル
鍍金層やクロム鍍金層及び被対象物の劣化を防止するよ
うにしている。この熱線吸収層Bに熱線を透過させる反
射熱線透過層Gを蒸着により被覆している。この反射熱
線透過層Gは照明に使用される反射条件により、単層な
いし多層状態に重ねた後、保護膜(不図示)を施すよう
にしてもよい。
【00014】本発明は上述の如く耐熱反射鏡におい
て、光源部Rの位置に対し配置される反射鏡基材本体A
に残存する内壁面aの微小な粗面bを、平滑にするため
にニッケル鍍金手段と、このニッケル鍍金手段にクロム
または金等の光沢鍍金層手段を施し、更にこの光沢鍍金
層Crと反射熱線透過層Gとの間に、熱線の熱を吸収す
る熱線吸収層Bh手段を施すようにしたものである。
【00015】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、光を放射す
る光源部と、この光源部の位置に対し配置される反射鏡
基材本体と、この反射鏡基材本体の内壁面の微小な粗面
を平滑にし、かつ指向性を良くするニッケル鍍金層と、
このニッケル鍍金層を被覆し防食する光沢鍍金層と、こ
の光沢鍍金層を被覆し、かつ熱線の熱を吸収する熱線吸
収層と、この熱線吸収層を被覆し、かつ熱線を透過させ
る反射用熱線透過層とを内壁面に対し順次重積形成する
ことにより、研磨作業を簡略にしても生産性の著しい向
上と品質の均一化が図れると共に、緻密な精度が容易に
得られ輝度率、指向性等を向上させる。また熱線吸収層
が熱線を吸収し、熱線による被対象物の劣化を防止でき
るようにしたので、熱線によって生じる損失を未然に防
止しできるなど、実用性として有用であり優れた効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
図は本発明における耐熱反射鏡の一実施例である。
【図1】本発明における耐熱反射鏡の一実施例である要
部の拡大説明図
【図2】本発明における耐熱反射鏡の一実施例である斜
視図
【符号の説明】
A…反射鏡基材本体 a…内壁面 Bh熱線吸収層 b…粗面 Cr…光沢鍍金 G…光反射熱線透過層 Ni…ニッケル鍍金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/08 B32B 15/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を放射する光源部と、この光源部の位置
    に対し配置される反射鏡基材本体と、この反射鏡基材本
    体の内壁面の微小な粗面を平滑にし、かつ指向性を良く
    するニッケル鍍金層と、このニッケル鍍金層を被覆し防
    食する光沢鍍金層と、この光沢鍍金層を被覆し、かつ熱
    線の熱を吸収する熱線吸収層と、この熱線吸収層を被覆
    し、かつ熱線を透過させる反射用熱線透過層とを内壁面
    に対し順次重積形成すると共に、熱線吸収層が熱線を吸
    収し、熱線による被対象物の劣化を防止することを特徴
    とする耐熱反射鏡。
JP4201744A 1992-06-18 1992-06-18 耐熱反射鏡 Expired - Lifetime JP2876438B2 (ja)

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JPS62254104A (ja) * 1986-04-28 1987-11-05 Koichiro Tsutsui 無熱反射鏡の製造方法
JPS6444515U (ja) * 1987-09-14 1989-03-16
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JPH03269501A (ja) * 1990-03-20 1991-12-02 Hamamatsu Photonics Kk 金属反射鏡およびその製造方法

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