JP2875953B2 - 電圧・変位検出プローブおよびその調整方法 - Google Patents

電圧・変位検出プローブおよびその調整方法

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JP2875953B2
JP2875953B2 JP6201055A JP20105594A JP2875953B2 JP 2875953 B2 JP2875953 B2 JP 2875953B2 JP 6201055 A JP6201055 A JP 6201055A JP 20105594 A JP20105594 A JP 20105594A JP 2875953 B2 JP2875953 B2 JP 2875953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電圧・変位検出プローブ
およびその調整方法に係り、特に光ビームを用いた半導
体集積回路の電圧測定装置に用いて好適な電圧・変位検
出プローブおよびその調整方法に関する。
【0002】半導体集積回路を開発・製造する上で、素
子を試験して動作不良がある場合にその原因を解明する
ことが不可欠である。しかし、近年のLSIの高集積化
により、LSIテスタ等のI/Oピンの信号を調べるだ
けでは設計検証や故障解析を正確に行うことが困難にな
ってきている。このため、素子の中の微細配線の電圧を
測定することが行われている。半導体集積回路チップ内
部の微細配線の電圧測定に適した電圧測定装置として
は、電子ビームを用いた電圧測定装置と光ビームを用い
た電圧測定装置が知られているが、半導体集積回路の高
集積化・高速化に伴い、測定スピードと時間分解能が要
望されている。
【0003】
【従来の技術】そこで、原子間力顕微鏡の技術を応用
し、電圧・変位検出プローブによる配線探索とプローブ
位置決めの機能を備えた光ビームによる高空間分解能の
電圧測定装置が考案されている。
【0004】従来の光ビームによる電圧測定装置に用い
られる電圧・変位検出プローブの一例の軸線を通る部分
断面図を図7に示す。
【0005】この電圧・変位検出プローブ80は、十字
形梁81a、81bおよびを除き、軸線を中心として回
転対称形である。十字形梁81a、81bは、この軸線
を通る対称面を有する。
【0006】ロッド80aは中空円筒である。ロッド8
0aの下面には、アースされた透明導電膜83aが接着
されている。透明導電膜83aの下面には、電気光学結
晶83bの上面が接着されている。電気光学結晶83b
の下面には、反射膜83cが被着され、さらに探針84
の底面が接着されている。円筒形のホルダ82は、その
上部に十字形梁81aの外端部が固着され、その下部に
十字形梁81bの外端部がそれぞれ固着され、十字形梁
81aおよび81bの内端部がロッド80aの外周面に
固着されている。
【0007】十字形梁81aと十字形梁81bとの間に
は、ロッド80aの軸方向変位を静電容量の変化として
検出するために、ロッド80aの外周面に垂直に導電板
87の内端部が固着され、導電板87とそれぞれ所定距
離離間して導電板87を上下から挟むように導電板88
および89の外端部がホルダ82の内周面に垂直に固着
されている。
【0008】導電板87と導電板88で第1のコンデン
サが構成され、導電板87と導電板89で第2のコンデ
ンサが構成される。導電板87、88および89に図示
しないリード線を介して接続される静電容量検出回路
は、周知のホイートストンブリッジ回路を用いることが
でき、これによりロッド80aの軸方向変位を検出する
ことができる。
【0009】上記の電圧・変位検出プローブ80でLS
I等の試料を走査することにより、試料表面の配線の凹
凸に応じた探針84の変位を測定することができ、光学
的には見ることの不可能な微細配線の様子をも知ること
ができる。
【0010】また、探針84に試料から電圧が印加され
ると電気光学結晶83bに電界が発生し、電気光学結晶
83bは印加された電圧に応じた偏光量となる。そこ
で、ロッド80aを介して電気光学結晶83bにレーザ
ビームを照射して偏光量が変わることを利用し、反射膜
83cからの反射光より電気光学結晶83bの偏光量が
変わることをビームスプリッタを通して検出すれば、試
料の配線の電圧を測定することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の電圧・変位検出プローブでは、探針84の変位測
定用の第1および第2のコンデンサが十字形梁81aと
十字形梁81bとの間に導電板3枚を用いて構成されて
いた。このため、各導電板間の寸法精度を平行、かつ高
精度に組み立てることが困難であり、導電板間の距離は
100μm程度が限度であった。
【0012】ところで、容量変化から探針の変位を測定
する際に、探針の変位による容量変化率ΔCは、通常の
容量をC、探針が変位したときの容量をC′、電極(導
電板の対向する部分)面積をS、電極間の距離をd、電
極間の変位をΔd、空気の誘電率をεとすると、
【0013】
【数1】
【0014】となる。このように探針の変位による容量
変化率ΔCは電極間の距離dにほぼ反比例するため、変
位測定精度を向上させるためには電極間の距離dを小さ
くすればよい。
【0015】ところが従来の電圧・変位検出プローブ
は、上記したとおり電極(導電板)間の距離に限度があ
ったため変位測定精度が悪く、試料の配線の微細な凹凸
を観察することは困難であった。
【0016】この問題を解決するためには、導電板8
8,89に可動機構を設けて電極(導電板)間の距離を
微細に調整可能に構成することが考えられる。しかしな
がら、導電板88,89は円筒形のホルダ82に外端部
を固着されているため、この可動機構は大がかりのもの
をホルダに設けざるを得ず、プローブが大型化、重量化
するおそれがある。プローブが重量化すると高速での走
査が困難となるため、測定速度が低下するという問題が
生ずる。
【0017】そこで本発明は上記の点に鑑みてなされた
ものであって、高速での測定を妨げることなく変位測定
精度を向上させることのできる電圧・変位検出プローブ
およびその調整方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明では次の通り構成した。
【0019】すなわち、請求項1および請求項2記載の
発明では、ホルダに外端部を固着され、ホルダ内部に配
設された板状の弾性部材と、弾性部材の略中心位置に軸
方向を弾性部材と略垂直に弾性部材により支持される中
空又は中実透明の円筒状部材と、試料を走査する導電性
の探針と、円筒状部材の一端に一端を固着されると共に
探針に他端を導通接続されており、走査された試料の電
圧に応じた情報を発生する電圧情報発生素子と、円筒状
部材の他端に配設されており、弾性部材の弾性変形に応
じて円筒状部材の軸方向に移動する移動電極と、移動電
極と対向して配設されており、固定位置を円筒状部材の
軸方向に可変自在に構成された固定位置可変手段に配設
されてなる固定電極とを具備する構成とした。
【0020】また、請求項4記載の発明では、上下動自
在なステージの上方に請求項2記載の電圧・変位検出プ
ローブを探針の先端をステージに対向させて位置させ、
ステージを上動させることでステージ上面に探針の先端
を接触させてステージを停止し、ステージをさらに所定
距離上動させることで探針及び電圧情報発生素子及び円
筒状部材と共に弾性部材を上動付勢して弾性部材を弾性
変形させて円筒状部材に配設された移動電極を所定距離
上動させ、固定電極の位置を固定位置可変手段により可
変することで固定電極を移動電極に接触させて固定電極
を固定し、弾性部材の付勢方向と逆方向にステージを所
定距離以上下動させることで固定電極と移動電極を所定
距離だけ離間させ、固定電極と移動電極との距離を調整
する構成とした。
【0021】
【作用】請求項1および請求項2記載の発明によれば、
固定電極の固定位置を円筒状部材の軸方向に可変自在に
構成された固定位置可変手段を配設されてなることによ
り、固定電極と移動電極との距離を調整することができ
る。また、固定位置可変手段は、弾性部材の略中心位置
に配設された円筒状部材の他端に配設された第1面を有
する移動電極と対向する固定電極の固定位置を円筒状部
材の軸方向に可変自在に構成されているので、簡単な構
成とすることができる。
【0022】請求項4記載の発明によれば、ステージを
上動させることでステージ上面に探針の先端を接触させ
てステージを停止し、ステージをさらに所定距離上動さ
せたぶんだけ、固定電極を移動電極に接触させた後にス
テージを下動させることで固定電極と移動電極を所定距
離にすることができ、ステージの上下動精度に応じて固
定電極と移動電極間の距離を調整することができる。
【0023】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明の第1実施例の電圧・変位検
出プローブ1を示す断面図である。
【0024】図1において、2は偏平で肉厚の円筒状の
絶縁性のホルダであり、例えば樹脂性とすることが考え
られる。ホルダ2は内部に板ばね3および4を支持する
ことができる筒状であれば円筒に限るものではない。
【0025】板ばね3および4は外端部3aおよび4a
をホルダ2の下部に固着されており、ホルダ2内部に配
設されている。板ばね3の外端部3aにはアースされた
透明導電膜用端子5が、板ばね4の外端部4aには移動
電極用端子6がそれぞれ配設されている。
【0026】導電性の弾性部材である板ばね3および4
は例えばステンレス製の板状形状であり、所定のばね定
数を得るために図2に示すとおりの扇状で梁状とされて
いる。所定のばね定数が得られる厚さ寸法であれば梁状
でない連続した平面形状でもよい。また、導電性の弾性
部材で所定のばね定数が得られればステンレスに限るも
のでなく、例えば銅製であってもよい。
【0027】板ばね3および4の内端部3bおよび4
b、すなわち板ばね3および4の略中心位置には円筒状
部材である絶縁性のロッド7が支持されている。ロッド
7は、軸方向を板ばね3および4の表面と略垂直とされ
て板ばね3および4により支持されており、レーザビー
ムが透過できるように内部を中空とされている。ロッド
7は、中実透明に構成してもよい。
【0028】このロッド7の一端である下面には、透明
導電膜8と電気光学結晶9と反射膜10とで構成される
電圧情報発生素子11の一端(上面)が固着されてい
る。電圧情報発生素子11の他端(下面)には導電性の
探針12が導通接続されている。
【0029】すなわち、ロッド7の下面には、円盤状の
透明導電膜8の上面が固着されている。この透明導電膜
8の下面には、電気光学結晶9の上面が接着されてい
る。この電気光学結晶9の下面には、反射膜10が被着
されている。透明導電膜8は導電部材13により板ばね
3と導通接続されており、透明導電膜用端子5を介して
アースされている。
【0030】また、反射膜10の下面には探針12が導
通接続されている。探針12は、先端部12aが鋭利な
くさび形の縦断面形状とされており、この先端部12a
で試料であるLSIの表面の配線を走査する。したがっ
て、探針12を介して反射膜10の下面に試料の配線の
電圧が印加される。
【0031】一方、ロッド7の他端である上面には、導
電性の金属からなる移動電極14が配設されている。移
動電極14は、中央に孔を有する略円盤状の形状であ
る。移動電極14は導電部材15により板ばね4と接続
されており、移動電極用端子6を介して外部回路(図3
参照)に接続される。
【0032】さらに、ホルダ2の上部には略円盤状の導
電部材16が配設されている。導電部材16の中央には
下方に突出した突出部17が設けられていると共に、突
出部17の中央には内部をレーザビームが透過できるよ
うに孔18が穿設されている。突出部17の突端は移動
電極14と略平行な平面状の固定電極19とされてい
る。移動電極14と固定電極19が対向することで可変
コンデンサC1 を構成している。
【0033】導電部材16の右側には固定電極用端子2
0が配設されており、固定電極19は固定電極用端子2
0を介して外部回路(図3参照)に接続される。探針1
2によって試料を走査して探針12が軸方向に変位する
と、板ばね3および4の弾性により移動電極14が軸方
向に移動する。この結果、移動電極14と固定電極19
との間隙寸法が変わり、可変コンデンサC1 の値が変化
する。
【0034】図3は探針12の変位を検出する回路を示
す図である。図3において、可変コンデンサC1 は移動
電極14と固定電極19により構成されるコンデンサで
あり、他の構成要素は電圧・変調検出プローブの外部回
路である。
【0035】図3において、可変コンデンサC1 と参照
用コンデンサC2 と参照用可変抵抗R1 と参照用抵抗R
2 とでブリッジが構成されている。可変コンデンサC1
と参照用可変抵抗R1 との接続点と参照用コンデンサC
2 と参照用抵抗R2 との接続点との間に信号源eが接続
されている。
【0036】参照用可変抵抗R1 と参照用抵抗R2 との
接続点の電圧と、可変コンデンサC 1 と参照用コンデン
サC2 との接続点との電圧はそれぞれ差動増幅器25に
入力されており、差動増幅器25の出力は実効値計算器
26に入力されている。
【0037】ブリッジが平衡するように(すなわち、v
d =0となるように)参照用可変抵抗R1 の値を調整し
ておき、信号源eによりブリッジに交流信号電圧vを印
加し、走査に伴う可変コンデンサC1 の値の変化により
生じるブリッジの各接続点の差電圧vd が差動増幅器2
5により増幅される。そして、差動増幅器25の増幅出
力に基づいて実効値計算器26によりその実効値を計算
することで、探針の変位が求められ、試料の配線の様子
を観察することができる。
【0038】また、試料の配線の電圧測定は次のように
行われる。すなわち、図1に戻って説明するに、レーザ
光源21からビームスプリッタ22を介してレーザビー
ムLを電圧情報発生素子11に照射し、反射膜10から
の反射ビームをビームスプリッタ22で反射させて偏光
量検出装置23に入射させることで偏光量を検出する。
【0039】探針12に試料から電圧が印加されると電
気光学結晶9に電界が発生し、電気光学結晶9は印加さ
れた電圧に応じた偏光量となる。そこで、試料の電圧に
応じて偏光量が変わることを利用し、反射膜10からの
反射光より電気光学結晶9の偏光量が変わることを上記
のようにして偏光量検出装置23により検出すること
で、試料の配線の電圧を測定することができる。
【0040】本実施例によれば、変位測定用のコンデン
サC1 が従来のようにホルダの内周とロッドの外周に3
枚の導電板を固着して構成する複雑な構成とは異なって
おり、ロッドの上面の移動電極と移動電極に対向する固
定電極の2個の電極でシンプルに構成されているため、
組み立て精度を出すことが比較的容易である。
【0041】したがって、従来よりも電極の間隙寸法を
小さくして探針の変位による容量変化率ΔCを大きくす
ることができるので変位測定精度を向上させることがで
きる。また、構成がシンプルであるため軽量に構成でき
高速測定を妨げることがないという利点がある。
【0042】次に、図4は本発明の第2実施例の電圧・
変位検出プローブ31を示す断面図である。
【0043】図4において、32は円筒状の絶縁性のホ
ルダであり、例えば樹脂性とすることが考えられる。ホ
ルダ32は内部に板ばね33および34を支持すること
ができる筒状であれば円筒に限るものではない。ホルダ
32は金属性のシールドケース35により覆われてい
る。
【0044】板ばね33および34は、それぞれ外端部
を環状とされその内部を十字形梁状形状とされている。
板ばね33は外端部33aをホルダ32の下部に固着さ
れており、ホルダ32内部に配設されている。板ばね3
3の外端部33aの右側にはアースされた透明導電膜用
端子5が配設されている。透明導電膜用端子5は、シー
ルドケース35の右側面に穿設された孔36より外部に
突出している。
【0045】また、板ばね34は外端部34aをホルダ
32の中部に固着されており、ホルダ32内部に配設さ
れている。板ばね34の外端部34aの右側には移動電
極用端子6がそれぞれ配設されている。移動電極用端子
6は、シールドケース35の右側面に穿設された孔38
より外部に突出している。
【0046】導電性の弾性部材である板ばね33および
34は例えばステンレス製の板状形状であり、所定のば
ね定数を得るために前記した十字形梁状形状とされてい
る。所定のばね定数が得られる厚さ寸法であれば梁状で
ない連続した平面形状でもよい。また、導電性の弾性部
材で所定のばね定数が得られればステンレスに限るもの
でなく、例えば銅製であってもよい。
【0047】板ばね33および34それぞれの内端部3
3bおよび34b、すなわち板ばね33および34それ
ぞれの略中心位置には円筒状部材である絶縁性のロッド
37が介挿されており、板ばね33および34は2段構
成とされている。
【0048】ロッド37は、軸方向を板ばね33および
34の表面と略垂直とされて板ばね33および34によ
り上面および下面を支持されており、レーザビームが透
過できるように内部を中空とされている。ロッド37
は、中実透明に構成してもよい。
【0049】このロッド37の一端である下面には、板
ばね33の内端部33bを介挿して円筒状で内部を中空
とされた導電部材39が配設されている。この円筒状部
材である導電部材39の一端である下面には、透明導電
膜8と電気光学結晶9と反射膜10とで構成される電圧
情報発生素子11の一端(上面)が固着されている。電
圧情報発生素子11の他端(下面)には導電性の探針1
2が導通接続されている。
【0050】すなわち、導電部材39の下面には、円盤
状の透明導電膜8の上面が固着されている。この透明導
電膜8の下面には、電気光学結晶9の上面が接着されて
いる。この電気光学結晶9の下面には、反射膜10が被
着されている。透明導電膜8は導電部材39により板ば
ね33と導通接続されており、透明導電膜用端子5を介
してアースされている。
【0051】また、反射膜10の下面には探針12が導
通接続されている。探針12は、先端部12aが鋭利な
くさび形の縦断面形状とされており、この先端部12a
で試料であるLSIの表面の配線を走査する。したがっ
て、探針12を介して反射膜10の下面に試料の配線の
電圧が印加される。
【0052】一方、円筒状部材であるロッド37の他端
である上面には、導電性の金属からなる移動電極44が
配設されている。移動電極44は、中央に孔を有する略
円盤状の形状である。移動電極44は板ばね34の内端
部34bの上面に接触しており、移動電極用端子6を介
して外部回路(図3参照)に接続される。
【0053】さらに、ホルダ32の上部には略円盤状の
導電部材46が配設されている。導電部材46の中央に
はねじ穴40が穿設されている。このねじ穴40には導
電性のねじ41が螺合している。導電部材46に穿設さ
れたねじ穴40とねじ41により固定位置可変手段が構
成されている。
【0054】ねじ41の中央には内部をレーザビームが
透過できるように孔42が穿設されている。ねじ41の
下部には、移動電極44と略平行な平面状の固定電極4
9が形成されている。移動電極44と固定電極49が対
向することで図3の可変コンデンサC1 を構成してい
る。
【0055】導電部材46の右側には固定電極用端子2
0が配設されており、固定電極用端子20はシールドケ
ース35の右側面に穿設された孔50より外部に突出し
ている。固定電極49は、固定電極用端子20を介して
外部回路(図3参照)に接続される。
【0056】シールドケース35には開閉自在な上蓋5
1が配設されている。この上蓋51のねじ41の上部に
は孔52が穿設されており、レーザビームが透過できる
ようになっている。また、上蓋51を取り外してねじ4
1を回動させることで、固定電極49はねじ41と共に
ロッド37の軸方向に上下動することができ、固定電極
49と移動電極44との距離を可変調整して固定電極4
9を任意の位置に固定できるようになっている。
【0057】探針12によって試料を走査して探針12
が軸方向に変位すると、板ばね33および34の弾性に
より移動電極44が軸方向に移動する。この結果、移動
電極44と固定電極49との間隙寸法が変わり、可変コ
ンデンサC1 の値が変化する。
【0058】本実施例の電圧・変位検出プローブ31に
よっても、前記第1実施例の電圧・変位検出プローブ1
と同様にして試料の電圧および探針12の変位を測定す
ることができ、電圧・変位検出プローブ1と同様の効果
を得ることができる。さらに、固定電極49の固定位置
を可変自在とされているため、移動電極44と固定電極
49との間隙寸法をより微細に10μm精度で調整する
ことができる。したがって、探針の変位による容量変化
率ΔCをより大きくすることができるので変位測定精度
をさらに向上させることができる利点がある。
【0059】ここで、本発明の第3実施例になる電圧・
変位検出プローブの電極間間隙寸法の調整方法について
次に示す図5および図6の工程図に基づいて説明する。
【0060】図5(A)において、まず上蓋を取り外し
た電圧・変位検出プローブ31の上部を固定治具55に
固定する。このとき、固定電極44と移動電極49間の
距離を十分とるように予めねじ41で調整しておく。5
6は一般に市販されている上下動自在な導電性のステー
ジであり、数μm精度で上下動させることが可能であ
る。そして、探針12の先端をステージ56に対向させ
た状態で、固定治具55に固定された電圧・変位検出プ
ローブ31をステージ56の上方に離間させて位置させ
る。
【0061】次に図5(B)に示すように、導電検査装
置57を金ワイヤ58を介して探針12に、ワイヤ59
を介してステージ56に接続した状態で、ステージ56
をゆっくりと上動させる。探針12の先端部がステージ
56に接触すると導通検査装置57により探針12とス
テージ56との導通が検出されるので、この位置でステ
ージ56の上動をいったん停止し、停止位置を確認して
おく。
【0062】次に図5(C)に示すように、停止位置か
らさらにステージ56を所定距離上動させる。すなわ
ち、所望する電極間距離だけ上動させてステージ56を
停止する。これにより、探針12および電圧情報発生素
子11および導電部材39およびロッド37と共に板ば
ね33および34が上動付勢され、図示の如く板ばね3
3および34は弾性変形して撓む。同時に、ロッド37
上面に配設された移動電極44が所定距離だけ上動す
る。このとき、固定電極44と移動電極49間にはまだ
間隙がある。
【0063】さらに図5(A)に示すように、導電検査
装置57をワイヤ59および60を介して移動電極用端
子6および固定電極用端子20に接続した状態で、移動
電極49が固定電極44に接近する方向に下動するよう
にねじ41を回動させる。固定電極44と移動電極49
が接触すると導通検査装置57により両電極44および
49の導通が検出されるので、この位置でねじ44の回
動を停止し、固定電極49の位置を固定する。
【0064】そして図5(B)に示すように、板ばね3
3および34の付勢方向と逆方向、すなわち下方向にス
テージ56を上記の所定距離以上下動させる。これによ
り、板ばね33および34は上動付勢力を解除されて元
の形状に弾性変形して戻る。したがって、このときの固
定電極44と移動電極49の距離は、図5(B)の状態
から図5(C)の状態にかけてステージ56が上動した
距離に等しく調整されている。
【0065】このように本実施例の電圧・変位検出プロ
ーブの調整方法によれば、ステージ56の上下動の精度
で固定電極44と移動電極49の距離を容易に調整する
ことができる。よって、電極間の間隙寸法をより微細に
10μm精度あるいはそれ以上の精度で調整することが
できて、探針の変位による容量変化率ΔCをさらに大き
くすることができるので変位測定精度をさらに向上させ
ることができる。このため、試料の配線の微細な凹凸を
観察することができる利点がある。
【0066】
【発明の効果】上述の如く請求項1および請求項2記載
の発明によれば、固定位置可変手段により固定電極と移
動電極との距離を調整して変位測定用のコンデンサの電
極間距離を小さくすることで、変位測定精度を向上させ
ることができる。したがって、試料の配線の微細な凹凸
を観察することができる特長がある。また、固定位置可
変手段は、移動電極と対向する固定電極の固定位置を円
筒状部材の軸方向に可変自在に構成されているので簡単
な構成とすることができ、軽量化が容易であるため高速
での走査の妨げとなることなく高速測定を行うことがで
きる。
【0067】また請求項4記載の発明によれば、ステー
ジの上下動精度に応じて固定電極と移動電極間の距離を
調整することができるため、数μm精度での調整も行う
ことができるので、変位測定用のコンデンサの電極間距
離を小さくすることで変位測定精度を向上させることが
できる。したがって、試料の配線の微細な凹凸を観察す
ることができる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図である。
【図2】第1実施例の板ばね3および4を示す図であ
る。
【図3】第1実施例の探針12の変位を検出する回路を
示す図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す図(その1)であ
る。
【図6】本発明の第3実施例を示す図(その2)であ
る。
【図7】従来の電圧・変位検出プローブの一例を示す図
である。
【符号の説明】
1,31 電圧・変位検出プローブ 2,32 ホルダ 3,4,33,34 板ばね 3a,3b 外端部 7,37 ロッド 11 電圧情報発生素子 12 探針 14,44 移動電極 19,49 固定電極 39,46 導電部材 41 ねじ 56 ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪田 裕司 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 尾崎 一幸 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 梅原 康敏 宮城県仙台市青葉区上愛子字松原48番2 株式会社アドバンテスト研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 31/302 H01L 21/66

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルダ(2)に外端部(3a,3b)を
    固着され、該ホルダ(2)内部に配設された板状の弾性
    部材(3,4)と、 該弾性部材(3,4)の略中心位置に軸方向を該弾性部
    材(3,4)と略垂直に該弾性部材(3,4)により支
    持される中空又は中実透明の円筒状部材(7)と、 試料を走査する導電性の探針(12)と、 該円筒状部材(7)の一端に一端を固着されると共に該
    探針(12)に他端を導通接続されており、走査された
    該試料の電圧に応じた情報を発生する電圧情報発生素子
    (11)と、 該円筒状部材(7)の他端に配設されており、該弾性部
    材(3,4)の弾性変形に応じて該円筒状部材(7)の
    軸方向に移動する移動電極(14)と、 該移動電極(14)と対向して配設された固定電極(1
    9)とを具備し、 該電圧情報発生素子(11)にレーザビームを照射する
    ことで該電圧情報発生素子(11)からの情報に基づい
    て該試料の電圧を測定すると共に、該移動電極(14)
    の移動に伴う該固定電極(19)と該移動電極(14)
    との距離の変化に応じて該探針(12)の変位を測定す
    る構成とされてなる電圧・変位検出プローブ。
  2. 【請求項2】 前記固定電極(49)は、固定位置を前
    記円筒状部材(37,39)の軸方向に可変自在に構成
    された固定位置可変手段(41)に配設されてなること
    を特徴とする請求項1記載の電圧・変位検出プローブ。
  3. 【請求項3】 前記固定位置可変手段(41)は、前記
    ホルダ(32)に外端部を固着されると共に前記ホルダ
    (32)内部に配設された導電部材(46)と螺合する
    ねじ(41)を前記固定電極(49)に配設されてなる
    ことを特徴とする請求項2記載の電圧・変位検出プロー
    ブ。
  4. 【請求項4】 上下動自在なステージ(56)の上方に
    請求項2記載の前記電圧・変位検出プローブ(31)を
    前記探針(12)の先端を該ステージ(56)に対向さ
    せて位置させ、 該ステージ(56)を上動させることで該ステージ(5
    6)上面に前記探針(12)の先端を接触させて該ステ
    ージ(56)を停止し、 該ステージ(56)をさらに所定距離上動させることで
    前記探針(12)及び前記電圧情報発生素子(11)及
    び前記円筒状部材(37,39)と共に前記弾性部材
    (33,34)を上動付勢して前記弾性部材(33,3
    4)を弾性変形させて前記円筒状部材(37,39)に
    配設された前記移動電極(44)を該所定距離上動さ
    せ、 前記固定電極(49)の位置を前記固定位置可変手段
    (41)により可変することで前記固定電極(49)を
    前記移動電極(44)に接触させて前記固定電極(4
    9)を固定し、 前記弾性部材(33,34)の付勢方向と逆方向に該ス
    テージ(56)を該所定距離以上下動させることで前記
    固定電極(49)と前記移動電極(44)を該所定距離
    だけ離間させ、 前記固定電極(49)と前記移動電極(44)との距離
    を調整することを特徴とする電圧・変位検出プローブの
    調整方法。
  5. 【請求項5】 前記ステージ(56)上面と前記探針
    (12)の先端とを接触させた際の前記ステージ(5
    6)の停止は、前記ステージ(56)と前記探針(1
    2)との導通を検出して行うことを特徴とする請求項4
    記載の電圧・変位検出プローブの調整方法。
  6. 【請求項6】 前記固定電極(49)と前記移動電極
    (44)とを接触させた際の前記固定電極(49)の固
    定は、前記固定電極(49)と前記移動電極(44)と
    の導通を検出して行うことを特徴とする請求項4記載の
    電圧・変位検出プローブの調整方法。
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