JP2875221B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

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JP2875221B2
JP2875221B2 JP8304946A JP30494696A JP2875221B2 JP 2875221 B2 JP2875221 B2 JP 2875221B2 JP 8304946 A JP8304946 A JP 8304946A JP 30494696 A JP30494696 A JP 30494696A JP 2875221 B2 JP2875221 B2 JP 2875221B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導波管によりマイ
クロ波をプラズマ発生室に供給してプラズマを発生させ
るプラズマ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種、マイクロ波放電プラズマ発生装
置は、処理基板にたいする磁力線の影響をなくし、かつ
高圧力(10mTorr以上)での運転時に高いイオン
電流を得るために、例えば、半導体製造装置の分野で開
発されている。このような装置の代表的なものとして、
プラズマ発生室に直接導波管よりマイクロ波を供給し、
このマイクロ波によりプラズマを発生させる形式のもの
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような装
置では、簡単な構成で、マイクロ波をプラズマ発生室に
均一に供給することができず、このために均一な分布の
大径のプラズマを発生させることはできない。従って、
本発明の目的は、簡単な構成でありながら、均一な分布
の大径のプラズマを発生させることの可能なプラズマ発
生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる請求項1
に記載のプラズマ発生装置は、ハウジングと、このハウ
ジングのプラズマ発生室にミラー磁界を形成するように
配設された複数の永久磁石と、このプラズマ発生室に電
子サイクロトロン共鳴プラズマを発生させるように、プ
ラズマ発生室にマイクロ波を供給する手段とを具備し、
この供給手段は一端がプラズマ発生室に延びた中心導体
を有する導波管と、プラズマ発生室内に、前記中心導体
の前記一端と中心部で同軸的に接続された誘電体板と、
前記中心導体の前記一端に、誘電体板の中心部のプラズ
マ発生室に露出した面に取着された金属製キャップとを
有し、この誘電体板は、外方に向かうのに従って薄くな
るように表面にテーパが形成されていることを特徴とす
る。
【0005】また、請求項2に記載のプラズマ発生装置
においては、前記誘電体板に、中心部から外方に向かっ
て複数の切れ目が形成されていることにより、高温によ
る誘電体板の破損が防止されている。
【0006】また、請求項3に記載のプラズマ発生装置
においては、前記金属製キャップの前記プラズマ発生室
と露出する面が、セラミック製のキャップで覆われてい
ることにより、プラズマにより金属キャップが損傷され
るのが防止されている。
【0007】さらに、前記中心導体は、筒状をし、この
中に冷却媒体を循環させる冷却手段が設けられているこ
とにより、中心導体が高温により破損されるのが防止さ
れている。
【0008】
【実施の形態】以下に、添付図面を参照して、本発明の
一実施の形態に係わるプラズマ発生装置を説明する。図
1中、符号1は非磁性金属板で形成された円筒状のハウ
ジグを示し、このハウジング内は、水平に延びた隔壁1
aにより、下部のプラズマ発生室2aと、上部の冷却室
2bとにより区分されている。プラズマ発生室2aに
は、装置の外に設けられた真空ポンプに接続された図示
しない排気ポートと、処理ガス源に接続されたガス供給
ポートとが設けられている。前記隔壁2aの下面には、
後で詳述する誘電体円板3が同心的に装着されている。
この円板3の中心には円形透孔が形成されており、この
透孔内には、垂直に延びた導波管4の円筒状の中心導体
4bの下部が嵌入されて固定されている。この導波管4
の外部導体4aは、前記隔壁2aと一体的もしくは、こ
の隔壁に接続されるようにして形成されている、そし
て、外部導体4aと内部導体4bとの間の下部にはセラ
ミック窓5が形成されている。また、前記中心導体4b
の下部内には、下端から少し離れた所に底部が形成され
ており、この底部を境として下端部と上部とは縦断面H
形状の水密構造となっている。そして、この中心導体4
bの下端部内には、励起用金属キャツプ6の上面の中心
に突設された円柱部が嵌入されている。この励起用キャ
ップ6は、円板状をなし、その外径は導波管4の外径と
ほぼ等しくなるように設定されている。また、このキャ
ップ6の上面は、好ましくは、前記誘電体円板3の下面
に密着されている。そして、このキャップ6の底面並び
に外周面には、これら面が直接プラズマ発生室2aに露
出しないようにセラミック製の保護キャップ7が取着さ
れている。この結果、プラズマ発生室2aで発生された
プラズマにより金属キャップ6が損傷されるのを防止し
ている。
【0009】前記誘電体円板3は、ハウジング1の内径
に近い外径をし、外周端はハウジングの内周面近くに位
置している。この円板3の上面は、全体に渡って前記隔
壁2aとの密着性を良くするように水平な平坦面となっ
ている。一方、下面は、上面と平行な平坦面となってい
る中心面3aと、テーパが形成された周面3bとにより
形成されている。この周面3bのテーパは、中心面3a
より周方向に向かうのに従って、円板3が薄くなるよう
に設定されている。そして、この中心面3aは、前記金
属キャップ6とほぼ同外径をなし、ほぼ全体に渡って金
属キャップ6の上面が取着されている。また、前記周面
3bは、プラズマ発生室2aにほぼ全体に渡って露出し
ている。また、この誘電体円板3には、図2に示すよう
に、中心部から外周に向かって放射状に延びた複数(こ
の例では8本)の切れ目3cが形成されている。これら
切れ目3cは、上面から下面にまで達するように形成さ
れており、誘電体円板3を中心部を除いて、複数(8
つ)のセグメント部に分離している。この結果、装置の
運転中に誘電体円板3が高温になっても、これら切れ目
3cでセグメント部の熱膨張が吸収されるので、円板3
が高熱により破損されるのが防止される。
【0010】前記隔壁1aの上面、即ち、冷却室2bに
は、多数の永久磁石8a,8bが、図3に示すように、
導波管4を中心として配列されて固定されている。これ
ら磁石は複数(この実施例では4つ)の同軸円上に互い
に所定間隔を有して並べられ、1列目と3列目との永久
磁石8aが下面がN極にそして上面がS極に、また2列
目と4列目の永久磁石8bが下面がS極にそして上面が
N極になるようにして、プラズマ発生室内にECR領域
を形成するように配設されている(ECR領域の発生メ
カニズムは特願昭6−308686号に開示されている
ので、ここでは省略する)。このような永久磁石8a,
8bが配置された冷却室2bの上壁には、冷却媒体、例
えば、冷却水を矢印CWで示すように冷却室に循環せさ
るための入口ポート11aと出口ポート11bとが設け
られており、動作中に、誘電体円板3が高温になるのが
防止されている。
【0011】尚、図1中、符号10は、導波管4の円筒
状の中心導体4b中に同軸的に挿入された冷却手段とし
ての冷却管を示す。装置の外部に設けられた図示しない
ポンプにより、冷却媒体、例えば、冷却水が、この冷却
管10中に供給され、冷却管と中心導体との間を通って
排出されることにより、中心導体は冷却される。この結
果、導波管で線路伝送損失が集中する中心導体4bが過
度に加熱されるのが防止される。
【0012】上記構成の実施の形態の装置の動作(運
転)を以下に説明する。ハウジング1内を排気ポートを
介して排気して低圧にし、この後に、流入ポートを介し
て、プラズマ生成用のガスを、また、導波管4並びに誘
電体円板3を介して、マイクロ波を夫々フラズマ発生室
2aに供給刷る。このときに、導波管4から誘電体円板
3の中心部に供給されたマイクロ波は、金属キャップ6
により、ここからプラズマ発生室2a内に漏洩するのが
防止される。この結果、マイクロ波は、誘電体円板3の
中心部ようり外周に向かって放射状に円板3に沿って伝
播される。そして、円板3は外周に向かうのに従って除
々に薄くなるようにテーパが形成されていることによ
り、外周に向かうのに従って表面波電界は強くなり、そ
のために密度が中央では低く、外周で高いプラズマが発
生される。このような密度配位のプラズマは、誘電体円
板近くから下方に拡散と半径方向に極めて一様性の良い
プラズマとなる。
【0013】尚、上記誘電体円板を伝播するマイクロ波
は、プラズマ発生室のガス圧が10mTorr以下の場
合にはECR放電により、また10mTorr以上では
非共鳴的なマイクロ波放電によりプラズマを発生させ
る。
【0014】尚、上記実施例では、マスクロ波を伝播す
る誘電体板を円形に形成したが、他の形状、例えは、矩
形でも良い。また、ミラー磁界を形成するための磁界発
生手段は、上記、形状、配列の永久磁石に限定されるこ
とはなく、例えば、矩形の誘電体板を使用した場合に
は、矩形に配設しても良い。
【0015】以上説明ししたように上記構成のプラズマ
発生装置においては、誘電体板のほぼ全体に渡って均一
ななプラズマが発生され得る。そして、電磁波の伝播は
誘電体板によって行われるので構成が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるプラズマ発生装置
を概略的に示す図である。
【図2】図1に示す装置の誘電体円板を示す平面図であ
る。
【図3】図1に示す装置の永久磁石の配列を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…ハウジング、1a…隔壁、2a…プラズマ発生室、
2b…冷却室、3…誘電体円板、4…導波管、4a…外
部導体、4b…内部導体、5…セラミック窓、6…励起
用金属キャップ、7…保護キャップ、8a,8b…永久
磁石。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、このハウジングのプラズ
    マ発生室にミラー磁界を形成するように配設された複数
    の永久磁石と、このプラズマ発生室に電子サイクロトロ
    ン共鳴プラズマを発生させるように、プラズマ発生室に
    マイクロ波を供給する手段とを具備し、この供給手段は
    一端がプラズマ発生室に延びた中心導体を有する導波管
    と、プラズマ発生室内に、前記中心導体の前記一端と中
    心部で同軸的に接続された誘電体板と、前記中心導体の
    前記一端に、誘電体板の中心部のプラズマ発生室に露出
    した面に取着された金属製キャップとを有し、この誘電
    体板は、外方に向かうのに従って薄くなるように表面に
    テーパが形成されていることを特徴とするプラズマ発生
    装置。
  2. 【請求項2】 前記誘電体板には、中心部から外方に向
    かって複数の切れ目が形成されていることを特徴とする
    請求項1のプラズマ発生装置。
  3. 【請求項3】 前記金属製キャップの前記プラズマ発生
    室と露出する面はセラミック製のキャップで覆われてい
    ることを特徴とする請求項1もしくは2のプラズマ発生
    装置。
  4. 【請求項4】 前記中心導体は、筒状をし、この中に冷
    却媒体を循環させる冷却手段が設けられていることを特
    徴とする請求項1,2もしくは3のプラズマ発生装置。
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