JP2874957B2 - 超音波モータの駆動制御装置 - Google Patents

超音波モータの駆動制御装置

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超音波モータの駆動制御装置に係わり、特
に、共振周波数を自動測定して最適速度制御を実施でき
る超音波モータの駆動制御装置に関する。
[従来の技術] 近年、超音波モータは種々の工業分野に使用されてい
る。周知のように、この超音波モータは、複数の圧電体
が環状に配列された固定子と、この固定子の各圧電体の
上面に圧着された弾性体からなる回転子とで構成されて
いる。そして、固定子を構成する各圧電体に互いに位相
が異なる交流の駆動信号を印加すると、固定子の各圧電
体に周方向に伝播する弾性波が生起する。その結果、こ
の各圧電体の上面に共通に圧接されている回転子が前記
弾性波の進行方向、すなわち周方向に移動する。よっ
て、回転子が回転するる。
このような原理で動作する超音波モータにおいては、
一般に、固定子に発生する弾性波の進行速度と回転子の
回転速度とは一致しなくて、回転子の回転速度が弾性波
の進行速度より遅くなる。そして、この速度の遅れ度合
は弾性波の振幅に対応する。すなわち、各圧電体に交流
の駆動信号を印加した場合における各圧電体の伸縮・膨
脹する振動の振幅が大きいほど、前記遅れ度合いが小さ
くなる。逆に、振動の振幅が小さいほど、前記遅れ度合
いが大きくなる。
したがって、この振動の振幅値が一定であれば、各圧
電体に印加する駆動信号の周波数と回転子の回転速度が
比例するので、周波数でもって速度を完全に制御でき
る。しかし、前記振動の振幅は、第8図および第9図に
示すように、印加する駆動信号の周波数fに大きく依存
する。すなわち、超音波モータは多数の弾性部材で構成
されているので、1次から高次までの多数の共振周波数
f01,f02,f03……を有する。したがって、駆動信号の周
波数fが共振周波数f0の近傍値になると、弾性波の振幅
が大きくなり、駆動信号の周波数fが共振周波数f0から
離れると、弾性波の振幅が小さくなる。その結果、駆動
信号の周波数fが第8図よおび第9図の共振特性Rの谷
の部分に位置した場合には、遅れ度合いが大きくなるの
で、回転子はほとんど回転しない。
よって、一般の超音波モータにおいては、第9図に示
すように、駆動信号の周波数fを共振特性Rの傾斜部分
のRA点からRB点までの部分を使用している。そして、そ
のRA点に対応する周波数fLからRB点に対応する周波数fH
までの周波数範囲を許容する周波数範囲WFとして、印加
する駆動信号の周波数fをこの許容周波数範囲WFに入れ
るようにしている。そして、回転速度が設定速度V0に一
致するるように、印加周波数fを許容周波数範囲WF内で
調整して、例えばC点に設定する。
すなわち、速度Vを調整する過程で周波数fが前記許
容周波数範囲WFの下限周波数fLをさらに下回り、共振特
性Rの共振周波数f0より左側に移動すると、位相が逆転
するので、逆方向に回転する力が働き、回転子の回転が
停止する。また、周波数fが許容周波数範囲WFの上限限
周波数fHをさらに上回り、共振特性Rの谷間に入ると、
十分な回転トルクが得られないか、又は前述したように
遅れ度合いが大きくなるので、回転子はほとんど回転し
ない。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述したような手法で超音波モータを
駆動制御する駆動制御装置においてもまだ解消すべき次
のような問題があった。
すなわち、前述した許容周波数範囲WFは共振特性Rに
よって最適範囲が決定される。この共振特性Rは超音波
モータを構成する各部品の重量や弾性定数で定まる超音
波モータ固有の値である。従って、予め測定されて固定
値として設定されている。
そして、操作者がこの超音波モータを起動する場合
や、設定速度で稼働期間中に速度変動が生じて、速度調
整を行う場合には、例えば調節つまみ等で駆動信号の周
波数fを調整して、実際の速度を設定速度に合わせる。
この周波数fの調整過程で前記許容周波数範囲WFを外れ
ないように、機械的,又は電気的に制限している。
しかし、実際には、前記共振特性Rの共振周波数f0
周囲温度や回転子に連結される負荷に応じて変化する。
そして、例えば第9図に示すように、共振周波数がf0
らf0Aへ変化すると、共振特性もRからRAへ変化する。
しかし、許容周波数範囲WFは固定であるので、変化後の
共振特性RAに対する許容周波数範囲WFの下限周波数fL
共振周波数f0A近傍、又は左側に位置することになる。
このように、実際の共振特性RAに対する許容周波数範
囲WFの相対位置関係がずれると、操作者が例えば起動時
に周波数fを調整する過程で、周波数fが実際の共振周
波数f0Aの左側に移動して、モータが停止してしまう懸
念がある。また、共振周波数f0が第9図とは逆方向に変
化すると、許容周波数範囲WFの変化後の共振特性に対す
る位置が共振特性の谷の方向へずれる。この場合、起動
時に速度を上昇させる目的で周波数fを左方向へ移動さ
せていった場合に、目標速度に達しないうちに、周波数
fが下限周波数fLに達してしまう。よって、実際の速度
が設定速度に達しないことになる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、実際の共振周波数を測定して許容周波数範囲を可変
制御することによって、常時正しい許容周波数範囲内で
自動的に速度制御を実行でき、誤ってモータが停止する
ことや速度が設定速度に制御されないという事態を回避
でき、速度制御精度向上と信頼性向上とを図ることがで
きる超音波モータの駆動制御装置を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解消するために本発明は、超音波モータを
構成する、複数の圧電体を配列してなる固定子の交流に
駆動信号を印加して、この固定子に圧着された回転子の
速度を速度検出器で検出して、この検出された速度が設
定速度に一致するように、駆動信号の周波数を超音波モ
ータの共振周波数で定まる許容周波数範囲内で変化させ
て、速度を設定速度に制御する超音波モータの駆動制御
装置において、 固定子を構成する複数の圧電体のうちの任意の圧電素
体間に介挿され、隣接する圧電体の振動を検出してその
振幅量を帰還電圧として出力する振幅検出用圧電体と、
駆動信号の周波数を変化させていった場合における振幅
検出用圧電体から出力される帰還電圧の変化特性から共
振周波数を測定する共振周波数測定手段と、この共振周
波数測定手段にて測定された共振周波数に予め定められ
た一定周波数幅を加算して許容周波数範囲の下限周波数
を求め、この求めた下限周波数に許容周波数範囲の周波
数幅を加算して許容周波数範囲の上限周波数を求める許
容周波数範囲設定手段とを備えたものである。
[作 用] このように構成された超音波モータの駆動制御装置に
よれば、固定子に交流の駆動信号を印加するとこの超音
波モータは起動して回転開始する。そして、駆動信号の
周波数を変化させると、現在時点での共振特性に従って
各圧電体の振動の振幅が変化する。そして、この振幅変
化は圧電体間に介挿された振幅検出用圧電体で帰還電圧
として検出される。したがって、検出された帰還電圧の
変化特性から共振周波数が測定される。よって、この測
定された共振周波数に基づいて許容周波数範囲が自動設
定される。
しかして、許容周波数範囲は実際の共振特性に対して
常時最適周波数位置に設定されることになるので、起動
過程や速度制御過程で周波数調整を実行したとしても、
モータが停止したり、設定速度に達しないことが多発す
ることはない。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第2図は超音波モータの原理図である。複数の圧電体
1a,1b,1c,1dを環状に配列してなる固定子2の上面に弾
性材料で形成された環状の回転子3が圧着されている。
また、圧電体1bと圧電体1Cとの間に同一材料で形成され
た振幅検出用圧電体4が介挿されている。第3図は固定
子2の模式図である。各圧電体1a,1bには共通の電極5a,
5bが取付けられ、同様の各圧電体1c,1dにはも共通の電
極6a,6bが取付けられている。また、振幅検出用圧電体
4にも電極7a,7bが取り付けられている。
各圧電体1a,1bおよび各圧電体1c,1dはそれぞれ印加電
圧に対して互いに逆特性を有している。そして、それぞ
れの電極5a,5b間および電極6a,6b間に互いに位相が90゜
異なる駆動信号を印加すると、同図の下方に示す周方向
に進行する弾性波が生起される。この弾性波の進行速度
は印加する各駆動信号の周波数fによって定まる。
また、振幅検出用圧電体4は、両側面が各圧電体1b,1
cに固定されているので、たとえ、電極7a,7b間に駆動信
号が印加されていなかったとしても、両側の圧電体1b,1
cの振動に同期して振動する。よって、電極7a,7b間に振
動に対応する電圧が検出される。そして、電極7bと接地
間の電圧を帰還電圧Eとして取出している。
第1図は実施例の駆動制御装置の概略構成を示すブロ
ック図である。この駆動制御装置は大きく分けて、超音
波モータ8の動作を制御するマイクロコンピュータで形
成された制御部9と、この制御部9からの指令に基づい
て実際に超音波モータ8に駆動信号を印加する駆動部10
とで構成されている。
制御部9において、バスライン11に、各種演算処理を
実行するCPU12,業務プログラム等を記憶するROM13,許容
周波数範囲等の可変データを記憶するRAM14,例えば速度
Vを表示する表示器15へ表示データを送出する表示駆動
回路16,時間を計時するタイマ回路19等が接続されてい
る。また、超音波モータ8の回転子3に取付けられた例
えば磁気を利用した速度検出器20にて検出された速度V
はA/D変換器21でデジタル値に変換された後、制御部9
内のインタフェース22へ入力される。さらに、前述した
振幅検出用圧電体4の電極7bから出力された帰還電圧E
は、波形生計回路23で包絡線波形されて直流に変換され
る。そして、この波形整形回路23から出力された振幅値
に対応する直流に変換された帰還電圧Eは次のA/D変換
器24でデジタル値に変革された後、制御部9内のインタ
フェース25へ入力されれる。
また、CPU12の指令によりインタフェース26を介して
この制御部9から出力された周波数fを示す周波数信号
は、D/A変換器27でアナログ信号に変換された後に駆動
部10内へ入力される。駆動部10に入力されたアナログの
周波数信号は増幅器29で増幅された後に発振回路30へ入
力される。この発振回路30は一種の電圧制御発振回路
(VCO)で構成されており、入力された周波数信号の信
号レベルに対応する周波数fを有する交流信号を出力す
る。発振回路30から出力された交流信号はデコーダ31で
互いに位相が90度ずれた一対のパルス信号に変換されて
出力回路32へ入力される。出力回路32は入力された位相
が90度異なる各パルス信号に同期する正弦波形を有する
駆動信号a,bを出力する。出力回路32から出力された周
波数fの各駆動信号a,bは各昇圧トランス33a,33bで昇圧
された後、それぞれ超音波モータ8の電極5a,5b間,お
よび電極6a,6b間に印加される。すなわち、制御部9か
ら周波数fを示す周波数信号を出力すると、超音波モー
タ8の固定子2に位相が90゜異なる駆動信号a,bが印加
される。その結果、回転子3が回転開始する。
また、制御部9のRAM14内には、第4図に示すよう
に、設定速度VSを記憶する設定速度メモリ34,測定され
た共振周波数fRを記憶する測定共振周波数メモリ35,測
定された共振周波数fRに基づいて算出された許容周波数
範囲WFの下限周波数fLと上限周波数fHとを記憶する許容
範囲メモリ36,製造時に測定された第8図に示す各基本
共振周波数f01,f02,f03,……を記憶する基本周波数メモ
リ37,一つ前の周期で測定された帰還電圧E0を記憶する
帰還電圧メモリ38,許容周波数範囲WFを設定後に最初に
印加する駆動信号a,bの周波数を示す初期稼働周波数fK
を記憶する初期稼働周波数メモリ39,駆動部10へ出力す
る周波数fを記憶する出力周波数メモリ40等が形成され
ている。
しかして、前記CPU12は第5図の流れ図に従ってこの
超音波モータ8の起動処理を実行するようにプログラム
構成されている。
流れ図が開始されると、S(ステップ)1にて操作パ
ネル17から設定速度V0が入力すると、この設定速度V0
設定速度メモリ34へ格納する。次に、S2にて操作パネル
17から起動指令が入力すると、S3にて、設定速度VSに対
する起動周波数fSTを設定する。具体的には、第8図に
おいて、前述した回転子3の固定子2の弾性波の進行速
度に対する遅れ度合いがほぼ0であると仮定した場合に
おける駆動信号a,bの周波数の左隣に存在する基本共振
周波数f0を基本共振周波数メモリ37の各基本共振周波数
f01,f02,f03,…から選択して、選択された基本周波数f0
の右隣に存在する基本共振周波数f0+1の中間の周波数を
起動周波数fSTとする。
次に、S4にて、駆動部10へ出力する出力周波数メモリ
40の周波数fを起動周波数fSTに初期化する。そして、S
5にて、出力周波数メモリ40の周波数fを駆動部10へ送
出する。その結果、超音波モータ8は起動する。なお、
最初は周波数fが第7図に示すように、共振特性Rの谷
間に位置するので、ほとんど回転しない。
次に、速度検出切20にて検出されている速度Vを読込
む。さらに、振幅検出用圧電体4から出力されている帰
還電圧Eを読取る。S6にて読取った速度Vが設定速度VS
に達していない場合にはS7へ進む。S7にて、今回読取っ
た帰還電圧Eと帰還電圧メモリ38に記憶されている前回
読取った帰還電圧E0との差が規定電圧EM以上であれば、
現在出力している周波数fがまだ共振特性Rのピーク位
置近傍に達していないので、S8にて、今回読取った帰還
電圧Eを前回の帰還電圧E0として帰還電圧メモリ38へ格
納する。そして、出力周波数メモリ40の周波数fに微小
周波数Δfを加算してS5へ戻り、加算後の周波数fを出
力する。
S6にて、検出された速度Vが設定速度VSに達すると、
S9へ進み、初期稼働周波数メモリ39の初期稼働周波数fK
を現在出力している周波数fに設定する。初期稼働周波
数fKの設定処理が終了するると、S7へ進む。
また、S7にて、今回読取った帰還電圧Eと帰還電圧メ
モリ38に記憶されている前回読取った帰還電圧E0との差
が規定電圧EM以下になると、現在出力している周波数f
が共振特性Rのピーク位置に達したので、S10へ進み、
測定共振周波数メモリ35の共振周波数fRを現在出力して
いる周波数fに設定する。そして、S11にて、許容周波
数範囲WFの下限周波数fLおよび上限周波数fHを下式にて
決定する。
すなわち、測定された共振周波数fRに予め定められた
一定周波数幅Aを加算して許容周波数範囲の下限周波数
fLを求め、この求めた下限周波数fLに許容周波数範囲の
周波数幅WFを加算して許容周波数範囲の上限周波数fH
求める。そして、許容範囲メモメモリ36へ格納する。
fL=fR+A fH=fL+WF 許容周波数範囲WFの設定処理が終了すると、S12にて
駆動部10へ出力する周波数fを初期稼働周波数メモリ39
の初期稼働周波数fKにて設定する。以上で超音波モータ
8の起動処理を終了する。よって、超音波モータ8は初
期稼働周波数fKに対応する速度(設定速度VS)で回転す
る。
また、前期CPU12は、超音波モータ8が起動されたの
ちの通常稼働状態時において、タイマ回路19から単位時
間ΔT経過毎に時間割込信号が入力すると、第6図の流
れ図に従って速度制御を実行する。
流れ図が開始されると、Q1にて、速度検出器20にて検
出されている速度Vを読取る。次に、読取った速度Vと
設定速度VSとの偏差ΔVを求めて、Q2にて、その偏差Δ
Vが許容範囲を外れるとQ3へ進む。Q3にて、駆動部10へ
出力する周波数fを偏差ΔVが小さくなる方向へ微小周
波数Δfだけ変更する。Q4にて変更後の周波数fが許容
範囲メモリ36の許容周波数範囲WF内に存在することを確
認すると、Q1へ戻り、再度速度Vを読取る。
Q2にて、偏差ΔVが許容周波数範囲WF内に入ると、こ
の時間割込処理を終了する。
また、Q4にて、周波数fが許容周波数範囲WFを少しで
も外れると、Q5にて表示器15にエラー表示する。そし
て、この時間割込処理を終了する。すなわち、周波数f
が許容周波数範囲WFを外れた時点で、駆動部10へ出力さ
れる周波数fは許容周波数範囲WFの下限周波数fLまたは
上限周波数fHの近傍に固定され、それ以上許容周波数範
囲WFを大きく外れることはない。
このように構成された超音波モータの駆動制御装置に
よれば、操作パネル17から起動指令を入力すると、起動
周波数fSTが自動的に設定され、この起動周波数fSTから
周波数fが徐々に低下する。第7図の共振特性Rに示す
ように、周波数fの低下に伴って、各圧電体1a〜1dの振
幅が増大し、回転子3の速度Vが増加する。そして、周
波数fが低下する過程で、速度Vが設定速度VSに一致し
た周波数fKが初期稼働周波数として記憶される。そし
て、帰還電圧Eの変化特性から周波数fが共振周波数fR
まで低下したことが検出されると、この共振周波数fR
記憶される。そして、この共振周波数fRに基づいて許容
周波数範囲WFが決定される。許容周波数範囲WFが設定さ
れると、初期稼働周波数fKでもって超音波モータ8が回
転制御される。
そして、通常の稼働状態時においては、検出速度Vが
設定速度VSに一致するように、周波数fが可変制御され
る。この場合、周波数fの制御範囲は先に設定した許容
周波数範囲WF内に制限される。
このように、自動的に超音波モータ8が起動され、か
つ速度Vが設定速度VSに制御される。したがって、従来
装置のように、操作者が周波数fをマニアル操作によっ
て速度Vを設定速度VSに調整する必要がないので、操作
者を大幅に向上できる。
また、超音波モータ8を起動する時点で、帰還電圧E
を監視して、周波数fが周囲温度や接続された負荷状態
に応じて変化する実際の共振周波数fRを越えて移動する
ことが自動的に禁止される。よって、実際の共振特性R
が第9図に示すように右方へ移動したとしても、起動過
程で周波数fが共振特性Rのピークの左側に移動してモ
ータが停止することはない。
また、実際の共振特性Rが左方へ移動したとしても、
帰還電圧E特性が飽和するまで、周波数fが低下するの
で、検出速度Vが設定速度VSに達する前に、周波数fの
移動が禁止されることはない。すなわち、たとえ共振周
波数fRが変化しても、確実に検出速度Vを設定速度VS
制御できる。
また、起動後においても、許容周波数範囲WFが起動時
における実際の共振特性Rに即して設定されているの
で、速度変動が生じた場合において、たとえ周波数fを
許容周波数範囲WF一杯に移動させたとしても、その周波
数fは共振特性R上の最適範囲内を移動するので、間違
って、周波数fが共振特性Rのピークの左側に移動する
ことはない。また、周波数fが許容周波数範囲WFの下限
周波数fLまたは上限周波数fHに行き当たる確率が低下す
るので、速度Vの自動制御精度を向上できる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の超音波モータの駆動制御
装置によれば、超音波モータから出力される帰還電圧の
変化特性から実際の共振周波数を測定して起動時に周波
数が共振周波数を横切ないように自動制御し、また、測
定された共振周波数から許容周波数範囲を可変制御して
いる。したがって、常時正しい許容周波数範囲内で自動
的に速度制御を実行でき、誤ってモータが停止すること
や速度が設定速度に制御されないという事態を回避で
き、速度制御精度向上と信頼性向上とを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明の一実施例に係わる超音波モ
ータの駆動制御装置を示すものであり、第1図は概略構
成を示すブロック図、第2図は超音波モータの概略構成
を示す模式図、第3図は超音波モータの動作原理を示す
説明図、第4図は記憶部の記憶内容を示す図、第5図お
よび第6図は動作を示す流れ図、第7図は共振特性図で
あり、第8図および第9図は一般的な超音波モータの共
振特性を示す図である。 1a〜1d……圧電体、2……固定子、3……回転子,4……
振幅検出用圧電体、8……超音波モータ、9……制御
部、10……駆動部、12……CPU、20……速度検出器、R
……共振特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−321876(JP,A) 特開 平1−291676(JP,A) 特開 昭63−154076(JP,A) 特開 平1−303074(JP,A) 特開 昭62−203575(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波モータ(8)を構成する、複数の圧
    電体(1a〜1d)を配列してなる固定子(2)に交流の駆
    動信号を印加して、この固定子に圧着された回転子
    (3)の速度を速度検出器(20)で検出して、この検出
    された速度が設定速度に一致するように、前記駆動信号
    の周波数を前記超音波モータの共振周波数で定まる許容
    周波数範囲内で変化させて、前記速度を前記設定速度に
    制御する超音波モータの駆動制御装置において、 前記固定子を構成する複数の圧電体のうちの任意の圧電
    素体間に介挿され、隣接する圧電体の振動を検出してそ
    の振幅量を帰還電圧として出力する振幅検出用圧電体
    (4)と、 前記駆動信号の周波数を変化させていった場合における
    前記振幅検出用圧電体から出力される帰還電圧の変化特
    性から前記共振周波数を測定する共振周波数測定手段
    (S4〜S10)と、 この共振周波数測定手段にて測定された共振周波数に予
    め定められた一定周波数幅を加算して前記許容周波数範
    囲の下限周波数を求め、この求めた下限周波数に前記許
    容周波数範囲の周波数幅を加算して前記許容周波数範囲
    の上限周波数を求める許容周波数範囲設定手段(S11)
    と を備えた超音波モータの駆動制御装置。
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