JP2872946B2 - ピストンタイプのポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は概括的には加工作業
中例えば種々のタイプのジュース等の食品をポンプ送り
するのに使用する形式のかなり小型のツインピストンポ
ンプに関する。より詳細には従来のかなり大型のツイン
ピストンポンプに比較してポンプコストを著しく減じた
多数の新規な特徴を有する小型ポンプに関する。このた
め、このポンプは、公知のポンプに使用されている高価
なスリーブ／ピストン取付要素の完全な削除と共に迅速
な清掃を容易化するためピストン及びスリーブの迅速な
分解を可能とする構造体と、スリーブ及びピストンを駆
動するために使用する流体シリンダ組立体の微細な調整
を可能とする特別のジャッキスクリュープレートと、組
付けが高価につくロータリバルブ等の代りにポンプ出口
付近に使用されている新規な滑動プレートバルブ装置
と、を含んでいる。

【０００２】

【従来の技術】ツインピストンポンプ装置は多年にわた
り、特に食品産業界で流体及び特定の物質の加工におい
て使用されている。特に有効なツインポンプ装置にはカ
ンサス州オーバーランドパークのマーレンリサーチ社の
ものがある。このポンプは米国特許第４，０９７，９６
２号、第３，４５６，２８５号、及び第３，１０８，３
１８号として知られている。概括的にはこのマーレンポ
ンプは対応するピストンを受入れている一対の細長い管
状の交互に軸線方向に移動可能なスリーブを含んでい
る。このスリーブ及びピストンは適当な流体ピストン及
びシリンダ組立体を介して移動してポンプ出口から製品
の連続流を有効に搬出するようにしている。

【０００３】標準のマーレン装置は、６インチの直径の
スリーブ及びピストンを有し、かつポンプ送りされる製
品によっては毎時約１０，０００ポンドまでの生産出力
を有している。このような高性能のためかかる装置は幾
分特殊化した高価な要素を必要としている。特に上記特
許第４，０９７，９６２号に示すように、標準のマーレ
ンポンプは共通の板に載置されたスリーブ及びピストン
用流体駆動装置から成る作動及び制御パックを使用して
いる。この板は、パック要素の正確な整合を可能として
いる一対の後方球型ベアリングにより支持されている。
またこれらのベアリングは、このパック及び協働するス
リーブ・ピストン組立体を上方に枢動することで分解で
きるようになっている。この分解は協働するピストンロ
ッドから各ピストンを抜くことを含んでいる。

【０００４】既存の高容量マーレンポンプはさらにＹ字
形出口導管内に位置づけられた回転自在プラグ弁を有し
ており該導管の脚導管を選択的に開閉して連続した製品
流を維持している。かかるロータリバルブは適切なシー
ルを提供するように正確に機械加工した曲面を必要とす
るため高価な部品となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、既存の
マーレン装置は作動に関しては非常な成功をおさめてい
る。しかし一般的に言って、装置内に使用されているあ
る高価な要素の存在は、マーレン装置固有の高速製品流
出速度を利用できる者にとってのみ本装置が有用に使用
されるものとなっている。しかしかなり小規模の作業の
場合には標準のマーレン装置の価格は、加工業者がよろ
こんで支払いを行なう額を越えているであろう。勿論低
出力装置を提供するために標準のマーレン装置を小型化
することも可能である。しかしこのようなことは標準の
マーレン装置のかなり高価な要素を使用する問題を真実
に処理していることにはならない。

【０００６】このため、標準の大型マーレンツインピス
トンポンプの全ての利点を有し、同時に小容量ポンプに
おいて要求されないような当該大型標準装置の場合に必
要な高価な部品使用をできるだけ不要とした小型のツイ
ンピストンポンプを提供することが要求されていた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解消
するものでありかつ非常に安価に生産できる改良された
小型ツインピストンポンプを提供する。本発明の１つの
観点によれば、ピストンポンプはスリーブ・ピストンサ
ブアセンブリを有し、このサブアセンブリは清掃目的の
ために容易に分解できまた球面支持ベアリングの必要性
を減じている。ポンプ用の流体起動装置と各スリーブ・
ピストンとの間の所望の調整を得るために流体シリンダ
とスリーブ・ピストンサブアセンブリとの間に特定のジ
ャッキスクリュー板が位置づけてある。このジャッキス
クリュー板の使用の間、ポンプ要素は正確に整合される
ことができ、同時にこの使用は軽量支持フレームの作成
を可能としている。

【０００８】本発明のポンプは、ポンプからの製品の流
れを制御する新規な滑動板状弁装置を含んでいる。こう
してこれまでのツインピストンポンプの高価なロータリ
出口弁特性は完全に減少されている。１つの実施例では
自由浮動弁板部材が、製品シール配置内に該板部材を偏
倚する作用をしている圧力差を該板部材へ抗して発生す
るような配置を同時に使用している。

【０００９】実際にはこの好ましい装置は、公称４イン
チの直径のスリーブ・ピストンを有し、かつポンプ送り
されるべき製品のタイプによって毎時３，０００〜６，
０００ポンドの継続出力を得るものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１には小型のツインピストンポ
ンプ２０が示してある。概略的にはこのポンプ２０は、
種々のモータとポンプ用の制御回路とを収容しているキ
ャビネット２２と、該キャビネット２２の上部に取付け
られたポンプ装置２４と、を有している。このポンプ２
０は図１に示すようにポンプ装置２４の右側に製品受入
室２６を有している。この受入室２６は材料入口２８と
材料出口３０とを有している。これらの装置２４及び受
入室２６は前後に伸長している側壁３２，３４と、後壁
３６と、前壁３７と、で囲まれている。この前壁３７は
側方に間隔をおいた一対の孔３７ａを有し、これらの孔
を介して出口３０と前方の孔付弁装置３８とが協働して
いる。円錐形の材料ホッパ４０が受入室２６の上部に位
置づけてあり、このホッパ４０は入口２８を介して受入
室２６と連通している。

【００１１】より詳細には、ポンプ装置２４は並置した
細長い管状の軸線方向に移動可能な一対の金属製スリー
ブ４２，４４を有しており、各スリーブは後端部４６，
４８と前端部５０とを有している。さらにこれらのスリ
ーブは半径方向外方に突出した接続ブロック５２，５４
を有し、これらのブロックは対応するブロック５２，５
４へねじこまれたクレビスボルト５６，５８を有してい
る。

【００１２】スリーブ４２，４４の前端部５０は、２部
分から成るガイド６０（図５参照）によって滑動自在に
支持されている。このガイド６０は最下部セグメント６
２を有している。このセグメント６２はボルト６４によ
って機械のフレームへ固着されかつ所定の間隔をもって
後方に伸長し上方に開放した一対のスリーブ受入面６
６，６８を提供している。さらに上方ガイド要素即ち上
方セグメント７０が一対の端部取付ねじ７２，７４によ
ってセグメント６２へ取はずし可能に取付けられてい
る。上方セグメント７０は同様に所定の間隔をもって後
方へ伸長し下方に開放した一対のスリーブ受入面７６，
７８を有しており、これらの受入面７６，７８は対応す
る受入面６６，６８に整合している。図５及び図６から
わかるように、面６６，７６と面６８，７８とは協働し
て一対の側方に間隔をおいたスリーブ受入開口８０，８
２を形成している。

【００１３】各スリーブ４２，４４は、ポンプ２０の作
動中、協働するピストン及びシリンダ装置８４，８６に
よって前後に移動できる。これらの装置は公知のもので
あり、各装置は、通常の流体シリンダや、二股に分れた
ヨーク９２，９４にて終っている外方に伸長した移動自
在ピストンロッド８８，９０を有している。図１及び図
２に示すように、これらのヨーク９２，９４は、側方ピ
ン９６，９８によって協働するクレビスボルト５６，５
８に連結されている。

【００１４】ポンプ装置２４はまた夫々対応するスリー
ブ４２，４４内に受入れられている一対の細長いポンピ
ングピストン１００，１０２を有している。各ピストン
は最後部接続端１０４，１０６を有しており、これらの
接続端は後方に伸長するクレビスボルト１０８，１１０
を受入れている。さらにこれらのピストンはベベル状の
最前部ポンピング面１１２，１１４を提供している。

【００１５】ピストン１００，１０２の動力は、協働す
るピストン・シリンダ装置１１６，１１８により提供さ
れる。これらの装置は、夫々、通常のシリンダと、ヨー
ク１２４，１２６内にて終っている細長い前方に伸長し
た移動自在なピストンロッド１２０，１２２と、を有し
ている。クレビスボルト１０８，１１０と対応するヨー
ク１２４，１２６との間の接続は迅速取はずしピン１２
８，１３０によりもたらされる。各側壁３２，３４は孔
１３２，１３４を有し、該ピン１２８，１３０へ容易に
接近できるようにしている。

【００１６】ポンプ装置２４の一部を構成している４つ
のピストン及びシリンダ装置即ち組立体８４，８６，１
１６，１１８は、それらの前端部付近を側方に伸長する
調整板１３６（図１〜図４参照）へ載置している。この
板１３６は適当な孔を有しており、これらの孔を介して
ピストンロッド８８，９０，１２０，１２２が貫通して
いる。調整板１３６は内方に伸長している一対の剛性フ
レームパネル１３８，１４０の付近に位置づけられかつ
合計で６本の持上げ用ねじ１４２（３本のねじ１４２が
板１３６の各側縁に隣接した垂直に間隔づけられた関係
に取付けてある）が該板１３６をパネル１３８，１４０
へ接合するように用いられている。さらに該板１３６の
下側は複数の垂直調整可能ねじ１４２ａ（図２及び図３
参照）により支持されている。

【００１７】図７を参照すると、各ねじ１４２が、細長
いねじ付ボルト１４３と、該ボルト１４３へ差込んであ
る外ねじ管１４４と、ジャムナット１４５と、ワッシャ
１４６，１４７と、ロックナット１４８と、を有してい
ることがわかる。さらに協働するフレームパネル１３８
又は１４０がねじ付孔１５０を有し、ここに前記ねじ付
管１４４を受入れるようにしており、一方取付板１３６
が孔１５２を有し、この孔１５２はボルト１４３の直径
に関して実質的に拡張されており、調整用クリアランス
１５４を提供している。

【００１８】組付時に、ねじ１４２はボルト１４３のシ
ャンク部上へ差込まれかつ前記孔１５０内にねじ係合状
態で受入れられている管１４４を有する。この管はボル
ト１４３の拡大ヘッドから伸び、図７に示すようにワッ
シャ１４６の右側面に係合している。他方、ボルト１４
３は協働するフレームパネル１３８又は１４０を介して
伸長し同様に板１３６の拡大孔１５２を通り、ロックナ
ット１４８が一緒に全体の組立体を固着している。使用
時には、レンチ受部１４４ａを介するねじ付管１４４の
回転は板１３６の位置の選択的調整を可能としている。

【００１９】図３及び図４から容易にわかるように、持
上げねじ１４２と調整ねじ１４４との提供は、板１３６
によって支持されたピストン及びシリンダ組立体がポン
プ装置２４内に正確に位置づけられることを可能として
いる。かかる調整ねじ１４２ａ使用によって垂直方向に
可能であり又は各直立及び水平軸（図３及び図４参照）
周りに可能である。その結果、球形軸受などの高価なも
のは完全不用となった。

【００２０】図８及び図１３〜図１８には、ポンプ２０
に使用されている弁装置３８が示してある。基本的に、
この弁装置３８は最後部の合成樹脂（ナイロン）板１６
４を含む、この板１６４は一対の円形孔１６８，１６８
ａを有し、これらの孔を介して前壁３７（図１及び図１
４）を介して設けられた孔３７ａと整合している。加え
てこの弁装置３８は前方ナイロン板１６６を含んでい
る。該板１６６は同様に一対の孔１６９，１６９ａを備
えている。これらの孔を介し後方板１６４に設けられた
孔１６８，１６８ａ及び孔３７ａが整合するように配置
されている。これらの２つの板１６４，１６６は複数の
ヘッドスクリュー即ちねじ１７０により互いに固着され
かつ前壁３７へ取付けられている。さらに板１６４は上
下に一体的に設けられた凹み形成縁片１７１，１７１ａ
を有している。これらの縁片１７１，１７１ａは細長い
部分的に開放した底部を有する滑動板受入れ溝１７２を
提供している。金属製の弁板１７４が両板１６４，１６
６間にはさみこまれかつ溝１７２の長手方向に沿って側
方に移動可能となっている。またこの弁板１７４は楕円
形開口７６を有している。この開口１７６を介し後述の
ようにポンプ２０からの製品流を制御する。弁板１７４
は最後に板１６４，１６６の下方に突出している一体的
な下方伸長舌部１７５を含んでいる。伸長自在なロッド
１８２を有するピストン・シリンダ組立体１８０は弁板
のすぐ下に設けてあり舌部１７５へ連結されている。こ
れにより金属弁板１７４の前後方向移動が該組立体１８
０により制御される。

【００２１】図１４，図１７及び図１８を参照すると、
ここには弁装置３８と協働するシール構造が示してあ
る。特に板１６４は、隣接する弁板１７４に面したとこ
ろに長方形の連続した周囲を取囲んだ凹みを有してい
る。この凹みは同様の形状をした弾性シールリング１６
４ａを受入れている。この板の反対面には一対のシール
リング１６４ｂが設けられた夫々孔１６８，１６８ａを
取囲みかつ隣接する前壁３７の面に接している。さらに
外方の板１６６は隣接する弁板１７４の側に楕円形凹み
を有し同様に楕円形のシールリング１６６ａを受入れて
いる。該板１６６の外面には一対の円形シール１６６ｂ
が設けられ、これらは夫々対応する孔１６９，１６９ａ
の周囲に配設してある。

【００２２】弁板１７４は、弁孔の単純な開閉に必要な
寸法よりも実質的に大きい寸法を有している。弁板１７
４は、楕円形シール１６４ａ，１６６ａの全体と完全に
接触しかつ弁板１７４の作動位置全体にわたる寸法を有
している。こうしてこれらのシール１６４ａ，１６６ａ
は常にそれぞれの溝内に保持されており、弁板１７４の
運動中移動しないようになっている。またこのシール装
置は弁通路から大気中への空気及び／又は流動物質の流
出流入を防止している。

【００２３】図１３，図１４の実施例において、ポンプ
自体からはなれた弁装置３８の最もはなれた出口端はＹ
型出口導管２０４を有している。この導管２０４は側方
に間隔をおいた管状脚部２０６，２０８を有しこれらの
脚部は制御排出出口２１０へ連らなっている。導管２０
４と一体をなすフランジ板２０９が、対応する弁孔１６
９，１６９ａに整合するよう脚部２０６，２０８に導管
を保持するためねじ１７０により止められている。勿
論、他の出口構造が図１に示すように提供できる。

【００２４】弁装置３８の使用に際し弁板１７４は両端
間を移動できる。図１３，図１４に示す１方端の位置に
おいては開口１７６が前方板１６６の右側開口１６９ａ
と整合している。この位置では、製品の自由な流れは、
スリーブ４４から協働する孔即ち開口３７ａ、後板１６
４の隣接する開口１６８ａ、楕円形開口１７６及び最後
に右側開口１６９ａを介して外方へ至る。同時に楕円形
開口１７６は左側開口１６８，１６９と整合状態になる
点まで至らない。よって金属板１７４は図１３，図１４
に示すように装置の左側を完全にブロックする作用をし
ている。

【００２５】弁板１７４の他方端の位置は図８に破線で
示してある。この状態では装置の左側の完全に開放し製
品は開口１６８，１６９を介して自由に流れ、一方、開
口１６８ａ，１６９ａ即ち装置の右側全体は閉じられ
る。

【００２６】弁板１７４が図８に示す両端間の中間位置
にある場合には製品は装置の両側から同時に流れ出るこ
とが分かるであろう。こうしてポンプ２０からの連続流
状態が維持される。

【００２７】前に述べたように固定の楕円形シール１６
４ａ，１６６ａと協働する弁板１７４の寸法は、弁板１
７４の全作動中、適切なシールを維持するようになって
いる。更にシール１６４ｂ，１６６ｂは弁３８の一体性
を強化しかつ弁３８が作動している間中物質の漏れ防止
している。

【００２８】第２の弁装置を示す図９〜図１１を参照す
る。この場合においては弁装置は後方合成樹脂板１８６
を有している。この板は開口１８８，１８８ａを有し、
これらの開口に前述の開口３７ａが整合している。更
に、板１８６と同様な前方板（図示なし）が設けてあり
開口１８８，１８８ａと整合する最外方開口を有してい
る。装置１８４の一部を構成しているこれらの前方及び
後方の板は溝１７２の場合のように開放底部を有する滑
動溝１９０を提供するように構成されている。

【００２９】弁装置１８４の弁組立体は特定の構造を有
しかつ第一金属板１９２を備えている。この金属板１９
２は一対の円形開口１９４，１９６を有している。これ
らの開口は後方板１８６の開口１８８，１８８ａに実質
的に整合している。しかしながらこれらの開口１９４，
１９６は開口１８８，１８８ａ間の距離よりも側方に大
きい距離だけ離れている。更にこの板１８６は細長い連
結開口１９７を有しており、この開口は開口１９４，１
９６間に伸びかつこれらの開口に連通している。連結開
口１９７は開口１８８，１８８ａよりも僅かに大きい有
効直径を有する楕円形開口１９８を中央に有している。

【００３０】自由に浮動可能となっている第２の合成樹
脂板２００が楕円形開口１９８内に位置づけてある。こ
の板２００自身は楕円形をなし実質的に開口１９８を適
合している。図１１に示すように金属板１９２は第２の
板２００の厚みより幾分大きい厚みを有している。その
結果この板２００は楕円形開口１９８の領域内で前後に
浮上できる。この事実の特徴については後に述べる。

【００３１】中央の弁装置１８４は更に連続して周囲を
取り囲んでいる一対の長方形シールを有している。これ
らのシールは開口１９４，１９６及び１９７に対して取
り囲み関係にある板１９２の各面にある補助凹み内に位
置づけてある。これらのシールは隣接した固定弁板と協
働して全体弁のシールとした一体性を保持している。

【００３２】図９及び図１０には、弁装置１８４の両端
部位置が示してある。図９を参照すると、金属板１９２
は右側へ移動し開口１９６が右側開口１８８ａから完全
にずれている。しかし自由浮動板２００はこの孔に対し
て重なり関係にある。一方、左側の開口１９４は開口１
８８と整合し、ポンプ２０の左側から製品の自由な制限
のない流れを可能としている。図１０は反対側にある位
置を示しており、この位置では開口１９４が左側開口１
８８からずれており、開口１９６が右側開口１８８ａと
完全に整合している。第２の板２００は、左側開口１８
８を通る物質の流れを阻止する作用をしている。こうし
て本装置は右側を介して制限されることのないポンプ送
りを可能としている。

【００３３】勿論、金属板１９２は垂下舌部２０２を有
し、この舌部２０２は弁装置３８と同様にしてピストン
ロッド１８２に接続されている。よって、協働するピス
トン・シリンダ装置は板１９２を所望により左右に側方
移動するように働く。板１９２がこのように移動してい
る間中、自由浮動する第２板２００は勿論強制的に保持
されて板１９２と一緒に動く。それに拘らず該板は後述
のように前後に僅かだけ動く。さらに、弁装置１８４が
図９と図１０との間の位置にある場合、第２板２００は
開口１８８に対し架橋関係に通り、これらの開口を通る
流れを部分的に制限することがわかる。このことは再び
ポンプ２０からの製品流の所望の連続性を達成する。

【００３４】図１２は、ポンプ２０の主要な作動要素の
全体的略図を、図９〜図１１の弁装置１８４との関連に
て特に有用な流体回路と一緒に示している。これに関
し、ポンプ２０が排出出口２１０へ至る脚部２０６，２
０８を有する前述のＹ型出口導管２０４を備えているこ
とがわかる。

【００３５】図１２において、ポンプ２０は、ライン２
１８，２２０を介して流体オイルの加圧供給を夫々提供
している一対の可変容量ポンプ２１４，２１６を駆動す
る作用をしているモータ２１２を含んでいる。マスタ圧
力減少弁２２２がライン２２０途中に設けてありかつ通
常所定の最大圧力限界まで手動調整できる。従動圧力減
少弁２２４がライン２１８途中に設けてある。ライン２
２６が弁２２２の出口から弁２２４の案内口まで接続さ
れている。該弁２２４はまた後述の重要な目的をもつ内
部偏倚装置２２８を有している。

【００３６】圧力減少弁２２２，２２４の出力に夫々接
続されている制御された圧力ライン２３０，２３２が回
路制御弁２３４へ接続されている。一対のライン２３
６，２３８が弁２３４の出口から夫々方向弁２４０，２
４２まで接続されている。一対のライン２４４，２４６
が弁２４２の出口からピストン・シリンダ装置１１６の
シリンダの２側まで伸長している。同様に、一対のライ
ン２４８，２５０が弁２４０の出口からピストン・シリ
ンダ装置１１８の一部を構成しているピストンの側部ま
で接続されている。さらに一対の戻りライン２５２，２
５４が弁２４０，２４２からオイルリザーバ２５６まで
伸長している。

【００３７】ポンプ２０のような二重ピストンポンプ装
置の作動に際しては、流体高圧オイル供給を２つの分別
した制御可能なオイル流に分離する必要がある。１つの
流れは１つのピストンのポンプストロークを作動し、一
方他方の流れは再充填目的のため隣接するピストン及び
スリーブを引戻しかつ再充填する。再充填を受けるスリ
ーブが引戻され再び伸長されてスリーブ内に製品充填を
行なうと、隣接するスリーブから実際にポンプ送りされ
る製品の圧力と同じ又はその付近までスリーブの内容物
を加圧する必要がある。ポンプ送りする前の製品を加圧
するこの処方は“予加圧（ｐｒｅｃｏｍ ｐｒｅｓ
ｓ）”という。製品の適当な予加圧は、ストローク端付
近のポンプピストンから完全に排出されたピストンまで
の交換物の円滑な変遷を可能とする。もしこの予加圧が
あまり低い圧力で行なわれると、“充填（ｃｈａｒｇｅ
ｄ）”されたピストンがその作動圧力まで製品を十分加
圧するように動くときに製品ラインの途切れが発生する
であろう。もしこの予加圧がポンプ圧力よりも高い圧力
で行なわれると、過重圧力製品が製品ライン内にて膨張
するので製品ラインの動揺が発生するであろう。

【００３８】製品を移動するためにポンプを使用すると
きには、製品の粘性、導管の長さ、製品内の粒子の寸
法、固有摩擦など、所望の速度で製品を移動するのに必
要な圧力に影響する多くの要因がある。これらの条件は
変化するので液体ポンプ圧力は製品抵抗の関数として変
化するであろう。製品抵抗が上昇すると流体圧力が上昇
し、逆に製品抵抗が低下すると流体圧力が下降する。円
滑な作動を得るためにはこの予加圧の圧力がポンプ圧力
に沿って変化することが望ましい。

【００３９】図１２において、ポンプ２１６は予加圧圧
力を制御するため従的圧力減少弁の使用を可能としてい
る。図に示すようにピストン１００はスリーブ４２から
製品を排出するためのポンピングストローク状態にあ
り、一方隣接するピストン１０２は予加圧状態にある。
この結果弁装置１８４の第２弁板２００は図９の位置即
ち図９の右側開口１８８が完全にカバーされている状態
となる。

【００４０】この作動シーケンスの間中、ライン２３０
内の加圧流体オイルは回路制御弁２３４を通り、各制御
弁２４０，２４２まで指向されている。次いでこれらの
弁はライン２４６を介して加圧オイルを流体シリンダの
最後部点まで指向する。一方前方開口からのオイルはラ
イン２４４、弁２４２を介し最終的にライン２５４を通
ってリザーバ２５６まで排出される。同時にライン２３
２内の加圧オイルは弁２３４を介して方向制御弁２４０
まで指向され、その後同様にして協働する流体シリンダ
の後部開口まで指向される。排出流体はライン２４８か
ら弁２４０及びライン２５２を通り、リザーバ２５６へ
至る。弁２２４は弁２２２に従動するのでライン２３２
内の圧力はライン２３０内の圧力に従う。しかし弁２２
４の偏倚装置２２８を設定することがしばしば望まれる
ので、ライン２３２内の圧力はライン２３０内の圧力よ
り僅かに小さい（例えば５ｐ．ｓ．ｉ．）。このためピ
ストン１０２により及ぼされる予加圧圧力はピストン１
００によってポンプ送りされる製品の圧力よりも僅かに
小さい。脚部２０６，２０８間の内部連結のために、ス
リーブ４２からポンプ送りされる製品はＹ型導管を通り
ピストン１０２からはなれた第２弁板２００の面に係合
する。こうして圧力差は該板２００を横切って発生され
る。この圧力差は図９に示すように該板２００を右側開
口１８８と密な封止係合状態に偏倚する作用をしてい
る。これは、水、ミルク又はフルーツジュースなどの僅
かに圧縮性の製品の場合に特に重要な弁内の圧力シール
を提供する。

【００４１】ピストン１００がストローク端に近ずく
と、弁制御ピストン・シリンダ組立体１８０が図９及び
図１０に示すように左方に第１及び第２板１９２，２０
０を移動するように起動される。このとき回路制御弁２
３４が移動し、ライン２３０と２３６を結びまたライン
２３２と２３８を結ぶ。次いで装置１１８内の圧力を弁
２２２の手動設定圧力に等しくさせ、ピストン１０２が
ポンピングストロークを開始する。実質的にこの時に、
方向制御弁２４２が移動してライン２３８と２４４、ラ
イン２４６と２５４とを相互に連結する。これによりピ
ストン１００がスリーブ４２内に引戻され、次いでスリ
ーブは協働するピストン・シリンダ装置８４により引戻
される。スリーブが完全に引戻されかつ戻り伸長し、製
品充填を行なった後、方向弁２４２は図１２の位置へ戻
り、その後、ピストン１００は弁２２４により制御され
た僅かに減少された圧力に予加圧される。

【００４２】要するに、この予加圧圧力は、弁２２４を
介して伝達される従動油圧の関数である。勿論もし製品
抵抗変化又は他の混乱がこのシステム内にあってポンプ
圧力が降下すると、従動予加圧圧力が比例して降下し、
内部偏倚装置２２８により所望の圧力差を維持する。こ
うして第２の板２００を、全ての正常作業下でそのシー
ル機能を保持するようにしている。

【００４３】図８に示すような、特定製品をポンプ送り
するときによく用いる弁装置３８を使用するときには、
従動弁２２４はマスタ弁２２２と同様にセットでき、ポ
ンプ圧力及び予加圧圧力は同等となろう。他の点ではこ
のシステムの行動は上述と同様である。

【００４４】ポンプ２０を清掃のために停止したときに
スリーブ・ピストンの各組立体を容易に分解できる。特
に作業員は初めにねじ７２，７４をゆるめることによっ
てガイド６０（図５）の上方セグメント７０を取はず
す。次に側壁開口１３２，１３４を介して迅速取はずし
ピン１２８，１３０を操作し、ピストンロッド１２０，
１２２を協働するクレビスボルト１０８，１１０でもっ
て連結しているヨーク・クレビス組立体からこれらのピ
ンを取はずす。このとき個々のスリーブ・ピストンは、
図１及び図２に破線で示すようにスリーブの長手方向軸
線に対して交差する軸線回りに上方へ回動できる。この
後、ピストンはスリーブの後端から除去でき、清掃が可
能となる。もし望まれるなら、これらのスリーブは対応
するヨーク・クレビス組立体を分解することによって取
はずされうる。勿論装置要素の再組付は上記と逆の手順
で容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明は小型ツインピストンポンプの部分垂直
断面図であり、スリーブ・ピストンの分解位置を破線で
示す図、

【図２】各スリーブ・ピストンの載置装置の拡大詳細図
を示す部分垂直断面の一部破断図であり同様に分解位置
を破線で示す図、

【図３】本発明の一部を形成する調整可能なシリンダ取
付板の破断側面図であり取付板の調整された位置を破線
で示す図、

【図４】図３に示す調整自在シリンダ取付板の平面図で
あり該取付板の第２の調整された位置を破線で示す図、

【図５】本発明のポンプ部分を形成するスリーブガイド
の後部立面図、

【図６】図５のガイドの破断側面図でありガイド孔内に
位置づけたスリーブを示す図、

【図７】調整自在シリンダ取付板の部分を形成するジャ
ッキスクリューの１つの拡大図、

【図８】本発明による側方板タイプ弁装置の前方立面図
であり該弁の各位置を鎖線で示している図、

【図９】別の形式の弁の最後部板及び中央バルブ板装置
を示す破断前面図で中央バルブ板装置が一方の位置にあ
る図、

【図１０】図９と同様の図であるが、中央バルブ板装置
が他方の位置にある図、

【図１１】図１１の線１１−１１に沿ってみた図であり
弁の構造を示す図、

【図１２】ポンプの流体システムの要素を示す図であり
図９〜図１１に示す弁の自由浮動板にシール用圧力差を
発生する方法を示す図、

【図１３】図８と同様の図であり組合せ作動中の弁とＹ
字形の搬出導管とを示す図、

【図１４】図１３の線１４−１４に沿ってみた図、

【図１５】図１３の線１５−１５に沿ってみた図、

【図１６】図１３の弁の立面図であってＹ字形導管の最
前方の固定弁板の取はずした図、

【図１７】図１３の弁部分を形成している最後部の固定
弁板の立面図であって該板によって担持された楕円形シ
ールを示す図、

【図１８】図１３の弁を形成する板の分解図である。

【符号の説明】

２０：ツインピストンポンプ ２２：キャ
ビネット ２４：ポンプ装置 ２６：製品
受入室 ２８：材料入口 ３０：材料
出口 ３２，３４：側壁 ３６：後壁 ３７：前壁 ３８：弁装
置 ４０：ホッパ ４２，４
４：スリーブ ４６，４８：後端 ５０：前端 ５２，５４：接続ブロック ５６，５
８：クレビスボルト ６０：ガイド ６２：最下
部セグメント ６６，６８：スリーブ受入面 ７０：上方
セグメント ７６，７８：スリーブ受入面 ８０，８
２：スリーブ受入開口 ８４，８６：ピストン及びシリンダ装置 ８８，９
０：ピストンロッド １００，１０２：ピストン １０４，１
０６：接続端 １１２，１１４：前方ポンピング面 １１６，１１８：ピストンシリンダ組立体 １２０，１２２：ピストンロッド １２４，１
２６：ヨーク １２８，１３０：ピン １３６：調
整板 １８０：ピストンシリンダ組立体 １８４：弁
装置 ２１４，２１６：可変容量ポンプ ２２２：マ
スタ圧力減少弁 ２２４：従動圧力減少弁 ２２８：内
部偏倚装置 ２３４：回路制御弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゼッツ，ジョセフ・エス アメリカ合衆国カンサス州66061，オレ ーセ，イースト・ハロルド 528 (56)参考文献 特開 昭56−159574（ＪＰ，Ａ) 実公 昭52−4962（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F04B 15/02

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加圧された流動可能材料源へ接続されて
   おり該材料を一対の間隔ずけられた出口孔３７ａから排
   出する弁手段１８４であって、 該出口孔３７ａ付近にあり該出口孔と整合している一対
   の貫通開口１８８、１８８ａを有している後方板１８６
   と、 該後方板と対面関係にありかつ前記貫通開口と整合して
   いる一対の貫通孔を有する前方板と、 前方板と後方板とを一緒に作動的に接続する手段１７０
   と、 前方板と後方板との間に形成されている溝１９０と、 該溝１９０内に位置づけられており、かつ前記一対の孔
   のうち他方の孔を介して自由な流れを可能としながら一
   方の孔を完全に塞ぐ第１位置と、前記一方の孔を介して
   自由流れを可能としながら前記他方の孔を完全に塞ぐ第
   ２位置と、の間を滑動可能な弁板装置と、 前記両位置間の中間位置において両孔１８８、１８８ａ
   から材料が同時に部分的に流れるようにした構造を含ん
   でいる前記弁板装置と、 厚い連続した貫通開口１９４、１９６を有する第１板１
   ９２を備えている前記弁板装置と、 協働する後方板開口１８８、１８８ａと整合するように
   した各最端部を含み、該最端部が前記後方板開口よりも
   さらにはなれており細長い連結部分１９７により相互連
   結され、該細長い連結部分内に第２の自由浮動板部材２
   ００があり、該第２の板部材２００が第１板１９２より
   もうすく、前記弁板装置が第１位置にあるときに前記一
   方の孔をおおい、第２位置にあるときに前記他方の孔を
   おおうような寸法になっている前記第１板孔１９７と、 弁板装置が両端位置にあるとき前記自由浮動第２板部材
   ２００を協働する後方板孔の方へ偏倚する偏倚手段１８
   ２を備え、該第２板部材２００を前記協働する後方板開
   口の方へ偏倚する圧力差を発生するための、マスタ圧力
   減少弁２２２と従動圧力減少弁２２４とを有している偏
   倚手段１８２と、 を有している弁手段。
2. 【請求項２】 加圧された流動可能材料源へ接続されて
   おり該材料を一対の間隔づけられた出口孔３７ａから排
   出する弁手段３８であって、 該出口孔３７ａ付近にあり該出口孔と整合している一対
   の貫通開口１６８、１６８ａを有している後方板１６４
   と、 該後方板１６４と対面関係にありかつ前記貫通開口１６
   ８、１６８ａと整合している一対の貫通孔１６９、１６
   ９ａを有する前方板１６６と、 前方板１６６と後方板１６４とを一緒に作動的に接続す
   る手段１７０と、 前方板１６６と後方板１６４との間に形成されている溝
   １７２と、 前記溝１７２内に位置づけられ、前記開口又は孔のいず
   れよりも大きい開口面積を有する貫通開口１７６を提供
   しており、かつ前記一対の孔のうち他方の孔及び前記開
   口を介して自由な流れを可能としながら前記開口を前記
   一方の孔との連通をなくして一方の孔を完全に塞ぐ第１
   位置と、前記一方の孔及び前記開口を介して自由流れを
   可能としながら前記開口を前記他方の孔との連通をなく
   して前記他方の孔を完全に塞ぐ第２位置と、の間を滑動
   可能な弁板装置１７４と、 前記開口１７６が前記両位置間の中間位置において前記
   開口を介して前記両孔から材料が同時に部分的に流れる
   ように前記弁板上に方向づけられており、 前記弁板装置の夫々隣接する対向面に配置された一対の
   内方シール１６４ａ，１６６ａで、夫々が前記後方板の
   一対の孔、前記前方板の一対の孔及び前記開口等を取囲
   む寸法を有しかつ該弁板装置が該弁板装置の全作動位置
   にて前記内方シールの夫々の全体と一定の接触を維持す
   るような寸法を有し、これにより弁手段のシールした一
   体性を維持しており、 ２対の外方シール１６４ｂ，１６６ｂであって、一方の
   対が前記弁板からはなれた前記前方板の面に隣接して配
   置され夫々前記前方板の孔を取囲む関係にあり、他方の
   対が前記弁板からはなれた前記後方板の面に隣接して配
   置され夫々前記後方板の孔を取囲む関係にある、２対の
   外方シール１６４ｂ，１６６ｂと、 から成る弁手段。
3. 【請求項３】 前記シール１６４ｂ，１６６ｂが前記弁
   板装置付近の前記前後方板の面に設けられた対応する凹
   みに夫々着座しており、弁板装置が前記シールに対し移
   動自在になっている請求項２に記載の弁手段。