JP2870223B2 - 単管並列形集中潤滑装置 - Google Patents

単管並列形集中潤滑装置

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JP2870223B2
JP2870223B2 JP14005291A JP14005291A JP2870223B2 JP 2870223 B2 JP2870223 B2 JP 2870223B2 JP 14005291 A JP14005291 A JP 14005291A JP 14005291 A JP14005291 A JP 14005291A JP 2870223 B2 JP2870223 B2 JP 2870223B2
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彰紀 来間
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、単管並列形集中潤滑
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の単管並列形集中潤滑装置の
回路図である。この集中潤滑装置は、ポンプ装置61に
より一つの配管66に対してグリースの供給圧力を加え
て、上記配管66に並列接続された各分配弁67を作動
させることにより、これらの分配弁67によって計量し
たグリースを軸受68に供給するようにしたものであ
る。上記ポンプ装置61は、ポンプ62とモータ63と
グリースリザーバ64と切換弁65及び安全弁72から
なり、ポンプ62の駆動によりグリースリザーバ64の
グリースを切換弁65を介して配管66に供給するよう
になっている。70は上記モータ63の制御装置であ
り、一定時間間隔でモータ63を起動して給油を行う一
方、配管66の末端に設けた圧力スイッチ69からの信
号をうけてモータ63を停止するようになっている。モ
ータ63を起動して配管内の圧力が上昇すると、各分配
弁67が作動してグリースを軸受68に吐出する。そし
て、配管内のグリースが圧縮され、末端の圧力が分配弁
67の動作保証圧力P2になると、上記圧力スイッチ6
9がONになりモータ63が停止する。図8は配管66
の末端における圧力(P)の変化の一例を示したもので、
モータ63を起動すると徐々にP2まで上がり、P2に達
してモータ63を停止させ、脱圧すると圧力は低下す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
集中潤滑装置では、配管の末端L1における圧力がP2
なったときには、ポンプ出口L0の圧力は、図7に示す
ようにP2に配管抵抗分(P1−P2)を加えた圧力P1とな
る。そのため、高ちょう度グリースを使用した場合や低
温時の場合のように配管抵抗が大きい場合には、末端の
圧力が設定圧に達する前に安全弁72が作動して配管内
のグリースがグリースリザーバ64に戻され、末端の圧
力が設定圧(P2)まで上昇せず、末端の分配弁が作動不
良となる欠点があり、そのような作動不良を防止するた
めには、配管抵抗を少なくするために配管を太くしなけ
ればならないという問題があった。また、圧力スイッチ
を配管の末端に設けているため、配線が長くなってコス
トが高くなるとか、断線やノイズによるトラブルも生じ
やすいといった問題があった。そこで、この発明の目的
は、圧力スイッチをポンプの出口付近に設けてグリース
を確実に供給できるようにすることによって、配管を太
くする必要がなく、配線を短くできる単管並列形集中潤
滑装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、ポンプ2より配管6内に潤滑剤を供給
し、その配管6に並列接続された複数の分配弁7から計
量した潤滑剤を各被潤滑部8に供給するようにした単管
並列形集中潤滑装置において、上記ポンプ2の出口付近
における潤滑剤の圧力を検出する圧力検出手段9と、上
記ポンプ2の駆動開始からの時間を計時する計時手段S
5と、上記圧力検出手段9からの信号と上記計時手段S
5からの信号を受けて上記ポンプを発停させるポンプ制
御手段10とを備え、上記ポンプ制御手段10は、上記
計時手段S5が所定給油時間を計時するまでに、上記圧
力検出手段9が所定圧力を検出したときに上記ポンプ2
を停止し、上記圧力検出手段9が上記所定圧力よりも低
い圧力を検出したときに上記ポンプ2を起動すると共
に、上記計時手段S5が上記所定給油時間を計時したと
きに上記ポンプ2を停止するように構成したことを特徴
としている。
【0005】
【作用】上記構成において、ポンプ制御手段10がポン
プ2を駆動すると同時に計時手段S5が駆動開始からの
時間を計時する。ポンプ2の駆動により配管6内の圧力
が上昇し、ポンプ2の出口付近の圧力が所定圧に達する
と圧力検出手段9がそのことを検出し、ポンプ制御手段
10がポンプ2を停止する。その後、ポンプ制御手段1
0は、計時手段S5が所定給油時間を計時するまでに、
上記圧力検出手段9が上記所定圧よりも低い圧力を検出
したときに上記ポンプ2を起動すると共に、上記圧力検
出手段9が上記所定圧を検出したときにポンプ2を停止
するようにして、ポンプ2の起動、停止を繰り返してポ
ンプ出口付近の圧力を所定範囲内に保持し、配管6の末
端部までの圧力を分配弁7の動作保証圧力以上に保持す
る。こうすることにより、高ちょう度グリースを使用し
た場合や低温時のように配管抵抗が高い場合でも、ポン
プ出口付近の圧力を異常に高くすることなく配管6の末
端部までの圧力を潤滑剤の供給を確保できるだけの値に
保つことができる。このように、ポンプ出口付近の圧力
を検出する圧力検出手段9を設けると共に、加圧保持時
間を含む給油時間を設定して、ポンプ出口付近の圧力を
異常に高くすることなく潤滑剤の供給を確保できるよう
にしているので、配管抵抗を少なくするために配管を太
くする必要がなく、また、圧力検出手段9への配線を短
くでき、断線やノイズによるトラブルを防止できる。
【0006】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。図1はこの発明の一実施例の回路図、図2は
この回路図におけるポンプ装置と分配弁の構造を示す図
である。これらの図において、1はポンプ装置であり、
ポンプ2、モータ3、グリースリザーバ4、安全弁を兼
ねた脱圧バルブ5、圧力スイッチ9等から構成されてい
る。ポンプ2はそのピストンロッド22が偏心カム21
を介してモータ3と連結されている。そして、モータ3
の正転によりピストンロッド22が往復動し、グリース
リザーバ4のグリースを通路28、室29、通路24を
通って配管6に押し出す。上記通路24の圧力が設定圧
(P1)になるとスプリング25のバネ力 に打ち勝ってロ
ッド26を右方へ押し、リミットスイッチ27がONに
なり、通路24の圧力がある圧力まで低下するとスプリ
ング25によってロッド26が左方へ動いてリミットス
イッチ27がOFFになる。また、モータ3を逆転する
と脱圧バルブ5のピストン30が左へ動いて配管6が通
路24を介して通路28と連通し配管内のグリースがグ
リースリザーバ4に戻され配管の脱圧ができる。この脱
圧バルブ5は通路24の圧力が異常に高くなったときの
安全弁の役割を兼ねている。10は制御装置であり、給
油間隔を積算するタイマや給油時間を積算するタイマを
備え、上記リミットスイッチのON/OFF信号をうけ
て、後述するようなモータの制御を行う。7は分配弁
で、配管6の圧力が一定値以上になると弁41がスプリ
ング43の力に打ち勝って上へ持ち上げられ、同時に通
路42が配管6と連通してピストン44が下方へ押し下
げられ、貯溜室45内の一定量のグリースが通路46か
ら軸受8に供給される。脱圧により配管6内の圧力がさ
がるとスプリング43によってピストン44が上方へ持
ち上げられ貯溜室45内にグリースが蓄えられる。
【0007】図3は本実施例の動作を示すフローチャー
ト、図4はポンプ出口の圧力と配管の末端における圧力
の関係を示す図、図5は圧力制御の内容を示す図であ
る。以下、上記フローチャートに沿って本実施例の動作
を説明する。ステップS1で動作がはじまると、ステッ
プS2で給油間隔タイマが積算を開始する。そして、給
油間隔タイマが一定の時間をカウントアップするとステ
ップS3からステップS4に進んでモータ3を起動する
と同時にステップS5で給油時間タイマが積算を開始す
る。モータ3の起動によりポンプ2のピストンロッド2
2が左右に動作して、グリースリザーバ4から通路2
8、室29、通路24を通って配管6にグリースが供給
され、通路24における圧力Pが図5に示すように徐々
に上昇する。ステップS6ではリミットスイッチ27が
作動したかどうかを判断し、リミットスイッチ27が作
動することなく(すなわち、通路24の圧力が設定圧P1
に達することなく)、給油時間タイマが設定値(給油時
間)をカウントした場合には、給油異常があったものと
判断し、ステップS18からステップS19に進んで警
報すると同時にモータ3を停止する。給油時間タイマが
給油時間をカウントするまでに通路24の圧力がP1
達すると、ステップS6からステップS7に進んでモー
タ3を停止したのち、給油時間をカウントするまで以下
の加圧保持動作を行う。すなわち、ステップS7でモー
タ3を停止した後、ステップS8で給油時間タイマが給
油時間をカウントしたかどうかを判断する。給油時間を
カウントしていなければステップS9に進んでリミット
スイッチ27が作動しているかどうかを判断する。リミ
ットスイッチ27が作動した状態であればステップS7
に戻り、リミットスイッチ27が作動していなければス
テップS10に進んでモータ3を起動した後ステップS
8に戻る。このステップS7からステップS10の動作
により、図5に示すように、通路24の圧力が設定圧P
1に達すればモータ3を停止し、一定圧まで降下すれば
モータ3を起動するようにしてモータ3の発停を繰り返
す。こうすることにより、図4に示すように配管の末端
1の圧力がP2からP3まで上昇する。この加圧保持動
作を行うことにより、配管6の抵抗が大きい場合でも、
ポンプ出口の圧力(通路24の圧力)を異常に高くするこ
となく、配管末端までの圧力を分配弁7の動作保証圧力
2以上に保持することができ、分配弁7を正常に動作
させることができ、軸受8へのグリースの供給を確保で
きる。給油状態タイマが給油時間をカウントすると、ス
テップS8からステップS11に進んでモータ3を2秒
間停止する。そして、ステップS12に進んでモータ3
を5秒間逆回転させて上述した配管の脱圧を行う。次
に、ステップS13でモータ3を15秒間停止し、ステ
ップS14でリミットスイッチ27が作動中かどうかを
確認し、作動中でなければステップS15に進んで次の
サイクルのスタートに(ステップS1)に戻る。ステップ
S14でリミットスイッチ27が作動中であれば(すな
わち、脱圧が十分行われていなければ)、ステップS1
6からステップS12に戻って再度モータ3を逆転させ
て脱圧を行う。このリミットスイッチ27の差動確認を
3回行ったときには異常とみなしてステップS17で警
報すると共に、モータ3を停止したまま再起動は行わな
い。
【0008】このように、ポンプ2の出口付近(通路2
4)の圧力を検出する圧力スイッチ9を設けると共に、
加圧保持時間を含む給油時間を設定し、この給油時間内
にポンプ2の出口付近の圧力が設定圧P1に達した後に
モータ3の起動、停止を繰り返して加圧保持を行うよう
にしているので、高ちょう度グリースを使用した場合や
低温時のように配管抵抗が高い場合でも、配管6の末端
までの圧力を分配弁7の動作保証圧力以上に保つことが
でき、配管を太くすることなく、正常な給油動作が可能
となる。また、上記圧力スイッチ9をポンプ装置1に設
けているので制御装置までの配線11が短くなり、断線
やノイズによるトラブルを防止できる。
【0009】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明は、
ポンプより配管内に潤滑剤を供給し、その配管に並列接
続された複数の分配弁から計量した潤滑財を各被潤滑部
に供給するようにした単管並列形集中潤滑装置におい
て、上記ポンプの出口付近における潤滑剤の圧力を検出
する圧力検出手段と、上記ポンプの駆動開始からの時間
を計時する計時手段と、上記圧力検出手段からの信号と
上記計時手段からの信号を受けて上記ポンプを発停させ
るポンプ制御手段とを備え、上記ポンプ制御手段は、上
記計時手段が所定給油時間を計時するまでに、上記圧力
検出手段が所定圧力を検出したときに上記ポンプを停止
し、上記圧力検出手段が上記所定圧力よりも低い圧力を
検出したときに上記ポンプを起動すると共に、上記計時
手段が上記所定給油時間を計時したときに上記ポンプを
停止するように構成したので、高ちょう度グリースを使
用した場合や低温時のように配管抵抗が高い場合でも、
ポンプ出口付近の圧力を異常に高くすることなく配管の
末端部までの圧力を潤滑剤の供給を確保できるだけの値
に保つことができ、配管抵抗を少なくするために配管を
太くする必要がない。また、上記圧力検出装置はポンプ
に近い所に設けられるので、制御装置までの配線を短く
でき、断線やノイズによるトラブルを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例の回路図である。
【図2】 上記回路図におけるポンプ装置と分配弁の構
造を示す図である。
【図3】 上記実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図4】 上記実施例におけるポンプ出口から配管末端
までの圧力の状態を示す図である。
【図5】 上記実施例における圧力制御を説明する図で
ある。
【図6】 従来例の回路図である。
【図7】 従来例におけるポンプ出口から配管末端まで
の圧力の状態を示す図である。
【図8】 従来例における圧力制御を示す図である。
【符号の説明】
1…ポンプ装置、2…ポンプ、3…モータ、4…グリー
スリザーバ、5…脱圧バルブ、6…配管、7…分配弁、
8…軸受、9…圧力スイッチ、10…制御装置、11…
配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−229994(JP,A) 特開 昭49−30754(JP,A) 特開 昭62−54648(JP,A) 実開 昭62−163696(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16N 7/38 F16N 29/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ(2)より配管(6)内に潤滑剤を供
    給し、その配管(6)に並列接続された複数の分配弁(7)
    から計量した潤滑剤を各被潤滑部(8)に供給するように
    した単管並列形集中潤滑装置において、上記ポンプ(2)
    の出口付近における潤滑剤の圧力を検出する圧力検出手
    段(9)と、上記ポンプ(2)の駆動開始からの時間を計時
    する計時手段(S5)と、上記圧力検出手段(9)からの信
    号と上記計時手段(S5)からの信号を受けて上記ポンプ
    を発停させるポンプ制御手段(10)とを備え、上記ポン
    プ制御手段(10)は、上記計時手段(S5)が所定給油時
    間を計時するまでに、上記圧力検出手段(9)が所定圧力
    を検出したときに上記ポンプ(2)を停止し、上記圧力検
    出手段(9)が上記所定圧力よりも低い圧力を検出したと
    きに上記ポンプ(2)を起動すると共に、上記計時手段
    (S5)が上記所定給油時間を計時したときに上記ポンプ
    (2)を停止するように構成したことを特徴とする単管並
    列形集中潤滑装置。
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