JP2869758B2 - 立射出ダイカスト成形における潤滑剤塗布装置 - Google Patents

立射出ダイカスト成形における潤滑剤塗布装置

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JP2869758B2 JP16114591A JP16114591A JP2869758B2 JP 2869758 B2 JP2869758 B2 JP 2869758B2 JP 16114591 A JP16114591 A JP 16114591A JP 16114591 A JP16114591 A JP 16114591A JP 2869758 B2 JP2869758 B2 JP 2869758B2
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健 増本
明久 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立射出ダイカスト成形
における射出スリーブやチップへの非常に有効な潤滑方
法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、立射出ダイカスト成形方法を行う
場合、射出スリーブ(4’)とチップ(27’)との摩
耗や金型からの成形品の型離れを良くするために、射出
原料の供給に先立って型開時に金型のパーティング面と
射出スリーブ(4’)の内周面並びにチップ(27’)
とに潤滑剤(26’)を塗布するようになっている。然
るに、図に示すように、射出スリーブ(4’)内にチ
ップ(27)が挿入された状態で潤滑剤塗布装置の潤滑
剤噴出ノズル(25’)によって射出スリーブ(4’)
内に潤滑剤(26’)を吹き込んだ場合、射出スリーブ
(4’)内があたかも深いコップのようになっていて射
出スリーブ(4’)の開口部に位置する潤滑剤塗布装置
のノズル(25’)から吹き出される潤滑剤(26’)
の流れが阻害されて射出スリーブ(4’)の内周面下部
やチップ(27’)の上面まで届かず、潤滑剤(2
6’)は図5のように射出スリーブ(4’)の開口近傍
のみに塗布される事になる。
【0003】その結果、射出スリーブ(4')に溶湯を供給
し、射出シリンダ(10')を作動させてチップ(27')を押し
上げ、湯道孔を通じて溶湯を金型の型窩に射出した場
合、射出スリーブ(4')の内周面下部並びにチップ(27')
では潤滑剤(26')の塗布が不十分な状態で射出スリーブ
(4')の内周面をチップ(27')が溶湯の押し上げ移動する
事なり、射出スリーブ(4')とチップ(27')との摺動面で
焼き付きやカジリが多発し、射出スリーブ(4')やチップ
(27')の寿命が著しく短かったという問題があった。
【0004】そこで、その対策として潤滑剤塗布装置の
ノズル(25')を射出スリーブ(4')の下部まで挿入して射
出スリーブ(4')の下部並びにチップ(25')の上面に潤滑
剤(26')塗布しようとしたが、潤滑剤噴出ノズル(25')を
昇降させるための昇降装置が別途必要となり、コストア
ップになるだけでなく、チップ(27')が接触している射
出スリーブ(4')の内周面下部には依然として潤滑剤(2
6')を塗布できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点に鑑みて本
発明の解決しようとする課題は、潤滑剤塗布装置を昇降
させる事なく、射出スリーブの内周全面並びにチップの
上面や摺動側面の全てに潤滑剤を簡単に塗布することの
できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、『型窩に連通する射出スリーブ(4)と、該射出ス
リーブ(4)内に摺動可能に設けられ、潤滑剤(26)
の塗布時には射出スリーブ(4)から抜き出されるチッ
プ(27)と、型開時に金型(1)のパーティング面
(P)と射出スリーブ(4)に潤滑剤(26)を噴射し
て射出スリーブ(4)の内周面並びにチップ(27)と
に潤滑剤(26)を塗布する潤滑剤塗布装置(21)と
を有してなり、上記射出スリーブ(4)の下面に、該ス
リーブ(4)の通孔と一致する通孔を有しかつ垂下アー
ムが連結されたガイド(41)が取付けられた事を特徴
とする立射出ダイカスト成形における潤滑剤塗布装置
が提供される。
【0007】
【0008】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。図
1は本発明にかかる立射出ダイカスト成形装置の一例
の、射出装置(2)を中心とする部分概略断面図である。
同図において、(1)は金型、(2)は射出装置、(3)は傾倒
機構、(6)はトグル機構をそれぞれ示す。
【0009】金型(1)は、固定型(1a)、移動型(1b)で構
成されており、固定金型(1a)は固定プレート(14)に装着
されており、移動金型(1b)は、移動金型取付プレート(1
c)を介して移動プレート(15)に固定されている。(19)は
成形品押出のための押出ピンある。移動プレート(15)は
タイバー(17)にスライド自在に装着されており、トグル
機構(6)の作用にて移動金型(1b)を開閉するようになっ
ている。(6a)はリンク機構のトグルリンクである。(16)
は支持ローラで、移動プレート(15)に装着されており、
移動プレート(15)の荷重を受けてレール上を往復走行し
ている。
【0010】射出装置(2)は、射出スリーブ(4)
と、該スリーブ(4)内を摺動駆動されるチップ(2
7)と、該チップ(27)を先端に装着したプランジャ
ロッド(10a)並びにプランジャロッド(10a)を
作動するための射出シリンダ(10)とから構成されて
いる。本発明において射出シリンダ(10)のシリンダ
ストロークはスリーブより長くなっている。射出スリー
ブ(4)の下面には、ガイド(41)が取り付けられて
おり、ガイド(41)の通孔は射出スリーブ(4)の通
孔に一致しており、射出スリーブ(4)から抜け出たチ
ップ(27)が射出スリーブ(4)内に再挿入される際
のガイドとなる。ガイド(41)には垂下アームが形成
されており、最下点に位置するチップ(27)の上面と
垂下アームとの間の間隙から潤滑剤(26)が流出する
ようになっている。
【0011】傾倒機構(3)は、射出装置(2)をその中央部
で軸支するフレーム(20)と、射出装置(2)を傾斜させる
傾動シリンダ(8)とから主として構成されている。(6)は
傾倒軸である。
【0012】潤滑剤塗布装置(21)は、固定プレート(14)
から立設された支柱(22)と、支柱(22)に装着されたアー
ム(23)と、アーム(23)の先端に装着された昇降シリンダ
(24)と、昇降シリンダ(24)の下端に装着された潤滑剤噴
射ノズル(25)とで構成されている。(28)はアームの伸縮
を操作するための回転ハンドルで、金型(1)の厚みや射
出スリーブ(4)の傾動位置に合わせて潤滑剤噴射ノズル
(25)を位置を設定できる用になっている。
【0013】次に上記成形装置の作動について図面を参
照して説明する。 トグル機構(6)のトグルリンク(6a)を収縮させて移動
金型(1b)を固定金型(1a)から離間させ、型開きを行う。
続いて、傾動機構(3)を作動させて射出装置(2)を傾動軸
(6)の回りに回転させ、射出装置(2)を傾斜させる。
【0014】次に、昇降シリンダ(24)を作動させ
て潤滑剤噴射ノズル(25)を降下させて金型(1a)
(1b)のパーティング面(P)間並びに傾けられた射
出スリーブ(4)の真上に位置させる。この時、図2に
示すようにプランジャロッド(10a)はシリンダ(1
0)内に引き込まれており、チップ(27)は射出スリ
ーブ(4)から引き出されかつガイド(41)の垂下ア
ームに保持された状態となっている。
【0015】この状態で、潤滑剤噴射ノズル(25)
から潤滑剤(26)を噴出させると、金型(1a)(1
b)のパーティング面(P)、射出スリーブ(4)の内
周面全面とチップ(27)の上面並びに側面に潤滑剤
(26)が塗布される。特に、図2に示すように射出ス
リーブ(4)からチップ(27)が抜き出され、射出ス
リーブ(4)の下方はチップ(27)の上面とガイド
(41)の垂下アームとの間の間隙によって開放されて
いるので、潤滑剤(26)の気流が射出スリーブ(
内をスムーズに通過すると共にそのときチップ(27)
の頭部に衝突し、図4に示すように射出シリンダ(4)
の内周面全体とチップ(27)の上面、側面上部に潤滑
剤(26)の塗布膜が形成される。
【0016】このように潤滑剤(26)の塗布が完了
すると、射出シリンダ(10)を作動させてチップ(2
7)を射出スリーブ(4)の中間位置まで戻すが この
ときチップ(27)はガイド(41)に保持されたまま
なので、チップ(27)が外れたり支えたりせずにスム
ーズかつ確実に射出スリーブ(4)内に戻る。続いて溶
湯を射出スリーブ(4)内に供給する。又、潤滑剤(2
6)の塗布が完了すると昇降シリンダ(24)を逆方向
に作動させて潤滑剤噴射ノズル(25)を引き上げ、金
型(1a)(1b)のパーティング面(P)から抜き出
す。
【0017】次に、傾動機構(3)を逆方向に作動させ
て射出装置(2)を垂直に起こし、続いてトグル機構(6)の
トグルリンク(6a)を伸長させて移動金型(1b)を閉じ、両
金型(1a)(1b)のパーティング面(P)に設けられた湯道孔
に射出スリーブ(4)の先端を連結する。
【0018】最後に、射出シリンダ(10)を作動させ、
プランジャロッド(10a)を介してこれに連接しているチ
ップ(27)を急速に上昇させ、溶湯を押上げて型窩に溶湯
を鋳込む。この時、チップ(27)並びに射出スリーブ(4)
には十分に潤滑剤(26)が塗布されているので、摺動面で
焼き付きやカジリを生じる事なく射出を行う事が出来
る。
【0019】射出された溶湯が型窩内で凝固すると再
度トグル機構(6)を収縮させて移動金型(1b)を固定金型
(1a)から離間させ、型開きを行う。以下、前述の作業が
繰り返される。
【0020】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、射出スリーブ内からチ
ップ抜き出した状態で射出スリーブの内周面と該チップ
に潤滑剤を塗布するので、射出スリーブ内を通過する潤
滑剤を含む気流は射出スリーブの内周面、チップの上面
並びに側面に十分に接触し、潤滑剤の塗膜を形成する事
が出来、射出時の摺動面での焼き付きやカジリを十分防
止する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立射出ダイカスト成形装置の一例の射
出装置を中心とする部分概略縦断面図
【図2】図1における潤滑剤塗布時の状態を説明する
部拡大断面概略図
【図3】図2におけるガイド部分の断面図
【図4】従来例における潤滑剤塗布の問題点を説明する
要部拡大断面概略図
【図5】従来例における潤滑剤塗布の状態を説明する
部拡大断面概略図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内(無番地) 川 内住宅11−806 (72)発明者 河内 裕明 兵庫県明石市二見町福里字西之山523番 ノ1 東洋機械金属株式会社内 (72)発明者 中村 孝夫 兵庫県明石市二見町福里字西之山523番 ノ1 東洋機械金属株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−307659(JP,A) 特開 平2−30362(JP,A) 実開 昭64−5752(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型窩に連通する射出スリーブと、
    該射出スリーブ内に摺動可能に設けられ、潤滑剤の塗布
    時には射出スリーブから抜き出されるチップと、型開時
    に金型のパーティング面と射出スリーブに潤滑剤を噴射
    して射出スリーブの内周面並びにチップとに潤滑剤を塗
    布する潤滑剤塗布装置とを有してなり、上記射出スリー
    ブの下面に、該スリーブの通孔と一致する通孔を有しか
    つ垂下アームが連結されたガイドが取付けられた事を
    徴とする立射出ダイカスト成形における潤滑剤塗布
JP16114591A 1991-06-04 1991-06-04 立射出ダイカスト成形における潤滑剤塗布装置 Expired - Fee Related JP2869758B2 (ja)

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