JP2869026B2 - 架空線用テンションバランサ - Google Patents
架空線用テンションバランサInfo
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Description
ンバランサに関し、特に、電車線の張力を保持するため
の設備に用いられる架空線用テンションバランサに関す
る。
線・トロリ線)にあっては、温度変化による伸縮や、ク
リープ、トロリ線の摩耗による弾性伸び、さらに経年に
よる支持物の傾斜などにより、弛度張力が影響を受ける
ため、電車線の張力を一定に保持する必要があった。ま
た、その調整を自動的に行って、メンテナンスフリー化
することが望ましい。
うにした自動張力調整装置には、滑車を用いてウェイト
により張力をかける滑車式と、コイルばねを用いるばね
式とが知られている。しかしながら、滑車式にあって
は、張力を一定にする性能には優れているが、据え付け
工事が煩雑化したり、ワイヤの劣化を防ぐために定期保
守を必要とするなどの問題がある。
つ軽量化し得ると共にメンテナンスフリー化を達成し得
るが、ばね定数に依存するため張力を一定化することが
難しい。そこで例えば実公昭39−19536号公報に
開示されているように、複数のコイルばねを用い、さら
にコンパクト化するために筒状部材を介して各ばねを同
心的に多重に組み合わせて直列接続したテンションバラ
ンサが考えられる。
サの1例を示す。図4に於いて、円筒状のケーシング1
内に、外側中筒2と内側中筒3とロッド4とが同心的に
かつ軸線方向にそれぞれ相対変位自在に受容されてい
る。また、ケーシング1及び外側中筒2の間、外側中筒
2及び内側中筒3の間、内側中筒3及びロッド4の間の
それぞれに大・中・小径の各コイルばね5・6・7が同
心的に介装されている。各コイルばね5〜7は、それぞ
れ軸線方向の一端を各外側の部材の内周面に固着された
各内向フランジ部1a・2a・3aに係止され、それぞ
れの他端を各内側の部材の外周面に固着された各外向フ
ランジ部2b・3b・4bに係止されている。
は、組み付け時にはケーシング1内に受容されており、
図に於ける右方に突出し得るようにされている。ケーシ
ング1は、その後端の端板1bに固設されたフック部1
5を介して支柱16に結合されていると共に、ケーシン
グ1の上面に固設された孔あきブラケット17に結合さ
れた支持ロープ18を介して支柱16に支持されてい
る。そして、ロッド4の突出端に取り付けられたフック
19にはワイヤ20の端部が結合されており、そのワイ
ヤ20を介して電車線を引っ張るようにされている。
は、標準設置条件では各コイルばね5〜7をある程度圧
縮変形させて、例えば図4に示されるように外側中筒2
及び内側中筒3及びロッド4を使用ストローク範囲のほ
ぼ中間位置に達するストローク長だけ突出させた状態で
設置される。従って、例えば気温が下がって電車線が縮
むと、各コイルばね5〜7の反発力に抗してロッド4及
び内側中筒3及び外側中筒2がそれぞれ更に突出し、気
温が上がって電車線が伸びると、各コイルばね5〜7の
弾発復元力によりロッド4及び内側中筒3及び外側中筒
2がケーシング1内に没入するため、電車線の伸び縮み
による変位を吸収し得る。
は、温度変化による伸縮量が適切か否かを検査する必要
がある。そのためには、例えばロッド4の突出端部に、
図4の想像線に示されるようにロッド4から半径方向外
向きに延出した後ケーシング1の外周面に軸線方向に沿
うようにL字形に形成された部材による目盛板21を設
け、ケーシング1に対するロッド4の突出量を目視する
ことが考えられる。しかしながら、目盛板21をロッド
4に固設した場合には、電車線やワイヤ20の撚り線構
造によりロッド4が回動してしまい、目盛板21がケー
シング1の横側などに位置する場合が生じる。そのよう
な場合には、下方からの目盛板21の確認をし難くな
り、出没量の検査が煩雑化するという問題がある。
問題点に鑑み、本発明の主な目的は、外側筒状部材と内
側部材との間に同心的にコイルばねを介装したばね式テ
ンションバランサの内側部材の出没量の確認を容易に行
い得る架空線用テンションバランサを提供することにあ
る。
架設された架空線の張力を一定に保持するための架空線
用テンションバランサであって、前記架空線用テンショ
ンバランサが、外側筒状部材と、前記外側筒状部材内に
軸線方向に出没し得るように同心的に受容された内側部
材と、前記内側部材を没入方向に弾発付勢するべく前記
両部材間に同心的に介装されたコイルばねと、前記内側
部材の前記外側筒状部材に対する出没量を示すための出
没量指示手段とを有し、前記出没量指示手段が、前記内
側部材に軸線方向に抜け止めされかつ軸線回りに回動自
在に支持された回動体と、前記回動体から半径方向外向
きに延出しかつ前記外側筒状部材の外周面に沿って軸線
方向に延在するように設けられた目盛板と、前記目盛板
がその自重により前記外側筒状部材の下方に位置する状
態における前記軸線方向への変位量を下方から視認可能
にするべく前記外側筒状部材に取り付けられた目盛板ガ
イドとを有することにより、外側筒状部材に対する内側
部材の出没量を示す目盛板を支持する回動体が内側部材
に回動自在に支持されていることから、内側部材に連結
されたワイヤが撚り線構造であってその伸び縮みに伴っ
て内側部材が回動した場合であっても、目盛板を、自重
により常に外側筒状部材の下方に位置させることができ
る。
線用テンションバランサを示す側断面図であり、従来例
で示した図2と同様に設置されて使用される。なお、前
記従来例と同様の部分については同一の符号を付してそ
の詳しい説明を省略する。
部材としての円筒状ケーシング1内に、内側部材かつ外
側筒状部材となる外側中筒2、同様に内側部材かつ外側
筒状部材となる内側中筒3及び内側部材としてのロッド
4を同心的かつ軸線方向に変位自在に受容すると共に、
各部材の内外周面間に3種類の大・中・小径の各コイル
ばね5・6・7を外側から順番にばね定数が大きくなる
ように同心的に介装した3重構造である。なお、ロッド
4は、軽量化のために円筒形状に形成されている。
状態が示されているが、各コイルばね5・6・7の軸線
方向両端を係止するばね座としての内向及び外向の各フ
ランジ部1a・2a・3a・2b・3b・4bの各対と
なる同士間にそれぞれ介装された各コイルばね5・6・
7は、所定の初期荷重を加えられた状態で組み付けられ
ている。
は、それぞれ軸線長さの短い短コイルばねを直列に組み
合わされて構成されており、本実施例では、それぞれ2
本の短コイルばね5a・5b・6a・6b・7a・7b
を直列に組み合わされている。このようにすることによ
り、架空線の張力変化率を各短コイルばねの直列数を変
えることにより任意に対応でき、架空線の流れ対策に有
効である。
り合う短コイルばね5a・5b同士を直列に組み合わさ
れ、さらに隣り合うもの同士の巻方向(右巻・左巻)を
互い違いになるようにされている。他の短コイルばね6
a・6b・7a・7b同士も同様に全て右巻・左巻を交
互に組み合わせられており、このようにすることによ
り、コイルばねを直列に組み合わせた場合のバックリン
グによる偏心荷重を極力回避することができる。
6b・7a・7bをコイルエンドの両端同士が揃う整数
巻を避けた巻き方にすると良く、このようにすることに
より、上記と同様に偏心荷重を極力回避し得る。なお、
コイルばね5〜7の素材には引っ張り強さ150kg/mm2
以上の高抗張力鋼を適用しており、そのため従来のばね
鋼に比べて、長さで30〜40%のコンパクト化、重さ
で40〜50%の軽量化を達成できた。また、表面処理
にアルミニウムメッキを用いて、耐塩害性を高めてい
る。
に併せて示されるように、ロッド4の突出端部の外周面
に嵌装された円筒状ストッパ9が、フック19を支持す
る端板10と共にロッド4にねじ止めされている。その
ストッパ9の外周面には回動体としての矩形断面の環状
部材11が回動自在に嵌装されており、環状部材11の
外周面の一部には半径方向外向きにケーシング1の外周
面を越えて延出する支持アーム12が固着され、その支
持アーム12の延出端には、ケーシング1の外周面に沿
って軸線方向に延在するようにされた目盛板8が固着さ
れている。目盛板8には、ロッド4の軸線方向のケーシ
ング1に対する変位を示す目盛りが印されている。
外向き周方向溝9aが形成されており、環状部材11の
内周面には上記外向き周方向溝9aに対応する内向き周
方向溝11aが形成されている。これら周方向溝9a・
11aは、それぞれ略半月状の断面形状をなしている。
そして、概ね環状に形成されたC字状リング13を両周
方向溝9a・11a間に受容することにより回動支持手
段が構成されており、C字状リング13を介してストッ
パ9に対して軸線方向に抜け止めされかつ軸線回りに回
動自在に環状部材11が支持されている。
11aにC字状リング13が自然状態で半径方向外向き
に弾発的に係合すると共に、その状態でC字状リング1
3の内径側の一部がストッパ9の外向き周方向溝9a内
に没入可能にされている。また、ストッパ9の外向き周
方向溝9aは、C字状リング13を縮径させた際に完全
に埋没可能なように深く形成されている。組み付け時に
は、外向き周方向溝9aにC字状リング13をはめ合わ
せておき、ストッパ9の外周面に環状部材11を嵌装し
て、両周方向溝9a・11a同士が対峙するまで環状部
材11を軸線方向にずらすが、外向き周方向溝9a内に
C字状リング13が埋没し得るため、C字状リング13
と環状部材11の内周縁とが互いに干渉することを防止
し得る。そして両周方向溝9a・11a同士が対峙する
と、環状部材11の内向き周方向溝11a内にC字状リ
ング13が弾発的に入り込み、C字状リング13を介し
てストッパと環状部材11とが軸線方向に対して互いに
係合し、ストッパ9に軸線回りに回動自在に環状部材1
1が支持される状態になる。
には目盛板8の全長も長くなり、自重により下向きに傾
く虞が生じるが、本実施例に於いては強度を確保しつつ
軽量化するために、目盛板8を、図2に示されるように
薄板を扁平U字状断面形状に曲折して形成している。ま
た、何らかの原因により設計許容値以上にロッド4のス
トロークが伸びた場合には、ケーシング1から目盛板8
の先端が外れてしまうことが考えられるが、本目盛板8
の先端部には徐々に先細りになる傾斜ガイド部8aを設
けており、ロッド4が戻る際にケーシング1の軸線方向
端部と目盛板8の先端との干渉を防止して、一旦外れた
場合の目盛板8を円滑に戻り得るようにしている。
は、通常架空線が撚り線構造であることから伸縮時にね
じれが生じるため、ロッド4と共に目盛板が回って、保
守点検などの時に下方からストロークを確認しようとし
ても、目盛板を見難いという不都合が生じる。しかしな
がら、本実施例にあっては前記したようにロッド4に対
して回動自在に目盛板8が取り付けられており、架空線
の伸縮に応じてロッド4が回転しても、目盛板8は自重
により常に下方に位置するようになるため、下方からの
目盛りの確認を容易に行い得る。なお、本実施例では、
ケーシング1に目盛板ガイド14が固設されており、ロ
ッド4と環状部材11との間の摺接抵抗が増大して環状
部材11が回動し難くなった場合でも目盛板8を下方に
位置させることができる。
前記実施例に限定されず、例えばストッパ9と環状部材
11とのいずれか一方に周方向の凸条を設けると共に他
方に凹状の周方向溝を設け、両者を互いに遊びをもって
嵌合し得る程度に形成して、環状部材11を2つ割構造
にして組み付けるようにしても良い。また、C字状リン
グ13の代わりにベアリングを用いても良い。
ランサにあっては、標準状態の設置時には従来例の図4
と同様に、外側中筒2・内側中筒3・ロッド4がそれぞ
れ所定量突出した状態で設置される。また、ケーシング
1内には、外側中筒2・内側中筒3・ロッド4の摺動を
円滑にするためにグリスが充填されている。
に直列的に取り付けるだけで自動的に張力調整を行うの
で、メンテナンスフリー化し得るため、保守工数を大幅
に低減できる。また、張力変化率の許容範囲を狭めるこ
とができ、従来のばね式テンションバランサでは困難で
あった例えば800mのトロリ線にも十分適用可能であ
る。また、据え付けスペースが小さいので、多雪区間で
の重錘スペースの確保などが不要になり、省スペース化
を向上し得る。また、有効架線長の伸縮量以上のストロ
ークを有することにより、架空線のクリープやジュール
熱などの変位に対して有効になる。さらに、金属材料を
ベースとした構造にすることができ、テンションバラン
サの機能を外気温に左右されずに発揮し得る。
た例について示したが、コイルばねの多重構造は3重に
限るものではなく、例えば図3に示されるように2重構
造のものであっても良い。なお、前記実施例と同様の部
分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略
する。この第2の実施例のテンションバランサは、前記
第1の実施例に於ける中・小径の各コイルばね6・7を
外側から順番にばね定数が小さくなるように同心的に介
装した2重構造である。各コイルばね6・7のばね定数
などは任意に定め得るものであり、外側のコイルばね6
が、ケーシング1の内向フランジ部1aと内側中筒3の
外向フランジ部3bとの間に所定の圧縮状態にて介装さ
れ、内側のコイルばね7が前記実施例と同様に介装され
ている。このようにして構成されたテンションバランサ
にあっては、コイルばねの2重・3重構造の違いがある
のみで、その作用・効果については前記実施例と同様で
ある。
材に対する内側部材の出没量を示す目盛板を支持する手
段が内側部材に回動自在に支持されていることから、内
側部材に連結されたワイヤが撚り線構造であってその伸
び縮みに伴って内側部材が回動した場合であっても、外
側筒状部材の下方に自重により目盛板が常に位置するこ
とができ、目盛板の目視による出没量の確認を容易に行
うことができるため、テンションバランサの保守点検の
作業性を向上し得る。
面図。
図。
断面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 空中に架設された架空線の張力を一定
に保持するための架空線用テンションバランサであっ
て、 前記架空線用テンションバランサが、外側筒状部材と、
前記外側筒状部材内に軸線方向に出没し得るように同心
的に受容された内側部材と、前記内側部材を没入方向に
弾発付勢するべく前記両部材間に同心的に介装されたコ
イルばねと、前記内側部材の前記外側筒状部材に対する
出没量を示すための出没量指示手段とを有し、 前記出没量指示手段が、前記内側部材に軸線方向に抜け
止めされかつ軸線回りに回動自在に支持された回動体
と、前記回動体から半径方向外向きに延出しかつ前記外
側筒状部材の外周面に沿って軸線方向に延在するように
設けられた目盛板と、前記目盛板がその自重により前記
外側筒状部材の下方に位置する状態における前記軸線方
向への変位量を下方から視認可能にするべく前記外側筒
状部材に取り付けられた目盛板ガイドとを有することを
特徴とする架空線用テンションバランサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP20131095A JP2869026B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 架空線用テンションバランサ |
Publications (2)
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JPH0933201A JPH0933201A (ja) | 1997-02-07 |
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Family
ID=16438892
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP5028239B2 (ja) * | 2007-12-06 | 2012-09-19 | 東北電力株式会社 | テンションバランサー |
JP4596569B2 (ja) * | 2007-12-26 | 2010-12-08 | 日本発條株式会社 | 架空線用テンションバランサ |
KR100939040B1 (ko) * | 2009-11-06 | 2010-01-27 | 주식회사 강이엠테크 | 검수고의 전차선 장력조절시스템 |
-
1995
- 1995-07-14 JP JP20131095A patent/JP2869026B2/ja not_active Expired - Lifetime
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