JP2868852B2 - 多値画像データの２値化圧縮方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、ディザ法により、階調をもつ多値画像デ
ータを中間色等の表現が可能な２値画像データに圧縮・
変換する多値画像データの２値化圧縮方式に関する。

（従来の技術） 各画素が複数のビットで構成され階調をもつ、例えば
階調方向の構成ビット数が８ビット等であるような多値
画像データを、そのまま格納し処理しようとすると、情
報量が膨大なため取扱い等が困難になる場合がある。こ
のためこれらを容易にするために、１画素が１ビットだ
け構成される２値画像データに変換・圧縮して情報量を
減少させる場合がある。

このような場合に、従来は、特定の２値化レベルによ
り多値画像データを単純にスライスして２値画像データ
を求めることが多かった。

例えば８ビットの深さを持つ多値画像データであれば
256レベル（色）の階調を持っている。これを特定の２
値化レベル、例えば128というレベルにより２値化圧縮
しようとすれば、０から127までの値を持つ画像データ
はすべて値“0"とされ、また128から255までの値のデー
タはすべて“1"となる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、“1"か“0"かの２値だけしかない２値
画像データに、階調をもつ多値画像データを特定の２値
化レベルにより単純にスライスして２値化圧縮すれば、
当然ながら、中間色の色調等が出せなくなる。従って、
このようにして得られた画像データは、人間の感覚に合
わない、見辛いものとなることが多い。

この発明は、情報量が膨大で扱いにくい多値画像デー
タを１画素が１ビットだけで表される取扱い容易な２値
画像データに変換・圧縮する際に、人間の持つ視覚特性
を利用して中間調情報をも表現することができるよう
な、ディザ法を用いた、多値画像データの２値化圧縮方
式を提供することを目的とするものである。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） この発明の多値画像データの２値化圧縮方式は、複数
の画素からなるフレームの各画素の階調を表す所定ビッ
ト数の多値画像データを保持する画像メモリと、各画素
の階調を表す多値画像データのビット毎に対応するディ
ザパターンを保持するディザパターンメモリと、多値画
像データの各ビットと、該各ビットそれぞれに対応する
ディザパターンの各ビットとの論理積を演算する複数の
第１の論理回路と、複数の第１の論理回路の論理演算に
より得られた複数の値の論理和を演算する第２の論理回
路とを備えたことを要旨とする。

（作用） この発明においては、画像メモリから複数の画像から
なるフレームの各画素の階調を表す所定ビット数の多値
画像データの各ビットと、ディザパターンメモリから各
画像の階調を表す多値画像データのビット毎に対応する
ディザパターンの各ビットとが複数の第１の論理回路に
送出され、これらの第１の論理回路で、多値画像データ
の各ビットとディザパターンの各ビットとの論理積が求
められる。

次に、第２の論理回路で、複数の第１の論理回路、そ
れぞれの論理積の値の論理和が求められる。

そして、この論理和のデータが２値画像データに変
換、圧縮されるので、人間の持つ視覚特性である中間調
情報も表現することができるような、ディザパターン法
を用いた２値化圧縮方式が実現可能になる。

（実施例） 第１図は、この発明に係る一実施例の多値画像データ
の２値化圧縮方式を適用した２値画像格納・表示装置の
要部ブロック図である。

また第２図は、多値画像データの各ビットに対応する
複数のディザパターンの例を示す説明図、第３図は、多
値画像データの構成例を示す説明図である。

第１図において、各画素が複数の、例えば８ビットで
構成される多値画像データを格納する多値画像メモリ２
がある。この多値画像データの構成例を第３図に示す。
例えば１フレーム分の２次元画像データを格納するに
は、各画素がビット０から７の８ビットで構成される場
合、２次元画像を構成する水平方向の画素数×垂直方向
の画素数×８ビットのビット数を持ったメモリが必要と
なり、第３図に示すような直方体で表すことができる。

そして、この多値画像データの各画素を構成する複数
のビット（階調方向のビット）の各々に対応する複数の
ディザパターンを保持する複数のディザパターンメモリ
３がある。

さらに、この複数のディザパターンメモリ３に保持さ
れる各ディザパターンと、多値画像メモリ２に格納され
る多値画像データの対応する各ビットの画像データと
の、画素毎の論理積をとる複数のAND回路５と、この論
理積をとった値の階調方向のビット間の論理和をとって
２値画像データに変換するOR回路６がある。

こうして、画素毎に２値化圧縮・変換された２値画像
データを格納する２値画像メモリ７があり、この２値画
像メモリ７に格納される画像データを順次取り出し、例
えばディスプレイ等に表示させるためアナログデータに
変換するD/Aコンバータ８が設けられている。

さらに、上記した多値画像メモリ２、複数のディザパ
ターンメモリ３、２値画像メモリ７などの相互間の読出
し・書込みアドレス及びタイミングを一括制御する制御
回路９と、装置全体の動作制御を行うCPU1とがある。

なお、符号４は各種のレジスタであり、多値画像メモ
リ２から読出された１画素分の８ビット画像データや、
ディザパターンメモリ３から読出されたパターン１のビ
ット等の各データを一時的に保持するものである。

第２図に、この実施例装置における、多値画像データ
の各ビットに対応する、ディザパターンメモリ３に保持
される複数のディザパターンの例を示す。

例えば、第２図（ａ）は多値画像データの階調方向の
ビット７及び６に対応するディザパターンであり、ビッ
ト７及び６のすべてのビットが有効になされている。第
２図（ｂ）ないし（ｄ）は、それぞれビット５ないし３
に対応するディザパターンで、画像全体として見たとき
に視覚的に中間の階調が感じられるような適度な間隔を
置いたパターンとなっている。また第２図（ｅ）は、ビ
ット２ないし０用のディザパターンであり、この例では
これらのビットが常に“0"となるようなされている。

次に、動作を説明する。

この実施例の装置では、CPU1の制御の下に、２値化圧
縮処理の対象となる８ビット長の多値画像データが、予
め多値画像メモリ２に書込まれている。また、この多値
画像データの階調方向の各ビットに対応する複数のディ
ザパターンが、CPU1により、作成され（あるいは外部記
憶装置などの格納場所から読出されて）、それぞれのデ
ィザパターンメモリ３に格納されている。

そして、制御回路９により指示されるアドレス及びタ
イミングに従い、対応するアドレスの多値画像データ及
び各ビットのディザパターンが画素単位でそれぞれのメ
モリ２及び３から読出され、８ビット及び１ビットの各
レジスタ４に保持される。

この画素単位でレジスタ４に保持される、各ディザパ
ターンと、前記多値画像データの対応する各ビットの画
像データとが、ビット数に応じた複数のAND回路５によ
り論理積をとられ、さらにOR回路５により、この論理積
をとった値のビット間の論理和が求められて２値画像デ
ータに変換される。

このとき、第２図（ａ）ないし（ｅ）に示すように、
この実施例装置では、最も階調方向のレベルの高いビッ
ト７及び６はそのまま（ビット７又は６に“1"があれば
“1"がAND回路５から出力される）、中間レベルのビッ
ト５ないし３については過度な間隔のパターンで出力
し、レベルの低いビット２ないし０は無視する（常に
“0"を出力する）ようなディザパターンが用いられてい
る。最もレベルの低い、ビット２ないし０については、
ディスプレイ等に表示する場合に通常はほとんど目に見
えず、ディスプレイの輝度を高くしてようやく見えるよ
うな程度であるため、無視しても余り問題にならないと
いう点を考慮している。もちろん、ディザパターンとし
ては、この例に示したものに限るわけではなく、例えば
画像データの種類や、画像全体としての輝度レベルの高
さなどに応じて任意のパターンを用いることができる。

こうして変換された１画素分の２値画像データは、２
値画像メモリ７内の、制御回路９により指示される対応
するアドレスに格納される。

以下、多値画像データの全ての（あるいは処理対象と
される）画素について、同様に２値化圧縮処理が繰返さ
れる。

こうして、２値化圧縮処理され、２値画像メモリ７に
格納された２値画像データは、制御回路９により指示さ
れるアドレス及びタイミングに従って順次読出され、レ
ジスタ４を経由しD/Aコンバータ８によりアナログデー
タに変換された後、例えばディスプレイ等に出力され表
示される。また、この２値化圧縮・変換された２値画像
データを別個の記憶装置などに格納しておくこともでき
る。

このようにして、２値画像データでありながら中間レ
ベルの階調情報を含み、中間色などを表示することので
きる２値化圧縮・変換処理が可能となる。また、この実
施例装置では、AND回路５やOR回路６などのハードウェ
アを用いて２値化圧縮・変換処理を行う構成としたた
め、高速の処理が可能となっている。

なお、上述した一実施例では、１画素ずつ２値化圧縮
・変換処理する装置の構成例を示したが、例えば複数の
画素等について並行処理するような構成とすることなど
ももちろん可能である。

［発明の効果］ このように、この発明に係る２値化圧縮方式を適用す
れば、各画素が複数のビットで構成され、階調を表すこ
とができる多値画像データを、各画素が１ビットだけで
構成されながらも、中間階調の情報を含み、階調がある
かのごとく表示することなどが可能な、ディザ形式の２
値画像データに変換することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る一実施例の多値画像データの２
値化圧縮方式を適用した２値画像格納・表示装置の要部
ブロック図、第２図は同例における多値画像データの各
ビットに対応する複数のディザパターンの例を示す説明
図、第３図は多値画像データの構成例を示す説明図であ
る。 １……CPU、２……多値画像メモリ ３……ディザパターンメモリ、４……レジスタ ５……AND回路、６……OR回路 ７……２値画像メモリ、８……D/Aコンバータ ９……制御回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の画素からなるフレームの各画素の階
   調を表す所定ビット数の多値画像データを保持する画像
   メモリと、 前記各画素の階調を表す多値画像データのビット毎に対
   応するディザパターンを保持するディザパターンメモリ
   と、 前記多値画像データの各ビットと、該各ビットそれぞれ
   に対応する前記ディザパターンの各ビットとの論理積を
   演算する複数の第１の論理回路と、 前記複数の第１の論理回路の論理演算により得られた複
   数の値の論理和を演算する第２の論理回路と を備えたことを特徴とする多値画像データの２値化圧縮
   方式。