JP2868684B2 - 摩擦・摩耗試験装置 - Google Patents

摩擦・摩耗試験装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、金属,プラス
チック,セラミックスその他の材料またはその表面に形
成された被膜等の摺動特性を評価するため、或いは、潤
滑油が摩擦摩耗に及ぼす影響を評価するため等に使用さ
れる摩擦・摩耗試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンやコンプレッサは、多様な使用
条件下で長時間使用されるため優れた耐久性と高い信頼
性が要求される。また、省エネルギー的見地から軽量・
小型化と同時に、運転時のエネルギーロスを防ぐため、
摺動部分の摩擦ロスの低減が求められている。
【0003】このような背景から、用いられている摺動
部品も、高強度で軽量であると同時に優れた耐摩耗性,
耐焼付性を併せて持つことが必要となる。これらの要求
を満たすために材料の改良や表面改質の試みが多くなさ
れている。また、小型化は、一般的に摺動部分の接触面
積の減少を伴なうことが多く、そのため、摺動部分は高
い面圧となり、これに対応して潤滑油組成の最適化が必
要となり、摺動部品の材料面での検討と併せて潤滑油組
成の検討も同時に行われるようになってきている。
【0004】このような摺動部品の材料面での検討や潤
滑油の検討を、全てエンジンやコンプレッサを用いて実
機評価を行なうことは経済面で劣ることになる。そこ
で、評価試験機を用いて、摩擦・摩耗に関する基礎的な
評価試験や厳しい条件下での加速的な試験を行ない、そ
の上で最終的な確認試験を実機で行なうことが一般的で
ある。
【0005】かかる評価試験機としては、例えば、ピン
・オン・ディスク型及びリング・オン・リング型摩擦摩
耗試験装置がある。これらの試験機では、一般的に、主
軸の端面にディスク状またはリング状の回転試験片を取
り付け、ピン状またはリング状の静止試験片を、上記回
転試験片に押し付けた状態にして主軸を回転させ、回転
試験片と静止試験片とを摩擦させて試験を行なうもので
あり、多くの試験機の提案がなされている。
【0006】この種の摩擦・摩耗試験装置として、例え
ば実開昭61−24645号公報に示すものが知られて
いる。この摩擦・摩耗試験装置は、回転する回転試験片
と静止試験片を相互に押し付けた状態で摩擦・摩耗試験
をするものであって、主軸と同軸線上に、静止試験片を
静止側のホルダにより支持固定する加圧軸が、主軸と対
向して配置され、加圧軸には、片当り防止支持機構が設
けられている。この片当り防止支持機構は、この加圧軸
にラジアル軸受を介して支持された球面軸受に前記ホル
ダを外設するとともに一対のスラスト軸受で球面軸受を
軸方向で挟持してなり、一対のスラスト軸受は、加圧軸
上に締め付けられた締付ナットにより保持され、従っ
て、ラジアル軸受,球面軸受も加圧軸上に保持されてい
る。また、ホルダには試験片の摺動で発生する摩擦力を
モーメントとして計測するため、ロードセルを取り付け
たレバーが固着されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の摩擦
・摩耗試験装置にあっては、スラスト軸受の取付けが、
締付ナットによる締め付けによっている。このため、初
期の締付力のバラツキがあったり、試験中の摩擦熱によ
る温度上昇で球面軸受が熱膨張して加圧軸が球面軸受か
ら反力を受けることにより、締付ナットの締付力が変化
し、摩擦力の検出精度に大きな影響を及ぼすことにな
る。
【0008】また、熱膨張代を考慮してスラスト軸受と
締付ナットの間に隙間を持たせた場合には、試験中に振
動が発生することになる。特に、主軸が垂直で回転試験
片が静止試験片に対して下側に位置する機構の試験装置
では、低い荷重時での正確な押し付け力の付加が出来な
いという問題がある。
【0009】一方、実開昭62−86543号公報に開
示されている縦型ピン・オン・ディスク型試験機は、潤
滑油を試験摩擦面に供給しながら摩擦摩耗試験を行なう
ものであるが、試験摩擦面に潤滑油を均一に供給する機
能として、回転試験片であるディスク側を固定側に対し
て上方に配置し、その回転する主軸の軸心及び回転試験
片の中央に貫通孔を形成し、この貫通孔を介して潤滑油
を流し出すように構成されている。即ち、潤滑油は回転
作用により板面に対して流し出され、雫状には滴下しな
いで、薄いフィルム状となって板面全体に対して均一に
連続して供給しようとする構造となっている。
【0010】かかる構造では、遠心力が期待できる高速
回転条件下では、効果があるものの、回転速度が遅く前
記遠心力が期待できない状況下では、板面への供給が不
均一になるという問題があった。
【0011】潤滑油を用いての摩擦摩耗試験では、摺動
速度の影響は極めて大きく、低速側に至るほど油膜の成
形保持は困難となり、油膜切れに起因した摩耗が進行す
る傾向があり、このような摩擦摩耗試験では摩耗特性の
評価を行なう場合少量の潤滑油の供給及び低速が条件と
なる場合が多いとされている。
【0012】従来の試験機では、例えば上述のような問
題点があるために、試験機での評価試験には多くの繰り
返し数を必要とし、しかも、その評価結果と実機試験で
の評価試験とが一致しないことが多かった。
【0013】また、特開昭64−16950号に開示さ
れている試験機の荷重付加構造は、実際の機械における
摩擦摩耗条件と可能な限り近い条件で摩擦摩耗試験を行
なうための荷重付加機構として、一端支持のテコ式にて
構成されている。この荷重付加機構は、電磁石の吸引力
を用いた方式であり、駆動側試験片の回転位置または往
復位置の検出を行ない、回転角または位置に応じて荷重
を変化させながら、試験を行なうものであり、テコ式機
構を採用しているので、試験摩擦面に均一な押付力を与
えることが困難で、均一に摩耗を発生させることが困難
であった。
【0014】さらに、実際の部品の使用では、荷重や速
度は広い範囲で変動する。しかし、従来の試験機では、
荷重や速度を変動させて試験することは問題があった。
そのため、低速度から高速度へ、低面圧から高面圧の間
で種々に条件を設定して、数多くの試験を行なわなけれ
ばならない。しかも、得られた試験結果から、実機に適
する材料や潤滑油を選定するに当たっては推定的要素の
多い判断となってしまうという問題があった。要する
に、変動荷重(広範囲な荷重条件)と変速条件の付加が
できなかった。
【0015】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、初期の締付力のバラツキ
を排除し、また、試験中の摩擦熱による温度上昇があっ
ても、温度変化に影響されることなく、高精度な摩擦力
検出を可能にし、さらに、試験摩擦面に均一な押付力を
与え、実際の部品の使用における広い範囲で変動する速
度に対応することができる摩擦・摩耗試験装置を提供す
ることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
主軸により支持されて回転する回転試験片と、静止試験
片を相互に押し付けた状態で摩擦・摩耗試験をするもの
であって、主軸と同軸線上に、静止試験片を支持するた
めの加圧軸を、主軸と対向して配置し、この加圧軸に支
持された球面軸受にホルダを外設し、このホルダに静止
試験片を支持してなる摩擦・摩耗試験装置において、加
圧軸を軸方向に移動自在に構成し、加圧軸の先端部に、
球面軸受から力を受けてその軸方向の熱変形を吸収する
変位吸収機構を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の摩
擦・摩耗試験装置において、略水平の試験摩擦面を有す
るディスク形状の回転試験片の上方に静止試験片を配置
し、ホルダには、その外周面に一端が開口し、他端が回
転試験片上に対向する端面に開口する潤滑油供給孔が形
成されていることを特徴とする。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、加圧軸上に加圧装置を、それらの軸線が略
1直線になるように設けたことを特徴とする。請求項4
記載の発明は、請求項3記載の発明において、加圧軸と
加圧装置の間に、軸線が加圧軸と加圧装置の軸線と略1
直線になるようにロードセルを設けたことを特徴とす
る。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、試験速度を任意に変化させる変速装置を備
えていることを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明においては、回転する回転
試験片と静止試験片の摩擦によって、静止試験片の温度
が上昇し、その熱が球面軸受に伝達し、球面軸受は、熱
膨張する。
【0021】球面軸受の軸方向の熱膨張に伴って、球面
軸受から力を受ける加圧軸が移動し、熱膨張による球面
軸受の熱変形が、変位吸収機構で吸収される。また、請
求項2記載の発明においては、潤滑油を供給しながらの
試験では、静止試験片側のホルダから潤滑油供給路を通
って潤滑油が、回転試験片の略中央部へ供給される。
【0022】請求項3記載の発明においては、請求項1
記載の発明において、加圧軸上に加圧装置を、それらの
軸線が略1直線になるように設けたので、試験摩擦面へ
の均一荷重を可能にし、従って、試験摩擦面に対して均
一な摩耗が発生する。
【0023】請求項4記載の発明においては、請求項3
記載の発明において、加圧軸と加圧装置の間に、軸線が
加圧軸と加圧装置の軸線と略1直線になるようにロード
セルを設けたので、請求項3記載の発明と同様の作用が
生じる。
【0024】請求項5記載の発明においては、請求項1
記載の発明において、試験速度を任意に変化させる変速
装置を備えているので、実際の部品の使用における広い
範囲で変動する速度に対応する。
【0025】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。図1ないし図6は本発明の実施例に係わる摩擦
・摩耗試験装置を示す。なお、図3の制御系統図におけ
る符号(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),
(ヘ)は、図2の同符号に接続されている。
【0026】図において、符号1は主軸で、この主軸1
は、回転振れを抑えるための主軸用ラジアル軸受2,3
及び試験押し付け荷重を支持する主軸用スラスト軸受4
を介して箱状のフレーム5に回転可能に垂直状態で支持
されている。
【0027】主軸1の下端には、伝達プーリ6が固定し
て取り付けられ、伝達プーリ6は、ベルト7を介して電
気信号指令変速式のモータ8の出力軸8Aに固定して取
り付けた駆動プーリ9に連結されている。主軸1には回
転検出器10が装着され、該主軸1の実回転数を検出す
るようになっている。上記の伝達プーリ6,ベルト7,
モータ8,駆動プーリ9はフレーム5内に収納されてい
る。
【0028】主軸1の上部端面には、回転試験片取付部
1Aが形成され、この回転試験片取付部1Aには、回転
試験片11が略水平状態で装着されている。図5に回転
試験片11の外観が示され、回転試験片11はディスク
状に構成され、ピン1Bからなる廻止め手段と係合する
ための切欠部11Aが外周面に形成されている。回転試
験片11と回転試験片取付部1Aとの間には、軸心及び
試験摩擦面11Bを外した位置に、ピン1Bが設けら
れ、主軸1の回転に伴って回転試験片11が確実に追従
して回転できるようになっている。
【0029】フレーム5の上方には、該フレーム5の上
面に対向して所定の距離を隔てて台板12が配置され、
さらに、台板12の上方には、該台板12の上面に対向
して所定の距離を隔てて天板13が配置されている。
【0030】フレーム5に装着されたベアリング14に
2本のリードねじ15の下端が支持され、リードねじ1
5の上端は、軸受15Aを介して天板13に軸支されて
いる。台板12には、軸方向のバックラッシュを防止す
る機構のナット16が設けられ、このナット16にリー
ドねじ15が螺合している。
【0031】また、天板13とフレーム5の間に2本の
ガイドポスト27Aが固定され、台板12に設けられた
スライドブッシュ12Aを介して台板12がガイドポス
ト27A上を上下方向に沿って案内されるようになって
いる。二本のリードねじ15を同期して回転駆動させる
(機構は図示せず)ことにより、台板12が上下方向に
移動し、回転試験片11及びこれに接触する静止試験片
17(後述する)の交換作業用の空間が確保されるよう
になっている。
【0032】主軸1と同軸線上に、図6に示す静止試験
片17をホルダ52により支持固定するための加圧軸1
8が、主軸1と対向して配置されている。台板12の中
央には、スプラインフランジ19が、加圧軸18が前記
主軸1の軸心と略一致した軸心となるように設けられて
いる。加圧軸18は、台板12を貫通し、そのスプライ
ン軸部18Aが、上記スプラインフランジ19内に、鋼
球20を介して軸方向にのみ移動可能の状態で支持され
ている。即ち、加圧軸18は、スプライン軸部18Aに
より回転止め機構となっているため、ロードセル21へ
の回転力伝達が防止されるとともに、試験摩擦面11
B,17Aへの円滑な荷重伝達を実現でき、後述のロー
ドセル21では軸方向力のみを検出して荷重付加量の高
精度検出を可能にし、試験摩擦面11B,17Aでの摩
耗発生に対しても常にその摩耗に追従して確実に試験摩
擦面11Bに均一な押付力が付加される。
【0033】加圧軸18と油圧シリンダ25の間には、
引っ張り圧縮両用型の押付力を検出するロードセル21
が配置され、このロードセル21は、連結ネジ22によ
りスペーサ23を介して該加圧軸18に結合されてい
る。
【0034】ロードセル21は、その接続フランジ21
Aを介して、サーボ弁24が装着された油圧シリンダ2
5のピストンロッド25Aの先端と締結され、ナット2
6により固定されている。なお、油圧シリンダ25は、
そのピストンロッド25Aの軸心が、加圧軸18の軸心
と略一致する位置にて、シリンダベース27に固定され
ている。
【0035】次に、図2,図3により、押付力の制御系
統について説明する。ます、油圧シリンダ25による押
付力については、サーボ弁24に油圧源28が接続さ
れ、サーボ弁24は油圧源28からの油圧の供給を受
け、油圧シリンダ25内の前進側ポート及び後進側ポー
ト(図示せず)へ分配供給し、押付力の制御を行なって
いる。
【0036】信号発信装置としてコンピュータ29が用
いられ、このコンピュータ29からの指令信号(デジタ
ル信号)は、D/A変換器30を通ってアナログ信号に
変換され、さらに、サーボアンプ31を通ってサーボ弁
24へ動作信号として伝達される。
【0037】ロードセル21には、第1ロードセルアン
プ32が接続され、実押付力を検出したロードセル21
からの検出アナログ信号は、第1ロードセルアンプ32
により前記指令アナログ信号と信号レベルが等しくなる
ように増幅され、制御手段としてのサーボアンプ31へ
フィードバック信号として伝達される。サーボアンプ3
1では、前記指令アナログ信号と前記検出アナログ信号
との比較が行なわれ、同一となるようにサーボ弁24へ
の動作信号が調整されるフィードバック制御が行なわれ
ている。従って、実押付力荷重の精度向上を図ることが
できる。即ち、油圧シリンダ25により荷重を与える方
式の機構では、油圧力を検出してフィードバック信号と
することも考えられるが、ロードセル21からフィード
バック制御し、実押付力荷重を最終目標としているの
で、その実荷重を検出した方が誤差が少なく、実押付力
荷重の精度向上を図ることができる。
【0038】また、第1ロードセルアンプ32からの検
出信号は、A/D変換器33を通してコンピュータ29
に取り込めるようになっており、少なくとも摩擦摩耗試
験の評価上での重要な条件となる。そして、最大荷重指
令値と最低荷重指令値との比較チェックをコンピュータ
29内での演算処理にて行なえるようにし、予めプログ
ラムされた範囲以上の差が生じた場合、異常と判断さ
せ、試験を中断させる処理を行なっており、試験結果の
信頼性を高めている。
【0039】また、台板12には、サポート部材34
A,取付台座34を介して摩擦力検出ロードセル35が
装着されている。摩擦力検出ロードセル35により検出
された摩擦力信号は、第2ロードセルアンプ36により
増幅され、A/D変換器37を通って摩擦力Fとしてコ
ンピュータ29に入力される。コンピュータ29では、
ロードセル21からの押付力Pとの摩擦係数値F/Pが
演算され、予め設定された摩擦係数値以上に至った場合
での試験装置の自動停止の判断を可能としている。これ
により、耐焼付性評価試験の実施及び摺動状態の常時チ
ェックによる試験摩擦面11B,17Aでの異常検知,
装置面での過負荷保護等を可能にしている。
【0040】また、上記のモータ8は、モータコントロ
ーラ38を介してコンピュータ29に接続され、コンピ
ュータ29からの回転指令信号により任意に動作するよ
うになっている。
【0041】従って、押付力の、ロードセル21の具備
による実押付荷重の検出と、該サーボアンプ31へのフ
ィードバック信号としても用いる構成により、押付荷重
の精度向上と任意の変動押付荷重の付加を可能にすると
ともに、自己診断回路による荷重値の異常時検出を行な
うことができ、さらに、試験摩擦面11B,17Aの摺
動速度条件を電気的指令信号により、任意に変速でき
る。なお、任意の変動押付荷重の付加は、次の如く行な
われる。コンピュータ29から、任意の押し付け荷重の
指令信号を出し、その値を目標値とした荷重制御が、サ
ーボアンプ31,サーボバルブ24,ロードセル21,
第1ロードセルアンプ32により構成される閉じループ
制御により行なわれ、任意の荷重波形信号にも追従で
き、変動荷重としても負荷できる。但し、指令値に対す
る実荷重(出力値)に大きな差を生じる場合(制御不能
となった場合)への対応として、少なくとも試験評価の
上で重要となる荷重値の最大値と最小値のチェックを演
算処理にて行なわせて、異常時検出としている。
【0042】そして、図1において、上記加圧軸18の
先端には、小径部39が形成され、この小径部39の外
周面にはラジアル軸受40が外嵌されている。ラジアル
軸受40の外輪41の上端には環状フランジ部41Aが
形成されている。
【0043】ラジアル軸受40の外輪41の外周面に
は、第1補助スリーブ42が嵌合され、第1補助スリー
ブ42の上端には、環状受け部42Aが形成されてい
る。さらに、第1補助スリーブ42の外周面には、球面
軸受43が外嵌され、球面軸受43は、内輪44と、こ
の内輪44に球面状に接触する外輪45とから構成され
ている。球面軸受43の内輪44の上端面に第1補助ス
リーブ42の環状受け部42Aが当接している。
【0044】球面軸受43の内輪44の内側には、第2
補助スリーブ46が嵌合され、第2補助スリーブ46の
上下端にそれぞれ内フランジ部46A,外フランジ部4
6Bが形成され、外フランジ部46Bは、球面軸受43
の内輪44の下端面に当接している。
【0045】そして、加圧軸18の段部18Bとラジア
ル軸受40の外輪41の環状フランジ部41Aの間に
は、第1スラスト軸受47が設けられ、また、第2補助
スリーブ46の内側と加圧軸18の小径部39の外周面
の間には、第2スラスト軸受48が設けられている。従
って、球面軸受43の内輪44は、第1補助スリーブ4
2,第2補助スリーブ46を介して第1スラスト軸受4
7,第2スラスト軸受48に挟持されている。
【0046】加圧軸18の小径部39の外周には、コイ
ルばね49が装着され、このコイルばね49は、第2ス
ラスト軸受48と、加圧軸18の小径部39の先端に螺
子50で取り付けられた座板51の間に装着されてい
る。なお、ここで、コイルばね49は、後述するホルダ
52,球面軸受43等の自重として作用する部品による
重さ以上のセット荷重を与えた状態(第1スラスト軸受
47,第2スラスト軸受48等での組付部での間隙が生
じない状態)で保持されている。即ち、コイルばね49
については、片当たり防止目的での可動部重量とラジア
ル軸受40,第1,第2スラスト軸受47,48等の重
量よりも、少なくとも大きなセット荷重が与えられ、軸
方向の熱膨張等による微小な寸法変化に対しても吸収で
きる変形代が与えられている。
【0047】上記の球面軸受43には、ホルダ52が固
設されている。ホルダ52は、厚肉短円筒状のホルダ本
体53と、球面軸受43の外輪45を保持してホルダ本
体53の上端面に当接するベアリングキャップ54と、
ホルダ本体53の下端面に当接する厚肉リング部55
と、厚肉リング部55の下面に取り付けらる試験片取付
部56とから構成され、第1締付螺子57によりベアリ
ングキャップ54をホルダ本体53に締め付け、第2締
付螺子58により厚肉リング部55,試験片取付部56
をホルダ本体53に締め付けることにより、上記ベアリ
ングキャップ54,ホルダ本体53,厚肉リング部5
5,試験片取付部56が一体化されている。厚肉リング
部55には、傾斜路59が形成され、傾斜路59の一端
は、厚肉リング部55の外周面に開口部59Aとなって
開口している。
【0048】傾斜路59の他端は、試験片取付部56の
中央に軸方向に沿って形成された貫通孔60に連通して
いる。傾斜路59と貫通孔60で潤滑油供給路が構成さ
れている。潤滑油供給路に潤滑油を供給しながらの試験
では、静止試験片17側のホルダ52から潤滑油供給路
を通って潤滑油が、回転試験片11の試験摩擦面11B
の略中央部へ供給される。
【0049】そして、上記ホルダ52の試験片取付部5
6の突起部56Aには、その外周面に静止試験片17が
保持されている。静止試験片17は例えば図6に示さ
れ、その一面には、試験摩擦面17Aを有する突起部1
7Bが複数(本実施例では3個)形成され、他面には、
ピン61が係止される孔(図示せず)が形成されてい
る。なお、各試験摩擦面17Aは均一な当りを確保する
ため同一平面に仕上げた状態にされており、平面研磨加
工或いは平面定盤でのラッピング加工々による仕上げ加
工が施されている。
【0050】また、試験片取付部56と静止試験片17
をピン61が貫通し、静止試験片17が試験片取付部5
6に固定され、静止試験片17の回転を防止し、確実に
摩擦力をホルダ本体53に伝達するようになっている。
【0051】潤滑油は、厚肉リング部55の開口部59
Aから傾斜路59に供給され、さらに貫通孔60を通っ
て回転試験片11の上端面中央に導かれる。なお、回転
試験片11と静止試験片17の試験部の周りは、オイル
パン62で覆われ、このオイルパン62により試験済潤
滑油の回収が行なわれ、潤滑油の周囲への飛散を防止し
ている。また、オイルパン62の底部62Aと主軸1の
外周面1Cとの間には、オイルシール63が装着され、
オイルパン62内からの潤滑油の漏れを防止している。
【0052】図4により、摩擦力の検出機構を説明する
と、ホルダ本体53の外周面には、摩擦力検出アーム5
3A,53Aがそれぞれ軸心に関して180度対称に突
出して設けられ、摩擦力検出アーム53Aには、摩擦力
検出ロードセル35が当接している。摩擦力検出ロード
セル35は、試験摩擦面17A,11Bより生じる一方
向の摩擦力により生じる回転モーメントでホルダ本体5
3の回転運動を防止するとともに摩擦力の検出を行なっ
ている。また、ホルダ本体53の重心と軸心との略一致
化が図られ、これと相まって2つの摩擦力検出アーム5
3A,53Aにより、試験摩擦面17A,11Bへの偏
荷重付加が防止されている。
【0053】しかして、本実施例においては、油圧シリ
ンダ25により加圧軸18を介して荷重が静止試験片1
7に与えられる。詳しく述べると、油圧シリンダ25に
より発生する押付力は、ピストンロッド25A,接続フ
ランジ21A,ロードセル21,スペーサ23,連結ネ
ジ22,加圧軸18,第1,第2スラスト軸受47及び
48,球面軸受43、ホルダ52を介して静止試験片1
7に伝達され、さらに、静止試験片17から回転試験片
11に伝達される。
【0054】これにより、静止試験片17と回転試験片
11を軸方向に相互に押し付け、その状態で、回転試験
片11を主軸1により回転させ、摩擦摩耗試験がされ
る。油圧シリンダ25により発生する押し付け荷重の制
御については、コンピュータ29からの任意の押し付け
荷重信号を目標値として荷重制御が、サーボアンプ3
1,サーボバルブ24,ロードセル21,第1ロードセ
ルアンプ32により構成される閉じループ制御により行
なわれる。指令信号で高速度で変化させることにより、
変動荷重にもできる。なお、回転試験片11は、主軸1
により回転駆動され、それと当接する静止試験片17か
らの摩擦力により、加圧軸18の軸心を中心とした回転
力が発生する。その回転力は、ホルダ52を伝わり、摩
擦力検出ロードセル35へ伝わる。摩擦力検出ロードセ
ル35では、ホルダ52の回転運動を防止しながら摩擦
力を検出している。
【0055】その際、試験条件は次のように与えられ
る。荷重制御範囲は0.01〜500Kgfで、荷重波
形は正弦波,台形波,矩形波,三角波が使用され、変動
荷重の最大振幅は0.01〜500Kgf、周波数は0
〜10Hz、主軸回転速度範囲は40〜8000rp
m、速度制御範囲は0.08〜16m/secである。
その際、高周波数での変動荷重も付加させることができ
るので、回転試験片11に摩耗し難い高硬度材料を用い
てピン側材料(静止試験片17)の摺動を伴ったピッチ
ング摩耗の評価を短時間で行なうこともできる。
【0056】ホルダ52は球面軸受43を介して加圧軸
18に支持されているので、ホルダ52の軸線は球面軸
受43の球面中心点を通る任意の軸線となるように自由
に姿勢を変えることができ、これによって、もし、静止
試験片17と回転試験片11の片当たりがあれば、当た
り面の不揃によって生じるモーメントによってホルダ5
2の軸線が自動的に変化し、片当たりが防止されてい
る。
【0057】なお、ラジアル軸受40、第1,第2スラ
スト軸受47及び48の機能を以下に説明する。摩擦力
検出ロードセル35での摩擦力検出は、ロードセル自身
の弾性変位を検出し、摩擦力に換算することによって行
なっている。従って、摩擦力検出ロードセル35にてホ
ルダ52を介して摩擦力を検出するためには、ホルダ5
2が微小ではあるが、加圧軸18を中心に移動(回転)
する必要がある。
【0058】摩擦力を高精度で検出しようとした場合、
試験摩擦面17Aにより生じる回転力を、抵抗なく摩擦
力検出ロードセル35まで伝える必要がある。従って、
ホルダ52の加圧軸18の中心での回転抵抗をいかに少
なくできるかが重要なことになる。ここで、球面軸受4
3の球面滑り面での滑り抵抗が小さく、特に、摩擦力を
検出する方向に対する動作抵抗を非常に小さくする機構
があれば、球面軸受43を支持するラジアル軸受40と
第1,第2スラスト軸受47及び48は不要である。し
かしながら、球面軸受43は滑り軸受であるため、転が
り軸受と比較して、特に静止摩擦抵抗が大きい。この静
止摩擦抵抗によって、拘束力が生じ、そのため、摩擦力
検出ロードセル35による検出精度を低下させてしま
う。この対策として、球面軸受43を、ラジアル軸受4
0と第1,第2スラスト軸受47及び48により支持し
ており、加圧軸18に支持させることにより、摩擦力を
検出する方向での拘束力を減少させ、高い精度での検出
が可能になる。
【0059】そして、試験の際、回転する回転試験片1
1と静止試験片17の摩擦によって、静止試験片17の
温度が上昇し、その熱が球面軸受43に伝達し、球面軸
受43は、熱膨張する。
【0060】球面軸受43の軸方向の熱膨張に伴って、
球面軸受43から力を受ける加圧軸18が移動し、熱膨
張による球面軸受43の熱変形が、コイルばね49等か
らなる変位吸収機構で吸収される。即ち、コイルばね4
9等からなる変位吸収機構により、球面軸受43の予圧
が一定化され、球面軸受43の内輪44が軸方向に伸び
ても、その伸びが、第2補助スリーブ46,第2スラス
ト軸受48を介してコイルばね49を圧縮させ、ホルダ
52は熱膨張による大きな反力を受けず、従って、加圧
軸18への熱膨張による力の増加が排除される。
【0061】以上の如き構成によれば、第1に、加圧軸
18を軸方向に移動自在に構成し、且つ、加圧軸18の
先端部に、球面軸受43から力を受けてその軸方向の熱
変形を吸収するコイルばね49等からなる変位吸収機構
を設けたので、加圧軸18上に、球面軸受43,ラジア
ル軸受40,第1,第2スラスト軸受47及び48を保
持するための締付ナットの使用による完全締付を回避で
きる構造を可能にでき、従って、従来における初期の締
付力のバラツキを排除することができる。
【0062】また、試験中の摩擦熱による温度上昇によ
る球面軸受43の熱膨張があっても、以下に述べるよう
に、摩擦力検出精度を良くできる。即ち、コイルばね4
9等からなる変位吸収機構がないと、球面軸受43は、
その熱膨張により生じる軸方向の変位量は極めて少ない
量であるが、完全締め付け固定のため、締め付け固定荷
重の変化は、構成する部品の形状とその材料の持つ弾性
係数によって決まり、極めて大きな固定荷重の変化をま
ねく。そのため、ホルダ52の回転抵抗値の温度に対す
る変化を極めて大きく生じさせることになり、摩擦力検
出精度が悪くなる。一方、コイルばね49等からなる変
位吸収機構があると、球面軸受43の上記変位は、ほぼ
同様に生じるが、この変位量をコイルばね49の変位内
で吸収することができ、上記の固定荷重の変化を、コイ
ルばね49のバネ定数で決まる値に管理でき、上記のコ
イルばね49等からなる変位吸収機構がない場合に比し
て、極めて小さな値で変化するに過ぎない。従って、大
きな温度荷重によっても、上記固定荷重の変化を小さく
抑えることができ、回転抵抗値を安定化でき、摩擦力検
出精度の向上を図ることができる。
【0063】従って、温度変化で球面軸受43の軸方向
の微小な寸法変化が生じても、温度変化に影響されるこ
となく、第1,第2スラスト軸受47,48の加圧軸1
8への取付け荷重変化を微小に抑えることができ、熱膨
張した球面軸受43から加圧軸18に与える力の変位を
変位吸収機構で吸収し、ホルダ52の回転抵抗を安定化
し、高精度な摩擦力検出を可能にできる。
【0064】第2に、潤滑油を供給しながらの試験で
は、静止試験片17側のホルダ52から潤滑油供給路を
通って潤滑油を、回転試験片11の試験摩擦面11Bの
略中央部へ供給できるため、滴下供給とならざるを得な
い小流量状況下で且つ遠心力での均一分散作用が期待で
きない条件下においても、確実に試験摩擦面11Bへの
供給を可能にできる。
【0065】勿論、比較的流量の多滴下状況及び遠心力
の効果が大きい高摺動速度下においても確実に回転試験
片11の試験摩擦面11Bへの均一な供給を可能にし、
試験結果のバラツキを抑えることができる。
【0066】第3に、加圧軸18に、回転止め機構を伴
って鋼球20を有してなる直動ベアリングが設けられ、
主軸1,加圧軸18,操作力を検出するロードセル2
1,油圧シリンダ25は、略同一線上に配置され、該ロ
ードセル21を、加圧軸18と油圧シリンダ25との間
に設けているため、試験摩擦面17Aでの摩耗発生に対
しても、加圧軸18のスプライン軸部18Aでは、抵抗
の少ない直動動作が行なわれ、試験摩擦面17Aへの正
確な荷重付加を行なうことができ、抵抗無く押付力の伝
達及び検出ができる。即ち、高精度な押付力の検出のた
めには、先ず、ロードセル21と試験摩擦面17Aとの
間の動作抵抗を少なくするとともに、ロードセル21に
対しては、試験摩擦面17Aにより生じる回転力を防止
させ、純粋な軸方向力のみとする機構が必要となり、こ
れを該スプライン軸部18Aにて実現させている。
【0067】従って、従来のテコ式機構では試験摩擦面
17Aに均一な押付力を与えることが困難であったのに
対して、摩耗に追従し、確実に試験摩擦面17Aに均一
な押付力を与えることができる。
【0068】なお、試験摩擦面17Aより生じる回転力
は、ラジアル軸受40と第1,第2スラスト軸受47,
48により抵抗を小さく抑えて高精度な摩擦力の計測を
可能としているが、その抵抗を零にすることは困難で、
その小さな抵抗は、加圧軸18への回転力を生じさせ
る。
【0069】即ち、試験摩擦面17Aから生じる一方向
回転でのラジアル軸受40と第1,第2スラスト軸受4
7,48での微小な加圧軸18への回転力による回転動
作は、加圧軸18の回転止めのためのスプライン軸部1
8Aにより止められる。従って、押付力を検出するロー
ドセル21に対しての回転力(捩じれ力)の負荷を防止
でき、純粋な軸方向力のみの検出を可能にし、押付力の
検出を高精度に実現でき、軽い押付荷重条件下でも安定
した正確な荷重を試験摩擦面17Aに与えることができ
る。
【0070】そして、摩擦力と押付力の高精度の検出を
可能にし、摩擦状況を判断する上で重要な係数である摩
擦係数に対しても、高精度で検出できる。第4に、実際
の部品の使用では、荷重や速度は広い範囲で変動するた
め、その変動条件に起因した摩耗や焼き付き現象が生じ
ているが、従来の試験機では、荷重や速度を変動させて
試験をすることには限界があり、試験条件を変更した複
数の試験を行なわなければならず、しかも、試験結果か
ら、実機に適する材料や潤滑油の選定は推定でおこなわ
なければならず、実機との相関を取れるとは限らなかっ
た。
【0071】これに対して、本実施例においては、押し
付け荷重及び試験摺動速度を任意に変化させる荷重付加
装置,変速装置とを具備し、押し付け荷重制御において
は、ロードセル21を用いて荷重のフィードバックを行
なえるので、実押付け荷重の精度向上を図ることができ
る。従って、変動荷重条件下及び任意変速条件下での試
験を可能にでき、実際の機械に近い試験条件を設定し、
その条件下で試験ができる。その結果、少ない試験数の
中でも、実機に則した試験ができ、短期間で的を得た結
果の総合判断を行なうことができる。
【0072】なお、本実施例においては、図6に示すよ
うに静止試験片17に形成された突起部17B数は3個
になっているが、かかる数に限定されることなく、例え
ば、図7に示すように、静止試験片17の試験摩擦面1
7Cが形成された突起部17Dの数を4個にし、同時に
各試験摩擦面17Cの接触面を例えば円弧形状にして広
くすることもでき、種々の形状での試験評価を可能にし
ている。
【0073】また、本実施例においては、変位吸収機構
は、コイルばね49を有して構成されているが、球面軸
受43の熱変形を何らかの手段で検出し、それに対応し
て変位吸収機構を作動させることもできる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、加圧軸を軸方向に移動自在に構成し、且つ、
加圧軸の先端部に、球面軸受から力を受けてその軸方向
の熱変形を吸収する変位吸収機構を設けたので、加圧軸
上に、球面軸受等を保持するために従来の締付ナットの
使用による完全締付けを回避できる構造を可能にでき、
従って、従来における初期の締付力のバラツキを排除す
ることができる。
【0075】また、試験中の摩擦熱による温度上昇によ
る球面軸受の熱膨張があっても、それに伴って、加圧軸
が下方に押され、変位吸収機構が作動され、熱膨張によ
る球面軸受の変位を、変位吸収機構で吸収することがで
きる。従って、温度変化で軸方向の微小な寸法変化が生
じても、温度変化に影響されることなく、熱膨張した球
面軸受から加圧軸に与える力を変位吸収機構で吸収し、
ホルダの回転抵抗を安定化し、高精度な摩擦力検出を可
能にできる。
【0076】また、請求項2記載の発明によれば、潤滑
油を供給しながらの試験では、静止試験片側のホルダか
ら潤滑油供給路を通って潤滑油を、回転試験片の略中央
部へ供給できるため、滴下供給とならざるを得ない小流
量状況下で且つ遠心力での均一分散作用が期待できない
条件下においても、確実に試験摩擦面への供給を可能に
できる。
【0077】請求項3記載の発明によれば、加圧軸上に
加圧装置を、それらの軸線が略1直線になるように設け
ているので、試験摩擦面への均一荷重を可能にし、従っ
て、試験摩擦面に対して均一な摩耗を発生させることが
できる。
【0078】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の発明と同様な効果を奏する。請求項5記載の発明に
よれば、試験速度を任意に変化させる変速装置を備えて
いるので、実際の部品の使用における広い範囲で変動す
る速度に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる摩擦・摩耗試験装置の
要部断面図である。
【図2】同摩擦・摩耗試験装置の全体を示す断面図であ
る。
【図3】同摩擦・摩耗試験装置の制御系統図である。
【図4】図1のI−I断面矢視図である。
【図5】図1の回転試験片の斜視図である。
【図6】図1の静止試験片の斜視図である。
【図7】静止試験片の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 主軸 11 回転試験片 17 静止試験片 18 加圧軸 49 コイルばね 52 ホルダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 3/00 - 3/62

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸により支持されて回転する回転試験
    片と、静止試験片を相互に押し付けた状態で摩擦・摩耗
    試験をするものであって、 主軸と同軸線上に、静止試験片を支持するための加圧軸
    を、主軸と対向して配置し、 この加圧軸に支持された球面軸受にホルダを外設し、こ
    のホルダに静止試験片を支持してなる摩擦・摩耗試験装
    置において、 加圧軸を軸方向に移動自在に構成し、 加圧軸の先端部に、球面軸受から力を受けてその軸方向
    の熱変形を吸収する変位吸収機構を設けたことを特徴と
    する摩擦・摩耗試験装置。
  2. 【請求項2】 略水平の試験摩擦面を有するディスク形
    状の回転試験片の上方に静止試験片を配置し、 ホルダには、その外周面に一端が開口し、他端が回転試
    験片上に対向する端面に開口する潤滑油供給孔が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の摩擦・摩耗試
    験装置。
  3. 【請求項3】 加圧軸上に加圧装置を、それらの軸線が
    略1直線になるように設けたことを特徴とする請求項1
    記載の摩擦・摩耗試験装置。
  4. 【請求項4】 加圧軸と加圧装置の間に、軸線が加圧軸
    と加圧装置の軸線と略1直線になるようにロードセルを
    設けたことを特徴とする請求項3記載の摩擦・摩耗試験
    装置。
  5. 【請求項5】 試験速度を任意に変化させる変速装置を
    備えていることを特徴とする請求項1記載の摩擦・摩耗
    試験装置。
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