JPH0829313A - 摩擦摩耗試験装置 - Google Patents

摩擦摩耗試験装置

Info

Publication number
JPH0829313A
JPH0829313A JP16430594A JP16430594A JPH0829313A JP H0829313 A JPH0829313 A JP H0829313A JP 16430594 A JP16430594 A JP 16430594A JP 16430594 A JP16430594 A JP 16430594A JP H0829313 A JPH0829313 A JP H0829313A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test piece
friction
support device
load
stationary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16430594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3379727B2 (ja
Inventor
Takae Watanabe
孝栄 渡辺
Koji Watanabe
浩二 渡辺
Kazuhiro Takahashi
一洋 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Priority to JP16430594A priority Critical patent/JP3379727B2/ja
Publication of JPH0829313A publication Critical patent/JPH0829313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3379727B2 publication Critical patent/JP3379727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際の摺動部品を摩擦摩耗試験装置に装着し
て摩擦試験を行う。 【構成】 本発明による摩擦摩耗試験装置は、内部空間
5aを形成するフレーム5と、密閉可能なフレーム5の
内部空間5a内に回転試験片10を支持する主軸1を備
えた回転支持装置Aと、フレーム5の内部空間5a内で
主軸1上に支持される回転試験片10に対して静止試験
片15を相対的移動可能に支持する静止支持装置Bと、
静止支持装置Bに荷重を加えて回転試験片10に対して
静止試験片15を押圧する負荷装置Cと、回転試験片1
0から静止試験片15に加えられる摩擦力を測定するロ
ードセル32とを備えている。回転試験片10と静止試
験片15との摺動部の当たり状態を変えずに、摩擦力を
適切かつ連続的に測定でき、摩耗の進行中に摩擦力を正
確かつ連続的に測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦摩耗試験装置、特
に実際の摺動部品を装着して摩擦試験を行うことのでき
る摩擦摩耗試験装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】金属、プラスチック、セラミック、その
他の材料又はそれらの表面に形成された被膜等の摺動特
性を評価し又は摩擦摩耗に及ぼす潤滑油の影響を評価す
るため、摩擦摩耗試験装置が使用されている。また、冷
凍庫、冷蔵庫、空調機器の冷媒を圧縮するため、電力消
費量の少ないロータリピストン型コンプレッサが多用さ
れている。ロータリピストン型コンプレッサでは、線接
触に近い状態でディスク状のベーンがローラシリンダの
円筒凸面に摺動するので、接触部の面圧が高く焼き付き
及び摩耗が発生しやすい。このため、従来から耐摩耗性
耐焼き付き性に優れた材料でベーン及びローラシリンダ
を成形したり、ベーン及びローラシリンダに表面改質層
を設けていた。コンプレッサで圧縮する冷媒として使用
するフロンは、塩素を含み、摺動部の表面に塩化物を形
成するため、形成される塩化物の潤滑効果によって焼き
付き及び摩耗を軽減する作用を生じた。潤滑油中に添加
される極圧添加剤は高荷重下の境界潤滑状態で油膜強度
を増加して、油膜の破断による摩擦面間の焼き付きを防
止する作用を生ずるが、フロン中の塩素はベーンとロー
ラシリンダとの間で極圧添加剤として作用する。
【0003】然るに、塩素を含むフロンはオゾン層を破
壊する懸念があり、このため塩素を含まない代替冷媒に
置換することが必要であるが、塩素を含まない代替冷媒
では、極圧添加剤としての作用が生じない欠点がある。
【0004】更に、現在検討されている代替冷媒は、従
来より使用されている鉱油系の潤滑油とほとんど溶けあ
わず、相溶性がない。このため相溶性のあるポリアルキ
ルグリコール(PAG)又はエステル系に潤滑油を置換
する必要がある。ところが、相溶性のある潤滑油は、従
来の鉱油系潤滑油に比べて油膜維持能力が低いので、高
圧下や高せん断速度条件下では、ベーンとローラシリン
ダの間で摩耗又は焼き付きが発生しやすい難点がある。
【0005】このため、より摺動特性の優れた材質及び
表面改質層に置換してベーン及びローラシリンダを形成
する必要があり、極圧添加剤を添加して摩擦摩耗を減少
できる潤滑油が必要となっている。
【0006】実際のコンプレッサを用いてベーン及びロ
ーラシリンダの材質及び表面改質層の摩耗試験又は潤滑
油の評価試験を行うと、多大の費用と時間を要すると共
に、過酷な条件で試験を行うことが困難である。
【0007】このため、下記の特徴を備えた簡便な加速
摩擦摩耗試験装置が求められていた。
【0008】(1) 広範囲の摺動速度で評価できる。
【0009】(2) 大きな負荷荷重を使用できる。
【0010】(3) 実際の部品又は実際の部品から削
り出した試験片を使用できる。
【0011】(4) 空気及び水分を含まずかつ任意の
比率で冷媒と潤滑油とを混合した潤滑条件の下で、また
実機試験に近似する温度及び圧力下で試験できる。
【0012】摺動速度が低速の場合、油膜の形成が困難
であり厳しい試験条件となるのに対して、高速の場合、
摺動熱に伴う温度上昇により油膜が破断しやすくやはり
厳しい試験条件となる。このため、加速摩擦試験を行う
場合、実際の摺動速度に対してより低速又はより高速の
条件が必要である。同様に、加速摩擦試験では、試験片
に対する負荷は、実機よりも高荷重であることが必要で
あるが、線接触で加速摩擦試験を行う場合には、負荷荷
重の精度を特に高くすることが必要である。
【0013】鋳造材料の摩耗試験用試験片では、同一成
分でも肉厚が変化すると冷却速度の影響を受けて組織が
変化したり、不均一成分又は熱処理工程に起因する不均
一な硬度が摩耗試験の結果に影響を与える。このため、
実際の部品自体か又は実際の部品から削り出して試験片
を作成することが必要である。この観点から、ロータリ
ピストン型コンプレッサのベーンとロータシリンダの摩
耗試験の際に、実際のロータシリンダと同様の円筒凸面
状に試験片を形成し、ベーンの試験片との摺動面に線接
触に近い状態で摺動させると共に、接触部の面圧を高く
して、焼き付き及び摩耗が発生しやすい状態に取り付け
ることが重要である。また、表面仕上げ加工も摩耗試験
に影響を与えるので、加工方法と表面荒さを実際の部品
と同一とすることも必要である。このため、実際の部品
自体又は実際の部品から削り出して試験片を作成する
と、試験装置でのシミュレーション結果は実際のコンプ
レッサを稼動した場合の結果に極めて近似する。しか
し、試験片の摺動面を円筒凸面とし線接触に近い状態で
摺動させる摩擦試験では、試験中に線接触する試験片が
偏荷重の面圧となったり、接触部が移動しないことが評
価の上で特に重要である。
【0014】水分又は空気を含む試験雰囲気では、摺動
面に酸化皮膜が形成されやすい。実際のコンプレッサで
は、試験雰囲気を真空排気した後、潤滑油及び冷媒を注
入する。このため、摩耗装置の容器内に試験片を密閉状
態で配置し、真空排気後に冷媒と潤滑油とを注入するこ
とが必要である。密閉するフレームの内部空間の容積
は、安全面から極力小さいことが望ましい。またフレー
ムの内部空間の容積が小さいと、少量の冷媒や潤滑油を
注入すればよいから経済的でもある。
【0015】冷媒雰囲気の圧力によって焼き付き圧力は
変化する。一般的に、雰囲気圧力が高いほど焼き付きは
発生しにくい傾向にあるが、冷媒及び潤滑油の種類、構
成部品の材質によってバラツキがある。このため、摩耗
試験では雰囲気圧力を1平方センチメートル当たり30
Kg程度まで変化できることが必要である。
【0016】例えば、特開平4−191637号公報に
は高圧雰囲気摩擦摩耗試験装置が提案されている。図3
に示すこの高圧雰囲気摩擦摩耗試験装置は、試験摺動部
を収納する圧力容器65と、電動機56により回転駆動
される駆動側シャフト57と、電動機58によりギヤ機
構59を介して荷重負荷される固定試験片側シャフト6
0とを備えている。メカニカルシール軸受容器61を介
して駆動側シャフト57の端面は圧力容器65内に収納
される。また、固定試験片側シャフト60も軸シールさ
れ、端面が圧力容器65内に収納されている。シャフト
57、60の各端部には継手を介して試料62が取付け
られ、試料62に荷重を負荷しながら回転させて摩耗試
験が行われる。駆動側シャフト57と固定試験片側シャ
フト60の軸心方向はほぼ平行な位置関係にあり、試料
の一方はディスク状の平面体に限られる。以下このよう
な摺動方式をピンオンディスク方式という。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ピンオンディスク方式
の摩擦摩耗試験装置を用いて、ベーンとローラシリンダ
の摺動特性を評価する場合、図4に示す摺動方式が用い
られる。図5は図4のB−B断面からの矢視図である。
駆動側シャフト57に対して放線状に取り付けた試料6
2を固定側試験片63と接触させ、ベーン側ピン試料6
2の摺動方向を実態に近付けている。このように、実際
のベーンを装着できるが、実際のローラシリンダを装着
できない。そのため、摺動面の潤滑状態及び両試験片の
接触面圧は実際と異なり、更に材質及び表面粗さも実際
の部品と異なることが多く、試験結果と実機との近似性
が得られない問題があった。
【0018】また、実開平4−104559号に開示さ
れた特殊雰囲気摩擦試験機では、円筒形状の回転片の外
周円筒面に対して固定片を押し付け、試験機内の圧力変
化に影響されずに摩擦力を計測できる特徴がある。この
試験機は、実際の部品又は部品から削り出した試験片を
装着でき、ある程度実機に近似する評価結果が得られる
利点がある。しかし、摩擦摩耗状態を正確に測定でき
ず、大きな内容積の容器を必要とする欠点がある。即
ち、実開平4−104559号の特殊雰囲気摩擦試験機
では、摩擦力の大きさに応じて荷重検出器に負荷を与
え、負荷に応じた荷重検出器の微小な弾性変位を測定し
て摩擦力を検出している。また固定試験片を加圧する負
荷発生装置がケーシングの上部下面に揺動可能な状態で
軸着される。従って摩擦力により、軸着部を支点として
固定片が回転して変位が発生する。このため、試験初期
では、固定片の摺動面は線接触状態であるが、摩擦力の
変化に伴い固定片側の試験摺動部(線接触状態)の位置
が移動して試験初期の摺動部分とは異なる部分で摺動す
るため、試験の結果にバラツキが発生しやすい欠点があ
る。また、摩耗進行中に、固定片の摺動面は線接触から
面接触に移行するが、この場合でも摩擦力の発生により
それまでの摺動部分とは異なる部分で摺動する。更に、
摩耗によって形成される湾曲形状により、摩擦力を検出
する方向への摩擦力伝達棒の移動が阻害され、摩擦力を
正確に測定できない。
【0019】更に、前記公報の試験装置では、固定試験
片を加圧する負荷発生装置を密閉容器内に取付けるため
に、フレームの内部空間の内容積が大きくなる欠点があ
る。このため、摩耗試験に多量の冷媒及び潤滑油を必要
とし、試験雰囲気の高圧化が困難となり、更に安全性の
面からも高圧ガス取締法の規制対象となる。
【0020】従来、ロータリピストン型コンプレッサを
構成するベーン及びローラシリンダの摺動特性を的確に
評価できる試験機は皆無であった。したがって、実際の
コンプレッサを用いるしかなく、評価に多大の費用と長
期間を必要とした。更に、最も正確に評価すべきベーン
とローラシリンダ間の摺動のみを簡便に評価することは
できなかった。
【0021】そこで、本発明は実際の摺動部品を装着し
て摩擦試験を行うことのできる摩擦摩耗試験装置を提供
することを目的とする。
【0022】本発明は、摺動部の当たり状態を変えず
に、摩擦力を適切かつ連続的に測定でき、摩耗の進行中
に摩擦力を適切かつ連続的に測定できる摩擦摩耗試験装
置を提供することを目的とする。
【0023】本発明は、円筒形状の回転試験片の外周円
筒面に対して固定片を押し付けて摩擦試験を行う摩擦摩
耗試験装置を提供することを目的とする。
【0024】本発明は、小さい内容積の内部空洞を使用
して高精度で摺動特性を検出できる摩擦摩耗試験装置を
提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明による摩擦摩耗試
験装置は、密閉可能な内部空間を有するフレームと、フ
レームの内部空間内に回転試験片を支持する主軸を備え
た回転支持装置と、フレームの内部空間内で主軸上に支
持される回転試験片に対して静止試験片を相対的に移動
可能に支持する静止支持装置と、静止支持装置に荷重を
加えて回転試験片に対して静止試験片を押圧する負荷装
置と、回転試験片から静止試験片に加えられる摩擦力を
測定するロードセルとを備えている。この摩擦摩耗試験
装置では、回転支持装置の主軸とほぼ同一軸上に回転力
伝達手段を回転可能に支持し、静止支持装置を回転力伝
達手段に取付け、回転試験片を回転させて、固定試験片
に対して回転試験片を摺動させたときに発生する静止支
持装置の回転力を回転力伝達手段を介してロードセルに
伝達する。本発明の実施例では、回転力伝達手段は、回
転支持装置の主軸とほぼ同一位置の軸上に回転可能に配
置されかつ静止支持装置を支持するロータリハウジング
と、ロータリハウジングに設けられたリニアレールと、
ロータリハウジングに一端を固定されかつロードセルに
連絡するした伝達アームとを備えている。静止支持装置
は静止試験片を支持するホルダと、ホルダに固定されか
つリニアレールに沿って回転支持装置の主軸に対して径
方向に移動可能なリニアブロックを備えている。回転力
伝達手段は、伝達ロッドを介して伝達アームからロード
セルに回転力を伝達する。ロータリハウジングはローラ
リングによりフレームに回転可能に支持される。伝達ロ
ッドの周囲に設けられたベローズにより内部空洞内の圧
力が保持される。ロードセルに偏位力を与える錘の予備
負荷を予圧ロッド及び伝達アームの他端を通じてロード
セルに加える。予圧ロッド及び伝達ロッドの周囲にべロ
ーズを設け、内部空洞内の圧力を相殺する。静止支持装
置は回転可能に設けられた転動体を備え、負荷装置はフ
レームの内部空間から外部に延び出す押圧ロッドと、押
圧ロッドの周囲に設けられたベローズとを備え、押圧ロ
ッドの端部は静止支持装置の転動体に当接する。フレー
ムの内部空間から突出する押圧ロッドの端部にロードセ
ルが設けられる。内部空洞内の圧力を検出する圧力セン
サが設けられる。リニアブロックはリニアレールに対し
て転がり支持され、ロータリハウジングはローラリング
を介してフレームに回転可能に支持される。静止支持装
置は自重分の重量を除去する釣合支持装置を備えてい
る。
【0026】
【作用】密閉可能なフレームの内部空間内で回転支持装
置の主軸に回転試験片を装着すると共に、静止試験片を
静止支持装置に装着した後、静止支持装置を移動して静
止試験片を回転試験片に当接させる。主軸に装着する回
転試験片及び静止支持装置に装着する静止試験片はいず
れも実際の摺動部品又は実際の摺動部品からの切り出し
品を装着することができる。次に、負荷装置により静止
支持装置に所定の荷重を加えて回転試験片に対して静止
試験片を押圧する。続いて、主軸を回転して静止試験片
に対して回転試験片を摺接させる。回転試験片を回転さ
せて、固定試験片に対して回転試験片を摺動させたとき
に発生する静止支持装置の回転力は回転力伝達手段を介
してロードセルに伝達され、ロードセルに微小な弾性変
位を与える。ロードセルは、回転試験片から静止試験片
に加えられる摩擦力を測定すると共に、ロードセルに付
与される摩擦力と釣り合う変位で静止支持装置の回転運
動が静止される。
【0027】回転支持装置の主軸とほぼ同一軸上に静止
支持装置が回転可能に支持されるので、ロードセルに変
位が生じたとき、回転試験片と静止試験片との間に発生
する摺動部の変動を抑制することができる。このため、
回転試験片と静止試験片との摺動部の当たり状態を変え
ずに、摩擦力を適切かつ連続的に測定でき、摩耗の進行
中に摩擦力を正確かつ連続的に測定できる。また、小さ
な内容積のフレームの内部空間内に回転試験片及び静止
試験片を配置できるので、内部空洞内に供給する冷媒及
び潤滑油等の摩擦雰囲気を形成する物質の量を減少する
ことができる。回転試験片の直径より大きな直径を持つ
回転力伝達手段を経て、主軸の中心軸から大きな半径の
接線に沿う回転力を取り出すので、回転試験片と静止試
験片との間の摩擦力を拡大して精密に測定することがで
きる。
【0028】また、摺動部に摩耗が進行したとき、静止
支持装置を移動して静止試験片を回転試験片に押圧する
と共に、静止試験片の摺動位置を変えずに正確な押圧力
を摺動部へ付加できる。このため、摩耗の進行中でも、
正確にかつ連続的に摩擦力を検出することができる。
【0029】更に、試験中に内部空洞内の圧力を真空か
ら高圧まで変化させても、内部空洞内の圧力が2個の連
結されたベローズに均等に加わるため、ロードセルの測
定精度に影響を及ぼさない。このように内部空洞内の圧
力変動に影響されず且つ摺動面の当たり位置を変えず
に、フレームの外部に設けられたロードセルにより正確
に摩擦力を検出することができる。押し付け荷重の伝達
部を転動体により転がり支持するため、静止支持装置に
微少な回転変位が生じても、ロードセルの摩擦力検出に
重大な影響を及ぼさない。ベローズを介した内部空洞内
外のシールを行うため、ピストンとシリンダでのシール
機構のような大きな動作抵抗の損失は生じない。
【0030】更に、荷重検出用ロードセルにより静止試
験片に負荷される荷重を検出すると共に、圧力センサに
より内部空洞内圧力を計測するため、ベローズの有効断
面積に基づく押圧ロッドへの負荷力として内部空洞内の
圧力を補正することができ、押し付け荷重検出用ロード
セルにより補正された押圧力を検出することができる。
このように、内部空洞内圧の変動に対しても補正がで
き、フレームの外部に設けたロードセルにより、内部空
洞外部からの正確な押圧荷重を付加することができる。
【0031】釣合支持装置は静止支持装置の自重分の重
量を除去するので、摩擦力の検出に悪影響を及ぼさず
に、摺動部へ作用する最低押し付け力の値を下げ、極め
て小さな押し付け荷重から高精度で摩擦試験の実施が可
能となる。
【0032】
【実施例】以下、この発明による高圧雰囲気摩擦摩耗試
験装置の実施例を図1〜図2について説明する。
【0033】図1は本発明による摩擦摩耗試験装置の実
施例を示す側面断面図であり、図2は図1の2−2線に
沿う断面図である。図1及び図2に示すように、本発明
による摩擦摩耗試験装置は、内部空間5aを形成するフ
レーム5と、密閉可能なフレーム5の内部空間5a内に
回転試験片10を支持する主軸1を備えた回転支持装置
Aと、フレーム5の内部空間5a内で主軸1上に支持さ
れる回転試験片10に対して静止試験片15を相対的移
動可能に支持する静止支持装置Bと、静止支持装置Bに
荷重を加えて回転試験片10に対して静止試験片15を
押圧する負荷装置Cと、回転試験片10から静止試験片
15に加えられる摩擦力を測定するロードセル32とを
備えている。
【0034】回転支持装置Aの主軸1はラジアル軸受
2、3を介して軸受ケース4に回転可能に支持され、ラ
ジアル軸受2は、フレーム5の内外の圧力差により生じ
る主軸1へのスラスト荷重も支持する。軸受ケース4は
主軸1をほぼ水平に保持する状態で、内部空洞5aを有
するフレーム5の側壁にボルト4aで締結され、フレー
ム5にはカバー6がボルト6aで固定されて、内部空洞
5aが閉鎖される。フレーム5とカバー6との間に設け
られたOリング7により内部空洞5aは外部に対して密
封状態に保持される。カバー6に設けたラジアル軸受8
は主軸1の端部を回転可能に支持し、詳細な説明を省略
するが、フレーム5の内部でも主軸1を回転支持する装
置が設けられる。主軸1とフレーム5との間に設けられ
たメカニカルシール9は、主軸1の周囲で内部空洞5a
と外部との間を密封する。内部空間5a内で、ロータリ
ピストン型コンプレッサに使用するローラシリンダ自体
又はほぼ同一形状の円筒状を有する回転試験片10はホ
ルダ11を介して主軸1に固定される。回転検出用歯車
13を伴うプーリ12が主軸1に固定され、図示しない
ベルト及び電動機によりプーリ12は回転駆動され、主
軸1の回転速度は回転検出器14により検出される。ち
なみに、回転試験片10の外径寸法は35〜45mm、
主軸1の回転数は30〜6,000rpmである。
【0035】ロータリピストン型コンプレッサを構成す
るベーン自体、ベーンから削り出されたピン状又はブロ
ック状の静止試験片15は回転試験片10の外周面に接
触しかつ回転試験片10に主軸1の軸心方向で上方から
押圧される。静止試験片15は円筒状等他の形状でもよ
い。回転試験片10に対して静止試験片15を押圧する
状態で、主軸1及び回転試験片10を回転させ、回転試
験片10と静止試験片15とを摺動させる。ロータリピ
ストン型コンプレッサを構成するベーン自体とローラシ
リンダ自体との摺動状態又これに極めて近似し、実機試
験での評価結果に実質的に符合する結果が得られ、時間
と費用のかさむ実機試験評価の負担を大幅に軽減させる
ことが可能となる。
【0036】静止支持装置Bは回転支持装置Aの主軸1
とほぼ同一位置の軸上に回転可能に配置されたロータリ
ハウジング20と、ロータリハウジング20に設けられ
たリニアレール19と、リニアレール19に沿って直線
運動可能なリニアブロック17を備えかつ静止試験片1
5を支持するホルダ16とを備えている。ロータリハウ
ジング20はローラリング21を介してフレーム5に回
転可能に支持される。ロータリハウジング20はローラ
リング21の外輪に固定され、ローラリング21の内輪
はフレーム5に固定されるが、ローラリング21の軸心
は主軸1の軸心にほぼ一致する。リニアブロック17の
ガイド部となるリニアレール19はロータリハウジング
20に固定され、リニアブロック17はリニアレール1
9に対して転がり支持される。静止支持装置Bを構成す
るホルダ16を支持するプレート18は、主軸1の軸心
に対して接近又は離間する方向に移動可能なリニアブロ
ック17に固定される。即ち、この摩擦摩耗試験装置で
は、回転支持装置Aの主軸1とほぼ同一軸上に静止支持
装置Bが回転可能に支持される。
【0037】静止試験片15を保持するホルダ16は、
リニアブロック17及びプレート18と共に、主軸1の
軸心に対して接近又は離間する方向にリニアレール19
に沿って移動できる。動作抵抗の軽減を図るため、リニ
アブロック17とリニアレール19は図示しない転がり
支持機構を介して連結される。
【0038】図2に示すように、回転力伝達手段Dは、
リニアレール19を支持するロータリハウジング20
と、フレーム5上にロータリハウジング20を回転可能
に支持するローラリング21と、ロータリハウジング2
0に一端を固定した伝達アーム22と、伝達アーム22
の他端とロードセル32との間に設けられた伝達ロッド
31とを備えている。ロードセル32はフレーム5の内
部空間5aから突出する伝達ロッド31の端部に設けら
れる。ロータリハウジング20に固定された伝達アーム
22は主軸1に対してほぼ直角にかつ水平に内部空洞5
a内で延びる。伝達アーム22の端部に形成された貫通
孔22aには一対のブッシュ23a、24aが装着さ
れ、ブッシュ23b、24b内にはボルト25が装着さ
れる。ボルト25の下端にナット26が連結され、ボル
ト25がブッシュ23a、24a内に固定される。フレ
ーム5には一対の貫通孔5b、5cが形成され、各貫通
孔5b、5cには同一形状のベローズ23、24がそれ
ぞれ配置される。ベローズ23の上方には、Oリング2
7を介してブッシュ23aがフレーム5に固定される。
ブッシュ23aにはリニアブッシ36が固定される。O
リング27、ブッシュ23a及びリニアブッシュ36内
を貫通して延びる予圧ロッド34の上端には錘35が結
合され、下端はボルト25の頭部に当接する。ベローズ
23と同様に、ベローズ24の下方には、Oリング28
を介してブッシュ24aにはリニアブッシュ36が固定
される。Oリング28、ブッシュ24a及びリニアブッ
シュ33内を貫通して延びる伝達ロッド31の下端はフ
レーム5の外壁に固定されたロードセル32に当接し、
上端はボルト25の下端に当接する。連結ボルト25の
上方に配置された予圧ロッド34、ボルト25及び伝達
ロッド31はほぼ同軸上に点接触状態で配置され、錘3
5によりロードセル32に一定の圧縮荷重を負荷する。
予圧ロッド34は、リニアブッシュ36を介して、フラ
ンジ23aに直線動作可能に転がり支持される。伝達ロ
ッド31は、リニアプッシュ33を介して、ブッシュ2
4aに直線運動可能に取り付けられる。ベローズ23、
24の各両端はブッシュ23a、23b、24a、24
bに溶接結合される。ブッシュ23bと24bはボルト
25とナット26により伝達アーム22の端部に固定さ
れる。ベローズ23、24は、ロータリハウジング20
及びローラリング21の回転方向に伸縮可能であり、ブ
ッシュ23a、24aはOリング27、28により密封
された状態でフレーム5と接触する。同様に、ブッシュ
23b、24bと伝達アーム22の端部との間はOリン
グ29、30により密封される。伝達ロッド31の周囲
に設けられたベローズ24及び予圧ロッド34の周囲に
設けられたべローズ23により内部空間5a内の圧力が
保持される。ロードセル32に偏位力を与える錘35の
予備負荷が予圧ロッド34及び伝達アーム22の他端を
通じてロードセル32に加えられる。
【0039】伝達ロッド31の上端はボルト25の下端
に点接触状態で接触し、ボルト25からの回転力をロー
ドセル32に伝達する。回転試験片10を回転させて、
静止試験片15に対して回転試験片10を摺動させたと
きに発生する静止支持装置Bの回転力は、回転力伝達手
段Dを介してロードセル32に伝達される。
【0040】静止試験片15を保持するホルダ16の上
方には、転動体(ローラフォロア)37が静止支持装置
Bに回転自在に設けられる。転動体37の回転軸心は、
主軸1の軸心とほぼ平行でありかつ回転試験片10と静
止試験片15との接触部と主軸1の軸心を通る平面上に
ほぼ配置される。
【0041】負荷装置Cはフレーム5の内部空間5aか
ら外部に延び出す押圧ロッド38と、押圧ロッド38の
周囲に設けられたベローズ39とを備えている。フレー
ム5の上方突出部5dには貫通孔43aを備えた円筒部
43がボルト43aにより固定され、貫通孔43a内に
は押圧ロッド38が配置される。押圧ロッド38の下端
は静止支持装置Bの転動体37の外輪に当接し、上端は
貫通孔43aから突出し、押圧力を検出するロードセル
44が取り付けられる。ロードセル44は、押圧ロッド
38を介して静止支持装置Bに与える負荷を測定する。
例えば、ロードセル44により検出する荷重制御範囲は
0.01〜40kgfである。貫通孔43a内で押圧ロ
ッド38の外周部にはベローズ39が取り付けられ、ベ
ローズ39の下端にはOリング40が設けられると共
に、ブッシュ39bが固定され、ブッシュ39bにベロ
ーズ39が溶着される。円筒部43の上端にはブッシュ
39aがOリング41を介してボルトにより固定され、
ベローズ39の上端はブッシュ39aに溶着される。ベ
ローズ39、ブッシュ39a、39b及びOリング4
0、41はフレーム5の内部空洞5aを密封する。円筒
部43にはブッシュ39aの上部にリニアブッシュ42
がボルトにより固定され、押圧ロッド38は円筒部43
内で直線運動可能に転がり支持される。
【0042】フレーム5には内部空洞5a内の圧力を検
出する圧力センサ45が設けられ、圧力センサ45によ
りフレーム5内の圧力を計測し、計測した圧力値とベロ
ーズ39の有効断面積から計算される押圧ロッド38に
加えられる反力の大きさを負荷荷重に補正することによ
り、転動体37に加わる実際の荷重値を正確に知ること
ができる。雰囲気圧力範囲は、1平方センチメートル当
たり0〜32kgf(ゲージ圧)である。
【0043】静止支持装置Bには自重分の重量を除去す
る釣合支持装置Eが設けられる。釣合支持装置Eは、ロ
ータリハウジング20に固定された台座46と、台座4
6に固定された固定ばね支持体47と、固定ばね支持体
47の上方に配置されかつプレート18に固定された可
動ばね支持体48と、固定ばね支持体47と可動ばね支
持体48との間に配置された2本の圧縮ばね49a、4
9bとを備えている。プレート18は圧縮ばね49a、
49bの上方に遊動状態に保持され、プレート18を支
持するホルダ16、ホルダ16に支持される静止試験片
15及び転動体37及びプレート18に固着されたリニ
アブロック17は圧縮ばね49a、49b上に支持され
る。このため、静止試験片15、ホルダ16、リニアブ
ロック17、プレート18、転動体37の重量をキャン
セルして、ロードセル44の上方に取り付けられる荷重
負荷装置Cの荷重のみが静止試験片15を通じて回転試
験片10に加えられると共に、極めて小さな荷重から高
荷重まで広い荷重範囲の試験を行うことができる。この
場合、異なる寸法の回転試験片10及び静止試験片15
に対応するため、固定ばね支持体47に長孔47aを設
け、長孔47aの所望の位置で固定できるボルト47b
により、可動ばね支持体48の位置を調整して、荷重負
荷方向に対して無負荷状態の回転試験片10の位置を調
節してもよい。例えば、圧縮ばね49a、49bの極軽
荷重用ばね定数は、0.05kgf/mmであり、試験
中に発生する摩耗による微小な変位に対して、押圧荷重
の変動を最小限度に抑制することができる。また、ロー
ドセル32による微小な変位が生じ、ローラリング21
が微小角度で回転しても、転がり支持された転動体37
上に押圧荷重の作用点があるため、摩擦力検出精度面へ
の重大な影響は及ぼさない。
【0044】フレーム5は熱媒体が通過する溝50aを
形成した下部熱交換プレート50を介してベース51に
固定される。所定の温度に加熱又は冷却された熱媒体は
下部熱交換プレート50の溝50aを通過するとき、フ
レーム5の底壁と接してフレーム5を加熱又は冷却し、
フレーム5の内部空間5a内の潤滑油及び冷媒等の熱媒
体を加熱又は冷却する。フレーム5の側面に取り付けた
側部熱交換プレート52も溝が形成され、下部熱交換プ
レート50と同様の作用を生ずる。所望の混合比と量の
熱媒体、熱媒体と潤滑油との混合物及び潤滑油を上部ス
トップバルブ53を介してフレーム5の内部空間5a内
に注入する。この場合、水分及び空気の影響を避けるた
めに、フレーム5の内部空間5aを図示しない真空ポン
プにより真空まで排気した後に、冷媒と潤滑油を注入す
るとよい。また、フレーム5の内部空間5a内の圧力が
設定圧力(1平方センチメートル当たり32kgf)を
越えて上昇したとき、安全弁54が自動的に開弁する。
フレーム5の下側に設けた下部ストップバブル55を開
弁することにより、試験後に熱媒体、熱媒体と潤滑油と
の混合物及び潤滑油を内部空洞5aからフレーム5外へ
容易に排出することができる。
【0045】上記の構成において、摩擦試験を行う場
合、フレーム5の内部空間5a内で回転支持装置Aの主
軸1に回転試験片10を装着すると共に、静止試験片1
5を静止支持装置Bに装着した後、静止支持装置Bを移
動して静止試験片15を回転試験片10に当接させる。
主軸1に装着する回転試験片10及び静止支持装置Bに
装着する静止試験片15はいずれも実際の摺動部品を装
着することができる。その後、ボルト6aでカバー6を
フレーム5に固定して、内部空洞5aを密閉する。この
状態で、上部ストップバルブ53を通じて内部空洞5a
内に潤滑油及び熱媒体を供給する。同時に、下部熱交換
プレート50及び側部熱交換プレート52の溝に熱媒体
を供給して、フレーム5を加熱又は冷却し、内部空洞5
a内を所定の圧力に保持する。次に、負荷装置Cにより
静止支持装置Bに所定の荷重を加えて回転試験片10に
対して静止試験片15を押圧する。
【0046】続いて、主軸1を回転して静止試験片15
に対して回転試験片10を摺接させる。静止試験片15
に対して回転する回転試験片10を摺動させたときに摩
擦力に起因して発生する静止支持装置Bの回転力は回転
力伝達手段Dを構成するロータリハウジング20、伝達
アーム22及び伝達ロッド31を介してロードセル32
に伝達され、ロードセル32に微小な弾性変位を与え
る。回転試験片10の直径より大きな直径を持つロータ
リハウジング20に固定した伝達アーム22を経て、主
軸1の中心軸から大きな半径の接線に沿う回転力を取り
出すので、回転試験片10と静止試験片15との間の摩
擦力を拡大して精密に測定することができる。ロードセ
ル32は、回転試験片10から静止試験片15に加えら
れる摩擦力を測定すると共に、ロードセル32に付与さ
れる摩擦力と釣り合う変位で静止支持装置Bの回転運動
が静止される。回転試験片10の直径より大きな直径を
持つロータリハウジング20に固定した伝達アーム22
を経て、主軸1の中心軸から大きな半径の接線に沿って
直線方向の回転力を取り出すので、摩擦力を正確に測定
することができる。
【0047】回転支持装置Aの主軸1とほぼ同一軸上に
静止支持装置Bが回転可能に支持されるので、ロードセ
ル32に変位が生じたとき、回転試験片10と静止試験
片15との間に発生する摺動部の変動を抑制することが
できる。このため、回転試験片10と静止試験片15と
の摺動部の当たり状態を変えずに、摩擦力を適切かつ連
続的に測定でき、摩耗の進行中に摩擦力を正確かつ連続
的に測定できる。また、小さな内容積のフレーム5の内
部空間5a内に回転試験片10及び静止試験片15を配
置できるので、内部空間5a内に供給する冷媒及び潤滑
油等の摩擦雰囲気を形成する物質の量を減少することが
できる。
【0048】摺動部に摩耗が進行したとき、静止支持装
置Bを移動して静止試験片15を回転試験片10に押圧
すると共に、静止試験片15の摺動位置を変えずに正確
な押し付け力を摺動部へ付加できる。このため、摩耗の
進行中でも、正確にかつ連続的に摩擦力を検出すること
ができる。
【0049】更に、試験中に内部空間5a内の圧力を真
空から高圧まで変化させても、内部空間5a内の圧力が
2個の連結されたベローズに均等に加わるため、ロード
セル32の測定精度に影響を及ぼさない。このように内
部空間5a内の圧力変動に影響されず且つ摺動面の当た
り位置を変えずに、フレーム5の外部に設けられたロー
ドセル32により正確に摩擦力を検出することができ
る。押し付け荷重の伝達部を転動体37により転がり支
持するため、静止支持装置Bに微少な回転変位が生じて
も、ロードセル32の摩擦力検出に重大な影響を及ぼさ
ない。ベローズを介した内部空間5a内外のシールを行
うため、ピストンとシリンダでのシール機構のような大
きな動作抵抗の損失は生じない。
【0050】更に、荷重検出用ロードセル32により静
止試験片15に負荷される荷重を検出すると共に、圧力
センサ45により内部空間5a内圧力を計測するため、
ベローズの有効断面積に基づく押圧ロッド38への負荷
力として内部空間5a内の圧力を補正することができ、
押し付け荷重検出用ロードセル32により補正された押
圧力を検出することができる。このように、内部空間5
a内圧の変動に対しても補正ができ、フレーム5の外部
に設けたロードセル32により、内部空間5a外部から
の正確な押し付け荷重を付加することができる。
【0051】釣合支持装置Eは静止支持装置の自重分の
重量を除去するので、摩擦力の検出に悪影響を及ぼさず
に、摺動部へ作用する最低押し付け力の値を下げ、極め
て小さな押し付け荷重から高精度で摩擦試験の実施が可
能となる。摩擦が進行しても、リニアレール19に沿う
リニアブロック17の移動により、常に主軸1方向に小
さな抵抗で追従できる。また、同一形状の2個のベロー
ズ23、24を用いるため、摩擦試験中にフレーム5の
内部空洞5a内で圧力が変化しても、2個のベローズ2
3、24に均等に負荷される。例えば、フレーム5の内
部空洞5a内の圧力が外気圧に対し負圧が作用すると
き、ベローズ23、24の同一の有効断面積に発生する
圧力で伝達アーム22を挟持し、均衡が保持される。一
方、内部空洞5aに外気圧を越える正圧が作用すると、
引張力が連結ボルト25に作用して均衡が保たれる。こ
のように、内部空洞5a内の圧力が変化しても、ロード
セル32での測定精度に影響を及ぼさない。
【0052】本実施例の特徴を列挙すれば次の通りであ
る。
【0053】1 主軸1と同軸上に回転可能に静止試験
片15を保持するので、摺動部が変化しない。
【0054】2 フレーム5の内部空洞5a内の流体圧
力に起因する主軸1へのスラスト荷重はラジアル軸受2
によって支持される。
【0055】3 静止試験片15を径方向に摺動可能に
保持するので、摩擦が進行しても、リニアレール19に
沿うリニアブロック17の移動により、常に主軸1方向
に小さな抵抗で追従できる。また、ロードセル44の荷
重値から常時一定の負荷で回転試験片10に対して静止
試験片15を押圧することが可能となる。
【0056】4 転がり支持された転動体37を介して
ホルダ16に負荷装置Cから押圧荷重を加えるため、静
止支持装置Bに微少な回転変位が生じても、ロードセル
32の摩擦力検出に重大な影響を及ぼさない。
【0057】5 回転試験片10の直径より大きな直径
を持つロータリハウジング20に固定した伝達アーム2
2を経て、主軸1の中心軸から大きな半径の接線に沿う
回転力を取り出すので、回転試験片10と静止試験片1
5との間の摩擦力を拡大して精密に測定することができ
る。
【0058】6 摺動部に摩耗が進行したとき、静止支
持装置Bを移動して静止試験片15を回転試験片10に
押圧すると共に、静止試験片15の摺動位置を変えずに
正確な押し付け力を摺動部へ付加できる。このため、摩
耗の進行中でも、正確にかつ連続的に摩擦力を検出する
ことができる。
【0059】7 小さな内容積のフレーム5の内部空間
5a内に回転試験片10及び静止試験片15を配置でき
るので、内部空間5a内に供給する冷媒及び潤滑油等の
摩擦雰囲気を形成する物質の量を減少することができ
る。
【0060】8 摩擦試験中に負荷装置Cにより連続的
に荷重を変化させ、内部空洞5a内の圧力及び温度を含
む摩擦環境条件を連続的に変化させて、連続的に変化す
る摩耗、連続的に変化する荷重、等連続的に変化する環
境において摩擦を継続的に測定できる。
【0061】9 試験中に内部空間5a内の圧力を真空
から高圧まで変化させても、内部空間5a内の圧力が2
個の連結されたベローズに均等に加わるため、ロードセ
ル32の測定精度に影響を及ぼさない。ベローズを介し
て内部空間5a内を密閉するため、ピストンとシリンダ
でのシール機構のような大きな動作抵抗の損失は生じな
い。
【0062】10 ロードセル32により静止試験片1
5に負荷される荷重を検出すると共に、圧力センサ45
により内部空間5a内の圧力を計測するため、ベローズ
の有効断面積に基づく押圧ロッド38への負荷力として
内部空間5a内の圧力を補正することができ、押し付け
荷重検出用ロードセル32により補正された押圧力を検
出することができる。
【0063】11 釣合支持装置Eは静止支持装置の自
重分の重量を除去するので、摩擦力の検出に悪影響を及
ぼさずに、摺動部へ作用する最低押し付け力の値を下
げ、極めて小さな押し付け荷重から高精度で摩擦試験の
実施が可能となる。
【0064】
【発明の効果】前記のように、本発明による摩擦摩耗試
験装置では、摺動部の当たり状態を変えずに、実際の摺
動部品を装着して摩擦力を測定できる。摩耗の進行中で
も、適切かつ連続的に摩擦環境条件を変動させて摩擦試
験を行うことができる。また、小さい内容積の内部空洞
を使用して高精度で摺動特性を検出できる。簡便に短時
間で行うことができるため、フロン規制に対応して種々
の摩擦試験を行うことができ、実機試験と同様の実用的
な試験効果が得られる。特に冷凍庫、冷蔵庫、空調機器
等で多用されるロータリピストン型コンプレッサの摺動
部品の摺動特性や潤滑油の影響・効果等を正しく評価す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による摩擦摩耗試験装置の実施例を示
す側面断面図
【図2】 図1の2−2線に沿う断面図
【図3】 従来の摩擦摩耗試験装置の断面図
【図4】 従来の摩擦摩耗試験装置の試料取付状態を示
す断面図
【図5】 図4の5−5線に沿う断面図
【符号の説明】
A...回転支持装置、 B...静止支持装置、
C...負荷装置、 D...回転力伝達手段、
E...釣合支持装置、 1...主軸、 5...フ
レーム、 5a...内部空洞、 6...カバー、
10...回転試験片、 11...ホルダ、 1
5...静止試験片、 16...ホルダ、 1
7...リニアブロック、 19...リニアレール、
20...ロータリハウジング、 21...ローラ
リング、 22...伝達アーム、 23、24...
ベローズ、 25...連結ボルト、 32...ロー
ドセル、37...転動体、 38...押圧ロッド、
39...ベローズ、 42...リニアブッシュ、
44...ロードセル、 45...圧力センサ、
49a、49b...圧縮ばね、
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦摩耗試験装置、特
に実際の摺動部品を装着して摩擦摩耗試験を行うことの
できる摩擦摩耗試験装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】金属、プラスチック、セラミック、その
他の材料又はそれらの表面に形成された被膜等の摺動特
性を評価し又は摩擦摩耗に及ぼす潤滑油の影響を評価す
るため、摩擦摩耗試験装置が使用されている。また、冷
凍庫、冷蔵庫、空調機器の冷媒を圧縮するため、電力消
費量の少ないロータリピストン型コンプレッサが多用さ
れている。ロータリピストン型コンプレッサでは、線接
触に近い状態でディスク状のベーンがローラシリンダの
円筒凸面に摺動するので、接触部の面圧が高く焼き付き
及び摩擦摩耗が発生しやすい。このため、従来から耐摩
擦摩耗性耐焼き付き性に優れた材料でベーン及びローラ
シリンダを成形したり、ベーン及びローラシリンダに表
面改質層を設けていた。コンプレッサで圧縮する冷媒と
して使用するフロンは、塩素を含み、摺動部の表面に塩
化物を形成するため、形成される塩化物の潤滑効果によ
って焼き付き及び摩擦摩耗を軽減する作用を生じた。潤
滑油中に添加される極圧添加剤は高荷重下の境界潤滑状
態で油膜強度を増加して、油膜の破断による摩擦面間の
焼き付きを防止する作用を生ずるが、フロン中の塩素は
ベーンとローラシリンダとの間で極圧添加剤として作用
する。
【0003】然るに、塩素を含むフロンはオゾン層を破
壊する懸念があり、このため塩素を含まない代替冷媒に
置換することが必要であるが、塩素を含まない代替冷媒
では、極圧添加剤としての作用が生じない欠点がある。
【0004】更に、現在検討されている代替冷媒は、従
来より使用されている鉱油系の潤滑油とほとんど溶けあ
わず、相溶性がない。このため相溶性のあるポリアルキ
ルグリコール(PAG)又はエステル系に潤滑油を置換
する必要がある。ところが、相溶性のある潤滑油は、従
来の鉱油系潤滑油に比べて油膜維持能力が低いので、高
圧下や高せん断速度条件下では、ベーンとローラシリン
ダの間で摩擦摩耗又は焼き付きが発生しやすい難点があ
る。
【0005】このため、より摺動特性の優れた材質及び
表面改質層に置換してベーン及びローラシリンダを形成
する必要があり、極圧添加剤を添加して摩擦摩耗を減少
できる潤滑油が必要となっている。実際のコンプレッサ
を用いてベーン及びローラシリンダの材質及び表面改質
層の摩擦摩耗試験又は潤滑油の評価試験を行うと、多大
の費用と時間を要すると共に、過酷な条件で試験を行う
ことが困難である。
【0006】従って、下記の特徴を備えた簡便な加速摩
擦摩耗試験装置が求められていた。 (1) 広範囲の摺動速度で評価できる。 (2) 大きな負荷荷重で評価できる。 (3) 実際の部品又は実際の部品から削り出した試験
片を使用できる。 (4) 空気及び水分を含まずかつ任意の比率で冷媒と
潤滑油とを混合した潤滑条件の下で、また実機試験に近
似する温度及び圧力下で試験できる。
【0007】摺動速度が低速の場合、油膜の形成が困難
であり厳しい試験条件となるのに対して、高速の場合、
摺動熱に伴う温度上昇により油膜が破断しやすくやはり
厳しい試験条件となる。このため、加速摩擦試験を行う
場合、実際の摺動速度に対してより低速又はより高速の
条件が必要である。同様に、加速摩擦試験では、試験片
に対する負荷は、実機よりも高荷重であることが必要で
あるが、線接触で加速摩擦試験を行う場合には、負荷荷
重の精度を特に高くすることが必要である。
【0008】鋳造材料の摩擦摩耗試験用試験片では、同
一成分でも肉厚が変化すると冷却速度の影響を受けて組
織が変化したり、不均一成分又は熱処理工程に起因する
不均一な硬度が摩擦摩耗試験の結果に影響を与える。こ
のため、実際の部品自体か又は実際の部品から削り出し
て試験片を作成することが必要である。この観点から、
ロータリピストン型コンプレッサのベーンとロータシリ
ンダの摩擦摩耗試験の際に、実際のロータシリンダと同
様の円筒凸面状に試験片を形成し、ベーンの試験片との
摺動面に線接触に近い状態で摺動させると共に、接触部
の面圧を高くして、焼き付き及び摩擦摩耗が発生しやす
い状態に取り付けることが重要である。また、表面仕上
げ加工も摩擦摩耗試験に影響を与えるので、加工方法と
表面荒さを実際の部品と同一とすることも必要である。
このため、実際の部品自体又は実際の部品から削り出し
て試験片を作成すると、試験装置でのシミュレーション
結果は実際のコンプレッサを稼動した場合の結果に極め
て近似する。しかし、試験片の摺動面を円筒凸面とし線
接触に近い状態で摺動させる摩擦試験では、試験中に線
接触する試験片が偏荷重の面圧となったり、接触部が移
動しないことが評価の上で特に重要である。
【0009】水分又は空気を含む試験雰囲気では、摺動
面に酸化皮膜が形成されやすい。実際のコンプレッサで
は、試験雰囲気を真空排気した後、潤滑油及び冷媒を注
入する。このため、摩擦摩耗装置の容器内に試験片を密
閉状態で配置し、真空排気後に冷媒と潤滑油とを注入す
ることが必要である。密閉するフレームの内部空間の容
積は、安全面から極力小さいことが望ましい。またフレ
ームの内部空間の容積が小さいと、少量の冷媒や潤滑油
を注入すればよいから経済的でもある。
【0010】冷媒雰囲気の圧力によって焼き付き圧力は
変化する。一般的に、雰囲気圧力が高いほど焼き付きは
発生しにくい傾向にあるが、冷媒及び潤滑油の種類、構
成部品の材質によってバラツキがある。このため、摩擦
摩耗試験では雰囲気圧力を1平方センチメートル当たり
30Kg程度まで変化できることが必要である。例え
ば、特開平4−191637号公報には高圧雰囲気摩擦
摩耗試験装置が提案されている。図3に示すこの高圧雰
囲気摩擦摩耗試験装置は、試験摺動部を収納する圧力容
器65と、電動機56により回転駆動される駆動側シャ
フト57と、電動機58によりギヤ機構59を介して荷
重負荷される固定試験片側シャフト60とを備えてい
る。メカニカルシール軸受容器61を介して駆動側シャ
フト57の端面は圧力容器65内に収納される。また、
固定試験片側シャフト60も軸シールされ、端面が圧力
容器65内に収納されている。シャフト57、60の各
端部には継手を介して試料62が取付けられ、試料62
に荷重を負荷しながら回転させて摩擦摩耗試験が行われ
る。駆動側シャフト57と固定試験片側シャフト60の
軸心方向はほぼ平行な位置関係にあり、試料の一方はデ
ィスク状の平面体に限られる。以下このような摺動方式
をピンオンディスク方式という。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ピンオンディスク方式
の摩擦摩耗試験装置を用いて、ベーンとローラシリンダ
の摺動特性を評価する場合、図4に示す摺動方式が用い
られる。図5は図4のB−B断面からの矢視図である。
駆動側シャフト57に対して放線状に取り付けた試料6
2を固定側試験片63と接触させ、ベーン側ピン試料6
2の摺動方向を実態に近付けている。このように、実際
のベーンを装着できるが、実際のローラシリンダを装着
できない。そのため、摺動面の潤滑状態及び両試験片の
接触面圧は実際と異なり、更に材質及び表面粗さも実際
の部品と異なることが多く、試験結果と実機との近似性
が得られない問題があった。
【0012】また、実開平4−104559号に開示さ
れた特殊雰囲気摩擦試験機では、円筒形状の回転片の外
周円筒面に対して固定片を押し付け、試験機内の圧力変
化に影響されずに摩擦力を計測できる特徴がある。この
試験機は、実際の部品又は部品から削り出した試験片を
装着でき、ある程度実機に近似する評価結果が得られる
利点がある。しかし、摩擦摩耗状態を正確に測定でき
ず、大きな内容積の容器を必要とする欠点がある。即
ち、実開平4−104559号の特殊雰囲気摩擦試験機
では、摩擦力の大きさに応じて荷重検出器に負荷を与
え、負荷に応じた荷重検出器の微小な弾性変位を測定し
て摩擦力を検出している。また固定試験片を加圧する負
荷発生装置がケーシングの上部下面に揺動可能な状態で
軸着される。従って摩擦力により、軸着部を支点として
固定片が回転して変位が発生する。このため、試験初期
では、固定片の摺動面は線接触状態であるが、摩擦力の
変化に伴い固定片側の試験摺動部(線接触状態)の位置
が移動して試験初期の摺動部分とは異なる部分で摺動す
るため、試験の結果にバラツキが発生しやすい欠点があ
る。また、摩擦摩耗進行中に、固定片の摺動面は線接触
から面接触に移行するが、この場合でも摩擦力の発生に
よりそれまでの摺動部分とは異なる部分で摺動する。更
に、摩擦摩耗によって形成される湾曲形状により、摩擦
力を検出する方向への摩擦力伝達棒の移動が阻害され、
摩擦力を正確に測定できない。
【0013】更に、前記公報の試験装置では、固定試験
片を加圧する負荷発生装置を密閉容器内に取付けるため
に、フレームの内部空間の内容積が大きくなる欠点があ
る。このため、摩擦摩耗試験に多量の冷媒及び潤滑油を
必要とし、試験雰囲気の高圧化が困難となり、更に安全
性の面からも高圧ガス取締法の規制対象となる。
【0014】従来、ロータリピストン型コンプレッサを
構成するベーン及びローラシリンダの摺動特性を的確に
評価できる試験機は皆無であった。したがって、実際の
コンプレッサを用いるしかなく、評価に多大の費用と長
期間を必要とした。更に、最も正確に評価すべきベーン
とローラシリンダ間の摺動のみを簡便に評価することは
できなかった。
【0015】そこで、本発明は実際の摺動部品を装着し
て摩擦試験を行うことのできる摩擦摩耗試験装置を提供
することを目的とする。本発明は、摺動部の当たり状態
を変えずに、摩擦力を適切かつ連続的に測定でき、摩擦
摩耗の進行中に摩擦力を適切かつ連続的に測定できる摩
擦摩耗試験装置を提供することを目的とする。本発明
は、円筒形状の回転試験片の外周円筒面に対して固定片
を押し付けて摩擦試験を行う摩擦摩耗試験装置を提供す
ることを目的とする。本発明は、小さい内容積の内部空
洞を使用して高精度で摺動特性を検出できる摩擦摩耗試
験装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による摩擦摩耗試
験装置は、密閉可能な内部空間を有するフレームと、フ
レームの内部空間内に回転試験片を支持する主軸を備え
た回転支持装置と、フレームの内部空間内で主軸上に支
持される回転試験片に対して静止試験片を相対的に移動
可能に支持する静止支持装置と、静止支持装置に荷重を
加えて回転試験片に対して静止試験片を押圧する負荷装
置と、回転試験片から静止試験片に加えられる摩擦力を
測定するロードセルとを備えている。この摩擦摩耗試験
装置では、回転支持装置の主軸とほぼ同一軸上に回転力
伝達手段を回転可能に支持し、静止支持装置を回転力伝
達手段に取付け、回転試験片を回転させて、固定試験片
に対して回転試験片を摺動させたときに発生する静止支
持装置の回転力を回転力伝達手段を介してロードセルに
伝達する。
【0017】本発明の実施例では、回転力伝達手段は、
回転支持装置の主軸とほぼ同一位置の軸上に回転可能に
配置されかつ静止支持装置を支持するロータリハウジン
グと、ロータリハウジングに設けられたリニアレール
と、ロータリハウジングに一端を固定されかつロードセ
ルに連絡するした伝達アームとを備えている。静止支持
装置は静止試験片を支持するホルダと、ホルダに固定さ
れかつリニアレールに沿って回転支持装置の主軸に対し
て径方向に移動可能なリニアブロックを備えている。回
転力伝達手段は、伝達ロッドを介して伝達アームからロ
ードセルに回転力を伝達する。ロータリハウジングはロ
ーラリングによりフレームに回転可能に支持される。伝
達ロッドの周囲に設けられたベローズにより内部空洞内
の圧力が保持される。ロードセルに偏位力を与える錘の
予備負荷を予圧ロッド及び伝達アームの他端を通じてロ
ードセルに加える。予圧ロッド及び伝達ロッドの周囲に
べローズを設け、内部空洞内の圧力を相殺する。
【0018】静止支持装置は回転可能に設けられた転動
体を備え、負荷装置はフレームの内部空間から外部に延
び出す押圧ロッドと、押圧ロッドの周囲に設けられたベ
ローズとを備え、押圧ロッドの端部は静止支持装置の転
動体に当接する。フレームの内部空間から突出する押圧
ロッドの端部にロードセルが設けられる。内部空洞内の
圧力を検出する圧力センサが設けられる。リニアブロッ
クはリニアレールに対して転がり支持され、ロータリハ
ウジングはローラリングを介してフレームに回転可能に
支持される。静止支持装置は自重分の重量を除去する釣
合支持装置を備えている。
【0019】
【作用】密閉可能なフレームの内部空間内で回転支持装
置の主軸に回転試験片を装着すると共に、静止試験片を
静止支持装置に装着した後、静止支持装置を移動して静
止試験片を回転試験片に当接させる。主軸に装着する回
転試験片及び静止支持装置に装着する静止試験片はいず
れも実際の摺動部品又は実際の摺動部品からの切り出し
品を装着することができる。次に、負荷装置により静止
支持装置に所定の荷重を加えて回転試験片に対して静止
試験片を押圧する。続いて、主軸を回転して静止試験片
に対して回転試験片を摺接させる。回転試験片を回転さ
せて、固定試験片に対して回転試験片を摺動させたとき
に発生する静止支持装置の回転力は回転力伝達手段を介
してロードセルに伝達され、ロードセルに微小な弾性変
位を与える。ロードセルは、回転試験片から静止試験片
に加えられる摩擦力を測定すると共に、ロードセルに付
与される摩擦力と釣り合う変位で静止支持装置の回転運
動が静止される。
【0020】回転支持装置の主軸とほぼ同一軸上に静止
支持装置が回転可能に支持されるので、ロードセルに変
位が生じたとき、回転試験片と静止試験片との間に発生
する摺動部の変動を抑制することができる。このため、
回転試験片と静止試験片との摺動部の当たり状態を変え
ずに、摩擦力を適切かつ連続的に測定でき、摩擦摩耗の
進行中に摩擦力を正確かつ連続的に測定できる。また、
小さな内容積のフレームの内部空間内に回転試験片及び
静止試験片を配置できるので、内部空洞内に供給する冷
媒及び潤滑油等の摩擦雰囲気を形成する物質の量を減少
することができる。回転試験片の直径より大きな直径を
持つ回転力伝達手段を経て、主軸の中心軸から大きな半
径の接線に沿う回転力を取り出すので、回転試験片と静
止試験片との間の摩擦力を拡大して精密に測定すること
ができる。
【0021】また、摺動部に摩擦摩耗が進行したとき、
静止支持装置を移動して静止試験片を回転試験片に押圧
すると共に、静止試験片の摺動位置を変えずに正確な押
圧力を摺動部へ付加できる。このため、摩擦摩耗の進行
中でも、正確にかつ連続的に摩擦力を検出することがで
きる。
【0022】更に、試験中に内部空洞内の圧力を真空か
ら高圧まで変化させても、内部空洞内の圧力が2個の連
結されたベローズに均等に加わるため、ロードセルの測
定精度に影響を及ぼさない。このように内部空洞内の圧
力変動に影響されず且つ摺動面の当たり位置を変えず
に、フレームの外部に設けられたロードセルにより正確
に摩擦力を検出することができる。押し付け荷重の伝達
部を転動体により転がり支持するため、静止支持装置に
微少な回転変位が生じても、ロードセルの摩擦力検出に
重大な影響を及ぼさない。ベローズを介した内部空洞内
外のシールを行うため、ピストンとシリンダでのシール
機構のような大きな動作抵抗の損失は生じない。
【0023】更に、荷重検出用ロードセルにより静止試
験片に負荷される荷重を検出すると共に、圧力センサに
より内部空洞内圧力を計測するため、ベローズの有効断
面積に基づく押圧ロッドへの負荷力として内部空洞内の
圧力を補正することができ、押し付け荷重検出用ロード
セルにより補正された押圧力を検出することができる。
このように、内部空洞内圧の変動に対しても補正がで
き、フレームの外部に設けたロードセルにより、内部空
洞外部からの正確な押圧荷重を付加することができる。
【0024】釣合支持装置は静止支持装置の自重分の重
量を除去するので、摩擦力の検出に悪影響を及ぼさず
に、摺動部へ作用する最低押し付け力の値を下げ、極め
て小さな押し付け荷重から高精度で摩擦試験の実施が可
能となる。
【0025】
【実施例】以下、この発明による高圧雰囲気摩擦摩耗試
験装置の実施例を図1〜図2について説明する。
【0026】図1は本発明による摩擦摩耗試験装置の実
施例を示す側面断面図であり、図2は図1の2−2線に
沿う断面図である。図1及び図2に示すように、本発明
による摩擦摩耗試験装置は、内部空間5aを形成するフ
レーム5と、密閉可能なフレーム5の内部空間5a内に
回転試験片10を支持する主軸1を備えた回転支持装置
Aと、フレーム5の内部空間5a内で主軸1上に支持さ
れる回転試験片10に対して静止試験片15を相対的移
動可能に支持する静止支持装置Bと、静止支持装置Bに
荷重を加えて回転試験片10に対して静止試験片15を
押圧する負荷装置Cと、回転試験片10から静止試験片
15に加えられる摩擦力を測定するロードセル32とを
備えている。
【0027】回転支持装置Aの主軸1はラジアル軸受
2、3を介して軸受ケース4に回転可能に支持され、ラ
ジアル軸受2は、フレーム5の内外の圧力差により生じ
る主軸1へのスラスト荷重も支持する。軸受ケース4は
主軸1をほぼ水平に保持する状態で、内部空洞5aを有
するフレーム5の側壁にボルト4aで締結され、フレー
ム5にはカバー6がボルト6aで固定されて、内部空洞
5aが閉鎖される。フレーム5とカバー6との間に設け
られたOリング7により内部空洞5aは外部に対して密
封状態に保持される。カバー6に設けたラジアル軸受8
は主軸1の端部を回転可能に支持し、詳細な説明を省略
するが、フレーム5の内部でも主軸1を回転支持する装
置が設けられる。主軸1とフレーム5との間に設けられ
たメカニカルシール9は、主軸1の周囲で内部空洞5a
と外部との間を密封する。内部空間5a内で、ロータリ
ピストン型コンプレッサに使用するローラシリンダ自体
又はほぼ同一形状の円筒状を有する回転試験片10はホ
ルダ11を介して主軸1に固定される。回転検出用歯車
13を伴うプーリ12が主軸1に固定され、図示しない
ベルト及び電動機によりプーリ12は回転駆動され、主
軸1の回転速度は回転検出器14により検出される。ち
なみに、回転試験片10の外径寸法は35〜45mm、
主軸1の回転数は30〜6,000rpmである。
【0028】ロータリピストン型コンプレッサを構成す
るベーン自体、ベーンから削り出されたピン状又はブロ
ック状の静止試験片15は回転試験片10の外周面に接
触しかつ回転試験片10に主軸1の軸心方向で上方から
押圧される。静止試験片15は円筒状等他の形状でもよ
い。回転試験片10に対して静止試験片15を押圧する
状態で、主軸1及び回転試験片10を回転させ、回転試
験片10と静止試験片15とを摺動させる。ロータリピ
ストン型コンプレッサを構成するベーン自体とローラシ
リンダ自体との摺動状態又これに極めて近似し、実機試
験での評価結果に実質的に符合する結果が得られ、時間
と費用のかさむ実機試験評価の負担を大幅に軽減させる
ことが可能となる。
【0029】静止支持装置Bは回転支持装置Aの主軸1
とほぼ同一位置の軸上に回転可能に配置されたロータリ
ハウジング20と、ロータリハウジング20に設けられ
たリニアレール19と、リニアレール19に沿って直線
運動可能なリニアブロック17を備えかつ静止試験片1
5を支持するホルダ16とを備えている。ロータリハウ
ジング20はローラリング21を介してフレーム5に回
転可能に支持される。ロータリハウジング20はローラ
リング21の外輪に固定され、ローラリング21の内輪
はフレーム5に固定されるが、ローラリング21の軸心
は主軸1の軸心にほぼ一致する。リニアブロック17の
ガイド部となるリニアレール19はロータリハウジング
20に固定され、リニアブロック17はリニアレール1
9に対して転がり支持される。静止支持装置Bを構成す
るホルダ16を支持するプレート18は、主軸1の軸心
に対して接近又は離間する方向に移動可能なリニアブロ
ック17に固定される。即ち、この摩擦摩耗試験装置で
は、回転支持装置Aの主軸1とほぼ同一軸上に静止支持
装置Bが回転可能に支持される。
【0030】静止試験片15を保持するホルダ16は、
リニアブロック17及びプレート18と共に、主軸1の
軸心に対して接近又は離間する方向にリニアレール19
に沿って移動できる。動作抵抗の軽減を図るため、リニ
アブロック17とリニアレール19は図示しない転がり
支持機構を介して連結される。
【0031】図2に示すように、回転力伝達手段Dは、
リニアレール19を支持するロータリハウジング20
と、フレーム5上にロータリハウジング20を回転可能
に支持するローラリング21と、ロータリハウジング2
0に一端を固定した伝達アーム22と、伝達アーム22
の他端とロードセル32との間に設けられた伝達ロッド
31とを備えている。ロードセル32はフレーム5の内
部空間5aから突出する伝達ロッド31の端部に設けら
れる。ロータリハウジング20に固定された伝達アーム
22は主軸1に対してほぼ直角にかつ水平に内部空洞5
a内で延びる。伝達アーム22の端部に形成された貫通
孔22aには一対のブッシュ23a、24aが装着さ
れ、ブッシュ23b、24b内にはボルト25が装着さ
れる。ボルト25の下端にナット26が連結され、ボル
ト25がブッシュ23a、24a内に固定される。フレ
ーム5には一対の貫通孔5b、5cが形成され、各貫通
孔5b、5cには同一形状のベローズ23、24がそれ
ぞれ配置される。
【0032】ベローズ23の上方には、Oリング27を
介してブッシュ23aがフレーム5に固定される。ブッ
シュ23aにはリニアブッシ36が固定される。Oリン
グ27、ブッシュ23a及びリニアブッシュ36内を貫
通して延びる予圧ロッド34の上端には錘35が結合さ
れ、下端はボルト25の頭部に当接する。ベローズ23
と同様に、ベローズ24の下方には、Oリング28を介
してブッシュ24aがフレーム5に固定される。ブッシ
ュ24aにはリニアブッシュ33が固定される。Oリン
グ28、ブッシュ24a及びリニアブッシュ33内を貫
通して延びる伝達ロッド31の下端はフレーム5の外壁
に固定されたロードセル32に当接し、上端はボルト2
5の下端に当接する。連結ボルト25の上方に配置され
た予圧ロッド34、ボルト25及び伝達ロッド31はほ
ぼ同軸上に点接触状態で配置され、錘35によりロード
セル32に一定の圧縮荷重を負荷する。予圧ロッド34
は、リニアブッシュ36を介して、フランジ23aに直
線動作可能に転がり支持される。
【0033】伝達ロッド31は、リニアプッシュ33を
介して、ブッシュ24aに直線運動可能に取り付けられ
る。ベローズ23、24の各両端はブッシュ23a、2
3b、24a、24bに溶接結合される。ブッシュ23
bと24bはボルト25とナット26により伝達アーム
22の端部に固定される。ベローズ23、24は、ロー
タリハウジング20及びローラリング21の回転方向に
伸縮可能であり、ブッシュ23a、24aはOリング2
7、28により密封された状態でフレーム5と接触す
る。同様に、ブッシュ23b、24bと伝達アーム22
の端部との間はOリング29、30により密封される。
伝達ロッド31の周囲に設けられたベローズ24及び予
圧ロッド34の周囲に設けられたべローズ23により内
部空間5a内の圧力が保持される。ロードセル32に偏
位力を与える錘35の予備負荷が予圧ロッド34及び伝
達アーム22の他端を通じてロードセル32に加えられ
る。
【0034】伝達ロッド31の上端はボルト25の下端
に点接触状態で接触し、ボルト25からの回転力をロー
ドセル32に伝達する。回転試験片10を回転させて、
静止試験片15に対して回転試験片10を摺動させたと
きに発生する静止支持装置Bの回転力は、回転力伝達手
段Dを介してロードセル32に伝達される。
【0035】静止試験片15を保持するホルダ16の上
方には、転動体(ローラフォロア)37が静止支持装置
Bに回転自在に設けられる。転動体37の回転軸心は、
主軸1の軸心とほぼ平行でありかつ回転試験片10と静
止試験片15との接触部と主軸1の軸心を通る平面上に
ほぼ配置される。
【0036】負荷装置Cはフレーム5の内部空間5aか
ら外部に延び出す押圧ロッド38と、押圧ロッド38の
周囲に設けられたベローズ39とを備えている。フレー
ム5の上方突出部5dには貫通孔43aを備えた円筒部
43がボルト43aにより固定され、貫通孔43a内に
は押圧ロッド38が配置される。押圧ロッド38の下端
は静止支持装置Bの転動体37の外輪に当接し、上端は
貫通孔43aから突出し、押圧力を検出するロードセル
44が取り付けられる。ロードセル44は、押圧ロッド
38を介して静止支持装置Bに与える負荷を測定する。
例えば、ロードセル44により検出する荷重制御範囲は
0.01〜40kgfである。貫通孔43a内で押圧ロ
ッド38の外周部にはベローズ39が取り付けられ、ベ
ローズ39の下端にはOリング40が設けられると共
に、ブッシュ39bが固定され、ブッシュ39bにベロ
ーズ39が溶着される。円筒部43の上端にはブッシュ
39aがOリング41を介してボルトにより固定され、
ベローズ39の上端はブッシュ39aに溶着される。ベ
ローズ39、ブッシュ39a、39b及びOリング4
0、41はフレーム5の内部空洞5aを密封する。円筒
部43にはブッシュ39aの上部にリニアブッシュ42
がボルトにより固定され、押圧ロッド38は円筒部43
内で直線運動可能に転がり支持される。
【0037】フレーム5には内部空洞5a内の圧力を検
出する圧力センサ45が設けられ、圧力センサ45によ
りフレーム5内の圧力を計測し、計測した圧力値とベロ
ーズ39の有効断面積から計算される押圧ロッド38に
加えられる反力の大きさを負荷荷重に補正することによ
り、転動体37に加わる実際の荷重値を正確に知ること
ができる。雰囲気圧力範囲は、1平方センチメートル当
たり0〜32kgf(ゲージ圧)である。
【0038】静止支持装置Bには自重分の重量を除去す
る釣合支持装置Eが設けられる。釣合支持装置Eは、ロ
ータリハウジング20に固定された台座46と、台座4
6に固定された固定ばね支持体47と、固定ばね支持体
47の上方に配置されかつプレート18に固定された可
動ばね支持体48と、固定ばね支持体47と可動ばね支
持体48との間に配置された2本の圧縮ばね49a、4
9bとを備えている。プレート18は圧縮ばね49a、
49bの上方に遊動状態に保持され、プレート18を支
持するホルダ16、ホルダ16に支持される静止試験片
15及び転動体37及びプレート18に固着されたリニ
アブロック17は圧縮ばね49a、49b上に支持され
る。このため、静止試験片15、ホルダ16、リニアブ
ロック17、プレート18、転動体37の重量をキャン
セルして、ロードセル44の上方に取り付けられる荷重
負荷装置Cの荷重のみが静止試験片15を通じて回転試
験片10に加えられると共に、極めて小さな荷重から高
荷重まで広い荷重範囲の試験を行うことができる。
【0039】この場合、異なる寸法の回転試験片10及
び静止試験片15に対応するため、固定ばね支持体47
に長孔47aを設け、長孔47aの所望の位置で固定で
きるボルト47bにより、可動ばね支持体48の位置を
調整して、荷重負荷方向に対して無負荷状態の回転試験
片10の位置を調節してもよい。例えば、圧縮ばね49
a、49bの極軽荷重用ばね定数は、0.05kgf/
mmであり、試験中に発生する摩擦摩耗による微小な変
位に対して、押圧荷重の変動を最小限度に抑制すること
ができる。また、ロードセル32による微小な変位が生
じ、ローラリング21が微小角度で回転しても、転がり
支持された転動体37上に押圧荷重の作用点があるた
め、摩擦力検出精度面への重大な影響は及ぼさない。
【0040】フレーム5は熱媒体が通過する溝50aを
形成した下部熱交換プレート50を介してベース51に
固定される。所定の温度に加熱又は冷却された熱媒体は
下部熱交換プレート50の溝50aを通過するとき、フ
レーム5の底壁と接してフレーム5を加熱又は冷却し、
フレーム5の内部空間5a内の潤滑油及び冷媒等の熱媒
体を加熱又は冷却する。フレーム5の側面に取り付けた
側部熱交換プレート52も溝が形成され、下部熱交換プ
レート50と同様の作用を生ずる。所望の混合比と量の
熱媒体、熱媒体と潤滑油との混合物及び潤滑油を上部ス
トップバルブ53を介してフレーム5の内部空間5a内
に注入する。この場合、水分及び空気の影響を避けるた
めに、フレーム5の内部空間5aを図示しない真空ポン
プにより真空まで排気した後に、冷媒と潤滑油を注入す
るとよい。また、フレーム5の内部空間5a内の圧力が
設定圧力(1平方センチメートル当たり32kgf)を
越えて上昇したとき、安全弁54が自動的に開弁する。
フレーム5の下側に設けた下部ストップバブル55を開
弁することにより、試験後に熱媒体、熱媒体と潤滑油と
の混合物及び潤滑油を内部空洞5aからフレーム5外へ
容易に排出することができる。
【0041】上記の構成において、摩擦試験を行う場
合、フレーム5の内部空間5a内で回転支持装置Aの主
軸1に回転試験片10を装着すると共に、静止試験片1
5を静止支持装置Bに装着した後、静止支持装置Bを移
動して静止試験片15を回転試験片10に当接させる。
主軸1に装着する回転試験片10及び静止支持装置Bに
装着する静止試験片15はいずれも実際の摺動部品を装
着することができる。その後、ボルト6aでカバー6を
フレーム5に固定して、内部空洞5aを密閉する。この
状態で、上部ストップバルブ53を通じて内部空洞5a
内に潤滑油及び熱媒体を供給する。同時に、下部熱交換
プレート50及び側部熱交換プレート52の溝に熱媒体
を供給して、フレーム5を加熱又は冷却し、内部空洞5
a内を所定の圧力に保持する。次に、負荷装置Cにより
静止支持装置Bに所定の荷重を加えて回転試験片10に
対して静止試験片15を押圧する。
【0042】続いて、主軸1を回転して静止試験片15
に対して回転試験片10を摺接させる。静止試験片15
に対して回転する回転試験片10を摺動させたときに摩
擦力に起因して発生する静止支持装置Bの回転力は回転
力伝達手段Dを構成するロータリハウジング20、伝達
アーム22及び伝達ロッド31を介してロードセル32
に伝達され、ロードセル32に微小な弾性変位を与え
る。回転試験片10の直径より大きな直径を持つロータ
リハウジング20に固定した伝達アーム22を経て、主
軸1の中心軸から大きな半径の接線に沿う回転力を取り
出すので、回転試験片10と静止試験片15との間の摩
擦力を拡大して精密に測定することができる。ロードセ
ル32は、回転試験片10から静止試験片15に加えら
れる摩擦力を測定すると共に、ロードセル32に付与さ
れる摩擦力と釣り合う変位で静止支持装置Bの回転運動
が静止される。回転試験片10の直径より大きな直径を
持つロータリハウジング20に固定した伝達アーム22
を経て、主軸1の中心軸から大きな半径の接線に沿って
直線方向の回転力を取り出すので、摩擦力を正確に測定
することができる。
【0043】回転支持装置Aの主軸1とほぼ同一軸上に
静止支持装置Bが回転可能に支持されるので、ロードセ
ル32に変位が生じたとき、回転試験片10と静止試験
片15との間に発生する摺動部の変動を抑制することが
できる。このため、回転試験片10と静止試験片15と
の摺動部の当たり状態を変えずに、摩擦力を適切かつ連
続的に測定でき、摩擦摩耗の進行中に摩擦力を正確かつ
連続的に測定できる。また、小さな内容積のフレーム5
の内部空間5a内に回転試験片10及び静止試験片15
を配置できるので、内部空間5a内に供給する冷媒及び
潤滑油等の摩擦雰囲気を形成する物質の量を減少するこ
とができる。
【0044】摺動部に摩擦摩耗が進行したとき、静止支
持装置Bを移動して静止試験片15を回転試験片10に
押圧すると共に、静止試験片15の摺動位置を変えずに
正確な押し付け力を摺動部へ付加できる。このため、摩
擦摩耗の進行中でも、正確にかつ連続的に摩擦力を検出
することができる。
【0045】更に、試験中に内部空間5a内の圧力を真
空から高圧まで変化させても、内部空間5a内の圧力が
2個の連結されたベローズに均等に加わるため、ロード
セル32の測定精度に影響を及ぼさない。このように内
部空間5a内の圧力変動に影響されず且つ摺動面の当た
り位置を変えずに、フレーム5の外部に設けられたロー
ドセル32により正確に摩擦力を検出することができ
る。押し付け荷重の伝達部を転動体37により転がり支
持するため、静止支持装置Bに微少な回転変位が生じて
も、ロードセル32の摩擦力検出に重大な影響を及ぼさ
ない。ベローズを介した内部空間5a内外のシールを行
うため、ピストンとシリンダでのシール機構のような大
きな動作抵抗の損失は生じない。
【0046】更に、荷重検出用ロードセル32により静
止試験片15に負荷される荷重を検出すると共に、圧力
センサ45により内部空間5a内圧力を計測するため、
ベローズの有効断面積に基づく押圧ロッド38への負荷
力として内部空間5a内の圧力を補正することができ、
押し付け荷重検出用ロードセル32により補正された押
圧力を検出することができる。このように、内部空間5
a内圧の変動に対しても補正ができ、フレーム5の外部
に設けたロードセル32により、内部空間5a外部から
の正確な押し付け荷重を付加することができる。
【0047】釣合支持装置Eは静止支持装置の自重分の
重量を除去するので、摩擦力の検出に悪影響を及ぼさず
に、摺動部へ作用する最低押し付け力の値を下げ、極め
て小さな押し付け荷重から高精度で摩擦試験の実施が可
能となる。摩擦が進行しても、リニアレール19に沿う
リニアブロック17の移動により、常に主軸1方向に小
さな抵抗で追従できる。また、同一形状の2個のベロー
ズ23、24を用いるため、摩擦試験中にフレーム5の
内部空洞5a内で圧力が変化しても、2個のベローズ2
3、24に均等に負荷される。例えば、フレーム5の内
部空洞5a内の圧力が外気圧に対し負圧が作用すると
き、ベローズ23、24の同一の有効断面積に発生する
圧力で伝達アーム22を挟持し、均衡が保持される。一
方、内部空洞5aに外気圧を越える正圧が作用すると、
引張力が連結ボルト25に作用して均衡が保たれる。こ
のように、内部空洞5a内の圧力が変化しても、ロード
セル32での測定精度に影響を及ぼさない。
【0048】本実施例の特徴を列挙すれば次の通りであ
る。 1 主軸1と同軸上に回転可能に静止試験片15を保持
するので、摺動部が変化しない。 2 フレーム5の内部空洞5a内の流体圧力に起因する
主軸1へのスラスト荷重はラジアル軸受2によって支持
される。 3 静止試験片15を径方向に摺動可能に保持するの
で、摩擦が進行しても、リニアレール19に沿うリニア
ブロック17の移動により、常に主軸1方向に小さな抵
抗で追従できる。また、ロードセル44の荷重値から常
時一定の負荷で回転試験片10に対して静止試験片15
を押圧することが可能となる。 4 転がり支持された転動体37を介してホルダ16に
負荷装置Cから押圧荷重を加えるため、静止支持装置B
に微少な回転変位が生じても、ロードセル32の摩擦力
検出に重大な影響を及ぼさない。 5 回転試験片10の直径より大きな直径を持つロータ
リハウジング20に固定した伝達アーム22を経て、主
軸1の中心軸から大きな半径の接線に沿う回転力を取り
出すので、回転試験片10と静止試験片15との間の摩
擦力を拡大して精密に測定することができる。 6 摺動部に摩擦摩耗が進行したとき、静止支持装置B
を移動して静止試験片15を回転試験片10に押圧する
と共に、静止試験片15の摺動位置を変えずに正確な押
し付け力を摺動部へ付加できる。このため、摩擦摩耗の
進行中でも、正確にかつ連続的に摩擦力を検出すること
ができる。 7 小さな内容積のフレーム5の内部空間5a内に回転
試験片10及び静止試験片15を配置できるので、内部
空間5a内に供給する冷媒及び潤滑油等の摩擦雰囲気を
形成する物質の量を減少することができる。 8 摩擦試験中に負荷装置Cにより連続的に荷重を変化
させ、内部空洞5a内の圧力及び温度を含む摩擦環境条
件を連続的に変化させて、連続的に変化する摩擦摩耗、
連続的に変化する荷重、等連続的に変化する環境におい
て摩擦を継続的に測定できる。 9 試験中に内部空間5a内の圧力を真空から高圧まで
変化させても、内部空間5a内の圧力が2個の連結され
たベローズに均等に加わるため、ロードセル32の測定
精度に影響を及ぼさない。ベローズを介して内部空間5
a内を密閉するため、ピストンとシリンダでのシール機
構のような大きな動作抵抗の損失は生じない。 10 ロードセル32により静止試験片15に負荷され
る荷重を検出すると共に、圧力センサ45により内部空
間5a内の圧力を計測するため、ベローズの有効断面積
に基づく押圧ロッド38への負荷力として内部空間5a
内の圧力を補正することができ、押し付け荷重検出用ロ
ードセル32により補正された押圧力を検出することが
できる。 11 釣合支持装置Eは静止支持装置の自重分の重量を
除去するので、摩擦力の検出に悪影響を及ぼさずに、摺
動部へ作用する最低押し付け力の値を下げ、極めて小さ
な押し付け荷重から高精度で摩擦試験の実施が可能とな
る。
【0049】
【発明の効果】前記のように、本発明による摩擦摩耗試
験装置では、摺動部の当たり状態を変えずに、実際の摺
動部品を装着して摩擦力を測定できる。摩擦摩耗の進行
中でも、適切かつ連続的に摩擦環境条件を変動させて摩
擦試験を行うことができる。また、小さい内容積の内部
空洞を使用して高精度で摺動特性を検出できる。簡便に
短時間で行うことができるため、フロン規制に対応して
種々の摩擦試験を行うことができ、実機試験と同様の実
用的な試験効果が得られる。特に冷凍庫、冷蔵庫、空調
機器等で多用されるロータリピストン型コンプレッサの
摺動部品の摺動特性や潤滑油の影響・効果等を正しく評
価することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉可能な内部空間を有するフレーム
    と、フレームの内部空間内に回転試験片を支持する主軸
    を備えた回転支持装置と、フレームの内部空間内で主軸
    上に支持される回転試験片に対して静止試験片を相対的
    に移動可能に支持する静止支持装置と、静止支持装置に
    荷重を加えて回転試験片に対して静止試験片を押圧する
    負荷装置と、回転試験片から静止試験片に加えられる摩
    擦力を測定するロードセルとを備えた摩擦摩耗試験装置
    において、 回転支持装置の主軸とほぼ同一軸上に回転力伝達手段を
    回転可能に支持し、静止支持装置を回転力伝達手段に取
    付け、回転試験片を回転させて、固定試験片に対して回
    転試験片を摺動させたときに発生する静止支持装置の回
    転力を回転力伝達手段を介してロードセルに伝達するこ
    とを特徴とする摩擦摩耗試験装置。
  2. 【請求項2】 回転力伝達手段は、回転支持装置の主軸
    とほぼ同一位置の軸上に回転可能に配置されかつ静止支
    持装置を支持するロータリハウジングと、ロータリハウ
    ジングに設けられたリニアレールと、ロータリハウジン
    グに一端を固定されかつロードセルに連絡するした伝達
    アームとを備え、静止支持装置は静止試験片を支持する
    ホルダと、ホルダに固定されかつリニアレールに沿って
    回転支持装置の主軸に対して径方向に移動可能なリニア
    ブロックを備えた請求項1に記載の摩擦摩耗試験装置。
  3. 【請求項3】 回転力伝達手段は、伝達ロッドを介して
    伝達アームからロードセルに回転力を伝達する請求項1
    に記載の摩擦摩耗試験装置。
  4. 【請求項4】 ロータリハウジングはローラリングによ
    りフレームに回転可能に支持される請求項2に記載の摩
    擦摩耗試験装置。
  5. 【請求項5】 伝達ロッドの周囲に設けられたベローズ
    により内部空洞内の圧力を保持する請求項1に記載の摩
    擦摩耗試験装置。
  6. 【請求項6】 ロードセルに偏位力を与える錘の予備負
    荷を予圧ロッド及び伝達アームの他端を通じてロードセ
    ルに加える請求項1に記載の摩擦摩耗試験装置。
  7. 【請求項7】 予圧ロッド及び伝達ロッドの周囲にべロ
    ーズを設け、内部空洞内の圧力を相殺する請求項6に記
    載の摩擦摩耗試験装置。
  8. 【請求項8】 静止支持装置は回転可能に設けられた転
    動体を備え、負荷装置はフレームの内部空間から外部に
    延び出す押圧ロッドと、押圧ロッドの周囲に設けられた
    ベローズとを備え、押圧ロッドの端部は静止支持装置の
    転動体に当接する請求項1に記載の摩擦摩耗試験装置。
  9. 【請求項9】 フレームの内部空間から突出する押圧ロ
    ッドの端部にロードセルを設けた請求項1に記載の摩擦
    摩耗試験装置。
  10. 【請求項10】 内部空洞内の圧力を検出する圧力セン
    サを設けた請求項1に記載の摩擦摩耗試験装置。
  11. 【請求項11】 リニアブロックはリニアレールに対し
    て転がり支持され、ロータリハウジングはローラリング
    を介してフレームに回転可能に支持される請求項2に記
    載の摩擦摩耗試験装置。
  12. 【請求項12】 静止支持装置は自重分の重量を除去す
    る釣合支持装置を備えた請求項1に記載の摩擦摩耗試験
    装置。
JP16430594A 1994-07-15 1994-07-15 摩擦摩耗試験装置 Expired - Fee Related JP3379727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16430594A JP3379727B2 (ja) 1994-07-15 1994-07-15 摩擦摩耗試験装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16430594A JP3379727B2 (ja) 1994-07-15 1994-07-15 摩擦摩耗試験装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0829313A true JPH0829313A (ja) 1996-02-02
JP3379727B2 JP3379727B2 (ja) 2003-02-24

Family

ID=15790607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16430594A Expired - Fee Related JP3379727B2 (ja) 1994-07-15 1994-07-15 摩擦摩耗試験装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3379727B2 (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113955A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Idemitsu Kosan Co Ltd 摩擦試験機および摩擦試験方法
JP2007286036A (ja) * 2005-12-01 2007-11-01 National Institute For Materials Science 材料試験装置と材料試験片
CN102175598A (zh) * 2011-02-18 2011-09-07 中国矿业大学 一种端面扭动摩擦磨损试验机及方法
CN102279137A (zh) * 2011-06-30 2011-12-14 西安交通大学 切向微动试验装置及其试验方法
CN102323060A (zh) * 2011-05-25 2012-01-18 中国兵器工业集团第七○研究所 发动机活塞销衬套飞溅润滑模拟试验装置
JP2012047510A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Nakashima Medical Co Ltd 無菌環境型摩耗試験装置
CN102759485A (zh) * 2012-07-06 2012-10-31 西安交通大学 一种熔化焊接微区力学性能的微压剪实验装置及测试方法
CN106198286A (zh) * 2016-06-29 2016-12-07 中国北方发动机研究所(天津) 一种活塞销摆动副摩擦磨损部件试验装置
CN107328376A (zh) * 2017-07-19 2017-11-07 天奇自动化工程股份有限公司 带压力传感器的摩擦驱动装置
CN107478531A (zh) * 2017-09-04 2017-12-15 贵州大学 一种高速高压摩擦磨损实验平台及其电液控制系统
CN107631950A (zh) * 2016-07-14 2018-01-26 上海海立电器有限公司 高压环境摩擦试验机及其试验方法
CN107703014A (zh) * 2017-11-03 2018-02-16 岭东核电有限公司 高温高压环境冲击磨损试验机
CN108344654A (zh) * 2018-05-03 2018-07-31 河南科技大学 一种环-块摩擦磨损试验机
CN109556983A (zh) * 2019-01-22 2019-04-02 四川大学 一种盘盘摩擦副摩擦磨损试验台
CN110608964A (zh) * 2019-10-31 2019-12-24 东风商用车有限公司 一种摩擦副磨损试验装置
CN111380767A (zh) * 2020-04-10 2020-07-07 兰州华汇仪器科技有限公司 一种双自由度调节的高温摩擦磨损实验仪及其使用方法
CN112362455A (zh) * 2020-11-20 2021-02-12 中国石油天然气集团有限公司 一种钻具耦合摩擦磨损试验装备及基于其的试验方法
CN113267450A (zh) * 2021-04-27 2021-08-17 林会清 一种加工中心用连续式检测处理装置
CN114001955A (zh) * 2021-10-29 2022-02-01 河北工业大学 基于弹性加载的关节轴承摩擦磨损试验装置
CN114034593A (zh) * 2021-11-30 2022-02-11 江南造船(集团)有限责任公司 相对转动件耐磨性能试验装置
CN114088564A (zh) * 2021-10-18 2022-02-25 西南交通大学 基于中子和同步辐射的原位微动腐蚀磨损试验装置及方法
CN114252362A (zh) * 2021-12-02 2022-03-29 北京建筑大学 一种双轴加载微动磨损试验机
CN114563295A (zh) * 2022-03-07 2022-05-31 湖南科技大学 一种模拟海底高压含泥沙浑浊环境下摩擦磨损试验台
CN115452702A (zh) * 2022-09-22 2022-12-09 西安交通大学 一种高温环境下金属材料摩擦阻尼特性测试装置
CN117589622A (zh) * 2023-11-29 2024-02-23 兰州中科凯华科技开发有限公司 一种高温真空环轴摩擦磨损测试系统

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102680083B (zh) * 2012-06-11 2013-10-16 西南交通大学 一种摩擦噪声的试验分析方法及其试验装置
CN107063908B (zh) * 2017-04-11 2019-09-17 西南交通大学 一种可调控水平方向磁场的磁环境摩擦学试验装置

Cited By (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4630793B2 (ja) * 2005-10-18 2011-02-09 出光興産株式会社 摩擦試験機および摩擦試験方法
JP2007113955A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Idemitsu Kosan Co Ltd 摩擦試験機および摩擦試験方法
JP2007286036A (ja) * 2005-12-01 2007-11-01 National Institute For Materials Science 材料試験装置と材料試験片
JP2012047510A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Nakashima Medical Co Ltd 無菌環境型摩耗試験装置
CN102175598A (zh) * 2011-02-18 2011-09-07 中国矿业大学 一种端面扭动摩擦磨损试验机及方法
CN102323060A (zh) * 2011-05-25 2012-01-18 中国兵器工业集团第七○研究所 发动机活塞销衬套飞溅润滑模拟试验装置
CN102279137A (zh) * 2011-06-30 2011-12-14 西安交通大学 切向微动试验装置及其试验方法
CN102759485A (zh) * 2012-07-06 2012-10-31 西安交通大学 一种熔化焊接微区力学性能的微压剪实验装置及测试方法
CN106198286B (zh) * 2016-06-29 2018-12-14 中国北方发动机研究所(天津) 一种活塞销摆动副摩擦磨损部件试验装置
CN106198286A (zh) * 2016-06-29 2016-12-07 中国北方发动机研究所(天津) 一种活塞销摆动副摩擦磨损部件试验装置
CN107631950A (zh) * 2016-07-14 2018-01-26 上海海立电器有限公司 高压环境摩擦试验机及其试验方法
CN107328376A (zh) * 2017-07-19 2017-11-07 天奇自动化工程股份有限公司 带压力传感器的摩擦驱动装置
CN107478531A (zh) * 2017-09-04 2017-12-15 贵州大学 一种高速高压摩擦磨损实验平台及其电液控制系统
CN107703014A (zh) * 2017-11-03 2018-02-16 岭东核电有限公司 高温高压环境冲击磨损试验机
CN107703014B (zh) * 2017-11-03 2024-04-09 岭东核电有限公司 高温高压环境冲击磨损试验机
CN108344654A (zh) * 2018-05-03 2018-07-31 河南科技大学 一种环-块摩擦磨损试验机
CN108344654B (zh) * 2018-05-03 2023-10-31 河南科技大学 一种环-块摩擦磨损试验机
CN109556983A (zh) * 2019-01-22 2019-04-02 四川大学 一种盘盘摩擦副摩擦磨损试验台
CN109556983B (zh) * 2019-01-22 2024-02-02 四川大学 一种盘盘摩擦副摩擦磨损试验台
CN110608964A (zh) * 2019-10-31 2019-12-24 东风商用车有限公司 一种摩擦副磨损试验装置
CN111380767A (zh) * 2020-04-10 2020-07-07 兰州华汇仪器科技有限公司 一种双自由度调节的高温摩擦磨损实验仪及其使用方法
CN112362455A (zh) * 2020-11-20 2021-02-12 中国石油天然气集团有限公司 一种钻具耦合摩擦磨损试验装备及基于其的试验方法
CN112362455B (zh) * 2020-11-20 2024-04-30 中国石油天然气集团有限公司 一种钻具耦合摩擦磨损试验装备及基于其的试验方法
CN113267450A (zh) * 2021-04-27 2021-08-17 林会清 一种加工中心用连续式检测处理装置
CN114088564A (zh) * 2021-10-18 2022-02-25 西南交通大学 基于中子和同步辐射的原位微动腐蚀磨损试验装置及方法
CN114088564B (zh) * 2021-10-18 2022-12-02 西南交通大学 基于中子和同步辐射的原位微动腐蚀磨损试验装置及方法
CN114001955B (zh) * 2021-10-29 2024-05-24 河北工业大学 基于弹性加载的关节轴承摩擦磨损试验装置
CN114001955A (zh) * 2021-10-29 2022-02-01 河北工业大学 基于弹性加载的关节轴承摩擦磨损试验装置
CN114034593B (zh) * 2021-11-30 2023-09-12 江南造船(集团)有限责任公司 相对转动件耐磨性能试验装置
CN114034593A (zh) * 2021-11-30 2022-02-11 江南造船(集团)有限责任公司 相对转动件耐磨性能试验装置
CN114252362B (zh) * 2021-12-02 2024-03-19 北京建筑大学 一种双轴加载微动磨损试验机
CN114252362A (zh) * 2021-12-02 2022-03-29 北京建筑大学 一种双轴加载微动磨损试验机
CN114563295B (zh) * 2022-03-07 2023-08-22 湖南科技大学 一种模拟海底高压含泥沙浑浊环境下摩擦磨损试验台
CN114563295A (zh) * 2022-03-07 2022-05-31 湖南科技大学 一种模拟海底高压含泥沙浑浊环境下摩擦磨损试验台
CN115452702A (zh) * 2022-09-22 2022-12-09 西安交通大学 一种高温环境下金属材料摩擦阻尼特性测试装置
CN115452702B (zh) * 2022-09-22 2024-04-26 西安交通大学 一种高温环境下金属材料摩擦阻尼特性测试装置
CN117589622A (zh) * 2023-11-29 2024-02-23 兰州中科凯华科技开发有限公司 一种高温真空环轴摩擦磨损测试系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3379727B2 (ja) 2003-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3379727B2 (ja) 摩擦摩耗試験装置
US6840082B2 (en) Machine for testing wear, wear-preventative and friction properties of lubricants and other materials
CN201034897Y (zh) 真空低温摩擦磨损试验仪
CA3054189A1 (en) Twin-disc tribometer
CN114739563B (zh) 一种静环可移动的机械密封径向膜压分布测试装置
JPH06308006A (ja) 摩擦・摩耗試験装置
CN105651513A (zh) 用于立式水润滑可倾瓦推力轴承液膜润滑特性测试系统
Tan et al. Experimental study of fixed-vane revolving vane compressor
CN111521503B (zh) 用于真空低温环境的摩擦试验设备
JPH0791922A (ja) 油膜厚さ測定装置
JP3283357B2 (ja) スラスト軸受の寿命試験装置
KR980010408A (ko) 진공 및 특수 환경 분위기에서 사용하기 위한 구름 마찰 및 마모 시험 장치
Prozhega et al. Research of the lifetime and lubricant properties of greases for rolling bearings operating in space conditions
Sinzara et al. Effects of eccentric loading on lip seal performance
Khan et al. Pressurised chamber design for conducting rolling contact experiments with liquid refrigerant lubrication
JPH0534269A (ja) 摩擦試験機
CN114858450A (zh) 一种利用气压加载的关节轴承寿命试验装置及方法
Davis et al. Tribological evaluation of contacts lubricated by oil-refrigerant mixtures
US3166927A (en) Lubricant testing machine
CN217738650U (zh) 一种液态金属润滑轴承综合性能测试平台
Davis et al. The tribological evaluation of compressor contacts lubricated by oil-refrigerant mixtures
Hamilton et al. Measurement of viscosity loss of polymer-containing oils at high shear stresses
Trivedi et al. A modified ball-on-rod type rolling contact fatigue (RCF) tester for accelerated testing of candidate lubricants and bearing materials
RU2743496C1 (ru) Машина для определения усталостно-фрикционных свойств материалов
Hart Performance of PTFE based piston rings in an unlubricated reciprocating compressor

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees