JPH0534269A - 摩擦試験機 - Google Patents

摩擦試験機

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JPH0534269A
JPH0534269A JP20993191A JP20993191A JPH0534269A JP H0534269 A JPH0534269 A JP H0534269A JP 20993191 A JP20993191 A JP 20993191A JP 20993191 A JP20993191 A JP 20993191A JP H0534269 A JPH0534269 A JP H0534269A
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JP20993191A
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Junichi Deshimaru
順一 弟子丸
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接触面の接線方向に摩擦力が生じる試験片の
摩擦特性を試験でき、また種々の雰囲気下での摩擦特性
を精度良く測定できる摩擦試験機の提供。 【構成】 測定室3内のテストピース14,15 に加負荷機
構5により負荷を加え、軸受室4内の駆動軸25を回転す
ることで発生する接線方向の摩擦力を摩擦力測定機構で
測定する。測定室3および軸受室4間をオイルシール22
で密閉して分離したので、測定室3内を真空等の種々の
雰囲気にすることができる。また、バイパス機構9によ
り両室3, 4を同一圧力に制御できるため、高圧雰囲気
下でもオイルシール22からの漏れが生じず、摩擦試験を
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に加圧または減圧
下、および窒素、二酸化炭素、アンモニア、フロン等の
特殊ガス雰囲気下での潤滑剤や材料の摩擦に抗する性質
を試験する摩擦試験機に関し、冷凍・圧縮機や宇宙機器
に用いられる材料や潤滑剤の評価に利用できる。
【0002】
【背景技術】潤滑油やグリース等の潤滑剤や、鋼、合
金、プラスチック等の種々の材料の摩擦に抗する性質、
つまり摩擦特性は、ある荷重下で2つの固体が接触しな
がら、すべりまたはころがり運動するとき、あるいは両
運動をするときに生じる種々の特性、例えば接触面に生
じる運動を妨げる力(摩擦力)、固体表面の摩耗の度合
い、耐荷重能、固体の疲労寿命等を言い、潤滑剤や材料
を評価する際の重要な試験項目となっている。
【0003】この摩擦特性の試験に用いられる種々の摩
擦試験機のなかで、特に固定されたブロック状の試験片
と、この試験片に当接しながら回転されるリング状の試
験片とを用い、これら2つの試験片を圧接させた際にリ
ング状の試験片の回転により発生する接触面の接線方向
の摩擦力を測定する摩擦試験機としていわゆるファレッ
クス式ブロック・オン・リング摩擦試験機が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ファレックス式ブロック・オン・リング摩擦試験機で
は、2つの試験片が圧接によって摩耗すると、試験片間
に加わる負荷が減少してしまい、それに応じて摩擦力も
変化してしまうために正確な測定ができないという問題
があった。また、従来のファレックス式ブロック・オン
・リング摩擦試験機で試験片の摩耗量を測定するには、
試験終了後に試験片を取り外して実測しなければなら
ず、測定作業が煩雑でありかつ試験中の測定が行えない
という問題もあった。このことは、以下に述べる特殊ガ
ス雰囲気で実験する場合、特に問題となる。
【0005】すなわち、冷凍・圧縮機や宇宙機器等に用
いる材料や潤滑剤を試験する場合、その材料や潤滑剤を
これらが使用される状態と同じ状態、例えば真空等の減
圧、加圧下や窒素、二酸化炭素等の特殊ガス雰囲気下で
試験を行うことが望ましい。このような特殊ガス雰囲気
下で試験を行うには、試験片や潤滑剤が配置される測定
室内を密閉する必要がある。この測定室を密閉した密閉
式の摩擦試験機としては、日本潤滑学会第33期全国大
会予縞集(1988)第325頁に記載された図4に示
す摩擦試験機70が知られている。
【0006】摩擦試験機70は、試料容器71内に3個
の同一径の鋼球72を保持する保持容器73を軸受74
を介して回動自在に配置するとともに、3個の鋼球72
上に積まれた1個の鋼球75を回転軸76に固定し、保
持容器73にトーションバー77によって負荷を加えて
下側の鋼球72と上側の鋼球75とを圧接し、試料容器
71内に潤滑油78を所定量入れた後に、上側の鋼球7
5を回転軸76で回転させ、その回転に伴うトーション
バー77の回転から摩擦特性を評価するものである。こ
の際、試料容器71内の密閉は、メカニカルシール79
とOリング80とでなされている。
【0007】しかしながら、このような摩擦試験機70
では、回転軸76部分の密閉にメカニカルシール79を
用いているが、メカニカルシール79はその機構上試料
容器71内を減圧すると外気が洩れ込むため、試料容器
71内を真空雰囲気にすることができず、真空等の減圧
下での試験が行えないという問題もあった。また、試料
容器71内を密閉するOリング80の抵抗がトーション
バー77に加わるため、トーションバー77の回転から
測定している摩擦力に誤差が生じ、摩擦特性を精度良く
測定できないという問題もあった。さらに、トーション
バー77の段面積に容器71内の雰囲気圧が加わるた
め、トーションバー77による負荷に誤差が生じ、正確
な測定ができないという問題もあった。その上、前記摩
擦試験機70は、いわゆる四球式摩擦試験機と同様の構
成であり、ファレックス式ブロック・オン・リング摩擦
試験機のようにブロックおよびリング状の試験片を用い
る場合には適用できなかった。また、鋼球72,75の
摩耗量を測定するには、試料容器71を分解して鋼球7
2,75を取り出して実測しなければならず、ファレッ
クス式ブロック・オン・リング摩擦試験機と同様に試験
中には摩耗量を測定することができずかつ測定作業も極
めて煩雑であるという問題があった。
【0008】本発明の第1の目的は、ブロックおよびリ
ング状の試験片等を用いる場合のように、接触面の法線
方向に負荷を加えた際の接線方向の摩擦力等の摩擦特性
を試験でき、かつ試験片が摩耗しても正確な測定を行え
るとともに、試験片の摩耗量を容易にかつ試験中にも測
定できる摩擦試験機を提供することにある。また、本発
明の第2の目的は、ブロックおよびリング状の試験片等
用いる場合のように、接触面の法線方向に負荷を加えた
際の接線方向の摩擦力等の摩擦特性を種々の雰囲気下で
精度良く測定できる摩擦試験機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の摩擦試験
機は、2つの試験片に互いに圧接するように負荷を加え
る加負荷機構と、前記2つの試験片の接触面の接線方向
の摩擦力を測定する摩擦力測定機構と、前記2つの試験
片の内の一方の試験片に対する他方の試験片の前記接触
面の法線方向の変位を測定する変位測定機構と、前記負
荷の変化を検出してその変化に応じて加負荷機構を制御
して負荷を調整する負荷調整機構とを有することを特徴
とするものである。
【0010】また、本発明の第2の摩擦試験機は、2つ
の試験片が収納されかつ雰囲気を制御可能に構成された
測定室と、この測定室内の2つの試験片に互いに圧接す
るように負荷を加える加負荷機構と、前記2つの試験片
を相対的に回転させる回転機構と、前記測定室内に設け
られて2つの試験片の接触面の接線方向の摩擦力を測定
する摩擦力測定機構と、前記回転機構が配置されかつ前
記測定室とは密閉状態で分離された軸受室と、前記測定
室および軸受室を連通および遮断して各室の圧力を制御
するバイパス機構と、を有することを特徴とするもので
ある。
【0011】
【作用】本発明の第1の摩擦試験機においては、2つの
試験片の接触面の接線方向の摩擦力を測定可能な摩擦力
測定機構を設けたので、加負荷機構により負荷を加えら
れて圧接する2つの試験片が、ブロックおよびリングの
ように接触面の法線方向に負荷を加える形状の試験片で
あってもその摩擦特性を測定することが可能となる。ま
た、変位測定機構によって一方の試験片に対する他方の
試験片の接触面の法線方向の変位を測定しているので、
試験中であっても試験片の摩耗量が容易に測定される。
さらに、負荷調整機構により摩耗による負荷の変化が検
出され、その変化に応じて加負荷機構が制御されて負荷
が調整されるため、試験片が摩耗しても常時一定の負荷
を加えることができ、高精度の測定が可能となる。
【0012】また、本発明の第2の摩擦試験機において
は、試験片が配置される測定室と、回転機構が配置され
る軸受室とが密閉状態で分離されているため、測定室内
を減圧しても軸受室内のメカニカルシールから外気が洩
れ込むことがない。また、バイパス機構を設けて測定室
に合わせて軸受室の圧力を調整できるため、測定室およ
び軸受室の圧力差を無くすことができ、高圧下でも測定
室および軸受室間の密閉が確実に保持される。このた
め、減圧下あるいは加圧下等の種々の雰囲気下での試験
が可能となる。さらに、測定室内に摩擦力測定機構を設
けたので、測定機構にシール部を設ける必要がなく、シ
ール部の抵抗が加わらないため回転機構により相対的に
回転されて接触面の接線方向に摩擦力等を生じる試験片
の摩擦特性を精度良く測定することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1ないし図3には、本発明の一実施例の摩擦
試験機1が示されている。摩擦試験機1は、本体2に形
成された測定室3および軸受室4と、測定室3内に配置
される試験片に負荷を加える加負荷機構5と、試験片間
の摩擦力を測定する摩擦力測定機構6と、試験片の摩耗
量を測定する変位測定機構7と、軸受室4内に配置され
て一方の試験片を回転させて摩擦を発生させる回転機構
8と、測定室3および軸受室4の各室の圧力を調整する
バイパス機構9とを備えて構成されている。また、測定
室3は蓋10により閉塞可能とされ、軸受室4は軸受保
持部材11により閉塞可能に構成されている。
【0014】測定室3内には、測定室3の壁面3Aに沿
って上下方向に移動自在に取付けられたリニアガイド軸
受12と、このリニアガイド軸受12に対して水平方向
に移動自在に取付けられたリニアガイド軸受13とが設
けられている。リニアガイド軸受13の下部の案内溝1
4には、ブロック状のテストピース(試験片)15がね
じ等で固定されている。従って、テストピース15は各
リニアガイド軸受12,13を介して上下および水平方
向に移動自在に取付けられている。
【0015】また、測定室3内には、軸受室4内に回動
自在に支持された駆動軸25の一端が突出され、この一
端にはリング状のテストピース16が嵌合されてナット
26により固定されている。テストピース15の下面お
よびテストピース16の円周面は、加負荷機構5により
圧接されており、駆動軸25の回転に伴うテストピース
16の回転により、接触面の接線方向、つまり水平方向
に摩擦力が発生するように構成されている。
【0016】また、測定室3内のリニアガイド軸受13
には、図2および図3に示すように、測定室3内に連通
されたホルダ17内に保持されたロードセル18が連結
棒19を介して接続されている。連結棒19の両端は、
それぞれ回動自在に軸受13およびロードセル18に取
付けられており、テストピース16の回転に伴うテスト
ピース15、リニアガイド軸受13の水平方向の動き、
つまり接線方向の摩擦力をロードセル18により測定可
能に構成されている。これら、リニアガイド軸受13、
ロードセル18、連結棒19により前記摩擦力測定機構
6が構成されている。
【0017】測定室3の下方の本体2内には、測定室3
内の雰囲気および試験用油20の温度を制御するヒータ
21が埋め込まれている。また、測定室3および軸受室
4間には、オイルシール22が設けられ、測定室3から
駆動軸25部分を介して試験用油20や気体が洩れない
ように構成されている。
【0018】一方、軸受室4内に配置された駆動軸25
は、軸受室4内の軸受27および軸受保持部材11内の
軸受28により回動自在に支持されている。この駆動軸
25は、本体2外部に突出された端部に取付けられたプ
ーリ29およびベルト30を介して接続された図示しな
いモータによって回転駆動されるように構成されてい
る。これら駆動軸25、ナット26、軸受27,28、
プーリ29、ベルト30、モータにより回転機構8が構
成されている。
【0019】また、軸受室4内には、潤滑油31が充填
され、駆動軸25が円滑に回動されるように構成されて
いる。この潤滑油31は、オイルシール22により軸受
室4が測定室3と分離されているため、試験用油20と
同一油である必要はない。さらに、軸受室4および軸受
保持部材11間には、軸受室4内を外部から密閉し、所
定圧力に保持するメカニカルシール32が設けられてい
る。
【0020】テストピース15,16に負荷を加える加
負荷機構5は、モータ35の回転を直線運動に変換する
回転直線変換ユニット36を備えている。回転直線変換
ユニット36は、モータ35のプーリ37にベルト38
を介して接続されるプーリ39と、プーリ39に固定さ
れた軸40と、軸40に螺合されて軸方向移動可能に設
けられた移動部材41と、移動部材41の下方にコイル
ばね42を介して配置されたロードセル43とで構成さ
れている。
【0021】ロードセル43の下面43Aは半円状に形
成され、同じく半円状に形成された室外側加負荷用アー
ム45の端部上面45Aに当接するように配置されてい
る。加負荷用アーム45の他端には、図3に示すように
加負荷用回転軸46の一端が固定され、回転軸46の他
端には測定室3内に配置された室内側加負荷用アーム4
7が固定されている。加負荷用アーム47の先端下面4
7Aは、半円状に形成され、リニアガイド軸受12の半
円状の上面12Aに当接されている。また、回転軸46
の軸受け部分には、Oリング48が介在され、測定室3
内を密閉している。
【0022】前記モータ35の回転に伴い移動部材41
が下降すると、コイルばね42およびロードセル43を
介して室外側加負荷用アーム45が押し下げられ、さら
に加負荷用回転軸46および室内側加負荷用アーム47
が回動してリニアガイド軸受12を押し下げてテストピ
ース15,16間に負荷を加えるように構成されてい
る。従って、モータ35〜加負荷用アーム47により加
負荷機構5が構成される。また、ロードセル43は、回
転直線変換ユニット36によって室外側加負荷用アーム
45に加えられる負荷、つまりテストピース15,16
間の負荷を測定可能に構成され、テストピース15,1
6の摩耗によって負荷が変化した場合には、モータ35
を駆動して負荷を制御するように構成されている。この
ロードセル43により負荷調整機構が構成される。さら
に、回転軸46の回転量を測定する変位計49によりテ
ストピース15,16の摩耗量が測定され、この変位計
49により前記変位測定機構7が構成されている。
【0023】測定室3および軸受室4には、それぞれ外
部に連通された連通孔51,52が形成され、この連通
孔51,52の各ポート51A,52Aには、高圧用管
53,54がそれぞれ接続されている。各管53,54
には、弁55,56を介して測定室3内に供給する試験
用油20が保管されたタンク57と、軸受室4内に供給
する潤滑油31が保管されたタンク58とが接続されて
いる。また、管53,54間は測定室3および軸受室4
の圧力バランスをとる弁59を介して連通されていると
ともに、これら各管53,54は弁60を介して外気と
連通可能とされている。また、管53には圧力調整弁6
1が接続され、測定室3には油抜き用のドレン62が設
けられている。以上の管53,54、弁59,60、圧
力調整弁61により前記バイパス機構9が構成されてい
る。
【0024】次に、このような構成の本実施例における
試験手順について説明する。まず、蓋10を外し、ブロ
ック状のテストピース15をリニアガイド軸受12の案
内溝14にねじで固定するとともに、駆動軸25にリン
グ状のテストピース16を嵌めてナット26を締めて固
定する。次いで、蓋10を取付けて測定室3内を密閉す
る。
【0025】次に、弁55,56を開いて測定室3に試
験用油20を、軸受室4に潤滑油31をそれぞれ必要量
充填し、弁55,56を閉じる。そして、真空雰囲気下
での試験を行う場合には、弁59を閉じて弁60より真
空引きを行う。この際、弁59が閉じられているため、
測定室3のみが減圧されて真空となり、軸受室4は常圧
のまま保持されてメカニカルシール32からの外気の吸
い込みが防止される。また、測定室3および軸受室4間
の圧力差は1気圧であり、オイルシール22からの油3
1の漏れも生じない。一方、高圧雰囲気下で試験を行う
場合には、弁59を開いて測定室3および軸受室4の真
空引きを行った後、弁60から所定のガスを供給し、各
室3,4に充填する。この際、弁59が開いているた
め、測定室3および軸受室4の圧力は同一となり、オイ
ルシール22からの油20,31の漏れが生じない。ま
た、測定室3、軸受室4の圧力は、圧力調整弁61によ
り所定圧力に設定される。
【0026】各弁59,60の操作が終了した後、ヒー
ター21により測定室3内の試験用油20および雰囲気
を所定の温度に制御する。次いで、加負荷機構5のモー
タ35を駆動すると、プーリ37,39およびベルト3
8を介して回転直線変換ユニット36の軸40が回転さ
れる。軸40の回転に伴い軸40に螺合された移動部材
41が下方に移動し、コイルばね42およびロードセル
43を介して加負荷用アーム45を押し下げる。加負荷
用アーム45が押し下げられると、加負荷用回転軸46
および室内側加負荷用アーム47が回動し、リニアガイ
ド軸受12を押し下げ、テストピース15,16間に負
荷が加わる。
【0027】この状態で駆動軸25を回転させると、テ
ストピース15に対してテストピース16が回転し、接
触面の接線方向つまり水平方向の摩擦力が生じる。この
摩擦力によりテストピース15およびリニアガイド軸受
13が水平方向に円滑に動き、この動きを連結棒19を
介して接続されたロードセル18によって検出すること
で摩擦力が測定される。この際、連結棒19の両端の接
続部分が回動自在に構成されているので、摩耗によりテ
ストピース15が下降してもロードセル18に曲げ方向
の力は加わらず、水平方向の力のみが加わるために測定
誤差が防止される。
【0028】また、テストピース15,16が摩耗する
と、コイルばね42によりロードセル43を介して室外
側加負荷用アーム45に圧力が加わっているため、加負
荷用回転軸46および室内側加負荷用アーム47が回動
し、テストピース15,16は常時圧接状態に保たれ
る。この際の回転軸46の回転量を変位計49で測定す
ることで試験中の摩耗量の変化を測定することができ
る。また、テストピース15が摩耗してアーム45,4
7および回転軸46が回動すると、コイルばね42が伸
びてロードセル43による室外側加負荷用アーム45へ
の負荷が減少する。この負荷の変化をロードセル43で
検出し、負荷が減少したら減少分に応じてモータ35を
回転し、移動部材41を移動させることで負荷は常時一
定に保たれる。
【0029】試験終了後、弁59,60を開いてガス抜
き、あるいは空気封入を行う。また、ドレン62を開い
て試験用油20を抜く。そして、再び試験を行う場合に
は、以上の手順を繰り返せばよい。但し、軸受室4内の
潤滑油31は交換する必要がない。
【0030】以上の本実施例によれば、次のような効果
がある。すなわち、水平方向に移動自在なリニアガイド
軸受13にブロック状のテストピース15を固定し、駆
動軸25にリング状のテストピース16を取付け、リニ
アガイド軸受13に連結棒19を介してロードセル18
を接続したので、テストピース16の回転に伴い発生す
るテストピース15,16間の接触面の接線方向の摩擦
力をテストピース15、リニアガイド軸受13の水平方
向の移動量としてロードセル18で測定することができ
る。このため、2つの試験片の接触面の接線方向の摩擦
力を測定することができ、ブロックとリング等の種々の
形状のテストピースの摩擦特性を測定することができ
る。
【0031】また、回転軸46の回転を測定する変位計
49を設けたので、摩擦力だけでなくテストピース1
5,16の摩耗量も試験中に連続的に測定することがで
きる。さらに、ロードセル43を設けたのでテストピー
ス15,16の摩耗による負荷の変化を測定でき、この
変化量に応じてモータ35を駆動することで負荷を自動
的に補正することができ、常に一定の負荷の状態で試験
を行うことができ、摩擦特性を高精度に測定することが
できる。
【0032】さらに、テストピース15をリニアガイド
軸受12,13で支持しているので、摩擦力によるテス
トピース15の移動を円滑にロードセル18に伝達する
ことができる。さらに、ロードセル18を測定室3内に
設けているため、従来のトーションバー77のように抵
抗となる可動部のシールを無くすことができ、摩擦力等
を高精度に測定することができる。また、連結棒19を
リニアガイド軸受13とロードセル18とに回動自在に
接続しているため、摩耗等でテストピース15、リニア
ガイド軸受13が下降してもロードセル18に曲げ方向
の力が加わることがなくて測定誤差が生じることがな
く、高精度の測定を行うことができる。
【0033】また、測定室3と軸受室4とを分離したの
で、その間にオイルシール22を配置して測定室3を密
閉することができるとともに、メカニカルシール32を
測定室3と分離された軸受室4に配置することができ
る。このため、負圧にすると外気が漏れ込むメカニカル
シール32を測定室3内に設ける必要がなく、測定室3
内を真空雰囲気にすることもでき、宇宙空間等の真空中
で使用する材料や潤滑剤の摩擦試験を行うことができ
る。
【0034】さらに、バイパス機構9を設けたので、測
定室3および軸受室4を同一圧力に制御することがで
き、高圧雰囲気での試験時に各室3,4を同一圧力にし
てオイルシール22からの油や雰囲気の漏れを確実に防
止できる。従って、本実施例によれば、加圧又は減圧下
等の種々の雰囲気圧下で、かつ特殊ガス(窒素、二酸化
炭素、アンモニア、フロン等)の雰囲気下で各種潤滑
剤、材料の摩擦に抗する性質を精度良く測定することが
できる。
【0035】また、従来のようにトーションバー77に
より試験片に負荷を加えた場合、室内の雰囲気圧がトー
ションバー77の断面積に加わり、その分実際に加わる
負荷が減少して誤差が生じ、このため雰囲気圧によって
摩擦特性の試験に誤差が生じていたが、前記実施例で
は、加負荷用アーム42およびリニアガイド軸受12は
球面同士の接触であり、雰囲気圧が接触面の全表面に加
わって雰囲気圧による上下方向の力の差が生じないた
め、負荷に誤差が生じず、高精度の測定を行うことがで
きる。
【0036】なお、本発明は前述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、前
記実施例では、ブロック状のテストピース15とリング
状のテストピース16との摩擦特性を測定していたが、
本発明は例えば、リング状のテストピースとこのテスト
ピースの外周面が密着するように円弧状に凹んだ側面を
有するテストピースや、両方ともリング状のテストピー
ス等の他の形状のテストピースの試験にも適用すること
ができる。
【0037】また、回転機構8は、2つの試験片を相対
的に回転させるものであればよく、例えば2つの試験片
が共にリング状であれば、両試験片を回転させてもよ
く、測定する試験片の形状等に応じて適宜設定すればよ
い。さらに、加負荷機構5、摩擦力測定機構6、変位測
定機構7、バイパス機構9等も前記実施例の構成に限ら
ず他の構成でもよく、前記実施例と同様に作用するもの
であればよい。
【0038】
【発明の効果】本発明の第1の摩擦試験機によれば、ブ
ロックおよびリング状の試験片等を用いる場合のよう
に、接触面の法線方向に負荷を加えた際の接線方向の摩
擦力等の摩擦特性を試験でき、かつ試験片が摩耗しても
正確な測定を行えるとともに、試験片の摩耗量を容易に
かつ試験中にも測定できるという効果がある。また、本
発明の第2の摩擦試験機によれば、ブロックおよびリン
グ状の試験片等を用いる場合のように、接触面の法線方
向に負荷を加えた際の接線方向の摩擦力等の摩擦特性
を、種々の雰囲気下で精度良く測定できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の摩擦試験機を示す側面断面
図である。
【図2】前記実施例の摩擦試験機を示す正面断面図であ
る。
【図3】前記実施例の摩擦試験機を示す平面断面図であ
る。
【図4】本発明の従来例の要部を示す正面断面図であ
る。
【符号の説明】
1 摩擦試験機 3 測定室 4 軸受室 5 加負荷機構 6 摩擦力測定機構 7 変位測定機構 8 回転機構 9 バイパス機構 12,13 リニアガイド軸受 15,16 テストピース 20 試験用油 43 負荷調整機構であるロードセル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの試験片に互いに圧接するように負
    荷を加える加負荷機構と、前記2つの試験片の接触面の
    接線方向の摩擦力を測定する摩擦力測定機構と、前記2
    つの試験片の内の一方の試験片に対する他方の試験片の
    前記接触面の法線方向の変位を測定する変位測定機構
    と、前記負荷の変化を検出してその変化に応じて加負荷
    機構を制御して負荷を調整する負荷調整機構とを有する
    ことを特徴とする摩擦試験機。
  2. 【請求項2】 2つの試験片が収納されかつ雰囲気を制
    御可能に構成された測定室と、この測定室内の2つの試
    験片に互いに圧接するように負荷を加える加負荷機構
    と、前記2つの試験片を相対的に回転させる回転機構
    と、前記測定室内に設けられて2つの試験片の接触面の
    接線方向の摩擦力を測定する摩擦力測定機構と、前記回
    転機構が配置されかつ前記測定室とは密閉状態で分離さ
    れた軸受室と、前記測定室および軸受室を連通および遮
    断して各室の圧力を制御するバイパス機構と、を有する
    ことを特徴とする摩擦試験機。
JP20993191A 1991-07-26 1991-07-26 摩擦試験機 Withdrawn JPH0534269A (ja)

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