JP2868660B2 - 簡易通信用中継システム - Google Patents

簡易通信用中継システム

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JP2868660B2
JP2868660B2 JP1909392A JP1909392A JP2868660B2 JP 2868660 B2 JP2868660 B2 JP 2868660B2 JP 1909392 A JP1909392 A JP 1909392A JP 1909392 A JP1909392 A JP 1909392A JP 2868660 B2 JP2868660 B2 JP 2868660B2
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晴一 樋口
虎一 村上
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孝幸 島原
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Enu Tei Tei Komyunikeeshon Uea Kk
Sumiden Opcom Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Enu Tei Tei Komyunikeeshon Uea Kk
Sumiden Opcom Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、公衆簡易通信用中継シ
ステムに関し、トンネルや地下街など構造上電波の空間
伝搬が制約された構造物内の移動体通信端末と構造物外
部の移動体通信端末との間の良好な通信状態を確保する
のに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】遠隔地との交信のため地下にトンネルを
設けて電線やケーブル類を敷設したり、交通の便をはか
るため道路が山間部を通るとき一部にトンネルを設ける
等、現代社会においては、トンネルの存在は非常に大き
くなっている。それによって、トンネル内を人々が通行
し或いはメンテナンスのためトンネル内で仕事をするな
ど、人々がトンネル内で活動するような事態が通常に起
こるようになってきている。
【0003】トンネル内を通行したり、内部で仕事をし
たりする場合、相互に離れた人々の間で通信を行う必要
の生ずることは、しばしばである。このような場合、図
7(a)に示すように、トンネル200内の適当なとこ
ろに固定通信装置(固定電話機1211等)を置き、分
岐ケーブル1212,通信ケーブル1213,分岐器1
214,交換器1215等をつないで通信機端末間で通
話を行う方法がある。この方法では、通信装置端末の数
が非常に多くない限り端末へ届く時間を要し、実用的な
メリットはほとんどない。通話相手が適当な端末位置に
いることも約束されておらず、通話が成立する可能性は
極めて低い。人々の位置は定まっておらず不定であるの
で、特定の場所間の固定通信装置を利用するのは誠に不
便である。図7(b)は、これに対し、固定通信端末に
コードレスフォーン1216のごときものを用いて若干
の移動を可能にしたものであるが移動可能範囲は極めて
狭く、前述の欠点を解決できない。
【0004】ここで、トランシーバなどの簡易型簡易通
信機を用いて相互に通信できれば実用上非常に有意義で
あり、それにより非常に便利に通信できるようになる。
ところが実際によく経験するように、トンネル内でトラ
ンシーバを用いて通信しようとすると、相互に直視の状
態にある場合は、なんとか通話可能であるが、トンネル
がまがって相手が見えない状態になるとたちまち通話不
能になってしまう。
【0005】このため、いろいろな方法が考えられてい
る。例えば、図8(a)に示すように、トンネル200
内の壁面に沿って長さ方向に1条のアンテナ線1311
を張り、トンネル200内の任意の位置でアンテナ線1
311を介してトランシーバー201A,201B間の
通信を行う方法がある。しかし、この方法では、アンテ
ナ線1311に沿っての減衰が大きく、実用的に通信で
きない。そこで、これを改良して、図8(b)に示すよ
うに、例えば管理センター1314からアンテナ線13
11に情報を乗せて受信器201Cで受信させることに
よって放送を行うものがある。この方法では、管理セン
ターからアンテナ線に大きな電力を供給できるので、数
メガヘルツの周波数以下での実用例がある。
【0006】また、図9(a)に示すように、新幹線の
電話通信などで実用化されているLCXを用いる方法が
ある。LCXは、同軸ケーブルの外部導体に適当な穴が
設けられ、これに電波を通すことによってその一部が外
へ漏れて、その近辺に漏洩電磁界を発生させるものであ
る。これによりLCX1511を介して電車1501の
通信装置1512と中継装置1513との間の通信がな
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8(b)に示したア
ンテナ線1311を張る方法では、管理センターからト
ンネル内の人間に一方向に行われているだけであり、ト
ンネル内の人間相互の通信は、非常に大きな電力が必要
なため通信機が大型化し、携帯性を著しくそこねる。実
用的には、トンネル内の人間相互の通信は無理である。
また、図9(a)に示したLCXを用いる方法では、L
CXの技術的制約から80〜2000MHz程度の周波
数が用いられ、ケーブルの持つ大きな損失により通信装
置の出力を200W前後の大きな値にして通信品質を確
保している。これを図9(a)に示すように、移動者間
(トランシーバー201A,201B間)の通信に用い
ると、さらにLCXと通信機(トランシーバー201
A,201Bなど)の間の結合損失が加わるため、図8
(a),(b)に示したアンテナ線1311を張る方法
と同様の問題を生じ、実用的には、トンネル内の人間相
互の通信は無理である。
【0008】また、前述の方式はすべてが受動素子(但
し、中央装置を除く)で構成されているので、伝送線路
の減衰等による制約により実現出来るシステム規模に制
限が生ずる。このため、さらに大規模なトンネルに対し
ては、何等かの工夫が必要になって来る。また、トンネ
ル外に出ている人と内部とで連絡を取る必要も高まって
いる。これに対する方策も望まれる。このように、トン
ネル内外で相互に無線通信を行い得るようにするため、
種々の工夫,努力がなされているのが現状である。
【0009】本発明では、トンネル内外でトランシーバ
ーなどの簡易型簡易通信機を用いて良質な通信を行い得
る方式を提案する。本発明の方式では、単にトンネルで
の無線通信のみならずその応用分野は広い。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の簡易通信用中継システムは、構造物(例え
ば、トンネル、地下街、電磁気的に遮断された建築物内
など)内部に複数の簡易通信用端末(トランシーバーな
ど)が配置され、構造物内部には同じ周波数の電波を送
受信するアンテナが簡易通信用端末ごとに設けられてい
る。あるいは、構造物内部及び外部に簡易通信用端末が
配置され、構造物内部及び外部には同じ周波数の電波を
送受信するアンテナが簡易通信用端末ごとに設けられて
いる。これらの簡易通信用中継システムにおいて、アン
テナからの受信信号を周波数変換して中間周波数信号と
して伝送線路へ出力する第1の周波数変換手段と、伝送
線路からの中間周波数信号を受信信号と同じ周波数に周
波数変換してアンテナへ出力する第2の周波数変換手段
と、第1の周波数変換手段の入力信号のレベルを検出し
てそのレベルが所定のレベル以下のときに第1の周波数
変換手段の出力をオフにする第1のスイッチ手段と、第
2の周波数変換手段の入力信号のレベルを検出してその
レベルが所定のレベル以下のときに第2の周波数変換手
段の出力をオフにする第2のスイッチ手段とを含んで構
成された中継手段が、アンテナごとに設けられたことを
特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の簡易通信用中継システムでは、アンテ
ナと各アンテナに中継手段とが設けられ、これらが伝送
線路を介して相互につながれるという構成をとってい
る。このため、構造物内部のアンテナの設けられた各区
域は、この簡易通信用中継システムを介して交信可能に
なる。あるいは、構造物内部と構造物外部の間でも交信
可能になる。これをもう少し詳しく説明すると、アンテ
ナが設けられた領域にある簡易通信用端末から電波が出
力され、これがアンテナに受信されると、そのアンテナ
につながれた中継手段の第1の周波数変換手段で周波数
変換され中間周波数となる。このとき、第1のスイッチ
手段でこの電波が検出され、この中間周波数信号が伝送
線路へ出力される。一方、伝送線路からは中間周波数信
号が出力されないため、第2のスイッチ手段によって第
2の周波数変換手段の出力は、オフとなり、アンテナか
ら出力されるのが防止される。
【0012】伝送線路へ出力された中間周波数信号は、
他の各中継手段へ伝送され、各中継手段の第2の周波数
変換手段で前述の受信信号と同じ周波数に周波数変換さ
れ、また、第1のスイッチ手段でこの電波が検出され、
アンテナから出力されてほかの各簡易通信用端末で受信
される。このとき、各簡易通信用端末からは電波が出力
されないため、第1のスイッチ手段によって第1の周波
数変換手段の出力は、オフとなっており、伝送線路へ中
間周波数信号が出力されるのが防止されている。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0014】簡易通信方式で対象としているトランシー
バでは、送受信共に同じ搬送周波数を使用して交互に通
信(Press to talk 通信)している。本発明の簡易通信
用中継システムは、それに対応するような工夫をするこ
とで、トンネル内同士トンネル内外の各簡易通信用端末
間の通信を可能にしたものである。この簡易通信用中継
システムの基本構成が、図1に示されている。
【0015】トンネル200内を適当に区分し、区分さ
れた夫々の区域にトンネル内アンテナ208A〜208
C及びアンテナ−伝送線路結合器223A〜223C
(中継手段)が設置されている。アンテナ208A〜2
08Cと伝送線路Cとはアンテナ−伝送線路結合器22
3A〜223Cを介して結合されている。伝送線路Cと
トンネル外に設置したアンテナ212(アンテナ208
との区別のため、以下これを空中線221とする。)と
は空中線−伝送線路変換器221(局発信号を出力する
中継手段)を通じて接続されている。さらに、局発信号
伝送用の伝送線路Li によって空中線−伝送線路変換器
221からの局発信号fLiが各アンテナ−伝送線路結合
器223に出力されている。
【0016】空中線−伝送線路変換器221およびアン
テナ−伝送線路結合器223A〜223Cは、ほぼ同一
の機能を持ち、アンテナ208A〜208C又は空中線
221からの電波(周波数fR )が所定のレベル以下で
あれば、伝送線路Cへの出力(中間周波数fi )をオフ
とし、また、伝送線路Cからの入力(中間周波数fi
が所定のレベル以下であれば、アンテナ208A〜20
8C又は空中線221への出力(周波数fR )をオフと
する。両方が所定のレベル以上であれば、先にオンとな
っている方の状態が保持される。このような機能により
内部でループができるのを防止し中継を良好に行ってい
る。この回路については後に詳述する。
【0017】トンネル内のトランシーバー224Bから
出力されてアンテナ208Bで受信された信号電波(周
波数fR )は、アンテナ−伝送線路結合器223Bにて
伝送線路Cでの伝送に適した低い周波数fi に変換、さ
らに適正なレベルまで増幅されて伝送線路Cへ送り出さ
れる。ここで、伝送線路Cからアンテナ208への信号
の流れはオフになっている。これを受けた空中線−伝送
線路変換器221及び他の各アンテナ−伝送線路結合器
223A,223Cでは、伝送線路Cからの信号の周波
数fi が元の周波数fR に復元されて空中線212若し
くはアンテナ208A,208Cより送信される。この
とき、空中線212若しくはアンテナ208A,208
Cから伝送線路Cへの信号の流れはオフになっている。
【0018】このように、送り手のトランシーバー22
4Bから各トンネル内の領域に信号が伝送され、逆方向
の流れを防止している。また、逆に空中線212から受
信した電波は、同様にしてアンテナ208A〜208C
より送信される。このときも逆方向の流れは防止されて
いる。この様にして、送り手から出力される方向の伝送
路のみを形成して、トンネル内外の各簡易通信用端末間
の通信(Press to talk 通信)を可能にしたものであ
る。
【0019】この図1では、分かりやすいように、トラ
ンシーバー224Bから出力された信号fR1とトランシ
ーバー224Bへ信号fR2を別の符号で書いているが、
その周波数fR は等しいものである。
【0020】つぎに、図1の簡易通信用中継システムの
構成要素について説明する。
【0021】アンテナ208A〜208Cに用いる形状
としては、本件の発明者の研究により、図2(a),
(b)に示すローディング型アンテナが良好なものであ
ることが確認されている。また、図2(c)に示すよう
に、終端を整合抵抗507で短絡し給電点508からの
信号を出力するような形状のものについても用い得るこ
とが確認されている。
【0022】空中線−伝送線路変換器およびアンテナ−
伝送線路結合器は、図3にこれらの要部の構成が示され
ている。この図において、増幅器AMP1〜AMP4
(増幅器AMP1,AMP3はAGC増幅器)は同じ周
波数(fR1=fR2=fR )に対して動作するように設計
されているため、アンテナ−伝送線路結合器の内部でA
MP1−MIX1 −AMP2−AMP3−MIX2 −A
MP4なる増幅器を含んだループ回路が形成され、何等
かの工夫がなければ、動作が極めて不安定になり発振す
る、といった異常動作を起こしてしまう。そこで、サー
キュレータC1 ,C2 を設けることでこのループを分離
している。空中線−伝送線路変換器あるいはアンテナ−
伝送線路結合器で周波数に変換されて伝送線路へ出て行
く信号fR,fi は、アンテナ側サーキュレータC1
は伝送線路側サーキュレータC2 を通ってアンテナ側若
しくは伝送線路側に出力され、増幅器AMP1,増幅器
AMP3には入力されないようになっている。しかし、
サーキュレータC1 ,C2 からの信号漏れがあり、これ
だけでは十分ではない。
【0023】そのため、つぎのようにしてこの問題の対
策がしてある。増幅器AMP2と増幅器AMP4に直列
にスイッチS1およびスイッチS1がそれぞれ接続され
ている。一方、増幅器AMP2と増幅器AMP4の出力
レベルを判定するレベル判定回路DET1 とレベル判定
回路DET2 が夫々の出力端に並列に接続されている。
レベル判定回路DET1 の判定出力は2分され、一方は
スイッチS1のドライバDR1 のD(ドライブ)端子に
遅廷回路DL1 を経由して接続され、他方はスイッチS
2のドライバDR2 のINH(禁止)端子に直接接続さ
れている。レベル判定回路DET2 の出力も2分され、
一方は遅廷回路DL2 を経てドライバDR2 のD端子に
接続され、他方はドライバDR1 のINH端子に直接接
続されている。スイッチS1とレベル判定回路DET1
とで第1のスイッチ手段を、スイッチS2とレベル判定
回路DET2 とで第2のスイッチ手段を構成している。
【0024】この図3の回路の動作は次のようになる。
端子A1,T1のいずれからも入力がない場合は、スイ
ッチS1,S2共に開放されており、回路は安定状態を
保っている。いま、端子A1より信号が入って来た場合
を考えると増幅器AMP1,ミキサーMIX1 を通って
増幅器AMP2に入力があり、その出力に信号電圧が現
われる。この段階ではスイッチS1は開放状態にあり、
それより先へは増幅器AMP2の出力信号は進まない。
増幅器AMP2の出力電圧が適当に設定された判定レベ
ルより高くなると、レベル判定回路D1 の出力が現わ
れ、直ちにドライバDR2 のINH端子に電圧が加わ
る。
【0025】ドライバDR1 ,DR2 は入力端子として
D端子とINH端子とを有し、D端子に電圧が加えられ
るより先にINH端子に電圧が加わると、その電圧が加
わっている間は、D端子に加えられる電圧の如何にかか
わらず出力端子には出力が出ず、それに接続されている
スイッチは開放されたままになっている様な機能を有す
る回路とする。また、INH端子に電圧が加わっていな
い時にD端子に電圧が加えられると電圧が加わっている
間はINH端子の状態にかかわらず出力端子に出力が現
れ、スイッチを閉じた状態に保つ。すなわち、D,IN
Hいずれの端子も先に電圧を加えられた方が、電圧を加
え続けているかぎり優先権を有し、D端子に電圧が加え
られているとスイッチをドライブして閉じ、INH端子
に電圧が加えられているとスイッチを開放状態に保つ様
な回路とする。なお、D,INH両端子共に電圧が加わ
っていないと、出力は現れずスイッチは開放状態にあ
る。
【0026】この様な機能を有するドライバDR2 のI
NH端子に電圧が加わるとそれ以後この電圧が無くなる
までスイッチS2は開放状態に保たれ増幅器AMP4に
出力が現れる様なことがあってもスイッチS2で遮断さ
れサーキュレータC1 の方には出て行かなくなる。次に
レベル判定回路DET1 の出力は遅廷回路DL1 によっ
て時間τだけ遅らされて、ドライバDR1 のD端子に加
えられる。これによりスイッチS1が導通し増幅器AM
P2の出力信号は、サーキュレータC2 を経て端子T1
へ出て行く。このときサーキュレータC2の漏れによっ
て端子I4 即ち増幅器AMP3の入力へ信号が漏れ増幅
器AMP4の出力が現われることがあるが、すでにスイ
ッチS2はドライバDR2により禁示状態にあり、スイ
ッチS2が開放された状態に保たれており、それ以上は
信号が進まず、閉ループ回路は形成されないため、安定
動作が保たれる。このとき増幅器AMP4の出力をレベ
ル判定回路DET2 が検知して、ドライバDR1のIN
H端子に電圧が加えられることがあるがDR1はすでに
ドライブ状態にあるからINH端子への加電圧は何等影
響を与えず通信の連続性は保たれる。
【0027】端子A1からの入力が無くなれば回路はS
1,S2が開放され、始めの状態に戻る。また、端子T
1側から増幅器AMP1へ通話信号(周波数fR )の入
力がある場合の動作についても同様に解析出来、安定動
作する。
【0028】この様に、アンテナ−伝送線路結合器、空
中線−伝送線路変換器に図3に示した構成のものを用い
ると、単一周波数による簡易通式方式(Press to Talk
方式)に対してもトンネル内同士およびトンネル内外間
の通信が安定に行える様になる。
【0029】遅廷回路については非常に簡単な機能を持
っているので、その実現について明白であると思われる
が、念の為に一例を挙げておく。図4にその構成例が、
図5に図4の各点におけるタイミングチャートが示され
ている。この図4において符号INV1,INV2はイ
ンバータ,CPはコンパレータを示している。この回路
における遅延時間τは、R,Cで決まるコンデンサCの
放電時間と、コンパレータCPの設定電圧eで決定され
る。
【0030】つぎに、ドライバ回路の構成例が、図6に
示されている。同図D,INH両端子共に電圧が加えら
れていない時は、AND1,AND2の両AND回路の
出力はローになっており、AND3への入力はINH端
子側からのものは反転増幅器AR3によってハイとなる
が、D端子側からのものはローのままなので出力端子O
UTへの出力はなくローの状態を保つことになる。この
ときINH端子にハイ電圧が加えられた場合を考えると
AND1の出力はローのままなので、反転増幅器AR1
の出力はハイであるので、AND2の入力の一つにはハ
イ電圧が加わっている。よってINH端子からの入力出
圧がハイになると、AND2の両入力端子共にハイにな
るので、その出力はハイとなる。したがってAR3の出
力はローになってAND3の出力をローにキープする。
さらに、AR2の出力はローになってAND1の一方の
入力端子に加えられる。よってそれ以降INH端子がハ
イに保たれている限りD端子の状態に関係なくANDE
T1の出力はローのままであり、AND3の出力はロー
に保たれる。
【0031】次に、先にD端子へハイ電圧を加えた場合
を考える。AR2の出力はハイであるので、AND1の
出力はハイとなり、AR3の出力もハイであるからAN
D3の出力もハイになる。AR1の出力はローに変るの
で、これ以降はD端子にハイ電圧が加えられている限
り、AND3の出力は、INH端子の状態に関係なくハ
イに保たれる。このように、図6の回路例は前に述べた
ドライバに要する動作を満足していることがわかる。
【0032】このように、この簡易通信用中継システム
システムによれば、トランシーバーがトンネル内に存在
して、通常の場合には、電波が到達しないために、通信
不能になるようなときでも、トランシーバーがトンネル
外に存在する場合と同様に、通信が行えることになる。
この実施例は、トンネル内外の通信に着目して行って来
たが、一般に建物の地下等、電波の届かない所に対して
本提案を適用出来ることは当然であろう。
【0033】そして、2つの中間周波数信号を伝送する
伝送路Cと基本局発周波数を伝送する伝送路Liとを別
箇のものとして説明して来たが、これらを周波数多重し
て、伝送路を、一条にまとめることが出来ることは自明
であろう。
【0034】図では、簡単のため、アンテナ−伝送線路
結合器を3つしか示していないが、伝送線路のドライブ
能力に応じて、多数つなぐことができ、複雑な形状のト
ンネルに対してもその形状に応じて分岐を設けて対応で
きる。伝送線路を経由して相互結合する形式の本システ
ムは高性能であり、将来の発展性等優れていると思わ
れ、この簡易通信方式によって、システム規模の拡大、
トネンルの内外間の通信が可能となり今後広く普及する
ものと思われる。
【0035】
【発明の効果】以上の通り本発明の簡易通信用中継シス
テムによれば、トンネルや地下街など構造上電波の空間
伝搬が制約された構造物内部間でも、あるいは、構造物
内部と構造物外部の間でも、この簡易通信用中継システ
ムを介して交信可能となるので、簡易通信用端末の間で
良好な通信をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の簡易通信用中継システムの基本構成
図。
【図2】ローディング型アンテナ及び往復線路によるア
ンテナの構成図。
【図3】空中線−伝送線路変換器およびアンテナ−伝送
線路結合器の要部の構成図
【図4】遅延回路の構成図。
【図5】遅延回路のタイミングチャート。
【図6】ドライバの構成図。
【図7】固定通信装置による方式の説明図。
【図8】従来の通信方式の説明図。
【図9】LCXを用いる方法の説明図。
【符号の説明】
200…トンネル,208…アンテナ,212…空中
線,221…空中線−伝送線路変換器,223…アンテ
ナ−伝送線路結合器,224…トランシーバー,C…伝
送線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大本 勝美 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 龍頭 正博 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 芝野 儀三 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社 大阪製作所内 (72)発明者 樋口 晴一 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社 大阪製作所内 (72)発明者 村上 虎一 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 向井 保紀 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 島原 孝幸 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 東郷 幸夫 東京都大田区大森西七丁目6番31号 住 電オプコム株式会社内 審査官 溝本 安展 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/14 - 7/22 H04B 7/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物内部に複数の簡易通信用端末が配
    置された、あるいは、構造物内部及び外部に簡易通信用
    端末が配置された簡易通信用中継システムにおいて、 前記構造物内部には同じ周波数の電波を送受信するアン
    テナが、あるいは、前記構造物内部及び外部には同じ周
    波数の電波を送受信するアンテナが、前記簡易通信用端
    末ごとに設けられ、 前記アンテナからの受信信号を周波数変換して中間周波
    数信号として伝送線路へ出力する第1の周波数変換手段
    と、前記伝送線路からの中間周波数信号を前記受信信号
    と同じ周波数に周波数変換して前記アンテナへ出力する
    第2の周波数変換手段と、前記第1の周波数変換手段の
    入力信号のレベルを検出してそのレベルが所定のレベル
    以下のときに前記第1の周波数変換手段の出力をオフに
    する第1のスイッチ手段と、前記第2の周波数変換手段
    の入力信号のレベルを検出してそのレベルが所定のレベ
    ル以下のときに前記第2の周波数変換手段の出力をオフ
    にする第2のスイッチ手段とを含んで構成された中継手
    段が、前記アンテナごとに設けられたことを特徴とする
    簡易通信用中継システム。
JP1909392A 1992-02-04 1992-02-04 簡易通信用中継システム Expired - Lifetime JP2868660B2 (ja)

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