JP2868619B2 - ヒンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒンジ（蝶番い）に関し、特に、配線キャビ
ネットや計器キャビネットのための、請求項１の前文に
記載されるようなドアヒンジに関する。

ヨーロッパ特許第157,344 B1号に開示されるドアヒン
ジは、キャビネットのドアの内側に固定されひとつの軸
受け穴を有する第１のヒンジ部と、キャビネット側に固
定される第２のヒンジ部とから構成される。キャビネッ
ト側のヒンジ部は固定板上に２つの軸受け穴を有し、こ
れら２つの軸受け穴の間に挟まれて、ドア側ヒンジ部の
軸受け穴が位置する。第１および第２のヒンジ部は、キ
ャビネット側ヒンジ部の２つの軸受け穴に挿入されるヒ
ンジピンによって、連結される。

例えば、組立て時やメンテナンス時にキャビネットの
折りたたみ戸を外すためには、ヒンジピンを差し込んだ
ままヒンジ継ぎ手を外す必要がある。このために、各ヒ
ンジピンには２つの止め溝が間隔をおいて設けられ、キ
ャビネット側の軸受け穴に取り付けられたストップばね
と係合する。これによってヒンジピンはドア側の軸受け
穴（またはドア側のヒンジ部）に対して連結、非連結が
可能になる。さらに、各ヒンジピンには、環状の溝と突
起保持部とが設けられ、スクリュードライバなどの適切
な道具を用いて、ばねの張力に抗してヒンジピンを外す
ことができる。しかしながら、ヒンジは通常キャビネッ
トドアのコーナーのエッジ部に位置し、接触しにくい位
置にあるので、ヒンジピンを外すにはある種の技術が必
要となる。

またこのようなヒンジの失点として構造の複雑さがあ
り、特にヒンジピンに環状溝と止め溝という２種類の溝
を設けるので、ヒンジの製造コストがかかる。

そこで本発明の目的は、特に簡単なデザインと頑丈な
構成を有し、19インチキャビネットや配線／計器キャビ
ネットなどに使用されてるヒンジを提供することにあ
る。このヒンジは、ヒンジ部分の結合、取り外しが迅速
かつ容易に行えることを特徴とする。

上記目的は、請求項１に記載の特徴を有するヒンジに
よって達成され、その他の特徴、変形例は、従属の請求
項および明細書の記載に示される。

本発明は、ヒンジ部分のとりわけ簡単な組合わせ／取
り外しに基づくものである。例えば、一方の側のヒンジ
部（すなわち、キャビネット側ヒンジ部またはドア側ヒ
ンジ部のいずれか一方）、または任意で双方のヒンジ部
を２つの部分から構成することによって、キャビネット
（枠）へのドアの取り付け／取り外しが容易となる。２
つのヒンジ構成部分は個別に固定され、お互いが相対的
に軸方向、すなわちキャビネットの縦方向に移動調節可
能である。

本発明によれば、キャビネット側またはドア側のヒン
ジ部のいずれか一方が２部構成を取り、第１の下部ヒン
ジ部分と第２の上部ヒンジ部分とから成る。取り付け時
には、これら２つのヒンジ部分の間に、もう一方の側の
ヒンジ部（ドア側またはキャビネット側のヒンジ部）
を、少なくとも一つのヒンジピンで旋回可能に取り付け
る。

本発明の第１実施例によれば、ドア側ヒンジ部が一つ
の部分からなり、ヒンジピン支持部の両側に軸方向に突
き出たヒンジピンを有する。ヒンジピンは、キャビネッ
ト側の上部ヒンジ部分の軸受け穴と、下部ヒンジ部分の
軸受け穴とに係合する。

別の形態として、キャビネット側の下部および上部ヒ
ンジ部分がそれぞれヒンジピンを有してもよい。この場
合、ヒンジピンは例えば筒状の保持部に圧入されて、固
定状態で保持され、ドア側ヒンジ部は例えばロール状の
ヒンジ穴を有する。ドア側ヒンジ部のヒンジ穴は、キャ
ビネット側ヒンジ部を構成するほぼ相同形の２つのヒン
ジ部分の間で、それぞれのヒンジピンによって旋回可能
に保持される。キャビネット側の２つのヒンジ部分はそ
れぞれの固定領域で取り付けられる。

キャビネット側ヒンジ部の下部および上部ヒンジ部分
の固定領域に、それぞれ長穴が簡単に形成される。長穴
のヒンジピン側の端部中心には、座ぐりねじを受けるた
めの補足孔が設けられる。

取り付け時には、まずキャビネット側の下部ヒンジ部
分をキャビネット（枠）の垂直方向の空洞の梁に、取り
外し可能に固定する。

座ぐりねじはロック可能のばね板ナットと共同し、キ
ャビネットの縦方向に沿って設けられた四角いＴスロッ
トに、回転防止され、かつ縦方向に移動可能に保持され
る。緩め時には（座ぐりねじの完全な取り外し時ではな
い）、長穴のサイズに応じて、キャビネット側のヒンジ
部分の各々をドア側のヒンジ部から離すように位置調節
して、ヒンジ穴からヒンジピンをはずすことができる。
これによってドアは容易にキャビネットから取り外され
る。ドアの取り付け時には、まず座ぐりねじをキャビネ
ット側の下部ヒンジ部分の補足孔に捩じ込んで、下部ヒ
ンジ部分を固定する。ドアに取り付けられたドア側ヒン
ジ部のヒンジ穴をキャビネット側ヒンジ部の下部ヒンジ
ピンに、次いで上部ヒンジピンに装着する。この時、長
穴の中で緩めた座ぐりねじによって最上部位置に保持さ
れていた上部ヒンジピンが、ドア側のヒンジ穴の中へと
移動し、ヒンジ穴と係合する。座ぐりねじを固定するに
は、ロック可能のばね板ナットを用いるのが好ましい
が、滑りナット（sliding nut）や単純なばね板ナット
を用いてもよく、いずれの場合もこれらナットはキャビ
ネットの縦方向の空洞部に設けたＴスロットに沿って移
動可能である。

キャビネット側ヒンジ部分の装着フランジの縦の長
さ、特に長穴の長さは、ヒンジピンの長さやドア側のヒ
ンジ部のヒンジ穴の軸方向の長さとお互いに適合するよ
うに設定される。キャビネット側ヒンジ部の上部および
下部の２つの装着フランジ間の離反距離が、ドア側ヒン
ジ穴に挿入されるピンの長さと同じか、またはピン長さ
より少し大きいことが好ましい。

本発明の第２の実施例によれば、ドア側のヒンジ部が
２部構成を取り、第１のドア側ヒンジ部分と、これとほ
ぼ相同の第２のドア側ヒンジ部分とから成る。原則とし
て第１、第２のドア側ヒンジ部分を、下部および上部ヒ
ンジ部分とするが、前後に開閉型のドアや水平方向にヒ
ンジを取り付けた窓状ドアの場合は、第１および第２の
ヒンジ部分はそれぞれ右側および左側のヒンジ部分とな
る。ただし、説明を明瞭にするために、以下の記載では
第１、第２のヒンジ部分を下部および上部のヒンジ部分
として説明することにする。ドア側の上部および下部ヒ
ンジ部分は、キャビネット側の一部構成のヒンジ部の挿
入、取り外しを容易にするために、相対的に位置調整可
能とされる。すなわち、２つのドア側ヒンジ部分の少な
くとも一方は軸方向に移動可能となるように取り付けら
れる。

この第１のヒンジ構造では、軸方向への移動調整は、
ドア側の上部および／または下部ヒンジ部分の固定領域
か、もしくはドアに形成された少なくともひとつの長穴
によって達成される。

ドア側のヒンジ部を軸方向に移動調整可能な下部およ
び上部ヒンジ部の二部構造にすることによって、当該下
部または上部ヒンジ部を離反方向に移動させることによ
り、他方のキャビネット側ヒンジ部から容易に取り外す
ことが可能になり、ドアをキャビネットから容易かつ迅
速に取り外すことができる。また、前述したように下部
および上部ヒンジ部が相同形を呈しているので、ドアを
180°回転させることによって、右開きドアを左開きド
アに変更することが可能で、戸当りの位置を左から右へ
容易かつ迅速に変更することが可能になる。また、戸当
りの位置換えによって、キャビネット内部の収納、組み
立てがより合理的にできる。

さらに、ヒンジ部の一方を二部構造として、他方のヒ
ンジ部を上下から挟み込む構成としているので、上下方
向からのピボット支持が可能になり、各ヒンジ部が開閉
時に干渉しないので180°の開放を確実に行うことがで
きる。

ドア側の２部構造を有するヒンジ部は、ドアの外側、
前面に適切に取り付けられる。長穴または穴は好ましく
はドアに形成され、ヒンジやドアの外表面を精密で外観
的にも好ましいものとする。長穴の長さは、キャビネッ
ト側ヒンジ部の取り付け、取り外しに必要な長さに設定
される。１部構成のキャビネット側ヒンジ部は、そのヒ
ンジ支持部の両端から突き出るヒンジピンを有するか、
もしくはドア側ヒンジ部の上部および下部ヒンジピンと
係合するための軸受け穴を有し、ドア閉鎖状態におい
て、ドア側の上部および下部ヒンジ部分の間に位置する
ほぼ円筒形の領域を有する。キャビネット側ヒンジ部の
ヒンジ支持部は、ドア側ヒンジ部の２つのヒンジ部分の
輪郭に揃う。

上部および／または下部のヒンジ部分を縦方向に移動
可能とすることで、組み立て時にヒンジ部やキャビネッ
ト部品をそのままの状態でドアを取り外すことが可能と
なり、各部品の分解組立時の磨耗や破損を低減すること
ができる。

キャビネット側およびドア側のヒンジ部の縦方向への
移動調整は、キャビネットの縦方向の空洞部分に形成さ
れた長穴によって実現される。装着フランジ上の正規の
穴に誘導された座ぐりねじは、この長穴において固定可
能のばね板ナットと固定係合する。

本発明によるドア側およびキャビネット側のヒンジ部
は、特に単純かつ強固な構造を有し、例えば鋳鉄で形成
される。

本発明の細部については、以下の図面を参照して詳細
に述べる。

図１は、本発明の第１実施例にかかるドアヒンジの断
面図であり、キャビネットの垂直梁に固定された状態を
示す。

図２は、本発明の第１実施例にかかるドアヒンジの構
成を示す斜視図である。

図３は、図２のドアヒンジのドア側ヒンジ部を省略し
て、キャビネット側ヒンジ部の配置構成を分かりやすく
示した図である。

図４は、本発明の第２実施例にかかるドアヒンジの断
面図である。

図５は、図４のドアヒンジをドアにとり付けた状態を
示す図である。

図６は、図４および図５に示したドアヒンジの斜視図
である。

図１は、装具キャビネットのヒンジ取り付けのための
コーナー領域の詳細な形態を示す。折り畳みドア５はヒ
ンジ３によってキャビネットの垂直梁２に取り付けられ
る。ドア５は、目張り素材７とハット部６を有し、目張
り素材７はキャビネットの垂直梁２の目張りウェブ９と
連携する。

第１実施例では、ドアヒンジ３のドア側ヒンジ部20
は、ヒンジバンド22によってドア５に固定され、ロール
状のヒンジ穴21を有する。図２ではヒンジの構造を明瞭
に示すために、ドア側ヒンジ部20をキャビネット側ヒン
ジ部10の隣に示す。

本発明ではキャビネット側ヒンジ部10は、ヒンジピン
14を有する上部ヒンジ部分12と、ヒンジピン13を有する
下部ヒンジ部分11の２つの部分から成る。

通常、ドア（または窓）は少なくとも２つのヒンジ３
によって、キャビネット（枠）の垂直梁２の前面または
背面に取り付けられる。少なくとも２つのヒンジ３のド
ア側ヒンジ部は、少なくとも４つのキャビネット側ヒン
ジ部分、すなわち下部ヒンジ部分11および上部ヒンジ部
分12がそれぞれ２つずつのキャビネット側ヒンジ部と嵌
合する。

キャビネット側の下部および上部ヒンジ部分11,12
は、それぞれ装着フランジ15、16を有し、この部分でプ
レート状に垂直梁２に取り付けられる。装着フランジ1
5、16には、それぞれ固定領域17、18が設けられる。キ
ャビネット側の下部ヒンジ部分11と上部ヒンジ部分12は
相同形に構成、位置され、それぞれの固定領域17、18に
は、長穴30、31と、ヒンジ部11、12を固定するための座
ぐりねじ34と係合するすりばち状の凹部32、33とが設け
られる。長穴30、31の長さと、対応のヒンジピン13、14
からの距離、または装着フランジ15、16のヒンジピン側
の端部からの距離は、お互い適合し合い、キャビネット
側の下部および上部ヒンジ部分11,12が摺動してお互い
に離反した時の最大幅ｘのときに、ドア側ヒンジ部20ま
たはヒンジ穴21がヒンジピン13、14との係合領域からは
ずれ、これによってキャビネットドア５が取り外され
る。また、キャビネット側の下部ヒンジ部分11を固定
し、これに応じて上部ヒンジ部分12を摺動幅を長くして
上方にのみ移動するように設定し、ドア側ヒンジ部20ま
たはヒンジ穴21をキャビネット側の下部ヒンジ部11から
取り外すことも可能である。キャビネット側の下部また
は上部ヒンジ部分11、12の一方、または双方を縦方向に
移動調整するには、座ぐりねじ34を緩めるだけでよく、
下部および上部ヒンジ部分11、12を完全に取り外す必要
ない。

図１は、垂直梁２のスロット外面35の穴24にキャビネ
ット側の上部および下部ヒンジ部分を固定した状態を示
す。矩形のＴスロット29に挿入される止め用のばね板ナ
ットは図示しない。

キャビネット側ヒンジ部分11、12の一方または双方の
上下移動調節は、垂直梁２のスロット外面35に設けた長
穴によって行うこともできる。この場合は、キャビネッ
ト側の下部および上部ヒンジ部分11,12の装着フランジ1
5、16に、長穴を設ける必要はなく、座ぐりねじを受け
る正規の穴のみで十分である。

図２に、筒状の受け軸25に圧入されたヒンジピン13と
下部ヒンジピン支持部27の構成を示す。キャビネット側
の上部ヒンジ部分12は、下部ヒンジ部分11と相同になる
ように構成配置される。したがって、上部ヒンジ部分の
ヒンジピン14、筒状の受け軸26およびヒンジピン支持部
28は図示しないが、その形態は図３から容易に分かるは
ずである。図中同一の符号は同一の構成要素を示す。図
２は、一部構成のドア側ヒンジ部20を取り外した状態を
示す。ドア側ヒンジ部20はヒンジバンド22でドア５に固
定されるが、ヒンジバンドについては簡単に図示するだ
けにとどめる。

図３は、キャビネット側ヒンジ部10の、相同形の下部
ヒンジ部分11と上部ヒンジ部分12から成る２部構造を示
す。固定領域17、18はほぼ中央に位置し、キャビネット
側の下部および上部ヒンジ部11、12の一方または双方を
縦方向（垂直方向）に位置調整することができる。ヒン
ジピン13、14はそれぞれ円錐状の挿入部分38を有し、縦
方向に並んで、キャビネット側ヒンジ部分11、12の縦軸
からやや外側にはずれて保持される。

図４−図６は、本発明の第２実施例にかかるドアヒン
ジを示す。この実施例では、キャビネット側ヒンジ部50
が１部構成を取り、装着フランジ52によってキャビネッ
トや枠（図示せず）等に固定される。キャビネット側ヒ
ンジ部50は、断面略Ｌ字形状のヒンジ支持部54と、ほぼ
円筒形の領域53を有し、円筒領域53の両側からヒンジピ
ン51が突き出る。

ドア側ヒンジ部40は２部構造を取り、軸方向に調整可
能であり、これによってドア側ヒンジ部40とキャビネッ
ト側ヒンジ部50はお互いに分離され、右側から左側の戸
当へのドアの取り替えも難なく可能となり、一人で容易
に行える。本実施例では、ドア側の上部および下部ヒン
ジ部分41、42は、キャビネット側ヒンジ部50のヒンジピ
ン51を受ける軸受け穴45、46を含む係合領域55、56を有
する。さらに、ドア側ヒンジ部の下部および上部ヒンジ
部分41、42の双方に、それぞれ長穴58、59を有する固定
領域48、49が形成され、２部構成のドア側ヒンジ部分4
1、42を軸方向に移動調整、固定する。また、この構成
で、ドア60にヒンジ部分の長穴に対応する位置に長穴62
を形成してもよい。組み合わせたヒンジを固定するに
は、固定要素63（例えば、ねじ等）が、ドア側の上部お
よび下部ヒンジ部分41、42のねじやまと噛み合う。

ドア側の上部および下部ヒンジ部41、42は、また係合
領域55、56からほぼ直角に折れてドア端部と係合するガ
イド領域43、44を有する。ドア60を閉めた状態では、キ
ャビネット側ヒンジ部50のヒンジ支持部54は、ドア側の
上部および下部ヒンジ部分41、42の係合領域55、56に揃
い、円筒領域53はドア側の上部および下部ヒンジ部41、
42の凹部68、69に嵌合する。

このように、ドア60の外側に取り付けられる２部構造
のヒンジ部40と、キャビネット側の１部構成のヒンジ部
50とから成る本発明のドアヒンジは、機能、製造、外観
的にも要望に適ったヒンジを提供する。

Claims (14)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スイッチ／計器キャビネットのためのドア
   ヒンジであって、ドア側のヒンジ部（20;40）と、キャ
   ビネット側ヒンジ部（10;50）を備え、これらが少なく
   とも一つのヒンジピン（13、14;51）によってお互いに
   回動可能に係合するドアヒンジにおいて、 前記キャビネット側ヒンジ部（10）または前記ドア側ヒ
   ンジ部（40）の一方は、互いに相同形で軸方向へ個別に
   位置調整可能な第１及び第２ヒンジ部分（11、12;41、4
   2）を形成する二部構造を呈し、 前記キャビネット側ヒンジ部（10）または前記ドア側ヒ
   ンジ部（40）に形成された前記第１及び第２ヒンジ部分
   （11、12;41、42）は、軸方向の位置調整によって係合
   する他方のドア側ヒンジ部（20）またはキャビネット側
   ヒンジ部（50）の取り付け、取り外しを可能にすること
   を特徴とするヒンジ。
2. 【請求項２】請求項１に記載のヒンジにおいて、キャビ
   ネット側のヒンジ部（10）は二部構造を有し、第１の下
   部ヒンジ部分（11）と第２の上部ヒンジ部分（12）とか
   ら成り、第１の下部ヒンジ部分（11）および第２の上部
   ヒンジ部分（12）のそれぞれに、固定領域（17、18）を
   有する装着フランジ（15、16）を設け、前記固定領域
   （17、18）の少なくとも一方は前記第１の下部ヒンジ部
   分（11）および前記第２の上部ヒンジ部分（12）の一方
   を調節可能に固定できるように構成されることを特徴と
   するヒンジ。
3. 【請求項３】請求項２に記載のヒンジにおいて、ドア側
   ヒンジ部（20）は一部構成を取り、前記キャビネット側
   の第１の下部および第２の上部ヒンジ部分（11、12）の
   間に挟まれて位置し、キャビネット側の第１の下部およ
   び第２の上部ヒンジ部分（11、12）の第１ヒンジピン
   （13）及び第２ヒンジピン（14）がドア側ヒンジ部（2
   0）のヒンジ穴（21）に係合するか、またはドア側ヒン
   ジ部（20）の両端から突き出るヒンジピンが、キャビネ
   ット側の第１の下部および第２の上部ヒンジ部分（11、
   12）の軸受け穴に係合することを特徴とするヒンジ。
4. 【請求項４】請求項２または３に記載のヒンジにおい
   て、キャビネット側の第１の下部ヒンジ部分（11）とキ
   ャビネット側の第２の上部ヒンジ部分（12）は相同形に
   構成され、それぞれの装着フランジ（15、16）間の位置
   調整距離は、ドア側のヒンジ穴（21）に挿入される下部
   および上部のヒンジピン（13、14）の長さに等しいか、
   それ以上であることを特徴とするヒンジ。
5. 【請求項５】請求項２〜４のいずれかに記載のヒンジに
   おいて、前記キャビネット側の下部および上部ヒンジピ
   ン（13、14）は円筒形のピン受け（25、26）で強固に係
   合保持され、ヒンジピン支持部（27、28）によって装着
   フランジ（15、16）上に支持されていることを特徴とす
   るヒンジ。
6. 【請求項６】請求項２〜５のいずれかに記載のヒンジに
   おいて、キャビネット側の第１の下部および第２の上部
   ヒンジ部分（11、12）は、キャビネットの垂直梁（２）
   に固定可能であり、ドア側ヒンジ部（20）は、まず固定
   されたキャビネット側の第１の下部ヒンジ部分（11）の
   ヒンジピン（13）に装着され、続いてキャビネット側の
   第２の上部ヒンジ部分（12）のヒンジピン（14）が、ド
   ア側ヒンジ穴（21）に縦軸方向に位置調整されて固定さ
   れることを特徴とするヒンジ。
7. 【請求項７】請求項２〜６のいずれかに記載のヒンジに
   おいて、キャビネット側の第１の下部および第２の上部
   ヒンジ部分（12、13）の固定領域（17、18）には長穴
   （30、31）と座ぐりねじ（34）を受けるためのくぼみ
   （32、33）が形成され、前記長穴（30、31）の軸方向の
   長さはドア側ヒンジ部（20）のヒンジ穴（21）を取り外
   すのに必要な移動調節距離ｘによって決定されることを
   特徴とするヒンジ。
8. 【請求項８】請求項１に記載のヒンジにおいて、ドア側
   ヒンジ部（40）は、第１および第２のドア側ヒンジ部分
   （41、42）を形成する二部構造を有し、前記第１のドア
   側ヒンジ部分（41）と、第２のドア側ヒンジ部分（42）
   の少なくとも一方は、キャビネット側のヒンジ部（50）
   の取り付け、取り外しのために、軸方向への位置調整可
   能であることを特徴とするヒンジ。
9. 【請求項９】請求項８に記載のヒンジにおいて、前記第
   １のドア側ヒンジ部である下部ヒンジ部分（41）は、第
   ２の上部ヒンジ部分（42）と相同形に構成され、前記双
   方のヒンジ部分（41、42）はそれぞれ、キャビネット側
   ヒンジ部（50）の両側から突き出たヒンジピン（51）と
   係合するための軸受け穴（45、46）を含む係合領域（5
   5、56）を有するか、もしくはキャビネット側ヒンジ部
   （50）に形成されたヒンジ穴と係合する下部および上部
   ヒンジピンをそれぞれ有することを特徴とするヒンジ。
10. 【請求項１０】請求項８または９に記載のヒンジにおい
    て、ドア側のヒンジ部の第１の下部および第２の上部ヒ
    ンジ部分（41、42）はそれぞれ固定領域（48、49）を有
    し、ドア側の下部または上部ヒンジ部分（41、42）の少
    なくとも一方の軸方向への位置調整後、固定可能であ
    り、前記固定領域（48、49）からほぼ直角に形成された
    打ち抜きフランジ（43、44）が、ドアのエッジ周辺と係
    合して任意の戸当たりを構成することを特徴とするヒン
    ジ。
11. 【請求項１１】請求項８〜10のいずれかに記載のヒンジ
    において、前記固定領域（48、49）は留め具（63、64）
    と係合する長穴（62;58、59）を備え、長穴はドア（6
    0）もしくはドア側ヒンジ部の下部および上部ヒンジ部
    分（41、42）に形成され、長穴または穴の大きさ（62;5
    8、59）はキャビネット側のヒンジ部（50）の取り外
    し、取り付けのための移動調節距離に対応することを特
    徴とするヒンジ。
12. 【請求項１２】請求項８〜11のいずれかに記載のヒンジ
    において、キャビネット側ヒンジ部（50）は、キャビネ
    ットにヒンジを固定するための装着フランジ（52）と、
    断面略Ｌ字形状のヒンジ支持部（54）と、ヒンジピン
    （51）または軸受け穴が形成される円筒形領域（53）と
    を有し、円筒形領域（53）は、ドア側の下部および上部
    ヒンジ部分（41、42）の凹部（68、69）と係合すること
    を特徴とするヒンジ。
13. 【請求項１３】請求項１〜12のいずれかに記載のヒンジ
    において、キャビネット側のヒンジ部分（11、12、50）
    は、固定可能なばね板ナットによってキャビネットの垂
    直梁（２）のＴスロット（29）の外面（35）に固定され
    ることを特徴とするヒンジ。
14. 【請求項１４】請求項１〜13のいずれかに記載のヒンジ
    において、キャビネット側のヒンジ部分（11、12、50）
    はアルミニウムを用いたダイカスティングで形成され、
    ヒンジピン（13、14、51）は円錐形の差し込み領域（3
    8）を有することを特徴とするヒンジ。