JP2868046B2 - 光変調器 - Google Patents

光変調器

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JP2868046B2
JP2868046B2 JP4314692A JP31469292A JP2868046B2 JP 2868046 B2 JP2868046 B2 JP 2868046B2 JP 4314692 A JP4314692 A JP 4314692A JP 31469292 A JP31469292 A JP 31469292A JP 2868046 B2 JP2868046 B2 JP 2868046B2
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electrode
optical
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substrate
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勝大 今田
喜市 吉新
英興 内川
久男 渡井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光通信における外部
光変調器、特に酸化物超電導体からなる変調電極を有す
る光変調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの伝送速度の高速化及び
大容量化に伴い、光変調の高周波化が必要となり、高周
波光変調方式が検討されてきている。この方式は、大別
して半導体レーザーによる直接変調方式と、LiNbO
3 (以下LN)などの電気光学結晶を用いた光変調器に
よる外部変調方式に分けられる。半導体レーザーによる
直接変調方式は、発振レーザー光自体を高周波変調し、
変調レーザー光を取り出す方式で、その周波数限界は現
在のところ十数GHzまで伸びてきてはいるが、周波数
チャーピングという本質的に避けられない問題点があ
る。周波数チャーピングは、強度変調の際に周波数が広
がる現象で、高周波域で特に問題となる。そこで、周波
数チャーピングのない外部変調方式が見直されつつあ
る。この分野の従来技術については、例えばO plus
E,1991年7月号,第104頁等に記載されてい
る。
【0003】従来、外部変調方式で用いられる代表的な
LN光変調器においては、高速化及び大容量化のために
高周波を用いて変調を行う場合、新たな問題点が生じる
ことが避けられなかった。それは、変調効率(変調度)
が低下し、伝搬損失が大きくなることと、大きな変調電
力(変調器の駆動電圧)を必要とすることである。特に
後者の問題は、新たに駆動用高電圧制御素子を開発しな
ければならない点及びその高電圧制御システムの信頼性
が低い点などで、光通信システム構築の大きな障害とな
っている。しかし、現在までに報告されている光変調器
において、実現できている駆動電圧の低減及び変調効率
の向上は、まだ満足できるレベルには達していない。即
ち、外部変調方式による光変調器を実用・普及化させる
ために、一層の駆動電圧の低減・高変調効率が必要にな
る。
【0004】このため、光変調器電極の表面抵抗を下げ
て、高周波の伝搬損失を抑制する必要がある。そこでこ
の発明者らは以前に、変調電極として電気光学結晶上に
超電導膜で形成した光変調器を提案した。図7は従来の
光変調器を示す断面図である。図において、1は光導波
路形成基板、2は光導波路形成基板1に形成した光導波
路、4は電極であり、蒸着法,スパッタ法,化学気相蒸
着法等の成膜方法により、電気光学効果を有する光導波
路2が形成された基板1上に形成した酸化物超電導膜で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の光変調器におい
て、蒸着法,スパッタ法,化学気相蒸着法等の成膜方法
により、電気光学効果を有する光導波路2が形成された
基板1上に酸化物超電導膜4を形成しても、期待したほ
どの光変調の性能向上が得られない場合がある。その原
因としては次のことが考えられる。即ち、上記薄膜形成
法のいずれの場合でも、成膜時に基板温度を500〜9
00℃と高温で数時間保持するため、光導波路2中の元
素が蒸発したり、超電導膜4中の元素と反応する。この
ために、光導波路2の光伝搬損失が増大したり、伝搬モ
ード数が変化することを光強度測定器と赤外線カメラを
用いて確認した。
【0006】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、高周波の伝搬損失の低い超電導電極
を用いることにより低い電圧で駆動できると共に、光挿
入損失の小さい光変調器を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
変調器は、電気光学効果を有する光導波路が形成された
光導波路形成基板と、酸化物超電導電極が形成された電
極形成基板とを備え、光導波路が形成された面と電極が
形成された面が対向するように、光導波路形成基板と電
極形成基板が近接して固定されているものである。
【0008】また、請求項2の発明に係る光変調器は、
請求項1に発明に加えて、光導波路と酸化物超電導電極
との距離が20μm以下に近接して固定されているもの
である。
【0009】また、請求項3の発明に係る光変調器は、
請求項1に発明に加えて、酸化物超電導電極と近接する
光導波路の表面が光導波路よりも光屈折率の低い物質ま
たは大気層と接するようにしたものである。
【0010】
【作用】上記のように構成された光変調器では、光導波
路は高温超電導薄膜形成に必要とされる500℃以上の
高温プロセスを経ることなく製造できるため、光損失の
増加はほとんどない。また、超電導形成基板に高温超電
導体のエピタキシャル成長に適するMgOなどの単結晶
基板が使用できるため、従来のLN基板上に形成する場
合より超電導特性が向上し、表面抵抗が低下する効果に
より変調効率は向上する。
【0011】また、これに加えて光導波路と酸化物超電
導電極との距離を20μm以下に近接しているので、電
極の生じる電界がなるべく高くなる。
【0012】またさらに、酸化物超電導電極と近接する
光導波路の表面が光導波路よりも光屈折率の低い物質ま
たは大気層と接しているので、光挿入損失を小さな値に
抑える。
【0013】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の実施例1による光変調器を
示す断面図である。図において、1は光導波路形成基
板、2は光導波路形成基板1に形成した光導波路、3は
電極形成基板、4は電極形成基板3に形成した電極、5
は接着層で、例えば紫外線硬化樹脂である。また、図2
は実施例1に係る電極形状を示す平面図であり、上方向
からの形状を示している。図において、8は変調信号入
力部、9は変調信号終端部である。また、図3は実施例
1による光変調器を上方向より透視して見た平面図であ
る。図において、6は光入力部であり、7は光出力部で
ある。
【0014】電気光学効果を有する光導波路2としてx
−cut、y伝搬のTi拡散LN導波路を作成して用い
た。この作成は、まず両面光学研磨されたLN結晶によ
る光導波路形成基板1の片面に、幅6μm,膜厚50n
mのTi薄膜を電子線蒸着法及びリフトオフ法で形成
後、アルゴン雰囲気中で1050℃,10時間熱処理し
てTiをLN中に拡散させる手順で行った。図3の上面
図に示すように、光導波路2には長さ20mm、幅40
μmのマッハツェンダ干渉部分2aを設けた。
【0015】超電導電極形成基板3にはMgO単結晶を
用いた。超電導電極4は、まずY−Ba−Cu−O系超
電導薄膜をY,Ba,Cuの金属元素比が約1:2:3
となるように反応性蒸着法により形成後、希硝酸を用い
たウェットエッチング法で電極形状に加工して形成し
た。ここで超電導薄膜は、基板付近にノズルから部分的
にオゾン化された酸素ガスを導入し、基板温度700
℃、蒸着速度4nm/min、膜厚0.5μmの条件で
形成した。電極形状は図2に示すような中心線幅30μ
m程度、ギャップ幅40〜110μmのコプレーナ型の
進行波電極とした。変調電源とのインピーダンス整合を
とるため、以下に述べる光変調器の各構造にあわせてギ
ャップ幅のサイズを調整した。なお、LN基板1の幅は
6mm,長さ40mm、MgO基板3は幅10mm,長
さ20mmのものを使用した。この様に幅と長さを変え
た基板1,3を使用したため、図3のような配置で張り
合わすことにより、光導波路2と電極4の光入力部6、
光出力部7に張り合わせられない部分があり、電極4と
コネクタとの接続や光導波路2と光ファイバの接続が容
易となる。
【0016】光導波路形成基板1と電極形成基板3は、
マスクアライナと紫外線硬化樹脂を用いて以下のように
接着した。まず、無地のガラスマスクの下側に光導波路
形成基板1を有機材料で接着する。この時、有機材料と
して、約70℃で軟化する透明なものを用い、光導波路
2側が下になるように接着する。次に、マスクアライナ
の基板ステージに紫外線硬化樹脂を滴下した電極形成基
板3を電極4側が上になるように置く。ここで用いた紫
外線硬化樹脂の光屈折率は1.5〜1.7であり、Ti
拡散LN光導波路の光屈折率約2.3に比べて小さい。
光導波路形成基板1は両面光学研磨であるため、マスク
アライナの光学顕微鏡を用いて光導波路2と電極4の位
置を合わせることができる。図3の様に光導波路2のマ
ッハツェンダ干渉部分2aに超電導電極4部の中心線が
沿って挟まれる様に両基板1,3を密着させ、紫外線を
照射して樹脂を硬化させて接着する。この様にして接着
された二枚の基板1,3に挟まれた紫外線硬化樹脂5の
厚みは、断面を電子顕微鏡により観察した結果、2μm
程度であった。この光変調器の光導波路2の端面の光入
力部6と光出力部7に光ファイバを接続し、また、変調
信号入力部8と変調信号終端部9にコネクタを接続し
た。
【0017】比較例として、上記変調器(以下A)と全
く同じ構造を持ち、電極材料としてAlを用いたもの
(以下B)を作成した。また、図7の様な従来の構造で
あるLN基板1に電極4を直接形成した光変調器で、電
極4としてYBCO超電導膜を用いたもの(以下C)
と、Al電極を用いたもの(以下D)も作成した。B及
びDのAl電極は、基板を加熱しないで高真空蒸着した
厚み3μmのAl膜をリソグラフィープロセスで加工し
て形成した。電極形状はいずれも図2に示すようなコプ
レーナ伝送路型とした。
【0018】以上のA〜Dの光変調器を液体窒素温度に
冷却し、光挿入損失及び100psの矩形パルスを入力
した場合の半波長電圧と出力される変調光の形状を測定
した。この結果を表1と図4に示す。光源としては波長
1.3μmの半導体レーザを使用し、出力側では偏光子
を用いてTEモードの導波光のみ検出した。表1はA〜
Dの光変調器における光挿入損失(dB)と半波長電圧
(V)を示すものであり、図4は横軸を時間(ps),
縦軸を光強度(任意単位)とした時のA〜Dの光変調器
における特性を示すグラフである。
【0019】
【表1】
【0020】これらの光変調器の光挿入損失はA、B、
Dで6〜7dBとほぼ同程度であるのに対し、Cでは2
2dB以上と極めて大きかった。これはCでは光導波路
2がYBCO超電導薄膜の形成プロセスにさらされたた
め、劣化が生じたと考えられる。半波長電圧は実施例1
であるAが最も低く、低電圧での駆動が可能であること
が分かった。また、図4に示すように、出力される変調
光の波形は超電導電極を用いたAとCに比べて、Al電
極のBとDでは立ち上がり,立ち下がりでのなまりが大
きい。これは超電導電極の方が伝搬損失が小さく、また
周波数分散も小さい効果による結果である。
【0021】また、この実施例の光変調器Aでは光導波
路と電極の間隔は2μmであるが、その間隔を5μm、
10μm、20μmとした光変調器も試作した。これら
の半波長電圧はそれぞれ、8.1V,11.2V,1
6.5Vであった。従って、光導波路形成基板1と電極
形成基板3の距離を20μm以上にすると、光導波路2
にとどく電極4からの電界が極めて小さくなるため、光
変調効率が著しく低下することが分かった。この間隔と
半波長電圧の関係は電極形状にも依存すると考えられ、
平面電極を用いた場合20μmを越えると、低損失の超
電導電極4を用いる効果が小さくなることを確認した。
【0022】上記のように、この実施例による光変調器
では、光導波路は高温超電導薄膜形成に必要とされる5
00℃以上の高温プロセスを経ることなく製造できるた
め、光損失の増加はほとんどない。また、超電導形成基
板に高温超電導体のエピタキシャル成長に適するMgO
などの単結晶基板が使用できるため、従来のLN基板上
に形成する場合より超電導特性が向上し、表面抵抗が低
下する効果により変調効率は向上する。
【0023】実施例2.図5はこの発明の実施例2に係
る電極形状を示す平面図である。この実施例では、電気
光学効果を有する光導波路2として、両面光学研磨され
たz−cut,LN基板1の片面の表面に、x伝搬のT
i拡散LN導波路を作成して用いた。光導波路は単純な
一本の直線とした。また光導波路2を形成した面上に厚
み0.5μmのMgO膜を蒸着した。電極は光学研磨さ
れたMgO基板3の片面に厚み0.6μmのEr−Ba
−Cu−O(以下EBCO)系超電導膜4をスパッタ法
で形成し、これを図5のようなコプレーナ伝送線路より
構成される共振型の超電導電極に加工して形成した。シ
ョーティングストラップ部10は、厚み0.3μmのS
iO2 膜と厚み1μmのAl膜から構成され、蒸着とリ
フトオフ法で加工して形成した。
【0024】光導波路形成基板1と電極形成基板3は、
実施例1と同様にマスクアライナと紫外線硬化樹脂5を
用いて接着した。まず、無地のガラスマスクの下側に光
導波路形成基板1を有機材料で接着する。この有機材料
は約70℃で軟化する透明なものを用い、光導波路2側
が下になるように接着する。次に、マスクアライナの基
板ステージに、光導波路2よりも光屈折率の小さい紫外
線硬化樹脂5を滴下した電極形成基板3を、電極4が上
になるように置く。直線光導波路2が超電導共振電極4
の中心線のエッジ部に沿う様に両基板1,3を密着さ
せ、紫外線を照射して、樹脂を硬化させて接着層5とす
る。この光変調器の光導波路2の端面の光入力部6と光
出力部7に光ファイバを接続し、変調信号入力部8と変
調信号終端部9に高周波用コネクタを接続した。
【0025】比較例として上記変調器(以下P)と全く
同じ構造を持ち、電極4の材料としてAlを用いたもの
(以下Q)を作成した。また、従来の構造であるLN基
板1にバッファ層を形成し、その上に電極4を形成した
光変調器で、電極としてEBCO超電導膜を用いたもの
(以下R)と、Al電極を用いたもの(以下S)も作成
した。なお、RとSのバッファ層はPと同じ厚み0.5
μmのMgO膜とした。P及びRのAl電極は、基板を
加熱しないで高真空蒸着した厚み3μmのAl膜をリソ
グラフィープロセスで加工する方法で形成した。電極形
状はいずれも図5に示すようなコプレーナ伝送路から構
成される共振型とした。
【0026】これらの光変調器を液体窒素温度に冷却
し、ネットワークアナライザを用いて電極の反射特性を
評価した。これらの共振周波数(GHz),反射損失
(dB),及びQ値を表2に示す。共振周波数はいずれ
も約10GHzであったが、反射損失とQ値はAl電極
を用いたQとSに比べて、超電導電極を使用したPとR
は大きな値となった。これは、超電導電極が常伝導のA
l電極に比べて10GHzでの導体損失が小さいためと
考えられる。とくにPでは超電導形成に適するMgO基
板を使用したため、電極部の損失が極めて小さくなった
と考えられ、Q値は480と非常に大きい。
【0027】
【表2】
【0028】次に光挿入損失(dB)と光変調特性を評
価した。光挿入損失は光源として波長1.3μmの半導
体レーザーを使用し、入力光と出力光の強度を光パワー
メータで比較する方法で測定した。また光変調特性は、
コネクタから共振周波数の変調マイクロ波を入力し、変
調された光を反射率99%で構成されるファブリペロ干
渉計に通じて、その変調深さを求める方法で評価した。
その結果から、πradの位相変化させるための変調電
力(mW)を計算した。これらの結果を表3に示す。R
では光導波路上にバッファ層を形成しているものの、高
温の超電導薄膜形成プロセス中に光導波路から少量のL
iイオンがバッファ層や超電導電極中に拡散するため、
屈折率が変化し、光損失が18.8dBと大きくなっ
た。一方、この実施例の構造によるPでは、小さな光挿
入損失と低い変調電力を実現できることが確認された。
【0029】
【表3】
【0030】実施例3.光導波路形成基板1と電極形成
基板3を直接紫外線硬化樹脂5によって接着した場合に
おいて、TMモード光の挿入損失が大きくなることがし
ばしば観察された。とくに光導波路2と電極4の密着を
高めた場合にその傾向が見られた。その原因は光導波路
2と電極4が近接しすぎたため、光導波路2中のTMモ
ード光の電界が電極4中に散乱したためと推測される。
このような光導波路2よりも光屈折率が大きい物質や電
極4などの導体が接すると、TMモードの光の減衰が大
きくなることはよく知られている。そこで光導波路2の
表面に光導波路2よりも光屈折率の低い物質、または大
気層が接するようにして、光導波路形成基板1と超電導
電極形成基板3を近接させて固定した。
【0031】実施例3として超電導電極4と光導波路2
との間に大気層を形成した光変調器Xと、比較例として
電極4と光導波路2を密着させた光変調器Yを試作し
た。図6(a),(b)はX,Yを示す断面図である。
図において、11は大気層、12はレジストである。超
電導電極形成基板3としては、実施例1と同様、MgO
単結晶基板にYBCOの電極を形成したものを用いた。
光導波路形成基板1としては、実施例2と同様、z−c
utのLN上に一本の直線上のTi拡散光導波路を形成
したものを用いたが、実施例2と異なり光導波路形成基
板1上にはMgO膜を形成しなかった。
【0032】光変調器Xの作成手順としては、まず、リ
ソグラフィプロセスにより、光導波路形成基板1上の光
導波路2が形成されていない部分に一定膜厚のレジスト
膜12を残す。この後、実施例2と同様の手法により光
導波路形成基板1と電極形成基板3を接着した。なお、
使用したTi拡散LN光導波路2はLN基板面に対して
約50nm程度の凸部となっていたため、レジスト12
の膜厚はその値より充分大きくなるように約1.2μm
とした。また、基板1,3を密着して接着する際に紫外
線硬化樹脂5が光導波路2に接しないように注意して作
成した。比較例のYにおいても光導波路2と電極4を充
分密着させた際に、紫外線硬化樹脂5がその間に挟み込
まれないように注意して接着した。
【0033】試作した光変調器について実施例1と同様
の光挿入損失(dB)とパルス電圧を用いた変調電圧
(V)を評価した。ただし、光の位相が変調されるた
め、変調光はファブリペロ干渉計を通して検出した。そ
の結果を表4に示す。いずれも同様に低い損失の超電導
電極を用いたため、光の位相をπrad変調させる電圧
はいずれも低い値である。Yのほうがこの実施例Xに比
べて多少低い値となったのは、Yのほうが電極4と光導
波路2の距離が小さく、光導波路2中の変調マイクロ波
の電界密度が高まったためと考えられる。しかしながら
Yでは光導波路2と電極4が密着したため、光挿入損失
は大きな値となり実用上問題があることが分かった。従
って、この実施例のように光導波路2の上に大気層11
を形成することが、光挿入損失を小さな値に抑えるのに
有効であることが分かった。
【0034】
【表4】
【0035】なお、上記実施例3においては、光導波路
2の上のレジスト12を除去したため、光導波路2には
大気層11が接している。しかし、レジスト12を除去
しない場合にでも、レジスト12の光屈折率が光導波路
2の屈折率よりも小さい場合に効果があることを確認し
ている。また、光屈折率が光導波路2に比べて小さけれ
ば、無機材料を用いても良好な特性が得られることを確
認している。即ち、酸化物超電導電極4と近接する光導
波路2の表面が光導波路2よりも光屈折率の低い物質ま
たは大気層と接する構造であれば、光挿入損失を小さな
値に抑えることができる。
【0036】なお、上記実施例はY−Ba−Cu−O系
あるいはEr−Ba−Cu−O系超電導電極の場合であ
るが、他の形成プロセス温度が500℃以上となる超電
導電極、例えばBi−Sr−Ca−Cu−O系等でもよ
く、上記実施例と同様な効果を発揮する。
【0037】また、電気光学効果のある光導波路のなか
で、高温プロセスにより光伝搬特性が劣化するもの、例
えば非線形光学効果を有する有機材料であってもよく、
上記実施例と同様な効果を発揮する。
【0038】また、酸化物超電導電極4は、その一部が
光導波路2と近接していれば、ストリップラインやマイ
クロストリップ等の他の平面電極形状であってもよい。
特に電極4と光導波路2の距離が20μm以下であれ
ば、上記実施例と同様の良好な効果を発揮する。
【0039】また、電極形成基板と光導波路形成基板の
固定は、接着層5を用いずにネジなどを用いて機械的に
行ってもよく、上記実施例と同様な効果を発揮する。
【0040】また、電極形成基板3と光導波路形成基板
1を張り合わせる前に、一方または両方の基板上に誘電
体膜などを形成しても、電極と光導波路の間隔が20μ
m以下であればよく、上記実施例と同様な効果を発揮す
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、電気光学効果を有する光導波路が形成された光導波
路形成基板と、酸化物超電導電極が形成された電極形成
基板とを備え、光導波路が形成された面と電極が形成さ
れた面が対向するように、光導波路形成基板と電極形成
基板が近接して固定することにより、低い電圧で駆動で
きると共に、光挿入損失の小さい光変調器が得られる効
果がある。
【0042】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明に加え、光導波路と酸化物超電導電極との距離が
20μm以下になるように近接して固定することによ
り、電極の生じる電界を高くできる光変調器が得られる
効果がある。
【0043】また、請求項3の発明によれば、請求項1
の発明に加え、酸化物超電導電極と近接する光導波路の
表面が光導波路よりも光屈折率の低い物質または大気層
と接するようにしたことにより、光損失を小さな値に抑
えることができる光変調器が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による光変調器を示す断面
図である。
【図2】実施例1による光変調器に係る電極形状を示す
平面図である。
【図3】実施例1による光変調器を上方向から透視して
見た平面図である。
【図4】実施例1と比較例の光変調器において、出力さ
れた変調光の強度の時間変化を示すグラフである。
【図5】実施例2による光変調器に係る電極形状を示す
平面図である。
【図6】この発明の実施例3と比較例による光変調器を
示す断面図である。
【図7】従来の光変調器を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光導波路形成基板 2 光導波路 3 電極形成基板 4 酸化物超電導電極 5 接着層 11 大気層
フロントページの続き (72)発明者 渡井 久男 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/035 ZAA G02F 1/313

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気光学効果を有する光導波路が形成さ
    れた光導波路形成基板と、酸化物超電導電極が形成され
    た電極形成基板とを備え、上記光導波路が形成された面
    と上記電極が形成された面が対向するように、上記光導
    波路形成基板と上記電極形成基板が近接して固定されて
    いる光変調器。
  2. 【請求項2】 光導波路と酸化物超電導電極との距離が
    20μm以下に近接して固定されていることを特徴とす
    る請求項第1項記載の光変調器。
  3. 【請求項3】 酸化物超電導電極と近接する光導波路の
    表面が、上記光導波路よりも光屈折率の低い物質または
    大気層と接するようにしたことを特徴とする請求項第1
    項記載の光変調器。
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