JP2867701B2 - 光学情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光学情報記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JP2867701B2
JP2867701B2 JP51315690A JP51315690A JP2867701B2 JP 2867701 B2 JP2867701 B2 JP 2867701B2 JP 51315690 A JP51315690 A JP 51315690A JP 51315690 A JP51315690 A JP 51315690A JP 2867701 B2 JP2867701 B2 JP 2867701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
layer
optical information
recording material
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51315690A
Other languages
English (en)
Inventor
憲一 長田
鋭二 大野
昇 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP51315690A priority Critical patent/JP2867701B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2867701B2 publication Critical patent/JP2867701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、レーザ光線を用いた情報記録再生装置に用
いる光学情報記録媒体、とりわけ書き換え可能な光ディ
スク、及びその製造方法に関する。
背景技術 信号を記録,再生、及び消去可能な光ディスクとし
て、記録層材料にカルコゲン化物を用いた相変化型の光
ディスクが知られている(例えばUSP.3626386号)。一
般には、記録層材料が結晶状態の場合を未記録状態と
し、レーザ照射で急熱急冷して非晶質状態にすることで
信号を記録する。又、急熱徐冷して再び結晶状態とする
ことで記録信号を消去する。通常の成膜法を用いた場
合、記録層は非晶質状態で成膜されることが多い。よっ
て上記記録方法を用いる場合、記録層をあらかじめ結晶
化させる必要がある。通常この結晶化処理を初期化と呼
ぶ。
上記、初期化の方法としては、特公昭47−26897号公
報に示されてあるように、種々の形態のエネルギーを利
用する方法が知られている。例えば、電気エネルギー,
ふく射熱,写真用閃光ランプの光,レーザ光束のエネル
ギー等である。又、基板を加熱しながら、結晶状態で記
録層を成膜することによって、初期化を不要とする方法
も提案されている。
一方、光ディスクの構造としては、記録層を酸素や水
などの周囲環境から保護する目的で記録層に接して保護
層を設けることが一般的である。又、記録・消去の繰り
返し特性を向上させる目的で記録材料を熱的に安定な保
護材料中に粒子状に分散させた構造が提案されている
(例えばUSP.4621032号,特開昭57−208648号,特開昭6
2−226438号)。これらの従来技術が意図することは、
熱的に安定な保護層中に封じ込められた記録材料粒子に
レーザ光が照射されて記録材料が溶融しても、記録材料
の構成元素は“粒子”という限られた空間の中でしか移
動できず、それゆえ、粒子径が十分に小さいと、記録・
消去の繰り返しに伴って記録材料構成元素の移動量が蓄
積されない、すなわち記録・消去の繰り返し劣化が生じ
ない、という点にある。保護材料中に記録材料を粒子状
に分散して形成する方法としては、例えば、記録材料と
母材材料の共蒸着、或は複数のスパッタターゲットを用
いたスパタリング法が提案されている。
又、光ディスクを構成する各層の成膜法としては、電
子ビーム蒸着法,スパタリング法,CVD法等がよく知られ
ている。これらの方法によって実用上十分良好な特性の
光学情報記録媒体が得られることが種々報告されている
が、以下の点で課題を残していた。
例えば、量産性を考慮すると、記録層の成膜と初期化
を同時に行えることが望ましい。しかし、例えば基板加
熱を行いながら記録層を結晶状態で成膜する方法の場
合、基板を100〜150℃以上の高温にさらす必要があり、
変形の問題からアクリル樹脂やポリカーボネート等の樹
脂基板を用いることはできない。その他の方法において
も、記録媒体全体を一括してあらかじめ初期化しておく
ための有効な方法については十分検討されておらず、生
産性の良い製造方法は見いだされていない。
又、保護材料中に記録材料を粒子状に分散させるアイ
デアにしても、発明者等は従来提案されている作成法に
従って光学情報記録媒体を作成してみたが、期待される
ほどの記録・消去の繰り返し寿命の向上が得られなかっ
た。これは、前記製造方法では、母材中に記録材料の構
成元素は分散させることはできるが、所望の材料組成を
有した適当な大きさの記録材料粒子として分散させるこ
とができないためである。このように、作成すべき光学
情報記録媒体の概念は存在するが、実際にそのような構
造の記録媒体を作成する現実的な製造方法はまだ知られ
ていない。
又、薄膜の成膜方法として、レーザスパタリング法が
知られている(Solid State Technology/Dec.1987 p39
−41)。レーザスパタリング法は、高エネルギー密度の
パルスレーザ光を固体ターゲットに照射し、対向した基
板上に膜を形成する方法で、レーザアプレーション、或
はレーザデポジション法とも呼ばれる。この方法は、通
常のスパタリング法と異なり、成膜時にプラズマ状態を
必要としないので、例えば真空雰囲気下での成膜も可能
など、幾つかの特徴を有する。レーザスパタリング法の
歴史は比較的新しく、成膜法として確立されたものでは
なく、光学情報記録媒体の作成に本成膜法を用いる試み
は現在のところない。
発明の開示 本発明の目的は、記録層の成膜時において初期化、す
なわち記録層の結晶化を施した光学情報記録媒体を入手
すること、又、記録層の成膜時において容易に初期化を
行うことのできる光学情報記録媒体の製造方法を提供す
ることである。又、本発明のもう1つの目的は、保護材
料中に記録材料を所望の形状、分散状態で粒子状に形成
した、記録・消去の繰り返し寿命の長い光学情報記録媒
体を入手すること、又、保護材料中に記録材料を所望の
形状、分散状態で粒子状に形成する製造方法を提供する
ことである。
上記第1の目的を達成するために本発明は、相変化型
光学情報媒体の記録層をレーザスパタリング法を用いて
形成する。この際、好ましくは、記録層は結晶状態で形
成され、かつ結晶粒径の最大頻度直径を50nm以下とす
る。又、好ましくは、記録層を圧力が0.5mtorr以下の真
空、又は不活性ガス雰囲気下、又は0.3mtorr以下の窒素
ガス雰囲気下で形成する。又、好ましくは、記録層の主
成分をTe化合物,In−Sb,In−Sb−Te,In−Seのいずれか
とする。又、好ましくは、記録層の主成分はGe−Sb−Te
で、好ましくは、その組成比がGexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1 であらわされる。
又、本発明は、保護材料と記録材料の混合してなる記
録層を有する相変化型光学情報記録媒体において、記録
材料をレーザスパタリング法を用いて形成する。この
際、好ましくは、記録材料は粒子状で形成され、かつ記
録材料粒子の最大頻度直径を50nm以下とする。又、好ま
しくは、記録材料の主成分をTe化合物,In−Sb,In−Sb−
Te,In−Seのいずれかとする。又、好ましくは、記録材
料の主成分はGe−Sb−Teで、好ましくは、その組成比が
GexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1 であらわされる。
又、本発明は、光学情報記録媒体を、基板上に第1の
保護層と、この第1の保護層に接して不連続に形成した
記録材料粒子と、第1の保護層と記録材料粒子に接して
形成した第2の保護層とを少なくとも備えた構造とす
る。この際、好ましくは、記録材料粒子をレーザスパタ
リング法を用いて形成する。又、好ましくは、記録材料
粒子の最大頻度直径を50nm以下とする。又、好ましく
は、保護層材料の融点、及び軟化温度が、記録材料粒子
の融点よりも高い。又、好ましくは、記録材料の主成分
はTe化合物,In−Sb,In−Sb−Te,In−Seのいずれかであ
る。又、好ましくは、記録材料の主成分はGe−Sb−Te
で、好ましくは、その組成比がGexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1であらわされ
る。又、上記発明は、従来にない特性を有する光学情報
記録媒体そのものに関するものであると同時に、製造方
法をも含む。
上記構成により、 1)結晶状態で記録層を形成することが可能、或は容易
になる。その結果、記録層の形成の後に初期化、すなわ
ち結晶化処理を行う必要のない光学情報記録媒体が得ら
れ、同時に光学情報記録媒体の製造工程が簡略化され、
製造コストが低下する。
2)保護材料中に記録材料が粒子状に所望のサイズ、分
散状態で形成される。その結果、記録・消去の繰り返し
寿命が著しく向上する。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の光学情報記録媒体の代表的な構造を
示す断面図、第2図は保護層材料中に記録材料を分散さ
せた記録層を有する光学情報記録媒体の代表的な構造を
示す断面図、第3図,第4図は第1の保護層,島状記録
材料粒子,第2の保護層を有する光学情報記録媒体の代
表的な構造を示す断面図、第5図は実験に用いたレーザ
スパタリング装置の構成図、第6図はレーザスパタリン
グ法で記録層を形成した光学情報記録媒体の記録・消去
の繰り返し特性を示す図、第7図はRFスパタリング法で
記録層を形成した光学情報記録媒体の記録・消去の繰り
返し特性を示す図、第8図はGe−Sb−Te3元系で記録材
料として望ましい組成範囲を示す図、第9図は実験に用
いた成膜装置の構成図、第9図は実験に用いた成膜装置
の構成図、第10図,第12図はレーザスパタリング法で記
録材料粒子を形成した光学情報記録媒体の記録・消去の
繰り返し特性を示す図、第11図,第14図は記録材料粒子
の最大頻度直径と記録・消去の繰り返し寿命の関係を示
す図、第13図は光学情報記録媒体の熱的安定性を示す図
である。
発明を実施するための最良の形態 以下図面に基づいて本発明を説明する。
本発明の記録媒体の代表的な構造例(断面図)を第1
図に示す。記録,再生、及び消去を行うレーザ光は基板
1の側から入射させる。
基板1としては、PMMA,ポリカーボネート等の樹脂或
はガラス等、表面の平滑なものを用いる。光ディスクの
場合、通常基板平面8はレーザ光を導くためにスパイラ
ル又は同心円状のトラックで覆われている。
保護層2,4の材料は、物理的・化学的に安定。すなわ
ち記録材料の融点よりも、融点及び軟化温度が高く、か
つ記録材料と相固溶しないことが望ましい。保護層は誘
電体や透明である必要はない。例えば可視光線及び赤外
線に対して光吸収性をもつZnTe等で形成してもよい。
又、保護層2,4を異なる材料で形成すると、熱的及び光
学的なディスク設計の自由度が大きくなる利点がある。
もちろん同一材料で形成してもよい。
記録層3はレーザスパタリング法を用いて形成され、
結晶状態、或は非晶質状態よりはorderingが進行した状
態で形成されている。レーザ光源にはエキシマレーザ,
CO2レーザ等を用いる。記録層3は結晶状態と非晶質状
態との間で可逆的に構造変化をおこす物質、例えばTe又
はIn,Se等を主成分とする相変化材料、或は異なる2種
類の結晶構造の間で可逆的に構造変化をおこす物質、例
えばTe又はIn,Se等を主成分とする相変化材料、或は異
なる2種類の結晶構造の間で可逆的に相変化をおこす物
質からなる。発明者らは、通常の薄膜製造法では非晶質
状態でしか成膜できない。例えばTe,In等を主成分とす
る相変化形記録材料組成を有するスパッタターゲットを
用いてレーザスパタリングを行い、ターゲットとほぼ同
一組成の薄膜を結晶状態で成膜できる事を発見した。こ
の特性を利用して、基板温度を高温にさらすことなく記
録層成膜と同時に初期化が可能になり、また初期化の容
易な、かつ記録・消去の繰り返し特性の良好な光学情報
記録媒体が得られた。
反射層5はAu,Al,Ni,Fe,Cr,Ti等の金属元素、或はこ
れらの合金からなり、記録層への光吸収効率を高める働
きをする。しかし、例えば記録層3の膜厚を厚くして光
吸収効率を高める工夫をすることによって、反射層5を
設けない構成とすることも可能である。
保護基板7は、樹脂をスピンコートしたり、基板と同
様の樹脂板、ガラス板、或は金属板等を接着剤6を用い
て張り合わせることによって形成する。さらには、2組
の金属媒体を中間基板或は反射層を内側にして接着剤を
用いて貼り合わせることにより、両面から記録・再生・
消去可能な構造としてもよい。
いま1つレーザスパタリング法を用いてターゲット材
料を粒子状に形成することができた。この特性を利用し
てこれまで実質的に作成が困難であった保護材料中に記
録材料を分散させた記録層を有する光学情報記録媒体が
製造できる。この発明の記録媒体の代表的な構造例(断
面図)を第2図に示す。
保護材料9は、保護層2,4と同様、物理的・化学的に
安定、すなわち記録材料の融点よりも、融点及び軟化温
度が高く、かつ記録材料と相固溶しないことが望まし
い。
記録材料粒子10は、記録層3と同様、レーザスパタリ
ング法を用いて形成する。記録材料粒子は結晶状態と非
晶質状態との間で可逆的に構造変化をおこす物質、例え
ばTe又はIn,Se等を主成分とする相変化材料、或は異な
る2種類の結晶構造の間で可逆的に相変化をおこす物質
からなる。
記録材料、及び保護材料を同時蒸着して、保護材料中
に記録材料が粒子状に分散する混合記録層を形成する。
さらに、発明者等は、保護層材料中に記録材料を粒子
状に封じ込める新規な製造方法を見いだした。すなわ
ち、基板上に設けた第1の保護層上に、光照射によって
その光学的特性が変化する記録材料を島状に形成し、続
けて第2の保護層を形成することによって、保護層中に
所望の材料組成からなる記録材料粒子を封じ込める。こ
の発明の記録媒体の代表的な構造例(断面図)を第3
図,第4図に示す。
第1の保護層11,第2の保護層12、保護層4の材料
は、物理的・化学的に安定、すなわち記録材料の融点よ
りも、融点及び軟化温度が高く、かつ記録材料と相固溶
しないこととが望ましい。
記録材料粒子13は、通常の成膜法、例えば電子ビーム
蒸着法やスパタリング法を用いて形成する。又、レーザ
スパタリング法を用いて形成してもよい。記録材料粒子
は結晶状態と非晶質状態との間で可逆的に構造変化をお
こす物質、例えばTe又はIn,Se等を主成分とする相変化
材料、或は異なる2種類の結晶構造の間で可逆的に相変
化をおこす物質からなる。
第3図,第4図の構造では、基板上に保護層,記録材
料粒子,保護層と順次形成して、保護層中に記録材料粒
子を封じ込める。このような構造をもつ光学情報記録媒
体は、記録・消去の繰り返し特性が従来例に比べて飛躍
的に向上する。
記録材料粒子を保護層中に封じ込める構造には、他に
も幾つかの利点がある。例えば、保護層中に封じ込めら
れた非晶質状態の微小な記録材料粒子は、連続した薄膜
の状態で存在するよりも、非晶質状態の安定性に優れて
いることが実験的に確かめられた。記録材料粒子を取り
巻く保護層が、記録材料の結晶化を妨げる役割をになっ
ている。このことは、ディスク設計を行うに際して、記
録材料の選択の自由度が広がることを意味する。すなわ
ち、薄膜状態で記録層を作成する場合では、非晶質状態
での安定性に難があって用いることのできない材料であ
っても、保護層中に記録材料粒子として封じ込める構造
にするならば用いることができる場合もある。
記録材料粒子を保護層中に封じ込める構造において
は、記録材料粒子の粒径が重要になる。すなわち、記録
材料粒子が大きすぎると、上述のような繰り返し劣化の
抑制機構が働かない。
以下に具体的な例をもって本発明を詳述する。
(実施例1) 相変化光ディスクの記録層材料としてGe2Sb2Te5を選
び、成膜法の違いによる膜質の差を調べた。成膜法とし
てはレーザスパタリング法,電子ビーム法、及びRFマグ
ネトロンスパタリング法の3種類を選んだ。基板として
3インチ径のガラス基板を用い、上記成膜法で、それぞ
れ厚さ30nmの記録層を成膜した。
第5図に記録層成膜に用いたレーザスパタリング装置
の構成を示す。φ300×500mmの真空チャンバに3インチ
径のターゲット、及び基板ホルダーが設置してある。レ
ーザ光源には、チャンバの外に設置したエキシマレーザ
(krF波長248nm)を用い、チャンバのガラス窓を通し
て、エネルギー150mJで、ターゲットに対し45°の角度
で入射した。パルス繰り返し数は10Hz、パルス幅は20ns
ecとした。基板全面にわたって均一な膜厚を得るため、
又ターゲットを効率よく利用するためには、ターゲット
上にパルスレーザをスキャンさせながら照射することが
望ましい。例えばターゲット表面の70%をレーザでスキ
ャン照射することによって、本実験の場合、ターゲット
の利用効率を200倍にも高めることができた。
レーザスパタリング法、及び電子ビーム蒸着法の場合
は0.01mtorrの真空雰囲気下で、又RFスパタリングの場
合はAr圧3mtorrの雰囲気下で記録層を成膜した。成膜
時、基板温度はいずれの場合も50℃に保った。
上記3種類の成膜法で作成したGe2Sb2Te5記録層につ
いて、透過電子顕微鏡を用いて結晶構造の解析を行っ
た。又、成膜後、熱処理を施したサンプルについても結
晶構造の解析を行った。熱処理は、Ar雰囲気中、200℃
−10分行った。その結果、レーザスパタリング法を用い
て成膜した記録層は、六方晶(hexagonal structure)
の微細な結晶粒からなっていることがわかった。又、高
分解能TEM像より、結晶粒の粒径はおよそ10nmであるこ
とがわかった。一方、電子ビーム蒸着,RFスパタリング
により成膜された記録層は、電子線回折レベルの非晶質
状態で成膜されていることがわかった。又、200℃の熱
処理により、成膜法の違いによらずすべての記録層が六
方晶の結晶となることがわかった。
このように、レーザスパタリング法を用いて成膜した
Ge2Sb2Te5記録層のみが結晶状態で成膜する。レーザス
パタリングの成膜プロセスについて詳しいことは明らか
になっていないので、何故記録層が結晶状態で成膜する
のかは明らかではない。おそらく、レーザでスパッタさ
れると、ターゲットからGe2Sb2Te5が化合物状態を有し
たまま微細な粒子として飛び出し、そのまま基板までに
たどりつくためと考えられる。このように、基板上で記
録層構成原子のマイグレーションを必要とせずに、結晶
状態の記録層が得られる。すなわち、基板を高温に加熱
することなく結晶状態で記録層が成膜できるので、基板
として樹脂基板を用いても、なんら不都合はない。
又、レーザスパタリング法を用いると、高速に、しか
もディフェクトの少ない成膜が可能となる。従来の成膜
法と比較してみる。例えば、電子ビーム蒸着法では高速
成膜が可能であるが、スプラッシュ等のディフェクトが
多い。逆に、スパタリング法やCVD法はディフェクトの
少ない成膜法であるが、成膜速度が遅いところに欠点が
ある。前述のレーザスパタリング装置を用いて、Ge2Sb2
Te5記録層を成膜してみたところ、ディフェクトが無
く、かつ1ミクロン/分以上の超高速成膜も可能である
ことが確かめられた。高速成膜法という観点からみる
と、レーザスパタリング法は、Ge2Sb2Te5に代表される
相変化形光ディスクの記録層の成膜のみならず、例えば
光磁気ディスクの成膜法としても有用であるということ
ができる。
(実施例2) 記録層をレーザスパタリング法で成膜したサンプルデ
ィスクを作成し、レーザを照射して記録・消去特性を調
べた。基板として厚さ1.2mm、直径3インチのPMMAを用
い、その上に保護層,Ge2Sb2Te5記録層,保護層,反射
層と順次積層した。記録層を挟む2つの保護層は、記録
・消去の繰り返しによる熱ダメージから記録層を保護す
る目的を有し、又、反射層は記録層において入射レーザ
を効率よく吸収させるために設けてある。記録層の成膜
に用いたレーザスパタリング装置、及び成膜条件は、実
施例1で説明したものと同じである。成膜時のチャンバ
内の真空度は0.01mtorrとした。保護層,反射層は通常
のRFマグネトロンスパタリング装置を用いて成膜した。
保護層,反射層の組成は、それぞれZnS−20mol%SiO2
Auとした。
記録層の膜厚は30nmとした。保護層の膜厚は、記録層
の(記録・消去のために照射するレーザ光の波長−ここ
では830nm−に対する)光吸収率が大きく、且つ記録信
号の信号振幅が大きくとれるように選んだ。具体的に
は、基板側の保護層の膜厚を12nm、反射層側の膜厚を15
nmとした。反射層の膜厚は50nmとした。
実施例1で述べたように、Ge2Sb2Te5記録層は結晶状
態で成膜されるので、成膜後に初期化を施す必要がな
い。作成したディスクをレーザ照射部における綿速度が
10m/sとなるように回転させながら、波長830nmの半導体
レーザを照射して、繰り返し記録・消去を行った。上記
構成のディスクは、入射レーザのパワー変調による1ビ
ームオーバライト(重ね書き)が可能である。ここで
は、記録パワーを22mW、消去パワーを16mWとして、繰り
返しオーバライト記録を行った。C/N、消去率の測定
は、f1=3.3MHz,f2=1.3MHzの2種類の単一周波数を用
いて測定した。
第6図に、記録・消去の繰り返し回数と、C/N、及び
消去率の関係を示す。
比較のために第7図に、通常のRFマグネトロンスパタ
リング装置を用いて記録層を成膜したディスクの、記録
・消去の繰り返し回数と、C/N、及び消去率の関係を示
す。第6図のデータをとったディスクとは、記録層の作
成方法のみが異なるだけで、それ以外は、各層の膜厚,
組成,記録・消去条件ともに全く同じである。スパタリ
ング条件は、Ar流量30sccm、Ar圧3mtorrで行った。通常
のスパタリング法の場合、Ge2Sb2Te5記録層は、非晶質
で成膜される。繰り返し記録・消去を行う前に、Arレー
ザを用いてディスク全面を結晶化(初期化)した。
第6図,第7図からわかるように、レーザスパタリン
グで記録層を成膜したディスクでは、百万回繰り返しを
行っても、C/N、及び消去率の劣化が生じないのに対し
て、通常のRFスパタリング法で記録層を成膜したディス
クでは、70万回の繰り返し記録で、劣化が生じている。
この2種類のディスクの繰り返し劣化の程度の差は、記
録層成膜時に記録層中に取り込まれるガス量の差に依存
すると考えられる。この場合、レーザスパタリングでは
0.01mtorrの真空雰囲気で成膜しているのに対して、RF
スパタリングでは3mtorr圧のAr雰囲気中で成膜してい
る。RFスパタリングの場合、このArガスがGe2Sb2Te5
録層中に取り込まれ、繰り返し劣化の要因になっている
と考えられる。
このことを明らかにするために、記録層をレーザスパ
タリング法で成膜したディスクについて、記録層成膜時
の雰囲気を種々変えたディスクを作成して、記録・消去
の繰り返し回数と、C/N、及び消去率の関係を調べた。
第1表に、Ar圧,分圧を種々変えたときに、C/Nが劣化
し始める繰り返し回数(初期のC/Nが3dB低下するのに要
した繰り返し回数で定義する)を示す。Ar圧が1mtorr以
上になると、Ar圧が高いほど繰り返し劣化が顕著になる
ことが分かる。又、成膜時の雰囲気を窒素とした場合
は、窒素圧が0.5mtorrを越えると、窒素圧が高いほど繰
り返し劣化が顕著になることがわかった。
前述のように、レーザスパタリングの特徴の1つは真
空雰囲気下で成膜が可能ということである。単に真空雰
囲気下で成膜が可能というだけでなく、繰り返し劣化を
抑制する観点から、積極的に真空雰囲気下、或はNe等の
不活性ガス雰囲気下で成膜を行うべきである。実験・検
討により、成膜時の真空度は0.5mtorr以下が望ましいこ
とがわかった。この条件下で記録層を成膜すると、他の
成膜法、例えば電子ビーム蒸着法,スパタリング法,CVD
法で作成した(同一材料組成、同一膜厚の)記録層を有
するディスクよりも、良好な繰り返し特性が得られた。
しかし、さらに詳しく記録・消去の繰り返し特性を調
べた結果、良好な繰り返し特性を示す記録・消去のパワ
ー許容量(power tolerance)という見方をすると窒素
分圧が0のときよりもむしろ蒸着分圧が0.3mtorrの雰囲
気で記録層を成膜した場合の方が良好な特性を示す−最
大15%パワー許容値が拡大する−ことが実験的にわかっ
た。窒素が僅かに存在する雰囲気でレーザスパタリング
をするとなぜ記録・消去のパワー許容値が広がるかは現
段階では不明である。重要なことは、窒素分圧0.3mtorr
以下でレーザスパタリングで記録層を成膜する製造方法
が、これまでにないパワー許容値の広い良好な光学情報
記録媒体を製造する方法であり、このようにして得られ
た記録媒体はユーザにとって使い易く、又信頼性の高い
ものである、という点である。
(実施例3) レーザスパタリング法で記録層を成膜する際、スパッ
タ条件−特に入射レーザ強度−を変化させることによっ
て、成膜時の結晶粒径を制御できる。レーザスパタリン
グ条件を変化させ、結晶粒径の異なるGe2Sb2Te5記録層
を成膜した種々のサンプルディスクにおける記録特性に
ついて以下に示す。
サンプルディスクの構成は、実施例2に示したものと
同じである。Ge2Sb2Te5記録層のレーザスパタリング
は、0.01mtorr真空雰囲気下で行った。この時、レーザ
パルスの繰り返し数を10Hzに、パルス幅を20nsecに固定
して、パルスエネルギーを100〜400mJの範囲で変化させ
て、ターゲットに対し45℃の角度でレーザをスキャンさ
せながら入射した。成膜時の基板温度は50℃に保った。
第2表に、Ge2Sb2Te5記録層成膜時のレーザパルスエネ
ルギーと、得られたGe2Sb2Te5薄膜の平均結晶粒径の関
係を示す。結晶粒径は高分解能TEM観察により実測し、
粒径分布を調べて、最大頻度の粒径を平均粒径とした。
このようにして得られた、平均結晶粒径の異なるGe2S
b2Te5記録層を有する種々のサンプルディスクにおけ
る、記録層の平均粒径と最初に1回記録した時のC/Nの
関係を第2表に併記した。記録パワーは22mW、バイアス
パワーは16mW、記録周波数は3.3MHzとした。第2表から
わかるように、平均粒径が50nmを越えると、粒径の増大
に伴ってC/Nが低下する。さらに詳しく調べると、C/N劣
化の原因はN、すなわちノイズレベルの増大によること
がわかった。このことから、レーザスパタリング法でGe
2Sb2Te5記録層を結晶状態で成膜する場合は、結晶粒の
平均粒径が50nm以下になるようにすると、良好な記録特
性が得られることがわかる。
(実施例4) 組成がGexSbyTezで表されるレーザスパタリングで形
成された記録層を有するサンプルディスクを種々作成
し、結晶化特性,非晶質化特性、及び記録・消去の繰り
返し寿命について調べた。サンプルディスクの構成、及
び成膜条件は実施例2に示したものと同じである。
実験の結果、結晶化・非晶質化感度がともに良好(単
一ビームによる重ね書きを考慮して、結晶化速度100nse
c以下)で、又、非晶質状態の記録薄膜が熱的に安定に
存在することができ、かつ記録・消去の良好な繰り返し
寿命が得られるGe−Sb−Te3元組成の範囲は、 GexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1 で表されることがわかった。この組成は、第8図のA,B,
C,D,Eで囲まれた領域である。
このようにして実験的に得られた記録薄膜のGe,Sb,Te
の組成比は、結晶化速度のはやい(GeTe)1−α(Sb2T
e3)α組成近傍で、非晶質状態でも安定に存在できるよ
う適当なGeを有し、元来繰り返し特性の良好な組成であ
り、いずれの組成もレーザスパタリング法で記録層を結
晶状態で成膜することができる。
(実施例5) 実施例1,2,3及び4では、Ge−Sb−Te記録層をレーザ
スパタリング法を用いて成膜することによって、初期化
を必要とせず、かつ記録特性の良好なディスクが得られ
ることを示した。レーザスパタリング成膜による上記効
果があるのは、記録層材料がGe−Sb−Te組成に限られる
ものではなく、相変化形光ディスクの記録層材料として
一般的に知られている材料に広く共通することが実験的
に確かめられた。例えばTe−Ge,Te−Ge−Sb,Te−Ge−S
n,Te−Ge−Sn−Au,Sb−Te,Sb−Se−Te,In−Te,In−Se,I
n−Se−Tl,In−Sb,In−Sb−Se,In−Sb−Te,In−Se−Te
をレーザスパタリング法を用いて成膜することにより、
他の成膜法に比べて結晶性の強い記録層が得られた。特
にレーザ照射により結晶−非晶質間で可逆的に変化しう
る材料組成の記録層の場合、レーザスパタリング法によ
り容易に結晶状態で成膜することができた。すなわち、
記録層をレーザスパタリング法で成膜する製造方法によ
り、初期化を施す必要のない相変化形の光ディスクが形
成できる。
又、レーザスパタリング法で繰り返し記録・消去可能
な記録層を成膜した光ディスクは、他の方法で記録層を
成膜した場合と比べて、繰り返し特性が良好であること
が確認された。ただし、レーザスパタリングを低真空雰
囲気下で行ったのでは、繰り返し特性は向上しなかっ
た。実験により、0.5mtorr以下、望むらくは0.1mtorr以
下の真空雰囲気下で、或は0.3mtorr以下の窒素雰囲気下
で記録層を成膜すると、良好な繰り返し特性が得られる
ことがわかった。第3表に一例として、1ビームによる
オーバライト(重ね書き)が可能なIn50Se35Tl15記録層
を有する光ディスクにオーバライト記録した場合の、記
録層の成膜条件と、C/Nが3dB劣化するまでの繰り返し回
数の関係を示す。0.5mtorr以下の真空雰囲気下で記録層
をレーザスパタリング法で成膜すると、繰り返し記録・
消去の繰り返し特性が良好であることがわかる。
又、レーザスパタリング法で記録層を成膜した光ディ
スクは、記録層の種類を問わず、記録層の結晶粒径が十
分小さいとき、望むらくは結晶粒の平均粒径が50nm以下
であるとき、高い信号品質、すなわち高いC/Nが得られ
ることがわかった。
(実施例6) 基板上に記録材料と保護材料を同時に形成した混合記
録層を有するディスクの記録・消去繰り返し特性を調べ
た。第2図に本発明の代表的なディスク構造(断面図)
を、第9図に混合記録層の作成に用いて成膜装置の構成
を示す。真空チャンバに3インチ径のターゲットが2
つ、さらに基板ホルダーが設置してある。1つのターゲ
ットは通常のRFマグネトロンスパタリングのカソードと
なっている。もう1つのターゲットはアースされてい
て、RFスパタリングによる膜形成は生じない。
ここで一方のターゲットからはRFマグネトロンスパタ
リング法で保護材料を、他方のターゲットからはレーザ
スパタリング法で記録材料を、同時に基板上に形成し
た。この時、両者の蒸着レートを制御することで、保護
材料と記録材料の体積比を自由に変えることができる。
例えば混合記録層の成膜段階で両者の体積比を膜厚方向
で変化させることも容易である。記録層中に占める記録
材料の体積が小さい場合は、記録材料は、粒子状に保護
材料中に分散するようになることが透過電子顕微鏡観察
で確かめられた。
このように、レーザスパタリング法とRFスパタリング
法の共蒸着を行うことによって、容易に、記録材料を粒
子状にして保護材料中に分散して形成することができ
る。ここで重要な点が3つある。第1点は、成膜時に基
板温度を高温にすることなく、粒子状に記録材料を形成
できた点である。従来の製造技術ではこのような構成の
記録層を有する光学情報記録媒体は作成することは困難
であった。本新規製造方法を用いると、ガラス基板のみ
ならず、軟化温度の低い樹脂基板、例えばポリカーボネ
ート基板、を用いた場合にも、保護材料中に粒子状に記
録材料を分散形成することができる。第2点は記録材料
粒子が結晶状態で形成された点である。このことは、X
線回析法により確認された。このようにレーザスパタリ
ング法を用いることにより、記録材料粒子を、基板を高
温に加熱することなく結晶状態で形成できる。すなわち
前述のように初期化の必要のない光学情報記録媒体が得
られる。第3点は保護材料の形成はRFマグネトロンスパ
タリングに限定する必要がない点である。上記記録材料
粒子の形成はひとえに記録材料をレーザスパタリング法
を用いて形成したことによる。それ故、保護材料の形成
には、例えば電子ビーム蒸着法等、既存の種々の成膜
法、或はここでもレーザスパタリング法を用いてもよ
い。
以下、一例として、記録材料の組成をSb2Te3、保護材
料の組成をZnS−20mol%SiO2に選んだ場合の結果につい
て記述する。
基板の材料はガラスで、3インチ径とした。反射層材
料には金(Au)を用いた。
保護材料と記録材料の混合層の成膜は、Ar雰囲気中で
行った。ZnS−20mol%SiO2の形成にはRFマグネトロンス
パタリング法を用いた。Sb2Te3記録材料の形成には、チ
ャンバの外に設置したエキシマレーザ(KrF波長248nm)
を用い、チャンバのガラス窓を通して、ターゲットに対
し45°の角度で入射した。パルス繰り返し数は10Hz、パ
ルス幅20nsecとした。実施例1で記述したように、ター
ゲットの利用効率を高める等の理由でレーザパルスはSb
2Te3ターゲット上を走査(スキャン)させた。成膜時の
基板温度は50°に保った。両ターゲットの間には遮蔽板
が設置されていて、お互いのターゲットを汚染しないよ
うにしてある。
記録材料粒子の粒径、及び分布状態は、主に照射レー
ザパワーによって制御できる。エネルギー100mJで照射
した場合、記録材料は平均直径的20nmの粒子状で保護材
料中に分散していた。
混合記録層の膜厚、及び混合記録層に占める記録材料
の体積比は、記録材料の(記録・消去のために照射する
レーザ光の波長−ここでは830nm−に対する)光吸収率
が大きく、且つ記録信号の信号振幅が大きくとれるよう
に選んだ。具体的にはZnS−20mol%SiO2保護層を厚さ20
0nm設け、その上に通常のスパタリング法とレーザスパ
タリング法の同時蒸着を行って厚さ100nmの混合層を設
け、さらにその上に、通常のスパタリング法を用いて厚
さ50nmの反射層を設けた構造のサンプルディスクを作成
した。この時、混合層は、保護材料と記録材料とがそれ
ぞれ体積比9:1で存在するようにした。
上述の光ディスクについて、記録・消去の繰り返し特
性を調べた。記録,消去、及び再生に用いるレーザ光は
波長が830nm、照射レーザ光とディスクの相対速度は10m
/secとした。
第10図に、信号を繰り返し重ね書き(オーバライト記
録)した時のC/N、及び消去率の変化を示す。C/N,消去
率は、f1=3.3MHz,f2=1.3MHzの2種類の単一周波数を
用いて測定した。50万回繰り返し記録した後にもC/N,消
去率の変化はない。
さらに、3インチ径のポリカーボネート基板を用いて
同様のサンプルディスクを作成し、繰り返し重ね書き
(オーバライト)を行った。この場合においても、ガラ
ス基板の場合と同様に50万回繰り返し記録した後にもC/
N,消去率の変化はなかった。
このように、保護材料と記録材料を同時に形成すると
いう本発明の製造方法により、良好な繰り返し特性を有
する光学情報記録媒体が得られるだけでなく、成膜過程
の削減、あるいはディスク製造コストの削減が可能にな
る。
(実施例7) 実施例6で用いたのと同じ保護材料と記録材料を用い
て、従来構造である連続した記録層を形成し、保護材料
でサンドイッチした構造を有するディスクの記録・消去
の繰り返し特性を調べた。実施例6の結果と本実施例の
結果を比較することで、本発明の有効性を明らかにす
る。
第1図にディスク構造を示す。基板の材質はガラス
で、3インチ径とした。組成がSb2Te3である連続した記
録層を、組成がZnS−20mol%SiO2の2つの保護層でサン
ドイッチし、更にAu反射層を設けた。記録層の膜厚は30
nmとし、保護層の膜厚は、記録層における(記録・消去
のために照射するレーザ光の波長−ここでは830nm−に
対する)光吸収率が大きく、且つ記録信号の信号振幅が
大きくとれるように選んだ。具体的には基板側の保護層
を100nm、反射層側の保護層を15nm設けた。反射層膜厚
は40nmとした。記録層,保護層、及び反射層の成膜には
通常のスパタリング法を用いた。
上述の光ディスクについて、記録・消去の繰り返し特
性を調べた。記録,消去、及び再生に用いるレーザ光は
波長が830nm、照射レーザ光とディスクの相対速度は10m
/secとした。C/N,消去率は、f1=3.3MHz,f2=1.3MHzの
2つの単一周波数を用いて測定した。繰り返し重ね書き
を5万回繰り返すと、C/Nは初期値から3dB以上劣化し、
良好な繰り返し特性が得られない。
(実施例8) 特開昭57−208648号、或は特開昭62−226438号には、
熱的に安定な保護層中に記録材料を分散させることを目
的とした種々の成膜法が示されている。実施例8では、
従来知られている製造方法で実施例6で用いたのと同じ
保護材料と記録材料を用いて、保護材料中に記録材料を
粒子状に分散させる目的で、保護材料と記録材料の同時
蒸着を行った。さらに、この混合記録層を有する構造の
ディスクの記録・消去の繰り返し特性を調べた。ここで
は、代表例として、高周波2元同時スパタリング法で混
合記録層を形成した場合についてのみ記述する。実施例
6の結果と本実施例の結果を比較することで、本発明の
有効性を明らかにする。
高周波2元同時スパタリング法で、Sb2Te3ターゲット
とZnS−20mol%SiO2ターゲットへ印加する高周波出力を
変化させて作成した混合層の、光学特性とSb2Te3記録材
料の体積率の関係を調べた結果、混合中に占めるSb2Te3
記録材料の体積率が20%以下であれば、種々条件を変え
てレーザ照射しても、混合層中の記録材料を結晶化させ
ることができなかった。次に、上記の方法で得られた保
護層と記録材料の混合層を有する光ディスクを種々作成
して、記録・消去の繰り返し特性を調べた。Sb2Te3記録
材料の体積率が20%の混合層を有するディスクは、数百
回の繰り返し重ね書きでC/Nが劣化した。
保護層中の記録材料の分散状態を直接観察することは
困難である。しかし、電子ビーム蒸着法,スパタリング
法,イオンブレイティング法、何れの方法で作成した保
護材料と記録材料の混合層を有する光ディスクも、期待
されるように良好な記録・消去の繰り返し特性は得られ
なかった。
(実施例9) 実施例6のディスク構造で、記録材料粒子を封じ込め
る保護材料を種々変えてディスクを作成し、その記録・
消去の繰り返し特性を調べた。その結果、保護材料の融
点、及び軟化温度が、記録材料の融点よりも低い場合
は、常に、良好な記録・消去の繰り返し特性が得られな
かった。繰り返し特性が良好となる保護材料は、Al2O3,
SiO2,SiO,Ta2O5,TeO2,MoO3,WO3,ZnS,AlN,SlN,PbF2,MgF
2の誘電体或はこれらの適当な組み合わせであった。
保護材料は、熱的,化学的安定性にのみ注目して選ぶ
のではなく、熱伝導率や、光学定数の適当なものを選ぶ
必要がある。例えば、光学的に優位なディスク−具体的
には、入射レーザ光に対して吸収率が大きく、再生信号
が大きいディスク−を得るには、保護材料、及び記録材
料の光学定数に十分注意を払って、記録材料の占める体
積比、混合層の膜厚等を決定する必要がある。
(実施例10) 実施例6のディスク構造で、混合記録層を形成する記
録材料を種々変えてディスクを作成し、その記録・消去
の繰り返し特性を調べた。その結果、記録材料が適当な
組成比のTe−Sb−Ge,Te−Ge,Te−Ge−Sn,Te−Ge−Sn−A
u,Sb−Te,Sb−Se−Te,In−Te,In−Se,In−Se−Tl,In−S
b,In−Sb−Se,In−Se−Teからなる場合、何れの場合で
も、レーザスパタリング条件、特に照射エネルギーを適
当に選ぶことにより、粒子状に成膜することが可能であ
った。こうして得られた粒子状の記録材料を有する何れ
のディスクも良好な記録・消去の繰り返し特性を示し
た。なかでも、記録・消去感度、熱的安定性、記録・消
去の繰り返し寿命等の点で総合的にすぐれた特性を示し
たのは、記録材料に適当な組成比を有するTe−Sb−Ge3
元を用いた場合であった。上記構成のサンプルディスク
を用いて実験的に得られた、良好な特性を示す組成範囲
は GexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1 で表されることがわかった。この組成は、第8図のA,B,
C,D,Eで囲まれた領域である。いずれの組成も、レーザ
スパタリング法で記録材料粒子を結晶状態で形成するこ
とができる。
記録材料粒子の組成と同様、粒子径も、繰り返し特性
に大きな影響を与える。種々の記録材料と保護材料の組
み合わせについて調べた結果、記録材料粒子の最大頻度
直径が100nm以下、望むらくは50nm以下の時に、良好な
記録・消去の繰り返し特性が得られることがわかった。
一例として、組成がSb2−Te3の記録材料粒子を、組成
がZnS−20mol%SiO2の保護層中に体積率10%で分散して
形成し、さらにAu反射層を設けた構造のディスクについ
て、記録材料粒子の粒径と、記録・消去の繰り返し特性
の関係について調べた。その結果を第11図に示す。各層
の膜厚は、記録層における(記録・消去のために照射す
るレーザ光の波長−ここでは830nm−に対する)光吸収
率が大きく、且つ記録信号の信号振幅が大きくとれるよ
うに選んだ。記録材料粒子の粒径は透過電子顕微鏡観察
で見積もった値である。第11図からわかるように、記録
材料粒子の最大頻度直径が100nm以下、望むらくは50nm
以下の時に、良好な記録・消去の繰り返し特性が得られ
る。
(実施例11) 保護材料中に記録材料を粒子状に分散して形成する方
法の一例を実施例6に示した。本実施例11では、実施例
6とは異なる製造方法で記録材料粒子を保護材料中に封
じ込める方法を示す。
基板上に第1の保護層,島状の記録材料,第2の保護
層を順次形成した構造を有する光ディスクの記録・消去
の繰り返し特性を調べた。第3図、及び第4図に本発明
の代表的なディスク構造を示す。各層は、電子ビーム蒸
着法,スパタリング法,イオンプレイティング法,CVD
法,或はレーザスプリング法等によって形成した。特に
記録材料粒子を形成するためには、1)低真空雰囲気中
(0.1mtorr台)で蒸着、2)高真空雰囲気下(1mtorr以
下で斜め蒸着)、3)基板加熱、レーザスプリング法、
等の手法が有効である。
今回、発明者等は、記録材料粒子の形成に基板加熱を
併用した。この時、基板温度が40〜80℃で十分な効果が
得られた。記録材料粒子の粒径、及び分布状態は、主に
基板温度を変えることによって制御できた。このよう
に、本製造方法を用いると、容易に記録材料を粒子状
(島状)に形成することができる。ここで重要なこと
は、成膜時に基板温度を高温にすることなく、粒子状に
記録材料を形成できた点である。それゆえ、ガラス基板
のみならず、軟化温度の低い樹脂基板、例えばポリカー
ボネート基板、を用いた場合にも粒子状に記録材料を形
成することができる。
以下、一例として、組成がSb2Te3である記録材料粒子
を、組成がZnS−20mol%SiO2の第1の保護層と、組成が
ZnS−10mol%SiO2の第2の保護層の間に封じ込んだ場合
について記述する。
基板の材質はガラスで、3インチ径とした。反射層材
料には金(Au)を用いた。
ZnS−20mol%SiO2保護層、及び反射層の成膜はAr雰囲
気中で、RFマグネトロンスパタリング法を用いた。Sb2T
e3記録材料の形成には、低圧スパタリング法を用いた。
スパタリング圧はAr雰囲気で0.3torrとした。記録材料
粒子を形成する時は、基板を50℃に加熱・保持した。記
録材料粒子の粒径、及び分布状態は、主にガラス基板温
度を変えることによって制御できる。(走査型トンネル
顕微鏡観察で見積もった)島状記録材料粒子の平均直径
は20nm、平均高さは30nmであった。
第1,第2の保護層の膜厚は、記録材料粒子の(記録・
消去のために照射するレーザ光の波長−ここでは830nm
−に対する)光収率が大きく、且つ記録信号の信号振幅
が大きくとれるように選んだ。具体的には第1の保護層
を200nm、第2の保護層を平均45nm設けた。反射層膜厚
は40nmとした。
上述の光ディスクについて、記録・消去の繰り返し特
性を調べた。記録,消去、及び再生に用いるレーザ光は
波長が830nm、照射レーザ光とディスクの相対速度は10m
/secとした。
第12図に、信号を繰り返し重ね書き(オーバライト記
録)した時のC/N、及び消去率の変化を示す。C/N,消去
率は、f1=3.3MHz、f2=1.3MHzの2種類の単一周波数を
用いて測定した。100万回繰り返し記録した後にもC/N、
消去率の変化はない。
さらに、3インチ径のポリカーボネート基板を用いて
同様のサンプルディスクを再生し、繰り返し重ね書き
(オーバライト)を行った。この場合においても、ガラ
ス基板の場合と同様に、100万回繰り返し記録した後に
もC/N、消去率の変化はなかった。
このように、実施例11に示した製造方法は、実施例6
で示した保護材料と記録材料の同時形成の製造方法より
も、記録・消去の繰り返し特性の良好な光学情報記録媒
体を作成できる。このように製造方法の違いによって繰
り返し特性に差異が生じる詳しい理由は不明であるが、
両製造方法で、記録材料粒子と保護材料との界面結合状
態が異なっていて、そのことが繰り返し特性に影響を与
えていること考えている。
(実施例12) 実施例11、及び実施例7で示したディスクの熱的安定
性を調べた。未記録状態の両方のディスクを80℃に保持
し、基板側から波長830nmの光を照射して、反射率変化
を測定した。その結果を第13図に示す。保護層中にSb2T
e3記録材料粒子が封じ込まれた構造のディスクでは30日
間以上、反射率変化がないのに対し、連続したSb2Te3
録層を有する構造のディスクは1日で反射率が変化(上
昇)している。この反射率変化は、記録層が非晶質相か
ら結晶相へと相変化することに対応している。このよう
に、結晶化しやすい記録材料でも、熱的に安定な保護層
中に微細粒子として封じ込めると非晶質状態の安定性が
向上する。
(実施例13) 実施例11のディスク構造で、記録材料粒子を封じ込め
る第1の保護層と、第2の保護層材料を種々変えてディ
スクを作成し、その記録・消去の繰り返し特性を調べ
た。その結果、保護層材料の融点、及び軟化温度が、記
録材料の融点よりも低い場合は、常に、良好な記録・消
去の繰り返し特性が得られなかった。繰り返し特性が良
好となる保護層材料は、Al2O3,SiO2,SiO,Ta2O5,TeO2,Mo
O3,WO3,ZnS,AlN,SiN,PbF2,MgF2の誘導体或はこれらの適
当な組み合わせであった。
保護層材料は、熱的,化学的安定性にのみ注目して選
ぶのではなく、熱伝導率や、光学定数の適当なものを選
ぶ必要がある。例えば、光学的に優位なディスク−具体
的には、入射レーザ光に対して光吸収率が大きく、再生
信号が大きいディスク−を得るには、保護層材料の光学
定数に十分な注意を払って、各層の膜厚を決定する必要
がある。第1の保護層材料、及び第2の保護層材料及び
膜層は、ディスク特性が総合的にも最もバランスのとれ
たものになるよう、それぞれ独立に選ぶことができる。
もちろん、ディスク特性が総合的にバランスの取れた良
好なものになるのであれば、第1の保護層と第2の保護
層を同一材料で形成しても、問題はない。
又、例えば、第5図に示したように、基板/保護層/
島状記録材料粒子/保護層/島状記録材料粒子/保護層
……と保護層と記録材料粒子を繰り返し積み重ねた構造
にするなどの工夫で、記録材料における光吸収効率を高
めることができる。このように繰り返し構造をとること
による光学設計上のメリットは大きい。
(実施例14) 実施例11のディスク構造で、第1の保護層と第2の保
護層に封じ込まれる記録材料粒子を種々変えてディスク
を作成し、その記録・消去の繰り返し特性を調べた。そ
の結果、記録材料が適当な組成比のTe−Sb−Ge,Te−Ge,
Te−Ge−Sn,Te−Ge−Sn−Au,Sb−Te,Sb−Se−Te,In−T
e,In−Se,In−Se−Tl,In−Sb,In−Sb−Se,In−Se−Teか
らなる場合、何れの場合でも、基板温度を適当に選ぶこ
とにより、粒子状(島状)に形成することが可能であっ
た。こうして得られた粒子状の記録材料を有する何れの
ディスクも良好な記録・消去の繰り返し特性を示した。
なかでも、記録・消去感度、熱的安定性、記録・消去の
繰り返し寿命等の点で総合的にすぐれた特性を示したの
は、記録材料に適当な組成比を有するTe−Sb−Ge3元を
用いた場合であった。
上記構造のサンプルディスクを用いて実験的に得られ
た、良好な特性を示す組成範囲は、 GexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1で表されること
がわかった。この組成は、第8図のA,B,C,D,Eで囲まれ
た領域である。
記録材料粒子の組成と同様、粒子径も、繰り返し特性
に大きな影響を与える。種々の記録材料と保護層材料の
組み合わせについて調べた結果、記録材料粒子の最大頻
度直径が100nm以下、望むらくは50nm以下の時に、良好
な記録・消去の繰り返し特性が得られることがわかっ
た。
一例として、組成がSb2Te3の記録材料粒子を、組成が
ZnS−20mol%SiO2第1の保護層と、組成がZnS−10mol%
SiO2の第2の保護層の間に封じ込み、さらにAu反射層を
設けた構造のディスクについて、記録材料粒子の粒径
と、記録・消去の繰り返し特性の関係について調べた。
その結果を第14図に示す。各層の膜厚は、記録層におけ
る光吸収率が大きく、且つ記録信号の信号振幅が大きく
とれるように選んだ。記録材料粒子の粒径は走査型トン
ネル顕微鏡観察で見積もった値である。第14図からわか
るように、記録材料粒子の最大頻度直径が100nm以下、
望むらくは50nm以下の時に、良好な記録・消去の繰り返
し特性が得られる。
ところで、記録材料粒子の形成方法は、スパタリング
法に限られるものではない。電子ビーム蒸着法,イオン
プレイティング法,CVD法,レーザスパタリング法いずれ
の方法を用いて記録材料粒子を形成した場合でも、記録
・消去の繰り返し特性の向上があった。なかでも、レー
ザスパタリング法を用いると、記録材料を粒子状(島
状)に形成できるのみならず、結晶状態で形成できた。
産業上の利用可能性 以上詳述したように、第1の保護層上にレーザスパタ
リング法を用いて記録材料粒子を形成し、さらに第2の
保護層を少なくとも備えてなる光学情報記録媒体は、従
来の製造方法では得られなかった2つの特性、すなわ
ち、初期化が容易で、良好な記録・消去特性の繰り返し
特性、を有する。
フロントページの続き 前置審査 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 G11B 7/26

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相変化を生じて光学特性の異なる状態へと
    可逆的に移りうる記録材料から構成されている記録層を
    基板上に備え、光ビームを照射して情報を記録・消去・
    再生する光学情報記録媒体の製造方法において、パルス
    レーザ光を固体ターゲット上にスキャンさせながら照射
    して対向して配置した基板上に記録層を形成することを
    特徴とする光学情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】相変化を生じて光学特性の異なる状態へと
    可逆的に移りうる記録材料と、前記記録材料の融点より
    も高い融点、及び軟化温度を有する保護材料とが混合し
    てなる記録層を基板上に備え、光ビームを照射して情報
    を記録・消去・再生する光学情報記録媒体の製造方法に
    おいて、前記記録材料と前記保護材料とを同時に形成
    し、前記記録材料は、パルスレーザ光を固体ターゲット
    上にスキャンして対向して配置した基板上に形成するこ
    とを特徴とする光学情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】基板と、前記基板上に形成された第1の保
    護層材料からなる第1の保護層と、前記第1の保護層に
    接して不連続に形成され、光照射によってその光学的特
    性が変化する記録材料からなる粒子と前記第1の保護層
    及び前記粒子に接して形成された第2の保護層材料から
    なる第2の保護層を少なくとも備えてなる光学情報記録
    媒体の製造方法において、前記基板の上に前記第1の保
    護層を形成し、第1の保護層の上に、パルスレーザ光を
    固体ターゲット上にスキャンさせながら照射して記録材
    料を粒状に形成し、次に、前記第2の保護層を順次形成
    することを特徴とする光学情報記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】保護材料の融点、及び軟化温度よりも低い
    融点を有する記録材料を用いることを特徴とする請求の
    範囲第2又は第3項の何れかに記載の光学情報記録媒体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】記録層の記録材料の最大頻度直径が50nm以
    下の粒状物であることを特徴とする請求の範囲第1〜第
    3項何れかに記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】粒状物が記録材料の結晶状態であることを
    特徴とする請求の範囲第5項記載の光学情報記録媒体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】記録層を圧力が0.5mtorr以下の真空、又は
    不活性ガス雰囲気下で形成することを特徴とする請求の
    範囲第1〜第3項何れかに記載の光学情報記録媒体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】記録層を圧力が0.3mtorr以下の窒素ガス雰
    囲気下で形成することを特徴とする請求の範囲第1〜第
    3項何れかに記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】光照射条件により、結晶相と非晶質相との
    間で可逆的に変化しうる材料とからなる記録材料粒子を
    形成することを特徴とする請求の範囲第1〜第3項何れ
    かに記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】Te化合物、ln−Sb,ln−Sb−Te,ln−Seの
    いずれかを主成分とする記録層を形成することを特徴と
    する請求の範囲第1〜第3項何れかに記載の光学情報記
    録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】Ge−Sb−Teを主成分とし、好ましくは前
    記3元素の組成比が GexSbyTez 0.10≦x≦0.35 0.10≦y 0.45≦z≦0.65 x+y+z=1 であらわされる記録層を形成することを特徴とする請求
    の範囲第1〜第3項何れかに記載の光学情報記録媒体の
    製造方法。
JP51315690A 1989-09-28 1990-09-27 光学情報記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP2867701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP51315690A JP2867701B2 (ja) 1989-09-28 1990-09-27 光学情報記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25335789 1989-09-28
JP7373290 1990-03-23
JP1-253357 1990-05-08
JP11889490 1990-05-08
JP2-118894 1990-05-08
JP2-73732 1990-05-08
JP51315690A JP2867701B2 (ja) 1989-09-28 1990-09-27 光学情報記録媒体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2867701B2 true JP2867701B2 (ja) 1999-03-10

Family

ID=27465615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51315690A Expired - Fee Related JP2867701B2 (ja) 1989-09-28 1990-09-27 光学情報記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2867701B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524210A (ja) * 2005-12-12 2009-06-25 オヴォニクス,インコーポレイテッド ゲルマニウムまたはテルル含有量の少ないカルコゲナイドデバイス及びカルコゲナイド材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524210A (ja) * 2005-12-12 2009-06-25 オヴォニクス,インコーポレイテッド ゲルマニウムまたはテルル含有量の少ないカルコゲナイドデバイス及びカルコゲナイド材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE36383E (en) Optical recording medium and production process for the medium
JP2709887B2 (ja) 光記録媒体およびその製造方法
US5395735A (en) Optical information recording medium and method of manufacture
JP2512087B2 (ja) 光記録媒体および光記録方法
JP3566743B2 (ja) 光記録媒体
EP0644537A2 (en) Information recording medium
JP2000229479A (ja) 光記録媒体
US5453346A (en) Optical information recording medium having protection layers with different properties on both sides of an optical active layer
JP2867701B2 (ja) 光学情報記録媒体の製造方法
JPH10226173A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JPH05151619A (ja) 光情報記録媒体及び記録方法
JPH05101442A (ja) 光記録媒体
US5202881A (en) Information storage medium
JP2830336B2 (ja) 光記録媒体の初期化方法
JP3444037B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2712207B2 (ja) 光学式情報記録媒体
JPH11232698A (ja) 光学的情報記録用媒体及びその製造方法
JP2947938B2 (ja) 光記録媒体
JP3176582B2 (ja) 情報の記録及び消去方法
JPH10326434A (ja) 光記録媒体
JP3246244B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JPH08124213A (ja) 光記録媒体
JPH10269630A (ja) 光記録媒体
JPH08115536A (ja) 光記録媒体
JPH08129777A (ja) 光学的情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees