JP2866975B2 - 遮断弁 - Google Patents

遮断弁

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JP2866975B2
JP2866975B2 JP13958990A JP13958990A JP2866975B2 JP 2866975 B2 JP2866975 B2 JP 2866975B2 JP 13958990 A JP13958990 A JP 13958990A JP 13958990 A JP13958990 A JP 13958990A JP 2866975 B2 JP2866975 B2 JP 2866975B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は流体流量計、例えばガスメータに組み込ま
れ、地震発生時あるいはガス漏れ時、その他の緊急時に
ガスの流通を遮断する遮断弁に関する。
(従来の技術) 地震を感知する感震器やガス漏れを感知するガス漏れ
警報器が知られている。また、これらの感震器やガス漏
れ警報器と遮断弁とを組合わせ、感震時やガス漏れ発生
時に遮断弁を作動させてガスの流通を遮断するようにし
た安全装置も実用化されている。
例えば、特開昭64−6578号公報、特開昭64−6580号公
報は、ソレノイド式遮断弁であって、通常は、流通口に
対向する弁体がスプリングによって閉弁方向に付勢され
ているが、自己保持形ソレノイドの無通電状態ではスプ
リングに打ち勝ってマグネットに吸着し、弁体は弁座か
ら離間して開弁状態にある。そして、自己保持形ソレノ
イドのコイルに瞬間的に通電して逆磁場を与えると、ス
プリングの復元力によって弁体を弁座に圧接して閉弁さ
れるようになっている。すなわち、前記感震器やガス漏
れを感知するガス漏れ警報器から自己保持形ソレノイド
に作動信号が入力されると、遮断弁が作動してガスの流
通を遮断するようになっている。
このソレノイド式遮断弁は、一般に第8図に示すよう
に構成されている。すなわち、1はハウジングであり、
2はガス流通路3の上流側3aと下流側3bとを仕切る隔壁
である。この隔壁2の一部には流通口4を形成した弁座
5が設けられ、ハウジング1には前記弁座5に対向する
遮断弁ユニット6が設けられている。
遮断弁ユニット6について説明すると、7は双方向ソ
レノイドであって、その内部構造は、フランジ8に結合
するヨーク9と、このヨーク9の内周にあって、ボビン
10の外周に巻回されたコイル11と、ボビン10の上部側に
同軸状に配置された永久磁石12と、ボビン10の中心穴下
部に配置されプランジャ13を受けるアンビル14とからな
り、プランジャ13の上端部に前記弁座5に対向する弁体
15が設けられている。さらに、この弁体15の下面とフラ
ンジ8との間には弁体15を閉弁方向に付勢するスプリン
グ16が介在されている。
したがって、ソレノイド7の無通電状態ではスプリン
グ16に打ち勝ってプランジャ13は永久磁石12に吸着し、
弁体15は弁座5から離間して開弁状態にある。そして、
ソレノイド7のコイル11に瞬間的に通電して逆磁場を与
えると、スプリング16の復元力によって弁体15が弁座5
に圧接して閉弁される。
また、閉弁状態にある弁体15を再び開弁させる場合に
は、ソレノイド7に通電してスプリング16の復元力に抗
してプランジャ13を引き込むようにしている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、前述したように構成された遮断弁は、スプ
リング16の復元力によって弁体15を閉弁方向に付勢し、
ソレノイド7のコイル11に通電して逆磁場を与えると、
スプリング16の復元力によって弁体15が弁座5に圧接し
て閉弁されるようになっている。したがって、閉弁状態
から開弁する場合にはソレノイド7に通電してスプリン
グ16の復元力に抗してプランジャ13を引き込む必要があ
り、大きな駆動電圧が必要となる。
しかし、一般に、ガスメータ等の流量計に内蔵されて
いる電池は、3V程度であり、電池の消耗が著しい。そこ
で、低電圧でソレノイド7を駆動できるように、スプリ
ング16を弱くしたり、プランジャ13のストロークを短く
するなどの手段を取っている。ところが、スプリング16
を弱くすると、閉弁時における弁体15に対する押圧力が
弱いために、遮断弁の組立て公差によってガス漏れが生
じるなど信頼性が劣る。したがって、スプリング16の材
質、太さの選定など微妙な調整が必要となる。
また、プランジャ13のストロークを短くすると、圧力
損失が大きくなる。このため、圧力損失を補うために、
流通口4の口径を大きくしなければならず、弁体15の径
も大きくなって、閉弁時における閉弁安定性が悪くな
る。
さらに、従来のガス流通路3は直角に屈曲しているた
めに、圧力損失が大きく、また、流通口4を有する弁座
5に対して弁体15が進退する構造であるため、遮断弁が
大型となり、遮断弁を内蔵するガスメータ等の流量計も
必然的に大型化するという問題がある。
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、そ
の目的とするところは、低電圧でありながら開弁・閉弁
を円滑に行うことができると共に、圧力損失が小さく、
また構造的に簡単で、小型化を図ることができる遮断弁
を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用) この発明は、前述した目的を達成するために、ケーシ
ングと、このケーシングに設けられ一端側に流入口、他
端側に流出口を有するストレートの流通路と、前記ケー
シングの内部に前記流通路と直角の面内で回転自在に設
けられ前記流通路を開閉する弁体と、この弁体にこの回
転軸心を中心として異極が対称的に設けられた少なくと
も一対の永久磁石と、前記ケーシングの流出口側に前記
永久磁石に対向して設けられ、無通電時には永久磁石の
吸着力によって前記弁体がケーシングの流出口側に吸着
し前記流通路を閉弁し、通電時には前記永久磁石と反発
する磁気力によって弁体を浮上させると共に回転させ、
前記流通路を閉弁させる少なくとも一対の電磁石とを具
備したことにある。
電磁石に無通電時は、永久磁石の吸着力によって弁体
がケーシングの流出口側に吸着し流通路を閉弁してい
る。電磁石に通電すると、永久磁石と反発する磁気力に
よって弁体が浮上すると共に回転し、弁体によって流通
路を開弁させる。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図〜第4図に示すように、遮断弁20のケーシング
21は、例えば金属材料からなる下ケース22と、上ケース
23とから構成されている。下ケース22は円盤状で、この
下端外周縁にはフランジ24が設けられている。そして、
この下ケース22の外側には有頭円筒状の前記上ケース23
が嵌合され、この上ケース23の下端面は前記フランジ24
に当接している。前記下ケース22の軸心部22aを中心と
してその片側には半円状の流出口25が穿設されていると
共に、この流出口25の両端側には電磁石取付け穴26、26
が穿設されている。そして、これら電磁石取付け穴26、
26には鉄心27とこの鉄心27に巻装したコイル28とからな
る電磁石29、29が挿入固定されている。したがって、一
対の電磁石29、29は下ケース22の軸心部22aを中心とし
て対称的に配置されている。また、前記上ケース23には
下ケース22の流出口25に対向する半円状の流入口30が穿
設され、ケーシング21の内部には一端側が流入口30に、
他端側が流出口25にそれぞれ連通するストレートの流通
路31が形成されている。
また、前記ケーシング21の内部には下ケース22と上ケ
ース23とに回転自在に枢支された弁体32が設けられてい
る。すなわち、この弁体32は前記流通路31と直角の面内
で回転自在であり、この弁体32は、円板状の弁本体33の
中心孔を回転軸34に回転自在に嵌合することにより形成
されている。この回転軸34の上下両端部には尖端部34
a、34aを有しており、下端は下ケース22の軸受部36に、
他端は上ケース23の軸受部36にそれぞれ軸支されてい
る。前記弁本体33の回転軸34を中心としてその片側には
前記流出口25および流入口33に対向可能な半円状の連通
口35が穿設されていると共に、この連通口35の両端側に
は永久磁石取付け穴37、37が設けられている。そして、
これら永久磁石取付け穴37、37には回転軸34を中心とし
て異極を対称的に配置し、しかも前記電磁石29、29に対
向する永久磁石38、38が設けられている。さらに、これ
ら永久磁石38、38は弁本体33に対してα゜の角度を持っ
て傾斜している。
また、前記弁本体33の下面、つまり前記下ケース22に
対向する面にはシールゴム膜39が貼着され、弁体32が永
久磁石38、38の磁気吸着力によって下ケース22に吸着さ
れたときに密着して流出口25を遮断(閉弁)するように
なっている。
前述のように構成された遮断弁20は、第5図および第
6図に示すように、流量計等の内部に装着される。すな
わち、40は流体通路41の上流側41aと下流側41bを仕切る
隔壁であり、この隔壁40には取付け穴42が設けられてい
る。この取付け穴42にはOリング43、43を介して遮断弁
20が装着され、遮断弁20の流入口30は流体通路41の上流
側41aに、流出口25はその下流側41bに開口している。そ
して、電磁石29、29のコイル28はリード線44を介して電
源としての電池(図示しない)および感震器やガス漏れ
警報器等の制御機器(図示しない)に電気的に接続され
ている。
次に、前述のように構成された遮断弁20の作用につい
て説明する。
まず、電磁石29、29に無通電状態のときには、下ケー
ス22の流出口25と弁体32の連通口35とは180゜の位相が
ずれた状態で、永久磁石38、38が電磁石29、29に対向し
ている。したがって、永久磁石38、38の吸着力によって
電磁石29、29の鉄心27と引き合っており、弁体32はシー
ルゴム膜39を介して下ケース22に吸着され、流出口25を
弁体32によって閉弁状態に保持している。この場合、流
通路31の流入口30からガス圧等の流体圧力が弁体32に加
わるが、閉弁方向に加わるためにシール性が一層増して
確実な閉弁状態を維持できる。
この状態から遮断弁20に作用信号が入力され、永久磁
石38、38と反発するように電磁石29、29に通電される
と、永久磁石38、38と電磁石29、29とが反発し、この反
発力によって弁体32が下ケース22から浮上する。このと
き、永久磁石38、38は弁本体33に対してα゜の角度を持
って傾斜しているために、電磁石29、29の弁体32の押上
げる方向と回転方向のベルトル力が発生し、弁体32は回
転軸34を中心としてスムースに回転する。この場合、α
は弁体32に垂直で、接線を含む面内になければならな
い。さらに、αの方向が反対であれば、弁体32の回転方
向は逆になる。弁体32が回転すると、永久磁石38、38と
電磁石29、29との反発力は弱まるが、永久磁石38、38は
今度は反対側の電磁石29、29に引き付けられる。そし
て、弁体32が180゜回転すると、永久磁石38、38と電磁
石29、29が引き合う状態となり、弁体32の回転運動は停
止し、弁体32は下ケース22に吸着する。つまり、弁体32
が180゜回転して下ケース22の流出口25と弁体32の連通
口35とが対向し、開弁状態となり、この状態で電磁石2
9、29への通電を停止しても永久磁石38、38が電磁石2
9、29の鉄心27と引き合って弁体32が下ケース22に吸着
する。遮断弁20が開弁状態となると、流入口30から流入
する流体はケーシング21の内部のストレートな流通路31
を通過して流出口25に向かうため、遮断弁20による圧力
損失は無視できる程度に小さい。
この状態において、感震器やガス漏れ警報器等の制御
機器から遮断弁20に作動信号が入力され、永久磁石38、
38と反発するように電磁石29、29に通電されると、永久
磁石38、38と電磁石29、29とが反発し、この反発力によ
って弁体32が下ケース22から浮上し、開弁時と同様に電
磁石29、29の弁体32の押上げる方向と回転方向のベクト
ル力が発生して弁体32は回転軸34を中心として回転す
る。そして、永久磁石38、38は今度は反対側の電磁石2
9、29に引き付けられ、弁体32が180゜回転すると、永久
磁石38、38と電磁石29、29が引き合う状態となり、弁体
32の回転運動は停止し、弁体32は下ケース22に吸着す
る。つまり、弁体32が180゜回転して下ケース22の流出
口25と弁体32の連通口35の位相がずれた状態で閉弁状態
となり、この状態で電磁石29、29への通電を停止しても
永久磁石38、38が電磁石29、29の鉄心27と引き合って弁
体32が下ケース22に吸着する。
このように電磁石29、29に瞬時的に通電して励磁させ
ることにより、弁体32を回転させて開弁・閉弁でき、開
弁状態、閉弁状態においては永久磁石38、38の吸着力に
よって弁体32を下ケース22に吸着保持することができ
る。
なお、前記一実施例においては、永久磁石38、38を弁
本体33に対してα゜の角度を持って傾斜して設け、電磁
石29、29の弁体32の押上げる方向と回転方向のベクトル
力が発生し、弁体32が回転軸34を中心として回転するよ
うにしたが、第7図(a)(b)に示すように、弁体32
の外周面の一部に弁側ストッパ46を設けるとともに、下
ケース22にケース側ストッパ47、47を設け、開弁状態、
閉弁状態において、永久磁石38と電磁石29とが常にβ゜
の角度だけずれた状態にすることにより、電磁石29、29
の弁体32の押上げる方向と回転方向のベクトル力が発生
し、弁体32が回転軸34を中心として回転する。このとき
の弁体32の回転可能角度は180゜−2β゜となる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、電磁石に瞬
時的に通電して励磁させることにより、弁体を浮上させ
ると共に回転させて開弁・閉弁でき、開弁状態、閉弁状
態においては永久磁石の吸着力によって弁体を保持する
ことができる。したがって、開弁・閉弁がスムースであ
ると共に、開弁・閉弁のいずれの状態においても安定し
て信頼性を向上できる。さらに、スプリングを使用しな
いため、低電圧で動作させることができ、電池の消耗が
少なく、長期間に亘って安定した動作を期待できる。し
かも、ケーシングに一端側に流入口、他端側に流出口を
有するストレートの流通路を設けることにより、圧力損
失が小さく、また構成が簡単で小型化を図ることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図はこの発明の一実施例を示すもので、第
1図は遮断弁の縦断側面図、第2図は分解斜視図、第3
図は永久磁石の取付け構造を示す断面図、第4図(a)
〜(c)は作用を説明するための斜視図、第5図は遮断
弁を流量計に組込んだ状態の平面図、第6図は同じく縦
断側面図、第7図(a)(b)はこの発明の他の実施例
を示す作用説明図、第8図は従来の遮断弁の縦断側面図
である。 21……ケーシング、25……流出口、29……電磁石、30…
…流入口、31……流通路、32……弁体、38……永久磁
石。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシングと、このケーシングに設けられ
    一端側に流入口、他端側に流出口を有するストレートの
    流通路と、前記ケーシングの内部に前記流通路と直角の
    面内で回転自在に設けられ前記流通路を開閉する弁体
    と、この弁体にこの回転軸心を中心として異極が対称的
    に設けられた少なくとも一対の永久磁石と、前記ケーシ
    ングの流出口側に前記永久磁石に対向して設けられ、無
    通電時には永久磁石の吸着力によって前記弁体がケーシ
    ングの流出口側に吸着し前記流通路を閉弁し、通電時に
    は前記永久磁石と反発する磁気力によって弁体を浮上さ
    せると共に回転させ、前記流通路を開弁させる少なくと
    も一対の電磁石とを具備したことを特徴とする遮断弁。
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