JP2866761B2 - ブラシと整流子電動機 - Google Patents

ブラシと整流子電動機

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JP2866761B2
JP2866761B2 JP4015045A JP1504592A JP2866761B2 JP 2866761 B2 JP2866761 B2 JP 2866761B2 JP 4015045 A JP4015045 A JP 4015045A JP 1504592 A JP1504592 A JP 1504592A JP 2866761 B2 JP2866761 B2 JP 2866761B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電機や整流子電動機
等に使用されて、整流子と摺動接触するブラシに関する
とともに、このブラシを使用するブラシ装置を備えて例
えば電気掃除機の電動送風機等のモータ部をなして採用
される整流子電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】整流子電動機等に使用されるブラシは、
カーボン系のものと貴金属系のものとに大別され、カー
ボン系のブラシが一般的である。カーボン系ブラシは、
カーボンを主成分として粘結剤を用いて圧縮固化し、高
温で焼いて形成されており、粘結剤には合成樹脂が通常
採用されている。そして、例えば電気掃除機の電動送風
機に使用される従来のブラシは、単一種類のカーボンを
主成分として形成されている。しかも、このブラシと整
流子との摺動接触に伴うスパークの発生を少なくするに
は抵抗整流を大きくする必要があるため、従来のブラシ
の主成分をなすカーボンには、一般的に1平方cmあた
り3万μΩ以上の高い抵抗値を持つカーボンが採用され
ていた。したがって、ブラシの先端面に整流子の整流子
片が複数接する際に、これら整流子片間をブラシを通し
て短絡する電流値が小さくなって、スパークの発生を少
なくできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
ブラシの全電気抵抗が大きい(0.2Ω程度)従来のブ
ラシの構成では、ブラシでの抵抗損失が大きい(ブラシ
1個につき約20W)から、このブラシを使用する整流
子電動機等の運転効率が低下するという問題がある。
【0004】これとともに、前記損失分はブラシの発熱
に変換されるため、例えばカーボンの粘結剤に合成樹脂
を用いた樹脂バインドタイプのブラシにおいては、樹脂
の熱劣化を招き易いとともに、整流子の整流子片相互を
絶縁する合成樹脂部分の熱劣化を招く可能性が高い。特
に、電気掃除機用の電動送風機に用いられる整流子電動
機は、小形化と高入力化の傾向にあり、それに伴いブラ
シの電流密度も増大する。そのため、ブラシが高抵抗で
あると、その発熱が極めて大きくなり易く、ブラシおよ
び整流子の寿命が短くなるという問題があった。ちなみ
に、従来の樹脂バインドタイプのブラシは、その温度が
200℃を越えると急激に抗折力が低下することが知ら
れている。
【0005】ところで、ブラシおよび整流子の寿命を延
ばすには、これらを大きくして、電流密度を小さくし、
かつ、その表面からの放熱を良くすれば可能である。し
かし、そのようにすると、整流子電動機の軸方向長さが
大きくなってしまうという問題がある。
【0006】本発明の目的は、抵抗損失を少なくできる
とともに、整流子とともに寿命を向上できるブラシを得
ることにある。また、本発明の他の目的は、軸方向長さ
を小さくできる整流子電動機を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1記載のブラシは、整流子に接して摩耗する部
分の略全長が、ブラシ主部と、主電流方向に延びて前記
ブラシ主部に組合わされるとともに前記ブラシ主部の抵
抗率よりも抵抗率が低い材質で形成された電気導体とか
らなるものであって、前記ブラシ主部が前記主電流方向
に延びる穴または溝を有するとともに、前記電気導体が
粉末を棒状に固めてなり、この固まった電気導体を前記
穴または溝内に埋め込んだことを特徴とするものであ
る。
【0008】また、前記他の目的を達成するために、請
求項2記載の整流子電動機においては、ステータと、こ
のステータが内蔵された電動機ケースと、ロータ軸およ
びこれに固定された整流子を有して、前記ステータの内
側に配置されるとともに前記電動機ケースに回転自在に
支持されたロータと、前記整流子と摺動接触するブラシ
を有して前記電動機ケースに取付けられたブラシ装置と
を具備し、前記ブラシの前記整流子に接して摩耗する部
分の略全長が、ブラシ主部と、主電流方向に延びて前記
ブラシ主部に組合わされるとともに前記ブラシ主部の抵
抗率よりも抵抗率が低い材質で形成された電気導体とか
らなるものであって、前記ブラシ主部が前記主電流方向
に延びる穴または溝を有するとともに、前記電気導体が
粉末を棒状に固めてなり、この固まった電気導体を前記
穴または溝内に埋め込んだことを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】請求項1に記載のブラシの構成においては、ブ
ラシ主部の抵抗率よりも抵抗率が低い電気導体を、ブラ
シの主電流方向に延ばしてブラシ主部に埋め込んで設け
たことから、ブラシの全電気抵抗を小さくできる。この
ため、ブラシでの電流の損失を少なくできる。これとと
もに、ブラシの発熱を少なくできる。加えて、電気導体
はブラシ主部に比較して少ないから、ブラシ全体を低抵
抗の電気導体で作った場合に比較して整流抵抗の大幅な
低下がなく、しかも、ブラシの全電気抵抗が小さいこと
により、ブラシ主部に整流子に対する座乗性(つまり、
ブラシが整流子表面への接触を保持する特性)の良い材
料を使うことができ、したがって、整流子との間でのス
パークの発生を少なくできる。更に、電気導体は粉末を
予め棒状に成形して固めたものであるから、ブラシ主部
の穴または溝に粉末を入れて突き固める面倒がなく、既
に固まった電気導体をブラシ主部の穴または溝に挿入す
ることで、この導体をブラシ主部に埋め込んで設けるこ
とができる。そして、電気導体は高密度に固まっていて
その強度が大きいから、使用時におけるブラシ全体の振
動に拘らず、この電気導体が穴または溝内で崩れること
が極めて少ない。
【0010】請求項2に記載の整流子電動機の構成にお
いては、請求項1に記載のブラシを用いたから、このブ
ラシおよび整流子の温度上昇を低くできる。このため、
整流子の軸方向長さを小さくして、それに応じて整流子
電動機の軸方向長さを小さくできる。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実
施例を説明する。図3において符号1は金属製の電動機
ケースで、これはケース本体2と、ケース端板3とから
形成されている。
【0012】ケース本体2は、底4a付きの円筒部4の
前記底4aと反対側を開口し、この開口の周縁部に取付
け部5を一体に設けて形成されている。取付け部5は、
環状平面部6と、筒部7と、突縁8とで形成されてい
る。環状平面部6はケース本体2の開口縁から一体にこ
の本体2の外側方に向けてはり出して形成され、筒部7
は環状平面部6の外周から底4a側に向けて折れ曲がっ
てケース本体2と平行に形成され、かつ、突縁8は筒部
7の先端から外側方に向けて直角に折れ曲がって形成さ
れている。円筒部4の底板4a側には排気孔9が設けら
れているとともに、底板4aにも図示しない排気孔が設
けられている。底板4aの中央部には軸受け10を収納
した軸受け取付け部11が形成されている。
【0013】ケース端板3は、ケース本体2の一端開口
を径方向に横断するように、例えば平面形状が前記径方
向に延びる略帯板状をなし、その中央部に軸受け12を
収納した軸受け取付け部13を一体に設けて形成されて
いる。このケース端板3の両端部は環状平面部6にねじ
止めされている。このため、ケース本体2の一端開口
は、完全に塞がれることなく部分的に開口されている。
【0014】ケース本体2内には、ステータ14と、こ
のステータ14の内側に配設される整流子15付きのロ
ータ16とが夫々収納されている。ステータ14が有す
るステータコアは、軸方向から見た外径形状が略四角形
状であって、その面取りされた4つの角部を円筒部4の
内面に密接させてケース本体2に固定されている。この
固定により、円筒部4の内面と前記ステータコアの外面
との間には夫々風路19が形成されている。ロータ16
はそのロータ軸17を前記軸受け10,12に支持され
て回転自在に設けられているとともに、ロータ軸17は
軸受け12および軸受け取付け部13を貫通している。
【0015】整流子15は軸受け10側に位置してロー
タ軸17に固定されている。この整流子15は、ロータ
軸17と一体に回転する合成樹脂製のボス部15aと、
このボス部15aの外周に周方向に間隔を存して設けら
れた多数の整流子片15bとを備えている。整流子片1
5b間は互いに絶縁され、これら整流子片15bにはロ
ータ巻線の端末が電気的に接続されている。
【0016】ケース本体2の円筒部4には整流子15を
挟んで正極側と負極側のブラシ装置18が夫々取付けら
れており、以下これらブラシ装置18の詳細を図1およ
び図2により説明する。
【0017】ブラシ装置18が備えるブラシホルダ21
は、合成樹脂製等の電気絶縁材料で形成され、その本体
部22は挿通孔23を有して略四角筒状をなしている。
本体部22にはケース本体2の外面に重なる支持片24
が一体に突設されている。図3に示すようにブラシボル
ダ21は、本体部22を円筒部4に開口する装着口4b
に挿通し、支持片24をねじ26で円筒部4に締付ける
ことで、ケース本体2に固定されている。
【0018】ブラシホルダ21の挿通孔23には、金属
製のブラシガイド27が嵌合されている。ブラシガイド
27は、本体部22から整流子15に向かって突出され
ている。このガイド27の整流子15と反対側の端部に
は挿通孔23の開口縁に引っ掛かる抜け止め片28が折
曲げられているとともに、ブラシガイド27の本体部2
2から突出する付け根部分には、本体部22の端面に引
掛かる切り起こし片25が形成されている。切り起こし
片25は、抜け止め片28との間に本体部22を挟ん
で、ブラシホルダ21にブラシガイド27を固定してい
る。
【0019】ブラシホルダ21の本体部22は端子取付
け孔29を有している。この取付け孔29は、挿通孔2
3と略平行に設けられているとともに、その内部には電
流供給用の端子金具30が取付けられている。
【0020】端子金具30は、板金製であり、挿通孔2
3の開口端を覆うキャップ片31と、端子取付け孔29
に挿入される抜け止め片32とを一体に有している。抜
け止め片32には、断面円弧状に湾曲された凸部33
と、この凸部33に連続して山形状に折曲げられた弾性
変形可能な屈曲部34とが形成されており、これら凸部
33と屈曲部34の頂部は端子取付け孔29の内面に押
し付けられている。
【0021】屈曲部34の先端部は、端子取付け孔29
から本体ケース2の内側に突出され、その突出部分34
aには本体部22の端面に引掛かる係止片35が一体に
切り起こされている。この係止片35は、キャップ片3
1との間で本体部22を挟んで、端子取付け孔29から
の端子金具30の抜け止めをしている。突出部分34a
は前記ステータ14のステータコアに取付けた端子台3
6の接続端子(図示しない)に差し込まれて、この端子
を介してステータ巻線に接続されるようになっている。
【0022】ブラシガイド27の内部には、軸直角方向
の断面が略四角形の棒状をなすブラシ41が軸方向に移
動可能に収納されている。このブラシ41の少なくとも
整流子15と接して摩耗する部分(後述する有効使用長
さAの部分)は、ブラシ主部42と、この主部42に設
けられた電気導体43とからなり、電気導体43はブラ
シ41の主電流方向と略平行に延びている。ブラシ主部
42は、カーボンを主成分とする導電材料を合成樹脂製
の粘結剤とともに圧縮成形するとともに、これを焼結す
ることにより形成されている。このブラシ主部42の中
心部には軸方向略全長にわたる穴44が設けられてい
る。
【0023】電気導体43は、ブラシ主部42を形成す
る導電材料の抵抗率よりも抵抗率が低い材質、例えば銅
の粉末で形成されており、これは前記穴44に埋め込ま
れてブラシ主部42に直接密接している。電気導体43
には、銅などの導電性粉末を予め棒状にプレス成形して
高密度に固めたものが採用されている。この電気導体4
3は、穴44の全長より短く、穴44に圧入して設けら
れる。この電気導体43の径は、ブラシ主部42の断面
の縦横寸法よりも夫々小さくしてある。ブラシ主部42
の内部に配置された電気導体43の整流子15側の端面
43aは、このブラシ41の使用初期においてブラシ主
部42の先端部42aにより覆われている。
【0024】このブラシ41にはピッグテール45の一
端部が接続されている。すなわち、穴44の開口端部4
4aには、銅粉などの導電性粉末50が充填されて突き
固め られているとともに、この粉末50内にピッグテー
ル45が埋め込まれている。導電性粉末50はブラシ4
1とピッグテール45とを機械的および電気的に連結す
るものであり、前記突き固め後に、開口端部44aの外
側から接着剤を染込ませて固められている。この硬化し
た部分からブラシ主部42の整流子15側端面に至る長
さ部分Aが、ブラシ41の有効使用長さとなっている。
【0025】したがって、ピッグテール45の接続は、
まず、成形固化された棒状の電気導体43を、穴44に
その開口端部44a側から差込んで収納してから、前記
孔44の開口端部44aに、ピッグテール45の一端部
を挿入するとともに銅の粉末(これはブラシ主部42よ
りも低抵抗である。)を充填して、この粉末を突き固
め、最後に、穴44の外から液状接着剤を染み込まるこ
とにより行われている。したがって、ピッグテール45
は電気導体43に連続して直接的に接続されている。
ッグテール45の他端は前記挿通口23の開口端を塞い
だキャップ片31にスポット溶接されている。
【0026】ブラシ41の他端面と前記挿通口23の開
口端を塞いだキャップ片31との間には、圧縮コイルば
ね46が介在されている。圧縮コイルばね46はブラシ
41を常に整流子15に向けて押圧している。この押圧
によりブラシ41の整流子15側端部がブラシガイド2
7から突出して、整流子15の外周面に摺動可能に押し
付けられている。
【0027】以上説明した電動機ケース1、軸受け1
0,12、ステータ14、ロータ16、およびブラシ装
置18により、電気掃除機の電動送風機に用いられる整
流子電動機が形成されている。
【0028】図3に示したように前記ロータ軸17の電
動機ケース1より外に突出した端部には、ナット51を
介してロータ軸17と一体に回転する遠心ファン52が
取付けられている。このファン52は、中央部に吸込み
口53を有するとともに、周部に吐出し口54を有して
いる。遠心ファン52はファンカバー55で覆われてい
る。このカバー55は本体ケース2の取付け部5に嵌合
して取付けられているとともに、ファンカバー55は空
気を吸込むための開口部56を有している。開口部56
は吸込み口53に入り込んでいる。
【0029】したがって、遠心ファン52が回転される
と、開口部56を通して空気が吸込まれ、この吸込み空
気は遠心ファン52の吐出し口54から吐出される。遠
心ファン52と取付け部5との間には、遠心ファン52
から吐出された空気を電動機ケース1内に導く整流板5
7が設けられている。整流板57は、遠心ファン52か
ら吐出された空気を整流しつつ、この整流過程で空気の
圧力を動圧から静圧に移行させるものであって、前記フ
レーム端板3にねじ止めされている。この整流板57に
よって整流された空気は、電動機ケース1内に流入さ
れ、前記風路19を流通した後に、排気口9から電動機
ケース1の外部に排出される。
【0030】前記構成の電動送風機において、その運転
時に整流子15の整流子片15bとピッグテール45と
の間を流れる電流は、ブラシ41の電気導体43を主と
して流れる。このようにブラシ41が、そのブラシ主部
42よりも電気抵抗が小さい電気導体43を、ブラシ主
部42にその略全長にわたって埋め込んだ構成であるか
ら、ブラシ41の全電気抵抗を小さくできる。特に、本
実施例では電気導体43に対してピッグテール45が直
的に接続されているので、より一層のことブラシ41
の全電気抵抗を小さくできる。ちなみに、本実施例での
ブラシ41の全電気抵抗は、略0.05Ωであって、従
来の約1/4にできた。このため、ブラシ41での電流
の抵抗損失を少なくできるものであり、それに伴い電動
送風機用の整流子電動機の運転効率を向上できる。
【0031】また、前記のようにブラシ41の全電気抵
抗を小さくできることに伴い、ブラシ41の発熱を少な
くできる。加えて、ブラシ41と整流子15との間での
スパークの発生を次の理由で少なくできる。
【0032】第1に、ブラシ42内に埋め込まれた電気
導体43の径が、ブラシ主部42の断面の縦横寸法より
も夫々小さいから、電気導体43はブラシ主部42に比
較して少ないとともに、整流子15との接触面における
電気導体43の断面積が、ブラシ主部42の断面積より
も小さい。そのため、ブラシ41全体を低抵抗の電気導
体で作った場合に比較して整流抵抗の大幅な低下がない
ので、整流時の短絡電流を小さくできる。
【0033】第2に、前記のようにブラシ41全体の電
気抵抗が小さいことにより、ブラシ主部42を座乗性の
よい材料、例えば樹脂バインドタイプの導電材料を使用
でき、それによりブラシ41全体の弾性係数を低くでき
る。
【0034】したがって、以上のようにブラシ41自体
の発熱が少なく、かつ、スパークによる加熱も少ないか
ら、ブラシ41および整流子15の温度を低く抑制でき
る。そのため、これらブラシ41および整流子15の熱
劣化が防止され、それらの寿命ひいては整流子電動機の
寿命を向上できるとともに、整流子電動機の高入力およ
び小形化に適する。しかも、前述のようにブラシ41お
よび整流子15の温度上昇が小さいから、それに応じて
ブラシ41を小さくできるとともに整流子15の軸方向
長さを小さくできる。そのため、ロータ軸17の長さを
短くでき、それに応じて電動送風機全体をその軸方向に
小形化できる。
【0035】、ブラシ41の使用初期においては、そ
のブラシ主部42の先端部42aが電気導体43の整流
子側端面43aを覆っているから、整流子15へのブラ
シ41の接触が馴染んでいない状態で物性が異なるブラ
シ主部42と電気導体43とが整流子15に摺動接触す
ることがない。そのため、初期性能が安定するものであ
り、整流子15へのブラシ41の接触が馴染んだ状態で
ブラシ主部42および電気導体43を整流子15に摺動
接触させることができる。
【0036】また、ブラシ41の電気導体43は、ブラ
シ主部42の内部に配置されて、ブラシ主部42で囲ま
れているから、ブラシ主部42への電気導体43の保持
の信頼性が向上され、整流子15との摺動接触に伴って
作用する振動等に拘らず、電気導体43がブラシ主部4
2から剥がれることを防止できる。
【0037】また、ブラシ主部42に対して電気導体4
3が直接密接しているから、ブラシ41の摩耗によりブ
ラシ主部42および電気導体43が共に整流子15に摺
動接触するようになった際に生じる摩耗粉には、ブラシ
41と整流子片5bとの間の電流の流れを阻害するよう
な物質が含まれない。ちなみに、接着剤を用いてブラシ
主部42に電気導体43を接着した構成では、接着剤の
摩耗粉による電気抵抗が発生するが、このような問題は
前記構成のブラシ41では生じない。
【0038】また、本発明において、穴44に代えてブ
ラシ主部42に主電流方向に延びる溝を設けて、そこに
予め導電性材料を高密度に固めた電気導体43を圧入に
より設けても差支えない。
【0039】しかも、電気導体43となる導電性粉末が
予め棒状に成形されているから、ブラシ主部42の穴4
4に粉末を入れて突き固める面倒がなく、既に成形固化
された電気導体43をブラシ主部の穴44に差込むこと
で、この導体43を簡単にブラシ主部42内に設けるこ
とができる。したがって、穴44への電気導体43の詰
め込みが容易であり、ブラシ41の製造性を向上でき
る。
【0040】その上、電気導体43は高密度に成形固化
されているので、その強度が大きい。そのため、使用時
におけるブラシ41全体の振動に拘らず、この電気導体
43が穴44内で崩れることが極めて少ない。したがっ
て、使用時において電気導体43をなす導電性粉末が、
整流子15の整流子片間の隙間を通って外部に抜け出す
ことを防止できる。
【0041】図4は本発明の第2実施例を示している。
この実施例では、ブラシ主部42に主電流方向に延びる
穴44を長手方向全長にわたり貫通して設け、その内部
銅の粉末を予め高密度に固めた電気導体43 を圧入に
より埋め込んでいる。したがって、電気導体43の整流
子側端面43aは、このブラシ41の使用初期において
ブラシ主部42の整流子側端面42bに面一に露出され
ている。なお、ここに面一とは製造上の誤差範囲を含む
ものであり、したがって、僅かに突出するような態様は
面一の範囲に含まれる。
【0042】なお、以上の点以外の構成は前記第1実施
例と同様であるので、同様構成部分には前記第1実施例
と同一符号を付して、その説明は省略する。そして、こ
第2実施例の構成においても、前記第1実施例と同様
の作用により、本発明の所期の目的を達成できる。
【0043】しかも、この第2実施例の構成によれば、
ブラシ41の使用初期において、ブラシ主部42の先端
部は電気導体43の整流子側端面43aを覆い隠してお
らず、この端面43aはブラシ主部42の整流子側端面
42bに面一に露出されている。そのため、使用初期に
おいて電気導体43の整流子側先端面43aは整流子1
5に接するから、電気導体43と整流子15とにわたっ
て直接電流を流すことができる。
【0044】したがって、使用初期において電気導体4
3と整流子15との間にこれらに挟まれるようにしてブ
ラシ主部42の先端部が介在する場合のように、電気導
体43に集中して導かれる密度の高い電流が、電気導体
43の軸方向延長線上に位置するブラシ主部42の先端
部の一部に集中して通過し、その部分が異常発熱するこ
とを防止できる。
【0045】すなわち、このようにしてブラシ41の使
用初期においてブラシ主部42の先端部が200℃以上
の異常高温となることが抑制されるので、前記先端部で
の抗折力の低下がなく、それにより、ブラシ主部42が
破損する恐れを確実に防止できる。
【0046】なお、本発明は前記各実施例には制約され
ない。例えば、穴44に代えてブラ シ主部42に主電流
方向に延びて同主部42の全長にわたる溝を設けて、こ
の溝に予め導電性材料を高密度に固めた電気導体43を
圧入により設けても差支えない。又、電気導体43に
は、銅の粉末に限らず、含有成分の違いや、密度、製法
の違いにより、ブラシ主部42を構成しているカーボン
よりも電気抵抗が小さいカーボン粉末を成形固化したも
のを採用してもよいとともに、銀、または金等の粉末を
用いても差支えない。また、前記各実施例では、ブラシ
41に対してピッグテール45を接続したが、ピッグテ
ールがなく通電路となる導電製の板ばねでブラシを整流
子に押付けるようにしたブラシ装置を備える整流子電動
機等のブラシとしても適用できる。また、本発明におい
てブラシ主部に対して電気導体を複数設けても良い。
【0047】
【発明の効果】以上詳記した本発明の構成によれば以下
の効果を有する。請求項1に係るブラシにおいては、ブ
ラシの全電気抵抗が小さいため、このブラシを使用する
整流子電動機等の運転効率を向上でき、その上、電流に
よる発熱が少ないとともに整流子との間でのスパークの
発生も少なくできることから、ブラシの温度上昇が抑制
されて、ブラシ自体およびこれを使用する整流子電動機
等の寿命を向上できる。しかも、ブラシ主部の穴または
溝内に設けられる電気導体が粉末を予め棒状に成形固化
したものであるから、ブラシの製造性を向上できるとと
もに、使用時において電気導体をなす粉末材料が抜け出
ることを防止できる。
【0048】請求項2に係る整流子電動機においては、
ブラシおよび整流子の温度上昇を低くでき、整流子の軸
方向長さを小さくできるので、それに応じて軸方向長さ
が小さい整流子電動機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るブラシを備えたブラ
シ装置の縦断側面図。
【図2】同第1実施例に係り図1のZ−Z線に沿う断面
図。
【図3】同第1実施例に係る電動送風機の縦断側面図。
【図4】本発明の第2実施例に係るブラシを備えたブラ
シ装置の縦断側面図。
【符号の説明】
1…電動機ケース、14…ステータ、15…整流子、1
6…ロータ、18…ブラシ装置、41…ブラシ、42…
ブラシ主部、43…電気導体、44…穴、47…溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉沢 浩幸 神奈川県秦野市堀山下43番地 東京電気 株式会社秦野工場内 (56)参考文献 特開 昭56−96478(JP,A) 特開 昭62−71453(JP,A) 実開 昭54−148805(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01R 39/00 - 39/64 H02K 13/00 - 13/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整流子に接して摩耗する部分の略全長
    が、ブラシ主部と、主電流方向に延びて前記ブラシ主部
    に組合わされるとともに前記ブラシ主部の抵抗率よりも
    抵抗率が低い材質で形成された電気導体とからなるもの
    であって、前記ブラシ主部が前記主電流方向に延びる穴
    または溝を有するとともに、前記電気導体が粉末を棒状
    に固めてなり、この固まった電気導体を前記穴または溝
    内に埋め込んだことを特徴とするブラシ。
  2. 【請求項2】 ステータと、 このステータが内蔵された電動機ケースと、 ロータ軸およびこれに固定された整流子を有して、前記
    ステータの内側に配置されるとともに前記電動機ケース
    に回転自在に支持されたロータと、 前記整流子と摺動接触するブラシを有して前記電動機ケ
    ースに取付けられたブラシ装置とを具備し、 前記ブラシの前記整流子に接して摩耗する部分の略全長
    が、ブラシ主部と、主電流方向に延びて前記ブラシ主部
    に組合わされるとともに前記ブラシ主部の抵抗率よりも
    抵抗率が低い材質で形成された電気導体とからなるもの
    であって、前記ブラシ主部が前記主電流方向に延びる穴
    または溝を有するとともに、前記電気導体が粉末を棒状
    に固めてなり、この固まった電気導体を前記穴または溝
    内に埋め込んだことを特徴とする整流子電動機。
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