JP2796467B2 - カーボンブラシ - Google Patents

カーボンブラシ

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JP2796467B2
JP2796467B2 JP4015739A JP1573992A JP2796467B2 JP 2796467 B2 JP2796467 B2 JP 2796467B2 JP 4015739 A JP4015739 A JP 4015739A JP 1573992 A JP1573992 A JP 1573992A JP 2796467 B2 JP2796467 B2 JP 2796467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電機や整流子電動機
等に使用されて整流子に摺動接触するカーボンブラシに
関する。
【0002】
【従来の技術】整流子電動機等に使用されるカーボンブ
ラシは、カーボンを主成分として粘結剤を用いて圧縮固
化し、高温で焼いて形成されており、粘結剤には合成樹
脂が通常採用されている。そして、例えば電気掃除機の
電動送風機に使用される従来のカーボンブラシは、単一
種類のカーボンを主成分として形成されている。しか
も、このブラシと整流子との摺動接触に伴うスパークの
発生を少なくするには抵抗整流を大きくする必要がある
ため、従来のカーボンブラシの主成分をなすカーボンに
は、一般的に1平方cmあたり3万μΩ以上の高い抵抗
値を持つカーボンが採用されていた。したがって、カー
ボンブラシの先端面に整流子の整流子片が複数接する際
に、これら整流子片間をカーボンブラシを通して短絡す
る電流値が小さくなって、スパークの発生を少なくでき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
全電気抵抗が大きい(0.2Ω程度)従来のカーボンブ
ラシの構成では、このブラシでの抵抗損失が大きい(カ
ーボンブラシ1個につき約20W)から、このカーボン
ブラシを使用する整流子電動機等の運転効率が低下する
という問題がある。
【0004】これとともに、前記損失分はカーボンブラ
シの発熱に変換されるため、例えばカーボンの粘結剤に
合成樹脂を用いた樹脂バインドタイプのカーボンブラシ
においては、樹脂の熱劣化を招き易いとともに、整流子
の整流子片相互を絶縁する合成樹脂部分の熱劣化を招く
可能性が高い。特に、電気掃除機用の電動送風機に用い
られる整流子電動機は、小形化と高入力化の傾向にあ
り、それに伴いカーボンブラシの電流密度も増大する。
そのため、カーボンブラシが高抵抗であると、その発熱
が極めて大きくなり易く、カーボンブラシおよび整流子
の寿命が短くなるという問題があった。ちなみに、従来
の樹脂バインドタイプのカーボンブラシは、その温度が
200℃を越えると急激に抗折力が低下することが知ら
れている。
【0005】そこで、本発明者は、ブラシ主部をなした
材料の抵抗率よりも、抵抗率が低い粉末を固めて形成さ
れる電気導体を、前記ブラシ主部にその主電流方向に延
ばして埋め込んだカーボンブラシを先に提案した。前記
電気導体は低抵抗の銅粉末からなり、この粉末は主電流
方向に延びてブラシ主部に穿った穴に詰め込んで固めら
れている。このカーボンブラシによれば、その全電気抵
抗を小さくできるために、カーボンブラシでの抵抗損失
および発熱を少なくできる。
【0006】しかし、このようなカーボンブラシにおい
て、ブラシ主部の整流子側端部は使用初期において電気
導体の整流子側端面を覆っており、このカバー部分が磨
耗した後に電気導体の先端が露出されて、整流子に接す
るようになっていた。そのため、使用初期に電気導体に
導かれる電流はブラシ主部のカバ−部分を通って整流子
に流れる。
【0007】したがって、前記カバー部分の厚みが大き
い場合は別として、磨耗によりカバ−部分の厚みが薄く
なってくると、低抵抗故に多量の電流を集中させて導く
電気導体に連続した部分(カバー部分の中央部)に、電
流が集中して通過する。このようにして薄くなったカバ
ー部分の中央部の電流密度が高くなるから、前記中央部
の温度が高くなるとともに、それに伴う熱膨張をブラシ
の外側でのみ吸収できるに過ぎないものであった。その
ために、特に、使用初期においてブラシ主部の整流子側
端部が、高熱となり、破壊に至る恐れがあった。
【0008】本発明の目的は、抵抗損失を少なくできる
とともに、整流子とともに寿命を向上できることは勿論
のこと、全使用期間にわたりブラシ主部の先端部が発熱
によって破壊される恐れがないカーボンブラシを得るこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、整流子に接し
て摩耗する部分の略全長が、主電流方向に延びて抵抗率
が異なる2種以上の材料で形成されるカーボンブラシに
適用され、前記目的を達成するために、ブラシ主部に前
記主電流方向に延びる穴を設けるとともに、前記ブラシ
主部をなした材質の抵抗率よりも抵抗率が低い材質の粉
末を固めて形成される電気導体を、前記穴内に埋め込ん
前記ブラシ主部の前記摩耗する部分に前記主電流方向
に延ばして設け、使用初期において前記ブラシ主部の前
記整流子側先端部には前記穴の先端及び前記電気導体の
前記整流子側先端に連なって前記ブラシ主部をなした材
質の抵抗率よりも高抵抗率の空気で満たされる端部穴
設けられ、この端部穴の前記主電流方向と直交する断面
の大きさが前記電気導体の前記主電流方向と直交する断
面の大きさと同じかそれ以上であるとともに、前記整流
子側から見たときに前記電気導体の整流子側端面全体が
前記端部穴に重ねたものである。
【0010】
【作用】前記カーボンブラシの構成においては、抵抗率
が最も高い材料よりも抵抗率が低い材質の粉末を固めて
なる電気導体を、ブラシ主部の主電流方向に延びる穴に
埋め込んで設けたから、カーボンブラシの全電気抵抗を
小さくできる。そして、使用初期においてブラシ主部の
整流子側端部に設けられた端部穴は、その周囲に、電気
導体を通って整流子に至る電流、および整流子から電気
導体に至る電流を分散させて、ブラシ主部の整流子側端
部に通過させる。その上、使用時に作用する振動で電気
導体をなす粉末は少量づつ端部穴を通って外部に抜け出
すので、電気導体の先端が後退して、使用期間全般にわ
たり端部穴を実質的に維持できる。そのため、使用初期
はもとより使用の全期間にわたってブラシ主部の整流子
側端部の一部分に電流が集中して流れることがなくなっ
て、使用初期及びその後におけるブラシ主部の整流子側
端部の電流密度を低くできる。それだけではなく、端部
穴によってブラシ主部の整流子側端部の熱膨張をブラシ
主部の内側でも吸収できる。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図3を参照して本発明の一実施
例を説明する。図3において符号1は金属製の電動機ケ
ースで、これはケース本体2と、ケース端板3とから形
成されている。
【0012】ケース本体2は、底4a付きの円筒部4の
前記底4aと反対側を開口し、この開口の周縁部に取付
け部5を一体に設けて形成されている。取付け部5は、
環状平面部6と、筒部7と、突縁8とで形成されてい
る。環状平面部6はケース本体2の開口縁から一体にこ
の本体2の外側方に向けてはり出して形成され、筒部7
は環状平面部6の外周から底4a側に向けて折れ曲がっ
てケース本体2と平行に形成され、かつ、突縁8は筒部
7の先端から外側方に向けて直角に折れ曲がって形成さ
れている。円筒部4の底板4a側には排気孔9が設けら
れているとともに、底板4aにも図示しない排気孔が設
けられている。底板4aの中央部には軸受け10を収納
した軸受け取付け部11が形成されている。
【0013】ケース端板3は、ケース本体2の一端開口
を径方向に横断するように、例えば平面形状が前記径方
向に延びる略帯板状をなし、その中央部に軸受け12を
収納した軸受け取付け部13を一体に設けて形成されて
いる。このケース端板3の両端部は環状平面部6にねじ
止めされている。このため、ケース本体2の一端開口
は、完全に塞がれることなく部分的に開口されている。
【0014】ケース本体2内には、ステータ14と、こ
のステータ14の内側に配設される整流子15付きのロ
ータ16とが夫々収納されている。ステータ14が有す
るステータコアは、軸方向から見た外径形状が略四角形
状であって、その面取りされた4つの角部を円筒部4の
内面に密接させてケース本体2に固定されている。この
固定により、円筒部4の内面と前記ステータコアの外面
との間には夫々風路19が形成されている。ロータ16
はそのロータ軸17を前記軸受け10,12に支持され
て回転自在に設けられているとともに、ロータ軸17は
軸受け12および軸受け取付け部13を貫通している。
【0015】整流子15は軸受け10側に位置してロー
タ軸17に固定されている。この整流子15は、ロータ
軸17と一体に回転する合成樹脂製のボス部15aと、
このボス部15aの外周に周方向に間隔を存して設けら
れた多数の整流子片15bとを備えている。これら整流
子片15bにはロータ巻線の端末が電気的に接続されて
いる。
【0016】ケース本体2の円筒部4には整流子15を
挟んで正極側と負極側のブラシ装置18が夫々取付けら
れており、以下これらブラシ装置18の詳細を図1およ
び図2により説明する。
【0017】ブラシ装置18が備えるブラシホルダ21
は、合成樹脂製等の電気絶縁材料で形成され、その本体
部22は挿通孔23を有して略四角筒状をなしている。
本体部22にはケース本体2の外面に重なる支持片24
が一体に突設されている。図3に示すようにブラシボル
ダ21は、本体部22を円筒部4に開口する装着口4b
に挿通し、支持片24をねじ26で円筒部4に締付ける
ことで、ケース本体2に固定されている。
【0018】ブラシホルダ21の挿通孔23には、金属
製のブラシガイド27が嵌合されている。ブラシガイド
27は、本体部22から整流子15に向かって突出され
ている。このガイド27の整流子15と反対側の端部に
は挿通孔23の開口縁に引っ掛かる抜け止め片28が折
曲げられているとともに、ブラシガイド27の本体部2
2から突出する付け根部分には、本体部22の端面に引
掛かる切り起こし片25が形成されている。切り起こし
片25は、抜け止め片28との間に本体部22を挟ん
で、ブラシホルダ21にブラシガイド27を固定してい
る。
【0019】ブラシホルダ21の本体部22は端子取付
け孔29を有している。この取付け孔29は、挿通孔2
3と略平行に設けられているとともに、その内部には電
流供給用の端子金具30が取付けられている。
【0020】端子金具30は、板金製であり、挿通孔2
3の開口端を覆うキャップ片31と、端子取付け孔29
に挿入される抜け止め片32とを一体に有している。抜
け止め片32には、断面円弧状に湾曲された凸部33
と、この凸部33に連続して山形状に折曲げられた弾性
変形可能な屈曲部34とが形成されており、これら凸部
33と屈曲部34の頂部は端子取付け孔29の内面に押
し付けられている。
【0021】屈曲部34の先端部は、端子取付け孔29
から本体ケース2の内側に突出され、その突出部分34
aには本体部22の端面に引掛かる係止片35が一体に
切り起こされている。この係止片35は、キャップ片3
1との間で本体部22を挟んで、端子取付け孔29から
の端子金具30の抜け止めをしている。突出部分34a
は前記ステータ14のステータコアに取付けた端子台3
6の接続端子(図示しない)に差し込まれて、この端子
を介してステータ巻線に接続されるようになっている。
【0022】ブラシガイド27の内部には、軸直角方向
の断面が全体として略四角形をなす棒状のカーボンブラ
シ41が軸方向に移動可能に収納されている。このブラ
シ41の少なくとも整流子15と接して摩耗する部分
(図1に示す有効使用長さAの部分)は、ブラシ主部4
2と、この主部42に主電流が流れる方向と略平行に延
びて埋め込まれた電気導体43とからなる。電気導体4
3の径は、ブラシ主部42の断面の縦横寸法よりも夫々
小さい。ブラシ主部42は、カーボンを主成分とする導
電材料を合成樹脂製の粘結剤とともに圧縮成形したもの
を、焼結することにより形成されている。
【0023】このブラシ主部42の例えば中心部には軸
方向略全長にわたる(すなわち、ブラシ主部42の主電
流方向に略全長にわたって延びる)穴44が設けられて
いる。穴44の断面積はブラシ主部42の断面積よりも
小さく、また穴44は、ブラシ41の整流子15に接す
る端とは反対側の端部に位置する埋め込み部44aと、
これに連なって整流子15側に延びる穴主部44bとか
ら形成されている。埋め込み部44aおよび穴主部44
bはいずれも円形断面をなしており、穴主部44bの断
面積は埋め込み部44aの断面積よりも小さい。したが
って、穴44は段付き穴をなしている。
【0024】さらに、使用初期においてブラシ主部42
整流子側先端部には端部穴45が穴主部44bの先端
に連続して設けられている。端部穴45は、その深さが
直径より大きい構成であるとともに、この穴45内の空
間によりブラシ主部42をなした材質の抵抗率よりも高
抵抗である。そして、この端部穴45の前記主電流方向
と直交する断面の大きさは、電気導体43または穴主部
44bの軸直角方向の断面より大きいとともに、端部穴
45は整流子15側から見たときに穴主部42bの端面
全体、換言すれば電気導体43の端面全体に重なって設
けられている。なお、例えば穴44の全長Bは23mm、
穴主部42bの径は 1.5mm、端部穴45の直径は2m
m、同端部穴45の深さは5mmとしてある。
【0025】電気導体43は、ブラシ主部42を形成す
る導電材料の抵抗率よりも抵抗率が低い粉末材料、例え
ば銅の粉末を、穴44内に詰め込み、かつ、突き固めて
形成されている。したがって、この電気導体43はブラ
シ主部42に直接密接している。なお、本実施例におい
ては電気導体43の抵抗率をより小さくするために、前
記銅粉末には、銀メッキを施したものを使用している。
しかも、本実施例においては穴44への電気導体43を
なす銅粉末の詰め込みを容易にするために、穴44の整
流子側端部が塞がっている状態で銅粉末の詰め込みがな
され、その後に前記端部穴45が切削により形成される
ようになっている。
【0026】このカーボンブラシ41にはピッグテール
46の一端部が接続されている。すなわち、ピッグテー
ル46の一端部は穴44の埋め込み部44aに挿入され
ており、その周囲に詰められた銅の粉末により固定され
ている。なお、この固定を確実にするために、ピッグテ
ール46の一端部を囲んだ粉末部分は、液状接着剤を染
み込ませて硬化されている。したがって、ピッグテール
46の接続は、まず、前記穴44にその埋め込み部44
aを残して詰め込んだ銅の粉末を突き固めた後に、埋め
込み部44aにピッグテール46の一端部を挿入すると
ともに銅の粉末を充填して、この粉末を突き固め、最後
に、埋め込み部44aにその外から液状接着剤を染み込
まることにより行われている。ピッグテール46の他端
は前記挿通口23の開口端を塞いだキャップ片31にス
ポット溶接されている。
【0027】カーボンブラシ41の他端面と前記挿通口
23の開口端を塞いだキャップ片31との間には、圧縮
コイルばね47が介在されている。圧縮コイルばね47
はカーボンブラシ41を常に整流子15に向けて押圧し
ている。この押圧によりカーボンブラシ41の整流子1
5側端部がブラシガイド27から突出して、整流子15
の外周面に摺動可能に押し付けられている。
【0028】以上説明した電動機ケース1、軸受け1
0,12、ステータ14、ロータ16、およびブラシ装
置18により、電気掃除機の電動送風機に用いられる整
流子電動機が形成されている。
【0029】図1に示したように前記ロータ軸17の電
動機ケース1より外に突出した端部には、ナット51を
介してロータ軸17と一体に回転する遠心ファン52が
取付けられている。このファン52は、中央部に吸込み
口53を有するとともに、周部に吐出し口54を有して
いる。遠心ファン52はファンカバー55で覆われてい
る。このカバー55は本体ケース2の取付け部5に嵌合
して取付けられているとともに、ファンカバー55は空
気を吸込むための開口部56を有している。開口部56
は吸込み口53に入り込んでいる。
【0030】したがって、遠心ファン52が回転される
と、開口部56を通して空気が吸込まれ、この吸込み空
気は遠心ファン52の吐出し口54から吐出される。遠
心ファン52と取付け部5との間には、遠心ファン52
から吐出された空気を電動機ケース1内に導く整流板5
7が設けられている。整流板57は、遠心ファン52か
ら吐出された空気を整流しつつ、この整流過程で空気の
圧力を動圧から静圧化するものであって、前記フレーム
端板3にねじ止めされている。この整流板57によって
整流された空気は、電動機ケース1内に流入され、前記
風路19を流通した後に、排気口9から電動機ケース1
の外部に排出される。
【0031】前記構成の電動送風機において、その運転
時に整流子15の整流子片15bとピッグテール46と
の間を流れる電流は、カーボンブラシ41の電気導体4
3を主として流れる。このようにカーボンブラシ41
が、カーボンを主成分としたブラシ主部42よりも電気
抵抗が小さい電気導体43を、ブラシ主部42にその略
全長にわたって埋め込んだ構成であるから、カーボンブ
ラシ41の全電気抵抗を小さくできる。ちなみに、本実
施例でのカーボンブラシ41の全電気抵抗は、略0.0
5Ωであって、従来の約1/4にできた。このため、カ
ーボンブラシ41での電流の抵抗損失を少なくできるも
のであり、それに伴い電動送風機用の整流子電動機の運
転効率を向上できる。
【0032】前記のようにカーボンブラシ41の全電気
抵抗を小さくできることに伴い、このブラシ41の発熱
を少なくできる。加えて、カーボンブラシ41と整流子
15との間でのスパークの発生を次の理由で少なくでき
る。
【0033】第1に、ブラシ本体42に電気導体43が
埋め込まれているから、この導体43の径は当然にブラ
シ主部42の断面の縦横寸法よりも夫々小さく、したが
って、電気導体43はブラシ主部42に比較して少ない
とともに、整流子15との接触面における電気導体43
の断面積が、ブラシ主部42の断面積よりも小さい。そ
のため、カーボンブラシ41全体を低抵抗の電気導体で
作った場合に比較して整流抵抗の大幅な低下がないの
で、整流時の短絡電流を小さくできる。第2に、前記の
ようにカーボンブラシ41全体の電気抵抗が小さいこと
により、ブラシ主部42を座乗性のよい材料、例えば樹
脂バインドタイプの導電材料を使用できる。それによ
り、カーボンブラシ41全体の弾性係数を低くできる。
【0034】すなわち、以上のようにカーボンブラシ4
1自体の発熱が少なく、かつ、スパークによる加熱も少
ないから、カーボンブラシ41および整流子15の温度
を低く抑制できる。
【0035】したがって、これらカーボンブラシ41お
よび整流子15の熱劣化を防止できるから、それらの寿
命を向上できるとともに、整流子電動機の高入力化およ
び小形化に適する。しかも、前述のようにカーボンブラ
シ41および整流子15の温度上昇が小さいから、それ
に応じてカーボンブラシ41を小さくできるとともに、
整流子15の軸方向長さを小さくできる。そのため、ロ
ータ軸17の長さを短くでき、それに応じて電動送風機
全体をその軸方向に小形化できる。
【0036】しかも、使用時におけるカーボンブラシ4
1の発熱に伴うブラシ主部42の損傷が次の理由で防止
されるから、一般にカーボンブラシ41の寿命により規
定される整流子電動機の寿命を向上できる。
【0037】すなわち、カーボンブラシ41の使用初期
においては、ブラシ主部42の整流子側端部に端部穴4
が設けられているから、主として電気導体43を通っ
て整流子15に至る電流、および整流子15から電気導
体43に至る電流は、端部穴45を迂回するようにその
周囲に分散して流れる。そして、この端部穴45は電気
導体43の整流子側先端の全部に重なっているから、前
記使用初期においてブラシ主部42の先端が磨耗して端
部穴45の深さが浅くなっても、前記のように電流が端
部穴45の周囲に分散され、ブラシ主部42の整流子側
端部の取分け電気導体43の軸方向延長線上に電流が集
中して流れることを防止できる。特に、本実施例では端
部穴45が穴44および電気導体43より大径であるか
ら、電流を分散させる作用がより大きい。
【0038】このように前記端部穴45によって使用初
期におけるブラシ主部42の整流子側端部の電流密度を
低くできので、使用初期におけるブラシ主部42の先端
部での発熱を抑制できる。したがって、ブラシ主部42
が異常に温度上昇して破壊される恐れが防止される。
かも、ブラシ主部42の先端部分の熱膨脹を端部穴45
で吸収きるから、より一層のこと熱による破壊の恐れを
防止するのに有効である。
【0039】しかも、本実施例のように電気導体43が
穴主部44bに充填された銅粉末を突き固めてなるの
、整流子15との摺動接触に伴うカーボンブラシ41
の振動に伴って、電気導体43を形成した銅粉末が、整
流子15の整流子片15a間の隙間を通って少量づつ外
部に抜け出して、電気導体43の整流子側先端は常にブ
ラシ主部42の整流子側先端から後退する。したがっ
て、使用初期の後の使用においても、前記使用初期と同
様にブラシ主部42の整流子側端部の一部に電流が集中
してして流れることがないので、カ−ボンブラシ41の
使用期間全般にわたって異常発熱によるブラシ主部42
の破壊を防止できるものである。
【0040】勿論、電気導体43はブラシ主部42の内
部に埋め込まれて、ブラシ主部42で囲まれているか
ら、電気導体43の保持の信頼性が向上され、整流子1
5との摺動接触に伴って作用する外力等に拘らず、電気
導体43がブラシ主部42から剥がれることを防止でき
る。
【0041】しかも、ブラシ主部42に対して電気導体
43が直接密接しているから、カーボンブラシ41の摩
耗によりブラシ主部42および電気導体43が共に整流
子15に摺動接触するようになった際に生じる摩耗粉に
は、カーボンブラシ41と整流子片5bとの間の電流の
流れを阻害するような物質が含まれない。ちなみに、接
着剤を用いてブラシ主部42に電気導体43を接着した
構成では、接着剤の摩耗粉による電気抵抗が発生する
が、このような問題は前記構成のカーボンブラシ41で
は生じない。
【0042】なお、本発明は前記一実施例には制約され
ない。例えば端部穴45は穴44の穴主部44bと同径
であっても良い。
【0043】また、電気導体43には、銅の粉末に限ら
ず、含有成分の違いや、密度、製法の違いにより、ブラ
シ主部42を構成しているカーボンよりも電気抵抗が小
さいカーボン粉末を採用してもよいとともに、銀、また
は金等の粉末を用いてもよい。また、本発明では抵抗率
が異なる2種類以上の材料で形成しても良いとともに、
その内のブラシ全体の電気抵抗を下げるための低抵抗の
電気導体の断面形状は、丸、四角、三角等いかなる形状
でも良く、その場合に断面の縦横寸法とは、ブラシ全体
の断面における縦方向および横方向の最大寸法を指すも
のである。また、前記一実施例では、ピッグテール46
を接続したが、ピッグテールがなく通電路となる導電性
の板ばねでカーボンブラシ41を整流子15に押付ける
ようにしたブラシ装置を備える整流子電動機等のカーボ
ンブラシにも適用できる。
【0044】
【発明の効果】以上詳記した本発明のカーボンブラシの
構成においては、主電流方向に延びる電気導体を設けて
全電気抵抗を小さくしたため、このカーボンブラシを使
用する整流子電動機等の運転効率を向上でき、その上、
電流による発熱が少ないから、カーボンブラシの温度上
昇が抑制されて、カーボンブラシ自体およびこれを使用
する整流子電動機等の寿命を向上できる。そして、使用
初期はもとより全使用期間にわたってブラシ主部の整流
子側端部に存在する端部穴により、使用初期をはじめ全
使用期間にわたりブラシ主部の整流子側端部の電流密度
を低くできるとともに、同整流子側端部の熱膨張を外側
だけではなく内側でも吸収できるから、ブラシ主部の先
端部が発熱によって破壊される恐れがないという効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカーボンブラシを備え
たブラシ装置の縦断側面図。
【図2】同実施例に係り図1のZ−Z線に沿う断面図。
【図3】図1に示したブラシ装置を備えた電動送風機を
一部断面して示す側面図。
【符号の説明】
15…整流子、 41…カーボンブラシ、 42…ブラシ主部、 43…電気導体、 44…穴、 45…端部穴
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−139057(JP,A) 実開 昭57−27867(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01R 39/00 - 39/64 H02K 13/00 - 13/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】整流子に接して摩耗する部分の略全長が、
    主電流方向に延びて抵抗率が異なる2種以上の材料で形
    成されるカーボンブラシにおいて、ブラシ主部に前記主電流方向に延びる穴を設けるととも
    に、前記 ブラシ主部をなした材質の抵抗率よりも抵抗率
    が低い材質の粉末を固めて形成される電気導体を、前記
    穴内に埋め込んで前記ブラシ主部の前記摩耗する部分に
    前記主電流方向に延ばして設け、使用初期において前記
    ブラシ主部の前記整流子側先端部には前記穴の先端及び
    前記電気導体の前記整流子側先端に連なって前記ブラシ
    主部をなした材質の抵抗率よりも高抵抗率の空気で満た
    される端部穴が設けられ、この端部穴の前記主電流方向
    と直交する断面の大きさが前記電気導体の前記主電流方
    向と直交する断面の大きさと同じかそれ以上であるとと
    もに、前記整流子側から見たときに前記電気導体の整流
    子側端面全体が前記端部穴に重なっていることを特徴と
    するカーボンブラシ。
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