JP2866680B2 - 超音波手術用ハンドピース - Google Patents

超音波手術用ハンドピース

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JP2866680B2 JP1253931A JP25393189A JP2866680B2 JP 2866680 B2 JP2866680 B2 JP 2866680B2 JP 1253931 A JP1253931 A JP 1253931A JP 25393189 A JP25393189 A JP 25393189A JP 2866680 B2 JP2866680 B2 JP 2866680B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、超音波手術用ハンドピース、特に、生体組
織および結石を破砕後、吸引除去する際、その吸引圧を
調節するための吸引圧調節部を付設した超音波手術用ハ
ンドピースに関する。
[従来の技術] 一般に、この種の超音波手術用ハンドピースでは、振
動伝達部材を有し、この先端を生体組織や結石等に当て
る。そして、振動伝達部材を通じて除去したい生体組織
等に超音波振動を与え、その振動エネルギにより切除ま
たは破砕する。
さらに、この切除または破砕する手術作業を行ない易
くするため、その切除または破砕する処置と同時にその
破砕された組織片等を振動伝達部材に形成した吸引孔の
先端から吸引除去する超音波手術用ハンドピースが提案
されている(例えば実開昭61−203010号公報、実開昭63
−135615号公報を参照)。
また、超音波振動エネルギにより切除または破砕した
後、その破砕片を吸引,除去する際、その吸引圧の調節
は、通常、別に設けた吸引ポンプ部等の吸引装置にて行
なっていた。しかし、これによると、吸引圧の微妙な調
節を行なうことができない。例えば手術中に吸引圧によ
り微細血管を吸引したり、切断したりして出血が起る等
の不都合がある。
そこで、ハンドピースの手元付近で吸引圧の微妙な調
節を行なうことができるように、例えばサクションパイ
プをハンドピース部またはその近辺に、吸引圧を調節す
る部材を固定的に設けたものが提案されている(実開昭
61−203010号公報参照)。
また、圧力調節部をハンドピースの外周上に回動可能
に設けたものも知られている(実開昭63−135615号公報
を参照)。
[発明が解決しようとする課題] このように、従来、提案されている吸引圧を調節する
手段は、その吸引圧調節部材がハンドピースに固定、ま
たはハンドピースの外周上を回動するものであるに過ぎ
ない。
しかし、実際の使用状況においては、特に、吸引圧調
節部材が前後に動かせてその設置する位置が自由に選択
できることがきわめて重要となることが分かった。
また、吸引圧の調節操作が不必要なときには、その吸
引圧調節部材は操作上、むしろ邪魔であり、また、視野
を妨げるなどの欠点があった。しかし、従来のもので
は、その都合に応じて取り外せるものではなかった。
このため、微妙な手の動きを必要とする脳外科などの
分野では、手術時に術者のハンドピースの握り方が必然
的に決定される等、その操作に不具合が生じることがあ
った。また、吸引圧の調節を必要としない場合でも、そ
の吸引圧調節部材を取り外せずに視野の妨げ、あるいは
操作性を悪くする原因となっていた。
さらに、ハンドピースの洗浄時において、吸引圧調節
部材が取り外せないことから、洗浄しにくく取り扱いが
面倒なものとなっていた。
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目
的とするところは、超音波手術用ハンドピースの吸引圧
調節部材が固定又は回動のみのため生じた操作性に関す
る不具合、および吸引圧調節部材が着脱不能であったた
め生じた視野の妨げ、あるいは操作時の不具合を解消
し、操作性等の良好な吸引圧調節機構付きの超音波手術
用ハンドピースを提供することにある。
[課題を解決する手段および作用] 上記課題を解決するために本発明の超音波手術用ハン
ドピースは、振動伝達部材に形成された吸引孔に連通す
るとともに吸引チューブを接続する接続部材を設け、ま
た、リーク量を調節することにより吸引圧力を調節する
吸引圧調節孔を有した吸引圧調節部材を、ハンドピース
外周上の少なくとも軸方向の任意の位置に着脱自在に固
定する。さらに、上記吸引圧調節部材の吸引圧調節孔と
上記接続部材の分岐通路とを吸引圧調節チューブで接続
した。
これによりストレートタイプのハンドピース使用時に
は前後方向へ、屈曲タイプのハンドピースを使用する時
には回転方向、および前後方向へ吸引圧調節部材の位置
を調節できる。このため、術者の好みの位置で吸引圧調
節を行なうことができるようになる。
また、吸引圧の調節が不必要な場合、またハンドピー
スの洗浄時には吸引圧調節部材を取り外すことにより視
野の確保、および操作性の向上、また洗浄能率の向上等
を図ることができる。
[実施例] 第1図ないし第5図は本発明の第1の実施例を示すも
のである。第1図で示すように、このハンドピース1は
カバー2の内部に超音波プローブ3を配設してある。超
音波プローブ3は圧電素子(例えばPZT)4と電極5を
積層してなる超音波振動子部(振動発生部)6、この超
音波振動子部6で発生させた超音波振動を増幅するホー
ン部7、このホーン部7の先端に接続する中空パイプ製
の振動伝達部材8からなり、これらを連結して構成され
ている。圧電素子(例えばPZT)4と電極5を積層して
なる超音波振動子部6はホーン部7、裏打ち板11をボル
ト12およびナット13によって締め付けて一体的に連結し
てある。
また、超音波プローブ3はその中心軸に沿って前後に
貫通する孔を形成し、これは上記振動伝達部材8の中空
孔14に通じてこれらにより吸引孔15を形成している。ま
た、吸引孔15は接続部材16に連通している。接続部材16
は第4図および第5図で示すようにカバー2の後端壁を
貫通し、超音波プローブ3の中心軸を中心として回転自
在に設けられている。そして、その中心軸に沿う第1の
口部17には吸引チューブ18が接続されている。また、接
続部材16には吸引圧調節用チューブ19を接続する第2の
口部(分岐通路)20が分岐して形成されている。この第
2の口部20は接続部材16の回転中心軸に直交する側方へ
突出して設けられている。
さらに、接続部材16は第4図および第5図で示すよう
にカバー2の後端壁に対して回転自在に貫通するととも
に、その間がOリング23によりシールされている。
一方、ハンドピース1におけるカバー2の把持部24を
除く部分、この実施例ではカバー2の先端側部分の外周
上には、吸引圧調節部材25が着脱自在に装着してある。
この吸引圧調節部材25はカバー2の先端側部分の外周に
被嵌するリング部26と締結片27とを有してなり、その締
結片27は固定ねじ28を締め付けることによりカバー2の
先端側部分の外周に圧着し、その吸引圧調節部材25を着
脱自在に固定する手段を構成している。
また、この吸引圧調節部材25を装着する上記カバー2
の先端側部分は等径の筒状に形成され、固定ねじ28を緩
めることにより半固定状態となり、その位置で回転で
き、また、超音波プローブ3の中心軸に沿う方向(前後
方向)へ移動できるようになっている。
さらに、吸引圧調節部材25は第3図で示すように、上
方へ開口する吸引圧調節孔31が形成されている。この吸
引圧調節孔31は前後方向へ細長い開口で形成され、この
開口部分は術者の手の指で必要量、任意に塞ぐことがで
きるようになっている。
この吸引圧調節部材25には上記接続部材16の第2の口
部20に接続した吸引圧調節用チューブ19の他端を接続す
る第3の口部33が設けられている。そして、この第3の
口部33を介して吸引圧調節部材25の吸引圧調節孔31に吸
引圧調節用チューブ19を接続している。
しかして、ハンドピース1を使用する場合、まず、術
者は使用状況および自分にあった位置に吸引圧調節部材
25を位置させる。すなわち、固定ねじ28を緩めることに
より吸引圧調節部材25を半固定状態とし、その位置で回
転したり、また、超音波プローブ3の中心軸に沿う方向
(前後方向)へ移動して使い易い位置を選択する。
その位置を選択したら、固定ねじ28で締結片27を締
め、カバー2の外周に固定する。
また、このとき、その吸引圧調節部材25の位置に合わ
せて接続部材16を回転し、吸引圧調節用チューブ19が操
作において邪魔にならない位置にする。接続部材16は回
転自在であるため、通常、吸引圧調節部材25を回転させ
た場合、これに追従する吸引圧調節用チューブ19に引か
れて同様に回転し、これにより吸引圧調節用チューブ19
のからまりを防ぐことができる。
このように、吸引圧調節部材25を任意の位置に固定す
ることができるため、ハンドピース1の握り方が決定さ
れない。また、術者の好みの握り方ができるため、操作
性が向上する。また、吸引圧調節部材25をハンドピース
1の上から取り外すことも可能なため、洗浄および吸引
圧の調節不必要時には取り外せるので、都合がよい。吸
引圧調節用チューブ19および吸引圧調節部材25を取り外
せば、使用中、視野をより充分に確保できる。
第6図ないし第7図は本発明の第2の実施例を示すも
のである。この実施例の吸引圧調節部材25には第3の口
部33を上記実施例と同様に設けるが、ハンドピース1の
外周に密着する円弧をもった一対のクリップ片36a、36b
を有したクリップ36によりハンドピース1の外周に着脱
自在に装着される。また、各クリップ片36a、36bはそれ
ぞればね37a、37bによってハンドピース1の外周に密着
する向きに付勢されている。そして、各クリップ片36
a、36bに連設した操作片38a,38bによって解放する向き
に操作できるようになっている。その他の構成は上記実
施例のものと同様である。
しかして、この実施例においてはクリップ36のクリッ
プ片36a、36bによりハンドピース1の外周を挟むことに
より、その外周の任意の位置(回転位置および前後位置
を含む。)に吸引圧調節部材25を固定することができ
る。
したがって、上述した第1の実施例の場合と同様にそ
の操作性の向上、および吸引圧の調節が不用な場合、こ
れを取り外して視野を確保するなどができる。
第8図ないし第9図は本発明の第3の実施例を示すも
のである。
この実施例は吸引圧調節部材25をカバー2の先端側部
分の外周に沿ってその軸方向に移動できるようにしたも
のである。吸引圧調節部材25の下面には凹部41を形成
し、カバー2の先端側部分の外周にはその凹部41に係合
する凸部(レール)42を設け、その凸部42に沿って吸引
圧調節部材25をハンドピース1の長手軸方向へ移動でき
るように係着してある。また、カバー2の着脱自在な先
端シース2aの基端縁により吸引圧調節部材25の最先端位
置を規制する。
また、吸引圧調節部材25を取り外す場合には、先端シ
ース2aを取り外し、カバー2の先端側へ移動すると、そ
の凸部42の終端から外れて抜き取ることができるように
なっている。
しかして、吸引圧調節部材25は、凹部41と凸部42との
係合により着脱自在に装着されるとともに前後方向の位
置を選択でき、その装着位置を選択できるようになって
いる。したがって、上述した第1および第2の実施例と
同様その操作性が向上するが、吸引圧調節部材25が回転
する必要のないストレートタイプのハンドピース1に使
用すると無駄な移動をしないため、より操作性が向上す
る。その他は上記実施例のものと同様である。
第10図は本発明の第4の実施例を示すものである。こ
の実施例での吸引圧調節部材25はハンドピース1のカバ
ー2の外周に嵌合する環状の可動部材45に取着され、可
動部材45の内面にはOリング46,46を設けてこれをカバ
ー2の外周に対して圧接するようになっている。
しかして、吸引圧調節部材25は可動部材45によりその
カバー2に対して半固定的に設けられ、回転および前後
方向の移動が可能になっている。
可動部材45はハンドピース1上を前後および回転する
ことができ、可動部材20の内径より小さいハンドピース
1の先端方向に移動させることにより吸引圧調節部材25
を取り外すことができる。また、このところから逆に装
着することができる。
したがって、上記各実施例と同様にその操作性の向
上、および吸引圧調節が不用時の視野確保等の作用効果
を奏することができる。
第11図に本発明の第5の実施例を示すものである。こ
の実施例では吸引圧調節部材25に、ハンドピース1の磁
性体からなるカバー2の外周に接合する円弧状の内面を
もった接合片51を設け、この接合片51の内面には上記カ
バー2の外周に吸着する磁石52を設けたものである。
そして、この接合片51に設けた磁石52の作用によりカ
バー2の外周の任意な位置に吸引圧調節部材25を固定す
ることができる。
また、その吸引圧調節部材25を接合片51とともに取り
外すことができ、しかも、回転および前後方向の移動が
可能で、上記各実施例のものと同様な作用効果を期待で
きる。
第12図ないし第13図は本発明の第6の実施例を示すも
のである。
この実施例の吸引圧調節部材25はその下面に複数の吸
盤55を備えており、表面の滑らかなハンドピース1にお
けるカバー2の周面に吸着させるようにしたものであ
る。
しかして、この吸盤55によりハンドピース1のカバー
2の表面上の任意の位置に取り付けることができる。
したがって、前記各実施例のものと同様に操作性の向
上、および吸引圧の調節不用時の視野確保等の作用効果
が期待できる。
なお、本発明は上記実施例のものに限定されるもので
はない。吸引圧調節部材をカバーに限らず、ハンドピー
スに直接的に装着するようにしてもよい。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明による移動可能な吸引圧調
節部材を設けた超音波手術用ハンドピースを用いると、
脳外科などの微細手術を行なう際でも、術者の好みの任
意の位置で吸引圧調節を行なえるため操作性が向上す
る。また、吸引圧の調節が不必要な場合、またハンドピ
ースの洗浄時には吸引圧調節部材を取り外すことにより
視野の確保、および操作性の向上、また洗浄能率の向上
等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明の第1の実施例を示し、第
1図はそのハンドピースの側断面図、第2図はそのハン
ドピースの側面図、第3図は吸引圧調節部材付近の斜視
図、第4図はそのハンドピースの背面図、第5図はその
ハンドピースの後端部付近の側断面図である。第6図な
いし第7図は本発明の第2の実施例を示し、第6図はそ
の吸引圧調節部材の斜視図、第7図は同じくその吸引圧
調節部材の正面図である。第8図ないし第9図は本発明
の第3の実施例を示し、第8図はそのハンドピースの側
面図、第9図は同じくその先端部の縦断面図である。第
10図は本発明の第4の実施例を示すその吸引圧調節部材
の付近の側断面図である。第11図は本発明の第5の実施
例を示すその吸引圧調節部材の斜視図である。第12図な
いし第13図は本発明の第6の実施例を示し、第12図はそ
の吸引圧調節部材の平面図、第13図は同じくその吸引圧
調節部材の側面図である。 1…ハンドピース、2…カバー、3…超音波プローブ、
8…振動伝達部材、15…吸引孔、16…接続部材、18…吸
引チューブ、25…吸引調節部材、31…吸引圧調節孔。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波振動子と振動伝達部材を有する超音
    波手術用ハンドピースにおいて、上記超音波振動子と振
    動伝達部材とを連通した吸引孔と、この吸引孔に連通す
    るとともに分岐通路を有した接続部材と、この接続部材
    を介して上記吸引孔および分岐通路に連通する吸引チュ
    ーブと、リーク量を調節することにより吸引圧力を調節
    する吸引圧調節孔を有した吸引圧調節部材と、この吸引
    圧調節部材をハンドピース外周上の少なくとも軸方向の
    任意の位置に着脱自在に固定する手段と、上記吸引圧調
    節部材の吸引圧調節孔と上記接続部材の分岐通路とを連
    結する吸引圧調節チューブとを具備したことを特徴とす
    る超音波手術用ハンドピース。
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