JP2866349B2 - 圧縮機構ならびにこの圧縮機構を用いた内燃機関および過給器 - Google Patents

圧縮機構ならびにこの圧縮機構を用いた内燃機関および過給器

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JP2866349B2
JP2866349B2 JP8165269A JP16526996A JP2866349B2 JP 2866349 B2 JP2866349 B2 JP 2866349B2 JP 8165269 A JP8165269 A JP 8165269A JP 16526996 A JP16526996 A JP 16526996A JP 2866349 B2 JP2866349 B2 JP 2866349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】気体や液体などを圧縮して送
り出す圧縮機構、ならびにこの圧縮機構を用いた内燃機
関および過給器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車などに用いられる内
燃機関においては、往復運動機関(以下、レシプロエン
ジンという)と呼ばれる往復運動型の圧縮機構を利用し
たものが公知である。このレシプロエンジンにおいて
は、シリンダと、このシリンダ内を往復運動するピスト
ンと、このピストンが係合するクランク軸とを備え、
「吸入」「圧縮」「爆発」「排気」の4行程を1サイク
ルとする4ストローク・サイクル・エンジンがある。
【0003】このレシプロエンジンの圧縮機構は、ピス
トンの往復運動により、シリンダとピストンの間に形成
される燃焼室の容積が、最大値から最小値に変化し、こ
れにより燃焼室内の混合気が圧縮されるものである。こ
の後、圧縮された混合気を燃焼・爆発させることによ
り、ピストンが押し下げられて、クランク軸が回転す
る。このように、シリンダの往復運動を利用して気体な
どを圧縮して送り出す圧縮機構が、各産業分野において
幅広く用いられている。
【0004】また、回転型の圧縮機構を用いた内燃機関
として、まゆ型のロータリーハウジングと、このロータ
リーハウジング内壁に摺接しながら回転する3角形のロ
ーターと、このローターの内部孔に設けられた内歯ギア
と噛み合う外歯ギアを有する偏心軸とを備えたロータリ
ーエンジンが公知である。
【0005】このロータリーエンジンの回転型の圧縮機
構は、ローターの回転に伴って、ローターとロータリー
ハウジングの間に形成される燃焼室の容積が、最大値か
ら最小値に変化し、これにより燃焼室内の混合気が圧縮
されるものである。この後、圧縮された混合気を燃焼・
爆発させることにより、ローターがさらに回転し、これ
に伴いローターの内歯ギアと噛み合う偏心軸の外歯ギア
が回転するので、偏心軸が回転する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記往復運動型の圧縮
機構においては、慣性質量の大きいピストン、コンロッ
ドなどが往復運動するため、力学的にバランスが悪く、
圧縮動作時に大きな振動が発生しやすいという問題点が
ある。
【0007】一方、ロータリーエンジンの回転型の圧縮
機構においては、ローターの回転中心と偏心軸の回転中
心とが偏心しているため、往復運動型の圧縮機構よりは
小さいものの、圧縮動作時にかなりの振動を生じるとい
う問題点がある。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、圧縮動作時に発生する振動が小さく、円滑な
圧縮動作を行うことができる圧縮機構、ならびにこの圧
縮機構を用いた内燃機関および過給器を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の圧縮機構によ
れば、断面円弧状の内側面を有する円環と、円環の内側
面に沿って摺接するように周方向に形成されたウォーム
を有し円環に対して相対的に回転可能に設けられた回転
体と、ウォームと係合しながら回転するように円環に設
けられたウォームホイールとを備え、円環および回転体
の一方が不動に構成され、円環および回転体の他方が一
方に対して回転することに伴い、ウォームホイールの歯
、ウォームと、円環の内側面との間に密閉状態で形成
される圧縮室の容積が増減する。
【0010】このようにすれば、圧縮機構は、円環およ
び回転体の他方が、不動の一方に対し回転することによ
って圧縮動作を行うことができ、さらに、この回転時
に、回転体のウォームが円環の内側面上を相対的に摺動
するので、圧縮動作時に発生する振動が小さい。従っ
て、円滑な圧縮動作を行うことができる。
【0011】上記において、ウォームホイールには、回
転体のウォームとの間を封止する第1の封止部材と、円
環との間を封止する第2の封止部材が設けられており、
ウォームには、円環およびウォームホイールとの間を封
止する第3の封止部材が設けられていることが好まし
い。
【0012】このようにすれば、圧縮室の密閉性が向上
するので、圧縮機構の効率が向上する。
【0013】また、内燃機関は、上記圧縮機構と、圧縮
室内に混合気を送り込む混合気送込手段と、圧縮室の容
積が最小値のときに、圧縮室内の混合気に点火する点火
手段と、圧縮室内の混合気が燃焼したのち、燃焼ガスを
排気する排気手段とを備えていることが好ましい。
【0014】このようにすれば、圧縮動作時に発生する
振動が小さい圧縮機構を用いているので、内燃機関は、
運転時に発生する振動が小さく、円滑な運転を行うこと
ができる。また、圧縮室の容積が最小値のときに、圧縮
室内の混合気に点火するので、運転効率がよい。
【0015】さらに過給機は、上記圧縮機構と、圧縮機
構により圧縮された空気を送り出す空気送り出し手段
と、容積が増加する側の圧縮室に排気ガスを供給する排
気ガス供給手段と、圧縮空気と排気ガスの混合を防止す
る遮断部とを備えていることが好ましい。
【0016】このようにすれば、圧縮動作時に発生する
振動が小さい圧縮機構を用いて、過給運転を行うことが
できるので、過給機は、過給運転時に発生する振動が小
さく、円滑な過給運転を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の第1実施形態に係る圧縮機構と、この圧縮機構
を用いた内燃機関について説明する。図1は、圧縮機構
1およびこの圧縮機構1を用いた内燃機関2の(a)平
面図と、(b)略断面図を示している。まず、圧縮機構
1について説明すると、図1乃至図4に示すように、こ
の圧縮機構1は、円環3と、ウォーム4を有する回転体
5と、回転体5の回転に伴いこのウォーム4と係合しな
がら回転するように、円環3に設けられたウォームホイ
ール6とから構成されている。
【0018】図4に示すように、円環3は断面が円形
で、その周面はなめらかな円環面(トーラス)3aに形
成されている。後述するように、この円環3の内孔3b
から外端部3cにかけて広がる円環面3a上を、回転体
5のウォーム4が摺動する。また、円環面3aには、ウ
ォームホイール6が、円環3に対して回転可能に設けら
れている。このウォームホイール6は、8枚の歯60を
備えており、後述するように、この歯60が回転体5の
ウォーム4と係合する。また、円環3は、図6に示すよ
うに、支柱30により所定部材(不図示)に固定されて
おり、これにより円環3は、後述する回転体5が回転す
る際に、同時に回ることがない。
【0019】図4(b)および図5(a)に示すよう
に、ウォームホイール6は、円環3の環状溝3e内で軸
部3dに軸支されており、これによりウォームホイール
6は、円環3に対して回転可能に構成されている。ま
た、ウォームホイール6がウォーム4と係合する際、歯
60の端部とウォーム4の端部の間に隙間が生じないよ
うに、歯60の端部には、第1の封止部材7が設けられ
ている。さらに、ウォームホイール6と円環3の環状溝
3eの間に、第2の封止部材8が設けられている。この
第2の封止部材8は、図5(b)に示すように、ウォー
ムホイール6の側面と摺接するリング状の部材であり、
ウォームホイール6と環状溝3eの間を封止して、隙間
が生じないようにする。
【0020】また、回転体5は図2に示すように、特異
な形状のウォーム4を備えており、この回転体5は、複
数の構成部材(不図示)を組み合わせて一体に構成され
ている。このウォーム4は、回転体5の回転に伴ってウ
ォーム4が回転したとき、ウォームホイール6の歯60
が、ウォーム4の表面を円滑に摺動できるような形状を
備えている。また、ウォーム4とウォームホイール6と
の関係は、ウォーム4が図1(a)の反時計回りに一回
転したとき、ウォームホイール6の歯60が、図1
(b)の時計回りに1ピッチ分(45゜分)回転する、
すなわち、ウォーム4が図1(a)の反時計回りに8回
転したとき、ウォームホイール6が、図1(b)の時計
回りに1回転するようにように構成されている。
【0021】このウォーム4の先端部40は、回転体5
を上から見たとき、図1(a)の点線で示すような螺旋
形状を有し、また、図2(a)の(B)−(B)矢視図
である図3に示すような螺旋形状を有している。このウ
ォーム4の先端部40は、回転体5の回転に伴い、円環
3の内孔3bから外端部3cにかけて広がる円環面3a
上を摺動する。一方、ウォーム4の先端部40には、図
2(b)に示すように第3の封止部材9が設けられてお
り、この第3の封止部材9は、摺動時にウォーム4と円
環面3aとの間を封止して、隙間が生じないようにす
る。
【0022】このような構成により、第1実施形態の圧
縮機構1においては、ウォームホイール6の歯60、ウ
ォーム4および円環面3aの間に、ねじれたリング状の
密閉された圧縮室10が形成される。例えば、図1
(b)に示す状態では、歯60bと歯60cとの間に圧
縮室10bが、歯60cと歯60dとの間に圧縮室10
cが、歯60dと歯60eとの間に圧縮室10dが、そ
れぞれ形成されている。この圧縮室10は、ウォーム4
(回転体5)が、図1(a)に示す状態から反時計回り
にα゜回転して、ウォーム4の符号(A)で示す箇所
が、ウォームホイール6の位置まで来たときに形成され
る。このウォーム4の符号(A)で示す箇所が、ウォー
ムホイール6のところまで来たときの位置を、以降、圧
縮開始位置(A)という。また、この圧縮室10は、ウ
ォーム4が圧縮開始位置(A)から1080゜+β゜
(3回転+β/360回転)回転して図3に示す最大膨
張位置(C)に到達し、さらにこの最大膨張位置(C)
を少し過ぎた位置まで回転したとき、封止が解けるよう
に構成されている。
【0023】このように、第1実施形態の圧縮機構1に
おいては、圧縮開始位置(A)において、圧縮機構1内
に、4個の圧縮室10が形成される。これらの各歯60
間に形成される圧縮室10は、回転体5の回転に伴い容
積Vが増減する。以下、この圧縮室10の容積Vが増減
する原理およびその動作について図1乃至図7を参照し
ながら説明する。なお、ここで回転体5は、後述する始
動装置14(図2)などの回転駆動装置により、回転駆
動されるものとする。
【0024】まず図1(a)において、点線で示す螺旋
状の帯は、ウォーム4の先端部40の軌跡を示してい
る。同図において、回転体5が反時計回りに回転したと
き、これに伴いウォームホイール6は、図1(b)に示
す時計回りに回転する。そして、回転体5が反時計回り
にα゜回転して、圧縮開始位置まで来たとき、歯60a
は2つの先端部40,40の間に収まり、歯60aの先
端部に設けられた第1の封止部材7が、歯60aとウォ
ーム4との間を、隙間ができないように封止する。ま
た、第2の封止部材8が、ウォームホイール6と円環3
の環状溝3eとの間を封止し、第3の封止部材9が、ウ
ォーム4と円環面3aとの間を封止する。このように、
圧縮開始位置(A)において、各封止部材7,8,9の
封止により、歯60aとその隣りの歯60bとの間に、
容積Vの圧縮室10x(図7)が形成される。
【0025】この歯60aとその隣りの歯60bおよび
2つの先端部40,40の間に、ウォームホイール6、
ウォーム4および円環面3aにより形成される圧縮室1
0xの容積Vが、回転体5の反時計回りの回転に伴い変
化してゆく様子を図7に示す。なお、同図においては、
2つの先端部40,40の軌跡を直線に簡略化して示し
てある。同図に示すように、圧縮開始位置(A)まで歯
60aが来たときに、容積V0の圧縮室10xが形成さ
れ、圧縮が開始される。そして、この位置から回転体5
が反時計回りに360゜回転(1回転)し、それに伴い
ウォームホイール6が1ピッチ分時計回りに回転して歯
60aが隣の歯60bの位置まで来たとき、圧縮室10
xの容積Vは、容積V1(V1<V0)に減少する。
【0026】この圧縮室10xの容積Vの減少は、ウォ
ーム4の先端部40が図1に示すような螺旋形状である
ため、回転体5の回転に伴いウォームホイール6の歯6
0が回転すると、圧縮室を形成する2つの先端部40,
40と回転体5の回転中心0との距離が縮まることによ
り生じる。この位置から、さらに回転体5が反時計回り
に360゜回転して合計720゜回転すると、圧縮室1
0xの容積は、V1からV2(V2<V1)に減少す
る。この後、さらに回転体5が反時計回りに360゜回
転して合計1080゜回転すると、圧縮室10xの容積
は、容積V2からV3(V2<V3)に増加する。そし
て、回転体5が合計1080゜回転した位置から、さら
に反時計回りにβ゜回転して合計1080+β゜回転し
た最大膨張位置位置(C)まで到達すると、圧縮室10
xの容積は、容積V3からV4(V4>V3)に増加す
る。さらに、これ以上回転すると、ウォーム4の先端部
40,40と歯60との間の隙間が大きくなり、圧縮室
10xの封止が解かれる。
【0027】このように、圧縮室10xの容積は、回転
体5の回転に伴い圧縮開始位置から漸減して最小値Vm
inまで減少し、この後、逆に増加する。これは、ウォ
ーム4が、図2に示すように、上端部から下に向かうに
つれて径が減少し、中央部で一番小径になった後、下方
に行くにつれてまた径が大きくなる形状を備えているた
めである。なお、圧縮室10xの容積Vが最小値Vmi
nとなる(一番圧縮される)のは、図1(b)で、ウォ
ームホイール6の2枚の歯60,60が、歯60cと歯
60dの位置にいて、その間に圧縮室10cが形成され
ているときである。すなわち、2枚の歯60,60が水
平軸を挟んで対称に位置するときに、圧縮室10xの容
積Vが最小値Vminとなり、圧縮室10x中の気体な
どが一番圧縮される。この位置は、図1(a)で示す位
置から回転体5が2回転した位置であり、以下、最大圧
縮位置という。圧縮室10xの容積Vは、圧縮開始時の
容積がV0であるから、この圧縮機構1の圧縮比は、V
0/Vminとなる。このように、第1実施形態の圧縮
機構1によれば、回転体5に回転力が加えられて、回転
体5が回転することにより、圧縮室10xの容積Vが増
減して、圧縮室10x内に閉じこめられた気体などが、
圧縮・膨張されるように構成されている。また、この圧
縮機構1において、回転体5は、回転軸0に対して偏心
しておらず、ほとんど対称に構成されており、さらに、
円環3の円滑な円環面3a上を回転する。これにより、
圧縮機構1は、従来よりも圧縮動作時に発生する振動が
小さく、円滑に運転できる。
【0028】このような構成の圧縮機構1を用いた内燃
機関2について説明すると、内燃機関2は、上述した圧
縮機構1の構成に加えて、図1(b)、図4(a),
(b)に示すように、円環3内を貫通して設けられた混
合気を、圧縮室10内に強制的に送り込むための混合気
送込通路(混合気送込手段)11と、圧縮室10内の混
合気を燃焼させるため点火装置(点火手段)12と、燃
焼ガスを排気する排気通路(排気手段)13とを備えて
いる。また、この内燃機関2においては、上記圧縮装置
1の圧縮室10は、混合気を燃焼させるための燃焼室1
0となる。なお、図4(a)に示すように、混合気送込
通路11と排気通路13は、円環3の同一断面上には位
置しないが、説明のために図1(b)、図4(b)にお
いては、円環3の同一断面上に示した。
【0029】この混合気送込通路11は、円環3内を貫
通して燃焼室10内と連通するように設けられており、
その円環3上の開口には弁機構(混合気送込手段)11
aが設けられている。この弁機構11aは、圧縮機構1
において圧縮開始位置(A)で燃焼室10が形成された
とき、その燃焼室10内に面した円環面3a上の所定位
置に設けられている。また、混合気送込通路11内へ
は、外部から混合気が圧送されるようになっており、弁
機構11aが所定タイミング(回転体5が1回転する
毎)で開くことにより、混合気が燃焼室10に送り込ま
れる。また、点火装置12は、円環面3a上に設けられ
ており、燃焼室10の容積Vが最小値Vminのとき、
すなわち図1(b)において、歯60cと歯60dの間
に燃焼室10cが形成されているとき、その燃焼室10
内の混合気を燃焼させることができるような所定位置に
設けられている。点火装置12には、信号線12aを介
して、外部から点火信号が入力される。さらに、排気通
路13が、円環3内を貫通して、燃焼室10内の混合気
の燃焼ガスを排気するように設けられており、この排気
通路13の燃焼室10側の開口13aは、図3に2点鎖
線で示すように、燃焼室10の封止が解かれる直前に燃
焼室10内の燃焼ガスを排気することができる所定位置
に設けられている。この内燃機関2の圧縮比は、上述し
たようにV0/Vminである。
【0030】また、この内燃機関2には、図2の2点鎖
線で示すような始動装置14が設けられている。この始
動装置14は、例えばモーター等で構成されており、内
燃機関2の起動時に、内燃機関2が連続運転状態に達す
るまで、強制的に回転体5を回転させるものである。そ
して、この回転体5の強制回転により、内燃機関2を運
転開始させて、圧縮開始位置(A)で形成された燃焼室
10が最小容積Vminとなる最大圧縮位置まで達した
とき、燃焼室10内の混合気を、点火装置12により点
火して燃焼させる。この混合気の燃焼により燃焼室10
内に発生する圧力Pが、回転体5のウォーム4を回転さ
せる力として作用する。この燃焼室10内の混合気の燃
焼により発生する圧力Pが、回転体5のウォーム4を回
転させる力として作用する原理について、図8および図
9を参照しながら説明する。
【0031】図8は、説明のために図3を部分的に拡大
および省略した図である。同図において、燃焼室10内
の混合気が燃焼したとき、燃焼室10内に圧力Pが発生
し、この圧力Pは、燃焼室10を形成する2枚のウォー
ムホイール6の歯60,60、ウォーム4および円環面
30aに対して、均等に作用する。ここでは、圧力Pが
ウォーム4に作用する場合について説明し、その他の分
は省略する。この圧力Pがウォーム4に作用した場合、
ウォーム4の先端部40近傍に作用する圧力Pは、図8
に示すように、2つの分力成分P1,P2に分けられ
る。
【0032】ウォーム4の先端部40近傍のE点とF点
の2箇所において、この2つの分力成分P1,P2を見
てみると、E点の分力成分P2は、ウォーム4(回転体
5)の回転中心Oに向かうように作用し、F点の分力成
分P2’は、ウォーム4の回転中心Oから離れるように
作用する。ここで、P2=P2’であり、その作用方向
は180゜逆であるから、E点の分力成分P2とF点の
分力成分P2’とは釣り合い、ウォーム4に対して作用
しない。
【0033】一方、もう一つのE点の分力成分P1は、
図9に示すように、ウォーム4の回転中心Oからの距離
をL1としたとき、回転モーメントM1=P1・L1と
して、ウォーム4を図中の反時計回りに回転させるよう
に作用する。同様に、F点の分力成分P1’は、ウォー
ム4の回転中心Oからの距離をL1’としたとき、回転
モーメントM1’=P1’・L1’として、ウォーム4
を図中の時計回りに回転させるように作用する。この2
つの回転モーメントM1,M1’とを比較すると、P1
=P1’かつL1>L1’であるから、M1>M1’と
なる。従って、圧力Pの分力は、(M1−M1’)の回
転モーメントとして、反時計回りにウォーム4を回転さ
せるように作用する。
【0034】これにより、燃焼室10内の混合気の燃焼
により発生する圧力Pは、回転体5のウォーム4を回転
させる力(回転モーメント)として作用する。特に、ウ
ォーム4の形状は、回転体5の下部に向かうにつれて、
ウォーム4の先端部40が螺旋状にだんだん開いてゆく
形状であるから、回転体5のウォーム4を回転させる回
転モーメントも急増する。このように、燃焼室10内の
混合気の燃焼により発生する圧力Pが、回転体5を図1
または図8の反時計回りに回転させる力に変わるように
構成されている。
【0035】以上のように構成された内燃機関2の運転
動作について説明すると、形成された1つの燃焼室10
における運転動作は、(1)送込行程、(2)圧縮行
程、(3)燃焼行程、(4)膨張行程、(5)排気行程
の5行程を、1サイクルとして構成されている。まず、
回転体5が、始動装置14により圧縮開始位置(A)ま
で回転駆動されたとき、ウォームホイール6の2枚の歯
60,60、ウォーム4および円環面3aの間に、燃焼
室10が形成される。
【0036】そして、この形成された燃焼室10内に、
混合気送込通路11および弁機構11aを介して、混合
気が強制的に送り込まれる[(1)送込行程]。
【0037】さらに回転体5が回転することにより、燃
焼室10内の容積Vが減少し、燃焼室10内の混合気が
圧縮される[(2)圧縮行程]。
【0038】そして、回転体5が回転して、燃焼室10
が最小容積Vminとなる最大圧縮位置まで達したと
き、燃焼室10内の混合気が、点火装置12により点火
されて燃焼する[(3)燃焼行程]。
【0039】この混合気の燃焼により、燃焼室10内に
発生する圧力Pが、回転体5のウォーム4を回転させる
力(回転モーメント)として作用し、これにより、回転
体5に回転力が与えられる。上述したように、この回転
力は、回転体5が最大膨張位置に向かって回転して行く
と、さらに急増するから、回転体5はさらに加速される
ことになる。同時に、この回転につれて、燃焼室10内
の容積Vが漸増する[(4)膨張行程]。
【0040】そして、回転体5が最大膨張位置に達した
とき、排気通路13を介して、燃焼室10内の燃焼ガス
が排気される[(5)排気行程]。
【0041】このように第1実施形態の内燃機関2で
は、1組のウォームホイール6の歯60,60により形
成される燃焼室10において、(1)送込行程、(2)
圧縮行程、(3)燃焼行程、(4)膨張行程、(5)排
気行程の5つの動作行程を1サイクルとする運転動作が
行われる。同時に、回転体5が1回転すると、歯60が
1ピッチ分回転して、次の隣り合った1組のウォームホ
イール6の歯60,60により他の燃焼室10が形成さ
れ、この燃焼室10においても、同様の運転動作が行わ
れる。従って、回転体5の回転に伴い、ウォームホイー
ル6の歯60も回転するから、次々と燃焼室10が形成
され、上記1サイクルの運転を行う。これにより、上述
した回転力が回転体5に順次加えられて、内燃機関2
は、連続運転状態となる。この内燃機関2においては、
回転体5は、回転軸0に対して偏心しておらず、ほとん
ど対称に構成されており、そのうえ円環3の円環面3a
上を回転するので、運転動作時に発生する振動が従来よ
り小さく、円滑に運転できる。
【0042】次に、第2実施形態に係る圧縮機構を用い
た装置として、図10に示す過給装置100について説
明する。図10において、上記第1実施形態と同一の構
成は、同一符号を付してある。図10は、圧縮機構1を
用いた過給装置100の略断面図を示しており、この過
給機構100は、円環3内を貫通して内燃機関E側に圧
縮空気を送り出す空気通路(空気送り出し手段)31
と、容積Vが増加する側の圧縮室10cに、内燃機関E
側から排気ガスが供給される排気ガス通路(排気ガス供
給手段)32と、円環3の内孔部に一体に形成され、圧
縮空気と排気ガスの混合を防止する遮断部33とを備え
ている。また、回転体5は、この遮断部33の孔33a
内に、回動自在に設けられた小径部5aを備えている。
さらに、円環3と一体に形成されたケーシング34が、
回転体5を包むように設けられており、このケーシング
34には、空気供給口35と、排気ガス排出路36が設
けられている。
【0043】この構成により、過給機構100は、排気
ガス通路32を介して内燃機関E側から排気ガスが、圧
縮室10cに供給される。このとき、上述した図8,図
9に示した原理により、排気ガスの圧力がウォーム4に
回転力として作用するので、回転体5が図中の矢印方向
に回転する。このとき、空気供給口35から入った空気
は、ウォームホイール6の歯60,60の間に形成され
る圧縮室10内で圧縮される。この後、回転体5が図中
の矢印方向にさらに回転したとき、空気通路31と圧縮
室10とが連通して、圧縮空気が内燃機関E側に送り出
される。同時に、圧縮室10cに供給された排気ガス
は、回転体5を回転させるように作用しながら、排気ガ
ス排出路36側に排出される。
【0044】このように過給機100は、内燃機関Eの
排気ガスの圧力を回転体5の回転力に転換し、この回転
力により、圧縮空気を内燃機関E側に送り込むことがで
きる。この過給機100においては、回転体5は、回転
軸0に対して偏心しておらず、ほとんど対称に構成され
ており、そのうえ円環3の円環面3a上を回転するの
で、運転動作時に発生する振動が小さく、円滑に運転で
きる。
【0045】なお、上記実施形態においては、ウォーム
ホイール6の歯60の数を8枚としたが、ウォームホイ
ール6の歯の数は何枚でもよく、これに合わせて、ウォ
ーム4の形状を変えればよい。また、歯60の形状は、
歯60とウォーム4との間に圧縮室10を形成でき、か
つ回転体5がなめらかに回転できればどのような形状で
もよい。これにより、圧縮機構において、圧縮比を多様
に設定することができる。
【0046】なお、上記実施形態においては、円環3を
回転しないように固定して、回転体5を回転させる構成
としたが、回転体5の方を固定して、円環3側を回転さ
せてもよい。
【0047】なお、上記実施形態においては、混合気送
込通路11および排気通路13を円環3内に設けたが、
混合気送込通路は、回転体5の方に設けたり、圧縮室が
形成される直前に、管で外からウォーム内に送り込んだ
りしてもよい。同様に、排気通路も回転体5の方に設け
たり、燃焼室の封止が解けたらそのまま放出するように
してもよい。また、混合気送込通路および排気通路でな
くとも、燃焼室10内に混合気を送り込むことができ、
燃焼ガスを排気できる構成であればよい。
【0048】なお上記実施形態においては、圧縮機構1
を用いた内燃機関と過給器を示したが、これに限らず、
本発明の圧縮機構1を、スーパーチャージャーやポンプ
などに用いてもよい。
【発明の効果】以上のように、本発明の圧縮機構によれ
ば、圧縮機構は、円環および回転体の他方が、不動の一
方に対し回転することによって圧縮動作を行うことがで
き、さらに、この回転時に、回転体のウォームが円環の
内側面上を相対的に摺動するので、圧縮動作時に発生す
る振動が小さい。従って、円滑な圧縮動作を行うことが
できる。また、このような圧縮機構を用いた内燃機関に
おいては、運転時に発生する振動が小さく、円滑な運転
を行うことができる。さらに、このような圧縮機構を用
いた過給器においては、過給運転時に発生する振動が小
さく、円滑な過給運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる圧縮機構および
この圧縮機構を用いた内燃機関の(a)平面図と、
(b)略断面図である。
【図2】圧縮機構の回転体の(a)正面図と、(b)部
分拡大図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】圧縮機構の円環の(a)平面図と、(b)略断
面図である。
【図5】圧縮機構の円環およびウォームホイールの
(a)略断面図と、第2の封止部材8の(b)外観図で
ある。
【図6】圧縮機構の円環の外観図である。
【図7】圧縮機構を用いた内燃機関の作動説明図であ
る。
【図8】圧縮機構を用いた内燃機関において、回転力が
発生する原理を説明する略図である。
【図9】図8の説明を補足する略図である。
【図10】第2実施形態にかかる圧縮機構を用いた過給
器の略断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機構 2 内燃機関 3 円環 3a 円環面 3b 内孔 3c 外端部 4 ウォーム 5 回転体 6 ウォームホイール 7 第1の封止部材 8 第2の封止部材 9 第3の封止部材 10 圧縮室 11 混合気送込手段(混合気通路) 11a 混合気送込手段(弁機構) 12 点火手段(点火装置) 13 排気手段(排気通路) 31 空気送出手段(空気通路) 32 排気ガス供給手段(排気ガス通路) 33 遮断部 100 過給器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円弧状の内側面を有する円環と、
    該円環の前記内側面に沿って摺接するように周方向に形
    成されたウォームを有し前記円環に対して相対的に回転
    可能に設けられた回転体と、前記ウォームと係合しなが
    ら回転するように前記円環に設けられたウォームホイー
    ルとを備え、前記円環および前記回転体の一方が不動に
    構成され、前記円環および前記回転体の他方が前記一方
    に対して回転することに伴い、前記ウォームホイール
    歯と、前記ウォームと、前記円環の前記内側面との間に
    密閉状態で形成される圧縮室の容積が増減することを特
    徴とする圧縮機構。
  2. 【請求項2】 前記ウォームホイールには、前記回転体
    のウォームとの間を封止する第1の封止部材と、前記円
    環との間を封止する第2の封止部材が設けられており、
    前記ウォームには、前記円環および前記ウォームホイー
    ルとの間を封止する第3の封止部材が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載の圧縮機構。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の圧縮機構と、前
    記圧縮室内に混合気を送り込む混合気送込手段と、前記
    圧縮室の容積が最小値のときに、前記圧縮室内の混合気
    に点火する点火手段と、前記圧縮室内の混合気が燃焼し
    たのち、燃焼ガスを排気する排気手段とを備えたことを
    特徴とする内燃機関。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の圧縮機構と、前
    記圧縮機構により圧縮された空気を送り出す空気送出手
    段と、容積が増加する側の前記圧縮室内に排気ガスを供
    給する排気ガス供給手段と、前記空気と前記排気ガスの
    混合を防止する遮断部とを備えたことを特徴とする過給
    器。
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