JP2865864B2 - 目標灯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は請求項１の公知部に記載の目標灯（マーカー
ライト）に関する。

このような目標灯は空港で例えば滑走路、誘導路等に
使用される国際出願公開第8800157号の目標灯が知られ
ている。しかしながら本発明の目標灯は地面に埋め込ま
れた照明器具から２つの反対方向に発生される光ビーム
を必要とする場合、例えば車道でまたはインターチェン
ジのレーンマーカーとして、パーキングエリア、貯蔵区
域及びその他の車両または歩行者区域で使用される。

特に比較的光度の高い光ビームを必要とする空港で使
用されるこの種の目標灯の公知の問題点は、光源から発
生する発熱及び照明器具の異なる光学的成分と光の相互
作用に関連している。従って視感度かまたは構成資材の
使用条件、実用寿命における強度及び機能的信頼度のど
ちらかにおいて妥協しなければならなかった。

このような問題点に対する本発明の主な目的は照明器
具内が比較的中温度であっても高視感度及び高光度を有
し且つ構成資材の実用寿命と同様に強度及び機能的特性
を得ることが可能な目標灯を提供することである。

同じ様に重要な第２の目的は小型で比較的単純且つ製
造費及び保守費用のかからない目標灯を提供することで
ある。

上述の目的は光源と上部カバープレート間に位置する
プリズムが光源から上方に向けられる光束に対して垂直
であるほぼ平面な下部面と少なくとも１つの鋸歯の形状
を有する上部面からなり、前記鋸歯の傾斜面は入射光が
各傾斜面で反射によって方向を変えられそして隣接する
傾斜面で可能な限り少ない屈折率で発せられるような傾
斜度を有し同時にカバープレートの下方鋸歯部に対する
入射角がほぼ垂直に維持されカバープレートの上面から
発生される２つの光ビームの所望の鉛直角を得ることが
できる目標灯を提供することにより達成される。

本願と関連して、上方に向けられた傾斜面と下方水平
面を有するプリズムは米国特許第4161770号から公知で
ある。しかしながらこの公知の目標灯では光線はプリズ
ムの上方頂点部から直接発生され、この部分はハウジン
グの溝を有するカバー上に突出しており、前記カバーは
基本的には地表面に位置している。従ってこの場合目標
灯はほぼ平面な透明のカバープレートを設けておらず、
その代わりカバーのスロットを介して突出している尖頭
縁部（傾斜角の大きい）を有しこのことは例えば除雪な
どをする際にプリズムが損傷したり適切な位置から移動
してしまう等の不都合な点が生じる。

傾斜面の適切な傾斜角を定め地表面に対する光ビーム
が発生される所望の鉛直角と同様、カバープレート材と
プリズムの屈折率を考慮しながら、プリズム内の各傾斜
面で反射する目標灯の光学的構成を最適化することは可
能であり、この構成において反対方向斜め上方に配向さ
れた光束がプリズムの隣接する傾斜面から発生される
際、ごく僅かに屈折し、カバープレートの下側部の対応
する鋸歯部に進入する場合も同様である。この時光束は
実際は正確ではないが傾斜面に対してほぼ90度の角度を
形成する。これによって目標灯の内部光学的成分の屈折
による発熱量は非常に少なくなり関連してカバープレー
トの上面は耐衝撃及び耐磨耗性に秀ぐれ、実用寿命を長
くすると同様に作動中の寸法安定性及び機能的信頼度に
おいても有利である。スネルの法則を用いれば容易に当
業者によって各傾斜角を最も適した設定にすることは可
能である。

請求項２に記載の通り、プリズムの鋸歯面は部分的に
カバープレートの下方鋸歯面に延伸させるのが好まし
い。これによってカバープレートの鋸歯面が地表面（カ
バープレートの面）に対して45度を越える傾斜角からな
っていても満足できる視感度が得られる。プリズムの鋸
歯面をカバープレートの鋸歯面の部分に突出させること
によって光に濃淡が生じず、また隣接する表面部で望ま
しくない屈折をせずまたそれによって生じる間違った方
向へ光が発生されなくなった。プリズムの鋸歯表面はカ
バープレートの鋸歯表面部に離れて突出しているのでプ
リズムの各傾斜面から発せられる光束はカバープレート
の対応する傾斜面に入射し隣接する傾斜面と相互作用せ
ず隣接する傾斜面の上を通過する。このような相互作用
は上述した望ましくない余分な屈折の原因となる。

プリズムの鋸歯表面を部分的にカバープレートの鋸歯
表面に配することによって、光学的部分の鉛直幅は減少
したことによって小型になった。請求項３に記載の通
り、プリズムと同様に複数の鋸歯表面を部分的に突出さ
せればさらに小型化できる。これによって目標灯は比較
的小さくなり照明器具のケーシングは比較的浅い現存す
る地面に穴に収まるよう設計することができる。

カバープレート及びまたはプリズムは成形品を熱プレ
ス加工によって製するのが好ましく、光学的に作用する
面の部分処理は必要なくなる。よって製造は簡単になり
コストもかからなくなる。

本発明のさらなる特徴及び利点を添付図面を参照し詳
述する。

第１図は照明部分を切断して示す本発明の目標灯の斜
視図。

第２図は本発明の目標灯の上面図。

第３図は主光線と光学構成部品を示す略図。

第４図は第３図の一部拡大図。

第１及び２図に示す目標灯は（上述の国際出願公開88
0157号の目標灯と同様に）基本的にアルミニュウム合金
でできた円筒状金属ケーシング（１）からなり、該ケー
シングの下方に取り付けられたレフレクターランプ
（２）と上部に配された透明カバープレート（３）とそ
の下に位置し、前記レフレクターランプ（２）から上方
に配向された光束を２つに反対方向斜め上方に配向する
よう分離するための（第３図参照）透明なプリズム
（４）を有する。上部カバープレートから反対方向に配
向された光線は地表面に対して所望の特に小さい角度で
発生される。

この場合ケーシング（１）は基本的に上部環状カバー
部（1a）とレフレクターランプ（２）を含む下部円筒状
部（1b）の２つの部分に分かれ、該円筒状部の上にプリ
ズム（４）用の受け座を有する外方に向けられたフラン
ジ部（1c）が設けられている。

ケーシングのカバー部（1a）は点線によって示すハウ
ジィング（６）内に４つのネジ（７）によって固定さ
れ、該ネジはカバープレート（1a）の上面に皿型に埋め
こまれている。レフレクターランプ（２）に電気を供給
する連結手段（8a）を有するケーブル連結部（８）はハ
ウジィング内の下方自由部内にあり、ハウジィング
（６）の側面の開口部（6a）を介して地下に配されたケ
ーブルチャネル（図示せず）に延びている。

ケーシングの下方部（1b）は下から挿入される複数の
ネジ（９）によってフランジ部（1c）でカバー部（1a）
に連結され、連結を強化するために環状密封手段（10）
が設けられている。ケーシングの２つの部分（1a）（1
b）の連結によって、同時に前記上部カバープレート
（３）はカバー部（1a）の内方凹部の側面部により形成
される上方にテーパーした円錐状受け座（11）内に嵌合
され且つフランジ部（1c）の上の環状密封手段に接して
上部カバープレート（３）の半径方向外方の平面である
下側部が当接しているので上部透明カバープレート
（３）とその下に位置するプリズム（４）は適切な部分
に位置することになる。カバープレートは回転方向に２
つの対向して配されたいくらか浮出した舌部（12）によ
って固定され、該舌部（12）はカバー部（1a）の内方凹
部内に特定の長さを持って突出しており透明カバープレ
ート（３）の補足的に形成された凹部（13）に嵌合して
いる。回転方向に対してカバープレートを固定する他に
これらの舌部（12）は特に除雪の際の鉄製のスクレーパ
ーブレードによる磨耗から守り鉛直に働く荷重（飛行機
または車両の車輪による）を軽減し、光学的に作用する
透明カバープレート（３）に対する応力を軽減する役割
を果たす。プリズム（４）はフランジ（1c）の内方の受
け座（５）とカバープレート（３）の下側に対する密封
手段（10）間の固定位置に該プリズムの半径方向外方側
部に対して保持されている。実施例において、前記プリ
ズムは複数の固定ピン（14）によって回転に対し固定さ
れ、該固定ピンは不規則に配されプリズムの対応する腔
内に嵌合されるのが好ましい。回転に対して確実に固定
するために受け座（５）と前記プリズム（４）内に対応
する凹部で特別な肩部を設けてもよい。

中央部分（15）の下側で（第２図参照）前記カバープ
レート（３）には複数の鋸歯部（実施例では４つ）が設
けられ、互いに平行に傾斜した鋸歯面（16a）（16b）を
形成し（第３図参照）それに対応して前記プリズム
（４）には同じ数の鋸歯部が設けられそれぞれ平行に傾
斜した鋸歯表面（17a）（17b）を形成している。第３及
び４図から明らかな通り、前記鋸歯部はギヤ歯のように
互いに突出しているが接触はしない。通常鋸歯部の傾斜
面（16a、16b）と（17a、17b）の傾斜角は異なる。

実施例の光源即ちレフレクターランプ（２）は上方に
配向される互いに平行である光束を発し、鉛直方向に配
向された光線（L1）（L2）は前記プリズムの平面である
下側部（4a）に90度の角度で衝突し、よって特定の反射
による避けることのできない光線の減少を最小限にとど
めることができる。プリズム（４）の下表面の反射率は
反反射コーティングを下表面（4a）に施すことによって
通常の４％以下に減少される。

光線（L1）（L2）はプリズム（４）を介して光束の形
状のまま鉛直方向に上昇する。光線（L1）は（第４図参
照）傾斜面（17b）（右鋸歯部）に衝突し、そこで上下
の鋸歯部間（第４図において光線（L1）は（B1）で）の
空間へと反射してこれらの光線（L1）は斜め上方へ（第
３及び４図の左へ）向きが変えられ同じ鋸歯部の隣接す
る傾斜面の上部を介して通過する。光線（L2）はこれと
対応して隣接する前記表面（17a）で（第４図の（B2）
で）反射し斜め上方（第３及び４図の右へ）へと向きが
変えられ、前記光線（L2）は表面（17b）（第４図の（A
2））を介して通過する。

カバープレートの屈折率が1.4でプリズムの屈折率が
1.5でカバープレートの上部傾斜角（3c、3b）の角度δ
が地表面に対して９度であり、光ビーム（L1″）と（L
2″）の地表面に対する上昇角度は３度に設定したこと
によってカバープレート（３）の鋸歯部（16a）（16b）
は74度の鋭角の開口角度（２γ）を形成し、プリズム
（４）の鋸歯部（17a）（17b）はさらに鋭角な56度の角
度（２β）を形成するよう選択された。このことは光線
（L1）と（L2）はそれぞれ表面（17b）（17a）にβ＝28
度の角度で衝突し同じ28度の角度で反射し隣接する傾斜
面に入射角（α）（α＝56°＋28°）で入射し即ち法線
に対して６度の角度で入射する。この境界面は屈曲によ
って（空間に対して）法線に対する出射角９度はスネル
の屈折の法則に従って生じたもので（プリズム（４）の
屈折率は1.5）それによって方向を変えられた光線（L
1）と（L2）はカバープレートの各鋸歯面に垂直に入射
し伴に２つの異なる方向に配向された光束（L1′）と
（L2′）を形成し（第３及び４図参照）地表面に対し37
度の角度をもって入射する。従って、カバープレート
（３）の僅かに傾斜している（δ＝９°）上面部（3a）
（3b）に対する入射角は前記上面部の法線に対して90°
−37°−９°＝44°となり、前記法線に対する外出角
（カバープレートの反射率は1.4）は78度となり、即ち
望ましい上昇角度（ε）は90°−78°−９°＝３°とな
る。

光線（L2）が表面（17a）の（B2）の部分即ち隣接す
る面（17a）（17b）の下縁部に近いところで、入射して
も（A2）の位置で反射したのち隣接するカバープレート
の鋸歯部（16a）（16b）から（右へ）自由に進みプリズ
ム（４）とカバープレート（３）の間の空間を通過し、
カバープレートの鋸歯面（16b）を介してカバープレー
ト内に進入することは第４図から明らかである。従っ
て、表面（17a）（17b）のどの部分で反射しても、全て
の光束（L1）と（L2）がカバープレートの上部の僅かに
傾斜している面（3a）（3b）に達するまでいかなる境界
面と接することなくカバープレート内を通過し、光束が
カバープレートの上部傾斜に達した時光束は地表面の方
へ屈折し、それぞれ光ビーム（L1″）と（L2″）を形成
する。

実施例中、カバープレート（３）の厚さは光束（L
1′）（L2′）が前記カバープレートの上側部の頂部で
完全に離隔され、僅かな傾斜面（3a）（3b）間に光ビー
ムが発せられない中央ストリップ（3c）が形成されてい
る。実施例中、このストリップ部（3c）はカバー部（1
a）の対向している舌部（12）の間を延び、平面であ
る。仮にカバープレート（３）が薄い場合（または鋸歯
部が鋸歯の縁部即ち第３図の平坦部に対して横手方向に
広がる場合）傾斜部（3a）（3b）は鋭角によって限定さ
れているのでこのような光線を発しない領域がなくな
る。カバープレートの上面が全体的に平面で高屈折率を
有する材質を選択した場合または光ビームの上昇角度
（ε）が３度以上である場合、光ビーム（L1″）と（L
2″）は部分的に重なり合うことがある。

光ビーム（L1″）と（L2″）は光源（２）とプリズム
（４）間にカラーフィルターを配して所望の色にするこ
とができる。例えばレフレクターランプ（２）の上にフ
ィルタープレート（18）（第１図）を配したり、プリズ
ムの平面な下側部にコーティングを施してもよい。

カバープレート（３）とプリズム（４）の材質（及び
屈折率）と同様にカバープート（３）とプリズム（４）
の厚さ及び角度（α、β、γ、δ）の設定は異なる設計
要件を調整し当業者によって選択されることは明らかで
ある。材質及び設定における自由度が鋸歯部を鋭角また
は鈍角にしたりカバープレートの下方鋸歯部にに異なる
角度の傾斜部を選択し、一方プリズム（４）の上部鋸歯
部に異なる角度の傾斜部を選択することによって材質及
び設定の選択の自由の幅が広がった。同時に、しかしな
がら、強度及び周囲温度での抵抗度に関する基準を考慮
しなければならない。例えばカバープレート（３）及び
またはプリズム（４）にガラスまたはエポキシまたはア
クリルプラスチックまたはMegithanという名で市販のプ
ラスチックなどのプラスチック材を用いてもよい。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地上と同一面に設置されたケーシング
   （１）と、 上方に配向される光束（L1）（L2）を発生する下方に位
   置する光源（２）と、 前記上方に配向された光束を斜め上方に反対方向に配向
   される２つの光束に隔離するために設けられた傾斜面を
   有し前記光源の上に設置されたプリズム（４）と、 前記光束が通る部分が少なくとも透明で２つの反対方向
   に僅かに傾斜し取付の際地表面に位置する上方面（3a、
   3b）と少なくとも前記光束が通る部分が鋸歯状になって
   いる下方面（16a、16b）を有する上部カバープレート
   （３）からなり、前記プリズム（４）と前記鋸歯面（16
   a、16b）は前記斜め上方に向かう光束が各鋸歯面に基本
   的に直角に入射するように相互に設定され、前記カバー
   プレート（３）の鋸歯面を通過した後２つの光ビーム
   （L1″、L2″）が所望の鉛直角で反対方向に発せられる
   ように前記カバープレートの上面（3a、3b）で屈折する
   目標灯において、 前記プリズム（４）は光源（２）から発生される上方に
   配向された光束（L1、L2）に対して垂直な下方平面部
   （4a）と傾斜面（17a、17b）を有する少なくとも１つの
   鋸歯部を有する上面からなり、前記傾斜面は入射光がそ
   れぞれの傾斜面（17a、17b）で反射した後方向が変えら
   れ各隣接する傾斜面で可能な限り少ない屈折率で前記入
   射光が発生され、同時に前記カバープレートの下方鋸歯
   面に垂直に入射し、前記２つの光ビーム（L1″、L2″）
   がカバープレートの上表面から所望の角度（ε）で発生
   されるよう構成したことを特徴とする目標灯。
2. 【請求項２】前記プリズム（４）の上部鋸歯面（17a、1
   7b）は一部が前記カバープレートの下方鋸歯面（16a、1
   6b）内に延びていることを特徴とする請求項１記載の目
   標灯。
3. 【請求項３】前記プリズムと同様に前記カバープレート
   （３）には複数の鋸歯部（16a16b、17a、17b）が設けら
   れていることを特徴とする請求項１または２記載の目標
   灯。
4. 【請求項４】前記カバープレート（３）及びまたは前記
   プリズム（４）成型品を熱プレス加工によって製するこ
   とを特徴とする先行請求項いずれか１項記載の目標灯。