JP2865639B2 - 金属酸化物を精錬することによりステンレス鋼を製造する方法 - Google Patents

金属酸化物を精錬することによりステンレス鋼を製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の製
造中にクロマイト鉱石を精錬(smelting)および精製
(refining)してクロムユニットを得るための3段階の
方法に関する。より詳細には、クロム鉱石、炭素および
スラッジング剤を含有する鉄浴が、炭素飽和量未満の炭
素含量を有する鉄−クロムベースの合金浴を中間製造物
として製造する反応器内で精錬および精製される。この
クロム合金化鉄浴はついで、規格に合わせて脱炭され、
そして残余のクロム酸化物が全て還元されて高収率にク
ロムを得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】ステンレス鋼の工業的製造方
法の従来技術の1つは、クロム含有スクラップとフェロ
クロムとをアーク炉のような熔融炉内で熔融し、次いで
クロム合金化浴を精製反応器内で攪拌しながら脱炭する
ものである。典型的には、約15重量%のクロムが再度
酸化されてスラグとなるが、これは浴の熱力学的炭素活
性が低いためである。脱炭工程の次は還元工程であり、
該工程において珪素またはアルミニウムのようなメタロ
イド還元体が装入され、そして高純度アルゴンが噴射さ
れてクロム酸化物から浴へとクロムユニットが回収され
る。この工程に続いて、フェロクロム添加による調整を
行って最終的な合金規格とする。
【0003】フェロクロムとは、20〜70重量%のク
ロム(Cr)と4〜8重量%の炭素(C)、主として鉄
である残余および不純物を含有する合金を意味する。従
来法による製造において使用される高品質クロマイト精
鉱および電力への依存のために、フェロクロム中のCr
ユニットは高価である。冶金品位のクロマイトが潜弧炉
内でコークスにより精錬され、その後チルに鋳造され
る。効率的な精錬には装入物が正確に寸法合わせされる
ことが必要である。
【0004】近年の進歩は、低品質な化学品位のクロマ
イトまたは精鉱からの液状フェロクロムの精錬であり、
精錬後、この液状フェロクロムは、ステンレス鋼へ精製
するための別の反応器内の鉄浴に添加される。米国特許
第4,565,574号明細書は、予備還元および予備加熱され
た炭素含有クロマイトペレットから頂部及び底部(top-
and-bottom)吹き込み転炉内で液状フェロクロムを製造
する方法を開示している。このペレットは、粉末化コー
クスおよび化学品位のクロマイト鉱石から調製される。
得られたペレットは、予備加熱および部分的金属化のた
めに、追加のコークスおよび生石灰と共にロータリーキ
ルン内に装入される。次いでペレットは、熱いままで、
プロパン保護された底部吹き込み羽口および酸素が噴射
される流路である頂部ランスを備えた転炉内に装入され
る。このランスの目的は、第一にクロマイト還元により
生じた一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO2)へと燃
焼させ、それによって金属浴を保護するスラグ層内に後
燃焼熱を送達することである。熱バランスには、充分な
熱を、炭素によってクロマイトをクロムと鉄とする吸熱
還元するために利用することを確実にするために、充分
な程度(>30%)の後燃焼熱およびその熱転換効率
(>85%)が必要とされるようである。スラグ層にお
いて早い速度の還元を保つために重要なことは、スラグ
内に約20重量%のコークスが維持されねばならないこ
とである。スラグ内のコークスの存在は泡立ちも最小限
にする。スラグ層内のコークスの存在は浴からスラグへ
のクロムの再酸化を最小限とすることにも役立つが、ク
ロム含有量に比例した炭素飽和限界までのコークスから
浴への炭素の溶解という遺憾な結果をもたらす。スラグ
と浴との温度の差を排除し、かつ還元の充分な速度論を
達成するために、いわゆる強い攪拌必要とされる。攪拌
の程度は、耐熱性内張りの過剰な損耗という結果を生じ
ると思われるよりも弱く保たれる。
【0005】米国特許第4,961,784号明細書は、頂部−
底部および側方吹き込み能力を備えた転炉中で原料クロ
マイト鉱石を精錬する方法を開示している。約18重量
%のCrと6重量%のCを有する液状フェロクロムが約
1時間以内に製造される。熔銑が転炉内に装入された
後、周囲温度で原料クロマイト鉱石、コークスおよびフ
ラックスが浴に添加される。装入材料の温度を浴温度と
するための比較的大量の顕熱および炭素によるクロマイ
トの高い吸熱還元のための大量の反応熱は、総量で大量
の熱が必要とする。この熱は、主として、脱炭からのC
Oの高い度合いの後燃焼熱から、高レベルの熱交換効率
で供給される。脱炭および後燃焼熱を確実にするための
酸素は、頂部ランスから送り込まれ、底部および側方の
羽口にはCOだけおよび/またはアルゴン(Ar)また
は窒素(N2)が噴射される。ランスは、泡の安定化のた
めに、大量のチャーを含有する泡だったスラグ内に入れ
られる。このランスは、スラグを突き抜けてその下の金
属浴内に至る脱炭のための酸素ジェットおよびスラグを
突き抜けない後燃焼のための他の酸素ジェットを提供す
るように構成されたノズルを包含する。適切な量の側方
ガス噴射と組み合わせることにより、酸素噴射は、達成
されるべき85%の比較的高い平均熱交換効率で、少な
くとも30%程度の後燃焼を可能にする。
【0006】特開昭58−117852号公報は側方吹き込み能
力を備えた頂部及び底部吹き込み転炉を用いる方法を開
示している。微細な原料クロマイト鉱石およびコークス
が熔融金属内に装入される。しかしながら、米国特許第
4,961,784号明細書とは異なり、酸素は3つの部材全て
から吹き込まれ、頂部から噴射される酸素は比較的穏や
かに吹き込まれる。精錬工程後に、酸素噴射が頂部ラン
スからだけ続けられる最終工程が行われ、その結果とし
て、20〜32重量%のクロムを有する炭素飽和鉄−ク
ロム合金を得る。
【0007】欧州特許出願第330,483号明細書は、熔融
ステンレス鋼スクラップから炭素飽和鉄−クロム浴を製
造し、ついで頂部及び底部吹き込み能力を備える転炉内
で部分的に還元されたクロマイトペレットを精錬する方
法を教示している。スクラップ、コークスおよび熔融し
た鋳物用銑鉄が前記転炉内に装入される。鋳物用銑鉄の
脱炭により生じた熱がスクラップを熔融する。フラック
スが添加されて、スクラップおよび鋳物用銑鉄内に含有
された珪素から発生する二酸化珪素(SiO2)を中和す
る。約30分間後に、部分的に還元されたクロマイトペ
レットと炭質材料が転炉内に装入される。酸素の頂部及
び底部吹き込みを約45分間行い、約15重量%のCr
と5.5重量%のCを含有する炭素飽和浴を製造する。
高価なフェロクロムの使用はさけられる。
【0008】米国特許第5,302,184号明細書は、合金含
有材料、フラックスおよび炭質材料を直接金属浴中に送
り込み、液状フェロクロムのような液状合金鉄を作る方
法を開示している。液体鉄が精錬媒質であり、酸素含有
ガスの噴射によって攪拌される。この方法は連続方法で
あることができるが、その目的は、還元されるべき金属
酸化物に応じて、系内に投入された酸素ポテンシャルを
調節することである。この調節は、鍵となる成分を噴射
させる相対的割合を調節することにより達成される。炭
素含量は、炭質材料の添加または噴射により3重量%か
ら12重量%の間に維持される。また、酸素も噴射され
て40〜60%の間の非常に高い程度の後燃焼が生じ
る。反応容器内における高い度合いの後燃焼と攪拌によ
り、金属の液体粒子が熱および酸素源に連続的に曝露さ
れて脱炭が進行する。これらの液体粒子が浴内に戻って
必要な熱を充分に移行させ、そして炭素の乏しい金属を
提供し、ついで、この金属は浴内に噴射された炭質材料
と接触したときに炭素を吸収する。
【0009】それでも、高価なフェロクロムの代わり
に、ステンレス鋼の製造中に原料クロマイト鉱石または
クロマイト鉱石精鉱から直接的に安価な金属Crユニッ
トを提供する必要が未だある。クロマイト鉱石の精錬の
ための上記従来技術に含まれる物理化学的および熱化学
的方法は、特定の要求に対してだけ最適に適合され得る
という、生来的な制限を有している。重要な制限の1つ
は、比較的高炭素含量の液状フェロクロムの製造であ
る。直接的にステンレス鋼に精製されるように製造され
たフェロクロムにおける飽和またはその近傍での高い炭
素含量は、それがベース合金であれば長い脱炭工程を必
要とするし、あるいはそれが種々の精製反応器に供給す
る母合金であるときにはより大きな熔融作業場(melt s
hop)を必要とする。もう1つの重要な制限は、高い度
合いの後燃焼が熱バランスのために必要とされることで
ある。この方法のエネルギー効率を高めることが望まし
いが、それは最も経済的であるとは言えないであろう。
高度な後燃焼は、結果的に耐火物の過剰な損傷を招く可
能性があり、そして許容され得るクロム収率を維持する
ために過剰の炭質材料に頼って必然的に高炭素製品とい
う結果となる可能性もある。
【0010】本発明の主たる目的は、安価な化学品位の
原料クロマイト鉱石またはクロマイト鉱石精鉱から、安
価な金属Crユニットを製造することである。本発明の
別の目的の1つは、熔銑を含有する単一の精製反応器内
でクロマイト鉱石を還元することである。本発明の別の
目的の1つは、ステンレス鋼の規格に必要とされる総金
属Crユニットの少なくとも20%をクロマイト鉱石か
ら得ることである。
【0011】本発明の別の目的の1つは、ステンレス鋼
の規格に必要な実質的な金属Crユニットを、高価なフ
ェロクロムにはあまり頼らずに、本質的にはクロマイト
鉱石から得ることである。本発明の別の目的の1つは、
ステンレス鋼の従来の製造方法に比べて、熔融、精錬お
よび還元時間の総計が大体同一であるかまたは僅かに増
大した時間で、ステンレス鋼の規格のために必要な金属
Crユニットをクロマイト鉱石から提供することであ
る。本発明の別の目的の1つは、最小限の資本投下で、
クロマイトの精錬および還元工程を、既に存在する、熔
銑を供給するための熔融炉内で統合して行うことであ
る。本発明の別の目的の1つは、最小限の資本投下かつ
僅かに増大した製造時間で、クロマイトの精錬および還
元工程を、小規模の、特製品(speciality)または小さ
なミルを用いた熔融作業場に適合させることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステンレス鋼
を作るための高クロム合金浴の製造中に金属Crユニッ
トを提供するための金属酸化物の還元方法に関する。本
発明は、鉄浴攪拌手段を有する反応器内に鉄/スラグ浴
混合物を用意することを包含する。鉄浴は溶解した炭
素、酸素結合クロムおよび鉄金属を含有し、そしてスラ
グ成分を伴う。酸素含有ガスが攪拌手段を介して噴射さ
れて、脱炭が行われ、且つ鉄浴、スラグおよび酸素結合
金属を激しく攪拌されてクロム合金浴が形成される。攪
拌ガスの酸素含量は、合金浴の炭素含量が合金の最終的
な炭素量規格に近づくに連れて減らされる。次いで、メ
タロイド還元体が反応器内に装入され、そして非酸化ガ
スが攪拌手段を介して噴射されて、動的平衡が保たれ、
かつクロム収率が最大となるまで合金浴をリンスされ
る。
【0013】本発明の別の特徴の1つは、反応器が酸素
ガスの頂部吹き込み手段を含み、そして酸素ガスの一部
が鉄浴上方に放出されてCOとH2の後燃焼が行われ、
且つ残余の酸素ガスが鉄浴中に噴射されて脱炭が行われ
COを生じさせることである。本発明の別の特徴の1つ
は、吹き込み手段を通るガスおよび攪拌手段を通るガス
の総量が少なくとも0.5 NM3/分/MTであることで
ある。本発明の別の特徴の1つは、反応器内に流入する
ガスの総量の30〜60%が攪拌手段を通ることであ
る。本発明の別の特徴の1つは、COおよびH2の後燃
焼の度合いが50%未満であることである。
【0014】本発明の別の特徴の1つは、前記攪拌ガス
が、後燃焼の後で4/1という酸素の非酸化ガスに対す
る初期モル比を有し、そしてそのモル比が脱炭終了時ま
でには1/3まで減少することである。本発明の別の特
徴の1つは、酸素吹き込み前の鉄浴の温度が少なくとも
1500℃であることである。本発明の別の特徴の1つ
は、初期鉄浴が少なくとも0.5重量%から飽和量まで
の炭素を含有することである。本発明の別の特徴の1つ
は、クロム合金浴が、後燃焼の終了時に0.5〜1.5重
量%のCおよび少なくとも2重量%のCrを含有するこ
とである。
【0015】本発明の別の特徴の1つは、後燃焼の終了
時点におけるクロムの総収率が少なくとも70%である
ことである。本発明の別の特徴の1つは、前記酸素結合
金属が、原料クロマイト鉱石、クロマイト鉱石精鉱、部
分的に金属化されたクロマイト鉱石およびクロム酸化物
ダストからなる群からのものであることである。本発明
の別の特徴の1つは、前記酸素結合金属が少なくとも1
000℃まで予備加熱されることである。本発明の別の
特徴の1つは、初期鉄浴に、固体炭質還元体およびスラ
ッジング剤を添加することを包含する。
【0016】本発明の別の特徴の1つは、炭質還元体
が、酸素結合金属の予備金属化に必要な量よりも過剰量
の固体炭素を包含することである。本発明の別の特徴の
1つは、Cr23またはFeOを除く後燃焼の間のスラ
グ重量が400kg/MTを越えないことである。本発
明の別の特徴の1つは、メタロイド還元体を初期鉄浴に
添加することである。本発明の別の特徴の1つは、クロ
ム−炭素合金浴の金属Crユニットの総量の少なくとも
20%がクロマイト鉱石から導かれる。本発明の別の特
徴の1つは、初期鉄浴が、炭素鋼スクラップ、ステンレ
ス鋼スクラップおよび鋼製プラント廃棄物からなる群か
らの固体鉄材料をアーク炉内で熔融した浴であることで
ある。
【0017】本発明の利点は、同一精製反応器内で鋼を
精錬および精製することが可能であり、かつ鉄浴の脱炭
中に生じるクロムの再酸化を最小限とする、安価な化学
品位のクロム鉱石および精鉱を用いた、ステンレス鋼を
製造するための経済的な方法を包含することである。別
の1つの利点は、ステンレス鋼スクラップならびにCr
ユニットの副次的ソースとして高価なフェロクロム合金
を用いてステンレス鋼を製造し得ることである。付加的
な利点は、最小の資本投資で、小規模の、特製品または
小さなミルの熔融作業場において既に存在するアーク炉
に、本発明の方法を適合させることを包含する。本発明
の上記およびその他の目的、特徴および利点は、下記の
具体的な説明および添付図面から明らかとなろう。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の目的の1つは、ステンレ
ス鋼を作るときに必要な金属Crユニットのできるだけ
多くを、原料クロマイト鉱石、クロマイト鉱石から作ら
れる精鉱、一部金属化されたクロマイト鉱石およびクロ
ム酸化物含有鋼製プラント廃棄物等のクロム酸化物また
は酸素結合クロム含有金属の安価な供給源から得ること
である。その目的で、AISI品位409のようなステ
ンレス鋼を作るときには90%程度の金属クロムユニッ
トをクロマイト鉱石から得ることができ、そしてAIS
I品位304および439を作るときには50%を得る
ことができる。ステンレス鋼規格に必要なCrユニット
の幾らかの部分は、ステンレス鋼スクラップのようなク
ロムを含有する装入材料から獲得され得ることは理解さ
れよう。さらに、最終合金規格に要する浴規格に適合す
るための最終的な調整添加物として、少量のフェロクロ
ム合金も使用され得ることも理解されよう。
【0019】本発明は、酸素結合クロム金属から直接的
にステンレス鋼を製造するための3段階の方法に関す
る。鉄浴中で加熱された後、酸素結合クロム金属は、充
分に攪拌された鉄/スラグ浴内で、低あるいは中程度の
炭素含量且つ中間的なクロム収率に、少なくとも部分的
に精錬される。次いで、クロム合金化された浴は、最終
浴規格まで脱炭される。精錬の間は酸素結合クロム金属
の一部が残っているので、脱炭の間に生じる浴内でのク
ロムの再酸化が最小限とされるが、これは本発明の方法
の重要な利点である。その後、クロム合金化された浴は
メタロイド還元体でさらに還元されて、クロム酸化物か
ら金属Crユニットを回収することにより、低い炭素含
量で高いクロム収率を得る。精錬、脱炭および還元が同
一の精製反応器内で起こる。この方法の全ては、アルゴ
ン−酸素脱炭器または真空酸素脱炭器のような酸素ガス
を上部から吹き込む手段を備えるように改装されること
が好ましい、精製反応器およびアーク炉等の熔融炉を装
備した熔融作業場内で実施することができ、それにより
資本の消費を減少する。
【0020】本発明の利点の1つは、相対的により高価
なフェロクロムおよびステンレススクラップを部分的に
代替する安価なクロマイト鉱石およびその精鉱を用いて
精製反応器中でステンレス鋼を作る経済的な方法を提供
することである。より具体的には、部分的に還元され、
かつ予備加熱されたクロマイトが鉄浴内で精錬され、こ
れが同じ反応器内で直接にステンレス鋼に精製される。
本発明の方法は、好ましくはアルゴン−酸素脱炭器(A
OD)、真空-酸素脱炭器(VOD)またはクラソト−
ロイレ−ウッデホルム(Crusot-Loire-Uddeholm, CL
U)内にランスのような頂部吹き込み手段を備えるよう
に改装された反応器を有する、あるいは一般的な頂部及
び底部吹き込み精製反応器(TBRR)を備え付けた、
既に存在するステンレス熔融作業場内で経済的に実行さ
れる。
【0021】本発明のよりどころは、通常は還元し難い
金属酸化物であるクロマイト鉱石の急速な還元を行う前
記AOD、VOD、CLUまたはTBRRの混合能力の
活用にある。炭素が精錬初期段階における主な還元体で
ある。メタロイドである珪素(Si)、アルミニウム
(Al)、チタニウム(Ti)、マグネシウム(Mg)ま
たはカルシウム(Ca)のいずれか1つが、精錬初期段
階における共還元体および還元最終段階における唯一の
還元体であることができる。Si、Alまたはそれらの
混合物が好ましいメタロイド還元体である。
【0022】炭素によるクロマイト鉱石の精錬において
通常生じる熱不足は、下記工程の組合せにより補われ
る。即ち、クロマイト装入物の予備加熱と部分的金属
化、例えばCOのような精錬生成ガスの後燃焼、および
/またはメタロイド還元体の添加である。SiおよびA
l等のメタロイド還元体が最終還元中の還元体であると
きには、発熱反応により生じた熱が熱バランスに大きく
寄与するが、この熱だけが必要とされる熱源である。部
分的精錬の初期段階において充分な酸素が噴射されたと
きには、メタロイドの酸素による燃焼およびクロマイト
の発熱反応により生じた熱が、後燃焼、または装入物の
予備加熱あるいはクロマイトの部分的予備金属化の内の
1つまたはそれらを組み合わせたものの代わりとなり得
る。しかしながら、SiおよびAl等のメタロイドは、
還元クロム重量当たりの還元体としては炭素よりも高価
であるので、経済的不利益を招くことがある。また、そ
れらの使用は、特に予備金属化の程度に応じて、精錬初
期段階においてスラグ重量を増大させる可能性がある
が、このことは結局、製造される合金のトン数当たりの
クロム装入重量を規制する。本発明においては、主要な
還元体は、熱バランスに応じて最初の段階で補助的に作
用し得るメタロイドを伴う、炭素である。しかしなが
ら、これらのメタロイドは、送り込まれる酸素の不存在
下にクロム収率を改善するために、精錬の最終段階にお
いて使用される必要がある。最終還元段階においては、
メタロイドの燃焼のために送り込まれる酸素の不存在に
もかかわらず、メタロイドによるクロマイトの発熱還元
が、熱要求、即ち熱損失および不活性攪拌ガスの顕熱を
補うに充分である。
【0023】本発明の方法は、図1に模式的に説明した
TBRRのような1つの精製反応器10内で連続して起
こる別々の三つの段階を包含する。この反応器は、耐火
物内張り12;頂部端または炉喉14;底部端または底
16;浴直上の位置まで伸びたランス下部20を備えて
反応器の炉喉14から伸びる頂部ランスまたはパイプ1
8のような酸素吹き込み手段;ならびに反応器の底部ま
たはその近傍に備え付けられ、溶解炭素を含有する鉄/
スラグ浴混合物24を攪拌するために耐火物内張りを通
って伸びた羽口または多孔性プラグ等の手段22を包含
する。鉄浴は、スラグ重量によるが、薄いスラグ層26
により被われることができる。
【0024】以下に、本発明の方法をより詳細に述べ
る。予備加熱され、予備金属化されたクロマイト鉱石の
ような酸素結合クロム金属が、炭質還元体およびスラッ
ジング剤と共に、炉喉14を通して反応器内に装入され
る。次いで、ランス18の下部20の位置を下げて反応
内に入れるが、このとき該下部20は鉄/スラグ混合物
24内には入れずに、酸素ガスを反応器内に噴射する。
酸素ガスは本質的に純粋な酸素であることが好ましい。
反応器がランス18を包含していないときには、珪素の
ようなメタロイド還元体が、炭質還元体およびスラッジ
ング剤と共に添加されて、クロマイトの酸化および還元
に必要な熱を供給しなければならない。
【0025】図2はランス18を説明しているが、該装
置は、一般的な酸素供給装置(図示せず)を有する2つ
の流路を包含するので、該流路の1つを通って流れて浴
24内へと噴射される酸素ガスの割合が、COのCO2
への後燃焼のために別の流路を通って同時に流れる酸素
ガスの割合と独立させることができる。クロマイトの還
元による二酸化炭素の一酸化炭素への後燃焼は、スラグ
層および鉄/スラグ浴に熱を送達し、炭素によってクロ
マイトがクロムと鉄とに還元されるに充分な熱が供給さ
れることを確実にするために必要である。中央流路34
を通って流れる酸素ガス30は密集しかつ集中したジェ
ッドであり、スラグ層26を突き抜けて浴24内に入
り、熔銑を脱炭する。別の流路32を通って流れる酸素
ガス28は、熔銑に補助の熱を供給する、COのCO2
への後燃焼のために、鉄/スラグ浴24を被ってその上
に分散させられる。
【0026】攪拌手段22は酸素含有ガスおよび非酸化
ガスが噴射されるように適合させられる。攪拌ガスの一
部であって酸素を含有するガスは、空気、酸素に富む空
気、純粋な酸素、水、蒸気またはそれらを組み合わせた
もの、並びにアルゴン、N2またはそれらの混合物を包
含することができる。攪拌手段22は、酸素含有ガスが
内側の管を通って流れ、そしてメタンガスが外側の管を
通って流れる、1つまたはそれ以上の同心管を包含する
ことができる。メタンガスは羽口を冷却するように機能
する。連続した底部ガス噴射と共に装入材料が砕解およ
び熔融され、スラグ、熔銑およびクロマイト粒の激しい
攪拌が生み出される。予備還元されたクロマイト、スラ
ッジング剤および残余炭素の全てが、熱い鉄/スラグ浴
との接触により溶解するが、装入物中の未還元クロマイ
トはスラグ/金属混合物内に分散する小さな固体粒とし
て残存する。
【0027】図3は、酸素を浴内に噴射させるための、
金属パイプ35からなる中央流路34を説明している。
酸素を浴上方に放出するための外側流路32は、ランス
18の中央軸に対して約45°の角度β(図2参照)で
外向きに分岐し、等間隔に配置された4つの環状ノズル
33を包含する。ノズル33の末端は、ランス18の下
部20にある厚みの薄い円錐形の移行部分21である。
ランス18は、ランス全体の冷却剤を通す2つの同心導
管36および38を付加的に包含する。良好な後燃焼を
得るために、ノズル33を通って流れる酸素ガス30と
パイプ35を通って流れる酸素ガス28との相互干渉は
最小限とされなければならない。この目的で、ノズル3
3を通過した酸素ガス28は、下向きではあるが少なく
とも約30°の角度βで垂直なランスの中心軸から離れ
る方向に分岐しなければならない。一方、反応器内壁に
向かう酸素の速度を減少させるためには、角度βは約6
0°を越えてはならない。ノズル33を通る酸素ガス3
0の流量は、パイプ35を通って流れる酸素ガス28の
流量とは独立して制御されることが好ましい。必要な酸
素の流量および反応器のサイズに応じて、5つ以上のノ
ズル33または1つのパイプ35が使用されても良いこ
とが理解されよう。
【0028】装入材料の熔融および溶解、炭素によるク
ロマイトの部分的精錬、ならびに脱炭および後燃焼によ
る熱の発生が、段階1の鍵となる事象である。クロマイ
トの予備金属化の程度に応じて、精錬は少なくとも70
%、恐らくは85%またはそれ以上のCr収率まで進行
するが、一方で、浴の温度は、その初期温度から本質的
には変化しないままである。鉄浴の初期温度は約150
0℃から約1750℃まで、好ましくは1600〜16
50℃の範囲内であることができる。この温度は175
0℃未満であることが好ましいが、それはTBRR内に
おける耐火物の過剰な損耗に伴う費用のためである。
【0029】本発明の酸素結合クロム金属は、原料クロ
マイト鉱石、クロマイト鉱石から作られた精鉱、および
クロム酸化物を含有するスチールプラント廃棄物である
ことができる。クロマイト鉱石またはクロマイト精鉱と
は、25〜55重量%の間のCr23ならびに残部とし
てFeO、MgO、SiO2、Al23およびCaOを含
有する金属酸化物を意味する。Cr/Feの重量比は0.
9と3.5の間であることが好ましく、より好ましくは
1.5〜2.0である。クロマイトが部分的に金属化され
ていないときには、クロマイト粒の平均サイズを、好ま
しくは50メッシュ未満として、精錬時間を短縮するべ
きである。好ましくは100メッシュ未満のサイズの精
鉱が送り込まれて、微鉱石の過剰な損失を避けるべきで
ある。クロマイトが予備金属化されているときには、鉱
石は、凝集前に−200メッシュの粒サイズに砕かれる
べきである。クロム酸化物を含有するスチールプラント
廃棄物とは、炉ダスト、酸洗いスラグ、ロールミルの鉄
肌およびその他を意味する。
【0030】塊状の原料クロマイトまたは粗大精鉱が使
用されるときには、クロマイトは固体炭質還元体および
スラッジング剤と混合され、そして反応器内に自由に装
入することができる。または、クロマイト鉱石は粉砕さ
れ、そしてシンターまたはペレットとして凝集される
か、あるいはスラグ/鉄浴内に直接送り込まれることが
できる。凝集させられるときには、固体炭質還元体およ
びスラッジング剤が粉砕クロマイトと混合され、組み合
わされてシンターまたはペレットとされることが好まし
い。周囲温度(25℃)で未金属化シンターまたはペレ
ットは、回転炉床炉またはロータリーキルン、あるいは
随伴する炭質還元体によりクロマイト粒を部分的に予備
金属化するための、固体炭素によるクロマイトの固体状
態での還元を行い得る類似の炉等において部分的に金属
化されることができる。予備金属化されているときに
は、シンターまたはペレットは、還元炉から取り出した
直後、TBRRに移した後の温度が約1200℃までの
温度であるような、まだ熱い内に、反応器内に装入され
ることが好ましい。還元炉における放出温度は約140
0℃を越えるべきではないが、それは還元炉内の耐火物
にダメージを与えるからである。予備金属化され、予備
加熱されたクロマイト−炭素−スラッジング剤混合物
は、少なくとも10%金属化したクロム、少なくとも5
0%金属化した鉄および少なくとも1000℃の温度を
有するクロマイトと共に、反応器内に装入されることが
好ましい。
【0031】炭質還元体とは、主として固体である炭素
含有材料を意味する。この炭質還元体は、予備金属化ク
ロマイトに予備金属化過程に必要な量よりも過剰に随行
しているか、あるいは未金属化クロマイトの場合には、
反応器内の鉄浴に別々に装入されることができる。アー
ク炉(EAF)のような熔融炉内の反応器の上流部に熔
銑が供給されるときには、炭質還元体の一部分または全
部を、EAF内に装入することができる。適切な炭質還
元体は、コークス、コークス粉、石油コークス、木炭、
黒鉛、低〜中揮発性瀝青炭および無煙炭を包含する。鉄
浴を製造するために使用される固体鉄材料によるが、初
期鉄浴は、段階1におけるクロマイトの精錬のために溶
解した炭素を充分に含有することができ、そして反応器
内の浴への炭質還元体の添加が不要な場合があることが
理解されよう。
【0032】本発明で使用される適切なスラッジング剤
は、CaO、MgO、Al23、SiO2およびCaF2
を包含する。1またはそれ以上のスラッジング剤は、熔
融炉または精錬炉の上流部、あるいはクロマイトのペレ
ット化中であるような上流部において、精製反応器内の
浴に添加することができる。スラッジング剤の使用は、
クロマイト供給源、ならびに珪素またはアルミニウムの
還元体としての使用程度に応じた、好ましいスラグ塩基
度およびMgO/Al23の好ましいスラグ比に維持す
ることが好ましい。
【0033】鉄浴は、溶鉱炉内で形成されるか、または
その他の、鉄酸化物を含む固体鉄含有材料から液体鉄を
提供する能力を有する鉄精錬用装置内で形成されること
ができる。あるいは、鉄浴は、精製反応器内、または好
ましくはEAFのような熔融炉内の反応器上流部のどち
らかにおいて、固体の鉄含有スクラップおよびその他を
熔融することにより形成することができる。鉄浴を形成
するための適切な固体の鉄含有スクラップは、炭素鋼ス
クラップ、ステンレス鋼スクラップ、鉄炭化物、直接還
元鉄(DRI)または熱い団化鉄(HBI)(hot-briq
uetted iron)を包含する。鉄浴がEAF内でスクラッ
プを熔融して製造された場合には、鉄浴がまだEAF内
にあって反応器に移される前に、炭質還元体およびスラ
ッジング剤は部分的または全体的に鉄浴内に溶解または
熔融することができる。使用される鉄含有材料のタイプ
と炉に応じて、初期鉄浴は0〜15重量%のCrと、
0.5重量%から炭素飽和までのCを含有することがで
きる。以下に、本発明の3段階全てを、さらに詳細に説
明する。
【0034】段階1 本発明方法の段階1の間に、少なくとも1500℃の温
度の鉄浴が精製反応器内に提供される。クロマイト鉱石
は粉砕され、そして過剰の固体炭素およびスラッジング
剤と混合される。混合物は、「酸化性炎により加熱され
た回転炉床炉内で金属酸化物を還元する方法」と題され
て1995年6月6日に出願され、その教示がここに参
考として取り入れられる、米国特許出願第08/470311号
明細書(特願平8−143009号明細書)に記載の如
く、ペレットへと凝集され、そしてペレットは回転炉床
炉内で部分的に金属化される。予備還元されて少なくと
も10%のクロムおよび50%の鉄に金属化された後、
ペレットは、少なくとも1000℃、好ましくは120
0℃の昇温で、反応器の炉喉を通して装入される。
【0035】酸素ガスがランスを通して吹き込まれ、そ
して酸素含有ガスが0.5〜4NM3/分/MTの間、好ま
しくは少なくとも2NM3/分/MT、より好ましくは少
なくとも3NM3/分/MTの総流量を有する攪拌手段を
通して噴射される。攪拌手段を通して反応器内に流入す
るガスの総量は、ガス全体の30%から60%の間の割
合である。攪拌手段を通して噴射さるガスは非酸化ガス
を包含し、O2/非酸化ガスの割合は2と4の間である。
反応器がCLU転炉であるときには、酸素含有ガスは蒸
気を含むことができるが、それは鉄浴内に溶解した炭素
と反応するときに、H2Oから形成されたH2が、COの
分圧を下げ且つArの代替となり得るからである。段階
1のための反応器がVODであるときには、反応器が受
ける操作はAODにかなり類似しており、酸素が上部ラ
ンスから吹き込まれ、そして不活性ガスに伴われた酸素
が底部羽口から吹き込まれる。許容され得る非酸化ガス
はArまたはN2のような不活性ガスを包含するが、A
rであることが好ましい。
【0036】酸素がランスを通過することは、次の2つ
の機能を供する。即ち、脱炭のための酸素を供給し、そ
して浴から生じるCOとH2の二次的燃焼または後燃焼
のための酸素を供給する。どちらの燃焼反応も鉄浴に熱
を供給するが、後燃焼は、燃焼酸素ユニット当たり、脱
炭による熱の2倍を越える熱を発生する。後燃焼の度合
い(PCD)は、反応器に残ったガスについて、次のよ
うに定義される。
【0037】
【数1】100×(%CO2+%H2O)/(%CO+%C
2+%H2+H2O)
【0038】段階1において、PCDは、熱供給源とし
て採用されるときには50%未満であり、好ましくは2
0%から30%の間である。鉄浴に供給されるべき、純
粋なO2としての酸素ガスの総量は、熱および質量バラ
ンスに基づいて算出される。ランスのノズルは、後燃焼
を起こさせるために幅の広いジェッドを介して浴の全体
に亘ってその上方に酸素ガスの一部を向かわせ、そして
同時に、浴の脱炭のために集束したジェッドを介して浴
内に酸素ガスの残りの部分を向かわせる。廃ガスの望ま
しいPCDは、主として幅の広い噴射の角度およびその
モーメントに影響するノズル形状、ならびに浴からのノ
ズルの高さを調整することにより得られる。ランスのノ
ズルを鉄/スラグ混合物内に入れたり、または該混合物
を通したりしないようにして、ランスを通って流される
酸素ガスの一部が鉄浴上方で燃焼することを確実にする
ことが重要である。
【0039】与えられたPCDにおいて、後燃焼により
発生した熱の一部分であって、浴に実際に捕獲されるか
または移行された熱であり、浴に届くまでに失われた熱
および発生ガスに取られた熱を除いた熱を、熱交換効率
(HTE)と呼ぶ。本発明の重要な特徴は、ランスが浴
内に浸されないようにして浴上方における後燃焼の発生
を確実にすることである。ランスが浸された場合よりも
有意に少ない熱が浴内に捕獲または移行され得る。その
結果、本発明のHTEは、恐らく50%またはそれ以下
である。これは、ランスが浸されたときに達成される8
0〜90%程度のHTEと対称的である。ランスを浸す
ことは、クロム合金浴からスラグへのCrとFeの大量
の再酸化を防止し、且つスラグの泡立ちを防止するため
の、大量の固体炭素の存在を必要とする。段階1は、浴
の炭素含量が1.5重量%以下、好ましくは1.0重量%
未満、より好ましくは0.7重量%未満、そして最も好
ましくは0.5重量%程度に減少するまで続けられる。
即ち、酸素含有ガスを底部から噴射させると共に、酸素
ガスをランスを通して送り込み続ける。このとき、クロ
ム総量のCr収率は少なくとも約70%であるべきであ
り、そしてクロム合金浴は少なくとも2重量%のCrを
含有し、且つ1750℃を越えない温度であるべきであ
る。より好ましくは、Cr含量は少なくとも約70%で
あるべきであり、そしてクロム合金浴は少なくとも5重
量%のCrを含有するべきである。最も好ましくは、C
r収率は少なくとも約85%であるべきであり、そして
クロム合金浴は少なくとも8重量%のCrを含有するべ
きである。
【0040】本発明の別の重要な特徴の1つは、スラグ
の塩基度の組成およびMgO/Al23比を調節するこ
とである。スラグの塩基度は(%CaO+%MgO)/%
SiO2の重量比として定義される。このスラグの塩基
度は、少なくとも1.0、好ましくは少なくとも1.5、
より好ましくは少なくとも2.0、そして最も好ましく
は少なくとも2.5であるべきである。より高いスラグ
の塩基度は、スラグ中のCrの平衡濃度を減少させ、そ
れによりクロム収率を増加させることが知られている。
しかし、スラグの塩基度は約3.0を越えるべきではな
い。なぜならば、液層線温度が上昇するために、高濃度
のCaOおよびMgOにおいてスラグが過度に粘稠とな
るからである。スラグ中に存在するAl23は、好まし
くは15〜25重量%の範囲であるべきである。同様
に、MgOは、10重量%から20重量%の間の範囲で
あるべきであり、MgO/Al23比は0.3と0.8の
間であるべきである。
【0041】本発明の別の特徴の1つは、kgスラグ/
MT金属として表されるスラグの比重を調節することで
ある。スラグ重量が過度であると、スラグの効果的な混
合が非常に困難となる。スラグ重量は、段階1および2
においてスラグ中に集積されるクロム酸化物を除き、4
00kg/MT金属を越えてはならない。この値は、好
ましくは350を越えてはならず、そしてより好ましく
は300を越えてはならない。一般的には、スラグは底
部羽口を通るガスの噴射の激しい混合作用の間に、浴内
に混ぜ合わされる。スラグ重量が300kg/MT金属
を大きく越えるに連れ、スラグの多くの部分がスラグ層
として一体化するかもしれないが、このとき、該層では
混合がなされないので、還元速度論および後燃焼熱の移
行が抑制される。結果として、スラグ重量は、所定のク
ロマイト組成のために装入されるクロマイト鉱石の量を
制限することができる。
【0042】段階2 本発明方法の段階2の間に、浴は製造されるステンレス
鋼の品位の望ましい炭素規格近傍まで脱炭される。この
段階の始まりは、ランスを通る酸素ガスの通気の終了、
ならびに攪拌手段を通る酸素含有ガスの、減少された噴
射の開始によって示される。AOD内での脱炭手順は、
Ar等の不活性ガスのような非酸化ガスが酸素含有ガス
と共に含まれ、そのO2/Ar比が規則正しく減少させら
れることを必要とする。即ち、酸素の流速に対する不活
性ガスの相対的な流速が増加する。AOD内でのこの手
順は、約4/1のO2/Ar比で始まり、そしてこの比が
15〜30分間の間に1/1の比にまで段階的または連
続的に減少することが好ましい。クロム合金浴をサンプ
リングし、そして必要であれば、さらに約10分間まで
の間、1/3のO2/Ar比で、脱炭攪拌を続行させる。
熱損失補償後の脱炭による熱生成および攪拌ガスの顕熱
を相殺する必要があるときには、冷却材として炭素鋼ス
クラップまたはステンレス鋼スクラップを添加して、浴
温度をほぼ一定に、好ましくは1600〜1650℃の
範囲内に維持することができる。反応器がVODである
ときには、攪拌手段は圧力中の大きな気泡(drop)によ
りなされる。溶解した酸素は過飽和となり、そして残存
炭素と反応してCOを形成することにより、浴を脱炭す
る。従って、浴は、大量に発生したCOにより攪拌され
る。
【0043】本発明の別の重要な特徴の1つは、段階2
におけるスラグへのクロムの有意な再酸化が存在しない
ことである。フェロクロムとステンレス鋼スクラップか
ら製造されたクロム合金浴の従来の脱炭の間に、炭素含
量が減少するに連れて、クロムと鉄は、Cr23(s)、
FeO・Cr23(s)、CrO(I)およびFeO(I)と
してスラグへと酸化する。この再酸化は、浴内における
炭素−酸素平衡により制御される酸素分圧の増加の結果
であり、COの低分圧にもかかわらず、脱炭の間に熱力
学的炭素活性は減少される。典型的には、クロム合金浴
内のクロムの少なくとも10%で30%程度が、この様
にして再酸化し、この時点におけるクロム収率の有意な
減少を引き起こし得る。従来法が生来的に有する重大な
不利な点を図4に模式的に説明している。即ち、脱炭が
続行されるに連れて、浴内のCrの含有量が、例えば約
10重量%から、符号42の点における7重量%程度ま
で低減する可能性がある。
【0044】対称的に、本発明においては、浴クロムの
スラグへの有意な再酸化は、段階1からの未還元クロマ
イトの存在により、阻止される。この未還元クロマイト
の存在は、スラグ内のFeO・Cr23(s)ならびにC
23(s)およびCrO(I)のより高い熱力学的活性を
維持することにより、脱炭終了時におけるより高い酸素
分圧にもかかわらず、クロムを再酸化させる駆動力を減
少させる。このことを図5、即ち本発明において、符号
44として模式的に説明している。また、Arによる希
釈というよりはむしろ真空によりCOの分圧が減少させ
られるVODが反応器である場合においても、このこと
は真実である。VOD内の真空によるCOの比較的低い
分圧にもかかわらず、炭素の熱力学的活性が減少される
に連れて、Cr23の活性が増加する傾向がある。AO
Dにおけると同様に、段階1からの未反応FeO・Cr2
3の存在は、Cr23の高活性を維持する傾向があ
り、それによりクロムの付加的な酸化を最小限とする。
限られた量の再酸化が、本発明の段階1における脱炭の
終わりに生じ得る。同様に、限られた量の、炭素による
クロムの精錬が本発明の段階2の初期に生じ得る。結果
として、クロム収率は段階1終了時とほぼ同等に保た
れ、かつステンレス鋼精製の慣用法において脱炭の終了
時に通常遭遇する程度に保たれる。
【0045】段階3 本発明方法の段階3も還元段階であるが、本段階におい
ては、炭素よりもむしろメタロイドであるSi、Al、
Ti、MgまたはCaの1種類またはそれ以上が還元体
である。また、Arガス、好ましくは高純度Arガスの
ような非酸化ガスが攪拌手段を通して噴射されて、クロ
ム合金浴内に溶解した還元体と、クロムおよび鉄の種々
の酸化物とが接触して激しく混合する。これらの酸化物
が還元されて溶解金属となり、クロム−クロム酸化物の
平衡または準平衡によるが、クロム収率を一般的に95
%を越えるほど増加させる。スラグから金属へのクロム
の最大移行は、平衡に達した、高塩基度で金属とスラグ
とが激しく混合される条件下に達成される。準平衡と
は、熔鉄−スラグ界面の移行が、鉄浴とクロム酸化物を
含有するスラグとの間の動的バランスを最終的に得るに
充分であり、鉄とスラグとの間の化学的および熱的平衡
に極めて近い結果となることを意味する。
【0046】これらのメタロイド還元体によるクロマイ
トの還元は発熱反応であり、熱損失および攪拌ガスの顕
熱要求を相殺する。浴に対する熱調整は、鋼スクラップ
または種々の所要調整添加物等の必要な冷却材を添加す
ることによりなされ得る。調整添加物は、参集的なクロ
ム規格に適合させるために、少量のステンレス鋼スクラ
ップまたはフェロクロムを含むことができる。
【0047】
【実施例】
本発明のパイロットトライアル アルゴンガスが流れる市販の多孔性プラグを備えた、1
/2トンのパイロット反応器を予め加熱し、これに熔鉄
を装入した。鉄は、550kg容量の空気導入炉内で熔
融され、そしてタンディッシュを介して反応器内に流し
込んだ。可能な限り高い温度、典型的には1700〜1
750℃で流し込むことにより、小さな熱サイズおよび
装入材料の大きな顕熱要求に起因する比較的高い熱損失
を克服した。パイロット反応器において、ダイカスト
(D-Cast)製の仕上げ内装およびアルミナ製の裏打ち内
装を用いたときには、壁および開口上部を介する熱損失
は9℃/分だけであった。本発明のパイロットトライア
ルに用いた反応器の能力は、底部攪拌手段だけに限られ
ていたので、頂部ランスからの酸素の吹き込みによる脱
炭および後燃焼というオプションは実施できなかった。
【0048】部分的に金属化した炭素含有クロマイトペ
レットならびにスラッジング剤を、熔鉄を含有する反応
器内に、冷たいまま装入した。下記表Iは使用したペレ
ットの特徴を表しており、表中の下付文字「t」および
「m」は「総量」および「金属化したもの」を表してい
る。
【0049】
【表1】
【0050】装入物を作製した後、浴およびスラグをサ
ンプリングし、そしてトライアル期間中は2〜3分間毎
に温度を測定した。下記表IIは本発明の12回のトライ
アルの主な条件および結果を示している。
【0051】
【表2】
【0052】トライアルIは、還元体として炭素を用
い、噴射される酸素が存在しないときには、54%のC
r金属化に予め還元されたクロマイトペレットを用いて
出発して、14分間以内に約79%のCr収率が達成さ
れ得ることを示している。珪素と炭素が還元体であり、
やはり噴射される酸素が存在しないときには、トライア
ルIIにより示される通り、Crの収率は、8分間未満で
(99%まで)著しく改善する。トライアルIIIは、酸
素が送り込まれた(O2/Ar=1.5)ために、炭素と
珪素双方の存在下に高いCr収率はまだ達成可能である
ものの、2倍以上の時間(19分間)が必要となったこ
とを示している。(表II中にはトライアルIIIに関して
示していないが、トライアル開始8分間後におけるCr
の収率は約90%である。)
【0053】トライアルIVは本質的にはトライアルII
Iの繰り返しであるが、噴射されたガスのO2/Ar比が
より低く、かつ浴の%Siもより低かった。同等の精錬
時間においては、ほぼ同等のCr収率(96%)という
結果が得られた(表IIには示していないが、トライアル
開始14分間後におけるCrの収率は95%である)。
【0054】トライアルVは、より高いスラグ重量の悪
影響を表している。トライアルIIIとほぼ等しい浴の%
Siおよび%Cならびに噴射されたガスのO2/Ar比に
おいて、2倍のスラグ重量は、Crの収率を、トライア
ルIII開始19分間後における99%から、トライアル
V開始22分間後の約84%まで減少させる。
【0055】トライアルVIもトライアルIVの繰り返
しであるが、、共還元体として珪素の代わりにアルミニ
ウムを用いている。トライアルVIIはトライアルIV
の繰り返しであるが、より高いスラグ塩基度を用いた結
果として、トライアルIVよりも少し高いCr収率を得
ている。このことは、高いCr収率(98%)を達成す
ることにおいて、アルミニウムが珪素と同程度に有効で
あるであろうことを示している。
【0056】トライアルVIIIをトライアルIIIおよびト
ライアルVと比較することにより、Cr収率を75%ま
で悪化させるという、増加したスラグ重量および噴射さ
せたガスのより高いO2/Ar比の効果が示される。トラ
イアルVおよびトライアルVIIはアルゴンだけによる
リンスを受けていないことに注目されたい。しかしなが
ら、トライアルIXおよびトライアルXは3〜5分間の
Arリンスを受けており、このリンスはCrの収率をそ
れぞれ94%および98%に実質的に改善している。ト
ライアルIXにおいて、初期浴のCr含量は約10%で
あったが、スラグ重量は約50kg/MTだけであり、
そしてO2/Ar比は比較的低かった。トライアルXにお
いては、トライアルIX以外の他の全てのトライアルと
同様に最初は浴内にクロムは存在しなかったが、スラグ
レベルは6倍の約300kg/MTに増加し、そして噴
射させたガスのO2/Ar比は全てのトライアル中で最も
高く、5に僅かに足りない位であった。このトライアル
において、ペレットおよびスラッジング剤は一度には装
入せずに、10分間の間隔を置いて、それぞれの装入の
後に、熱の欠乏したパイロット反応器が珪素および炭素
の燃焼を通して再び熱することを可能にした。最後のバ
ッチは、Arリンスも含むトライアル終了時の約20分
間前に装入したが、これにより、攪拌手段の初期O2/A
r比が非常に高くても、またスラグ重量が重くても、そ
の後本発明の段階3に相当するArリンスを行うときに
は、高いCr収率(98%)が可能であることが明瞭に
示された。
【0057】最後に、トライアルXIおよびトライアル
XIIは少ないスラグ容量を示しており、トライアル終了
時に幾らかの珪素(約0.3重量%)が存在すれば、O2
/Ar比の高いガスを用いて、95%を越えるCr収率
が達成可能である。しかしながら、トライアルXは、多
いスラグ容量においては、最終的な珪素含量が有意に高
くても、高いCr収率を達成するためには短いArリン
スが必要であることを示している。トライアルXIおよ
びトライアルXIIの最中に、浴内に幾らかの珪素(約3
kg)を装入して、燃焼により必要な熱を発生させた
が、これらの珪素はトライアルの終了時までに殆ど使い
切っていた。
【0058】本発明の商業的操業のための実施例 本発明は、図1に示したような反応器を用いて種々のス
テンレス鋼を製造するために利用することができ、ある
範囲の金属Crユニットがクロマイト鉱石から直接的に
得られる。残りのクロムは、上流部で熔融されたステン
レス鋼スクラップから得ることもできるし、還元完了後
に調整添加物として添加される少量のフェロクロムであ
ってもよい。クロマイトから直接的に誘導される金属C
rユニットの数量は、本発明において選択される作業条
件に依存する。
【0059】以下に10の実施例を挙げて、本発明に関
して推奨される商業的適用を説明する。下記表IIIは、
本発明の段階1の、重要な変数を変化させた種々の操業
条件および結果を示している。本発明の適用はここに選
択された変数に制限されるものではないことに注意され
たい。例えば、鉄浴の初期温度は変数であり得るが、表
IIIにおいては呈示実施例全てにおいて一定である。ま
た、単純化のために、実施例を、10重量%のCr、
0.05重量%のCおよび残部Feを含有するベース合
金の製造に限った。このベース合金は、調整添加物によ
りベース合金から容易に作られ得るAISI409ステ
ンレス鋼によく似ている。本発明を採用して、浴内のよ
り高いクロム含量を得ることができるが、より高いスラ
グ重量を伴い、それが達成し得るクロム含量の上限を定
める。表III中、段階1において製造された合金は、選
択された条件に応じてCr含量が種々変化している。段
階1において製造された合金と製造されるべきベース合
金との間のCr含量の違いは、段階3におけるフェロク
ロム添加により調整する。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】全ての実施例において、適切なCr収率に
達するために必要な精錬時間は、脱炭時間より短いかま
たは同じである。表IIIにおける熱バランスは、それぞ
れの実施例によって変数が変化しているので、装入物中
の炭素の重量%または熔銑中のCの初期重量%の調節に
よって維持されるが、これが脱炭時間およびその脱炭速
度での脱炭により生成する熱を決定することに注意され
たい。
【0063】下記表IVは、ベース合金の製造にて終了す
る、3つの段階全てにおける単純なSiとCrのバラン
スを示している。該表に、それぞれの段階における珪素
消費および得られる浴のCrの重量%を示した。予備金
属化の度合い依存する、段階1におけるCr収率は表II
Iに示した。段階2においては、スラグへのさらなるク
ロム損失は見られず、全ての実施例で見かけ上97%の
Cr収率が認められた。ベース合金を作るために必要な
クロムの不足分は、段階3におけるクロム調整により補
った。
【0064】表IVには、従来の操業に関する基線(ba
se-line)製造コストの百分率として計算した、製造コ
ストの節約の評価も示した。従来の操業における金属C
rユニットの値段はCr1kg当たり1.43ドルであ
る。基線操業においては、ステンレススクラップからの
CrユニットとフェロクロムからのCrユニットは同じ
値段である。本発明の1例を挙げれば、運送代を含むク
ロマイト鉱石の値段は鉱石1MT当たり137.50ド
ルである。最終的には、Siは1kg当たり0.88ド
ルであると思われる。製造コストの算出に必要なその他
の全てのコストは基線操業における値段に基づいてい
る。
【0065】
【表5】
【0066】実施例AおよびB 図1に示すような反応器を用いた本発明のこれら2つの
実施例において、段階1における最終的なクロム収率の
増加効果は、73%から87%までを示した。予め還元
したクロマイト装入物の固定化炭素%を除いた、他の全
ての変数は一定である。後燃焼の度合いおよび熱交換効
率はそれぞれ25%および50%である。クロマイト装
入率も双方の実施例において同一であり、段階3におい
てベース合金を最終的に得られるようなレベルである。
【0067】より高いクロム収率は増加した炭素要求に
相応するが、それは、同程度の予備金属であれば、より
高いクロム収率を達成するためにはより多くの炭素がク
ロマイトの精錬に必要とされるためである。炭素による
クロマイトの還元は吸熱反応であるので、余分な炭素を
脱炭して熱バランスを満足させなければならない。これ
は、幾らか脱炭時間を長くする結果を生む。双方の実施
例において、脱炭時間が、例えば約1時間であるよう
に、前記パイロットトライアルの結果に示されたような
同時に行う精錬に必要な時間、例えば20分間と比較し
て有意に長いことに注意されたい。
【0068】段階1で製造した合金のクロムレベルは、
Cr収率と共に増加した。スラグ重量は少々増加した
が、どちらの場合においても400kgスラグ/MTを
遥かに下回っているし、限定要因ともなっていない。段
階3において、実施例Aにおいて実施例Bよりも多くの
珪素を装入して、実施例Aにおいて、より大量の段階1
からの未還元クロマイトを回収する。それはさておき、
製造コスト節減に対する効果は僅かであり、約2%減少
させた。
【0069】実施例AおよびC これら2つの実施例において、クロマイト鉱石の予備金
属化の度合いは、予備還元の効果を反映して異なってい
た。予備還元工程は、クロマイト鉱石を炭質材料と混合
して固体状態で部分的に金属化させるキルンまたは回転
炉床炉により行うことができる。予め還元したクロマイ
ト装入物の固定化炭素%を除いた、他の全ての変数は一
定である。これは、金属化の度合いが増加するに連れて
減少するが、それは精錬用還元体としての炭素の必要量
が減少するからである。結果として、脱炭時間が実質的
に減少する。
【0070】実施例AおよびCにおいて、段階1で精錬
したクロマイトのCr収率は同じ(70%)である。し
かし、実施例Cで装入したクロマイトは実施例Aで装入
したクロマイトよりも高度に金属化されているので、段
階1における全てのクロムに関するネットCr収率は7
3%から85%まで増加している。結果として、段階1
で製造した合金のCrレベルが増加した。また、段階3
においても、段階1からの未還元クロマイトの量が減っ
ているのでその回収に必要な珪素の量は少なくなる。増
加した予備金属化の度合いおよびそれに伴う高いCr収
率は製造コストに大きな効果がある。実施例Cは約21
%というより高い製造コスト節減を示した。
【0071】実施例CおよびD 実施例Dを実施例Cと比較するが、実施例Dでは、脱炭
速度を0.12%C/分から0.15C/分に増加させてい
る。段階1における最大の効果は、脱炭時間および熱バ
ランスであるが、この熱バランスは、より短い脱炭時間
に亘るより少ない熱損失の結果である。結果として、脱
炭は45分間から33分間にまで減少し、そしてクロマ
イトの固定化炭素の%は17.5重量%から16.5重量
%まで僅かに減少している。段階3において、2つの実
施例はほぼ同量の珪素を消費したが、製造コスト削減
は、例えば22%のように全ての実施例の中で最高値に
まで増加したが、これは主として耐火物の損耗が減少す
る結果である。
【0072】実施例CおよびE これら2つの実施例においては、変数として%PCDを
変え、その他は全て一定であった。HTEを50%で一
定に保ったままPCDを25%から30%まで増加させ
ることは、熱バランスに関する炭素要求と同時に脱炭時
間に対して、僅かな効果を有する。また、これら2つの
実施例において段階3でほぼ同量の珪素を消費するの
で、製造コスト削減は約1/2%未満で極めてわずかに
増加する。
【0073】実施例C、FおよびG 実施例Fは、段階1における共還元体として珪素を有す
る幾つかの実施例の中で表III中に始めて登場するもの
である。これを、その他の変数が全て同一である実施例
Cと比較する。最大の効果は熱バランスに対するもので
あり、脱炭熱のための炭素量が減少し、その結果、生じ
る灰の量も減少する。このことは、脱炭時間を短くし、
約45分間から約29分間まで35%減少させる。驚く
べきことに、付加的なSiO2およびCaOが燃焼して
スラグとなるにも拘わらず、スラグ重量が僅かに減少す
る。しかし、低い炭素比によるスラグの有意な減少があ
る。
【0074】しかし、実施例Fの、実施例Cと比較する
と有意に高い、珪素使用量は、製造コスト削減に対して
は有利な効果を与えず、両方の実施例の製造コスト削減
はほぼ同じである。これはより短い脱炭時間によるもの
であり、珪素の使用量の増加は、クロムと珪素との値段
の差により相殺される(1kg当たりで比較すると、珪
素は、フェロクロム中のCrの値段の約60%であろ
う)。
【0075】実施例Gでは実施例Fよりも多くの珪素を
炭素の代わりに還元体として用いる。即ち、実施例Fで
の9.6kgSi/MTに対して、実施例Gでは段階1に
おいて16.3kgのSiを装入する。その結果とし
て、固定化炭素の%は、17.5%(実施例C)から1
2.6%(実施例F)まで、さらには8.9%(実施例
G)まで下がった。同様にして脱炭時間も、45分間
(実施例C)から29分間(実施例F)まで、さらには
19分間(実施例G)まで減少した。実施例Cに比べ
て、実施例Gにおける珪素の総消費量は有意に多いもの
の、SiのCrとの値段の差のためであろうが、製造コ
スト削減は見かけ上変化せずに保たれている。
【0076】実施例C、FおよびH 実施例FおよびHの双方において珪素を炭素と共に共還
元体として用いているが、後者では、頂部ランスからの
脱炭および後燃焼が存在しないのに対応して、PCDの
値はゼロである。頂部ランスを使用する実施例A〜Gと
異なり、実施例Hは、後燃焼および脱炭のいずれに対し
ても頂部ランスを欠く場合に相当している。脱炭速度は
50%近く低下して0.06%C/分となるが、これは脱
炭が底部羽口だけを用いて起こるからである。熱バラン
スにおける後燃焼からの熱の損失を補償するために、珪
素の消費量が劇的に増加し、それに伴い炭素消費量も僅
かに増加する。その結果、スラグ重量もまた大幅に増加
して309kg/MTとなる。脱炭時間は劇的に増加し
て1時間を越え、熱損失からの熱負荷(load)が増加す
る。これらの変更全ての組合せは、製造コスト削減を1
4%まで減らす。
【0077】実施例IおよびJ 実施例IおよびJは、前出の実施例と比べて有意に異な
った構成に関する。実施例Iにおいては、クロマイトを
部分的に金属化するが、これを冷たいままTBRRへ送
達する。これは、予備還元機が熔融作業所に設置されて
いない場合に相当する。実施例Jにおいては、熱い未還
元クロマイト精鉱をTBRR内に装入する。これは、安
価なキルンを用いて装入材料を単に予備加熱するが金属
化はさせない場合である。実施例IおよびJの双方にお
いて、頂部ランスを用いないためにPCDは再びゼロで
あり、そして脱炭は全て底部羽口を介しており、脱炭率
は低い。珪素は炭素と共に主要な還元体であるが、炭素
はEAF内上流部で鉄金属装入物内に溶解させる。
【0078】どちらの実施例も共に、総クロマイト装入
重量を制限する高いスラグ容量に、直ぐに達する。30
0kg/MTのスラグ容量をこれら2つの実施例におけ
る限界とした。脱炭時間は例えば約20〜25分間と短
いが、これはSi/C還元体比を減少させることにより
延長することができる。脱炭時間内に85%のクロム収
率が達成され得ると仮定すれば、クロマイトからの浴ク
ロムレベルは、例えば実施例IおよびJにおいてそれぞ
れ1.5%および5.1%であり、これら2つの実施例に
関して有意に低い。これらの実施例においては、10重
量%のCrを含有する合金のトン当たりのクロムユニッ
トの比較的少量が安価なクロマイトから供給され、珪素
の消費量も多いので、製造コスト削減は有意に減少す
る。製造コスト削減は実施例Jにおいては殆ど意味が無
く、実施例Iにおいては有意に否定される。
【0079】本発明の精神および主題から離れることな
く本発明の種々の改変をなし得ることが理解されよう。
従って、本発明の範囲は蒸気特許請求の範囲の記載によ
ってのみ成されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用するための反応器の1つの
態様を示す概略説明図である。
【図2】図1の反応器のランスの下部の概略説明図であ
る。
【図3】図2の3−3線における断面図である。
【図4】従来法によるステンレス鋼の精錬および精製中
のCr浴重量%を示す図である。
【図5】本発明によりステンレス鋼を製造した場合の精
製および精製中のCr浴重量%を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・シー・サスマン アメリカ合衆国、オハイオ州、ウエス ト・チェスター、ジーン・ドライブ 7331 (56)参考文献 特開 平9−157765(JP,A) 特開 昭61−291911(JP,A) 特公 平6−6731(JP,B2) 特公 平3−28484(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 7/00 C21C 5/28 C21C 7/04 C21C 7/06 C21C 7/068

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精製反応器内に鉄/スラグ浴混合物を用意
    し、その際、該鉄浴は溶解した炭素を含有しており、該
    反応器は底部に鉄浴を撹拌するための手段を有してお
    り;酸素結合クロム金属を鉄浴に装入し;撹拌手段を通
    して酸素含有ガスを噴射して脱炭を行わせ、そして鉄
    浴、スラグ及び酸素結合金属を激しく撹拌し、それによ
    り最終規格へ還元された、炭素を有するクロム合金浴を
    形成させ;メタロイド還元体を反応器へ装入し;熱的平
    衡が維持され且つクロム収率が最大となるまで、非酸化
    性ガスを合金浴に撹拌手段を通して噴射する;工程を包
    含することを特徴とする精製反応器内で、その場で、金
    属酸化物を精錬することによりステンレス鋼を製造する
    方法。
  2. 【請求項2】 前記反応器が酸素の頂部吹き込み用手段
    を有し、且つ吹き込み手段を通して酸素ガスを反応器へ
    流す付加工程を包含し、その際酸素ガスの一部は鉄浴の
    上部に放出させてCO及びH2の後燃焼を行わせ、残り
    の酸素は鉄浴へ噴射させて鉄浴中の炭素のCOへの脱炭
    を行わせる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸素含有ガスがAr、N2又はそれらの
    混合物を付加的に含有する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 吹き込み手段を通して流れる酸素ガス及
    び撹拌手段を通して流れる酸素含有ガスの全特定流量
    が、少なくとも0.5NM3/分/MTである請求項2
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応器への全ガス流量の30〜60%が
    撹拌手段を通して流される請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 吹き込み手段を通して流れるガスが本質
    的に純酸素であり、且つ撹拌手段を通して噴射されるガ
    スが4未満の酸素/非酸化性モルガス比を有する請求項
    2記載の方法。
  7. 【請求項7】 CO及びH2の後燃焼度合いが50%未
    満である請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記合金浴が0.5〜1.5重量%の
    C、少なくとも2.0重量%のCrを含有し、且つ全ク
    ロムのクロム収率が後燃焼の最後において少なくとも7
    0%である請求項2記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記酸素結合金属が少なくとも10%金
    属化された酸化クロム及び少なくとも50%金属化され
    た酸化鉄を包含する請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記酸素結合金属が25〜55%のC
    23、残部のFeO、MgO、SiO2、Al23
    びCaOを含有するクロム鉱石精鉱であり、その際Cr
    とFeの重量割合は0.9〜3.5である請求項1記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 前記酸素結合金属が炭質還元体、メタ
    ロイド還元体及びスラッジング剤を含有する請求項1記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 前記固体炭質還元体及びメタロイド還
    元体の少なくとも一つが初期鉄浴に添加される請求項2
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記初期鉄浴が0〜15重量%のCr
    及び0.5重量%から炭素飽和までのCを含有する請求
    項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 スラグ中のMgO/Al23の重量比
    が0.3と0.8の間に維持される請求項1記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 後燃焼酸素の流速が脱炭酸素の流速と
    独立して調節される請求項2記載の方法。
  16. 【請求項16】段階1:精製反応器内に炭素含有鉄/ス
    ラグ浴混合物を用意し、該反応器は頂部に酸素吹き込み
    用手段及び底部に鉄浴撹拌手段を有しており;酸素結合
    金属、炭質材料及びスラッジング剤を反応器へ装入し;
    吹き込み手段を通して酸素ガスを流し、その際、酸素の
    一部は鉄浴の上部に放出させてCO及びH2の後燃焼を
    行わせ、残りの酸素ガスは鉄浴へ噴射させて鉄浴中の炭
    素のCOへの脱炭を行わせ;酸素含有ガスを撹拌手段を
    通して噴射させて、鉄浴中で脱炭を行わせ;そして鉄
    浴、スラグ及び酸素結合金属を激しく混合し、それによ
    りクロム合金浴を形成させる; 段階2:吹き込み手段を通しての酸素ガスの流通を中止
    し、それにより後燃焼及び脱炭を停止させ、そして合金
    浴の炭素含量をその最終炭素規格へ減少させ;そして 段階3:メタロイド還元体を反応器へ装入し、撹拌手段
    を通して非酸化性ガスを噴射して、熱的平衡が維持され
    且つクロム収率が最大となるまで、合金浴をリンスする
    工程を包含することを特徴とする、精製反応器内で、そ
    の場で、金属酸化物を精錬することによりステンレス鋼
    を製造する方法。
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