JP2865475B2 - 冷媒組成物及びこれを使用した二元冷凍装置 - Google Patents

冷媒組成物及びこれを使用した二元冷凍装置

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JP2865475B2
JP2865475B2 JP4094290A JP9429092A JP2865475B2 JP 2865475 B2 JP2865475 B2 JP 2865475B2 JP 4094290 A JP4094290 A JP 4094290A JP 9429092 A JP9429092 A JP 9429092A JP 2865475 B2 JP2865475 B2 JP 2865475B2
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一夫 竹政
福治 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍装置に用いられ、且
つ、オゾン層を破壊する危険性の少ない冷媒組成物と、
それを使用した二元冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機の冷媒として用いられてい
るものにはR12(ジクロロジフルオロメタン)とR5
00(R12とR152a(1,1−ジフルオロエタ
ン)との共沸混合物)が多い。R12の沸点は約−30
℃で、R500の沸点は約−33℃であり通常の冷凍装
置に好適である。更に圧縮機への吸込温度が比較的高く
ても吐出温度が圧縮機のオイルスラッジを引き起こす程
高くならない。更に又、R12は圧縮機のオイルと相溶
性が良く、冷媒回路中のオイルを圧縮機まで引き戻す役
割も果たす。
【0003】一方、−45℃以下というより低い温度帯
を得るためには、R502(R22とR115との共沸
混合物)が使用される。R503の沸点は−45.4℃
であり、低温を得るのに最適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら上記各冷媒は
オゾン層を破壊する恐れがあるとされ、その使用が規制
されることとなって来た。即ち、R500を組成するR
12やR502を組成するR115は難分解性の所謂規
制冷媒であり、大気中に放出されてオゾン層に到達する
とオゾン層を破壊する危険があることが解明されてき
た。
【0005】現在、世界中の研究者は上記規制冷媒の代
替冷媒を研究、模索中である。
【0006】本発明は斯る点に鑑みなされたもので、オ
ゾン層を破壊する危険が大きい規制冷媒を使用すること
なく、−45℃以下いう低温を達成でき、冷凍能力や他
の性能面でもR502の代替冷媒として使用できる冷媒
組成物を提供すると共に、実際に低温を達成できる二元
冷凍装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1の如
く、比熱比が高めのクロロジフルオロメタンを44重量
%、比熱比が低めの8沸化プロパンを56重量%混合し
共沸混合物と、n−ペンタンとの混合物からなり、
n−ペンタンを、クロロジフルオロメタンと8沸化プ
ロパンの総重量に対して14%以下の割合で混合してな
る冷媒組成物を組成したものである。
【0008】また、請求項2の如く、比熱比が高めのク
ロロジフルオロメタンを44重量%、比熱比が低めの8
沸化プロパンを56重量%混合した共沸混合物と、ジク
ロロモノフルオロメタンとの混合物からなり、このジク
ロロモノフルオロメタンを、クロロジフルオロメタンと
8沸化プロパンの総重量に対して20%以下の割合で混
合してなる冷媒組成物を組成したものである。
【0009】また、請求項3の如く、高温側冷媒回路と
低温側冷媒回路を備え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の
凝縮を前記高温側冷媒回路中のカスケードコンデンサを
通過する冷媒により行う二元冷凍装置において、前記低
温側冷媒回路に封入される冷媒を、比熱比が高めのクロ
ロジフルオロメタンを44重量%、比熱比が低めの8沸
化プロパンを56重量%混合した共沸混合物と、n−ペ
ンタンとの混合物からなり、このn−ペンタンを、クロ
ロジフルオロメタンと8沸化プロパンの総重量に対して
14%以下の割合で混合してなる冷媒組成物を使用した
二元冷凍装置比熱比が高めのトリフルオロメタンを39
重量%、比熱比が低めのヘキサフルオロエタンを61重
量%混合した共沸混合物と、プロパンとの混合物からな
り、このプロパンを、トリフルオロメタンとヘキサフル
オロエタンの総重量に対して14%以下の割合で混合し
た冷媒組成物を使用して二元冷凍装置にしたものであ
る。
【0010】更に、請求項4の如く、高温側冷媒回路と
低温側冷媒回路を備え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の
凝縮を前記高温側冷媒回路中のカスケードコンデンサを
通過する冷媒により行う二元冷凍装置において、前記低
温側冷媒回路に封入される冷媒を、比熱比が高めのクロ
ロジフルオロメタンを44重量%、比熱比が低めの8沸
化プロパンを56重量%混合した共沸混合物と、ジクロ
ロモノフルオロメタンとの混合物からなり、このジクロ
ロモノフルオロメタンを、クロロジフルオロメタンと8
沸化プロパンの総重量に対して20%以下の割合で混合
した冷媒組成物を使用して二元冷凍装置にしたものであ
る。
【0011】
【作用】本発明は、請求項1の構成により、クロロジフ
ルオロメタン(R22)は塩素を含むが水素も含むHC
FCであり、8弗化プロパン(R218)はフッ素と炭
素のみからなるFCであり、n−ペンタンも塩素を含む
ものではなく、いずれもオゾン層破壊問題における規制
の対象となっておらず、また、その沸点は、クロロジフ
ルオロメタン(R22)が−40℃、8弗化プロパン
(R218)が−36.7℃であって、両者の混合物の
共沸点は、−47℃程度となることから、R502の代
替冷媒として十分に冷凍能力を発揮できる。
【0012】尚、クロロジフルオロメタン(R22)
は、比熱比が1.18と高目であるため、冷媒回路に封
入した場合には、吐出温度が上昇する懸念があるが、比
熱比が1.06とかなり低い8弗化プロパン(R21
8)を所定量混合しているため、吐出温度の上昇は抑制
することができる。この結果、所望とする冷凍能力を実
現できると共にオイルスラッジやオイルの劣化を抑制で
きる。
【0013】更に、クロロジフルオロメタン(R22)
と8沸化プロパン(R218)の共沸混合物は、オイル
との相溶性が悪いが、n−ペンタンを所定量混合するこ
とにより、冷媒回路中において、圧縮機へオイルを戻す
ことができる。即ち、n−ペンタンは沸点が+36.0
7℃と高いが、圧縮機のオイルとの相溶性が良好であ
り、n−ペンタンを所定量混合することにより、n−ペ
ンタンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機まで帰還さ
せることができ、圧縮機の油上がりによるロック等の弊
害を防止できる。ここで、n−ペンタンは沸点が高いた
め、あまり多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的と
する低温が得られないと共に、可燃性であるため、爆発
の危険がある。このためn−ペンタンを、14重量
以下の割合で混合することにより、蒸発温度を上昇させ
ずしかもn−ペンタンが不燃域に維持しつつオイルを圧
縮機へ帰還させることができる。
【0014】請求項2の構成によっても、特にオイルセ
パレータを設けてオイルを分離するまでもなく、圧縮機
にオイルを戻す冷媒組成物とすることができる。即ち、
ジクロロモノフルオロメタン(R21)も圧縮機のオイ
ルとの相溶性が良好であり、ジクロロモノフルオロメタ
ン(R21)を所定量混合することにより、ジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)にオイルを溶け込ませた状
態で圧縮機まで帰還させることができ、圧縮機の油上が
りによるロック等の弊害を防止できる。ここで、ジクロ
ロモノフルオロメタン(R21)の沸点は、+8.9℃
と高いため、あまり多量に入れると冷却性能を損なうこ
ととなるが、ジクロロモノフルオロメタン(R21)を
所定量に留めることにより、冷却性能が低下することは
なく、しかも、沸点が高いため、圧縮機に帰還した後に
圧縮機内で蒸発させることができ、圧縮機を冷却するこ
とができる。
【0015】また、請求項3及び4の構成により、実際
の冷媒回路において、オイルセパレータを使用すること
なく、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うこと
なく、蒸発器にて−60℃程度の低温を達成することが
でき、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリー
ザーとして実用化できる。
【0016】
【実施例】次に図面において実施例を説明する。図1は
本発明の冷媒組成物を封入してなる二元冷凍装置の冷媒
回路図である。S1は高温側冷媒サイクルを、また、S
2は低温側冷媒サイクルを示している。
【0017】高温側冷媒サイクルS1を構成する圧縮機
1の吐出側配管2は蒸発パイプ3、フレームパイプ4に
接続され、フレームパイプ4は、圧縮機1のオイルクー
ラー5、凝縮器6、乾燥器7、キャピラリーチューブ8
を順次経て、カスケードコンデンサ9に接続され、吸込
側配管10により圧縮機1に接続されている。11は凝
縮器6の冷却用ファンである。
【0018】低温側冷媒サイクルS2の圧縮機12の吐
出側配管13は、補助凝縮器14に接続され、圧縮機1
2のオイルクーラー15を介してカスケードコンデンサ
9内の配管16、乾燥器17、キャピラリーチューブ1
8を経て入口管19より蒸発器20に流入し、出口管2
1より出てアキュムレータ22を経て圧縮機12の吸込
側配管23より圧縮機12に戻る構成である。
【0019】高温側冷媒サイクルS1には、クロロジフ
ルオロメタン(R22)と1−クロロ−1,1−ジフル
オロエタン(R142b)と8弗化プロパン(R21
8)との共沸混合物が封入される。R22の沸点は大気
圧で−40.75℃、R142bの沸点は−9.8℃、
R218の沸点は−36.7℃である。そして、この混
合物が凝縮器6にて凝縮し、キャピラリーチューブ8に
て減圧されてカスケードコンデンサ9に流入して蒸発す
る。ここで、カスケードコンデンサ9は−25℃程とな
る。
【0020】低温側冷媒サイクルS2には、クロロジフ
ルオロメタン(R22)と8弗化プロパン(R218)
の共沸混合物と、n−ペンタンとの共沸混合物が封入さ
れる。ここで、クロロジフルオロメタン(R22)と8
弗化プロパン(R218)の混合比は、43.8:5
6.2であると共に、n−ペンタンは、クロロジフルオ
ロメタン(R22)と8弗化プロパン(R218)の総
重量に対して14%以下の割合で混合して組成される。
この結果、共沸点が−47℃というかなり低温の冷媒組
成物を封入することとなる。そして、圧縮機6から吐出
された冷媒及び圧縮機オイルは、補助凝縮器14、オイ
ルクーラー15を介してカスケードコンデンサ9内の配
管16に流入し、高温側冷媒サイクルS1内の冷媒の蒸
発によって冷却されて凝縮する。この後、キャピラリー
チューブ18にて減圧された後、蒸発器20に流入して
蒸発する。この蒸発器20は、図示しない冷凍庫の壁面
に熱交換関係に取り付けられて庫内を冷却する。ここ
で、蒸発器20での蒸発温度は−60℃に達する。
【0021】このように構成された二元冷凍装置におい
て、低温側冷媒サイクルS2に封入される冷媒組成物で
あるクロロジフルオロメタン(R22)は塩素を含むが
水素も含むHCFCであり、8弗化プロパン(R21
8)はフッ素と炭素のみからなるFCであり、n−ペン
タンも塩素を含むものではなく、いずれもオゾン層破壊
問題における規制の対象となっておらず、また、その沸
点は、クロロジフルオロメタン(R22)が−40℃、
8弗化プロパン(R218)が−36.7℃であって、
両者の混合物の共沸点は、−47℃程度となることか
ら、R502の代替冷媒として十分に冷凍能力を発揮で
きる。
【0022】尚、クロロジフルオロメタン(R22)
は、比熱比が1.18と高目であるため、冷媒回路に封
入した場合には、吐出温度が上昇する懸念があるが、比
熱比が1.06とかなり低い8弗化プロパン(R21
8)を所定量混合しているため、吐出温度の上昇は抑制
することができる。この結果、所望とする冷凍能力を実
現できると共にオイルスラッジやオイルの劣化を抑制で
きる。
【0023】更に、クロロジフルオロメタン(R22)
と8弗化プロパン(R218)の共沸混合物は、従来の
圧縮機オイルとの相溶性が悪いが、n−ペンタンを所定
量混合することにより、冷媒回路中において、圧縮機へ
オイルを戻すことができる。即ち、n−ペンタンは沸点
が+36.07℃と高いが、圧縮機のオイルとの相溶性
が良好であり、n−ペンタンを所定量混合することによ
り、n−ペンタンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機
まで帰還させることができ、圧縮機の油上がりによるロ
ック等の弊害を防止できる。ここで、n−ペンタンは沸
点が高いため、あまり多量に混合すると蒸発温度が上昇
して目的とする低温が得られないと共に、可燃性である
ため、爆発の危険がある。このためn−ペンタンを、
14重量以下の割合で混合することにより、蒸発温度
を上昇させず、しかも、n−ペンタンの不燃域を確保し
つつオイルを圧縮機へ帰還させることができる。この結
果、特にオイルセパレータ等を設けて冷媒中のオイルを
分離するまでもなく、圧縮機12にオイルを戻すことが
できる。
【0024】ここで、比熱比の値K(Cp/Cv)は下
記の(1)式で示す如く、断熱圧縮における圧縮機の吐
出ガス温度に大きな影響を及ぼすものであって組成物の
分子量が大きい程小さい値を示す。
【0025】
【数1】
【0026】尚、n−ペンタンは沸点が高いため、あま
り多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的とする低温
が得られないが、n−ペンタンを、14重量以下の割
合で混合することにより、蒸発温度を上昇させずしかも
n−ペンタンが不燃域に維持しつつオイルを圧縮機へ帰
還させることができる。
【0027】具体的には以下の実験にて確認された。
【0028】図1に示す冷媒回路を内蔵した二元冷凍装
置を使用し、高温側冷媒サイクルS1に、クロロジフル
オロメタン(R22)と1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン(R142b)と8弗化プロパン(R218)
とを70:25:5重量%の割合で混合してなる非共沸
混合冷媒を300g封入し、低温側冷媒サイクルS2
に、本発明の混合冷媒であるクロロジフルオロメタン
(R22)と8弗化プロパン(R218)とn−ペンタ
ンの混合冷媒を240g封入し、本発明の混合冷媒中、
n−ペンタンの重量%を0〜15%と変化させて装置の
各部分での温度、圧力変化を観察した。尚、外気温度は
35℃の条件であった。この実験結果を図2に示す。
【0029】図2中、Aは低温側の吐出管13の温度、
Bは低温側の圧縮機12の温度、Cは高温側の吐出圧
力、Dは吸入管23の温度、Eはカスケードコンデンサ
9における低温側の配管16の出口温度、Fは低温側の
吐出圧力、Gは高温側吸入圧力、Hは庫内温度、Iは蒸
発器20の入口温度、Jはアキュムレータ22の出口温
度、Kは低温側吸入圧力の測定結果を示す。
【0030】この実験結果により、n−ペンタンの割合
が14重量%を越えると蒸発器20の入口温度Iが上昇
することとなり、冷媒回路中にオイルが停滞しているこ
とが推測できる。また、n−ペンタンの割合は庫内温度
の安定性から、4〜14重量%の範囲が適当であること
が確認された。尚、冷媒回路中にオイルが残留すると冷
媒通路が狭めて冷媒循環量が減少し、更に、蒸発器20
の熱交換率が低下することとなため、冷却性能が悪化
してしまう。
【0031】このように、本実施例の二元冷凍装置によ
れば、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うこと
なく、蒸発器にて−60℃程度の低温を達成することが
でき、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリー
ザーとして実用化できる。
【0032】また、n−ペンタンは工場生産ではないの
で、フリーザー等で使用する場合には容易に入手でき、
実用的である。
【0033】尚、本実施例ではクロロジフルオロメタン
(R22)と8弗化プロパン(R218)とn−ペンタ
ンとの混合物にて説明したが、n−ペンタンの代わりに
ジクロロモノフルオロメタン(R21)を所定の割合で
混合しても同様の効果が得られる。即ち、ジクロロモノ
フルオロメタン(R21)も圧縮機オイルとの相溶性が
良好であり、プロパンを20重量%以下の割合で混合す
ることにより、冷却性能を損なうことなく、ジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)にオイルを溶け込ませた状
態で圧縮機12まで帰還させることができ、圧縮機12
の油上がりによるロック等の弊害を防止できる。ここ
で、ジクロロモノフルオロメタン(R21)は沸点が+
8.9℃と高いため、あまり多量に入れると蒸発温度を
上昇させることとなり、また、毒性があるため、職場環
境を悪化させる問題がある。しかし、ジクロロモノフル
オロメタン(R21)の割合を20重量%以下とするこ
とにより、これらの問題を解決しつつオイルを帰還させ
ることができる。
【0034】具体的には以下の実験にて確認された。
【0035】図1に示す冷媒回路を内蔵した二元冷凍装
置を使用し、高温側冷媒サイクルS1に、クロロジフル
オロメタン(R22)と1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン(R142b)と8弗化プロパン(R218)
とを70:25:5重量%の割合で混合してなる非共沸
混合冷媒を300g封入し、低温側冷媒サイクルS2
に、本発明の混合冷媒であるクロロジフルオロメタン
(R22)と8弗化プロパン(R218)とジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)の混合冷媒を242g封入
し、本発明の混合冷媒中、ジクロロモノフルオロメタン
(R21)の重量%を0〜25%と変化させて装置の各
部分での温度、圧力変化を観察した。尚、外気温度は3
5℃の条件であった。この実験結果を図3に示す。
【0036】図3中、Lは低温側の吐出管13の温度、
Mは低温側の圧縮機12の温度、Nは高温側の吐出圧
力、Oは吸入管23の温度、Pはカスケードコンデンサ
9における低温側の配管16の出口温度、Qは低温側の
吐出圧力、Rは高温側吸入圧力、Sは庫内温度、Tは蒸
発器20の入口温度、Uはアキュムレータ22の出口温
度、Vは低温側吸入圧力の測定結果を示す。
【0037】この実験結果により、ジクロロモノフルオ
ロメタン(R21)の割合が20重量%を越えると蒸発
器20の入口温度Tが上昇することとなり、冷媒回路中
にオイルが停滞していることが推測できる。また、ジク
ロロモノフルオロメタン(R21)の割合は庫内温度の
安定性から、5〜20重量%の範囲が適当であることが
確認された。
【0038】また、本実施例では、本発明の冷媒組成物
を二元冷凍装置に封入した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、単元、即ち、圧縮機、凝
縮器、減圧装置、及び蒸発器からなる単純な冷凍サイク
ルにおいても同様の効果を発揮できる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、クロロジ
フルオロメタン(R22)は塩素を含むが水素も含むH
CFCであり、8弗化プロパン(R218)はフッ素と
炭素のみからなるFCであり、n−ペンタンも塩素を含
むものではなく、いずれもオゾン層破壊問題における規
制の対象となっておらず、また、その沸点は、クロロジ
フルオロメタン(R22)が−40℃、8弗化プロパン
(R218)が−36.7℃であって、両者の混合物の
共沸点は、−47℃程度となることから、R502の代
替冷媒として十分に冷凍能力を発揮できる。
【0040】尚、クロロジフルオロメタン(R22)
は、比熱比が1.18と高目であるため、冷媒回路に封
入した場合には、吐出温度が上昇する懸念があるが、比
熱比が1.06とかなり低い8弗化プロパン(R21
8)を所定量混合しているため、吐出温度の上昇は抑制
することができる。この結果、所望とする冷凍能力を実
現できると共にオイルスラッジやオイルの劣化を抑制で
きる。
【0041】更に、クロロジフルオロメタン(R22)
と8弗化プロパン(R218)の共沸混合物は、オイル
との相溶性が悪いが、n−ペンタンを所定量混合するこ
とにより、冷媒回路中において、圧縮機へオイルを戻す
ことができる。即ち、n−ペンタンは沸点が+36.0
7℃と高いが、圧縮機のオイルとの相溶性が良好であ
り、n−ペンタンを所定量混合することにより、n−ペ
ンタンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機まで帰還さ
せることができ、圧縮機の油上がりによるロック等の弊
害を防止できる。ここで、n−ペンタンは沸点が高いた
め、あまり多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的と
する低温が得られないと共に、可燃性であるため、爆発
の危険がある。このため。n−ペンタンを、14重量℃
以下の割合で混合することにより、蒸発温度を上昇させ
ずしかもn−ペンタンの不燃域を確保しつつオイルを圧
縮機へ帰還させることができる。
【0042】請求項2の構成によっても、特にオイルセ
パレータを設けてオイルを分離するまでもなく、圧縮機
にオイルを戻す冷媒組成物とすることができる。即ち、
ジクロロモノフルオロメタン(R21)も圧縮機のオイ
ルとの相溶性が良好であり、ジクロロモノフルオロメタ
ン(R21)を所定量混合することにより、ジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)にオイルを溶け込ませた状
態で圧縮機まで帰還させることができ、圧縮機の油上が
りによるロック等の弊害を防止できる。ここで、ジクロ
ロモノフルオロメタン(R21)の沸点は、+8.9℃
と高いため、あまり多量に入れると冷却性能を損なうこ
ととなるが、ジクロロモノフルオロメタン(R21)を
所定量に留めることにより、冷却性能が低下することは
なく、しかも、沸点が高いため、圧縮機に帰還した後に
圧縮機内で蒸発させることができ、圧縮機を冷却するこ
とができる。
【0043】また、請求項3及び4の構成により、実際
の冷媒回路において、オイルセパレータを使用すること
なく、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うこと
なく、蒸発器にて−60℃程度の低温を達成することが
でき、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリー
ザーとして実用化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷媒組成物を封入した二元冷凍装置の
冷媒回路図である。
【図2】本発明の冷媒組成物を封入した二元冷凍装置の
実験結果を示すグラフ。
【図3】本発明の他の冷媒組成物を封入した二元冷凍装
置の実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
S1 高温側冷媒サイクル S2 低温側冷媒サイクル 1,12 圧縮機 9 カスケードコンデンサ 20 蒸発器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−152182(JP,A) 特開 平3−88889(JP,A) 特開 平3−260557(JP,A) 特開 平4−18486(JP,A) 国際公開92/1762(WO,A1) F.S.Palmr et al.A SHRAE JOURNAL(July 1967)Vol.9,No.7,p.50 −52 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 5/04 F25B 7/00 H01L 23/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比熱比が高めのクロロジフルオロメタン
    を44重量%、比熱比が低めの8沸化プロパンを56重
    量%混合した共沸混合物と、n−ペンタンとの混合物か
    らなり、このn−ペンタンを、クロロジフルオロメタン
    と8沸化プロパンの総重量に対して14%以下の割合で
    混合してなる冷媒組成物
  2. 【請求項2】 比熱比が高めのクロロジフルオロメタン
    を44重量%、比熱比が低めの8沸化プロパンを56重
    量%混合した共沸混合物と、ジクロロモノフルオロメタ
    ンとの混合物からなり、このジクロロモノフルオロメタ
    ンを、クロロジフルオロメタンと8沸化プロパンの総重
    量に対して20%以下の割合で混合してなる冷媒組成
    物。
  3. 【請求項3】 高温側冷媒回路と低温側冷媒回路を備
    え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷
    媒回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により
    行う二元冷凍装置において、前記低温側冷媒回路に封入
    される冷媒を、比熱比が高めのクロロジフルオロメタン
    を44重量%、比熱比が低めの8沸化プロパンを56重
    量%混合した共沸混合物と、n−ペンタンとの混合物か
    らなり、このn−ペンタンを、クロロジフルオロメタン
    と8沸化プロパンの総重量に対して14%以下の割合で
    混合してなる冷媒組成物を使用した二元冷凍装置。
  4. 【請求項4】 高温側冷媒回路と低温側冷媒回路を備
    え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷
    媒回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により
    行う二元冷凍装置において、前記低温側冷媒回路に封入
    される冷媒を、比熱比が高めのクロロジフルオロメタン
    を44重量%、比熱比が低めの8沸化プロパンを56重
    量%混合した共沸混合物と、ジクロロモノフルオロメタ
    ンとの混合物からなり、このジクロロモノフルオロメタ
    ンを、クロロジフルオロメタンと8沸化プロパンの総重
    量に対して20%以下の割合で混合してなる冷媒組成物
    を使用した二元冷凍装置。
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