JP2983969B2 - 冷却方法 - Google Patents

冷却方法

Info

Publication number
JP2983969B2
JP2983969B2 JP10249811A JP24981198A JP2983969B2 JP 2983969 B2 JP2983969 B2 JP 2983969B2 JP 10249811 A JP10249811 A JP 10249811A JP 24981198 A JP24981198 A JP 24981198A JP 2983969 B2 JP2983969 B2 JP 2983969B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
temperature side
weight
refrigerant circuit
pentane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10249811A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11158460A (ja
Inventor
一夫 竹政
福治 吉田
治郎 湯沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Denki Co Ltd filed Critical Sanyo Denki Co Ltd
Priority to JP10249811A priority Critical patent/JP2983969B2/ja
Publication of JPH11158460A publication Critical patent/JPH11158460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2983969B2 publication Critical patent/JP2983969B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍装置に用いられ、且
つ、オゾン層を破壊する危険性の少ない冷媒組成物を用
いた冷却方法であり、特に二元冷凍装置を使用した冷却
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機の冷媒として用いられてい
るものにはR12(ジクロロジフルオロメタン)とR5
00(R12とR152a(1,1−ジフルオロエタ
ン)との共沸混合物)が多い。R12の沸点は約−30
℃で、R500の沸点は約−33℃であり通常の冷凍装
置に好適である。更に圧縮機への吸込温度が比較的高く
ても吐出温度が圧縮機のオイルスラッジを引き起こす程
高くならない。更に又、R12は圧縮機のオイルと相溶
性が良く、冷媒回路中のオイルを圧縮機まで引き戻す役
割も果たす。
【0003】一方、−45℃以下というより低い温度帯
を得るためには、R502(R22とR115との共沸
混合物)が使用される。R503の沸点は−45.4℃
であり、低温を得るのに最適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら上記各冷媒は
オゾン層を破壊する恐れがあるとされ、その使用が規制
されることとなって来た。即ち、R500を組成するR
12やR502を組成するR115は難分解性の所謂規
制冷媒であり、大気中に放出されてオゾン層に到達する
とオゾン層を破壊する危険があることが解明されてき
た。
【0005】現在、世界中の研究者は上記規制冷媒の代
替冷媒を研究、模索中である。
【0006】本発明は斯る点に鑑みなされたもので、オ
ゾン層を破壊する危険が大きい規制冷媒を使用すること
なく、−45℃以下いう低温を達成でき、冷凍能力や他
の性能面でもR502の代替冷媒として使用できる冷媒
組成物を用いた冷却方法を提供すると共に、実際に低温
を達成できる二元冷凍装置を用いた冷却方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1の如
く、クロロジフルオロメタンを44重量%、8沸化プロ
パンを56重量%混合した共沸混合物と、n−ペンタン
との混合物からなり、このn−ペンタンを、クロロジフ
ルオロメタンと8沸化プロパンの総重量に対して14%
以下の割合で混合してなる冷媒組成物を減圧して蒸発さ
せることにより冷却する冷却方法である。
【0008】また、請求項2の如く、クロロジフルオロ
メタンを44重量%、8沸化プロパンを56重量%混合
した共沸混合物と、ジクロロモノフルオロメタンとの混
合物からなり、このジクロロモノフルオロメタンを、ク
ロロジフルオロメタンと8沸化プロパンの総重量に対し
て20%以下の割合で混合してなる冷媒組成物を減圧し
て蒸発させることにより冷却する冷却方法である。
【0009】また、請求項3の如く、高温側冷媒回路と
低温側冷媒回路を備え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の
凝縮を前記高温側冷媒回路中のカスケードコンデンサを
通過する冷媒により行う二元冷凍装置を用いた冷却方法
において、前記低温側冷媒回路に封入される冷媒を、
ロロジフルオロメタンを44重量%、8沸化プロパンを
56重量%混合した共沸混合物と、n−ペンタンとの混
合物からなり、このn−ペンタンを、クロロジフルオロ
メタンと8沸化プロパンの総重量に対して14%以下の
割合で混合してなる冷媒組成物を使用すると共に、この
冷媒を前記カスケードコンデンサにより凝縮した後減圧
し、前記低温側冷媒回路の蒸発器にて蒸発させることに
より冷却する二元冷凍装置を用いた冷却方法である。
【0010】更に、請求項4の如く、高温側冷媒回路と
低温側冷媒回路を備え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の
凝縮を前記高温側冷媒回路中のカスケードコンデンサを
通過する冷媒により行う二元冷凍装置を用いた冷却方法
において、前記低温側冷媒回路に封入される冷媒を、
ロロジフルオロメタンを44重量%、8沸化プロパンを
56重量%混合した共沸混合物と、ジクロロモノフルオ
ロメタンとの混合物からなり、このジクロロモノフルオ
ロメタンを、クロロジフルオロメタンと8沸化プロパン
の総重量に対して20%以下の割合で混合してなる冷媒
組成物を使用すると共に、この冷媒を前記カスケードコ
ンデンサにより凝縮した後減圧し、前記低温側冷媒回路
の蒸発器にて蒸発させることにより冷却する二元冷凍装
置を用いた冷却方法である。
【0011】
【作用】本発明は、請求項1の構成により、クロロジフ
ルオロメタン(R22)は塩素を含むが水素も含むHC
FCであり、8弗化プロパン(R218)はフッ素と炭
素のみからなるFCであり、n−ペンタンも塩素を含む
ものではなく、いずれもオゾン層破壊問題における規制
の対象となっておらず、また、その沸点は、クロロジフ
ルオロメタン(R22)が−40℃、8弗化プロパン
(R218)が−36.7℃であって、両者の混合物の
共沸点は、−47℃程度となることから、R502の代
替冷媒として十分に冷凍能力を発揮できる。
【0012】尚、クロロジフルオロメタン(R22)
は、比熱比が1.18と高目であるため、冷媒回路に封
入した場合には、吐出温度が上昇する懸念があるが、比
熱比が1.06とかなり低い8弗化プロパン(R21
8)を所定量混合しているため、吐出温度の上昇は抑制
することができる。この結果、所望とする冷凍能力を実
現できると共にオイルスラッジやオイルの劣化を抑制で
きる。
【0013】更に、クロロジフルオロメタン(R22)
と8弗化プロパン(R218)の共沸混合物は、従来の
鉱物油やアルキルベンゼン油等の圧縮機オイルとの相溶
性が悪いが、n−ペンタンを所定量混合することによ
り、冷媒回路中において、圧縮機へオイルを戻すことが
できる。即ち、n−ペンタンは沸点が+36.07℃と
高いが、圧縮機のオイルとの相溶性が良好であり、n−
ペンタンを所定量混合することにより、n−ペンタンに
オイルを溶け込ませた状態で圧縮機まで帰還させること
ができ、圧縮機の油上がりによるロック等の弊害を防止
できる。ここで、n−ペンタンは沸点が高いため、あま
り多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的とする低温
が得られないと共に、可燃性であるため、爆発の危険が
ある。このため、n−ペンタンを、14重量%以下の割
合で混合することにより、蒸発温度を上昇させず、しか
も、n−ペンタンの不燃域を確保しつつオイルを圧縮機
へ帰還させることができる。
【0014】請求項2の構成によっても、特にオイルセ
パレータを設けてオイルを分離するまでもなく、圧縮機
にオイルを戻す冷媒組成物とすることができる。即ち、
ジクロロモノフルオロメタン(R21)も圧縮機のオイ
ルとの相溶性が良好であり、ジクロロモノフルオロメタ
ン(R21)を所定量混合することにより、ジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)にオイルを溶け込ませた状
態で圧縮機まで帰還させることができ、圧縮機の油上が
りによるロック等の弊害を防止できる。ここで、ジクロ
ロモノフルオロメタン(R21)の沸点は、+8.9℃
と高いため、あまり多量に入れると冷却性能を損なうこ
ととなるが、ジクロロモノフルオロメタン(R21)を
所定量に留めることにより、冷却性能が低下することは
なく、しかも、沸点が高いため、圧縮機に帰還した後に
圧縮機内で蒸発させることができ、圧縮機を冷却するこ
とができる。
【0015】また、請求項3及び4の構成により、実際
の冷媒回路において、オイルセパレータを使用すること
なく、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うこと
なく、蒸発器にて−60℃程度の低温を達成することが
でき、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリー
ザーとして実用化できる。
【0016】
【実施例】次に図面において実施例を説明する。図1は
本発明の冷媒組成物を封入してなる二元冷凍装置の冷媒
回路図である。S1は高温側冷媒サイクルを、また、S
2は低温側冷媒サイクルを示している。
【0017】高温側冷媒サイクルS1を構成する圧縮機
1の吐出側配管2は蒸発パイプ3、フレームパイプ4に
接続され、フレームパイプ4は、圧縮機1のオイルクー
ラー5、凝縮器6、乾燥器7、キャピラリーチューブ8
を順次経て、カスケードコンデンサ9に接続され、吸込
側配管10により圧縮機1に接続されている。11は凝
縮器6の冷却用ファンである。
【0018】低温側冷媒サイクルS2の圧縮機12の吐
出側配管13は、補助凝縮器14に接続され、圧縮機1
2のオイルクーラー15を介してカスケードコンデンサ
9内の配管16、乾燥器17、キャピラリーチューブ1
8を経て入口管19より蒸発器20に流入し、出口管2
1より出てアキュムレータ22を経て圧縮機12の吸込
側配管23より圧縮機12に戻る構成である。
【0019】高温側冷媒サイクルS1には、クロロジフ
ルオロメタン(R22)と1−クロロ−1,1−ジフル
オロエタン(R142b)と8弗化プロパン(R21
8)との共沸混合物が封入される。R22の沸点は大気
圧で−40.75℃、R142bの沸点は−9.8℃、
R218の沸点は−36.7℃である。そして、この混
合物が凝縮器6にて凝縮し、キャピラリーチューブ8に
て減圧されてカスケードコンデンサ9に流入して蒸発す
る。ここで、カスケードコンデンサ9は−25℃程とな
る。
【0020】低温側冷媒サイクルS2には、クロロジフ
ルオロメタン(R22)と8弗化プロパン(R218)
の共沸混合物と、n−ペンタンとの共沸混合物が封入さ
れる。ここで、クロロジフルオロメタン(R22)と8
弗化プロパン(R218)の混合比は、43.8:5
6.2であると共に、n−ペンタンは、クロロジフルオ
ロメタン(R22)と8弗化プロパン(R218)の総
重量に対して14%以下の割合で混合して組成される。
この結果、共沸点が−47℃というかなり低温の冷媒組
成物を封入することとなる。そして、圧縮機6から吐出
された冷媒及び圧縮機オイルは、補助凝縮器14、オイ
ルクーラー15を介してカスケードコンデンサ9内の配
管16に流入し、高温側冷媒サイクルS1内の冷媒の蒸
発によって冷却されて凝縮する。この後、キャピラリー
チューブ18にて減圧された後、蒸発器20に流入して
蒸発する。この蒸発器20は、図示しない冷凍庫の壁面
に熱交換関係に取り付けられて庫内を冷却する。ここ
で、蒸発器20での蒸発温度は−60℃に達する。
【0021】このように構成された二元冷凍装置におい
て、低温側冷媒サイクルS2に封入される冷媒組成物で
あるクロロジフルオロメタン(R22)は塩素を含むが
水素も含むHCFCであり、8弗化プロパン(R21
8)はフッ素と炭素のみからなるFCであり、n−ペン
タンも塩素を含むものではなく、いずれもオゾン層破壊
問題における規制の対象となっておらず、また、その沸
点は、クロロジフルオロメタン(R22)が−40℃、
8弗化プロパン(R218)が−36.7℃であって、
両者の混合物の共沸点は、−47℃程度となることか
ら、R502の代替冷媒として十分に冷凍能力を発揮で
きる。
【0022】尚、クロロジフルオロメタン(R22)
は、比熱比が1.18と高目であるため、冷媒回路に封
入した場合には、吐出温度が上昇する懸念があるが、比
熱比が1.06とかなり低い8弗化プロパン(R21
8)を所定量混合しているため、吐出温度の上昇は抑制
することができる。この結果、所望とする冷凍能力を実
現できると共にオイルスラッジやオイルの劣化を抑制で
きる。
【0023】更に、クロロジフルオロメタン(R22)
と8弗化プロパン(R218)の共沸混合物は、従来の
圧縮機オイルとの相溶性が悪いが、n−ペンタンを所定
量混合することにより、冷媒回路中において、圧縮機へ
オイルを戻すことができる。即ち、n−ペンタンは沸点
が+36.07℃と高いが、圧縮機のオイルとの相溶性
が良好であり、n−ペンタンを所定量混合することによ
り、n−ペンタンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機
まで帰還させることができ、圧縮機の油上がりによるロ
ック等の弊害を防止できる。ここで、n−ペンタンは沸
点が高いため、あまり多量に混合すると蒸発温度が上昇
して目的とする低温が得られないと共に、可燃性である
ため、爆発の危険がある。このため、n−ペンタンを、
14重量%以下の割合で混合することにより、蒸発温度
を上昇させず、しかも、n−ペンタンの不燃域を確保し
つつオイルを圧縮機へ帰還させることができる。この結
果、特にオイルセパレータ等を設けて冷媒中のオイルを
分離するまでもなく、圧縮機12にオイルを戻すことが
できる。
【0024】ここで、比熱比の値K(Cp/Cv)は下
記の(1)式で示す如く、断熱圧縮における圧縮機の吐
出ガス温度に大きな影響を及ぼすものであって組成物の
分子量が大きい程小さい値を示す。
【0025】
【数1】
【0026】尚、n−ペンタンは沸点が高いため、あま
り多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的とする低温
が得られないが、n−ペンタンを、14重量%以下の割
合で混合することにより、蒸発温度を上昇させず、しか
も、n−ペンタンを不燃域に維持しつつオイルを圧縮機
へ帰還させることができる。
【0027】具体的には以下の実験にて確認された。
【0028】図1に示す冷媒回路を内蔵した二元冷凍装
置を使用し、高温側冷媒サイクルS1に、クロロジフル
オロメタン(R22)と1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン(R142b)と8弗化プロパン(R218)
とを70:25:5重量%の割合で混合してなる非共沸
混合冷媒を300g封入し、低温側冷媒サイクルS2
に、本発明の混合冷媒であるクロロジフルオロメタン
(R22)と8弗化プロパン(R218)とn−ペンタ
ンの混合冷媒を240g封入し、本発明の混合冷媒中、
n−ペンタンの重量%を0〜15%と変化させて装置の
各部分での温度、圧力変化を観察した。尚、外気温度は
35℃の条件であった。この実験結果を図2に示す。
【0029】図2中、Aは低温側の吐出管13の温度、
Bは低温側の圧縮機12の温度、Cは高温側の吐出圧
力、Dは吸入管23の温度、Eはカスケードコンデンサ
9における低温側の配管16の出口温度、Fは低温側の
吐出圧力、Gは高温側吸入圧力、Hは庫内温度、Iは蒸
発器20の入口温度、Jはアキュムレータ22の出口温
度、Kは低温側吸入圧力の測定結果を示す。
【0030】この実験結果により、n−ペンタンの割合
が14重量%を越えると蒸発器20の入口温度Iが上昇
することとなり、冷媒回路中にオイルが停滞しているこ
とが推測できる。また、n−ペンタンの割合は庫内温度
の安定性から、4〜14重量%の範囲が適当であること
が確認された。尚、冷媒回路中にオイルが残留すると冷
媒通路が狭めて冷媒循環量が減少し、更に、蒸発器20
の熱交換率が低下することとなるため、冷却性能が悪化
してしまう。
【0031】このように、本実施例の二元冷凍装置によ
れば、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うこと
なく、蒸発器にて−60℃程度の低温を達成することが
でき、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリー
ザーとして実用化できる。
【0032】また、n−ペンタンは工場生産ではないの
で、フリーザー等で使用する場合には容易に入手でき、
実用的である。
【0033】尚、本実施例ではクロロジフルオロメタン
(R22)と8弗化プロパン(R218)とn−ペンタ
ンとの混合物にて説明したが、n−ペンタンの代わりに
ジクロロモノフルオロメタン(R21)を所定の割合で
混合しても同様の効果が得られる。即ち、ジクロロモノ
フルオロメタン(R21)も圧縮機オイルとの相溶性が
良好であり、プロパンを20重量%以下の割合で混合す
ることにより、冷却性能を損なうことなく、ジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)にオイルを溶け込ませた状
態で圧縮機12まで帰還させることができ、圧縮機12
の油上がりによるロック等の弊害を防止できる。ここ
で、ジクロロモノフルオロメタン(R21)は沸点が+
8.9℃と高いため、あまり多量に入れると蒸発温度を
上昇させることとなり、また、毒性があるため、職場環
境を悪化させる問題がある。しかし、ジクロロモノフル
オロメタン(R21)の割合を20重量%以下とするこ
とにより、これらの問題を解決しつつオイルを帰還させ
ることができる。
【0034】具体的には以下の実験にて確認された。
【0035】図1に示す冷媒回路を内蔵した二元冷凍装
置を使用し、高温側冷媒サイクルS1に、クロロジフル
オロメタン(R22)と1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン(R142b)と8弗化プロパン(R218)
とを70:25:5重量%の割合で混合してなる非共沸
混合冷媒を300g封入し、低温側冷媒サイクルS2
に、本発明の混合冷媒であるクロロジフルオロメタン
(R22)と8弗化プロパン(R218)とジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)の混合冷媒を242g封入
し、本発明の混合冷媒中、ジクロロモノフルオロメタン
(R21)の重量%を0〜25%と変化させて装置の各
部分での温度、圧力変化を観察した。尚、外気温度は3
5℃の条件であった。この実験結果を図3に示す。
【0036】図3中、Lは低温側の吐出管13の温度、
Mは低温側の圧縮機12の温度、Nは高温側の吐出圧
力、Oは吸入管23の温度、Pはカスケードコンデンサ
9における低温側の配管16の出口温度、Qは低温側の
吐出圧力、Rは高温側吸入圧力、Sは庫内温度、Tは蒸
発器20の入口温度、Uはアキュムレータ22の出口温
度、Vは低温側吸入圧力の測定結果を示す。
【0037】この実験結果により、ジクロロモノフルオ
ロメタン(R21)の割合が20重量%を越えると蒸発
器20の入口温度Tが上昇することとなり、冷媒回路中
にオイルが停滞していることが推測できる。また、ジク
ロロモノフルオロメタン(R21)の割合は庫内温度の
安定性から、5〜20重量%の範囲が適当であることが
確認された。
【0038】また、本実施例では、本発明の冷媒組成物
を二元冷凍装置に封入した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、単元、即ち、圧縮機、凝
縮器、減圧装置、及び蒸発器からなる単純な冷凍サイク
ルにおいても同様の効果を発揮できる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、クロロジ
フルオロメタン(R22)は塩素を含むが水素も含むH
CFCであり、8弗化プロパン(R218)はフッ素と
炭素のみからなるFCであり、n−ペンタンも塩素を含
むものではなく、いずれもオゾン層破壊問題における規
制の対象となっておらず、また、その沸点は、クロロジ
フルオロメタン(R22)が−40℃、8弗化プロパン
(R218)が−36.7℃であって、両者の混合物の
共沸点は、−47℃程度となることから、R502の代
替冷媒として十分に冷凍能力を発揮できる。
【0040】尚、クロロジフルオロメタン(R22)
は、比熱比が1.18と高目であるため、冷媒回路に封
入した場合には、吐出温度が上昇する懸念があるが、比
熱比が1.06とかなり低い8弗化プロパン(R21
8)を所定量混合しているため、吐出温度の上昇は抑制
することができる。この結果、所望とする冷凍能力を実
現できると共にオイルスラッジやオイルの劣化を抑制で
きる。
【0041】更に、クロロジフルオロメタン(R22)
と8弗化プロパン(R218)の共沸混合物は、オイル
との相溶性が悪いが、n−ペンタンを所定量混合するこ
とにより、冷媒回路中において、圧縮機へオイルを戻す
ことができる。即ち、n−ペンタンは沸点が+36.0
7℃と高いが、圧縮機のオイルとの相溶性が良好であ
り、n−ペンタンを所定量混合することにより、n−ペ
ンタンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機まで帰還さ
せることができ、圧縮機の油上がりによるロック等の弊
害を防止できる。ここで、n−ペンタンは沸点が高いた
め、あまり多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的と
する低温が得られないと共に、可燃性であるため、爆発
の危険がある。このため。n−ペンタンを、14重量℃
以下の割合で混合することにより、蒸発温度を上昇させ
ずしかもn−ペンタンの不燃域を確保しつつオイルを圧
縮機へ帰還させることができる。
【0042】請求項2の構成によっても、特にオイルセ
パレータを設けてオイルを分離するまでもなく、圧縮機
にオイルを戻す冷媒組成物とすることができる。即ち、
ジクロロモノフルオロメタン(R21)も圧縮機のオイ
ルとの相溶性が良好であり、ジクロロモノフルオロメタ
ン(R21)を所定量混合することにより、ジクロロモ
ノフルオロメタン(R21)にオイルを溶け込ませた状
態で圧縮機まで帰還させることができ、圧縮機の油上が
りによるロック等の弊害を防止できる。ここで、ジクロ
ロモノフルオロメタン(R21)の沸点は、+8.9℃
と高いため、あまり多量に入れると冷却性能を損なうこ
ととなるが、ジクロロモノフルオロメタン(R21)を
所定量に留めることにより、冷却性能が低下することは
なく、しかも、沸点が高いため、圧縮機に帰還した後に
圧縮機内で蒸発させることができ、圧縮機を冷却するこ
とができる。
【0043】また、請求項3及び4の構成により、実際
の冷媒回路において、オイルセパレータを使用すること
なく、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うこと
なく、蒸発器にて−60℃程度の低温を達成することが
でき、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリー
ザーとして実用化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷媒組成物を封入した二元冷凍装置の
冷媒回路図である。
【図2】本発明の冷媒組成物を封入した二元冷凍装置の
実験結果を示すグラフ。
【図3】本発明の他の冷媒組成物を封入した二元冷凍装
置の実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
S1 高温側冷媒サイクル S2 低温側冷媒サイクル 1,12 圧縮機 9 カスケードコンデンサ 20 蒸発器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロジフルオロメタンを44重量%、
    8沸化プロパンを56重量%混合した共沸混合物と、n
    −ペンタンとの混合物からなり、このn−ペンタンを、
    クロロジフルオロメタンと8沸化プロパンの総重量に対
    して14%以下の割合で混合してなる冷媒組成物を減圧
    して蒸発させることにより冷却する冷却方法。
  2. 【請求項2】 クロロジフルオロメタンを44重量%、
    8沸化プロパンを56重量%混合した共沸混合物と、ジ
    クロロモノフルオロメタンとの混合物からなり、このジ
    クロロモノフルオロメタンを、クロロジフルオロメタン
    と8沸化プロパンの総重量に対して20%以下の割合で
    混合してなる冷媒組成物を減圧して蒸発させることによ
    り冷却する冷却方法。
  3. 【請求項3】 高温側冷媒回路と低温側冷媒回路を備
    え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷
    媒回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により
    行う二元冷凍装置を用いた冷却方法において、前記低温
    側冷媒回路に封入される冷媒を、クロロジフルオロメタ
    ンを44重量%、8沸化プロパンを56重量%混合した
    共沸混合物と、n−ペンタンとの混合物からなり、この
    n−ペンタンを、クロロジフルオロメタンと8沸化プロ
    パンの総重量に対して14%以下の割合で混合してなる
    冷媒組成物を使用すると共に、この冷媒を前記カスケー
    ドコンデンサにより凝縮した後減圧し、前記低温側冷媒
    回路の蒸発器にて蒸発させることにより冷却する二元冷
    凍装置を用いた冷却方法。
  4. 【請求項4】 高温側冷媒回路と低温側冷媒回路を備
    え、前記低温側冷媒回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷
    媒回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により
    行う二元冷凍装置を用いた冷却方法において、前記低温
    側冷媒回路に封入される冷媒を、クロロジフルオロメタ
    ンを44重量%、8沸化プロパンを56重量%混合した
    共沸混合物と、ジクロロモノフルオロメタンとの混合物
    からなり、このジクロロモノフルオロメタンを、クロロ
    ジフルオロメタンと8沸化プロパンの総重量に対して2
    0%以下の割合で混合してなる冷媒組成物を使用すると
    共に、この冷媒を前記カスケードコンデンサにより凝縮
    した後減圧し、前記低温側冷媒回路の蒸発器にて蒸発さ
    せることにより冷却する二元冷凍装置を用いた冷却
    法。
JP10249811A 1998-09-03 1998-09-03 冷却方法 Expired - Lifetime JP2983969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10249811A JP2983969B2 (ja) 1998-09-03 1998-09-03 冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10249811A JP2983969B2 (ja) 1998-09-03 1998-09-03 冷却方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4094290A Division JP2865475B2 (ja) 1992-04-14 1992-04-14 冷媒組成物及びこれを使用した二元冷凍装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11158460A JPH11158460A (ja) 1999-06-15
JP2983969B2 true JP2983969B2 (ja) 1999-11-29

Family

ID=17198566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10249811A Expired - Lifetime JP2983969B2 (ja) 1998-09-03 1998-09-03 冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2983969B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102504975B1 (ko) * 2017-06-21 2023-03-02 허니웰 인터내셔날 인코포레이티드 냉동 시스템 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11158460A (ja) 1999-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100652080B1 (ko) 냉동 장치
WO2014156190A1 (ja) 二元冷凍装置
JPH04350471A (ja) 冷凍装置
JP3244296B2 (ja) 冷媒組成物及びこれを使用した二元冷凍装置
JPH07504889A (ja) 冷媒組成物およびその使用方法
JPH0418484A (ja) 冷媒組成物
JPH0959611A (ja) 冷媒組成物
JP2983969B2 (ja) 冷却方法
KR960000866B1 (ko) 냉매조성물
JPH07502774A (ja) 冷媒として有用な組成物
JPH0418485A (ja) 冷媒組成物
JP2014196868A (ja) 二元冷凍装置
JP2865475B2 (ja) 冷媒組成物及びこれを使用した二元冷凍装置
US6951115B2 (en) Refrigerant composition and refrigerating circuit using the same
JP3433197B2 (ja) 冷媒回路
JP2001040340A (ja) 二元冷凍装置
JP2859154B2 (ja) 冷凍装置
JPH09221664A (ja) 作動流体
JPH0660306B2 (ja) 冷媒組成物
JPH08170075A (ja) 作動流体
JPH08151569A (ja) 作動流体
RU2013431C1 (ru) Композиция хладагента
KR960009238B1 (ko) 냉매 조성물
JP2014196869A (ja) 二元冷凍装置
JP3469855B2 (ja) 冷媒回路

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990831

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 13