JP2864463B2 - 空気の処理方法 - Google Patents

空気の処理方法

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JP2864463B2
JP2864463B2 JP2113111A JP11311190A JP2864463B2 JP 2864463 B2 JP2864463 B2 JP 2864463B2 JP 2113111 A JP2113111 A JP 2113111A JP 11311190 A JP11311190 A JP 11311190A JP 2864463 B2 JP2864463 B2 JP 2864463B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、空気中の微生物類の滅菌処理方法に関し、
より詳細には例えば集積回路製造用あるいはバイオテク
ノロジーの研究開発用の無菌室つまりいわゆるクリーン
ルーム等へ供給する微生物等を含有する空気を供給前に
処理して無菌化するための方法に関する。
(従来技術) 近年における集積回路の製造技術やバイオテクノロジ
ーの発展に伴って微生物を一切含有しないクリーンな空
気を充満させたクリーンルームが広く使用されている。
該クリーンルームに供給される空気の滅菌は従来はフィ
ルタにより塵を除去した後、紫外線を照射することによ
り行っているが、実際には紫外線照射による滅菌効率は
非常に低い。例えば紫外線照射処理を行った空気を集積
回路製造用のクリーンルームに供給し該クリーンルーム
に前記空気を充満させ、高純度の純水を使用してICの洗
浄を行っても前記空気中に残存する紫外線照射で死滅し
なかった大腸菌や藻類がIC基板上で繁殖してIC回路の機
能が損なわれるといった事故が頻発している。
このようにクリーンルーム等へ供給される空気はその
中の微生物をほぼ完全に滅菌しておかないとクリーンル
ームを使用する意味がなくなる。前述した紫外線照射で
は満足出来る滅菌効果を得ることが出来ず、紫外線照射
量を増大させてもクリーンルーム用空気として十分な滅
菌効果を得ることは出来ない。
紫外線照射の他に、例えば微生物を含む空気を加熱す
ることによりほぼ完全に微生物を滅菌することは可能で
あるが、使用する空気量が大量であるためコスト的に問
題があり、工業的な規模での使用は実現されていない。
(発明が解決しようとする問題点) このように従来の空気の滅菌方法は、十分な滅菌効果
を得ることが出来ない主として紫外線照射や大量の空気
を処理出来ない加熱法によるものである。従って従来か
らほぼ完全に空気中の微生物類の滅菌を達成できる、比
較的簡単で経済的かつ簡便な方法が望まれている。
(発明の目的) 本発明は、比較的容易に空気中の微生物をほぼ完全に
滅菌させるための方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明方法は、微生物を含有する空気を湿潤表面を有
する分極した電極体に供給し、前記微生物を前記湿潤電
極体の表面に接触させることを含んで成る空気の処理方
法である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、従来の紫外線照射処理では達成することの
できない特にクリーンルームへ供給する空気中の微生物
のほぼ完全な滅菌を、該空気を電気化学的に処理するこ
とにより達成しようとするものである。
本発明の処理により空気中の微生物類が滅菌される理
由は必ずしも明確ではないが、次のように推測すること
ができる。
本発明により微生物類が繁殖している空気を、液体に
より湿潤状態に維持された表面を有する分極した電極体
に供給すると、前記空気中の微生物類は前記液体に触れ
て該液体中に取り込まれ、該液体中を泳動して前記分極
した電極体に接触しその表面で強力な酸化還元反応を受
けてその活動が弱まったり自身が死滅したりすると考え
られる。
この場合の滅菌効果は電極体の電位のみに依存し流れ
る電流量には依存しない。従って前記電極体には高電位
を印加して電解反応が生ずるほどの電流を流す必要はな
く、前記電極体表面に接触した微生物を死滅する程度の
比較的小さい電位を印加すれば十分である。しかし電位
は生じているが電流は流れていない、つまり電場のみが
生じている電極体に微生物を接触させるだけでは死滅効
率が低いため、微弱な電流が流れている電極体に微生物
を接触させることが望ましい。そのためには電極体が相
互に液体好ましくは電解質溶液により電気的に接続され
ていることが必要である。
更に本発明方法では前述の微生物類を含有する空気を
処理するためには該空気中の微生物を分極した電極体に
接触させなければならないが、電極体表面が乾燥してい
ると空気中の微生物が直接電極体に衝突した場合にのみ
滅菌効果が生じ、他の場合には滅菌効果は生じない。一
方電極体表面が浸潤状態につまり水滴等が存在する状態
に維持されていると、前記空気が前記水滴等に接触し該
空気中の微生物が前記水滴中に取り込まれて(溶解し
て)空気から分離され、水滴中に長く滞留して前記電極
体との接触効率が高くなり、乾燥状態で空気を処理する
場合と比較して微生物の滅菌効率を飛躍的に高めること
ができる。
従って本発明方法ではその表面を湿潤状態に維持した
電極体を使用する。該電極体の形状や材質は特に限定さ
れず、表面積の小さい板状あるいは棒状電極、又は表面
積の大きい多孔質電極例えばエクスパンデッドメタル電
極等を使用することができる。これらの電極の他に両端
に給電用陰極及び陽極を設置し該両極間に非常に大きい
表面積を有する分極可能な1又は2以上の三次元電極体
を配置し、この三次元電極体に前記微生物を有する空気
を接触させて該空気の滅菌を行うようにしてもよく、該
三次元電極体は他の電極体と比較して莫大な表面積を有
し、処理すべき空気との接触効率が非常に高くなるため
電極体としては三次元電極体を使用することが望まし
い。
本発明では、陽陰極間に印加される好適な直流電圧の
値は実質的なガス発生を生じさせることなく僅かな電流
が流れる値、つまり陽極電位は+2.0Vより卑な範囲、好
ましくは酸素発生が生じ始める+1.2V(vs.SCE)より卑
な範囲の値とし、陰極電位は水素発生が生じ始める−1.
2V(vs.SCE)より貴な範囲の値とすることが望ましい。
本発明に係わる空気処理装置は三次元電極体を収容し
た電気化学的処理槽であり、特に複極固定床式三次元電
極型処理槽とすることが好ましい。本発明による微生物
を有する空気の処理では、処理される空気が電極体と接
触する機会が多いほど処理効率が上昇する。従って前述
の通り電極等の表面積が大きい三次元電極体を使用する
三次元電極型電気化学的処理槽、及びその中でも特に電
極等の表面積が大きい複極固定床式三次元電極型電気化
学的処理槽を使用すると従来の空気処理に使用されてい
る紫外線照射と比較して処理効率を飛躍的に上昇させる
ことができ、これにより同一の処理効率を達成するため
に必要な装置サイズを他の処理装置よりも小さくできる
点で有利である。
本発明装置の三次元電極式電気化学的処理槽における
三次元電極体は、前記空気が透過可能で湿潤表面を維持
できる多孔質材料、例えば粒状、球状、フェルト状、織
布状、多孔質ブロック状、多数の貫通孔を形成した中実
体等の形状を有する活性炭、グラファイト、炭素繊維等
の炭素系材料から、あるいは同形状を有するニッケル、
銅、ステンレス、鉄、チタン等の金属材料、更にそれら
金属材料に貴金属のコーティングを施した材料から形成
された複数個の誘電体、更にセルロースやポリエチレ
ン、ポリプロピレン等を紙状に成形した材料等から成る
ことが好ましく、該三次元電極体は直流電場内に置か
れ、両端に設置した平板状又はエキスパンドメッシュ状
やパーフォレーティッドプレート状等の多孔板体から成
る給電用陽陰極間に直流電圧を印加して前記誘電体を分
極させ該誘電体の一端及び他端にそれぞれ正及び負の電
荷が形成されて分極する。この他に給電用陽極及び陰極
とは別個に、単独で陽極としてあるいは陰極として機能
する三次元材料を交互に短絡しないように設置しかつ電
気的に接続して複極固定床型三次元電極式電気化学的処
理槽とすることができる。なお前述の多数の貫通孔を形
成した中実体を三次元電極体として使用する場合には、
空気の移動を妨害しないようにその開口率を10%以上95
%以下好ましくは20%以上80%以下とすることが好まし
い。又電気化学的処理槽の大きさは例えば円筒状の槽を
使用し毎分1〜10の空気を処理する場合、その内径を
約10cm高さを約20cmとすることが好ましい。
本発明では前記電極体を湿潤状態に維持する必要があ
り例えば給電用電極と前述の電極体間及び電極体相互間
に好ましくは水酸化カリウム水溶液や希硫酸のような希
薄な電解質溶液を存在させて各電極体を電気的接続状態
に維持して電流を流すようにする。電極体を湿潤状態に
維持する方法としては、通常の電解槽と同様に各電極体
を溶液中に浸漬したり、あるいは電極体の上方のノズル
から液体を噴射して各電極体の表面を濡らしたりする方
法がある。前者の方法の場合空気は溶液中にバブリング
し、後者の場合には例えば横方向から供給して湿潤状態
の各電極体の表面に接触させあるいは内部を通過させ、
この間に電極体に接触させて滅菌処理を行うようにす
る。空気をバブリングする方法は大量の空気処理には不
適切で、通常大量の空気がクリーンルームに供給される
ため、後者の方法が好ましい。更に、処理効率を向上さ
せるためには空気を電極体表面になるべく接触させなが
ら電極体内を通過させる必要があり、例えば電極体とし
てスポンジ状等の多孔質の電極体を使用する際には、該
電極体内の多孔質空間がなるべく閉塞されずにその表面
が湿潤状態に維持される最小限の湿潤用液体を使用する
ことが望ましい。
前記誘電体又は給電用陽陰極以外の陽極及び陰極を接
近させて電圧の低下を意図する際には、短絡防止のため
電気絶縁性のスペーサとして例えば有機高分子材料で作
製した網状スペーサ等を挿入することができる。
処理すべき空気が流れる処理槽内に該空気が前記誘電
体や陽極又は陰極に接触せずに流通できる比較的大きな
空隙があると空気の処理効率が低下するため、前記誘電
体等の電極体は処理槽内の空気の流れがショートパスし
ないように配置することが望ましい。
このような構成から成る処理槽は、IC基板製造用等の
クリーンルームに近接させて設置し、該クリーンルーム
に供給される空気の好ましくは全部を前記処理槽に導入
して該処理槽に望ましくは実質的なガス発生が生じない
直流電位を印加して前記空気の滅菌処理を行い、処理済
の実質的に微生物を含有しない空気を前記クリーンルー
ムに供給するようにすることができる。
次に添付図面に基づいて本発明に係わる空気処理方法
に使用できる複極固定床型三次元電極式電気化学的処理
槽の好ましい例を説明するが、本発明方法に使用される
処理槽は、この処理槽に限定されるものではない。
第1図は、本発明の処理槽として使用可能な紙状の三
次元電極体を使用する複極固定床型三次元電極式電気化
学的処理槽の一例を示す概略縦断面図、第2図は第1図
のII−II線横断面図である。
複極固定床型三次元電極式電気化学的処理槽1の左右
側壁に近接する該処理槽1内部には、それぞれメッシュ
状の給電用陽極2と給電用陰極3が設けられている。電
解槽本体1は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え得
る電気絶縁材料で形成することが好ましく、特に合成樹
脂であるポリエピクロルヒドリン、ポリビニルメタクリ
レート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化エチレン、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂等が好ましく使用できる。正の直流電圧を与える前
記給電用陽極2は、例えば炭素材(例えば活性炭、炭、
コークス、石炭等)、グラファイト材(例えば炭素繊
維、カーボンクロス、グラファイト等)、炭素複合材
(例えば炭素に金属を粉状で混ぜ焼結したもの等)、活
性炭素繊維不織布(例えばKE−1000フェルト、東洋紡株
式会社)、又はこれに白金、白金、パラジウムやニッケ
ルを担持させた材料、更に寸法安定性電極(白金族酸化
物被覆チタン材)、白金被覆チタン材、ニッケル材、ス
テンレス材、鉄材等から形成される。又給電用陽極2に
対向し負の直流電圧を与える給電用陰極3は、例えば白
金、ステンレス、チタン、ニッケル、ハステロイ、グラ
ファイト、炭素材、軟鋼あるいは白金族金属をコーティ
ングした金属材料等から形成されている。
前記両給電用電極2、3間には、複数個の、図示の例
では1列6個又は7個の紙状の固定床4である電極体が
該固定床4の隣接する列の間に配設されたスペーサ5に
より短絡が防止された状態で設置されている。各列の固
定床4は隣接する列の固定床4に対して左右方向の位置
がずれた状態で設置されている。この各列の固定床4に
対しほぼ等しい電位を印加するため、図示の装置では前
記給電用電極2、3はT字状として該電極2、3と各列
の端部の固定床4との間隔が等しくなるよう設計されて
いる。
各固定床4の上下両端は処理槽本体1の内壁に近接す
るよう設置され、前記固定床4の内部を通過せず、固定
床4と処理槽本体1の側壁との間を通過する空気量がな
るべく少なくなるように配置されている。
前記処理槽本体1の上面には開口部6が形成され、該
開口部6の長さ方向の全長とほぼ長さの等しい電解液供
給管7が前記開口部6の上方に設置されている。該供給
管7中の電解液例えば希釈された水酸化カリウム溶液
は、該供給管7の下面に形成されたノズル8を通して前
記各固定床4上に滴下して各固定床4を湿潤させるよう
にしている。前記供給管7から供給される液体は前記固
定床4を湿らせた後、ある時間固定床4に留まりその
後、処理槽1下面に設置された取出口9より系外に取り
出される。系外に取り出された液体は廃棄しても再度前
記供給管7に循環し使用してもよい。該処理槽1の前面
には空気供給用開口部10が、又該処理槽1の後面には空
気取出用開口部11がそれぞれ形成されている。
このような構成から成る処理槽1に前記供給管から液
体を供給すると、該液体は紙状の固定床4内に浸入する
とともにその表面を湿潤化し近接している前記固定床4
間及び該固定床4と前記供給用陽極2あるいは供給用陰
極3間を電気的に接続する。そして該処理槽1の前記両
給電用電極2、3間に通電すると前記各固定床4が前記
給電用陽極2に近いその左側が負に又前記給電用陰極3
に近いその右側が正に帯電して分極する。次いで、図示
の例では前記処理槽1の前面の空気供給用開口部10から
微生物を含む空気を矢印で示すように供給すると、該空
気は処理槽1内の最前列の固定床4に接触して湿潤状態
に維持されたその内部を通過する。その際に固定床4表
面に存在する液体に空気中に含まれる微生物が取り込ま
れ該微生物は固定床4との接触確率が上昇して効果的に
死滅する。次いで最前列の固定床4に接触した空気は中
央の列の固定床4に接触して同様にその中に含まれる微
生物の効果的な死滅を行った後、更に最後列の固定床4
に接触して更に完全な滅菌効率が達成される。なお分極
した固定床の内、滅菌効率が高い部分は正に分極した箇
所であり固定床の中央部分つまり分極割合が少ない部分
では滅菌能力が小さいと考えられているが、図示の装置
では複数列の固定床が互いに横方向にずれた状態で設置
されているため処理される空気が分極していない部分に
のみ接触して滅菌が不十分なまま処理槽外に取り出され
ることがなく、固定床4の数等の処理条件にもよるがほ
ぼ100%の効率で滅菌を達成することができる。
第3図は、本発明方法に使用出来る他の処理槽を例示
する縦断面図、第4図は、第3図のIV−IV線横断面図で
ある。
底面21が中央に向かって傾斜し循環液取出口22が形成
された箱型の処理槽23には計5個の第1図と同形状の固
定床24が最前列に2個、中央に1個及び最後列に2個ず
つ中央の固定床24のみが左右方向の位置をずらした状態
で収容されている。前記処理槽23内の左右側壁近傍には
平面視T字状の給電用陽極25及び給電用陰極26が設置さ
れ、前記固定床24を分極するようにしている。前記循環
液取出口22の循環液はポンプ27により循環ライン28を通
して前記処理槽23内部上方のノズル29に供給され、かつ
該ノズル29を通して前記固定床24に噴射されて該固定床
24を湿潤させる。なお30は前記固定床24間の短絡を防止
するためのスペーサである。
このような構成から成る処理槽に第4図に矢印で示す
通り処理槽前面から処理すべき空気を供給すると、第1
図及び第2図の場合と同様に該空気は固定床24に接触し
滅菌された後、槽外に取り出される。
第5図は、本発明方法に使用出来る他の処理槽を例示
する縦断面図である。
処理槽31内の両側壁近傍に設置された給電用陽極32及
び給電用陰極33間の目皿34上には、多数の固定床形成粒
子35と該粒子35の短絡を回避するための絶縁粒子36が混
合状態で充填され、該粒子35、36は前記処理槽31上方の
ノズル37から供給される循環液により湿潤状態に維持さ
れ、該循環液は処理槽31下部に一時的に貯溜された後、
ポンプ38により循環ライン39を通して前記ノズル37に循
環され、再度前記粒子35、36の湿潤用に使用される。
この処理槽31では両給電用電極32、33間に通電を行う
と、前記固定床形成粒子35が分極し供給される空気が該
粒子35に接触させることにより滅菌が行われる。
第6図は、本発明方法に使用出来る更に他の処理槽を
例示する縦断面図である。
円筒状の処理槽41内の下部には側方から空気供給管42
が、又上部には循環液供給ノズル43が設置され、前記供
給管42のやや上方には給電用陽極を兼ねる目皿44が設置
されている。該目皿44上には比較的接触抵抗の高い固定
床形成粒子45が充填されている。該粒子45の上端部には
給電用陰極46が接触するよう設置され、前記ノズル43か
ら供給される循環液は前記給電用陰極46に接触した後、
前記粒子45に接触して該粒子45を湿潤状態に維持する。
両給電用電極44、46に通電しながら前記処理槽に前記空
気供給管42から空気を供給すると該空気が前記粒子45に
接触して滅菌処理された後、処理槽41の上面に設置され
た空気取出管47から槽外に取り出される。前記ノズル43
から供給された循環液は前記粒子45に接触した後、処理
槽41下部に貯溜し、この循環液はポンプ48により循環ラ
イン49を通して前記ノズル43に供給され再度前記粒子45
湿潤用に使用される。
(実施例) 次に本発明方法による空気の滅菌処理の実施例を記載
するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1 第3図に示す処理槽を使用して空気の滅菌処理を行っ
た。
幅20mm、高さ250mm、厚さ1.2mmの日本カーボン株式会
社製グラファイト繊維織布5枚を第4図に示すように塩
化ビニル樹脂製の処理槽内に設置して固定床を形成し、
各列の固定床を50メッシュのポリプロピレン製網から成
る厚さ1mmのスペーサで絶縁状態に維持した。
滅菌処理を行った1%の水酸化ナトリウム水溶液(微
生物数68個/ml)を100ml/分で循環させ、かつ空気を5
/分で供給しながら陽極電位(vs.SHE)を第1表に示
すように変化させて処理前後の処理空気中の微生物数及
び三次元電極体の劣化度〔(当初の電極重量−300時間
通電後の電極重量)/(当初の電極重量)〕を測定し
た。その結果を第1表に纏めた。
第1表から陽極電位の大小は殆ど滅菌効率に影響を与
えないのに対し、三次元電極体の劣化度は陽極電位の上
昇に伴って増大し、陽極電位は+2.0Vより卑な範囲好ま
しくは+1.2Vより卑な範囲とすることが望ましいことが
判る。
実施例2 陽極電位を+1.2Vに固定し、微生物数が65個/mlの1
%の水酸化ナトリウム水溶液を使用し、かつ供給空気の
LHSV〔空気流量(/hr)/処理槽体積()〕を第2
表に示すように変化させたこと以外は実施例1の処理槽
及び処理条件で空気の滅菌処理を行い、処理後の空気中
の微生物数を比較した。その結果を第2表に纏めた。
第2表から、供給空気のLHSVは500以下の場合に滅菌
効率が高くなり、特に100以下の場合にほぼ完全に滅菌
を行うことが出来ることが判る。
実施例3 三次元電極体を、日本カーボン製グラファイト繊維
織布、日本カーボン製グラファイトフェルト、住友
電気工業製ニッケルスポンジ、日本精線製SUS316繊維
の多孔質固化体、SUS316多 孔板(直径3mmの孔を開孔率47%で形成)、SUS316エ
キスパンドメッシュ(長径8mm、短径4mm、厚さ1mm)の
それぞれの材料を使用して構成し、実施例1と同様の処
理槽に装着した。
供給空気(微生物数64個/ml)の流速を5/時と
し、前記各材質の三次元電極体を使用して該供給空気の
滅菌の行い、各材質を使用した場合の処理後の空気中の
微生物数及び陽極電位を比較した。その結果を第3表に
示した。
第3表から、炭素系材料(及び)によると十分な
滅菌効率が得られ、金属多孔質体から成る三次元電極体
(及び)では不十分ながら滅菌による効果が生じ、
多孔板(及び)では僅かな滅菌効果が得られるのみ
であることが判る。
(発明の効果) 本発明方法は、微生物を含有する空気を湿潤表面を有
する分極した電極体に供給し、前記微生物を前記湿潤電
極体表面に接触させることを含んで成る空気の滅菌処理
方法である(請求項1)。
微生物を含む空気を本発明方法により処理すると、湿
潤状態にある電極体表面に前記微生物が取り込まれて印
加電圧により分極した前記電極体表面に接触して死滅し
滅菌効果が顕著に現れる。従来の空気処理方法である紫
外線照射では微生物の滅菌効率が悪く、クリーンルーム
等に供給された後に死滅しなかった微生物が繁殖して前
処理の効果が殆ど生ずることがなく、又加熱法では大量
の空気の処理が実質的に不可能であるのに対し、本発明
では比較的簡単な電気化学的処理により、確実に高効率
でしかも大量の空気中の微生物を滅菌してクリーンを空
気を提供することができる。
本発明の処理槽の電極は三次元電極体であり、かつ該
三次元電極体の陽極電位を+2.0V以下とすることが望ま
しい(請求項2)。表面積の膨大な三次元電極体を使用
することにより空気中の微生物の湿潤電極面への接触効
率が増大し、更にその陽極電位を+2.0V以下、好ましく
は+1.2V以下とすることにより電極の劣化を最小限にす
ることが出来る。
空気の滅菌効率は供給される空気の空間速度にも影響
され、空気が十分長い時間処理槽内に滞留して電極表面
に接触することが望ましく、そのLHSV値を100以下とす
ると十分な滅菌効率を得ることが出来る(請求項3)。
更に処理槽の三次元電極体は炭素系材料で形成するこ
とが望ましく、該炭素系材料で形成された三次元電極体
を使用すると十分な陽極電位と十分な滅菌効率を得るこ
とが出来る(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の処理槽として使用可能な処理槽の一
例を示す概略縦断面図、第2図は第1図のII−II線横断
面図、第3図は、本発明方法に使用出来る他の処理槽を
例示する縦断面図、第4図は、第3図のIV−IV線横断面
図、第5図及び第6図は、本発明方法に使用出来る更に
他の処理槽を例示する縦断面図である。 1……処理槽、2……給電用陽極 3……給電用陰極、4……固定床 5……スペーサ、6……開口部 7……電解液供給管、8……ノズル 9……取出口、10……空気供給用開口部 11……空気取出用開口部 21……底面、22……循環液取出口 23……処理槽、24……固定床 25……給電用陽極、26……給電用陰極 27……ポンプ、28……循環ライン 29……ノズル、30……スペーサ 31……処理槽、32……給電用陽極 33……給電用陰極、34……目皿 35……固定床形成粒子、36……絶縁粒子 37……ノズル、38……ポンプ 39……循環ライン 41……処理槽、42……空気供給管 43……循環液供給ノズル 44……目皿(給電用陽極) 45……固定床形成粒子、46……給電用陰極 47……空気取出管、48……ポンプ 49……循環ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 9/00 - 9/22 F24F 3/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物を含有する空気を湿潤表面を有する
    分極した電極体に供給し、前記微生物を前記湿潤電極体
    の表面に接触させることを含んで成る空気の処理方法。
  2. 【請求項2】電極体が三次元電極体であり、該三次元電
    極体の陽極電位が+2.0V以下である請求項1に記載の処
    理方法。
  3. 【請求項3】供給される空気の空間速度が100/時以下で
    ある請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 【請求項4】三次元電極体が炭素系材料で形成されてい
    る請求項2又は3に記載の処理方法。
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