JPH1043504A - 油水分離方法 - Google Patents

油水分離方法

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JPH1043504A
JPH1043504A JP21938996A JP21938996A JPH1043504A JP H1043504 A JPH1043504 A JP H1043504A JP 21938996 A JP21938996 A JP 21938996A JP 21938996 A JP21938996 A JP 21938996A JP H1043504 A JPH1043504 A JP H1043504A
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JP
Japan
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oil
electrolytic cell
water emulsion
electrode
oil droplets
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JP21938996A
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Nobutaka Goshima
伸隆 五嶋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の界面活性剤を使用する電気的油水分離
法は、高価な界面活性剤を多量に消費するだけでなく、
その分離効率も満足できるレベルにはなかった。本発明
はより簡便かつ経済的で高分離効率で実施できる油水分
離方法を提供することを目的とする。 【構成】 固定床型炭素電極15が収容された電解槽12に
油滴が懸濁した水エマルジョンを供給し、前記油滴を分
極させ、複数の油滴同士をそれらの有する電荷により吸
引させ凝集を促進して、容易に分離できる油層を有する
水エマルジョンに変換し、その後、前記油層を分離す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水圧機のプレス用の切
削油、機械切削油等の油分が油滴として分散又は懸濁し
た水エマルジョンの複数の油滴を凝集させ、その径を大
きくすることにより生成する油層を分離する油水分離を
行なう方法に関し、より詳細には前記水エマルジョンに
電場を掛けることにより、その凝集を促進して比較的容
易に油水分離を行なう方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から微少な多数の油滴が水に懸濁して
いる水エマルジョンが多くの工業における廃液として生
成している。又使用済の水圧機のプレス用の切削油、機
械切削油等はその中に含有される水溶性の不純物を除去
するため水に懸濁して水エマルジョンとしている。これ
らの水エマルジョンは界面活性剤を使用して油滴の表面
電荷を中和する方法で水から分離し、再利用等が図られ
ている。しかしこの方法は油滴が微少であるため、電気
的方法による分離には限界があり、分離効率が十分でな
いという欠点がある。しかも比較的高価な界面活性剤を
大量に必要とし、更に該界面活性剤が分離された油分中
に残りやすくこの界面活性剤の分離も必要になる。水エ
マルジョンの中の油滴は非常に微細であり、かつその表
面張力のため、微細なまま存在しようとする傾向があ
り、多数の油滴を凝集させて大径の油滴又は油層として
分離することは実際上、行なわれていない。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】この水エマルジョン
の取扱いは非常に煩雑で、容器を汚染したり容器に付着
して除去を困難にし、又満足できる油水分離法が開発さ
れていないため、十分に油滴が除去されていない水エマ
ルジョンをそのまま廃棄しがちであり生活環境の改善の
面からも、満足できる油水分離法が要請されている。更
に従来の電気的な分離方法では、界面活性剤が油滴の周
囲に結合して油滴の周囲全体が正に帯電し従って油滴同
士が電気的に反発するため油滴同士の凝集は生ずること
がない。更に大量の界面活性剤を必須とするため経済性
に劣り、より安価で簡便な油水分離方法の普及が要請さ
れている。
【0004】
【発明の目的】本発明は、前述の従来技術の欠点を解消
し、経済的でほぼ完全に油水分離を達成できる油水分離
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、複数の油滴
が懸濁した水エマルジョンに電場を掛けることにより前
記油滴を凝集させ生成する油層を分離することを特徴と
する油水分離方法であり、該方法は電解槽に水エマルジ
ョンを供給し電解槽の両給電用電極間に通電して該水エ
マルジョンに電場を掛けることにより実施することもで
き、より具体的には1又は2以上の多孔質ブロック状又
はスポンジ状の三次元固定床型炭素電極を、給電用陽極
ターミナル及び給電用陰極ターミナル間に設置した電解
槽に複数の油滴が懸濁した水エマルジョンを供給し、該
水エマルジョンに電場を掛けることにより前記油滴を凝
集させて生成する油層を分離することもでき、この他の
形式の電解槽も使用可能である。なお本発明方法に使用
可能な電解槽では電極表面上で実質的な酸化還元反応の
ような電気化学反応を生起していないことがあるので本
発明に係わる電解槽は電気化学的処理槽というべきであ
るが、一般呼称に従って電解槽と称する。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明方法
は、帯電していない水エマルジョン中の油滴、又は界面
活性剤等の存在に起因して帯電している水エマルジョン
中の油滴に電場を掛けることにより、該油滴を電場の方
向に正負に帯電させ、つまり給電用陰極に近い側を正
に、又給電用陽極に近い側を負にそれぞれ帯電させ、隣
接する油滴同士を電気的に吸引されやすくし、凝集を促
進して油滴の径を大きくし、水エマルジョンからの油滴
の分離を容易に行なうようにする。対象とする水エマル
ジョンは、前述した水圧機のプレス用の切削油、機械切
削油の他に、化粧水やプリント基板洗浄水等が含まれ
る。該水エマルジョンに電場を掛ける手段は電解槽に該
水エマルジョンを供給することが最も望ましいが、この
他に水エマルジョンを満たした容器の外部に陽極及び陰
極を設置し両極間に通電して前記容器内に電場を生じさ
せても良い。
【0007】使用可能な電解槽としては、箱型の容器に
板状の陽極及び陰極を配置した電解槽や、固定床型三次
元電極電解槽つまり固定床型単極式電解槽及び固定床式
複極式電解槽等がある。電場に置かれた油滴は、印加す
る電場の強度に比例して分極し凝集する。又油滴は電場
に置かれるだけでなく電極に接触することによっても分
極し、この電極への接触による分極の方が凝集に対する
効果は大きい。従って使用する電解槽は電極表面積の大
きい電解槽つまり固定床型三次元電極電解槽特に固定床
型複極式電解槽が望ましい。この固定床型複極式電解槽
の三次元電極は莫大な表面積を有するため電極表面と水
エマルジョン中の油滴との接触面積を増大させることが
でき、これにより装置サイズを小さくし、かつ電解処理
の効率を上げることができる点で有利である。
【0008】この固定床型複極式電極電解槽における電
極は一般に分極現象を生じる炭素質電極と給電用電極を
含み、該炭素質電極は使用する電解槽に応じた形状を有
し、前記水エマルジョンが透過可能な炭素質材料、例え
ばフェルト状、織布状、多孔質ブロック状等の形状を有
する活性炭、グラファイト、炭素繊維等の炭素系材料か
ら形成され、該炭素質電極の両端に設置した平板状又は
エキスパンドメッシュ状やパーフォレーティッドプレー
ト状等の多孔板体から成る給電用電極間に直流電圧ある
いは10Hz以下の交流電圧を印加して前記電極を分極させ
その一端及び他端にそれぞれ陽極及び陰極を形成させ得
る三次元電極を収容した固定床型複極式電解槽とするこ
とが可能であり、この他に単独で陽極としてあるいは陰
極として機能する炭素質三次元材料を交互に短絡しない
ように設置しかつ電気的に接続して固定床型複極式電解
槽とすることができる。
【0009】前記電極が炭素質であるため、電解反応生
成物である酸素ガスにより酸化され炭酸ガスとして電極
崩壊することがある。これを防止するためには前記電極
の陽分極する側にチタン等の基材上に酸化イリジウム、
酸化ルテニウム等の白金族金属酸化物を被覆し通常不溶
性金属電極として使用される多孔質材料やチタン等の基
材上に白金族金属をメッキ等で被覆した電極材料を接触
状態で設置し、酸素発生が主として該多孔質材料上で生
ずるようにすればよい。前記炭素質電極の平均開孔径は
25〜2000μmとすることが望ましい。該炭素質電極を電
解槽に収容して水エマルジョンを処理する際には、炭素
質電極の性質により水エマルジョンの流通の容易性ある
いは電解電圧等に影響が生ずる。該炭素質電極の開孔径
も比較的強い影響を有し、該炭素質電極の開孔径が大き
いと該電極に水エマルジョンが接触することなく電解槽
を通過しやすくなるため油滴の凝集効率が低下する。逆
に開孔径が小さすぎると水エマルジョンが前記炭素質電
極内を流通することができずに電解電圧の上昇や電解槽
内での液流の圧力損失を招いてしまう。
【0010】本発明者の検討によると、炭素質三次元電
極の開孔径が25μm未満であると電解電圧の顕著な上昇
が生じ、又2000μmを越えると満足する電極表面積が得
られないために凝集効率の減少を招き、いずれも満足す
べき凝集効率を達成することができない。従って本発明
方法の電解槽で炭素質電極を使用する場合にはその平均
開孔径を前述の通り25〜2000μmとすることが望まし
い。そして該炭素質電極の空間率〔(電極の空隙容積)
÷(電極の全体積)×100 (%)〕は20〜80%、好まし
くは30〜60%である。例えば炭素系粒子を焼結して炭素
質電極を形成する場合には使用する炭素系粒子の粒径を
調節することにより、調製される炭素質電極の開孔径を
調節して任意の開孔径を有する炭素質電極とすることが
でき、焼結温度は1000〜4000℃、好ましくは約3800℃と
する。又、別の製法としては所定の開孔径を有するセル
ロース系ペーパーを積層し同様な焼結温度にてグラファ
イト化する。
【0011】又他のタイプの固定床型複極式電解槽とし
て、例えば円筒状の電解槽本体内に給電用陽極及び陰極
を設置し、該給電用両極間に、三次元電極として機能す
る多数の導電性固定床形成用粒子と該固定床形成用粒子
より少数の電気絶縁性の合成樹脂等から成る絶縁粒子と
をほぼ均一に混在させた電解槽がある。該電解槽では両
給電用電極間に通電して電位を印加すると、固定床形成
用粒子が分極しその一端が正に又他端が負に帯電して各
固定床形成用粒子に電位が生じ、各粒子に水エマルジョ
ン中の油滴を凝集させる機能が付与される。なお前記絶
縁粒子は、前記両給電用電極が導電性の前記固定床形成
用粒子により電気的に接続されて短絡することを防止す
る機能を有する。本発明方法では単極式固定床型電解槽
を使用することも可能であり、その場合には、三次元材
料1個を隔膜を介してあるいは介さずに電解槽内に設置
し、あるいは複数の三次元材料を同一の電解電位の状態
で単一の電解槽内に設置するようにする。
【0012】いずれの形態の電極を使用する場合でも、
処理すべき水エマルジョンが流れる電解槽内に液が電極
に接触せずに流通できる空隙があると水エマルジョンの
処理効率が低下するため、電極等は電解槽内の水エマル
ジョンの流れが電極に接触せずにショートパスしないよ
うに配置することが望ましい。前記電解槽内は隔膜で区
画する必要はないが、その場合には電極間の短絡防止の
ため電気絶縁性のスペーサとして例えば有機高分子材料
で作製した網状スペーサ等を両極間に挿入することがで
きる。なおこのスペーサーは極間距離を調節及びそれに
伴う電解電圧の調節にも使用できる。又隔膜を使用する
場合には流通する被処理水の移動を妨害しないように多
孔質例えばその開口率が10%以上95%以下好ましくは20
%以上80%以下の隔膜を使用することが望ましく、該隔
膜は少なくとも前記水エマルジョンが透過できる程度の
孔径の微細孔を有していなければならない。
【0013】このような構成から成る電解槽の運転条件
は、水エマルジョン中の油滴の凝集効率が最大になるよ
うに設定することが望ましい。電解槽で水の電解処理を
行う場合にはワンパス処理と循環処理があり、循環処理
の方が効率は上昇する。本発明方法はいずれの処理法も
可能であるが、ワンパス処理を行なう場合には電解条件
のうちの特に水エマルジョンの空間速度(liquid hourly
space velocity)をなるべく小さくして水エマルジョン
の電解槽内の滞留時間を長くすることが望ましい。又そ
の水エマルジョン供給時の電極電位は陽極電位を+1.2
V(vs.SHE)より卑で+0.2 V(vs.SHE)より貴である値と
することが望ましい。この電位範囲では両極における通
常の電解反応により生ずる酸素ガス及び水素ガスの発生
が僅かに生ずるか殆ど認められず、前記油滴の凝集に寄
与することのない発生ガスに配慮することなく、又電解
電力を油滴の凝集以外の無駄でかつ前記凝集を阻害する
電解ガス発生に使用することなく、前記水エマルジョン
の凝集処理を行うことができる。
【0014】本発明方法ではこれらの固定床型電解槽以
外に流動床型単極式電解槽も使用できる。この電解槽を
構成する場合には、適宜形状の給電用陽極及び陰極の間
に導電性微粒子を充填し、処理すべき水エマルジョンに
より該微粒子を流動させながら両電極間に通電し、該帯
電された微粒子及び前記両極に処理すべき水エマルジョ
ンを接触させて該水エマルジョン中の油滴を凝集させ
る。他の電解条件は使用する水エマルジョンの種類や油
分の含有量等によって変動するが、水エマルジョン温度
5〜60℃、電解槽内通過の線速5〜50mm/秒、水エマル
ジョンの電気伝導度0〜5000μs/cm、電解電圧1.0 〜
10.0V/電解槽、電流密度0.01〜1.0 A/dm2 の範囲で
水エマルジョンの処理を行なうことが好ましい。
【0015】次に添付図面に基づいて本発明方法に使用
できる電解槽の好ましい例を説明するが、前記電解槽は
これらに限定されるものではない。図1は、本発明方法
の電解槽として使用可能な単極式固定床型電解槽の例を
示す概略縦断面図である。底板中央に水エマルジョン供
給口1を、又天板中央に水エマルジョン取出口2をそれ
ぞれ有する円筒状の電解槽本体3内の下部には、炭素質
材料から形成される短寸円柱形の多孔質固定床型陽極4
が前記本体3の内壁と実質的に液流動の生じないような
僅かな間隙しか形成しないように収容され、該陽極4上
には若干の間隙を介して陰極5が収容されている。前記
電解槽本体3は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え
得る電気絶縁材料で形成することが好ましく、特に合成
樹脂であるポリエピクロルヒドリン、ポリビニルメタク
リレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化エチレン、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が好ましく使用で
きる。
【0016】このような構成から成る電解槽本体3の水
エマルジョン供給口1から、機械切削油等の水エマルジ
ョンを供給すると、該水エマルジョン中の油滴は多孔質
陽極4の下面に接触しその接触面が負に又その反対面が
正に分極する。この分極した油滴は近傍に存在する同様
の油滴と正負の電荷の吸引により凝集し、引き続きこの
凝集が繰り返し起こって大きな油滴となって水エマルジ
ョン取出口2から槽外へ取り出される。槽外に取り出さ
れた水エマルジョンの油滴は径が大きくなっているた
め、デカンテーション等により容易に水から分離でき
る。
【0017】図2は、本発明方法の電解槽として使用可
能な複極式固定床型電解槽の一例を示す概略縦断面図で
ある。上下にフランジ11を有する円筒形の電解槽本体12
の内部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の
給電用陽極ターミナル13と給電用陰極ターミナル14が設
けられている。該両電極ターミナル13、14間には複数個
の図示の例では3個のスポンジ状の固定床炭素質電極15
が積層され、かつ該炭素質電極15間及び該炭素質電極15
と前記両電極ターミナル13、14間に4枚のメッシュ状隔
膜又はスペーサー16が挟持されている。各炭素質電極15
は電解槽本体12の内壁に密着し炭素質電極15の内部を通
過せず、炭素質電極15と電解槽本体12の側壁との間を流
れる水エマルジョンの漏洩流がなるべく少なくなるよう
に配置されている。
【0018】このような構成から成る電解槽に下方から
矢印で示すように水エマルジョンを供給しながら通電を
行うと、前記各固定床15が図示の如く下面が正に上面が
負に分極して各固定床15の下面に多孔質陽極が形成さ
れ、前記水エマルジョンはこの多孔質陽極に接触して凝
集が行われ、更に前記固定床15の上面に形成された多孔
質陰極により同様に凝集が行なわれ、その後前記電解槽
の上方に取り出される。
【0019】図3は、本発明方法に使用できる複極式固
定床型電解槽の他の例を示すもので、該電解槽は図2の
電解槽の炭素質電極15の給電用陰極14に向かう側つまり
陽分極する側にメッシュ状の不溶性金属電極17を密着状
態で設置したものであり、他の部材は図2と同一である
ので同一符号を付して説明を省略する。直流電圧が印加
された炭素質電極15はその両端部において最も大きく分
極が生じ、ガス発生が伴う場合には該両端部においてガ
ス発生が生じ易い。従って最も強く陽分極するつまり最
も激しく酸素ガスが発生する炭素質電極15の給電用陰極
14に向かう端部には最も速くかつ激しく酸化反応や電極
基材の溶解反応が生じる。図示の通りこの部分に不溶性
金属電極17を設置しておくと、該不溶性金属電極17の酸
素発生過電圧が炭素質電極15を形成する炭素系材料の前
記過電圧より低いためと固定床陰極に対し前記不溶性金
属電極が距離的に近いので殆どの酸素ガスが前記不溶性
金属電極17から発生し炭素質電極15は殆ど酸素ガスと接
触しなくなるため、前記炭素質電極15の溶解は効果的に
抑制される。電解槽12に供給された水エマルジョンは図
2の場合と同様に処理され該水エマルジョン中の油滴の
凝集が行われる。
【0020】図4は、本発明方法に使用できる複極式固
定床型電解槽の他の例を示すものである。上下にフラン
ジ21を有する円筒形の電解槽本体22の内部上端近傍及び
下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電用陽極23と給電
用陰極24が設けられている。該両給電用電極23、24間に
は、導電性材料例えば炭素系材料で形成された多数の固
定床形成用粒子25と該固定床形成用粒子より少数の、例
えば合成樹脂製の絶縁粒子26とがほぼ均一に混在してい
る。この電解槽でも固定床形成用粒子25の給電用陽極23
側が負に、給電用陰極24側が正に帯電して、同様にして
水エマルジョン中の油滴が凝集する。
【0021】
【実施例】以下に本発明方法による水エマルジョン処理
の実施例を記載するが、該実施例は本発明方法を限定す
るものではない。
【0022】
【実施例1】まず次のようにして本実施例の電解槽を構
成した。透明な硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の高さ75m
m、内径40mmのフランジ付円筒形である図2に示した
電解槽内に、炭素繊維から成る直径39.5mm、厚さ10m
mの固定床(多孔質グラファイト、東海カーボン株式会
社製G−100 S)5個を、開口率80%で直径40mm及び
厚さ1mmのポリエチレン樹脂製隔膜6枚で挟み込み、
上下両端の隔膜にそれぞれ白金をその表面にメッキした
チタン製である直径39mm厚さ1mmのメッシュ状給電
用陽極及び給電用陰極を接触させて設置し、本実施例の
電解槽を構成した。
【0023】又水道水50リットルに機械油30gを界面活
性剤2gとともに添加し強攪拌して懸濁させて試験用水
エマルジョンを準備した。前記電解槽の下部からこの試
験用水エマルジョンを5リットル/分の割合で供給しか
つ電解槽から取り出された水エマルジョンを再度電解槽
の下部に循環させながら、直流電源により見掛け電流密
度0.2 A/dm2 、電解電圧が4.3 〜8.8V(平均電解
電圧5.8 V)となるように調節して前記試験用水エマル
ジョンの処理を行なった。30分後に通電を停止し、得ら
れた処理済の水エマルジョンの上澄みの油層をデカンテ
ーションで除去した。油層を除去した水中には僅かな油
滴が残っていたが、その量は0.6 mg/リットルで残留率
では0.1 重量%となり、無視できる量であった。
【0024】
【比較例1】両給電用電極間に通電しなかったこと以外
は、実施例1と同一条件で処理を行なったが、電解槽か
ら取り出された水エマルジョン中の油滴は電解前と同様
の懸濁状態であった。
【0025】
【実施例2】縦20cm、横20cm、深さ10cmの箱型電解槽
に、縦8cm、横18cm、厚さ0.2 cmの白金メッキの板状チ
タン性陽極及び縦8cm、横18cm、厚さ0.3 cmの板状ニッ
ケル陰極を収容し、この電解槽に実施例1と同じ試験用
水エマルジョンを満たし、両極間に通電した。30分後に
電解槽から取り出し、得られた処理済の水エマルジョン
の上澄みの油層をデカンテーションで除去した。油層を
除去した水中には僅かな油滴が残っていたが、その量は
0.04g/リットルであり、無視できる量であった。
【0026】
【発明の効果】本発明方法は、複数の油滴が懸濁した水
エマルジョンに電場を掛けることにより前記油滴を凝集
させ生成する油層を分離することを特徴とする油水分離
方法(請求項1)である。油滴が懸濁した水エマルジョ
ンは、油滴同士が凝集力に欠けるため微細な粒子として
水エマルジョン中に存在し、これらの油滴を水から分離
することが困難であった。界面活性剤を使用して油滴表
面を正に帯電させ、この帯電粒子を電気的に分離する手
法が試みられているが、高価な界面活性剤を使用するこ
と、分離された油分から界面活性剤を除去することに手
間取ること、及び該界面活性剤を使用しても完全な油分
の分離は望めないという欠点があった。これに対し、本
発明方法では水エマルジョン中の油滴を分極させること
により本来凝集力に欠ける油滴同士を電荷同士の吸引力
により凝集させて油滴を大きな粒子にし、その分離を容
易にしている。
【0027】又本発明方法では界面活性剤の使用が不要
であり通電に必要な電力のみで運転できるため経済的で
あり、しかも分離された油分から界面活性剤を除去する
という煩雑な操作が不要になる。本発明方法は、1又は
2以上の多孔質ブロック状又はスポンジ状の三次元固定
床型炭素電極を、給電用陽極ターミナル及び給電用陰極
ターミナル間に設置した電解槽に複数の油滴が分散した
分散液を供給し、該分散液に電場を掛けることにより実
施することもでき(請求項2)、他の形式の電解槽の使
用も可能である。前記固定床型電解槽は固定床型電極の
表面積が莫大であり、電極表面と水エマルジョンとの接
触面積を増大させて、これにより装置サイズを小さく
し、かつ電解処理の効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の電解槽として使用可能な単極式固
定床型電解槽を例示する概略縦断面図。
【図2】本発明方法の電解槽として使用可能な複極式固
定床型電解槽を例示する概略縦断面図。
【図3】本発明方法の電解槽として使用可能な複極式固
定床型電解槽の他の例を示す概略縦断面図。
【図4】本発明方法の電解槽として使用可能な複極式固
定床型電解槽の他の例を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1・・・水エマルジョン供給口 2・・・水エマルジョ
ン取出口 3・・・電解槽本体 4・・・固定床型陽極
5・・・陰極 11・・・フランジ 12・・・電解槽本
体 13・・・給電用陽極ターミナル 14・・・給電用陰
極ターミナル 15・・・固定床炭素質電極 16・・・スペーサー 17・
・・不溶性金属電極 21・・・フランジ 22・・・電解
槽本体 23・・・給電用陽極 24・・・給電用陰極 25
・・・固定床形成用粒子 26・・・絶縁粒子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油滴が懸濁した水エマルジョンに
    電場を掛けることにより前記油滴を凝集させ生成する油
    層を分離することを特徴とする油水分離方法。
  2. 【請求項2】 1又は2以上の多孔質ブロック状又はス
    ポンジ状の三次元固定床型炭素電極を、給電用陽極ター
    ミナル及び給電用陰極ターミナル間に設置した電解槽に
    複数の油滴が懸濁した水エマルジョンを供給し、該水エ
    マルジョンに電場を掛けることにより前記油滴を凝集さ
    せ生成する油層を分離することを特徴とする油水分離方
    法。
JP21938996A 1996-08-01 1996-08-01 油水分離方法 Pending JPH1043504A (ja)

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