JP2864308B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP2864308B2
JP2864308B2 JP4081140A JP8114092A JP2864308B2 JP 2864308 B2 JP2864308 B2 JP 2864308B2 JP 4081140 A JP4081140 A JP 4081140A JP 8114092 A JP8114092 A JP 8114092A JP 2864308 B2 JP2864308 B2 JP 2864308B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器、とくに、燃
焼室を構成する缶体内に臨む吸熱管にコイル等の乱流発
生体を装備させた形式の熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来技術及び課題】この種熱交換器は、例えば、ガス
バーナによって被加熱水管となる吸熱管を加熱するよう
にした給湯器に採用される。給湯器の熱交換器は、図
1,図2に示すように、ガスバーナ(B) を収容した燃焼
室に連設される缶胴(1) の上部に複数の吸熱管(2)(2)を
配設し、これらを直列状態に連通接続するとともに、前
記吸熱管(2)(2)に多数の吸熱フィン(20)(20)を具備させ
た構成である。
【0003】このものでは、上流側の給水管(21)から流
入する冷水が、前記吸熱管(2)(2)の部分でガスバーナ
(B) の燃焼熱によって加熱昇温され、下流側の出湯管(2
2)から給湯される。このとき、実開平01-97152号に開示
されるようなコイル状部材やねじれた帯状部材等の乱流
発生体(乱流発生部を連続させた部材)を前記吸熱管
(2)(2)に収容すると、この内部の水の流れが乱流傾向と
なって熱交換が促進され、熱効率が向上する。
【0004】ところが、熱交換器では、吸熱管(2)(2)へ
の吸熱フィン(20)(20)のロー付け時の制約、または、組
み付け上の構成(例えば実開平02-24244号に開示される
構成)等から、缶胴(1) の上端開口側壁とこれに隣接す
る吸熱フィン(20)との間には一定の間隔があり、この部
分では、吸熱管(2) がそのまま露出すものがある。そし
て、従来は、この露出部を含めて吸熱管(2) の全域に乱
流発生体が挿入されている。この乱流発生体は熱交換を
促進すべく機能することから、吸熱フィン(20)(20)の配
設部に一致する箇所では、吸熱フィン(20)から吸熱管
(2) の内部の水への熱交換が促進されるが、吸熱管(2)
の外周部の雰囲気温度が低い部分では、逆に、雰囲気中
の蒸気の結露を促進させる。つまり、この吸熱管(2) の
露出部ではドレンの発生が促進されることとなる。そし
て、このドレンの発生は、吸熱管(2) の腐食を促進させ
ることとなって熱交換器の耐久性に直接影響する。特に
吸熱管(2) における入口側の水温が低いことから、この
入口側において前記不都合が生じ易い。
【0005】本発明は、このような、『多数の吸熱フィ
ン(20)(20)を具備させた吸熱管(2)(2)を缶胴(1) に装備
させ、前記各吸熱管(2) に乱流発生部を連続させた乱流
発生体を内蔵させた形式の熱交換器』において、吸熱管
(2) の露出部におけるドレンの発生を防止して、熱交換
器の耐久性を向上させることをその課題とする。
【0006】
【技術的手段】上記課題を解決するために講じた本発明
の技術的手段は、『吸熱管(2)の両端部であって前記
吸熱フィン(20)と缶胴(1)の側壁との間の流路内
には乱流発生部を設けないか又はこの乱流発生部が粗と
なるように、前記乱流発生体を前記吸熱管(2)内に位
置決め固定した』ことである。
【0007】
【作用】吸熱管(2)の両端部であって吸熱フィン(2
0)と缶胴(1)の側壁との間の部分(フィン無し部)
の管壁の温度は、内部の湯水の温度よりも高いが、燃焼
排気からの吸熱が促進されている前記吸熱フィン(2
0)の取付部の温度よりも低い。また、吸熱管(2)の
雰囲気の燃焼排気温度も吸熱管(2)の両端の前記フィ
ン無し部の温度は、燃焼排気が缶胴(1)の側壁と接触
して冷却された排気流となるから、前記吸熱フィン(2
0)(20)の取付け部に比べて低いものとなるからこ
の部分の排気の湿度が他の部分のそれよりも高くなる。
ところが、この部分の内部には、乱流発生部が存在しな
いか又は乱流発生部が粗となっているから、この部分の
吸熱管(2)の表面温度がさらに低下されることがない
から、結露条件になることはなく、この吸熱管(2)の
露出部にドレンが生じる不都合が防止できる。また、前
記乱流発生体は前記吸熱管(2)の吸熱フィンとの関係
で所定の位置に位置決め固定されているからこの乱流発
生体が不用意に移動することがない。
【0008】
【効果】ドレンの生じ易い前記フィン無し部分の吸熱管
の管壁にドレンが発生しにくいから、熱交換器の吸熱管
(2)に部分的にドレンが発生することによる腐食が防
止でき、熱交換器の耐久性が向上する。前記乱流発生体
が吸熱フィン(20)(20)の配設部との関係で適正
位置に位置決め固定されるから、これが輸送途中等で不
用意に移動することがなく、前記効果が確実なものとな
る。
【0009】
【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て詳述する。この実施例の熱交換器では、缶胴(1) の上
方開放部の対向側壁(10)(10)間に複数の吸熱管(2)(2)を
挿通させた構成としてあり、この吸熱管(2)(2)と給水管
(21)及び出湯管(22)との接続関係や、吸熱管(2)(2)の下
方にガスバーナを配設する点等は、既述従来例と同様で
ある。
【0010】各吸熱管(2) は、図3のように、上記側壁
(10)(10)間に貫通状態に設けられ、側壁(10)と最も外側
に位置する吸熱フィン(20)との間の開放部(12)(13)は、
多数の吸熱フィン(20)(20)を連続させたフィン取付け部
の吸熱フィン(20)(20)相互の間隔よりも大きな間隔とな
っている。そして、この実施例では、各吸熱管(2) の前
記フィン取付け部よりも短い範囲に亙ってコイルバネ(3
0)からなる乱流発生体(3) を各吸熱管(2) に内蔵する。
このコイルバネ(30)においては1巻き分のコイル状素線
部(30a) が乱流発生部(3a)となり、その外径は、吸熱管
(2) の内径よりも僅かに小さく設定してある。又、この
コイルバネ(30)の一端で、吸熱管(2) の上流側に位置す
る端部には、直線状の延長片(31)が連設され、この延長
片(31)の先端に吸熱管(2) の直径線上に位置するように
屈曲させた屈曲片(32)を具備させている。この屈曲片(3
2)は、延長片(31)の先端から一方外側に傾斜した傾斜片
とこの傾斜片に続き且吸熱管(2) の直径よりも僅かに大
きな直立片と、この先端から内側に屈曲する自由端部と
から構成される。
【0011】前記屈曲片(32)の直立片が吸熱管(2) の直
径よりも長く設定されていることから、これを延長片(3
1)に対して傾斜する姿勢で吸熱管(2) 内に挿入すれば、
復帰付勢力によって挿入位置に摩擦係合される。尚、前
記延長片(31)の長さは、吸熱管(2) の端部からフィン取
付け部までの距離に基いて決定されており、図3のよう
に、屈曲片(32)が吸熱管(2) の上流端と略一致するよう
に上記構成の乱流発生体(3) を挿入すれば、吸熱管(2)
におけるフィン取付け部の範囲内に乱流発生体(3) が収
容され、開放部(12)(13)には、前記コイルバネ(30)のコ
イル状素線部(30a) が配設されないこととなる。
【0012】尚、この実施例では、図4に示すように、
合計8本の吸熱管(2)(2)が缶胴(1)の側壁(10)(10)間に
挿通しており、各吸熱フィン(20)は、これらの吸熱管
(2)(2)の全てが貫通する。従って、同図に示すように、
各吸熱フィン(20)には、吸熱管(2)(2)を挿通させる八個
のバーリング孔(23)(23)が形成されている。このバーリ
ング孔(23)のバーリング部(24)の高さは、吸熱フィン(2
0)(20)相互の間隙に一致させてあり、図3のように、各
バーリング孔(23)に吸熱管(2) を挿通させた状態で所要
枚数の吸熱フィン(20)(20)を重ね合せると、吸熱フィン
(20)(20)相互にはバーリング部(24)の高さに相当する間
隙が生じることとなる。
【0013】尚、上記吸熱フィン(20)の各バーリング孔
(23)の中央上部には切欠(25)が形成されており、この切
欠(25)の大きさは棒状ロー材(4) の太さよりも僅かに大
きく設定してある。そして、図3に示す組み付け状態
で、最も外側の吸熱フィン(20)(20)の間に位置する吸熱
フィン(20)(20)の前記切欠(25)に棒状ロー材(4) を挿通
させ、側壁(10)(10)と最外側の吸熱フィン(20)(20)との
間に所定の開放部(12)(13)を形成するようにして、所定
温度に加熱すると、前記棒状ロー材(4) が溶融して各吸
熱フィン(20)が吸熱管(2) にロー付けされる。尚、前記
開放部(12)(13)はロー材(4) が側壁(10)(10)へ流れるの
を防止するために形成されている。
【0014】上記実施例のものでは、コイルバネ(30)の
一端に延長片(31)及び屈曲片(32)を連設した構成とした
が、図5に示すように、コイルバネ(30)の両端部のコイ
ル状素線部(30a) 相互の間隔が粗となるようにして、こ
の粗となった部分が側壁(10)と最外側の吸熱フィン(20)
との間の吸熱管(2) 内に位置するように、吸熱管(2)内
に収容する構成としてもよい。
【0015】通常、吸熱管(2) の両端部には円弧状の連
結管や給水管(21)及び出湯管(22)との屈曲連結部がある
ことから、コイルバネ(30)の全体の長さを吸熱管(2) の
長さに一致させ、フィン取付け部より外側の部分のコイ
ル状素線部(30a)(30a)が粗となるように構成されていれ
ば、コイルバネ(30)の外径を吸熱管(2) の内径よりも僅
かに小さくしていても、コイル状素線部(30a) の粗な部
分がフィン取付け部から外れて位置し、開放部(12)(13)
の部分に一致する。このことは、図3のような延長片
(31)をコイルバネ(30)の両端に連設する構成とし、
屈曲片(32)の大きさを吸熱管(2) の直径よりも小さく
設定した場合も同様である。
【0016】尚、上記実施例では、乱流発生体(3) とし
てコイルバネ(30)を採用したが、ねじれた帯状材など他
の形式の乱流発生体(3) を採用することも可能である。
又、缶胴(1) の上端開放部に排気トップが連設される熱
交換器や缶胴(1) の下方に給気用ファン装置を連設する
形式の熱交換器にも本考案が実施できることは言うまで
もない。
【0017】上記実施例では、開放部(12)(13)の両方に
一致する吸熱管内の乱流発生部(3a)を粗に配列するか、
または、この部分に乱流発生部(3a)を設けない構成とし
たが、各吸熱管(2) 内の流れの上流側、あるいは、吸熱
管(2) の最上流側に位置する開放部に一致する部分のみ
乱流発生部(3a)の配列を粗にするか又はこの部分に乱流
発生部(3a)を設けない構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯器用の熱交換器の一般的な構造の説明図
【図2】その平面図
【図3】本発明実施例の要部断面図
【図4】X−X断面図
【図5】乱流発生体(3) の他の例の説明図
【符号の説明】
(20)・・・吸熱フィン (2) ・・・吸熱管 (1) ・・・缶胴 (3) ・・・乱流発生体 (3a)・・・乱流発生部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の吸熱フィン(20)(20)を具
    備させた吸熱管(2)(2)を缶胴(1)に装備させ、
    前記各吸熱管(2)に乱流発生部を連続させた乱流発生
    体を内蔵させた形式の熱交換器において、吸熱管(2)
    の両端部であって前記吸熱フィン(20)と缶胴(1)
    の側壁との間の流路内には乱流発生部を設けないか又は
    この乱流発生部が粗となるように、前記乱流発生体を前
    記吸熱管(2)内に位置決め固定した熱交換器。
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